特許第6937776号(P6937776)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アドバンスド ニュー テクノロジーズ カンパニー リミテッドの特許一覧

特許6937776地理的位置の属性情報を特定するための方法及びデバイス
<>
  • 特許6937776-地理的位置の属性情報を特定するための方法及びデバイス 図000006
  • 特許6937776-地理的位置の属性情報を特定するための方法及びデバイス 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6937776
(24)【登録日】2021年9月2日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】地理的位置の属性情報を特定するための方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/909 20190101AFI20210909BHJP
【FI】
   G06F16/909
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-549249(P2018-549249)
(86)(22)【出願日】2017年3月3日
(65)【公表番号】特表2019-512806(P2019-512806A)
(43)【公表日】2019年5月16日
(86)【国際出願番号】CN2017075518
(87)【国際公開番号】WO2017157184
(87)【国際公開日】20170921
【審査請求日】2020年3月2日
(31)【優先権主張番号】201610149877.6
(32)【優先日】2016年3月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520015461
【氏名又は名称】アドバンスド ニュー テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】ヂァン,キー
(72)【発明者】
【氏名】シェン,ドン
(72)【発明者】
【氏名】シュ,イーナン
【審査官】 鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第104636482(CN,A)
【文献】 特開2010−186371(JP,A)
【文献】 特開2003−295804(JP,A)
【文献】 特開2013−235527(JP,A)
【文献】 特開2009−169173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/909
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地理的位置に関連した複数の属性特徴を取得するステップであって、前記複数の属性特徴は前記地理的位置に関連する地理的特徴、行動的特徴、または、人口的特徴の少なくとも2つを含む、前記取得するステップと、
特定の属性特徴の各々のために、前記特定の属性特徴のスコア値および重み値を決定するステップであって、前記特定の属性特徴の前記重み値は真正性の重み値と完全性の重み値を用いて決定され、前記真正性の重み値は自然言語類似度決定アルゴリズムに基づき2以上の属性特徴内のキーワードを比較することにより決定され、前記完全性の重み値は事前推定されたデータ量を得られたデータ量とを比較することにより決定され、前記特定の属性特徴の前記スコア値は前記地理的位置の前記特定の属性特徴を他の地理的位置の対応する属性特徴と比較した結果に基づき決定される、前記決定するステップと、
前記特定の属性特徴に対応する前記スコア値と前記重み値を用いて前記特定の属性特徴に対応する前記地理的位置のための属性値を算出するステップと、
コンピュータ表示装置のユーザインタフェースを用いて前記属性値の表示を開始するステップと
を備える、コンピュータに実装される方法。
【請求項2】
前記特定の属性特徴の前記重み値は、さらに、前記特定の属性特徴の前記真正性の重み値、前記完全性の重み値と、重要性の重み値を用いて決定され、前記特定の属性情報の前記重要性の重み値は前記特定の属性特徴に含まれる各情報の比較に基づく相対的重要性に基づき設定される、請求項1に記載のコンピュータに実装される方法。
【請求項3】
前記属性値の表示を開始するステップは、
ナビゲーションサーバによってユーザのために提供される電子マップ上に表示させるために、前記ナビゲーションサーバに前記属性値を提供するステップ;
