(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の記載の仕組みでは、音声入力とは別にキーワードの入力が必要となるが、このようなキーワードの入力に要する作業は煩わしいという問題がある。そこで、本発明は、ユーザの発話を対話処理装置が理解可能な形式へと変換することを、発話以外の入力を必要とせずに実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、ユーザ端末に入力された発話に応じた入力データと、当該入力データに応じた処理を行う1以上の対話処理装置からの応答データとを取得する取得部と、取得された前記入力データ及び前記応答データに基づいて、当該対話処理装置に対するデータの入力規則を学習する学習部と、取得された前記入力データの入力先となる前記対話処理装置について前記学習部によって学習された入力規則に合致するよう、当該入力データを変換する変換部と、前記変換部による変換後のデータを前記対話処理装置に出力する出力部とを備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0006】
前記変換部は、前記入力データのうち、前記入力規則に合致してない入力データを、前記入力規則に合致する入力データに変換するようにしてもよい。
【0007】
前記変換部は、前記入力データに含まれる代名詞に相当するデータを、当該代名詞が意味する名詞に相当するデータに変換するようにしてもよい。
【0008】
前記変換部は、前記入力データを、前記入力規則に合致するように分離した入力データに変換するようにしてもよい。
【0009】
前記変換部は、前記入力データのうち、前記入力規則に合致してない抽象度の入力データを、前記入力規則に合致する抽象度の入力データに変換するようにしてもよい。
【0010】
前記変換部は、前記入力データのうち、前記入力規則に合致してない入力データを、前記入力規則に合致するテキストデータに変換し、変換した前記テキストデータに応答する前記対話処理装置からのテキストデータを、入力データに変換し、前記出力部は、さらに、前記変換部による変換後の入力データを前記ユーザ端末に出力するようにしてもよい。
【0011】
前記学習部は、取得された前記入力データ及び前記応答データに基づいて、複数の前記対話処理装置のうち、当該入力データの入力先となる前記対話処理装置を学習し、前記出力部は、取得された前記入力データについて前記変換部によって変換された後のデータを、前記学習部によって学習された結果から特定される前記対話処理装置に出力するようにしてもよい。
【0012】
前記出力部は、さらに、前記学習部によって学習された結果から特定される複数の前記対話処理装置のうち、前記ユーザ端末と当該ユーザ端末を使用するユーザに提供される商品の提供元との間の距離又は時間に関する条件に応じて特定される対話処理装置に対し、前記変換部による変換後のデータを出力するようにしてもよい。
【0013】
前記学習部は、前記ユーザ端末を使用するユーザ単位又は当該ユーザが属するグループ単位で前記学習を行い、前記出力部は、さらに、前記ユーザ端末を使用するユーザ又は当該ユーザが属するグループに応じた情報を当該ユーザ端末に出力するようにしてもよい。
【0014】
また、本発明は、ユーザ端末に入力された発話に応じた入力データと、当該入力データに応じた処理を行う1以上の対話処理装置からの応答データとを取得するステップと、取得された前記入力データ及び前記応答データに基づいて、当該対話処理装置に対するデータの入力規則を学習するステップと、取得された前記入力データの入力先となる前記対話処理装置について前記学習された入力規則に合致するよう、当該入力データを変換するステップと、前記変換後のデータを前記対話処理装置に出力するステップとを含む情報処理方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザの発話を対話処理装置が理解可能な形式へと変換することを、発話以外の入力を必要とせずに実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る対話処理システムの全体構成を示すブロック図である。この対話処理システムは、本発明に係る情報処理装置の一形態である中継装置1と、発話者であるユーザが利用するユーザ端末2と、ユーザが発話した音声を認識してその認識結果に応じた処理(以下、対話処理機能という)を行う対話処理装置3a,3bと、これら中継装置1、ユーザ端末2及び対話処理装置3a,3bを通信可能に接続する通信網4とを備えている。ユーザ端末2は例えばスマートホンやタブレット等の携帯可能なコンピュータであってもよいし、ユーザの自宅等に設置された据え置き型のコンピュータであってもよい。通信網4は移動通信網又は固定通信網を含んでおり、例えばユーザ端末2は無線で移動通信網に接続可能である。対話処理装置3a,3bは図では2つある場合を例示しているが、この例に限らず、1以上であればよい。また、ユーザ端末2は1つに限らず、複数であってもよい。なお、以下において、対話処理装置3a,3bを総称するときは、対話処理装置3という。
