特許第6938224号(P6938224)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6938224
(24)【登録日】2021年9月3日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】透明表示装置及びその駆動方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/377 20060101AFI20210909BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20210909BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20210909BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20210909BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20210909BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20210909BHJP
   G06T 3/00 20060101ALI20210909BHJP
【FI】
   G09G5/36 520M
   G02F1/13 505
   H05B33/14 A
   G09G5/00 530M
   G09G5/00 550C
   G09G5/36 520P
   G09G5/00 530H
   G09G5/36 520D
   H04N5/232 290
   G06T3/00 770
【請求項の数】20
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-106808(P2017-106808)
(22)【出願日】2017年5月30日
(65)【公開番号】特開2017-219837(P2017-219837A)
(43)【公開日】2017年12月14日
【審査請求日】2020年4月17日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0070531
(32)【優先日】2016年6月7日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】笹尾 幸良
(72)【発明者】
【氏名】園田 正俊
(72)【発明者】
【氏名】山本 卓永
【審査官】 塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/013634(WO,A1)
【文献】 特開2016−063391(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/033913(WO,A1)
【文献】 特開2010−124061(JP,A)
【文献】 特開2009−288613(JP,A)
【文献】 特開2004−040395(JP,A)
【文献】 特開2003−078907(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0175218(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2009−0112591(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00−5/42
G09G 3/00−3/38
G02F 1/13
H01L 51/50
H04N 5/232
G06T 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示イメージを表示するとともに背景が写るように光を透過する表示領域と、前記表示領域に隣接する非表示領域とに区分される透明表示パネルを駆動する方法であって、
前記表示領域が使用者の角膜に投影されて形成された対象イメージを含む角膜反射イメージを抽出する段階と、
前記角膜の湾曲形状によって歪曲された前記対象イメージを補正して平面対象イメージを生成する段階と、
前記平面対象イメージから前記表示イメージを除去して背景イメージを生成する段階と、
前記透明表示パネルに前記背景イメージを表示する段階と、を含む透明表示装置の駆動方法。
【請求項2】
前記平面対象イメージを生成する段階は、
前記角膜反射イメージを平面イメージに補正するディワーピング段階と、