サービスプラットフォームにサービス関連の決定のために前記属性値を提供するステップ;又は
ユーザのデバイスに前記属性値を提供するステップ、
を備える、請求項1に記載のコンピュータに実装される方法。
【請求項4】
コンピュータシステムにより、請求項1から3のいずれかの方法を実行する1または複数の実行可能な命令を記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項5】
1または複数のコンピュータと、
前記1または複数のコンピュータと接続された1または複数のコンピュータ記憶装置であって、前記1または複数のコンピュータにより実行されることで、請求項1から3のいずれかの方法を実行する1または複数の命令を記録したコンピュータ読み取り可能な媒体を備えた前記1または複数のコンピュータ記憶装置と
を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2016年3月16日に中国特許庁に出願され「地理的位置の属性情報を特定するための方法及びデバイス」と題された中国特許出願第201610149877.6号の優先権を主張し、上記中国特許出願は参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、コンピュータ技術の分野、特に、地理的位置の属性情報を特定するための方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
情報技術の発展によって、人はいつでもどこでも携帯電話やタブレットコンピュータなどの端末デバイスを使って様々な地理的位置を照会することができる。
【0004】
既存の技術では、旅行をより便利にするため、マップナビゲーションソフトウェアにより交通密度マップが提供される。過密地区や過疎地区など、異なる地区に異なる色が付けられているので、ユーザは、密度マップに基づいて、地区が密集しているかどうかを特定できる。
【0005】
しかし、上で述べた工程から分かるように、密度マップは人口密度だけを表示でき、繁栄のレベル、飲食施設の密度、娯楽施設の密度等の、地理的位置の他の属性情報は表示できない。ユーザが地区の他の属性情報を取得したい場合、ユーザは他の情報を照会する必要がある。操作ステップが増えれば、それだけユーザの利便性は低下する。
【0006】
例えば、観光客が北京に来て、北京の繁栄している商業地区に行きたい場合、観光客がマップナビゲーションソフトウェアを使って北京の地理情報を照会しても、北京の商業地区の情報は取得できない。観光客は、既存の技術の交通密度マップを用いて、昌平区(Changping District)の過密な回竜観(Huilongguan)(道教寺院(Taoist temple))を特定しても、その地区が繁栄している商業地区であるかどうかを特定できない。観光客は他の方法を使って回竜観が商業地区であるかどうかを照会することしかできない。
【0007】
明らかに、上で述べた工程におけるユーザ操作は不便である。
【発明の概要】
【0008】
本願の実施は、地理的位置の属性情報を特定するための方法及びデバイスを提供し、ユーザが地理的位置の属性情報を取得する場合に操作上の不都合が生じるという既存の技術の問題を解決する。
【0009】
本願の実施は、地理的位置の属性情報を特定する方法を提供し、前記方法は:ナビゲーションサーバから地理的位置の地理的特徴を取得するステップと;予め格納された過去のデータに基づいて、前記地理的位置の行動的特徴及び人口的特徴を特定するステップと;前記地理的特徴、前記行動的特徴、及び前記人口的特徴、のうちの少なくとも1つに基づいて、前記地理的位置の属性情報を特定するステップと;を含む。
【0010】
本願の実施は、地理的位置の属性情報を特定するためのデバイスを提供し、前記デバイスは:ナビゲーションサーバから地理的位置の地理的特徴を取得するように構成された第1の取得モジュールと;予め格納された過去のデータに基づいて、前記地理的位置の行動的特徴及び人口的特徴を取得するように構成された第2の取得モジュールと;前記地理的特徴、前記行動的特徴、及び前記人口的特徴のうちの少なくとも1つに基づいて、前記地理的位置の属性情報を特定するように構成された特定モジュールと;を含む。
【0011】