【0019】
対話処理装置3a,3bは、それぞれ異なる事業者によって運営管理されるコンピュータである。例えば、対話処理装置3aは、ユーザがピザの宅配を音声で指示することが可能な装置であり、対話処理装置3bは、ユーザが日用品や雑貨の注文を音声で指示することが可能な装置である。それぞれの対話処理装置3a,3bにおいては、ユーザが音声で指示を入力するときの規則(以下、入力規則という)が決まっている。例えば対話処理装置3aにおいては、宅配可能なピザの名称が決まっているし、対話処理装置3bにおいては、注文可能な日用品の商品名が決まっているから、これらのピザの名称や商品名を正しく発話して対話処理装置3a,3bに入力する、ということが、ここでの入力規則に相当する。
【0020】
中継装置1は、ユーザ端末2と対話処理装置3a,3bとの間のデータ授受を中継する、いわゆるプラットフォームとして機能するコンピュータである。中継装置1は、これらユーザ端末2と対話処理装置3a,3bとの間のデータの入出力に基づいて、ユーザの発話を各対話処理装置3a,3bに入力するときの入力規則を学習し、ユーザの発話をその入力規則に従って各対話処理装置3a,3bが理解可能な形式に変換する。
【0021】
図2は、中継装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。中継装置1は、制御部101と、通信部102と、記憶部103とを備えている。制御部101は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などの記憶装置とを備えている。CPUは、RAMをワークエリアとして用いてROMや記憶部103に記憶されたプログラムを実行することによって、中継装置1の各部の動作を制御する。
【0022】
通信部102は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信部102は、通信網4に接続されている。
【0023】
記憶部103は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。記憶部103は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。記憶部103は、制御部101が用いるデータ群やプログラム群を記憶している。
【0024】
図3は、中継装置1の機能構成を示すブロック図である。
図3において、取得部11及び出力部14は主に中継装置1の通信部102によって実現され、学習部12及び変換部13は主に中継装置1の制御部101及び記憶部103によって実現される。
【0025】
ユーザ端末2にはマイクが実装されており、このマイクによりユーザが発話した音声が収音され、その発話に応じた入力データが生成されて通信網4を介して中継装置1に送信される。この入力データは、ユーザ端末2において、発話された音声を示す音声データが文字を示すテキストデータに変換されたデータであってもよいし、発話された音声を示す音声データそのもの(或いはユーザ端末2において音声データに対して何らかの音声処理が施されたデータ)であってもよい。中継装置1の取得部11は、このようにしてユーザ端末2に入力された入力データを通信網4経由で取得する一方、この入力データに応答する対話処理装置3からの応答データを通信網4経由で取得する。 この応答データは、上述した入力データと同様に、テキストデータであってもよいし、音声データであってもよい。
【0026】
学習部12は、取得部11により取得された入力データ及び応答データに基づいて、対話処理装置3に対するデータの入力規則を学習する。より具体的には、学習部12は、どのような内容の入力データに対してどのような内容の応答データが対応しているか、という両者の関係に基づいて入力規則を学習する。入力規則は対話処理装置3毎に異なるから、学習部12は対話処理装置3毎に入力規則の学習を行う。
【0027】
変換部13は、取得された入力データの入力先となる対話処理装置3について学習部12によって学習された入力規則に合致するよう、取得部11により取得された入力データに対する変換処理を行う。より具体的には、変換部13は、取得された入力データのうち、入力規則に合致してない入力データを、入力規則に合致する入力データに変換する。これにより、誤った発話を訂正することができる。また、変換部13は、取得された入力データに含まれる代名詞に相当するデータを、当該代名詞が意味する名詞に相当するデータに変換する。これにより、発話中の代名詞を具体的名称に変換することができる。また、変換部13は、取得された入力データを、入力規則に合致するように分離した入力データに変換する。これにより、1つの発話に含まれる複数の入力単位を個々に分離することができる。また、変換部13は、取得された入力データのうち、入力規則に合致してない抽象度の入力データを、入力規則に合致する抽象度の入力データに変換する。これにより、発話中の抽象度を適切なものに変換することができる。
