特許第6937807号(P6937807)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6937807
(24)【登録日】2021年9月2日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】紫外線照射装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20210909BHJP
   A61L 2/24 20060101ALI20210909BHJP
【FI】
   A61L2/10
   A61L2/24
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-179729(P2019-179729)
(22)【出願日】2019年9月30日
(62)【分割の表示】特願2015-190512(P2015-190512)の分割
【原出願日】2015年9月28日
(65)【公開番号】特開2020-62392(P2020-62392A)
(43)【公開日】2020年4月23日
【審査請求日】2019年10月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】308022922
【氏名又は名称】株式会社ワークソリューション
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】荻原 真二
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 清美
【審査官】 小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−019592(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0199354(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/00− 2/28
A61L 11/00− 12/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手に装着された状態の紫外線非透過性の手袋に対し紫外線を照射して前記手袋の表面を殺菌する紫外線照射装置であって、
前記紫外線を遮光する遮光性材料で形成され、手に装着された状態の前記手袋が挿入される挿入口が開口され、内部に殺菌室が形成された殺菌室筐体と、
前記殺菌室筐体の内部に配置され、前記殺菌室に紫外線を照射する紫外線照射部とを備え、
前記手袋の前記挿入口が前記殺菌室筐体の下面に設けられており、
前記手袋を前記挿入口から前記殺菌室内に挿入したとき、前記手袋を装着した人の目の高さが前記殺菌室筐体の側面位置となるように、前記殺菌室筐体が位置調整され
更に、当該紫外線照射装置は、
前記紫外線照射部に紫外線の照射開始と照射停止との信号を発信する照射判断部と、
前記手袋から人の肌が露出しているか否かを検知する肌露出検知手段と、
前記肌露出検知手段からの肌露出検知信号に基づいて前記照射判断部から前記紫外線照射部への信号を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記肌露出検知手段が前記殺菌室内に挿入された前記手袋から前記肌露出検知信号を受信したとき、前記紫外線照射部の照射を停止する停止信号を発信するように前記照射判断部を制御し、
前記肌露出検知手段は、前記殺菌室内に挿入された前記手袋から人肌温度の赤外線を検知したとき、前記制御部に前記肌露出検知信号を発信する、
ことを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項2】
前記殺菌室筐体の下面に、両手の各々が挿入される一対の挿入口が所定距離を介して併設されていることを特徴とする請求項1に記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