本願は、地理的位置の属性情報を特定するための方法を提供する。地理的位置の地理的特徴はナビゲーションサーバから取得される。地理的位置の行動的特徴(behavior feature)及び人口的特徴(population feature)は、予め記憶された過去のデータに基づいて特定される。地理的位置の属性情報は、地理的特徴、行動的特徴、及び人口的特徴のうちの少なくとも1つに基づいて特定される。上で述べた方法から分かるように、ユーザは、地理的位置を入力した後に、地理的位置に関する情報を照会することなく、地理的位置の属性情報を直接取得し、それによって、地理的位置の照会中におけるユーザ操作の便宜性を効果的に改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本明細書に添付の図面は、本願のさらなる理解を提供するために使用され、本願の一部を構成する。本願の例示的な実施、及び実施の説明は、本願を説明するために使用され、本願に対する不適切な限定を構成しない。
【0013】
図1図1は本願の実施による、地理的位置の属性情報を特定する工程を示す。
【0014】
図2図2は本願の実施による、地理的位置の属性情報を特定するためのデバイスを示す概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願の目的、技術的解決策、及び利点をより明確にするために、本願の特定の実施及び対応する添付図面を参照して、以下に、本願の技術的解決策を明確かつ完全に記載する。明らかに、記載された実施は、本願の実施の全てではなく一部である。創作努力なしに本願の実施に基づいて当業者によって得られる他の全ての実施は、本願の保護範囲内に入るものとする。
【0016】
図1は、本願の実施による、地理的位置の属性情報を特定する工程を示す。この工程は以下のステップを含む。
【0017】
S101.ナビゲーションサーバから地理的位置の地理的特徴を取得する。
【0018】
ユーザが或る地理的位置の属性情報を取得したい場合、ユーザは、最初に地理的位置の名称をサーバ又は端末デバイスに入力でき、サーバ又は端末デバイスは、地理的位置の地理的特徴を取得できる。地理的特徴は、地理的位置の緯度、経度、標高又は他の測定基準を含むことができる。更に、現在ではナビゲーションサービスが広く使用されているので、サーバは、ナビゲーションサービスを提供するナビゲーションサーバから地理的位置の地理的特徴を取得することもできる。
【0019】
S102.予め格納された過去のデータに基づいて、地理的位置の行動的特徴及び人口的特徴を特定する。
【0020】
本願のこの実施では、地理的特徴に加え、地理的位置の属性情報が、地理的位置における人々の行動的特徴及び人口的特徴に基づいて更に特定される必要がある。行動的特徴は、地理的位置における人々の様々な行動及び習慣に関する特徴、例えば、地理的位置における飲食の場所又は娯楽の場所における人々の一般的な消費の限度などを示す。人口的特徴は、性別分布や年齢分布など、地理的位置にいる人々の特徴である。
【0021】
S103.地理的特徴、行動的特徴、及び人口的特徴のうちの少なくとも1つに基づいて、地理的位置の属性情報を特定する。
【0022】
地理的特徴、行動的特徴、及び人口的特徴の3つの特徴が特定された後、それらの少なくとも1つに基づいて、地理的位置の属性情報を特定できる。例えば、3つの特徴及び特定対象属性情報に基づいて、指定されたアルゴリズムモデルを予め訓練することができる。したがって、3つの特徴を特定し、予め訓練されたアルゴリズムモデルへ直接入力して地理的位置の出力属性情報を取得できる。
【0023】
代替として、必要とされる各特徴のスコアを取得し、最終的に重み付け計算を実行して地理的位置の属性情報を取得する。最初に、地理的位置の地理的特徴、行動的特徴、及び人口的特徴のスコアを別々に取得できる。スコアは以下のように取得できる。すなわち、サーバ又は端末デバイスが、地理的位置の3つの特徴を、他の地理的位置の3つの対応する特徴と比較し、これらの地理的位置を特定の規則に基づいてランク付けし、最終的には、ランクに基づいてスコアを取得する。或いは、サーバ又は端末デバイスが、地理的位置の3つの特徴を提示でき、3つの特徴に基づいてスタッフが自発的にスコアを与える。
【0024】
3つの特徴のスコアを別々に取得した後に、地理的位置の地理的特徴、行動的特徴、及び人口的特徴にそれぞれ対応する重みを特定でき、次いで各特徴のスコア及び重みに基づいて重み付け計算を実行する。加重和は、地理的位置の属性値である。属性値に基づいて、地理的位置の属性情報を特定できる。各特徴の重みは、少なくとも特徴の完全性と、真正性と、重要性とを用いて特定できる。言い換えれば、各特徴の重みは、特徴の、完全性の重みと、真正性の重みと、重要性の重みとを用いて特定される。
【0025】
上で述べた方法から分かるように、ユーザは、地理的位置を入力した後に、別の方法で地理的位置の属性情報を照会することなく、地理的位置の属性情報を直接取得し、それによって、地理的位置の照会中においてユーザ操作の便宜性を効果的に改善できる。
