(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、及び、構成要素の配置位置や接続形態などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、各図において縮尺等は必ずしも一致していない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0012】
また、本明細書及び図面において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表しており、X軸及びY軸は、互いに直交し、かつ、いずれもZ軸に直交する軸である。
【0013】
(実施の形態)
まず、実施の形態に係る表示装置1の概略構成について、
図1〜
図3を用いて説明する。
図1は、実施の形態に係る表示装置1の概略構成を示す図である。
図2は、同表示装置1における第1表示パネル100の概略構成を示す図である。
図3は、同表示装置1における第2表示パネル200の概略構成を示す図である。
【0014】
表示装置1は、静止画像又は動画像の画像(映像)を表示する画像表示装置である。
図1に示すように、表示装置1は、観察者に近い位置(前側)に配置された第1表示パネル100と、第1表示パネル100よりも観察者から遠い位置(後側)に配置された第2表示パネル200とを備える。第1表示パネル100及び第2表示パネル200は、平面視において同一の外形形状であるが、これに限らない。
【0015】
第1表示パネル100は、メインパネルであって、ユーザが視認する画像を表示する。第1表示パネル100は、例えば、ユーザが視認する画像としてカラー画像を表示する。
【0016】
第1表示パネル100には、第1フレキシブル基板として、第1ソースFPC110及び第1ゲートFPC120が接続されている。第1ソースFPC110及び第1ゲートFPC120は、例えば、異方性導電性フィルム(ACF;Anisotropic Conductive Film)を用いた熱圧着によって第1表示パネル100の各種信号線の電極端子と接続されている。
【0017】
第1ソースFPC110は、第1ソースドライバ111が実装されたFPCである。FPCは、ポリイミド等の絶縁性樹脂材料からなるベースフィルム(基材)の上に銅箔等の金属材料等からなる所定形状の導体パターン(金属配線)が形成されたフレキシブル性を有するフィルム基板である。第1ソースドライバ111は、ICがパッケージ化されたICドライバ(ICチップ)であり、COF(Chip on Film)技術によって、第1ソースFPC110に実装されている。
【0018】
本実施の形態において、第1ソースFPC110は、第1表示パネル100の長辺端部に12個設けられている。12個の第1ソースFPC110の各々には、1つの第1ソースドライバ111が実装されている。なお、第1ソースFPC110の数は、12個に限らない。
【0019】
また、第1ソースFPC110の第1表示パネル100側とは反対側の部分には、第1回路基板112が接続されている。第1回路基板112は、第1ソースFPC110を介して第1表示パネル100と電気的に接続されている。第1回路基板112は、略矩形板状のプリント基板(PCB;Printed Circuit Board)であり、第1回路基板112には、複数の電子部品が実装されている。第1回路基板112は、第1タイミングコントローラ410から出力された各種信号を第1ソースFPC110の第1ソースドライバ111に伝達する機能を有する。本実施の形態では、6個の第1ソースFPC110に対して、1つの第1回路基板112が接続されている。つまり、第1回路基板112は、2つ設けられている。なお、第1回路基板112の数は、2つに限らない。
【0020】
第1ゲートFPC120は、第1ゲートドライバ121が実装されたFPCである。第1ゲートドライバ121は、ICドライバ(ICチップ)であり、COF技術によって、第1ゲートFPC120に実装されている。
【0021】
本実施の形態において、第1ゲートFPC120は、第1表示パネル100の両短辺端部の各々に7個ずつ設けられている。合計14個の第1ゲートFPC120の各々には、1つの第1ゲートドライバ121が実装されている。なお、第1ゲートFPC120の数は、14個に限らない。
【0022】
このように、第1ソースFPC110及び第1ゲートFPC120には、第1表示パネル100に駆動信号を出力する第1ドライバICとして、第1ソースドライバ111及び第1ゲートドライバ121が実装されている。
【0023】
第1表示パネル100の第1画像表示領域130にカラー画像を表示する場合、第1タイミングコントローラ410から出力される各種信号が第1ソースドライバ111及び第1ゲートドライバ121に入力される。なお、第1ソースドライバ111については、第1回路基板112を介して第1ソースドライバ111に各種信号が入力される。
【0024】
第2表示パネル200は、第1表示パネル100の背面側に配置されるサブパネルである。第2表示パネル200は、例えば、第1表示パネル100に表示されるカラー画像に対応した画像パターンのモノクロ画像(白黒画像)を、そのカラー画像に同期させて表示する。
【0025】
第2表示パネル200には、第2フレキシブル基板として、第2ソースFPC210及び第2ゲートFPC220が接続されている。第2ソースFPC210及び第2ゲートFPC220は、例えば、異方性導電性フィルムを用いた熱圧着によって第2表示パネル200の各種信号線の電極端子と接続されている。
【0026】
第2ソースFPC210は、第2ソースドライバ211が実装されたFPCである。第2ソースドライバ211は、ICドライバ(ICチップ)であり、COF技術によって、第2ソースFPC210に実装されている。
【0027】
本実施の形態において、第2ソースFPC210は、第2表示パネル200の長辺端部に12個設けられている。12個の第2ソースFPC210の各々には、1つの第2ソースドライバ211が実装されている。なお、第2ソースFPC210の数は、12個に限らない。
【0028】
また、第2ソースFPC210の第2表示パネル200側とは反対側の部分には、第2回路基板212が接続されている。第2回路基板212は、第2ソースFPC210を介して第2表示パネル200と電気的に接続されている。第2回路基板212は、略矩形板状のプリント基板(PCB)であり、第2回路基板212には、複数の電子部品が実装されている。第2回路基板212は、第2タイミングコントローラ420から出力された各種信号を第2ソースFPC210の第2ソースドライバ211に伝達する機能を有する。本実施の形態では、6個の第2ソースFPC210に対して、1つの第2回路基板212が接続されている。つまり、第2回路基板212は、2つ設けられている。なお、第2回路基板212の数は、2つに限らない。
【0029】
第2ゲートFPC220は、第2ゲートドライバ221が実装されたFPCである。第2ゲートドライバ221は、ICドライバ(ICチップ)であり、COF技術によって、第2ゲートFPC220に実装されている。
【0030】
本実施の形態において、第2ゲートFPC220は、第2表示パネル200の両短辺端部の各々に7個ずつ設けられている。合計14個の第2ゲートFPC220の各々には、1つの第2ゲートドライバ221が実装されている。なお、第2ゲートFPC220の数は、14個に限らない。
【0031】
このように、第2ソースFPC210及び第2ゲートFPC220には、第2表示パネル200に駆動信号を出力する第2ドライバICとして、第2ソースドライバ211及び第2ゲートドライバ221が実装されている。
【0032】