【0028】
出力部14は、このようにして変換部13によって変換された後のデータを通信網4経由で対話処理装置3に出力する一方、対話処理装置3からの応答データを通信網4経由でユーザ端末2に出力する。
【0029】
[動作]
次に、
図4〜6を参照して本実施形態の動作を説明する。なお、以下の処理において、ユーザ端末2及び対話処理装置3はそれぞれ自装置の識別情報を伴ってデータ通信を行うものとする。
【0030】
まず、中継装置1による学習動作について説明する。ユーザが対話処理機能を起動するために予め決められたキーワードを発話すると、ユーザ端末2がこの発話を収音して対話処理機能が起動される。次に、ユーザは、いずれかの対話処理装置3を指定して、所望の処理を指示する発話を行う。中継装置1の取得部11は、ユーザ端末2に入力された発話に応じた入力データを通信網4経由で取得して記憶する。出力部14は、この入力データを通信網4経由で対話処理装置3に出力する(ステップS1)。この入力データに応じて、指定された対話処理装置3から応答データが送信されてくると、取得部11は、その応答データを通信網4経由で取得して記憶する。出力部14は、この応答データを通信網4経由でユーザ端末2に出力する(ステップS2)。学習部12は、記憶した入力データ及び応答データに基づいて、対話処理装置3に対するデータの入力規則を学習する(ステップS3)。
【0031】
以下、学習の例について説明する。
図6aにおいて、ユーザの発話音声(以下、ユーザ発話という)が「ブルゴキお願いします。」であり、対話処理装置3からの発話音声の応答データ(以下、装置発話という)が「識別できません。もう一度お願いします。」であった場合において、さらに次のユーザ発話が「プルコギお願いします。」であり、これに応答する装置発話が「プルコギの注文を承りました。」であったとする。このとき、学習部12は、これらの遣り取りについて、例えば形態素解析、構文解析、意味解析、文脈解析等を含む自然言語解析を行って、「ブルゴキ」という単語が「プルコギ」という単語に訂正されたと判断し、「ブルゴキ」という誤った単語のユーザ発話を「プルコギ」という正しい単語のユーザ発話に変換して対話処理装置3に入力する、つまりこの対話処理装置3が受け付け可能な単語はプルコギであると学習する。よって、変換例としては、ユーザ発話(変換前)「ブルゴキお願いします。」がユーザ発話(変換後)「プルコギお願いします。」に変換される例が考えられる。
【0032】
図6bにおいて、ユーザ発話が「ミックスピザお願いします。」であり、装置発話が「ミックスピザの注文を承りました。」であり、このような遣り取りによる注文が過去複数回あったとする。このとき、学習部12は、自然言語解析を行って、「ミックスピザお願いします。」のうち「ミックスピザ」が対話処理装置3の受け付け可能な注文対象であり、且つ、このユーザが繰り返し注文している注文対象であると学習する。よって、変換例としては、ユーザ発話(変換前)「いつものピザください。」がユーザ発話(変換後)「ミックスピザください。」に変換される例が考えられる。このように、入力規則に合致してない入力データが、入力規則に合致する入力データに変換される。
【0033】
図6cにおいて、ユーザ発話が「ミックスピザお願いします。」であり、装置発話が「ミックスピザの注文を承りました。」である場合と、ユーザ発話が「チーズピザお願いします。」であり、装置発話が「チーズピザの注文を承りました。」である場合と、ユーザ発話が「ミックスチーズピザお願いします。」であり、装置発話が「ミックスチーズピザの注文を承りました。」である場合という遣り取りによる注文があったとする。このとき、学習部12は、自然言語解析を行って、この対話処理装置3に対しては、「ミックスピザお願いします。」のうち「ミックスピザ」が注文対象の1単位であり、「チーズピザお願いします。」のうち「チーズピザ」が注文対象の1単位であり、「ミックスチーズピザお願いします。」のうち「ミックスチーズピザ」が注文対象の1単位であると判断する。つまり、対話処理装置3が受け付け可能な1単位の注文対象は、それぞれ「ミックスピザ」、「チーズピザ」、「ミックスチーズピザ」であると学習する。よって、変換例としては、ユーザ発話(変換前)「ミックスピザミックスチーズピザください。」という注文対象が連続して1つの発話に含まれる場合に、ユーザ発話(変換後)「ミックスピザと、ミックスチーズピザください。」というように、注文対象が分離して変換されるという例が考えられる。このように、入力データに含まれる代名詞に相当するデータが、当該代名詞が意味する名詞に相当するデータに変換される。このように、入力データが、入力規則に合致するように分離した入力データに変換される。
【0034】