前記平面イメージから前記平面対象イメージを抽出する段階と、を含む請求項1に記載の透明表示装置の駆動方法。
【請求項3】
前記角膜反射イメージは、
前記非表示領域が前記角膜に投影されて形成されたエッジイメージをさらに含み、
前記ディワーピング段階は、
前記エッジイメージを平面エッジイメージに補正する段階を含み、
前記平面対象イメージを抽出する段階は、
前記平面エッジイメージを検出する段階と、
前記平面エッジイメージが囲むイメージを前記平面対象イメージとして特定する段階と、を含む請求項2に記載の透明表示装置の駆動方法。
【請求項4】
前記平面対象イメージを生成する段階にて、前記平面対象イメージが長方形になるように前期補正または前記抽出が行われる請求項3に記載の透明表示装置の駆動方法。
【請求項5】
前記平面エッジイメージを検出する段階は、
前記平面エッジイメージの特徴点を時間の経過に連れて逐次、抽出する請求項3に記載の透明表示装置の駆動方法。
【請求項6】
前記透明表示パネルは、表示パターンを表示し、
前記平面対象イメージを抽出する段階は、
前記表示パターンが前記角膜に投影された表示パターンイメージを検出する段階と、
前記表示パターンイメージに基づいて、前記表示領域の位置を検出して前記平面対象イメージを特定する段階と、を含む請求項2に記載の透明表示装置の駆動方法。
【請求項7】
前記背景イメージを生成する段階は、
前記平面対象イメージの解像度及び形状を補正して変換イメージを生成する段階と、
前記変換イメージから前記表示イメージを除去する段階と、
前記変換イメージの鮮明度を補正する段階と、を含む請求項1に記載の透明表示装置の駆動方法。
【請求項8】
前記鮮明度を補正する段階は、
前記表示イメージが除去された前記変換イメージを、前記透明表示パネルの透過率で割ることで補正する請求項7に記載の透明表示装置の駆動方法。
【請求項9】
前記背景イメージを生成する段階は、
前記変換イメージから前記角膜の反射率によって損失された鮮明度を補正する段階をさらに含む請求項7に記載の透明表示装置の駆動方法。
【請求項10】
前記背景イメージを生成する段階は、
前記使用者の瞳孔の色相を抽出して、前記瞳孔の光吸収率による彩度変化を補正する段階をさらに含む請求項7に記載の透明表示装置の駆動方法。
【請求項11】
前記角膜反射イメージを抽出する段階は、
カメラで使用者の目を撮像する段階と、
前記撮像された目から前記角膜反射イメージを生成する段階と、を含む請求項1に記載の透明表示装置の駆動方法。
【請求項12】
表示イメージを表示するとともに背景が写るように光を透過する表示領域と、前記表示領域に隣接する非表示領域とに区分される透明表示パネルと、
前記表示領域が使用者の角膜に投影された対象イメージを含む角膜反射イメージを抽出する角膜反射イメージ抽出部と、
前記角膜の湾曲形状によって歪曲された前記対象イメージを補正して平面対象イメージを生成するイメージ検出部と、
前記平面対象イメージから前記表示イメージを除去して背景イメージを生成する背景イメージ生成部と、を含む透明表示装置。
【請求項13】
前記イメージ検出部は、
前記角膜反射イメージを平面イメージに補正するディワーピング部と、
前記平面イメージから前記平面対象イメージを抽出する平面対象イメージ抽出部と、を含む請求項12に記載の透明表示装置。
【請求項14】
前記角膜反射イメージは、前記非表示領域が前記角膜に投影されて形成されたエッジイメージをさらに含み、
前記ディワーピング部は、前記エッジイメージを平面エッジイメージに補正し、
前記平面対象イメージ抽出部は、
前記平面イメージから前記平面エッジイメージを検出し、前記平面エッジイメージが囲むイメージを、前記平面対象イメージとして特定する請求項13に記載の透明表示装置。
【請求項15】
前記平面対象イメージ抽出部は、前記平面エッジイメージの特徴点を時間の経過に連れて逐次、抽出する請求項14に記載の透明表示装置。
【請求項16】
前記透明表示パネルは、表示パターンを表示し、
前記平面対象イメージ抽出部は、
前記表示パターンが前記角膜に投影され表示パターンイメージを検出し、前記表示パターンイメージに基づいて前記表示領域の位置を検出して前記平面対象イメージを特定する請求項13に記載の透明表示装置。
【請求項17】
前記背景イメージ生成部は、
前記平面対象イメージの解像度及び形状を補正して変換イメージを生成する変調部と、
前記変換イメージから前記表示イメージを除去し、鮮明度を補正して前記背景イメージを生成する算出部と、を含む請求項12に記載の透明表示装置。