第2表示パネル200の第2画像表示領域230にモノクロ画像を表示する場合、第2タイミングコントローラ420から出力される各種信号が第2ソースドライバ211及び第2ゲートドライバ221に入力される。なお、第2ソースドライバ211については、第2回路基板212を介して第2ソースドライバ211に各種信号が入力される。
【0033】
図2及び
図3に示すように、第1画像表示領域130及び第2画像表示領域230は、マトリクス状に区画された複数の画素によって構成されている。第1画像表示領域130の画素数と第2画像表示領域230の画素数とは同じであってもよいし異なっていてもよいが、メインパネルである第1表示パネル100における第1画像表示領域130の画素数を、サブパネルである第2表示パネル200における第2画像表示領域230画素数よりも多くするとよい。
【0034】
本実施の形態において、表示装置1は液晶表示装置であり、第1表示パネル100及び第2表示パネル200は、いずれも液晶パネルである。また、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の液晶駆動方式は、例えばIPS(In Plane Switching)方式又はFFS(Fringe Field Switching)方式等の横電界方式であるが、これに限るものではない。第1表示パネル100及び第2表示パネル200の液晶駆動方式は、VA(Vertical Alignment)方式又はTN(Twisted Nematic)方式等であってもよい。
【0035】
表示装置1は、さらに、バックライト300を備える。バックライト300は、第2表示パネル200の後側に配置されている。
【0036】
バックライト300は、第1表示パネル100及び第2表示パネル200に向けて光を照射する。バックライト300は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を光源とするLEDバックライトであるが、バックライト300の光源は、LEDに限定されるものではない。
【0037】
表示装置1は、さらに、第1表示パネル100の第1ソースドライバ111及び第1ゲートドライバ121を制御する第1タイミングコントローラ410と、第2表示パネル200の第2ソースドライバ211及び第2ゲートドライバ221を制御する第2タイミングコントローラ420と、第1タイミングコントローラ410及び第2タイミングコントローラ420に画像データを出力する画像処理部500とを備える。
【0038】
図2に示すように、第1タイミングコントローラ410は、画像処理部500から出力される第1画像データDAT1と第1制御信号CS1(クロック信号、垂直同期信号、水平同期信号等)とに基づいて、第1画像データ信号DA1と、第1ソースドライバ111及び第1ゲートドライバ121の駆動を制御するための各種タイミング信号(データスタートパルスDSP1、データクロックDCK1、ゲートスタートパルスGSP1、ゲートクロックGCK1)とを生成する。第1タイミングコントローラ410は、第1画像データ信号DA1と、データスタートパルスDSP1と、データクロックDCK1とを第1ソースドライバ111に出力し、ゲートスタートパルスGSP1とゲートクロックGCK1とを第1ゲートドライバ121に出力する。
【0039】
第1ソースドライバ111は、データスタートパルスDSP1及びデータクロックDCK1に基づいて、第1画像データ信号DA1に応じたデータ電圧(データ信号)を第1表示パネル100のソース配線SL1に出力する。また、第1ゲートドライバ121は、ゲートスタートパルスGSP1及びゲートクロックGCK1に基づいて、ゲート電圧(ゲート信号)を第1表示パネル100のゲート配線GL1に出力する。これにより、カラー画像が第1画像表示領域130に表示される。
【0040】
図3に示すように、第2タイミングコントローラ420は、画像処理部500から出力される第2画像データDAT2と第2制御信号CS2(クロック信号、垂直同期信号、水平同期信号等)とに基づいて、第2画像データ信号DA2と、第2ソースドライバ211及び第2ゲートドライバ221の駆動を制御するための各種タイミング信号(データスタートパルスDSP2、データクロックDCK2、ゲートスタートパルスGSP2、ゲートクロックGCK2)とを生成する。第2タイミングコントローラ420は、第2画像データ信号DA2と、データスタートパルスDSP2と、データクロックDCK2とを第2ソースドライバ211に出力し、ゲートスタートパルスGSP2とゲートクロックGCK2とを第2ゲートドライバ221に出力する。
【0041】
第2ソースドライバ211は、データスタートパルスDSP2及びデータクロックDCK2に基づいて、第2画像データ信号DA2に応じたデータ電圧(データ信号)を第2表示パネル200のソース配線SL2に出力する。また、第2ゲートドライバ221は、ゲートスタートパルスGSP2及びゲートクロックGCK2に基づいて、ゲート電圧(ゲート信号)を第2表示パネル200のゲート配線GL2に出力する。
【0042】
図1に示すように、画像処理部500は、外部のシステム(図示せず)から送信された入力映像信号Dataを受信し、所定の画像処理を実行した後、第1タイミングコントローラ410に第1画像データDAT1を出力するとともに、第2タイミングコントローラ420に第2画像データDAT2を出力する。第1画像データDAT1は、カラー表示用の画像データであり、第2画像データDAT2は、モノクロ表示用の画像データである。
【0043】
また、画像処理部500は、第1タイミングコントローラ410に第1制御信号CS1を出力するとともに、第2タイミングコントローラ420に第2制御信号CS2を出力する。なお、第1制御信号CS1及び第2制御信号CS2には、第1表示パネル100で表示させるカラー画像と第2表示パネル200で表示させるモノクロ画像とを同期させるための同期信号が含まれる。
【0044】
このように、本実施の形態に係る表示装置1では、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の2つの表示パネルを重ね合わせて画像を表示しているので、黒を引き締めることができる。これにより、コントラスト比が高い画像を表示することができる。また、表示装置1は、例えばHDR(High Dynamic Range)対応テレビであり、バックライト300として、ローカルディミング対応の直下型LEDバックライトを用いてもよい。この場合、さらに高コントラスト比かつ高画質のカラー画像を表示することができる。
【0045】
バックライト300によってローカルディミングを行う場合、バックライト駆動回路(不図示)によって、画像処理部500から入力される発光制御信号に応じたタイミング及び輝度でバックライト300に配列される複数のLEDを選択的に発光させる。
【0046】
次に、実施の形態に係る表示装置1の構造的な特徴について、
図4〜
図6を用いて説明する。
図4は、実施の形態に係る表示装置1の分解斜視図である。
図5は、
図4のV−V線における同表示装置1の部分断面図である。
図6は、
図4のVI−VI線における同表示装置1の部分断面図である。
【0047】
図4〜
図6に示すように、表示装置1は、第1表示パネル100と第2表示パネル200とバックライト300とを保持するフレーム600を備える。フレーム600は、上フレーム610と、中フレーム620と、下フレーム630とによって構成されている。
【0048】
表示装置1においては、観察者側から、上フレーム610と、第1表示パネル100と、第2表示パネル200と、中フレーム620と、下フレーム630とが、この順で配置されている。なお、
図4では、説明の便宜上、第1表示パネル100及びバックライト300は省略している。
【0049】
図5及び
