(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ロータ(202)がいかなる位置にあっても前記チャンバ(211)の前記入口(212)と前記出口(213)の間に少なくとも1つのベーン(208)があるように前記入口(212)および前記出口(213)は各凸状カム(210)に直接隣接して前記チャンバ(211)の両端に設けられ、それにより、ベーン(208)が前記油圧チャンバ(211)内でピストンとして機能することを特徴とする、請求項1に記載の油圧モータ。
機械的ストップ(216)が前記ベーン(208)のところに設けられ、それにより前記ベーン(208)は、前記ハウジング(201)の壁に接触しないように前記ロータ(202)と相互作用することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載の油圧モータ。
前記ベーン(208)の外端に長手方向の溝またはトラック(215)が設けられ、これらは媒体の漏れに対する流れ抵抗を提供するために、前記ロータ(202)の前記回転軸線と略平行であることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれかに記載の油圧モータ。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明による油圧モータを備えるステアラブル掘削システムの第1の実施形態を示す。
【
図2b】ドリルヘッド1を通る概略断面および油圧モータ2との相互作用を示す。
【
図3b】中央の中空ロータ202、ハウジング201、および端部ナット203を有する油圧モータ2のさらなる概略図を示す。
【
図3e】モータ1の主要な構成要素の概略分解図を示す。
【
図3f】4つの出口ポート213から4つの入口ポート212を分離する案内プレート206の概略図を示し、中央入口220も示している。
【
図3g】入口ポート212および出口ポート213をモータ2のチャンバ211内に導くポートプレート207の概略図を示す。
【
図3h】ベーン208の外表面の細長い突出物として実現された機械的ストップ216が示される、ベーン208の概略図を示す。
【
図3i】本発明による油圧モータのさらなる実施形態を示す。
【
図3j】本発明による油圧モータのさらなる実施形態を示す。
【
図3k】本発明による油圧モータのさらなる実施形態を示す。
【
図4a】掘削中に
図1に示されるものなどの掘削システムの方向制御を可能にする、ステアリングジョイント3の実施形態の概略図を示す。
【
図4b】ユニバーサルジョイント303の概略図を示す。
【
図4c】明確さのためステップピストン308の一部が取り除かれた、ステアリングジョイント3の概略的なハーフカット図を示す。
【
図4e】ベル型の軸受ソケット306の概略図を示す。
【
図4f】ステアリングジョイント3のさらなる実施形態を概略分解図で示す。
【
図4g】概略的に組み立てられた構成のこの実施形態を示しており、ここでは明確さのため管状部の一部が切り取られている。
【
図4h】概略的に組み立てられた構成のこの実施形態を示しており、ここでは明確さのため管状部の一部が切り取られている。
【
図4l】
図4fの実施形態によるステップピストン308の概略的側面図を示す。
【
図4m】油圧ピストン317をその外周に保持するための凹部が設けられた、回転子ハウジング326の概略図を示す。
【
図5a】掘削中に
図1に示されるものなどの掘削システムのトルクを維持できるようにする、提案された対抗保持システム4の概略図を示す。
【
図5b】対抗保持システム4の例示的実施形態の概略分解図を示す。
【
図5c】掘削穴の中で後退状態の対抗保持システム4を示す。
【
図5d】媒体入口408を通じて可撓性ベローズ401内に加圧媒体を導くことによって可撓性ベローズ401が加圧されたときの状況を示す。
【
図5e】可撓性ベローズ401が再び空になったときの状況を示す。
【
図6a】
図1に示されるものなどの掘削システムの管状部材5に適用可能な、提案された保護スリーブシステム5の第1の実施形態の概略図を示す。
【
図6c】保護スリーブシステム5の第2の実施形態を示す。
【
図6d】保護スリーブシステム5の第3の実施形態を示す。
【
図7a】
図1に示されるものなどの掘削機器のドリルヘッドアセンブリに対する前方推力を生成する、磁気推進システム6を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明による油圧モータを備えるステアラブル掘削システムの第1の実施形態を示す。掘削システムは、油圧モータ2に接続されたドリルヘッド1を備える。油圧モータ2は、ドリルヘッド1を所望の方向に向けることができるステアリングジョイント3に接続されている。ステアリングジョイント3は、ドリルヘッド1を前方に押す逆トルクを提供するために使用される、対抗保持(カウンターホールド)システム4に接続されている。油圧モータ2は、ステアリング可能なジョイントを介した駆動シャフトの使用が回避されるように、ステアリングジョイント3の前に載置される。対抗保持システム4は保護パイプなどの管状部材5に接続され、これは保護スリーブ6に続いている。ドリルシステム全体が、壁7の穴10に設けられた進入口ブラケットなどの進入口器具8またはいずれか類似のタイプの固定具によって、壁7の穴10を通じて地中に導入される。掘削穴の中の塊が管状部材に当接するのを防止することによって管状部材5の貫入を容易にするために、保護スリーブ6は地中にのみ設けられているので、管状部材5は視認可能である。管状部材5において、作動油導管などのいずれか必要な導管を掘削システムに導入するため、ならびに掘削システムから砕石塊を運び出すために、補給または供給パイプなどの中央パイプ9が設けられる。