図6dにおいて、ユーザ発話が「歯磨き粉お願いします。」であり、装置発話が「どの歯磨き粉ですか?」であった場合において、さらに次のユーザ発話が「歯クリアです。」であり、これに応答する装置発話が「歯クリアの注文を承りました。」であったとする。このとき、学習部12は、自然言語解析を行って、この対話処理装置3に対しては、「歯磨き粉」という上位概念のカテゴリ名ではなく、「歯クリア」という下位概念の商品名で入力すると学習する。よって、変換例としては、ユーザ発話(変換前)「歯磨き粉お願いします。」がユーザ発話(変換後)「歯クリアお願いします。」に変換される例が考えられる。このように、入力データのうち、入力規則に合致してない抽象度の入力データが、入力規則に合致する抽象度の入力データに変換される。
【0035】
中継装置1の取得部11が入力データ及び応答データを取得するたびに、上記の学習処理が実行される。その結果、学習された入力規則が対話処理装置3の識別情報及びユーザ端末2の識別情報と対応付けて学習部12に記憶される。
【0036】
次に、中継装置1による変換動作について説明する。ユーザが対話処理機能を起動するために予め決められたキーワードを発話すると、ユーザ端末2がこの発話を収音して対話処理機能が起動される。次に、ユーザは、いずれかの対話処理装置3を指定して、所望の処理を指示する発話を行う。中継装置1の取得部11は、ユーザ端末2に入力された発話に応じた入力データを通信網4経由で取得して記憶する(ステップS11)。変換部13は、学習部により対話処理装置3の識別情報及びユーザ端末2の識別情報に対応付けて記憶されている学習結果を参照して、この入力データを変換する必要があるか否かを判断する(ステップS12)。ここで、ユーザの入力データが入力規則に合致していればその入力データを変換する必要はないし、ユーザの入力データが入力規則に合致していなければその入力データを変換する必要がある。
【0037】
変換部13は、変換の必要があれは入力規則に従って変換処理を行う(ステップS13)。出力部14は、変換後の入力データを通信網4経由で対話処理装置3に出力する(ステップS14)。以降、中継装置1の取得部11がユーザ端末2から入力データを通信網4経由で取得するたびに、上記の変換処理が実行される。
【0038】
以上説明した実施形態によれば、ユーザの入力データを対話処理装置3が理解可能な形式へと変換することを、発話以外の入力を必要とせずに実現することが可能となる。
【0039】
[変形例]
上述した実施形態は次のような変形が可能である。また、以下の変形例を互いに組み合わせて実施してもよい。
[変形例1]
学習部12は、どの対話処理装置3が入力データの入力先となる対話処理装置3に相当するかを学習してもよい。具体的には、まず初期段階では、ユーザがいずれかの対話処理装置3を指定して所望の処理を指示する発話を行うが、このときのユーザの入力データと指定された対話処理装置3との対応関係を学習する。例えばユーザの入力データが「ミックスピザください」「チーズピザください」「ミックスチーズピザください」等のように「ピザ」という単語が含まれている場合には、対話処理装置3aが指定されるという対応関係をユーザ端末2毎に学習する。つまり、学習部12は、取得された入力データ及び応答データに基づいて、複数の対話処理装置3のうち、当該入力データの入力先となる対話処理装置3を学習する。出力部14は、取得された入力データについて変換部13によって変換された後のデータを、学習部12によって学習された結果から特定される対話処理装置3に出力する。このようにすれば、ユーザがこのシステムを利用していく期間が長くなるにつれて上記の学習が進み、最終的には、ユーザが対話処理装置3を指定しなくても、ユーザ発話がそのユーザの所望する対話処理装置3に届けられることになる。
【0040】
[変形例2]
対話処理装置3による処理の指示に応じて、例えばユーザが指定した商品がその商品の提供元の店舗からそのユーザに届けられるようなサービスの場合、出力部14は、ユーザ及び店舗間の距離又は時間に関する条件に応じた対話処理装置3を、ユーザの入力データの入力先として決定してもよい。例えば出力部14は、発話したユーザの位置と各対話処理装置3に対応する店舗の位置とを取得して両者の間の距離又は商品を届けるのに要する所要時間を算出し、この距離又は時間が最も小さくなるような対話処理装置3を、ユーザの入力データの入力先として決定する。ユーザが商品が届けられる日時を指定しておいて、出力部14は、発話したユーザの位置と各対話処理装置3に対応する店舗の位置とを取得して商品を届けるのに要する所要時間を算出し、この所要時間が指定された日時に間に合うような対話処理装置3を、ユーザの入力データの入力先として決定してもよい。このように、出力部14は、学習部12によって学習された結果から特定される複数の対話処理装置3のうち、ユーザ端末2と当該ユーザ端末2を使用するユーザに提供される商品の提供元との間の距離又は時間に関する条件に応じて特定される対話処理装置3に対し、変換部13による変換後のデータを出力する。
【0041】
[変形例3]