図6に示すように、第1表示パネル100は、第1TFT(Thin Film Transistor)基板101と、第1TFT基板101に対向する第1対向基板102と、第1TFT基板101と第1対向基板102との間に配置された第1液晶層103とを備える液晶セルである。本実施の形態において、第1TFT101基板及び第1対向基板102のうち第1対向基板102が観察者側に位置している。
【0050】
第1TFT基板101は、ガラス基板等の透明基板にTFT層が形成された基板である。TFT層は、駆動回路層であり、TFT層には、TFT及びTFTを駆動する配線等が形成されている。TFT層の平坦化層上には、第1液晶層103に電圧を印加するための画素電極が形成されている。
【0051】
第1対向基板102は、ガラス基板等の透明基板に画素形成層としてカラーフィルタ層が形成されたCF基板である。第1対向基板102の画素形成層は、ブラックマトリクス(黒色部)及びカラーフィルタ(着色部)を有する。ブラックマトリクスは、例えば格子状又はストライプ状に形成されており、ブラックマトリクスには、画素を構成するマトリクス状の複数の開口部が形成されている。ブラックマトリクスの各開口部内にはカラーフィルタが形成されている。各カラーフィルタは、例えば、赤色用のカラーフィルタ、緑色用のカラーフィルタ、又は、青色用のカラーフィルタである。各色のカラーフィルタは、各画素に対応している。
【0052】
第1液晶層103は、第1TFT基板101と第1対向基板102との間の隙間に封止されている。第1液晶層103の液晶材料は、駆動方式に応じて適宜選択することができる。
【0053】
第2表示パネル200は、第2TFT基板201と、第2TFT基板201に対向する第2対向基板202と、第2TFT基板201と第2対向基板202との間に配置された第2液晶層203とを備える液晶セルである。本実施の形態において、第2TFT基板201及び第2対向基板202のうち第2TFT基板201が観察者側に位置している。
【0054】
つまり、第2表示パネル200は、第1表示パネル100に対して、TFT基板と対向基板(CF基板)とを反転させた状態で配置されている。具体的には、第1表示パネル100及び第2表示パネル200は、互いのTFT基板(第1TFT基板101、第2TFT基板201)が内側に位置するように配置されている。
【0055】
第2TFT基板201は、ガラス基板等の透明基板にTFT層が形成された基板である。TFT層は、駆動回路層であり、TFT層には、TFT及びTFTを駆動する配線等が形成されている。TFT層の平坦化層上には、第1液晶層103に電圧を印加するための画素電極が形成されている。
【0056】
第2対向基板202は、ガラス基板等の透明基板に画素形成層が形成された基板である。第2対向基板202の画素形成層は、画素を構成する格子状又はストライプ状に形成されたブラックマトリクスを有する。本実施の形態では、第2表示パネル200はモノクロ画像を表示するので、画素形成層には、カラーフィルタが形成されていない。
【0057】
第2液晶層203は、第2TFT基板201と第2対向基板202との間の隙間に封止されている。第2液晶層203の液晶材料は、駆動方式に応じて適宜選択することができる。
【0058】
第1表示パネル100の両面の各々には、第1偏光板104が貼り付けられている。一対の第1偏光板104は、偏光方向が互いに直交するように配置されている。つまり、一対の第1偏光板104は、クロスニコルで配置されている。
【0059】
また、第2表示パネル200の両面の各々には、第2偏光板204が貼り付けられている。一対の第2偏光板204は、偏光方向が互いに直交するように配置されている。つまり、一対の第2偏光板204は、クロスニコルで配置されている。
【0060】
一対の第1偏光板104及び一対の第2偏光板204は、例えば樹脂材料からなるシート状の偏光フィルムである。なお、第1偏光板104及び第2偏光板204には、位相差板(位相差フィルム)が貼り合わされていてもよい。
【0061】
第1表示パネル100と第2表示パネル200とは接着層105によって貼り合わされている。具体的には、第1表示パネル100の裏面側の第1偏光板104と第2表示パネル200の前面側の第2偏光板204とが接着層105によって接着されている。接着層105としては、例えば、光学粘着シート(OCA:Optically Clear Adhesive)等の透明接着剤を用いることができる。なお、第1表示パネル100と第2表示パネル200との間に、拡散シートを別途挿入してもよい。
【0062】
バックライト300は、複数のLED310と、透光基板320と、光学シート330と、反射板340とを有する。
【0063】
複数のLED310の各々は、発光素子の一例である。LED310としては、例えば白色光を発する白色LED光源を用いることができる。
【0064】
本実施の形態において、バックライト300は、直下型であるので、複数のLED310は、二次元的に配置されている。具体的には、複数のLED310は、下フレーム630の底部にマトリクス状に配列されている。より具体的には、複数のLED310は、下フレーム630の凹部に配置された反射板340の底面上に配置されている。
【0065】
透光基板320は、透光性を有する剛板の一例である。透光基板320は、光学シート330を支持している。透光基板320は、例えば、可視光に対して透明なガラス板等の透明基板である。この場合、透光基板320としては、機械的強度に優れた強化ガラスを用いるとよい。
【0066】
透光基板320は、下フレーム630の本体部631と対向している。具体的には、透光基板320は、本体部631の底板部631aと対向するように配置されている。また、透光基板320は、透光基板320の外周端部が、下フレーム630の下フランジ部632と中フレーム620の中フランジ部621との間に位置するように配置されている。本実施の形態において、透光基板320は、外周端部が下フレーム630の下フランジ部632に支持されている。具体的には、透光基板320の外周端部は、下フランジ部632に載置された反射板340のフランジ部の上に載置されている。
【0067】
なお、透光基板320は、光拡散性を有していてもよい。この場合、透光基板320は、入射した光を散乱させて透過させる。これにより、透光基板320を透過する光を均一な面状の光にすることができる。
【0068】
光学シート330は、LED310の前方(光出射側)に配置される。本実施の形態において、光学シート330は、透光基板320の前面に貼り合わされている。光学シート330は、1枚であってもよいし、複数枚であってもよい。光学シート330としては、例えば、LED310からの光を拡散させるための拡散板(拡散シート)及び/又はプリズムシート等を用いることができる。
【0069】
反射板340は、複数のLED310の光を反射する機能を有する。反射板340は、下フレーム630の本体部631の底部に配置されている。反射板340は、例えば鋼板又はアルミ板等の金属板によって構成されている。この場合、反射板340の表面には、白塗装が施されているとよい。
【0070】
フレーム600を構成する上フレーム610と中フレーム620と下フレーム630とは、例えばネジにより互いに固定されている。
【0071】
上フレーム610は、フレーム600において上側(Z軸方向プラス側)に配置されたフロントフレームである。本実施の形態において、上フレーム610は、平面視形状が矩形枠状で断面形状がL字状の金属フレームであり、鋼板又はアルミニウム板等の高い剛性を有する金属材料で構成されている。上フレーム610は、額縁部611と、側壁部612とを有する。
【0072】
額縁部611は、第1表示パネル100の表示面の周縁部を覆うベゼル部である。具体的には、額縁部611は、第1表示パネル100の表示面の外周端部の全周を覆うように枠状に形成されている。本実施の形態において、額縁部611は、側壁部612の上端からフランジ状に突出している。額縁部611には、内方に突出する突出部611aが形成されている。突出部611aは、例えば絞り加工によって形成することができる。