【0020】
ドリルヘッド1に対する前方保護(forward trust)は、ドリル穴からおよびボアの内部からの両方の別個のシステムを用いて実現可能である。必要な逆トルクおよび前方保護を提供するために、いくつかの代替システムが組み合わせてまたは単独で使用されることが可能である。管状部材5の使用によってドリルヘッド1をボアから引き出させることができ、これにより管状部材5は、崩壊を防ぐために掘削穴内に残る。
【0021】
本発明のさらなる実施形態において、掘削プロセスの前または最中に地下水を集めるためのシステムが提供可能である。このようなシステムは、進入口器具8に設けられてもよい。
【0022】
図2aは、ドリルヘッド1の例示的実施形態を示す。ドリルヘッド1は、使い捨てリーマ102を有するドリルビット101を備える。この例示的実施形態では、3つの拡張可能なリーマ102が設けられる。リーマ102は、ドリルヘッドの軸線方向および径方向の両方に対して溝103の中を自由に移動できる。ドリルヘッド1が地面に対して押しつけられると、リーマ102は溝103に対して後方に押しつけられて同時に径方向にシフトし、ドリルビット101の径方向の伸長が増大する。代替実施形態では、ドリルヘッド1は、地中の岩石および様々な地層を有する過酷な条件に対応するために、掘削機能とともに衝撃またはハンマリング機能を備えることができる。衝撃機能は、油または空気などの媒体、および純粋な機械的手段の両方に基づくことができる。ドリルビット101の後部には、掘削された塊を破砕して除去するために、破砕コーン104が設けられている。破砕コーン104は、硬質ビット105、たとえば硬質金属ビットを備えている。
【0023】
図2bは、ドリルヘッド1を通る概略断面および油圧モータ2との相互作用を示す。油圧モータ2は、油圧モータ2のロータに接続されたシャフト106を介してドリルビット101を駆動する。ロータは中空であり、矢印で示されるようにドリルシステムから砕石塊を運び出すための経路が中空空間107にわたって形成されるように中央パイプ108を形成する。塊の破砕は、静止した円錐形破砕リング110に対する破砕コーン104の回転によって実現される。円錐形破砕リング110は、くさび形のスリットおよび径方向トラックを備え、そこで特定サイズまでの砂利などの粒子が破砕されてより小さい粒子になり、中央回転パイプ108の中に流される。
【0024】
破砕システムは、中央パイプ108内への塊の供給ならびに粘土、土、または砂などドリルビットの周りの塊の溶解を助ける流水システム109を備えている。油圧モータシャフト106の端部のスイベルは、水などの入口洗浄媒体からの塊の吸引および分離を提供する中央パイプ9に接続可能である。中空空間107は、ドリルヘッド駆動軸のコア内の回転する中央パイプ108の中に塊を流すノズルを備えている。中央パイプ108は、ドリルヘッド1の駆動シャフトのコア内にあり、掘削システムからの途中で油圧モータ2のロータを通過する。したがって、掘削および破砕された塊は、モータの中空コアの中を通過することができる。
【0025】
図3aは、油圧モータの実施形態の概略図を示す。油圧モータ2は、中央ロータ202を有するハウジング201を備える。ロータ202は、モータ2に中央パイプ108を通させるために中空である。ハウジング202の面には、端部ナット203が設けられている。油圧媒体に対してロータを封止するために、シール204および端部蓋205が設けられている。油圧モータ2は、中央ロータ202上に設けられた軸線方向に回転する揺動ベーン208の形態の羽根車(インペラ)に基づいている。揺動ベーン208は、加圧されたときに好ましくはモータハウス201の壁に直接接触しないように、限られた径方向距離までロータから振り出されることが可能である。さらなる実施形態において、揺動ベーンは、モータハウス201の壁に接触するこのような径方向距離だけロータから振り出されることが可能である。3つのベーン208が示されており、上のベーンは後退状態にあり、下の2つのベーンは広げられている。ベーン208を広げられるようにするため、バネ214などの弾性要素が各ベーン208に設けられている。
【0026】
図3bは、中央の中空ロータ202、ハウジング201、および端部ナット203を有する油圧モータ2のさらなる概略図を示す。
図3cは、
図3bに示されるA−A断面を示す。油圧モータ2は、中央ロータ202を有するハウジング201を備える。ロータ202は、モータ2に中央パイプ108を通すために中空である。ハウジング202の面には、モータ2を他の構成要素に結合するための端部ナット203が設けられている。油圧媒体に対してロータを封止するために、シール204、端部蓋205、およびOリング209が設けられている。軸線方向に回転する揺動ベーン208がロータ202上に設けられている。油圧媒体をモータの内外に正確に案内するために、案内プレート206およびポートプレート207が設けられている。