学習部12による学習は、ユーザ又はユーザグループ単位の学習であってもよい。ここでいうユーザグループとは、例えばオフィスの組織や家族といったグループである。この場合、ユーザ端末2は自装置の識別情報及び自装置のユーザが属するユーザグループの識別情報を伴ってデータ通信を行う。このように、学習部12は、ユーザ端末2を使用するユーザ単位又は当該ユーザが属するグループ単位で学習を行う。出力部14は、ユーザ端末2を使用するユーザ又は当該ユーザが属するグループに応じた情報を当該ユーザ端末2に出力する。
【0042】
[変形例4]
実施形態において学習部12は、或るユーザについての入力データ及び応答データを用いて学習した入力規則を、対話処理装置3の識別情報及びユーザ端末2の識別情報と対応付けて記憶していたが、複数のユーザに共通の入力規則については、例えば第1のユーザの入力データ及び応答データに基づいて学習した入力規則を、その第1のユーザ以外の第2のユーザについての入力規則としてもよい。例えば
図6a及び
図6cを用いて説明した入力規則は、複数のユーザに共通の入力規則に該当する。
図6aの場合、第1のユーザのユーザ発話が「ブルゴキお願いします。」であり、これに応答する装置発話が「識別できません。もう一度お願いします。」であった場合において、さらに上記第1のユーザの次のユーザ発話が「プルコギお願いします。」であり、これに応答する装置発話が「プルコギの注文を承りました。」であったとする。このとき、学習部12は、これらの遣り取りについて自然言語解析を行って、「ブルゴキ」という単語が「プルコギ」という単語に訂正されたと判断し、「ブルゴキ」という誤った単語のユーザ発話を「プルコギ」という正しい単語のユーザ発話に変換して対話処理装置3に入力する、つまりこの対話処理装置3が受け付け可能な単語はプルコギであると学習する。このような場合において、変換部13は、第1のユーザではない第2のユーザの入力データが、第1のユーザについて学習した上記入力規則に合致していればその入力データを変換せず、第2のユーザの入力データが上記入力規則に合致していなければその入力データを変換する。例えば、第2のユーザのユーザ発話が「ブルゴキお願いします。」であれば、これが上記入力規則に従って、ユーザ発話「プルコギお願いします。」に変換されることになる。
図6cの例についても同様である。
【0043】
[そのほかの変形例]
上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、中継装置1は、
図3の機能の全てを一体に備えた単一装置によっても実現可能であるし、これらの機能を複数の装置に分散して備えたシステムによって実現されてもよい。例えば対話処理装置3の機能の少なくとも一部の機能を中継装置1が備えていてもよい。また、中継装置1は、対話処理装置3とは異なる専用の対話機能(例えば対話処理装置3に対するユーザとの対話しシーケンスに移行する前段階でユーザと対話する機能)を有していてもよい。
【0044】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0045】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0046】
本明細書で使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0047】
本明細書で使用する「判定(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判定」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining) した事を「判定」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判定」、「決定」は、受信(receiving) (例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判定」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判定」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判定」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判定」「決定」は、何らかの動作を「判定」「決定」したとみなす事を含み得る。
【0048】
本発明は、情報処理装置である中継装置1が行う情報処理方法や、コンピュータを情報処理装置である中継装置1として機能させるためのプログラムといった形態でも実施が可能である。かかるプログラムは、光ディスク等の記録媒体に記録した形態で提供されたり、インターネット等のネットワークを介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用可能にするなどの形態で提供されたりすることが可能である。
【0049】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。