【0073】
額縁部611の先端部の内面(下面)にはクッション部材613が設けられている。クッション部材613は、額縁部611と第1表示パネル100との間に配置されている。具体的には、額縁部611と第1偏光板104とで挟持されるようにクッション部材613が挿入されている。これにより、上フレーム610と第1表示パネル(第1偏光板104)との間の隙間をなくすことができるので、埃や虫が表示装置1の内部に侵入することを抑制することができる。
【0074】
側壁部612は、額縁部611から下方に向かって突出するように形成されている。側壁部612は、第1表示パネル100及び第2表示パネル200とバックライト300との側方に位置している。側壁部612は、中フレーム620の側壁部622と対面している。
【0075】
中フレーム620は、上フレーム610と下フレーム630との間に配置されたミドルフレームである。中フレーム620は、第1表示パネル100及び第2表示パネル200をバックライト300側から支持している。本実施の形態において、中フレーム620は、平面視形状が矩形枠状で断面形状がL字状の金属フレームであり、鋼板又はアルミニウム板等の高い剛性を有する金属材料で構成されている。中フレーム620は、中フランジ部621と、側壁部622とを有する。
【0076】
中フランジ部621は、上フレーム610の額縁部611との間で第1表示パネル100及び第2表示パネル200を挟んでいる。具体的には、第1表示パネル100及び第2表示パネルの各々の外周端部は、中フランジ部621と額縁部611との間に配置されている。中フランジ部621は、第2表示パネル200の裏面の外周端部の全周を覆うように枠状に形成されている。
【0077】
中フランジ部621の先端部の外面(上面)にはクッション部材623が設けられている。クッション部材623は、中フランジ部621と第2表示パネル200との間に配置されている。具体的には、中フランジ部621と第2偏光板204とで挟持されるようにクッション部材623が挿入されている。
【0078】
中フランジ部621の先端部の内面(下面)にはクッション部材624が設けられている。クッション部材624は、中フランジ部621と光学シート330との間に配置されている。
【0079】
側壁部622は、中フランジ部621から下方に向かって突出するように形成されている。側壁部622は、バックライト300の側方に位置している。側壁部622は、上フレーム610の側壁部612と下フレーム630の本体部631の側板部631bとの間に配置されている。側壁部622は、上フレーム610の側壁部612と対面しているとともに、下フレーム630の本体部631の側板部631bと対面している。
【0080】
下フレーム630は、フレーム600において背面側(Z軸方向マイナス側)に配置されたリアフレームである。下フレーム630は、バックライト300を構成するLED310を内部に収容するとともに、バックライト300を構成する透光基板320と光学シート330と反射板340とを保持する。本実施の形態において、下フレーム630は、全体として凹状に形成された金属筐体であり、鋼板又はアルミニウム板等の高い剛性を有する金属材料で構成されている。下フレーム630は、本体部631と、下フランジ部632とを有する。
【0081】
本体部631は、複数のLED310を収容する収容空間を構成している。本体部631は、平面視形状が矩形の底板部(背面板)631aと、底板部631aの外周端部から上側に突出する枠状の側板部631bとを有する。
【0082】
下フランジ部632は、本体部631の周縁に設けられている。具体的には、下フランジ部632は、本体部631の側板部631bの上端部から外方に突出するように形成されている。なお、下フランジ部632と透光基板320の外周端部との間にクッション部材が配置されていてもよい。
【0083】
図4に示すように、上フレーム610と中フレーム620との間には、複数の上スペーサ710が配置されている。上スペーサ710は、上フレーム610と中フレーム620とによって挟持されており、上フレーム610と中フレーム620との隙間の間隔を規制している。また、上スペーサ710は、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の面方向の移動を規制している。
【0084】
中フレーム620と下フレーム630との間には、複数の下スペーサ720が配置されている。下スペーサ720は、中フレーム620と下フレーム630とによって挟持されており、中フレーム620と下フレーム630との隙間の間隔を規制している。また、下スペーサ720は、透光基板320の面方向の移動を規制している。
【0085】
上スペーサ710及び下スペーサ720は、樹脂材料によって構成された樹脂成型品であるが、これに限らない。上スペーサ710及び下スペーサ720は、例えば金属材料によって構成されていてもよい。
【0086】
図5に示すように、表示装置1の長辺側の断面では、上フレーム610と中フレーム620との間に、第1フレキシブル基板である第1ソースFPC110及び第2フレキシブル基板である第2ソースFPC210が配置されている。第1ソースFPC110は、第1表示パネル100の第1TFT基板101の内面(第1TFT基板101のうちの第1対向基板102と向き合う面)側に接続されており、第2ソースFPC210は、第2表示パネル200の第2TFT基板201の内面(第2TFT基板201のうちの第2対向基板202と向き合う面)側に接続されている。
【0087】
第1ソースFPC110と第2ソースFPC210とは、少なくとも一部が重なるように、隙間をあけて配置されている。本実施の形態では、第1ソースFPC110と第2ソースFPC210とは、お互いのほぼ全体で重なっている。
【0088】
第1ソースFPC110には、第1表示パネル100に駆動信号を出力する第1ドライバICとして第1ソースドライバ111が実装されている。また、第2ソースFPC210には、第2表示パネル200に駆動信号を出力する第2ドライバICとして第2ソースドライバ211が実装されている。
【0089】
本実施の形態において、第1ソースFPC110は、第1ソースドライバ111が第2ソースFPC210側に位置するように第1表示パネル100に接続されている。一方、第2ソースFPC210は、第2ソースドライバ211が第1ソースFPC110側に位置するように第2表示パネル200に接続されている。つまり、第1ソースドライバ111及び第2ソースドライバ211が内側同士となるように、第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210が配置されている。
【0090】
このような向きで第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210を配置することで、第1ソースFPC110のベースフィルム及び導体パターンのうち導体パターンが第2ソースFPC210側に位置するとともに、第2ソースFPC210のベースフィルム及び導体パターンのうち導体パターンが第1ソースFPC110側に位置することになる。つまり、お互いの導体パターンが内側同士となるように、第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210が配置されている。
【0091】
さらに、第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210の各々は、断面L字形状の上フレーム610及び中フレーム620の形状に沿って曲がっている。具体的には、第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210は、上フレーム610の額縁部611と中フレーム620の中フランジ部621との間に位置するとともに上フレーム610の側壁部612と中フレーム620の側壁部622との間に位置するように湾曲している。