【請求項18】
前記算出部は、
前記表示イメージが除去された前記変換イメージを前記透明表示パネルの透過率で割ることで補正する請求項17に記載の透明表示装置。
【請求項19】
前記角膜反射イメージ抽出部は、
前記非表示領域上に配置される前面カメラを含む請求項12に記載の透明表示装置。
【請求項20】
前記透明表示パネルは、互いに絶縁されて交差するゲートライン及びデータラインを含み、
前記背景イメージ及び前記表示イメージを受信して前記データラインにデータ電圧を出力するデータドライバーをさらに含む請求項12に記載の透明表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は透明表示装置、その駆動方法、及びイメージ取得装置に係り、さらに詳細には角膜反射イメージを補正して背景イメージを取得する透明表示装置、その駆動方法、及びイメージ取得装置に係る。
【背景技術】
【0002】
透明表示装置は、画面の後ろの背景が写って見える表示装置であり、既存のものは主として非発光の液晶パネルに投射して具現していたが、現在は、直接、透明な表示素子を構成する方向へと開発が進められている。液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display Device)は、遮光率が優れるが、2枚の偏光板を利用するために透過率が低いので、透明表示装置として活用するのが難しかった。透明表示装置は、特に、自発光が可能である有機発光ダイオード表示装置(OLED:Organic Light Emitting Diode Display device)で主に具現されている。透明表示装置は、自動車の前面ガラスや家庭用ガラス等に適用されて、使用者に、表示装置の情報と周辺環境情報とを同時に提供することができる。
【0003】
透明表示装置は、光透過性によって、透明表示装置の後面に入射する光を、そのまま透過させて目に伝達する。後面に入射される光がそのまま、目に伝達されることによって、後方の事物を視認することができる。
【0004】
透明表示装置で、コントラスト、鮮明度、及び明るさといった画質を改善しようとすれば、表示装置の表示イメージのみならず、透けて見える背景イメージが要求される。しかし、透明表示装置自体では、付加的なセンサー無しに背景イメージを取得することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0002130号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2015/0192992号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2015/0235355号明細書
【特許文献4】特開2015−022589号公報
【特許文献5】特開2014−216962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、角膜反射イメージを利用して使用者が見ている背景イメージを取得する透明表示装置、その駆動方法、及びイメージ取得装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る透明表示装置駆動方法は、角膜反射イメージを抽出する段階、平面対象イメージを生成する段階、背景イメージを生成する段階、及び透明表示パネルに背景イメージを表示する段階を含む。
【0008】
透明表示パネルは、表示イメージを表示し、背景に反射される光を透過する表示領域と、表示領域の外側の非表示領域とに区分される。表示イメージは、透明表示装置が提供するイメージである。角膜反射イメージは、表示領域が使用者の角膜に投影されて形成された対象イメージと、非表示領域(ベゼル領域)が角膜に投影されて形成されたエッジイメージとを含む。
【0009】
角膜反射イメージを抽出する段階は、カメラで使用者の目を撮像する段階、及び、撮像された目から角膜反射イメージを生成する段階を含む。
【0010】
平面対象イメージは、角膜の湾曲形状によって歪曲された対象イメージを補正して生成される。平面対象イメージを生成する段階は、角膜反射イメージを平面イメージに補正する段階、及び、平面イメージから平面対象イメージを抽出する段階を含む。
【0011】