【0027】
図3dは、
図3bに示されるB−B断面を示す。モータ2は、外側ハウジング201および中央の中空ロータ202を有する。ロータ202は、ロータ202の回転軸線と平行な軸線の周りを揺動できる8つのベーン208を担持する。その内表面に、ハウジング201は、ハウジング201とロータ202との間の環状空間を4つの別個の油圧チャンバ211に分離する4つの凸状カム210を有する。各チャンバ211内で、ポートプレート207は油圧媒体用の入口212および出口213を提供する。入口212および出口213は、ロータ202のいずれの位置においても、いずれかの入口212と隣接する出口213との間にベーン208または凸状カム210があるように、各凸状カム210に直接隣接して設けられている。ベーン208をその後退状態から振り出すために、ロータ202と各ベーン208との間にバネ214などの弾性要素が設けられている。ベーン208が凸状カム210および入口212を通過するときはいつも、媒体の圧力がベーン208を押してロータ202を駆動するように、バネ214はベーン208を軸線方向に押し出す。
【0028】
凸状カム210の数は常に2つ以上であり、モータの求められるトルクによって必要とされるだけ多くてもよい。ロータ202上の揺動ベーン208の数は、常に凸状カム210の数よりも多く、モータチャンバの直径など実際の設計制限によって限定される。ロータ202の回転に関しては、チャンバ211の端部の底部に入口212があり、出口213はチャンバ211の前にある。揺動ベーン208は、リムに円形湾曲面を有して設計されており、ロータ202内に折り込まれたときに、ロータシリンダ202の外側円筒
形表面と
略同一面になる。したがって、ロータ202は、常に2つの凸状カムの間に油圧チャンバ211を形成する。
【0029】
揺動ベーン208が2つの凸状カム210の間にあるとき、ベーン208は、ハウジング201の内面に向かって振り出し、したがってベーン208の後の入口212およびベーン208の前の出口を有するピストンとして機能する。ベーン208の外向き揺動はロータの幾何形状によって制限され、ベーン208は一般的に、外側回転位置のベーンに対して圧力が作用しているときにはハウジング201の円筒面に当接しない。1つのベーン208がカム210を介して油圧チャンバに進入するとき、前のベーンは、入口212からの有効な圧力を伴わずに離れる。ベーン208が出口の凸状カム210に当たると、入口212からの圧力は、新しいベーン208に対して既に作用している。
【0030】
油圧モータ用の内部シールシステムは、油の作動流によるスリットによる粘性封止に基づいている。漏れを最小限に抑えるために、ベーン208は、油漏れのための余分な流れ抵抗として機能する長手方向のトラック215を、その最外端に備えることができる。この設計の本質的な利点は、小さいサイズと、モータが入口212および出口213の油圧ポートを制御するための弁システムを必要としないことであり、これは、揺動ベーン208および凸状カム210による各チャンバの分離によって制御されるからである。モータの設計は中央の中空シャフトを可能にするが、これは、モータの中央ロータコアを通る中央パイプ108などの機能を実現するための前提条件である。この設計は、各油圧チャンバ211が常に1つの揺動ベーン208上で動作しているので、高い容積効率を可能にする。したがって、回転過程の間に始動トルクが低下することはない。ベーン208は機械的ストップ216を有するが、これは、ベーン208の広範な軸線方向変位を回避するために、ロータ202の外表面の凹部の先端217に接触する。したがって、ベーン208がハウジング201と直接接触することが回避される。
【0031】
図3eは、上記で述べられた、モータ1の主要な構成要素の概略分解図を示す。
図3fは、4つの出口ポート213から4つの入口ポート212を分離する案内プレート206の概略図を示し、中央入口220も示している。
図3gは、入口ポート212および出口ポート213をモータ2のチャンバ211内に導くポートプレート207の概略図を示す。
図3hは、ベーン208の外表面の細長い突出物として実現された機械的ストップ216が示される、ベーン208の概略図を示す。さらに、油漏れに対する付加的な流れ抵抗を提供する、ベーン208の外表面の長手方向のトラック215が見られる。
【0032】
図3iから
図3kは、本発明による油圧モータのさらなる実施形態を示す。この実施形態では、ベーン208の外向き運動が機械的ストップによって制限されず、したがってベーン208とハウジング201との間の接触が可能である。しかしながら、入口ポート212と出口ポート213との間の圧力差によってベーンがハウジング201に対して押しつけられるのを回避するために、ベーン208は補償ベント218によって圧力補償される。補償ベント218は、ロータ202の回転過程の間、入口ポート212および出口ポート213の両方に接続されている。
【0033】