【0026】
地理的位置の属性情報は商業的価値であるとする例を使って、地理的位置の商業的価値を特定する詳細な工程を以下説明する。
【0027】
最初に、地理的位置の商業的価値を特定し提供するように構成されたサーバは、地理的位置の過去の照会頻度情報、地理的位置の人口分布情報、地理的位置の基本的地理情報、及び地理的位置のカテゴリ情報、のうちの少なくとも1つをナビゲーションサーバから取得し地理的特徴として役立てることができる。
【0028】
次に、行動的特徴として役立つオンライン情報及びオフライン情報を支払いサーバから取得する。オンライン情報には、地理的位置の過去の支払い情報が含まれるが、これに限定されない。オフライン情報には、地理的位置の過去のオフライン取引情報及び地理的位置の評価情報が含まれるが、これに限定されない。
【0029】
同様に、人口的特徴として役立つ地理的位置にあるユーザの消費特徴情報及び年齢分布情報のうちの少なくとも一方を、支払いサーバから取得する。
【0030】
地理的特徴、行動的特徴、及び人口的特徴に含まれる情報を表1に示す。
【0031】
もちろん、記載の情報に加え、表1に示す各特徴は、統計収集を通してナビゲーションサーバ及び支払いサーバによって情報が取得されるとすれば、他の情報を更に含むことができる。例えば、人口的特徴は、地理的位置におけるユーザの性別分布情報、職業分布情報、又は他の関連情報を更に含むことができる。
【0032】
表1に示す行動的特徴は、支払いサーバ上の過去のデータを用いて統計収集を通して取得できる点は注目に値する。地理的位置の過去の支払い情報が統計収集を通して取得されると、地理的位置において生成され支払いサーバに記憶された、水、電気及びガスの支払いログを取得でき、次いで、ある特定サイクルにおける電気及びガスの平均支払額、平均使用量、ピーク時間、オフピーク時間が、各ログに記録されている支払額、使用量、支払時間等に基づいて計算される。オフライン取引情報に対して統計収集を実行すると、支払いサーバを用いて銀行振込記録を取得でき、その振込記録に基づいて特定期間内の地理的位置における平均振込取引金額が特定される。評価情報に対して統計収集が実行されると、支払いサーバに記憶された地理的位置における各指標(例えば、駐車便利度)に対するユーザスコアを取得でき、各平均指標スコアが計算される。
【0033】
統計収集が人口的特徴に対して実行されると、支払いサーバに記憶される各ユーザアカウントに対応する受信アドレスに基づいて、少なくとも1つの受信アドレスを地理的位置に持つユーザを、地理的位置におけるユーザとして特定できる。これらのユーザの年齢分布情報に対して統計収集が実行されると、支払いサーバに格納されたこれらのユーザアカウントに記録されたユーザ年齢に基づいて、統計収集を通して地理的位置におけるユーザの年齢分布を取得できる。例えば、4つの年齢層、即ち0〜10歳、10〜20歳、20〜50歳、及び50〜70歳を予め特定できる。各年齢層のユーザ人数が計算され、すべてのユーザの各年齢層のユーザの割合が計算される。地理的位置内のユーザの消費特徴情報に対して統計収集が実行されると、ある特定期間における各ユーザの総消費量、総消費頻度、及び各製品の種類ごとの消費頻度を取引記録に基づいて計算でき、各ユーザの各製品の消費頻度に基づいて、統計収集を通して各ユーザの各製品の消費分布を取得する。
【0034】
加えて、統計収集が人口的特徴に対して実行されると、地理的位置のユーザは永住者の特徴と非永住者の特徴とで分けられ、統計収集は2つのタイプのユーザに対して別々に実行される。ユーザが永住者ユーザと非永住者ユーザとに分けられていると、支払いサーバに記憶されている各ユーザの取引記録を取得できる。地理的位置にある受信アドレスを含む取引記録の量又は割合が所定の閾値を超えるかどうかが特定され、肯定であれば、ユーザは、地理的位置における永住者ユーザとして特定され、そうでなければ、ユーザは地理的位置における非永住者ユーザとして特定される。
【0035】
地理的特徴、行動的特徴、及び人口的特徴の3つの特徴が上で述べた方法を用いて統計収集を通して取得された後に、それらのうちの少なくとも1つの特徴に基づいて、地理的位置の属性情報を特定できる。ある特定の工程は以下のとおりである。
【0036】
ステップ1:表1に示す各特徴に含まれる各情報のスコアを取得し、各情報のインターバルの範囲を事前に決定する。異なるインターバルの範囲は、異なるスコアに対応する。例えば、表2に示すように、商業的価値が特定されると、地理的特徴において住宅地区のスコアは商業地区のスコアよりも低い。というのは、商業地区はより多くのレストラン、娯楽施設、ショッピングモールなどを含む集中的な消費地区であるが、住宅地区は、消費量や消費頻度が商業地区に比べてはるかに少ない集中住宅地に過ぎないからである。したがって、地理的位置のカテゴリ情報が特定されると、商業地区のスコアは住宅地区のスコアよりも高い。