角膜反射イメージを平面イメージに補正する段階は、エッジイメージを平面エッジイメージに補正する段階を含むことができる。この場合、平面対象イメージを抽出する段階は、平面エッジイメージを検出する段階、及び、平面エッジイメージが囲むイメージを平面対象イメージとして特定する段階を含む。平面エッジイメージを検出する段階は、平面エッジイメージの特徴点を、時間の経過に連れて逐次、抽出する段階である。このような特徴点の抽出は、例えば、一定の時間間隔ごとに、または、適宜に変化させた時間間隔で、行うことができる。
【0012】
平面対象イメージを抽出する段階は、エッジイメージの代わりに透明表示パネルが表示する表示パターンを利用することができる。平面対象イメージを抽出する段階は、表示パターンが角膜に投影された表示パターンイメージを検出する段階、及び、表示パターンイメージに基づいて表示領域の位置を検出して平面対象イメージを特定する段階を含むことができる。背景イメージを生成する段階は、変換イメージを生成する段階、変換イメージから表示イメージを除去する段階、及び変換イメージの鮮明度を補正する段階を含む。
【0013】
本発明の一実施形態に係る透明表示装置は、透明表示パネル、角膜反射イメージ抽出部、イメージ検出部、及び背景イメージ生成部を含む。透明表示パネルは、表示イメージを表示する表示領域と、表示領域に隣接する非表示領域とに区分される。
【0014】
角膜反射イメージ抽出部は、角膜反射イメージを抽出する段階を遂行する。
【0015】
イメージ検出部は、ディワーピング部、及び平面対象イメージ抽出部を含む。ディワーピング部は、角膜反射イメージを平面イメージに補正する。平面対象イメージ抽出部は、平面イメージから平面対象イメージを抽出する段階を遂行する。
【0016】
背景イメージ生成部は、変調部及び算出部を含む。変調部は、平面対象イメージの解像度及び形状を補正して変換イメージを生成する。算出部は変換イメージから表示イメージを除去して背景イメージを生成する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の透明表示装置、その駆動方法、及びイメージ取得装置は、別途の視点検出センサー無しでも、使用者が透明表示装置又はイメージ取得装置を通じて見ている背景イメージを、取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る透明表示装置を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る透明表示装置の駆動方法を示すフローチャートである。
図3】本発明の一実施形態に係る透明表示装置について、模式的に描いた背景及び使用者とともに示す正面視の光景図である。
図4】本発明の平面対象イメージを生成する段階を示すフローチャートである。
図5図4の一実施形態に係る平面対象イメージを生成する段階を示すフローチャートである。
図6A図5にしたがう角膜反射イメージを示す線図である。
図6B図5にしたがう平面イメージを示す線図である。
図6C図5にしたがう平面対象イメージを示す線図である。
図7図4の他の実施形態に係る平面対象イメージを生成する段階を示すフローチャートである。
図8A図7にしたがう角膜反射イメージである。
図8B図7にしたがう平面イメージを示す線図である。
図8C図7にしたがう平面対象イメージを示す線図である。
図9】本発明の一実施形態に係る背景イメージを生成する段階を示すフローチャートである。
図10】本発明の一実施形態に係るイメージ検出部を示すブロック図である。
図11】本発明の一実施形態に係る背景イメージ生成部を示すブロック図である。
図12】背景イメージ及び表示イメージを透明表示パネルに表示した透明表示装置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は多様な変更を加えることができ、様々な形態を有し得るのであり、特定な実施形態を図面に例示し、本文で詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定な開示形態に対して限定しようとすることではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むこととして理解されるべきである。
【0020】
図1は本発明の一実施形態に係る透明表示装置1000を示すブロック図である。
【0021】
図1を参照すれば、透明表示装置1000は、透明表示パネル100、角膜反射イメージ抽出部200、イメージ検出部300、背景イメージ生成部400、タイミングコントローラ500、データドライバー600、及びゲートドライバー700を含む。
【0022】