【0092】
この場合、本実施の形態では、第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210は、第2ソースFPC210が第1ソースFPC110に対して内側となるように湾曲している。
【0093】
また、第1ソースFPC110は、上フレーム610の額縁部611に形成された突出部611aに接触している。具体的には、第1ソースFPC110における第1ソースドライバ111が実装された部分の反対側の面が突出部611aに接触している。これにより、第1ソースドライバ111で発生した熱を突出部611aを介して上フレーム610に効率良く放熱させることができる。
【0094】
一方、第2ソースFPC210は、中フレーム620の中フランジ部621に載置された熱伝導シート625に接触している。具体的には、第2ソースFPC210における第2ソースドライバ211が実装された部分の反対側の面が熱伝導シート625に接触している。これにより、第2ソースドライバ211で発生した熱を熱伝導シート625を介して中フレーム620に効率良く放熱させることができる。
【0095】
表示装置1は、さらに、クッション性を有する絶縁シート810を備える。絶縁シート810は、表示装置1の長辺側に配置された第1絶縁シートである。絶縁シート810は、表示装置1の長辺側に配置された第1ソースFPC110と第2ソースFPC210との間に配置されている。絶縁シート810は、少なくとも第1ソースドライバ111と第2ソースFPC210との間に配置されている。本実施の形態において、絶縁シート810は、第1ソースドライバ111と第2ソースドライバ211との間に配置されており、絶縁シート810は、第2ソースドライバ211を覆っている。
【0096】
クッション性を有する絶縁シート810は、絶縁性を有するシート状の緩衝部材として機能する。したがって、絶縁シート810が第1ソースドライバ111及び第2ソースドライバ211に接触したり第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210に接触したりしても、絶縁シート810によって第1ソースドライバ111及び第2ソースドライバ211が損傷したり第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210が損傷したりすることがない。
【0097】
絶縁シート810としては、例えば、ウレタン、ポリエチレンフォーム又はスポンジ等の独立発泡構造を有する絶縁性樹脂材料、又は、シリコーンゴム等のエラストマーによって構成することができるが、これに限らない。絶縁シート810は、クッション性及び絶縁性を有していれば、種々の素材を用いることができる。
【0098】
このように、本実施の形態に係る表示装置1では、第1ソースFPC110(第1フレキシブル基板)の第1ソースドライバ111と第2ソースFPC210(第2フレキシブル基板)の第2ソースドライバ211との間に、クッション性を有する絶縁シート810が配置されている。
【0099】
この構成により、第1ソースFPC110と第2ソースFPC210とが重なり合って配置されていたとしても、第1ソースドライバ111と第2ソースFPC210とが絶縁シート810で隔てられているので、第1ソースドライバ111が第2ソースFPC210に接触することがない。したがって、第1ソースドライバ111が第2ソースFPC210に接触することで第2ソースFPC210が断線することを抑制できる。
【0100】
また、第2ソースドライバ211と第1ソースFPC110とについても絶縁シート810で隔てられているので、第2ソースドライバ211も第1ソースFPC110に接触することがない。したがって、第2ソースドライバ211が第1ソースFPC110に接触することで第1ソースFPC110が断線することも抑制できる。
【0101】
このように、本実施の形態における表示装置1では、絶縁シート810が設けられているので、第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210の一方に実装されたドライバIC(第1ソースドライバ111、第2ソースドライバ211)の接触によって、第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210が断線したり、第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210の互いのICドライバ(第1ソースドライバ111、第2ソースドライバ211)が損傷したりすることを抑制できる。
【0102】
また、本実施の形態において、絶縁シート810は、粘着性を有しておらず、例えば表面が滑らかでさらさらとした手触りの状態になっている。したがって、絶縁シート810は、第1ソースFPC110、第1ソースドライバ111、第2ソースFPC210及び第2ソースドライバ211に対して、接着することなく接離可能な状態で配置されている。
【0103】
つまり、絶縁シート810は、第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210に接着されていない。したがって、第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210の導体パターン(配線)が断線することもない。この点について、以下説明する。
【0104】
絶縁シート810を第1ソースFPC110又は第2ソースFPC210に接着させてしまうと、絶縁シート810と第1ソースFPC110又は第2ソースFPC210との線膨張係数の違いから、表示装置1の動作等によって第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210の周辺温度が変化したときに、絶縁シート810の熱膨張量又は熱収縮量と、第1ソースFPC110又は第2ソースFPC210の熱膨張量又は熱収縮量とに差が生じる。このため、第1ソースFPC110又は第2ソースFPC210に線膨張係数差に伴う応力が発生し、第1ソースFPC110又は第2ソースFPC210の導体パターンが断線するおそれがある。これに対して、本実施の形態では、絶縁シート810と第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210とが接着されていないので、このような材料の線膨張係数の相違による応力によって第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210の導体パターンが断線することを回避できる。
【0105】
また本実施の形態において、絶縁シート810は、第2ソースFPC210に接続された第2回路基板212に取り付けられている。具体的には、絶縁シート810は、第2回路基板212に片持ち状態で取り付けられている。つまり、絶縁シート810の一端部は、第2回路基板212に固定された固定端であり、絶縁シート810の他端部は、どこにも固定されていない開放端となっている。絶縁シート810と第2回路基板212とは、例えば接着剤等によって固着することができる。絶縁シート810における第2回路基板212との接続部分以外の部分は、絶縁シート810の自らのクッション性によって可動できるようになっている。
【0106】
このように、本実施の形態における表示装置1では、絶縁シート810は、第2回路基板212に片持ち状態で取り付けられている。
【0107】