【0037】
別の実施例では、人口の年齢スコアは、人口的特徴で同様に取得される。表3に示すように、0歳から10歳までの人は自分自身で生活することはできず、親に完全に依存しているため、消費能力は低い。10歳から20歳までの人は、主に親から小額のポケットマネー(小遣い銭)を与えられる中学生や高校生であるため、消費能力は0歳から10歳を上回るものの、依然として比較的低い。20歳から50歳の人はそのほとんどが仕事と固定収入源を持っているので、消費能力が高い。子からの援助と退職年金に依存している50歳から70歳の人は比較的倹約指向であるので、消費能力は20歳から50歳の人々よりも低い。したがって、4つの年齢層の消費能力を降順でランク付けすると、20〜50歳、50〜70歳、10〜20歳、及び0〜10歳となり、4つの年齢層の消費能力のスコアは、それに応じて低下する。
【0038】
ステップ2:地理的特徴、行動的特徴、及び人口的特徴のそれぞれに含まれる情報の重みを特定する。地理的特徴、行動的特徴、及び人口的特徴に含まれる任意の情報の真正性及び完全性が特定され、情報の重みが情報の真正性及び完全性に基づいて特定される。
【0039】
ナビゲーションサーバ上のほとんどのデータは路上収集などを通じて収集され、リアルタイムの更新変更を含む支払いサーバに比べて精度が比較的低いので、行動的特徴及び人口的特徴が現実的であるとみなせるときは、地理的特徴の真正性だけを実行する必要がある。したがって、地理的特徴の真正性が特定されると、地理的特徴を行動的特徴と比較することによって、地理的特徴における各情報の真正性を特定できる。例えば、地理的特徴における「地理的位置のカテゴリ情報」の真正性が特定されると、ナビゲーションサーバ上で取得したデータは、地理的位置Aはレストランであると表示するが、地理的位置Aは、地理的位置Aの評価情報又は消費特徴情報を解析した後は、映画館として特定される(例えば、評価情報のキーワードが抽出される、又は、消費特徴の「消費製品カテゴリ分布」において最大確率分布を有する消費製品が特定される)。その結果、地理的特徴における「地理的位置Aのカテゴリ情報」の真正性は非常に低く、情報の真正性の重みは低い、又は、0である、と特定できる。特定の真正性数量化方法は、以下のようにすることができる。即ち、地理的位置Aの地理的特徴のキーワード及び地理的位置Aの行動的特徴のキーワードが抽出される。例えば、地理的特徴のキーワードには、味、配膳速度、清潔度などが含まれ、行動的特徴のキーワードには、オーディオ及び映像、座席、切符などが含まれる。自然言語類似度特定アルゴリズムに基づいて、類似度計算を実行できる。より高い類似度は、より現実的な地理的特徴を示し、逆もまた同様である。結論として、任意の特徴内の任意の情報については、より高い情報の真正性は、より高い真正性の重みを示し、逆もまた同様である。
【0040】
事前推定されたデータ量を、実際に取得したデータ量と比較することによって、完全性を特定できる。例えば、地理的位置Aの人口的消費能力は、地理的位置Aの1000人の平均月間消費量を計算することによって特定される必要がある。言い換えれば、事前推定データ量は1000である。しかし、支払いサーバからは700人の平均月間消費量しか取得できない。言い換えれば、実際に取得されるデータ量は700である。したがって、情報が完全であるかどうかを特定するために、表4に示す予め分割されたインターバルの範囲に基づいて情報の完全性を取得できる。
【0041】
表4から、月平均消費量は比較的完全な情報であり、対応する重み値は0.7であると特定される。
【0042】
情報の重みの特定は、情報の真正性と完全性に加えて情報の重要性にも依存する。例えば、レストランが昼食時と夕食時に過密であり、月平均取引量が比較的大きければ、駐車場が便利であると広く評価されている地理的な場所に対し比較的大きな商業的価値が与えられる。したがって、1日の異なる時点における人口分布情報、オフライン取引量情報、及び地理的位置Aの評価情報の重要性の重みは、地理的特徴、行動的特徴、及び人口的特徴に含まれる他の情報の重要性の重みよりも高い。情報重要性の重みは、必要に応じて人為的に設定できる。
【0043】
ステップ3:取得したスコアに対して重み付け計算を実行し、地理的位置の属性情報を特定し、地理的位置の属性情報を提供する。各情報スコアに、完全性の重み、真正性の重み、及び重要性の重みを掛け合わせて得られたすべての情報の総重み付けスコアが、地理的位置の商業的価値である。