前記殺菌室筐体が、上下方向に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の紫外線照射装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、手に装着された状態の紫外線非透過性の手袋に対し紫外線を照射して当該手袋の表面を殺菌する紫外線照射装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。従来の紫外線照射装置によれば、作業者が作業前に手袋を殺菌室内に挿入して当該手袋に紫外線を照射して殺菌を施すことにより、当該手袋に付着した細菌が食品等の製品に付着することを防止することができる。また、従来の紫外線照射装置によれば、紫外線照射ランプと殺菌室との間に複数枚の回動可能のルーバーを設けていることから、ルーバーの傾斜角度を調整することにより、挿入口からの紫外線の漏れを防止しつつ、手に装着した状態の手袋に対して紫外線による殺菌を十分に施すことができる。その結果、従来の紫外線照射装置は、将来、食品業界、医療業界などの業界において広く使用されていくことが期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5019628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ルーバーの設置は、その可動手段と制御手段とを必要とし、紫外線照射装置の複雑化・大型化を招き、設置場所が制限される。また、殺菌室に挿入された手袋に対して十分な量の紫外線を照射しつつ、挿入口からの紫外線の漏れを防止できるような、紫外線の誘導路をルーバー間に形成し得るルーバーの角度範囲は狭いことから、手袋の殺菌をしている作業者のみならず、その周囲の作業者に対しても紫外線が照射されないようにすることは容易ではないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記した問題を解決するためになされたもので、装置の簡易化・小型化を保持しつつ、手袋の殺菌をしている作業者のみならず、その周囲の作業者に対しても紫外線が照射されることのない(又は紫外線が照射されることの極力抑制された)安全な紫外線照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明の紫外線照射装置は、手に装着された状態の紫外線非透過性の手袋に対し紫外線を照射して前記手袋の表面を殺菌する紫外線照射装置であって、前記紫外線を遮光する遮光性材料で形成され、手に装着された状態の前記手袋が挿入される挿入口が開口され、内部に殺菌室が形成された殺菌室筐体と、前記殺菌室筐体の内部に配置され、前記殺菌室に紫外線を照射する紫外線照射部と、前記挿入口の開口縁から前記殺菌室内に向かう方向に延出され、前記挿入口から前記殺菌室内に前記手を案内するとともに、前記紫外線照射部からの紫外線が前記挿入口に前記手袋を挿入する作業者及びその周囲の作業者の目に直接入らないように遮光するスリーブ状のガイドと、前記開口縁から漏れる紫外線が前記作業者及びその周囲の作業者の目に入らないように、前記挿入口の上方の正面及び側面を覆う半透明の紫外線遮光板とを備えることを特徴とする。スリーブ状のガイドとは、筒状のガイトということもできる。
【0007】
本発明に係る紫外線装置によれば、挿入口の開口縁から殺菌室内に向かう方向に延出されたスリーブ状のガイドにより、挿入口に手袋を挿入する作業者及びその周囲の作業者の目に紫外線照射部からの照射光が直射されることを防止できる。更に、殺菌室の内壁で反射して挿入口から漏出する紫外線は、挿入口の上方の正面及び側面を覆う半透明の紫外線遮光板により遮光できる。このように本発明に係る紫外線装置は、可動可能のルーバーを設けることなく、挿入口に手袋を挿入する作業者及びその周囲の作業者の目を紫外線から保護できるので、装置の簡易化・小型化を保持しつつ、手袋の殺菌をしている作業者のみならず、その周囲の作業者に対しても紫外線が照射されることがなくなるか、極力抑制されるようになる。
【0008】
[2]本発明に係る紫外線装置においては、前記殺菌室筐体の上面に、前記手袋を装着した両手の各々が挿入される一対の挿入口が所定距離を介して併設されており、前記一対の挿入口の上方を覆う上面紫外線遮光板のうち前記一対の挿入口の中間部上方を覆う部分が他の部分よりも張り出して張出部を形成していることが好ましい。
【0009】