こうして補償ベント218は、入口ポート212と出口ポート213との間の圧力差によって生じる、ハウジング201に対して外向きにベーン208を押しつける力を排除する。これは、ベーン208の前側の開口部から、圧縮バネ220が設けられた圧力平衡チャンバ223まで戻る。圧力平衡チャンバは、ロータ222と密に適合するベーン208上の半径219によって制限される。通常の回転過程の間、矢印221によって示されるように、ベーン208の前部が凸状カム210を通過したとき、ベント218は、ベーン208がハウジング201に当接している間に圧力平衡になるように、圧力平衡チャンバ223に圧力が伝達されるようなやり方で、入口ポート212によって加圧される。ベーン208が入口ポート213を通過するとすぐに、圧力平衡チャンバ223が減圧されるように、圧力補償ベント218が出口ポート213に露出され、ベーン208はハウジング201に対してこれ以上押しつけられない。
【0034】
ベーン208が出口ポート213を通過すると、ベーン208はカム210に接触し、再度内側に押し込まれる。しかしながら、圧力平衡チャンバ223内の油は、ベーン208の内向き運動のため補償ベント218を通じて後方に押し出される。この過剰な油は、機械的接触が実質的に防止されるように、ベーン208の外表面と凸状カム210との間に膜を形成する。次のチャンバの入口ポート212から前のチャンバの出口ポート213への油漏れが少しでもあれば、補償ベント218内に導かれ、こうしてカム210を通るときにベーン208の平衡を保つ。
【0035】
図4aは、掘削中に
図1に示されるものなどの掘削システムの方向制御を可能にする、ステアリングジョイント3の実施形態の概略図を示す。ステアリングジョイント3は、油圧モータ2の後に実装され、たとえば供給機能または廃棄物除去のために使用可能な中央パイプを通過できるようにするために中空である。ステアリングジョイントの全体的な機能は、各段階ごとに所定の曲げ角度で段階的に制御されたステアリング配向を提供することである。ステアリングジョイント3は、上部管状部301および下部管状部302を備え、これらは以下に説明されるいくつかの部品を備えるユニバーサルジョイント303によって接続されており、これにより上部管状部301は下部管状部302に対して曲がることができる。
【0036】
上部管状部301および下部管状部302は、互いに対する個々の回転が防止されるように互いに結合されている。これは下部管状部302の内側のピンキーパ309上のピン305によって実現されるが、これらはユニバーサルジョイント303の外側の軸線方向に配向された溝トラック304内に嵌合されるので、上部管状部301および下部管状部302は傾斜することが可能であるが、互いに対して回転的に係合している。下部管状部302は、端部蓋ハウジング310に収容されている。
【0037】
図4bは、ユニバーサルジョイント303の概略図を示す。これは、その外表面上に軸線方向の溝トラック304を有するベル型の軸受ソケット306と、円筒形のステップピストン308と、ステップピストン308内の機械バネ307とを備える。その外表面において、ステップピストン308は、周方向スロット付きくさびまたはくさび形トラック316を備える。ステアリングの原理は、ステップピストン308の切羽端上の異なるサイズの径方向溝312内に嵌合する軸受ソケット306の切羽端上の複数の径方向カム311によって軸線方向に接続された、軸受ソケット306およびステップピストン308の端部に基づいている。径方向溝312は、異なる深さであり、ステップピストン308の切羽端上の傾斜した平面内に設けられている。径方向溝312とは対照的に、径方向カム311は等しいサイズである。
【0038】
各々の所望の操舵角について、ステップピストン308は3つ以上の溝312を備えており、これらは軸受ソケット306の切羽端に径方向カム311との安定した端部同士の接続を形成するために、ステップピストン308の切羽端に分布している。溝はステップピストン308の切羽端に均等に分布することができる。ステップピストン308を回転させてカム311に対する所望の傾斜角に溝312を揃えることによって、ステップピストン308上の溝312は軸受ソケット306上の径方向カム311と一致し、ジョイントアセンブリを求められる配向に強制的に向ける。典型的な設計では、ステップピストン308は、360度、すなわち異なる溝312の各セットについて90度で分布した4つの溝312に対して3つの傾斜角度を有するように設計されている。この結果、各ステップの間で30度の回転の段階的配向で合計12段階となり、このうち4つのステップがまっすぐな前方方向になるので、9つの異なる配向が実現可能である。特定の角度の溝312の配置は、たとえば0度、4度、および8度であってもよい。0度では、湾曲のないまっすぐなステアリングアセンブリであり、4度および8度では、径方向カム311の4つの方向のうちの1つにおいて4度または8度傾斜した上部管状部301および軸受ソケット306である。
【0039】