透明表示パネル100は映像を表示する。透明表示パネル100は、多様な形態の表示パネルの中のいずれか1つであり、例えば液晶表示パネル(liquid crystal display panel)又は有機発光表示パネル(organic light emitting display panel)である。透明表示パネル100は、ゲート信号を受信する複数のゲートラインG1〜Gkと、データ電圧を受信する複数のデータラインD1〜Dmとを含む。ゲートラインG1〜GkとデータラインD1〜Dmとは、互いに絶縁されて交差する。透明表示パネル100には、マトリックス状に配列された多数の画素領域が設定され、これら各素領域に、それぞれ画素PXが備えられる。各画素PXは、一連のゲートラインG1〜Gkの中の1つのゲートラインと、一連のデータラインD1〜Dmの中の1つのデータラインとに連結される。
【0023】
角膜反射イメージ抽出部200は、角膜反射イメージ(CRI:Corneal reflection image)を生成する。角膜反射イメージ抽出部200は、角膜反射イメージCRIをイメージ検出部300に提供する。具体的な内容は後述する。
【0024】
イメージ検出部300は、角膜反射イメージ抽出部200から角膜反射イメージCRIを受信する。イメージ検出部300は、角膜反射イメージCRIを補正して平面対象イメージFTIを生成し、背景イメージ生成部400に平面対象イメージFTIを提供する。具体的な内容は後述する。
【0025】
背景イメージ生成部400は、イメージ検出部300から平面対象イメージFTIを受信する。背景イメージ生成部400は、平面対象イメージFTIを補正して背景イメージPbを生成して、タイミングコントローラ500に提供する。具体的な内容は後述する。
【0026】
タイミングコントローラ500は、外部のグラフィック制御器(図示せず)から基本イメージデータDATA1及び制御信号CSを受信する。タイミングコントローラ500は、制御信号CS、例えば垂直同期信号、水平同期信号、メーンクロック、データイネーブル信号等を受信して、第1制御信号CT1及び第2制御信号CT2を出力する。ここで、第1制御信号CT1は、ゲートドライバー700の動作を制御するためのゲート制御信号である。第1制御信号CT1は、ゲートクロックCPV及び垂直開示信号STVを含む。また、第2制御信号CT2は、データドライバー600の動作を制御するデータ制御信号である。第2制御信号CT2は、データドライバー600の動作を開始する水平開示信号、データ電圧の極性を反転させる反転信号、及びデータドライバー600からデータ電圧が出力される時期を決定する出力指示信号等を含む。
【0027】
データドライバー600は、第2制御信号CT2に基づいて変調イメージデータDATA2が変換されたデータ電圧を、データラインD1〜Dmに出力する。
【0028】
ゲートドライバー700は、透明表示パネル100に具備されたゲートラインG1〜Gkと電気的に連結されて、ゲートラインG1〜Gkにゲート信号を提供する。具体的に、ゲートドライバー700は、第1制御信号CT1に基づいてゲートラインG1〜Gkを駆動するためのゲート信号を生成し、生成されたゲート信号を、ゲートラインG1〜Gkに順次出力する。
【0029】
図示しないが、本発明の透明表示装置1000が有機発光表示装置である場合、透明表示装置1000は、タイミングコントローラ500から制御信号を受信して発光制御信号を透明表示パネル100に提供する、発光ドライバーをさらに含む。発光ドライバーは、各有機発光ダイオードに流れる電流のタイミングを制御する。
【0030】
図2は、本発明の一実施形態に係る透明表示装置1000の駆動方法(S1000)を示すフローチャートである。図3は、本発明の一実施形態に係る透明表示装置1000について、模式的に描いた背景及び使用者USERとともに示す正面視の光景図である。
【0031】
図2を参照すれば、透明表示装置1000の駆動方法(S1000)は、角膜反射イメージを抽出する段階(S100)、平面対象イメージを生成する段階(S200)、背景イメージを生成する段階(S300)、及び透明表示パネル100に背景イメージを表示する段階(S400)を含む。
【0032】
図3を参照すれば、透明表示装置1000は、映像を表示する表示領域VAと、表示領域VAに隣接する非表示領域NVAとに区分される。表示領域VAは透明又は半透明である。使用者USERは、透明表示装置1000の表示領域VAを通じて、透明表示装置1000の後方の背景を視認することができる。また、非表示領域NVAに配置されたタイミングコントローラ500が、基本イメージデータDATA1を受信して、表示領域VAに表示イメージを提供する。表示領域VAは、表示イメージを提供する領域と、背景から写る光を透過する領域とを含む。