これにより、絶縁シート810を第1ソースドライバ111及び第2ソースドライバ211を覆いながらも、第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210に接着させることなく、絶縁シート810を容易に固定することができる。つまり、絶縁シート810を第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210から浮かせた状態で配置することができる。
【0108】
また、絶縁シート810は、第1表示パネル100及び第2表示パネル200と重なっていない。つまり、絶縁シート810は、第2回路基板212から第1表示パネル100及び第2表示パネル200に向かって第1ソースドライバ111及び第2ソースドライバ211を超えた位置にまで延在しているが、絶縁シート810の先端部(開放端)は、第1表示パネル100及び第2表示パネル200にまで到達していない。
【0109】
これにより、絶縁シート810が動いたとしても、第1表示パネル100と第1ソースFPC110とが剥がれたり第2表示パネル200と第2ソースFPC210とが剥がれたりすることを抑制できる。
【0110】
つまり、第1表示パネル100と第1ソースFPC110とは接着によって固定されており、また、第2表示パネル200と第2ソースFPC210とは接着によって固定されているが、絶縁シート810が第1絶縁シート810の先端部が第1表示パネル100及び第2表示パネル200にまで到達すると、絶縁シート810が動いたときに第1表示パネル100と第1ソースFPC110との接着部分及び第2表示パネル200と第2ソースFPC210との接着部分に応力負荷がかかって、第1表示パネル100と第1ソースFPC110とが剥がれたり第2表示パネル200と第2ソースFPC210とが剥がれたりするおそれがある。これに対して、絶縁シート810が第1表示パネル100及び第2表示パネル200と重なっていないことで、絶縁シート810が動いたとしても、第1表示パネル100と第1ソースFPC110との接着部分及び第2表示パネル200と第2ソースFPC210との接着部分に応力負荷がかかることを軽減でき、第1表示パネル100と第1ソースFPC110とが剥がれたり第2表示パネル200と第2ソースFPC210とが剥がれたりすることを抑制できる。
【0111】
また、本実施の形態における表示装置1では、
図5に示すように、第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210が、第2ソースFPC210が第1ソースFPC110に対して内側となるように曲がっている。このとき、第2ソースFPC210は、ベースフィルム及び導体パターンのうち導体パターンが第1ソースFPC110側(内側)に位置するようにして配置されている。
【0112】
このような導体パターンの位置関係で配置された第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210が曲げられると、第2ソースFPC210の導体パターンに引っ張り応力が働くこととなり、第2ソースFPC210の導体パターンが断線しやすくなる。
【0113】
この場合、絶縁シート810が第1ソースFPC110又は第2ソースFPC210に接着されていると、絶縁シート810と第1ソースFPC110又は第2ソースFPC210との線膨張係数の違いによる絶縁シート810と第1ソースFPC110又は第2ソースFPC210との熱膨張量差又は熱収縮量差によって、第2ソースFPC210の導体パターンが断線しやすくなる。これに対して、本実施の形態では、このように第2ソースFPC210の導体パターンが断線しやすい配置で曲がっていても、絶縁シート810と第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210とが接着されていないので、第2ソースFPC210の導体パターンが断線することを効果的に抑制できる。
【0114】
また、本実施の形態における表示装置1では、第1表示パネル100及び第2表示パネル200は、互いのTFT基板が内側に位置するように配置されており、第1ソースFPC110が第1表示パネル100における第1TFT基板101の内面側に接続され、第2ソースFPC210が第2表示パネル200における第2TFT基板201の内面側に接続されている。
【0115】
これにより、第1ソースドライバ111及び第2ソースドライバ211が互いに内側を向くような状態で第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210を第1表示パネル100及び第2表示パネル200に容易に取り付けることができる。
【0116】
次に、表示装置1の短辺側に配置された第1ゲートFPC120及び第2ゲートFPC220について説明する。
【0117】
図6に示すように、表示装置1の短辺側の断面では、上フレーム610と中フレーム620との間に、第1フレキシブル基板である第1ゲートFPC120及び第2フレキシブル基板である第2ゲートFPC220が配置されている。第1ゲートFPC120は、第1表示パネル100の第1TFT基板101の内面側に接続されており、第2ゲートFPC220は、第2表示パネル200の第2TFT基板201の内面側に接続されている。
【0118】
第1ゲートFPC120と第2ゲートFPC220とは、少なくとも一部が重なるように、隙間をあけて配置されている。本実施の形態では、第1ゲートFPC120と第2ゲートFPC220とは、お互いのほぼ全体で重なっている。
【0119】
第1ゲートFPC120には、第1表示パネル100に駆動信号を出力する第1ドライバICとして第1ゲートドライバ121が実装されている。また、第2ゲートFPC220には、第2表示パネル200に駆動信号を出力する第2ドライバICとして第2ゲートドライバ221が実装されている。
【0120】
本実施の形態において、第1ゲートFPC120は、第1ゲートドライバ121が第2ゲートFPC220側に位置するように第1表示パネル100に接続されている。一方、第2ゲートFPC220は、第2ゲートドライバ221が第1ゲートFPC120側に位置するように第2表示パネル200に接続されている。つまり、第1ゲートドライバ121及び第2ゲートドライバ221が内側同士となるように、第1ゲートFPC120及び第2ゲートFPC220が配置されている。
【0121】
このような向きで第1ゲートFPC120及び第2ゲートFPC220を配置することで、第1ゲートFPC120のベースフィルム及び導体パターンのうち導体パターンが第2ゲートFPC220側に位置するとともに、第2ゲートFPC220のベースフィルム及び導体パターンのうち導体パターンが第1ゲートFPC120側に位置することになる。つまり、お互いの導体パターンが内側同士となるように、第1ゲートFPC120及び第2ゲートFPC220が配置されている。
【0122】
また、第1ゲートFPC120は、第1ソースFPC110と同様に、上フレーム610の額縁部611に形成された突出部611aに接触している。具体的には、第1ゲートFPC120における第1ゲートドライバ121が実装された部分の反対側の面が突出部611aに接触している。これにより、第1ゲートドライバ121で発生した熱を突出部611aを介して上フレーム610に効率良く放熱させることができる。
【0123】
一方、第2ゲートFPC220は、第2ソースFPC210と同様に、中フレーム620の中フランジ部621に載置された熱伝導シート625に接触している。具体的には、第2ゲートFPC220における第2ゲートドライバ221が実装された部分の反対側の面が熱伝導シート625に接触している。これにより、第2ゲートドライバ221で発生した熱を熱伝導シート625を介して中フレーム620に効率良く放熱させることができる。
【0124】