図4cは、明確さのためステップピストン308の一部が取り除かれた、ステアリングジョイント3の概略的なハーフカット図を示す。これは、下部管状部302の内表面に設けられ、下部管状部301と上部管状部302との間の正の径方向接続のために軸受ソケット306の径方向溝トラック304内に嵌合したピン305を示す。操舵角を設定するためには、ステップピストン308を段階的に回転させる必要がある。一実施形態において、段階的な回転は、ステップピストン308の外側のくさび形トラック316によって可能となる。くさび形トラック316は、下部管状体302に接続された、円筒形のピンキーパ309に固定された対抗保持ピン313によって嵌合される。段階的配向は、一方向の一方向運動で回転ステップの半分だけピストン308を強制的に回転させるようなステップピストン308の軸線方向運動によって実現される。ピストン308の前後の往復運動は、ピストンを完全に1段階回転させる。このメカニズムは、一部のボールペンにおいて先端を突出および後退させる役割を果たすメカニズムと似ている。ステップピストン308の軸線方向前方運動の力は油圧によって生成され、戻し力は機械バネ307によって提供されるが、これはステップピストン308の内部に配置されている。ステップピストン308の切羽端の溝312は、軸受ソケット306のカム311と嵌合し、こうして径方向カム311の配向の各々について固定傾斜角度の所望の方向に軸受ソケット306および上部管状部301を押しやる。
【0040】
図4dは、ステップピストン308の概略図を示す。ステップピストン308の切羽端には、異なるサイズの径方向溝、すなわち浅溝312’、普通溝312’’、および深溝312’’’が設けられている。この特定の実施形態において、各溝312は隣接する溝312から30°の角度で変位している。
図4eは、ベル型の軸受ソケット306の概略図を示す。これは、90度の角度で載置された、円周の軸線方向溝304および4つの軸線方向カム311を有する環状フランジ314を備える。各軸線方向カム311は、同じ軸線方向の伸長を有する。
【0041】
ステアリングジョイントの追加実施形態において、ステップピストンの回転は電動モータによって行われる。このモータは、求められる回転を固定ステップで提供する、ステッピングモータあるいは油圧または電動モータギアシステムであってもよい。純粋な油圧システムの利点は、構造の堅牢性および多様性である。この観点は、ドリルヘッド内の必要な制御または作動エレクトロニクスに関して重要である。
【0042】
さらなる利点として、油圧が排除されると、ステアリングアセンブリは、いずれの方向にもまったく反力を伴わず、自由に曲がるようになる。ドリルヘッドアセンブリが掘削穴を通じて引き戻される必要がある場合、これは非常に重要である。
【0043】
同じ動作でいずれも回転および配向を提供し、所望の傾斜角および三次元配向を提供するバネ復帰を有する、一方向に動作する油圧ピストンの使用は、単一の油圧制御ラインによって実現可能である。ジョイントの実際のステアリング配向は、ピストン308の回転位置によって制御される。回転位置は、ピストンの回転の絶対位置を測定するフィードバックセンサを有する電気回路によって、測定されることが可能である。グローバル方向に対するステアリングシステムの配向は、ステアリングジョイントの上部分管状ハウジングの配向を検出し、こうしてこの測定された配向に対してステアリングジョイントの下部分の配向を段階的に関連付ける位置測定システムによって決定されることが可能である。
【0044】
図4fは、ステアリングジョイント3のさらなる実施形態を概略分解図で示す。
図4gおよび
図4hは、概略的に組み立てられた構成のこの実施形態を示しており、ここでは明確さのため管状部の一部が切り取られている。
図4iから
図4kは、この実施形態のさらなる図を示す。この実施形態では、ステアリングジョイント3は、ユニバーサルジョイント303によって接続された上部管状部301および下部管状部302を備えており、これにより上部管状部を下部管状部に対して曲げることができる。上部管状部301および下部管状部302は、互いに対する個々の回転が防止されるように互いに結合されている。これは下部管状部302の内側のピンキーパ309上のピン305によって実現されるが、これらはユニバーサルジョイント303の外側の軸線方向に配向された溝トラック304内に嵌合されるので、上部管状部301および下部管状部302は傾斜することが可能であるが、互いに対して回転的に係合している。下部管状部302は、端部蓋ハウジング310に収容されている。操舵角を設定するためには、ステップピストン308を段階的に回転させる必要がある。この実施形態では、ステップピストン308の段階的な回転は、ステップピストン308を必要とされる段階だけ回転させる、環状の回転子ハウジング326内で回転的に動作する円周油圧ピストン317によって、実現される。ステップピストン308のシャフト上のくさび形トラック316と嵌合するキャリア315は、ステップピストン308の回転を実行するために、ステップピストン308と油圧ピストン317との間に機械的接続を提供する。
【0045】
この運動はラチェットと類似の動作をし、油圧ピストン317の振動運動はステップピストン308の回転運動を提供することになる。円周油圧ピストン317およびピストン308の油の流れの設計は、まず入口穴318を通るピストン内への油圧媒体の流入が円周ピストン317を終了位置に来るまで作動するように行われ、ここでいかなる追加運動も回転子ハウジング326によって防止される。
図4gでは、円周ピストン317は初期状態で示されており、
図4hでは、円周ピストン317はその終了位置まで回転している。円周ピストン317が終了位置にあるとき、シリンダブッシング319の側面からの入口穴318は、円周ピストン317の運動によって開放する。これにより、回転するラチェットタイプの運動が停止し、油は主ステップピストン308チャンバ内に自由に流入できるようになる。