【0033】
図2及び図3を参照すれば、角膜反射イメージを抽出する段階(S100)では、使用者USERの角膜に投影された角膜反射イメージCRIを抽出する。角膜反射イメージCRIは、透明表示パネル100の表示領域VAが使用者USERの角膜に投影された対象イメージTIを含む。具体的に、使用者USERは、透明表示パネル100を通じて後方の背景を見ることができ、角膜反射イメージCRIには、表示領域VAを透過した後、使用者USERの角膜に到達してから反射する光による対象イメージTIが含まれる。
【0034】
角膜反射イメージ抽出部200は、透明表示装置1000の前面に、非表示領域NVA中に備えられる。角膜反射イメージ抽出部200は使用者USERを撮像する前面カメラである。角膜反射イメージ抽出部200は使用者USERの目を撮像する。カメラのレンズ画角(angle of view)が目より広い場合、角膜反射イメージ抽出部200は、使用者USERの顔のイメージを検出する顔検出技術や、目のイメージを検出する目検出技術を利用して、角膜反射イメージCRIを抽出する。
【0035】
角膜反射イメージ抽出部200は、使用者USERの角膜反射イメージCRIを抽出し、透明表示装置1000は、角膜反射イメージCRIを利用して背景イメージPbを生成する。したがって、透明表示装置1000は、背景イメージPbを抽出するための別途のカメラを必要としない。すなわち、後面カメラを必要としない。
【0036】
平面対象イメージを生成する段階(S200)では、角膜によって歪曲された対象イメージTIを補正して、平面対象イメージFTIを生成する。使用者USERの角膜は丸いことから、角膜で反射された角膜反射イメージCRIは凸ミラーに映し出されたイメージと同一であるので、対象イメージTIは、使用者USERが角膜を通じて認知する実際の形状と異なり歪曲されている。したがって、平面対象イメージを生成する段階(S200)では、歪曲されたイメージを補正することによって、使用者USERが角膜を通じて認知する実際の形状と同一の平面対象イメージFTIを生成する。
【0037】
背景イメージを生成する段階(S300)では、平面対象イメージFTIから、透明表示パネル100が表示する表示イメージPdを除去して、背景イメージPbを生成する。表示イメージPdとは、透明表示パネル100の画素PXによって生成されるイメージを意味する。使用者USERの角膜に結ぶイメージは、背景のみならず、透明表示パネルが生成する表示イメージPdを含む。したがって、平面対象イメージFTIから表示イメージPdを除去することによって、透明表示装置1000は、背景イメージPbを取得することができる。
【0038】
図4は、本発明の平面対象イメージを生成する段階(S200)を示すフローチャートであり、図5は、図4の一実施形態に係る平面対象イメージを生成する段階(S200)を示すフローチャートである。図6A乃至図6Cは、図5の平面対象イメージを生成する段階(S200)にしたがう、角膜反射イメージCRI、平面イメージFI、及び平面対象イメージFTIを示す線図である。
【0039】
図4を参照すれば、平面対象イメージを生成する段階(S200)は、角膜反射イメージCRIを平面イメージに補正する段階(S210)(以下、ディワーピング(De−warping)段階という)、及び平面イメージFIから平面対象イメージを抽出する段階(S220)を含む。
【0040】
図5を参照すれば、平面対象イメージを抽出する段階(S220)は、平面エッジイメージを検出する段階(S230)、及び、平面エッジイメージ110bが囲むイメージを平面対象イメージとして特定する段階(S250)を含む。
【0041】
図6Aには、角膜反射イメージCRIを示す。角膜反射イメージCRIは、対象イメージTI及びエッジイメージ110aを含む。
【0042】
表示領域VAから使用者USERの角膜に投影されるイメージには、背景が透明表示パネル100を透過して角膜で反射される対象イメージTIと、透明表示パネル100が表示する表示イメージPdとが含まれる。エッジイメージ110aは対象イメージTIを囲む。エッジイメージ110aは、透明表示パネル100の非表示領域NVAを、使用者USERの角膜に投影したイメージである。
【0043】