そして、表示装置1は、短辺側においても、クッション性を有する絶縁シート820を備える。絶縁シート820は、表示装置1の短辺側に配置された第2絶縁シートである。絶縁シート820は、表示装置1の短辺側に配置された第1ゲートFPC120と第2ゲートFPC220との間に配置されている。絶縁シート820は、少なくとも第1ゲートドライバ121と第2ゲートFPC220との間に配置されている。本実施の形態において、絶縁シート820は、第1ゲートドライバ121と第2ゲートドライバ221との間に配置されており、絶縁シート820は、第2ゲートドライバ221を覆っている。
【0125】
クッション性を有する絶縁シート820としては、上記の絶縁シート810と同様のものを用いることができる。つまり、絶縁シート820は、絶縁性を有するシート状の緩衝部材として機能する。したがって、絶縁シート820が第1ゲートドライバ121及び第2ゲートドライバ221に接触したり第1ゲートFPC120及び第2ゲートFPC220に接触したりしても、絶縁シート820によって第1ゲートドライバ121及び第2ゲートドライバ221が損傷したり第1ゲートFPC120及び第2ゲートFPC220が損傷したりすることはない。
【0126】
このように、本実施の形態に係る表示装置1では、第1ゲートFPC120(第1フレキシブル基板)の第1ゲートドライバ121と第2ゲートFPC220(第2フレキシブル基板)の第2ゲートドライバ221との間に、クッション性を有する絶縁シート820が配置されている。
【0127】
この構成により、第1ゲートFPC120と第2ゲートFPC220とが重なり合って配置されていたとしても、第1ゲートドライバ121と第2ゲートFPC220とが絶縁シート820で隔てられているので、第1ゲートドライバ121が第2ゲートFPC220に接触することがない。したがって、第1ゲートドライバ121が第2ゲートFPC220に接触することで第2ゲートFPC220が断線することを抑制できる。
【0128】
また、第2ゲートドライバ221と第1ゲートFPC120とについても絶縁シート820で隔てられているので、第2ゲートドライバ221も第1ゲートFPC120に接触することがない。したがって、第2ゲートドライバ221が第1ゲートFPC120に接触することで第1ゲートFPC120が断線することも抑制できる。
【0129】
このように、本実施の形態における表示装置1では、絶縁シート820が設けられているので、第1ゲートFPC120及び第2ゲートFPC220の一方に実装されたドライバIC(第1ゲートドライバ121、第2ゲートドライバ221)の接触によって、第1ゲートFPC120及び第2ゲートFPC220が断線したり、第1ゲートFPC120及び第2ゲートFPC220の互いのICドライバ(第1ゲートドライバ121、第2ゲートドライバ221)が損傷したりすることを抑制できる。
【0130】
また、絶縁シート820は、上記の絶縁シート810と同様に、粘着性を有しておらず、例えば表面が滑らかでさらさらとした手触りの状態になっている。したがって、絶縁シート820は、第1ゲートFPC120、第1ゲートドライバ121、第2ゲートFPC220及び第2ゲートドライバ221に対して、接着することなく接離可能な状態で配置されている。
【0131】
これにより、絶縁シート820は、第1ゲートFPC120及び第2ゲートFPC220に接着されないので、絶縁シート810と第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210とが接着されないことと同様の理由で、第1ゲートFPC120及び第2ゲートFPC220の導体パターン(配線)も断線しない。
【0132】
また、本実施の形態において、絶縁シート820は、第2表示パネル200に取り付けられている。具体的には、絶縁シート820は、絶縁シート810と同様に、第2表示パネル200の第2TFT基板201に片持ち状態で取り付けられている。つまり、絶縁シート820の一端部は、第2TFT基板201に固定された固定端であり、絶縁シート820の他端部は、どこにも固定されていない開放端となっている。絶縁シート820と第2TFT基板201とは、例えば接着剤等によって固着することができる。
【0133】
(変形例1)
次に、変形例1に係る表示装置1Aについて説明する。
図7は、変形例1に係る表示装置1Aの部分断面図である。
図7は、上記
図5に対応する図であり、表示装置1Aの長辺側の断面を示している。
【0134】
図5に示すように、上記実施の形態における表示装置1では、絶縁シート810は、第2回路基板212に取り付けられていたが、本変形例における表示装置1Aでは、
図7に示すように、絶縁シート810は、短辺側の絶縁シート820と同様に、第2表示パネル200に取り付けられている。
【0135】
具体的には、絶縁シート810は、第2表示パネル200の第2TFT基板201に片持ち状態で取り付けられている。つまり、絶縁シート810の一端部は、第2TFT基板201に固定された固定端であり、絶縁シート810の他端部は、開放端である。絶縁シート810と第2TFT基板201とは、例えば接着剤等によって固着することができる。
【0136】
なお、本変形例における表示装置1Aにおいて、絶縁シート810の配置位置以外の構成は、上記実施の形態における表示装置1と同様である。
【0137】
そして、本変形例における表示装置1Aでも、第1ソースFPC110と第2ソースFPC210との間に、クッション性を有する絶縁シート810が配置されており、絶縁シート810は、第1ソースドライバ111と第2ソースFPC210との間に配置されている。具体的には、本変形例でも、絶縁シート810は、第1ソースドライバ111と第2ソースドライバ211との間に配置されており、絶縁シート810は、第2ソースドライバ211を覆っている。
【0138】
これにより、本変形例における表示装置1Aでも、上記実施の形態における表示装置1と同様の効果を奏することができる。すなわち、第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210の一方に実装されたドライバICの接触によって、第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210が断線したり互いのICドライバが損傷したりすることを抑制できる等の効果が得られる。
【0139】
(変形例2)
次に、変形例2に係る表示装置1Bについて説明する。
図8は、変形例2に係る表示装置1Bの部分断面図である。
図8は、上記
図5に対応する図であり、表示装置1Bの長辺側の断面を示している。
【0140】
図5に示すように、上記実施の形態における表示装置1では、第2表示パネル200を第1表示パネル100に対して反転するようにして配置されていた。つまり、第1表示パネル100と第2表示パネル200とは、TFT基板同士が内側となるように配置されていた。
【0141】
これに対して、本変形例における表示装置1Bでは、
図8に示すように、第2表示パネル200を第1表示パネル100に対して反転するとなく配置されている。つまり、第1表示パネル100と第2表示パネル200とは、いずれも対向基板が観察者側でTFT基板がバックライト300側となるように配置されている。
【0142】
なお、本変形例における表示装置1Bにおいて、第2表示パネル200の向き以外の構成は、上記実施の形態における表示装置1と同様である。
【0143】
そして、本変形例における表示装置1Bでも、第1ソースFPC110と第2ソースFPC210との間に、クッション性を有する絶縁シート810が配置されており、絶縁シート810は、第1ソースドライバ111と第2ソースFPC210との間に配置されている。具体的には、本変形例でも、絶縁シート810は、第1ソースドライバ111と第2ソースドライバ211との間に配置されており、絶縁シート810は、第2ソースドライバ211を覆っている。