このような構成とすることにより、手袋の殺菌をしている作業者の目を、挿入口から漏れる紫外線からより一層保護することができる。
【0010】
[3]本発明に係る紫外線装置においては、前記挿入口の開口縁から前記殺菌室内に向かう方向に沿った前記ガイドの長さが、3〜20cmの範囲内にあることが好ましい。
【0011】
このような構成とすることにより、手袋の殺菌をしている作業者及びその周囲の作業者が挿入口から最上部の紫外線照射部を直視することがなくなるため、殺菌室内に挿入された手袋に十分な紫外線を照射しつつ、挿入口から漏れる紫外線を一層少なくできる。
ここで、長さが3cm未満のガイドでは、最上位置の紫外線照射部からの紫外線が作業者及びその周囲の作業者の目に直接入り易くなる傾向にある。他方、長さが20cmを超えるガイドでは、殺菌室内の挿入された手袋に照射される紫外線照射部からの紫外線量が低下する傾向にある。また、作業者が手袋を挿入する際の作業性が悪くなる。
【0012】
[4]本発明に係る紫外線装置においては、前記紫外線遮光板が、前記挿入口を上方から視認できかつ前記紫外線を遮光できるようにスモーク加工された半透明のアクリル板であることが好ましい。
【0013】
このような構成とすることにより、作業者は、紫外線遮光板により紫外線が遮光された状態で、紫外線遮光板の下方に位置する挿入口等を見ることができる。従って、作業者が手袋を挿入する際の作業性が良くなる。
【0014】
[5]本発明の紫外線照射装置は、手に装着された状態の紫外線非透過性の手袋に対し紫外線を照射して前記手袋の表面を殺菌する紫外線照射装置であって、前記紫外線を遮光する遮光性材料で形成され、手に装着された状態の前記手袋が挿入される挿入口が開口され、内部に殺菌室が形成された殺菌室筐体と、前記殺菌室筐体の内部に配置され、前記殺菌室に紫外線を照射する紫外線照射部と、前記紫外線照射部に紫外線の照射開始と照射停止との信号を発信する照射判断部と、前記手袋から人の肌が露出しているか否かを検知する肌露出検知手段と、前記肌露出検知手段からの肌露出検知信号に基づいて前記照射判断部から前記紫外線照射部への信号を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記肌露出検知手段が前記殺菌室内に挿入された前記手袋から肌露出検知信号を受信したとき、前記紫外線照射部の照射を停止する停止信号を発信するように前記照射判断部を制御することを特徴とする。
【0015】
本発明に係る紫外線照射装置は、肌露出検知手段が殺菌室内に挿入された手袋から人の肌が露出していることを検知したとき、紫外線照射部の照射を停止するものであるから、たとえ破れのある手袋を装着していても紫外線が照射されないため、露出している肌の紫外線による損傷を避けることができ、安全である。
【0016】
[6]本発明に係る紫外線装置においては、前記手袋が、前記手の肌と異なる色相又は明度で着色された手袋であって、前記肌露出検知手段が、前記殺菌室内に挿入された前記手袋の画像から、前記手袋と異なる色相又は明度を検知したとき、前記制御部に肌露出検知信号を発信することが好ましい。
【0017】
このような構成とすることにより、手袋の破れ等を簡単に検出できる。
【0018】
[7]本発明に係る紫外線装置においては、前記肌露出検知手段が、前記殺菌室内に挿入された前記手袋から人肌温度の赤外線を検知したとき、前記制御部に肌露出検知信号を発信することが好ましい。
【0019】
このような構成とすることによっても、手袋の破れ等を簡単に検出できる。
【0020】
[8]本発明の紫外線照射装置は、手に装着された状態の紫外線非透過性の手袋に対し紫外線を照射して前記手袋の表面を殺菌する紫外線照射装置であって、前記紫外線を遮光する遮光性材料で形成され、手に装着された状態の前記手袋が挿入される挿入口が開口され、内部に殺菌室が形成された殺菌室筐体と、前記殺菌室筐体の内部に配置され、前記殺菌室に紫外線を照射する紫外線照射部とを備え、前記手袋を前記挿入口から前記殺菌室内に挿入したとき、前記手袋を装着した人の目の高さが前記殺菌室筐体の側面位置となるように、前記殺菌室筐体が位置調整されていることを特徴とする。
【0021】