【0044】
その後、地理的位置Aの出力商業的価値をナビゲーションサーバへ提供できるので、ユーザのナビゲーションサーバによって提供される電子マップ上に地理的位置Aの商業的価値が表示される。商業的価値の程度に基づいてマップ上に異なる色を表示することは、ユーザが都市の商業地区を特定するのに役立つ。或いは、出力された商業的価値がクレジットサービスプラットフォームに提供され、それにより、クレジットサービスプラットフォームは、地理的位置Aの商業的価値に基づいて、地理的位置Aに返済能力があるかどうかを特定し、次いでローンサービスを実行する。或いは、中小企業の経営者などのユーザに、出力された商業的価値を提供して、オフラインショップの住所選択を促進する。
【0045】
地理的位置の属性情報を支払いサーバによって特定できる。或いは、別のサーバが、ナビゲーションサーバから地理的特徴を呼び出し、行動的特徴及び人口的特徴を支払いサーバから呼び出し、次いで重み付け計算を実行し、最終的に地理的位置の属性情報を特定できる。
【0046】
地理的位置の商業的価値の特定は、上記の実施例として説明のために用いられている。地理的位置の商業的価値に加えて、例えば娯楽施設の密度又は飲食施設の密度など、地理的位置の他の属性情報を、本願における図1に示す方法において更に特定できる。飲食施設の密度が特定されると、地理的特徴、行動的特徴、及び人口的特徴は、異なる情報を含む。例えば、地理的位置Bの飲食施設の密度が特定されると、地理的位置Bの地理的特徴として、飲食時におけるその地区の交通渋滞度合、その地区と近くの商業地区との間の距離に関する情報、地区の広さ情報、及び地区内のレストランの数を含めることができる。地理的位置Bの行動的特徴には、その地区の各レストランの野菜、肉、海産物、等のそれぞれの月平均購入量、その地区の各レストランの1日平均の客数、その地区の各レストランの水、電気、及びガスの月平均使用量、その地区の各レストランの月平均税額、及びその地区の各レストランの1日の平均営業時間を含めることができる。地理的位置Bの人口的特徴には、近傍の人々の職業、性別比率、年齢分布などを含めることができる。
【0047】
本願の実施による地理的位置の属性情報を特定するための方法は、上で述べたとおりである。同様の考え方に基づいて、図2に示すように、本願は、地理的位置の属性情報の特定に対応するデバイスを更に提供する。
【0048】
図2は本願の実施による、地理的位置の属性情報を特定するためのデバイスを示す概略構造図である。このデバイスは:ナビゲーションサーバから地理的位置の地理的特徴を取得するように構成された第1の取得モジュール201と;予め格納された過去のデータに基づいて地理的位置の行動的特徴及び人口的特徴を取得するように構成された第2の取得モジュール202と;地理的特徴、行動的特徴、及び人口的特徴、のうちの少なくとも1つに基づいて地理的位置の属性情報を特定するように構成された特定モジュール203と;を含む。
【0049】
地理的位置の属性情報には、地理的位置の商業的価値が含まれる。
【0050】
地理的特徴には、地理的位置の過去の照会頻度情報、地理的位置の人口分布情報、地理的位置の基本的地理情報、及び地理的位置のカテゴリ情報、のうちの少なくとも1つが含まれる。
【0051】
行動的特徴には、オンライン情報とオフライン情報とが含まれる。オンライン情報には、地理的位置の過去の支払い情報が含まれる。オフライン情報には、地理的位置の過去のオフライン取引情報と、地理的位置の評価情報とが含まれる。
【0052】
人口的特徴には、地理的位置におけるユーザの消費特徴情報と年齢分布情報とが含まれる。
【0053】
特定モジュール203は、地理的特徴、行動的特徴、及び人口的特徴のそれぞれに含まれる情報のスコアを取得するように構成され;地理的特徴、行動的特徴、及び人口的特徴のそれぞれに含まれる情報の重みを特定し;取得したスコアに重み付け計算を実行して地理的位置の商業的価値を特定する。
【0054】
特定モジュール203は、地理的特徴、行動的特徴、及び人口的特徴に含まれる任意の情報の真正性及び完全性を特定し、情報の重みを情報の真正性及び完全性に基づいて特定するように更に構成される。
【0055】
デバイスは:ナビゲーションサーバが、ユーザに提供される電子マップ上で地理的位置の商業的価値を表示するために、ナビゲーションサーバに地理的位置の商業的価値を提供するように;又は、クレジットサービスプラットフォームが、その地理的位置の商業的価値に基づいてローンサービスを実行するために、クレジットサービスプラットフォームの地理的位置の商業的価値を提供するように;又は、ユーザのために地理的位置の商業的価値を提供するように;構成された提供モジュール204を更に含む。