【0144】
これにより、本変形例における表示装置1Bでも、上記実施の形態における表示装置1と同様の効果を奏することができる。すなわち、第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210の一方に実装されたドライバICの接触によって、第1ソースFPC110及び第2ソースFPC210が断線したり互いのICドライバが損傷したりすることを抑制できる等の効果が得られる。
【0145】
(変形例3)
次に、変形例3に係る表示装置1Cについて説明する。
図9は、変形例3に係る表示装置1Cの部分断面図である。
図9は、上記
図6に対応する図であり、表示装置1Cの短辺側の断面を示している。
【0146】
図6に示すように、上記実施の形態における表示装置1では、絶縁シート820は、第2表示パネル200に取り付けられていた。
【0147】
これに対して、本変形例における表示装置1Cでは、
図9に示すように、絶縁シート820は、中フレーム620の中フランジ部621の上に固定されたスペーサ730に取り付けられている。このように、本変形例では、スペーサ730によって嵩をかせいで絶縁シート820を配置している。スペーサ730としては、PET材等の樹脂材料又はアルミニウム等の金属材料を用いることができる。
【0148】
なお、本変形例における表示装置1Cにおいて、絶縁シート820の配置位置以外の構成は、上記実施の形態における表示装置1と同様である。
【0149】
そして、本変形例における表示装置1Cでも、第1ゲートFPC120と第2ゲートFPC220との間に、クッション性を有する絶縁シート820が配置されており、絶縁シート820は、第1ゲートドライバ121と第2ゲートFPC220との間に配置されている。具体的には、本変形例でも、絶縁シート820は、第1ゲートドライバ121と第2ゲートドライバ221との間に配置されており、絶縁シート820は、第2ゲートドライバ221を覆っている。
【0150】
これにより、本変形例における表示装置1Cでも、上記実施の形態における表示装置1と同様の効果を奏することができる。すなわち、第1ゲートFPC120及び第2ゲートFPC220の一方に実装されたドライバICの接触によって、第1ゲートFPC120及び第2ゲートFPC220が断線したり互いのICドライバが損傷したりすることを抑制できる等の効果が得られる。
【0151】
なお、本変形例におけるスペーサ730は、上スペーサ710と一体であってもよい。つまり、上スペーサ710を利用して絶縁シート820を配置してもよい。
【0152】
また、
図10に示すように、スペーサ730を別途設けるのではなく、中フレーム620の中フランジ部621に突出部621aを形成し、この突出部621aに絶縁シート820を配置してもよい。突出部621aは、例えば、絞り加工によって形成することができる。
【0153】
(その他の変形例)
以上、本開示に係る表示装置について、実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
【0154】
例えば、上記実施の形態及び変形例において、第1フレキシブル基板(第1ソースFPC110又は第1ゲートFPC120)と第2フレキシブル基板(第2ソースFPC210又は第2ゲートFPC220)の積層方向において、第1ドライバIC(第1ソースドライバ111又は第1ゲートドライバ121)と第2ドライバIC(第2ソースドライバ211又は第2ゲートドライバ221)とが重なっているが、重ならない方がよい。
【0155】
第1ドライバIC(第1ソースドライバ111又は第1ゲートドライバ121)と第2ドライバIC(第2ソースドライバ211又は第2ゲートドライバ221)とが重ならないようにすることで、第1ドライバIC又は第2ドライバICの接触によって第2フレキシブル基板又は第1フレキシブル基板に応力負荷がかかることを抑制できる。これにより、第1フレキシブル基板及び第2フレキシブル基板が断線することを抑制できる。
【0156】
また、上記実施の形態及び変形例において、第1ドライバIC及び第2ドライバICは、COF方式によって第1フレキシブル基板又は第2フレキシブル基板に実装したが、これに限らない。第1ドライバIC及び第2ドライバICは、TAB方式によって第1フレキシブル基板又は第2フレキシブル基板に実装してもよい。
【0157】
また、上記実施の形態及び変形例において、表示装置の長辺側におけるドライバIC(第1ソースドライバ111、第2ソースドライバ211)と、表示装置の短辺側におけるドライバIC(第1ゲートドライバ121、第2ゲートドライバ221)との両方をFPCに実装してCOFとしたが、これに限らない。例えば、表示装置の長辺側におけるドライバIC(第1ソースドライバ111、第2ソースドライバ211)と、表示装置の短辺側におけるドライバIC(第1ゲートドライバ121、第2ゲートドライバ221)との一方を、COG(Chip on Glass)技術によって接続してもよい。
【0158】
また、上記実施の形態及び変形例において、表示装置は、表示パネルとして、第1表示パネル100と第1表示パネル100に重ね合わせられた第2表示パネル200とが設けられていたが、これに限らない。つまり、表示装置における表示パネルの数は限定されず、1枚であってもよいし、2枚以上であってもよい。例えば、表示パネルが1枚のみである場合、1枚のみの表示パネルに、2つのフレキシブル基板が重ね合わせて配置される場合に、本開示の技術が適用できる。例えば、挟額縁構造を実現するべく、ゲートドライバが実装された第1フレキシブル基板と、ソースドライバが実装された第2フレキシブル基板と、を重ね合わせて配置する場合に、本開示の技術を適用して、この2つのフレキシブル基板の間に絶縁シートを介装させる例が考えられる。
【0159】
また、上記実施の形態において、第1表示パネル100及び第2表示パネル200は、液晶表示パネルとしたが、これに限らない。
【0160】
また、上記実施の形態及び変形例において、第1表示パネル100がカラー画像を表示し、第2表示パネル200がモノクロ画像を表示する構成としたが、これに限らない。例えば、第1表示パネル100がモノクロ画像を表示し、第2表示パネル200がカラー画像を表示する構成であってもよい。
【0161】
また、上記実施の形態及び変形例において、バックライト300は、複数のLED310がマトリクス状に配列された直下型のLEDバックライトとしたが、これに限らない。例えば、バックライト300は、導光板と導光板の端部側面に配置された光源(LED又は冷陰極管)と導光板の裏面に配置された反射板とからなるエッジ型のバックライトであってもよい。
【0162】
また、上記実施の形態及び変形例において、バックライト300のLED310は、波長変換材として蛍光体を用いて白色光を生成する白色LED光源としたが、これに限るものではない。例えば、波長変換材として量子ドットを用いてもよい。この場合、バックライト300の光源は、量子ドットを用いた白色LED素子であってもよいが、光学シート330として、QDEF(Quantum Dot. Enhancement Film)等の量子ドットを含有させた光学フィルム(量子ドットフィルム)を用いるとともに、バックライト300の光源として、量子ドットを励起する励起光として青色光を発する青色LED素子を用いてもよい。なお、量子ドットとしては、青色光を緑色光及び赤色光の各々に変換するものを用いることができる。このように、波長変換材として量子ドットを用いることで、波長変換材として蛍光体を用いる場合と比べて、色再現性に優れた液晶表示装置を実現できる。
【0163】
なお、その他に、上記実施の形態及び変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。