本発明に係る紫外線照射装置は、紫外線非透過性の材料で形成された殺菌室筐体の下面に設けられた挿入口から殺菌室内に手袋を装着した手が挿入されるから、挿入口に手袋を挿入する作業者及びその周囲の作業者の目は遮光性材料で形成された殺菌室筐体の外側面に位置しており、殺菌室筐体の内部に配置された紫外線照射部からの紫外線が挿入口から漏れたとしても、挿入口に手袋を挿入する作業者及びその周囲の作業者の目に照射されることがない。さらに、本発明の紫外線照射装置は、可動可能のルーバーを設けることなく、挿入口に手を挿入する作業者及びその周囲の作業者の目を紫外線から保護できるので、装置の簡易化・小型化を保持しつつ、手袋の殺菌をしている作業者のみならず、その周囲の作業者に対しても紫外線が照射されることがなくなる。
【0022】
[9]本発明に係る紫外線装置においては、前記殺菌室筐体の下面に、両手の各々が挿入される一対の挿入口が所定距離を介して併設されていることが好ましい。
【0023】
このような構成とすることにより、両手に装着した手袋を同時に殺菌できる。
【0024】
[10]本発明に係る紫外線装置においては、前記殺菌室筐体が、上下方向に移動可能に設けられていることが好ましい。
【0025】
このような構成とすることにより、作業者の身長に合わせて殺菌室筐体位置を調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施形態1に係る紫外線照射装置10を示す斜視図である。
図2図1に示す矢印a方向から見た紫外線照射装置10の縦断面図である。
図3】実施形態1に係る紫外線照射装置10の制御を説明するためのブロック図である。
図4】実施形態2に係る紫外線照射装置20の縦断断面図である。
図5】実施形態2に係る紫外線照射装置20の制御を説明するためのブロック図である。
図6】実施形態3に係る紫外線照射装置30を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の紫外線照射装置を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0028】
[実施形態1]
実施形態1に係る紫外線照射装置10を図1及び図2に示す。図1は、紫外線照射装置10の斜視図である。図2は、図1に示す矢印a方向から見た縦断面図である。
紫外線照射装置10は、図1に示すように、本体100が架台110に固着されている。本体100は、図2に示すように、内部に殺菌室121を備えた殺菌室筐体120が設けられており、殺菌室筐体120の上面に一対の挿入口130が所定距離を介して開口されている。この一対の挿入口130の各々は、図2に示すように、袖部が手首を覆う長い手袋Gを装着した両手の各々が挿入されるものである。手袋Gは、紫外線非透過性のものであって、紫外線を遮光する材料、例えばニトリルやラッテクス等のゴム材或いは酸化チタン等の紫外線遮断物質を含有する熱可塑性樹脂から形成される。
【0029】
挿入口130の各々には、その開口縁から殺菌室筐体120の内方に延出されたスリーブ状のガイド140が装着されており、スリーブ状のガイド140の内側にセンサー150が設けられている。このセンサー150は、手袋Gを装着した手首近傍に装着される検出体IDに記載されているバーコード等を検知するものである。また、架台110の上部には、一対の挿入口130の上方の正面を覆う半透明の上面紫外線遮光板160と、一対の挿入口130の上方の側面を覆う半透明の側面紫外線遮光板170が設けられている。この上面紫外線遮光板160のうち一対の挿入口130の中間部上方を覆う部分が他の部分よりも張り出して張出部160aを形成しており、手袋の殺菌を施している作業者の目を挿入口130から漏洩する紫外線をより一層遮光できる。このような上面紫外線遮光板160と本体100の上面との間に表示部180が設けられている。
【0030】