【0056】
図2に示すデバイスは、サーバ又は端末デバイス上に配置できる。
【0057】
典型的な構成では、コンピューティングデバイスは、1つ又は複数のプロセッサ(CPU)、入力/出力インターフェイス、ネットワークインターフェイス、及びメモリを含む。
【0058】
メモリは、非永続的記憶装置、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性メモリ、及び/又は、コンピュータ可読媒体の他の形式、例えば読み出し専用メモリ(ROM)又はフラッシュメモリ(フラッシュRAM)を含むことができる。メモリは、コンピュータ可読媒体の一例である。
【0059】
コンピュータ可読媒体は、永続性、非永続性、可動性、及び非可動性の媒体を含み、前記媒体は、任意の方法又は技術を用いることによって情報記憶を実施することができる。情報は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータとすることができる。コンピュータ記憶媒体の例は、相変化ランダムアクセスメモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、別のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、又は他のメモリ技術、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、又は他の光学記憶装置、カセット、カセット磁気ディスク記憶装置、又は他の磁気記憶デバイス、又は、任意の他の非送信媒体を含むが、これらに限定されない。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータデバイスによりアクセスすることができる情報を保存するように構成することができる。本明細書の定義によれば、コンピュータ可読媒体は、例えば変調データ信号及び搬送波といった一時的媒体を含まない。
【0060】
用語「含む(include)」「備える(comprise)」又はそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーするように意図されているので、要素の一覧を含むプロセス、方法、商品、又はデバイスは、それらの要素を含むだけでなく、明示的に列挙されていない他の要素をも含む、又は、そのようなプロセス、方法、商品、又はデバイスに固有の要素を更に含む、ということに更に留意することは有益である。「を含む(includes a ...)」の前にある要素は、それ以上の制約がなければ、その要素を含むプロセス、方法、商品、又はデバイスに追加の同一要素が存在することを排除しない。
【0061】
当業者は、本願の実施が、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供され得ることを理解すべきである。したがって、本願は、ハードウェアのみの実施、ソフトウェアのみの実施、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせを有する実施の形態を用いることができる。更に、本願は、コンピュータ使用可能なプログラムコードを含む、1つ又は複数のコンピュータ使用可能な記憶媒体(磁気ディスク記憶装置、CD‐ROM、光学メモリなどを含むがこれに限定されない)に実装されるコンピュータプログラム製品の形態を用いることができる。
【0062】
前述の説明は、本願の単なる実施であり、本願を限定するものではない。当業者であれば、本願は様々な修正及び変更を行うことができる。本願の精神及び原理内においてなされた変更、均等物の置換、改良などは、本願の特許請求の範囲の範囲内に入るものとする。
[第1の局面]
ナビゲーションサーバから地理的位置の地理的特徴を取得するステップと;
予め格納された過去のデータに基づいて、前記地理的位置の行動的特徴及び人口的特徴を特定するステップと;
前記地理的特徴、前記行動的特徴、及び前記人口的特徴、のうちの少なくとも1つに基づいて、前記地理的位置の属性情報を特定するステップと;を備える、
地理的位置の属性情報を特定する方法。
[第2の局面]
前記地理的位置の前記属性情報は、前記地理的位置の商業的価値を含む、
第1の局面に記載の方法。
[第3の局面]