【0046】
主ステップピストンの選択された位置が得られた場合、油圧媒体を連続的に追加することで、主ステップピストン308を軸受ソケット306に向かって軸線方向に強制移動させ、こうして操舵角調整を提供する。主ステップピストンの選択された位置に到達しなかった場合には、油圧媒体の排出は、戻り機構によって円周油圧ピストン317を戻す。円周油圧ピストン317が動作する、回転子ハウジング326における変位量は、ステップピストンチャンバに合わせて油圧で補償されることが可能である。この補償は、軸受ソケット306との嵌合のために必要とされる軸線方向運動未満に維持される、ステップピストン308の軸線方向運動を提供する。
【0047】
円周油圧ピストン317は、戻り回転を提供し、油圧媒体に再び圧力が提供された後に次の段階に嵌合させられる、戻りバネ320を備えている。ラチェットタイプの振動運動は、主ステップピストンの所望の位置に到達するまで繰り返される。次に、油圧媒体の追加を継続することによって、操舵角調整のための主ステップピストン308の運動が提供される。ステップピストン308の戻り運動は、ボールを有する溝323によってステップピストン308に接続された軸線方向軸受キャリア322に対して押しつけるいくつかのアキシャル・バネ321によって、作動させられる。戻りストロークの間、油の流れは、円周油圧ピストン317が入口穴318を塞いだときに油圧媒体を戻す可能性を確保するために、回転子ハウジング326内の逆止弁325を用いて戻りゲート324を通じて配向される。
【0048】
図4lは、
図4fの実施形態によるステップピストン308の概略的側面図を示す。ステップピストン308は、キャリア315がステップピストン308を回転させるために嵌合する、軸線方向溝316を有するシャフトを備える。その切羽端において、ステップピストン308には、それぞれ0°、4°、および8°の操舵斜度を画定し、ステップピストン308の切羽端の半径に沿って30°離れて載置された、浅溝312’、普通溝312’’、および深溝312’’’が設けられている。
図4mは、油圧ピストン317をその外周に保持するための凹部が設けられた、回転子ハウジング326の概略図を示す。凹部は、20°から40°など、ハウジング326の外周の小さな扇形のみを覆い、回転子ハウジング326の周囲に沿った油圧ピストン317の運動を可能にする。油圧媒体を導入するために、凹部の側壁に入口が設けられている。
【0049】
図5aは、掘削中に
図1に示されるものなどの掘削システムのトルクを維持できるようにする、提案された対抗保持システム4の概略図を示す。対抗保持システム4は、一端はステアリングジョイント3に、他端は掘削穴の中まで前方に引っ張られる管状部材5に、接続可能である。対抗保持システム4は、2つの端部ナット402の間にクランプされた中空の可撓性ベローズ401を備える。可撓性ベローズ401は、加圧媒体によって内圧が印加されると径方向および軸線方向の両方の膨張を可能にするゴム状材料で作られている。対抗保持システム4の一次的な機能は、径方向外向きに膨張して、掘削中に回転運動および軸線方向運動の両方のため地面に対する十分な対抗保持を作り出すために、ドリルストリングの一部を周囲の地面に固定することである。軸線方向運動は、ベローズ自体によって、または軸線方向力供給装置によって、提供されることが可能である。二次的な機能は、可撓性ベローズ401を軸線方向に膨張させることによって、前方推力を生成することである。
【0050】
図5bは、対抗保持システム4の例示的実施形態の概略分解図を示す。対抗保持システム4は、2つの端部ナット402と、その間の可撓性ベローズ401とを備える。可撓性ベローズ401の内部には、その外表面に軸線方向溝406を有するシリンダ本体403がある。シリンダ本体403は、軸線方向に変位可能なピストン404を収容し、シリンダハウジング405内に挿入される。ピストン404は、シリンダ本体403内で軸線方向に移動可能であり、シリンダハウジング405に接続されたシールリング410によって一端に取り付けられている。ピストン404は、中央パイプをその中央に通すために中空である。
【0051】
可撓性ベローズ401は、一端ではシリンダ本体403に拘束され、他端ではシリンダハウジング405に拘束されているので、ベローズの軸線方向の伸長は、シリンダ本体403内のピストン404のストロークによって制限される。シリンダ本体403とピストン404との間のいかなる回転も、伸長してシリンダ本体403の軸線方向溝406またはトラック内に案内される、シリンダハウジング405内の径方向ピン407によって防止される。シリンダハウジング405は、シリンダハウジング405の外表面にある媒体出口409を通じて可撓性ベローズ401内に加圧媒体を挿入するための媒体入口408をさらに備える。
【0052】
図5cは、掘削穴の中で後退状態の対抗保持システム4を示す。開始位置において、シリンダは最短の軸線方向位置にとどまり、ベローズ401は収縮する。可撓性ベローズ401は圧力下にはなく、ピストン404は、シリンダハウジング405がシリンダ本体を略完全に覆うように、シリンダ本体403の中に完全に押し込まれる。