殺菌室筐体120は、金属板等の、紫外線を遮光する遮光性材料で形成されており、図2に示すように、内部に殺菌室121が形成されている。この殺菌室121は、一対の挿入口130の各々から挿入された手袋Gを装着した手の形状に倣って、挿入口130から内底面の方向に次第に幅狭となるテーパー状に形成されている。このような殺菌室121の内側面のうち、挿入された手袋Gの甲側及び掌側に対応する内側面側に、紫外線照射部としての複数本の紫外線照射ランプ123が設けられている。紫外線照射ランプ123は、波長が185〜280nmの紫外線が発光される水銀ランプであって、殺菌室121の上面に対して平行に設置され、殺菌室121の略幅全長に亘って架け渡されている。複数本の紫外線照射ランプ123は互いに平行である。更に、複数本の紫外線照射ランプ123の全体を覆うように、紫外線を透過可能な部材でなる保護シート4が装着されている。保護シート124は、紫外線照射ランプ123が破損しても、殺菌室121内に紫外線照射ランプ123の破片が飛び散らないようにするものである。なお、図2においては、図示されていないが、保護シート124の表側に保護網を設けるようにしてもよい。殺菌室筐体120の内側面及び底面の全面には、反射板122としての皺加工されたアルミニウム箔が貼付されており、紫外線照射ランプ123から殺菌室121の内側面及び底面の方向に照射された紫外線を反射しつつ散乱している。
【0031】
このような殺菌室121の上面に開口された一対の挿入口130の上方の正面を覆う上面紫外線遮光板160と、一対の挿入口130の上方の側面を覆う側面紫外線遮光板170とは、挿入口130や表示部180を上方から視認できかつ紫外線を遮光できるようにスモーク加工された半透明のアクリル板を用いることができる。
【0032】
挿入口130の各開口縁から殺菌室筐体120の内方に延出されたスリーブ状のガイド140の長さは、挿入口130の開口縁から最上位置の紫外線照射ランプ123からの紫外線が、挿入口130に手袋を挿入する作業者及びその周囲の作業者の目に直接入らない長さである。具体的には、ガイド140の長さは3〜20cmの範囲内とすることが好ましい。長さが3cm未満のガイド140では、最上位置の紫外線照射ランプ123からの紫外線が作業者及びその周囲の作業者の目に直接入り易くなる傾向にある。他方、長さが20cmを超えるガイド140では、殺菌室121内に挿入された手袋Gに照射される紫外線照射ランプ123からの紫外線量が低下する傾向にある。また、作業者が手袋を挿入する際の作業性が悪くなる傾向にある。
【0033】
図3は、実施形態1に係る紫外線照射装置10の制御を説明するブロック図である。制御部260は、中央演算処理部(CPU)であって、紫外線照射装置10で手袋Gの殺菌を施す作業者一覧が記憶されている作業者識別部210、紫外線照射ランプ123に紫外線照射の開始・停止の信号を発信する照射判断部125、殺菌室121での手袋Gの殺菌状態を判定する殺菌状態判定部220、作業者名や殺菌状態を表示する表示部180、紫外線照射ランプ123を点灯して紫外線を手袋Gに照射する時間(紫外線照射時間)を計測するタイマー240、離れた場所に置かれているパソコン等と殺菌状態等に関して通信する通信部250及び作業者の手袋Gの殺菌履歴等を記憶する記憶部230と接続されており、種々の信号が送受信されている。
【0034】
挿入口130のガイド140のセンサー150で読み取った手袋Gの検出体IDの記載事項のデータは制御部260に送信され、作業者識別部210に記憶された作業者一覧と照合し、紫外線照射装置10で殺菌を受けることを要する作業者であるか否か識別する。殺菌を受けることを要する作業者である場合、制御部260は表示部180に作業者名を表示するとともに、照射判断部125に紫外線照射ランプ123からの照射開始信号を発信するように制御する。紫外線照射ランプ123から紫外線が照射開始されたとき、制御部260はタイマー240をスタートして紫外線照射時間の計測を開始する。その際に、殺菌状態判定部220は紫外線照射ランプ123からの紫外線の強さや安定性の監視を開始する。制御部260は、タイマー240での計測時間が予め設定されていた時間(紫外線照射時間)に達し、かつ、当該紫外線照射時間内での紫外線照射ランプ123からの紫外線の強さや安定性から手袋Gが十分に殺菌されたと判定したときは、照射判断部125から紫外線照射ランプ123に照射停止信号を発信するように制御する。紫外線照射ランプ123からの紫外線の照射が停止されたとき、制御部260は表示部180に殺菌終了を表示するとともに、殺菌状態等のデータを通信部250から上記したパソコン等に送信する。
【0035】