前記地理的特徴は、前記地理的位置の過去の照会頻度情報、前記地理的位置の人口分布情報、前記地理的位置の基本的地理情報、及び前記地理的位置のカテゴリ情報、のうちの少なくとも1つを含み、
前記行動的特徴は、オンライン情報及びオフライン情報を含み、
前記オンライン情報は、前記地理的位置の過去の支払い情報を含み、
前記オフライン情報は、前記地理的位置の過去のオフライン取引情報及び前記地理的位置の評価情報を含み、
前記人口的特徴は、前記地理的位置におけるユーザの消費特徴情報及び年齢分布情報を含む、
第2の局面に記載の方法。
[第4の局面]
前記地理的特徴、前記行動的特徴、及び前記人口的特徴、のうちの少なくとも1つに基づいて、前記地理的位置の属性情報を特定する前記ステップは:
前記地理的特徴、前記行動的特徴、及び前記人口的特徴、のそれぞれに含まれる情報のスコアを取得するステップと;
前記地理的特徴、前記行動的特徴、及び前記人口的特徴、のそれぞれに含まれる前記情報の重みを特定するステップと;
前記取得したスコアに対して重み付け計算を実行して前記地理的位置の前記商業的価値を特定するステップと;を備える、
第2の局面に記載の方法。
[第5の局面]
前記地理的特徴、前記行動的特徴、及び前記人口的特徴のそれぞれに含まれる前記情報の重みを特定する前記ステップは:
前記地理的特徴、前記行動的特徴、及び前記人口的特徴に含まれる任意の情報の真正性及び完全性を特定するステップと;
前記情報の前記真正性及び前記完全性に基づいて前記情報の重みを特定するステップと;を備える、
第4の局面に記載の方法。
[第6の局面]
前記ナビゲーションサーバが、ユーザに提供される電子マップ上に前記地理的位置の前記商業的価値を表示するために、前記ナビゲーションサーバに前記地理的位置の前記商業的価値を提供するステップ;又は
クレジットサービスプラットフォームが前記地理的位置の前記商業的価値に基づいてローンサービスを実行するために、前記クレジットサービスプラットフォームに前記地理的位置の前記商業的価値を提供するステップ;又は
ユーザのために前記地理的位置の前記商業的価値を提供するステップ;を備える、
第2の局面に記載の方法。
[第7の局面]
ナビゲーションサーバから地理的位置の地理的特徴を取得する第1の取得モジュールと;
予め格納された過去のデータに基づいて、前記地理的位置の行動的特徴及び人口的特徴を取得するように構成された第2の取得モジュールと;
前記地理的特徴、前記行動的特徴、及び前記人口的特徴のうちの少なくとも1つに基づいて、前記地理的位置の属性情報を特定するように構成された特定モジュールと;
を備える、
地理的位置の属性情報を特定するデバイス。
[第8の局面]
前記地理的位置の前記属性情報は、前記地理的位置の商業的価値を含む、
第7の局面に記載のデバイス。
[第9の局面]
前記地理的特徴は、前記地理的位置の過去の照会頻度情報、前記地理的位置の人口分布情報、前記地理的位置の基本的地理情報、及び前記地理的位置のカテゴリ情報、のうちの少なくとも1つを含み、
前記行動的特徴は、オンライン情報及びオフライン情報を含み、
前記オンライン情報は、前記地理的位置の過去の支払い情報を含み、
前記オフライン情報は、前記地理的位置の過去のオフライン取引情報及び前記地理的位置の評価情報を含み、
前記人口的特徴は、前記地理的位置におけるユーザの消費特徴情報及び年齢分布情報を含む、
第8の局面に記載のデバイス。
[第10の局面]
前記特定モジュールは、前記地理的特徴、前記行動的特徴、及び前記人口的特徴のそれぞれに含まれる情報のスコアを取得し;前記地理的特徴、前記行動的特徴、及び前記人口的特徴のそれぞれに含まれる前記情報の重みを特定し;前記取得したスコアに対して重み付け計算を実行して前記地理的位置の前記商業的価値を特定するように構成された、
第8の局面に記載のデバイス。
[第11の局面]
前記特定モジュールは、前記地理的特徴、前記行動的特徴、及び前記人口的特徴に含まれる任意の情報の真正性及び完全性を特定し;前記情報の重みを前記情報の前記真正性及び前記完全性に基づいて特定するように構成された、
第10の局面に記載のデバイス。
[第12の局面]
前記ナビゲーションサーバがユーザに提供された電子マップ上に前記地理的位置の前記商業的価値を表示するために、前記ナビゲーションサーバに前記地理的位置の前記商業的価値を提供するように;又は、クレジットサービスプラットフォームが前記地理的位置の前記商業的価値に基づいてローンサービスを実行するために、前記クレジットサービスプラットフォームに前記地理的位置の前記商業的価値を提供するように;又は、ユーザのために前記地理的位置の前記商業的価値を提供するように;構成された提供モジュールを更に備える、
第7の局面に記載のデバイス。
図1
図2