図5dは、媒体入口408を通じて可撓性ベローズ401内に加圧媒体を導くことによって可撓性ベローズ401が加圧されたときの状況を示す。可撓性ベローズ401は、可撓性ベローズが掘削穴の壁に接触したときに径方向の伸長が停止するまで、最初に径方向に伸長する。径方向の膨張はその後、ベローズが穴壁に対して押しつけられて前方ドリルビットの回転に対する十分な対抗保持を生じるように、穴壁からの反力によって停止する。ベローズの内部にさらなる圧力を印加することによって、ベローズ401は軸線方向に膨張し、シリンダ本体403を前方に押す。シリンダハウジング405に接続されたピストン404はその位置にとどまるが、シリンダ本体403は、径方向ピン407が軸線方向溝406の端部に到達したときに動きが停止するまで、軸線方向に異動する。ベローズ401からのこの軸線方向力は、ドリルビットを前方に、または地中に押すのに十分である。ベローズ401を伸長させる力は、ドリルアセンブリ内の上方に向かって外部機器によって作り出され、膨張する油圧または空気圧ピストン、もしくは軸線方向のリニア電動アクチュエータまたは共通軸線方向力を供給する掘削システムなど、異なる手段によって提供されることが可能である。
【0053】
図5eは、可撓性ベローズ401が再び空になったときの状況を示す。ベローズ401は、ピストン404がシリンダハウジング405および端部ナット402に接続された任意の管またはドリルストリングとともに前方にシフトするように、軸線方向溝406に沿ってシリンダハウジング405を後退させて前方に引く。
【0054】
対抗保持システムの負のストロークは、内部または外部の力を供給するシステムによってベローズ内の膨張する流体媒体に負圧を印加することによって、提供されることが可能である。
【0055】
図6aは、
図1に示されるものなどの掘削システムの管状部材5に適用可能な、提案された保護スリーブシステム5の第1の実施形態の概略図を示す。また、ドリルヘッドを地中に案内して管状部材502を掘削穴の中に引き込むドリルストリング501も示されている。この実施形態では、スリーブ504が設けられており、これはある程度の径方向の膨張を可能にする可撓性の編組を備え、ゴムまたはプラスチックまたは類似の材料の漏れ防止膜層がこの上に付着される。編組の利点は、より大きな径方向の膨張を可能にすることである。スリーブ504は、管状部材502の切羽端に取り付けられた環状のスリーブマガジン503内に格納されている。管状部材502の前端へのスリーブ504の格納は、地中への管状部材502の貫入によって生じる引張力によって、これがマガジン503から解放または供給されることを可能にする。スリーブは、一端においてボアホールの進入口器具505の出口フランジ510に取り付け可能であり、管状部材502の全長を覆う。
【0056】
スリーブ504は、管状部材502の下部切羽端の外表面に漏れ防止固定されている。進入口器具505において、管状部材502の端部は、シールリング507で封止されている。したがって、管状部材502とスリーブ504との間の自由で封止された空間が形成され、これは管状部材502の端部から進入口器具505上の進入口シール507までの閉鎖した環状チャンバ508を構築する。入口ポート509を通じて環状チャンバ508内に油または空気などの加圧流体を加えることによって、環状チャンバ508は加圧され、したがって径方向に膨張する。スリーブ504は、周囲の地面に対して押しつけられる。このように、パイプシステム内の加圧パイプが形成され、地中への管状部材502の侵入が容易になるように、周囲の地面に対する管状部材502の摩擦を効果的に低減する。
【0057】
図6aの詳細図は、スリーブ504がスリーブマガジン503内にどのように格納されるか、および環状チャンバ508が膨張したスリーブ504と管状部材502との間でどのように形成されるかを示す。ドリルストリング501も示されている。
【0058】
図6bは、進入口器具505の概略断面図を示す。進入口器具505は、シールリング511上で管状部材502の周りに封止された出口フランジ510を備える。フランジ510は、部分的に穴の中に導入されたケーシング512の上の壁506の穴に接続されている。機械的ストップ要素513は、緊密な環状チャンバ508が実現されるように、フランジ510においてスリーブ504を締結する。環状チャンバ508とポート509との間の細い導管514は、環状チャンバ508内に加圧媒体を導入できるようにする。
【0059】
図6cは、保護スリーブシステム5の第2の実施形態を示す。この実施形態では、所望の特性に達するために、2つの異なる層が組み合わせられる。好ましくは構造的強度を実現するための構造的編組の形態の外側構造部515は、加圧されると構造部515の内側に当接する細い弾性ホース518の形態の内側漏れ防止部材と組み合わせられる。1つの可能な配置において、構造部515および弾性ホース518は、別々に格納される。構造部または編組516の環状格納部は管状部材502の前部に設けられ、別の環状ホース格納部519は管状部材502の外表面上に設けられている。構造部515および弾性ホース518の両方とも、進入口器具505に固定され、したがって管状部材502の全長を覆うことが可能である。構造部515と弾性ホース518との間の仕切り517は、構造部格納部516とホース格納部519との間の管状部材502の外表面に取り付けられている。この仕切り517は、構造部515を弾性ホース518から分離し、弾性ホース518が構造部格納部516の中および上に軸線方向に変位するのを防止する。入口ポート509を通じて加圧媒体を加えることによって、管状部材502と弾性ホース518との間の環状チャンバ508が加圧され、弾性ホース518は径方向に膨張して構造部515を掘削穴の内側に強制的に当接させ、こうして掘削穴の崩壊を防止する。