ところで、紫外線照射ランプ123の停止時間が長い場合には、再点灯した紫外線照射ランプ123から照射される紫外線の強さや周波数等が不安定な状態となることがある。このような場合は、制御部260は殺菌状態判定部220からの信号で予め設定した紫外線照射時間を所定時間延長することにより、手袋Gに十分な殺菌を施すことができる。
【0036】
このように、実施形態1に係る紫外線照射装置10によれば、挿入口130の各開口縁から殺菌室筐体120の内方に延出されたスリーブ状のガイド140によって、挿入口130に手袋を挿入する作業者及びその周囲の作業者の目に紫外線照射ランプ123からの紫外線が直接入らないように遮光している。また、上面紫外線遮光板160と側面紫外線遮光板170とは、挿入口130から漏れてくる紫外線を、作業者及びその周囲の作業者の目に入らないように遮光して安全を図っている。また、実施形態1に係る紫外線照射装置10によれば、スリーブ状のガイド140、上面紫外線遮光板160及び側面紫外線遮光板170により、作業者及びその周囲の作業者の目を紫外線から保護できることから、ルーバー等を設けることを要せず、簡易な構造とすることができ小型化を図ることができる。
【0037】
[実施形態2]
実施形態1に係る紫外線照射装置10においては、作業者が手袋Gに破れのあることを知らずに手袋Gを着用していた場合、破れ目から露出している手の肌に紫外線が直接照射されるおそれがある。これに対して、外線照射装置20によれば、破れのある手袋Gが紫外線照射装置10の挿入口130に挿入されたときてあっても、そのような手袋Gへの紫外線の照射を防止できる。
【0038】
図4は、実施形態2に係る紫外線照射装置20の縦断面図である。図4中、図1及び図2中に示す部材と同一の部材は、同一符号を付与して詳細な説明を省略する。実施形態2に係る紫外線照射装置20においては、図4い示すように、挿入口130に設けられているガイド140の位置に、センサー150と肌露出検知手段を構成する人肌露出センサーとしての一対の赤外線センサー152(以下、単に赤外線センサー152という)とが設けられている。赤外線センサー152の各々は、挿入口130に挿入される手袋Gの掌側と甲側とに対応している。赤外線センサー152は、挿入口130に挿入される手袋Gから放出される赤外線のうち、人肌温度の物体から放出される波長の赤外線を検出するものである。
【0039】
また、殺菌室121の内側面に肌露出検知手段を構成する人肌露出センサーとしての一対のCCDカメラ154(以下、単にCCDカメラ154という)が設けられている。CCDカメラ154の各々は、殺菌室121内に挿入された手袋Gの掌側と甲側とに対応している。一般に手袋Gは、人肌と異なる色相又は明度のものが使用されていることから、CCDカメラ154の各々は、殺菌室121内に挿入された手袋Gの画僧を撮影し、手袋Gの色相又は明度と異なる色相又は明度の人肌を検知するものである。手袋Gの色相と異なる色相又は明度の人肌を検知する方法としては、例えば二値化処置方法を挙げることができる。二値化処理方法では、例えばCCDカメラ154で手袋Gを濃淡撮影し、手袋Gの明度を閾値とし、この閾値よりも明るい箇所が手袋G内に存在すれば、破れ目から人肌が露出しているとする。
【0040】
図5は、実施形態2に係る紫外線照射装置20の制御を説明するためのブロック図である。図5のブロック図について、図3に示すブロック図と同一ブロックは、同一符号を付与して詳細な説明を省略する。実施形態2に係る紫外線照射装置20においては、図5に示すように、赤外線センサー152とCCDカメラ154との少なくとも一方の人肌露出センサーから肌露出検知信号を受信した制御部260は、照射判断部125に紫外線照射ランプ123の光照射を停止する停止信号を発信するように制御するとともに、表示部180に手袋Gに破れが存在することを表示させる。
なお、この「停止信号」には、紫外線照射ランプ123が発光していない状態を維持することも含まれる。
【0041】
実施形態2に係る紫外線照射装置20によれば、スリーブ状のガイド140、上面紫外線遮光板160及び側面紫外線遮光板170により、作業者及びその周囲の作業者の目を紫外線から保護できることから、ルーバー等を設けることを要せず、簡易な構造とすることができ小型化できるとともに、たとえ破れのある手袋Gを装着した手を挿入口130に挿入しても、紫外線が照射されることがなく高い安全性を確保できる。