使用者USERの角膜は、球の一部分を用いた、反射面が膨らんでいる凸ミラーと看做しうる。角膜反射イメージCRIは、使用者USERが見る背景を、凸ミラーに反射させた形のものと看做しうる。したがって、図6Aの角膜反射イメージCRIは、中央部が拡張され、外側が収縮された形状を有する。対象イメージTI及びエッジイメージ110aの形状は、それぞれ、実際の表示領域VA及び非表示領域NVAの形状と異なり、曲がって形成される。
【0044】
図6Bには平面イメージFIを示す。平面イメージFIは、角膜の湾曲形状によって歪曲された角膜反射イメージCRIを、補正することで生成される。具体的に、ディワーピング段階(S210)では、曲がった物体の角度を考慮して角膜の曲率を検出し、曲がった物体の形状を復元する補正を通じて平面イメージFIを生成することができる。
【0045】
平面イメージFIは、平面対象イメージFTI及び平面エッジイメージ110bを含む。曲がった形状を有する対象イメージTI及びエッジイメージ110aは、ディワーピング段階(S210)を経て、実際の透明表示装置1000と同一の形状を有するように補正される。具体的に、対象イメージTIは平面対象イメージFTIに補正され、エッジイメージ110aは平面エッジイメージ110bに補正される。
【0046】
表示領域VAは長方形である。この場合、平面対象イメージFTIは、長方形になるように補正することで得られる。
【0047】
図6Cには、平面対象イメージFTIを示す。平面対象イメージFTIは、平面エッジイメージを検出する段階(S230)、及び、平面エッジイメージ110bが囲むイメージを平面対象イメージとして特定する段階(S250)を経て形成される。
【0048】
平面エッジイメージ110bは、非表示領域NVAによる色相の変化等を利用して検出する。表示領域VAが長方形である場合、平面対象イメージFTIを囲む4つの直線を算出して平面対象イメージFTIを特定する。
【0049】
平面エッジイメージを検出する段階(S230)では、平面エッジイメージ110bの特徴点を、時間の経過に連れて逐次、抽出する。一例として平面対象イメージ抽出部320は、平面エッジイメージ110bのSIFT(Scale−Invariant Feature Transform)特徴量を抽出する。平面対象イメージ抽出部320は、抽出された平面エッジイメージ110bが囲むイメージを、平面対象イメージFTIとして特定する。
【0050】
図7は、図4の他の実施形態に係る平面対象イメージを生成する段階(S200)を示すフローチャートである。図8A乃至図8Cには、図7の平面対象イメージを生成する段階(S200)にしたがう、角膜反射イメージCRI、平面イメージFI、及び平面対象イメージFTIを示す。
【0051】
図7を参照すれば、平面対象イメージを抽出する段階(S220)は、ディワーピング段階(S210)、表示パターンイメージを検出する段階(S240)、及び表示パターンイメージ120bが囲むイメージを平面対象イメージとして特定する段階(S250)を含む。
【0052】
図8Aには、角膜反射イメージCRIを示す。角膜反射イメージCRIは、対象イメージTI、エッジイメージ110a、及び表示パターン反射イメージ120aを含む。
【0053】
透明表示パネル100は表示パターン120を表示し、表示パターン120は、角膜に投影されて表示パターン反射イメージ120aを生成する。ここでの表示パターン120は、背景イメージPbの表示範囲の領域を定めるために透明表示パネル100に表示される。
【0054】
図8Bには平面イメージFIを示す。平面イメージFIは、平面対象イメージFTI、平面エッジイメージ110b、及び表示パターンイメージ120bを含む。表示パターンイメージ120bは、ディワーピング段階(S210)を経て表示パターン120と同一の形状を有するように補正されたものである。即ち、表示パターン反射イメージ120aは、表示パターンイメージ120bに補正される。
【0055】
図8Bを参照すれば、表示パターンイメージ120bの形状はダイヤモンドで図示したが、これに制限されず、使用者USERが抽出しようとする背景イメージPbの表示範囲に対応する多様な形状を有することができる。
【0056】
図8Cには平面対象イメージFTIを示す。平面対象イメージFTIは、表示パターンイメージを検出する段階(S240)、及び、表示パターンイメージ120bに基づいて表示領域VAの位置を検出して平面対象イメージFTIを特定する段階を経て形成される。
【0057】