【0060】
図6dは、保護スリーブシステム5の第3の実施形態を示す。この実施形態では、スリーブ504は地下の管状部材502の切羽端には格納されず、進入口器具505の後に管状部材502の外側端部に取り付けられる別個のスリーブマガジン503の掘削穴の外側に置かれる。スリーブ504の一端は進入口器具505に取り付けられ、スリーブ504の他端はスリーブマガジン503に取り付けられている。
【0061】
管状部材502の端部には、管状部材502との間にあってさらに管状部材の全長に沿った、進入口器具505の中までのアニュラスの内部でスリーブ504の向きを変えるローラ要素521を保持する、ローラケーシング522が取り付けられている。この実施形態は、二重スリーブシステムを提供する。パイプの貫入の間のスリーブの供給は、別個のスリーブマガジン503内のパイプとスリーブの最外部分との間のアニュラス内で、外側から行われる。二重敷きスリーブ504の間の環状チャンバ508は、媒体入口ポート509を通じて導入された流体媒体によって加圧され、こうして地面に対して当接するようにスリーブを径方向に膨張させる。加圧されたスリーブ導管システムは、管状部材およびドリルストリングを地中に侵入させるために地面に対する摩擦を効果的に低減する、パイプシステム内の二層パイプを形成する。
【0062】
図7aは、
図1に示されるものなどの掘削機器のドリルヘッドアセンブリに対する前方推力を生成する、磁気推進システム6を示す。前方推力は、磁気源供給機器、特にハンドル602を有する外側環状プラグ601によって生成される。代替実施形態では、部分的に環状または矩形の磁石ホルダなど、その他の磁気源供給機器が提供可能である。外側プラグ601は、進入口器具603の外側に移動可能に配置され、管状部材604を取り囲む。これらは、管状部材604内に配置され、内側パイプ606の周りに移動可能に配置された対応する内側環状プラグ605上に磁力を生成するために、所定位置にもたらされ、これらはドリルヘッド機器またはその他のドリル構成要素への供給ラインを備えてもよい。
【0063】
外側プラグ601は、管状部材604の外周の周りで回転可能であってハンドル601によって軸線方向にシフト可能な、プラグスリーブ607を備える。プラグスリーブ607は、いくつかの磁石608を担持する。管状部材604は内側パイプ606とともに、作動油などの媒体で満たされた中空の環状チャンバ609を形成する。内側環状プラグ605は、内側パイプ606の周りで軸線方向に変位可能に配置され、環状チャンバ609内にリング状のピストンを形成する。管状部材604および内側パイプ606の他端では、これらのパイプはドリルヘッド機器またはその他のドリルシステム構成要素に接続されており、これらは環状チャンバ609を緊密に包囲する。
【0064】
内側環状プラグ605は、管状部材604および内側パイプ606の両方に当接するシールリング610を備える。こうして環状チャンバ609の内部は、閉鎖した油圧シリンダを構成する。内側プラグ605は、伝達可能な推力を増加させるために、軸線方向推力継手612によってさらに接続されている。同様に、外側プラグ601は、そのスリーブまたはケーシング613において接続されている。環状チャンバ609を加圧することによって、このようにドリルヘッドに軸線方向力がかけられることが可能である。チャンバ609に圧力を加えるために、内側プラグ605は、外側プラグ601によって軸線方向に変位させられることが可能である。外側プラグ601は、磁気回路によって内側プラグ605に結合される。
【0065】
磁気回路は、外側プラグ601上に設けられた電磁石または永久磁石などの磁石608を備え、2つの異なる極を形成する強磁性鉄などの磁気伝導性材料611に埋め込まれている。内側プラグ605上では、外側プラグ601の磁極が内側プラグ605の磁極と整列したときに磁気回路が閉じられるように、類似の磁気伝導性材料には対応する形状の極が設けられる。磁束を回転させるように、たとえばハンドル602によって手動または自動で動作可能なプラグスリーブ607によって引き離すように、磁気伝導性材料611内に配置された永久磁石または電磁石608によって磁力が生成される。ハンドル602を回転させることによって、内側プラグ605および外側プラグ601上の磁性材料の極は、整列させられたり乱されたりすることが可能である。このために、内側プラグ605と外側プラグ601との間の磁気回路を開閉するためのプラグスリーブ607は、内側プラグ605にかかる磁力をオン/オフするように電動または手動で動作されることが可能である。磁石608の動きはこのように、内側プラグ605と外側プラグ601との間の結合力を配向または排除する。
【0066】
図7bは、外部からの磁気システムの概略図を示す。通常、磁石608の形状は、図の矢印によって示されるように長さ軸線を横切る磁場方向を有する円形である。代替実施形態では、プラグの磁気回路の外側の磁石608を変位させるために、他の機械的配置が選択可能である。