なお、実施形態2に係る紫外線照射装置20には、スリーブ状のガイド140、上面紫外線遮光板160及び側面紫外線遮光板170が設けられているが、これらを省略することも可能である。そのようにしても、破れのある手袋Gを装着した手を挿入口130に挿入しても、紫外線が照射されることがなく安全性を確保できる。
【0042】
[実施形態3]
実施形態1に係る紫外線照射装置10及び実施形態2に係る紫外線照射装置20は、作業者及びその周囲の作業者の目を紫外線から保護すべく、ガイド140、上面紫外線遮光板160及び側面紫外線遮光板170を設けている、実施形態3に係る紫外線照射装置30は、実施形態1に係る紫外線照射装置10及び実施形態2に係る紫外線照射装置20の場合とは異なる手段により、紫外線から作業者を保護する。
【0043】
図6は、実施形態3に係る紫外線照射装置30を示す縦断面図である。図6中、図1図2及び図4に示す部材と同一の部材は、同一符号を付与して詳細な説明を省略する。実施形態3に係る紫外線照射装置30においては、(建物の柱115に固定された)本体100を構成する殺菌室筐体120は、紫外線を遮光する遮光性材料である金属板等で形成されており、その下面に挿入口130が開口されている。挿入口130には、図6に示すように、手袋Gが下方から上方に向かって挿入されて殺菌室121内に至る。この紫外線照射装置30では、図6に示すように、手袋Gが殺菌室121内に挿入されたとき、手袋Gを殺菌する作業者の顔は、紫外線が漏れ出ることのない殺菌室筐体120の側方に位置することから、手袋Gを装着した作業者の目を紫外線から完全に保護できる。
【0044】
また、挿入口130からは、手袋Gを殺菌する作業者及びその周囲の作業者の足元側の方向に紫外線が漏出するものの、作業者の足元側はズボン等で覆われており、漏出した紫外線による作業者に対する影響は問題とならない。このため、実施形態1,2に係る紫外線照射装置10,20においては、作業者及びその周囲の作業者の目を紫外線から保護すべく設けていた、上面紫外線遮光板160及び側面紫外線遮光板170を、実施形態3に係る紫外線照射装置30においては不要にできる。また、スリーブ状のガイド140を除去してもよい。また、図6に示す紫外線照射装置30においえは、本体100が柱115に固着されていてもよいが、本体100を柱115に沿って上下動可能としてもよい。このようにすれば、手袋Gを殺菌する作業者の身長に合わせて本体100の位置を、手袋Gの殺菌を楽な姿勢で行うことができ、かつ、作業者の目の位置に殺菌室筐体120の側方が位置するように簡単に調整できる。
【0045】
上記した各実施形態においては、紫外線照射部として水銀ランプを用いたが、紫外線LEDを用いてもよい。また、上記した各実施形態においては、手袋を装着した両手の各々を同時に殺菌室121内に挿入できるように一対の挿入口130を設けたが、挿入口130を1個として、手袋を装着した両手を片方づつ交互に殺菌室121内に挿入してもよい。或いは、1個の挿入口130から手袋を装着した両手を揃えて殺菌室121内にできるように、挿入口130の開口径を拡大してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係る紫外線照射装置によれば、食品、薬品等の現場作業者が装着した手袋を簡便に且つ安全に殺菌できる。
【符号の説明】
【0047】
10,20,30・・・紫外線照射装置、100・・・本体、110・・・ 架台、115・・・柱、120・・・殺菌室筐体、121・・・殺菌室、122・・・反射板、123・・・紫外線照射ランプ、124・・・保護シート、125・・・照射判断部、130・・・挿入口、140・・・スリーブ状のガイド、150・・・センサー、152・・・ 赤外線センサー、154,211・・・CCD カメラ、160・・・上面紫外線遮光板、160a・・・張出部、170・・・ 側面紫外線遮光板、180・・・表示部、210・・・作業者識別部、220・・・殺菌状態判定部、230・・・記憶部、240・・・タイマー、250・・・通信部、260・・・制御部、a・・・矢印、AC・・・アームカバー、G・・・手袋、ID・・・検出体
図1
図2
図3
図4
図5
図6