平面対象イメージFTIは、表示パターン120による色相変化等を利用して表示パターンイメージ120bを検出する。表示パターンイメージを検出する段階(S240)では、表示パターンイメージ120bの特徴点を、時間の経過に連れて逐次、抽出する。表示パターンイメージを検出する段階(S240)では表示パターンイメージ120bのSIFT(Scale−Invariant Feature Transform)特徴量を抽出する。平面対象イメージ抽出部320は、抽出された表示パターンイメージ120bが囲むイメージを平面対象イメージFTIとして特定する。
【0058】
図9は、本発明の一実施形態に係る背景イメージを生成する段階(S300)を示すフローチャートである。
【0059】
図9を参照すれば、背景イメージを生成する段階(S300)は、変換イメージを生成する段階(S310)、表示イメージを除去する段階(S320)、及び変換イメージPcの鮮明度を補正する段階(S330)を含む。
【0060】
変換イメージを生成する段階(S310)は、平面対象イメージFTIの解像度及び形状を補正して変換イメージPcを生成する段階である。平面対象イメージFTIは、解像度及び形状が、透明表示装置1000の仕様に適合するように補正される。平面対象イメージFTIは、Affine変換を利用して並進(translation)、スケーリング(scaling)、回転(rotation)、又はシャーリング(shearing)の中の少なくとも1つの変換によって、変換イメージPcに補正される。
【0061】
表示イメージを除去する段階(S320)は、変換イメージPcから表示イメージPdを除去する段階である。表示イメージPdも、やはり使用者USERの角膜に投影されるので、変換イメージPcから背景イメージPbを取得するために、表示イメージPdが除去される必要がある。
【0062】
鮮明度を補正する段階(S330)は、透明表示パネル100の透過率(aa)によって損失されたイメージを補正する段階である。実際の背景は、透明表示パネル100を透過して使用者USERの角膜に投影されるので、透明表示パネル100の透過率(aa)によって、背景は、一部が透明表示パネル100で反射または吸収され、残りの部分が角膜に投影される。したがって、変換イメージPcから透過率(aa)による損失イメージを補正して、実際の背景と同一の背景イメージPbを取得する。
【0063】
背景イメージはPb、表示イメージはPd、透明表示パネルの透過率はaa、及び変換イメージはPcとして定義される場合、背景イメージはPb=(Pc−Pd)/aaを満足する。具体的に、鮮明度を補正する段階(S330)では、変換イメージPcから表示イメージPdを除去した後、透明表示パネル100の透過率(aa)で割る補正によって、背景イメージPbを生成する。
【0064】
背景イメージを生成する段階(S300)は、角膜の反射率によって損失された鮮明度を補正する段階をさらに含む。透明表示パネル100のみならず、使用者USERの角膜も、やはり一部の光は吸収し、一部の光は反射する。したがって、変換イメージPcから角膜の光反射率による割り算を行うことで、背景イメージPbを生成する。
【0065】
背景イメージを生成する段階(S300)は、瞳孔の光吸収率による彩度変化を補正する段階をさらに含む。使用者USERの瞳孔の色相は多様であり、瞳孔の色相にしたがって波長の吸収率が異なる。したがって、使用者USERの瞳孔の色相を抽出して、実際の背景の色相と同一となるように、変換イメージの色相を補正する。
【0066】
図10は、本発明の一実施形態に係るイメージ検出部300を示すブロック図である。
【0067】
図10を参照すれば、イメージ検出部300は、ディワーピング部310及び平面対象イメージ抽出部320を含む。
【0068】
ディワーピング部310は、角膜反射イメージCRIを平面イメージFIに補正するディワーピング段階(S210)を遂行する。即ち、ディワーピング部310は、角膜反射イメージCRIを受信して、平面イメージFIを平面対象イメージ抽出部320に提供する。
【0069】
平面対象イメージ抽出部320は、平面イメージFIから平面対象イメージを抽出する段階(S220)を遂行する。即ち、平面対象イメージ抽出部320は、平面イメージFIを受信して、背景イメージ生成部400に平面対象イメージFTIを提供する。
【0070】
図11は、本発明の一実施形態に係る背景イメージ生成部400を示したブロック図である。
【0071】
図11を参照すれば、背景イメージ生成部400は変調部410及び算出部420を含む。
【0072】
変調部410は、平面対象イメージFTIから変換イメージを生成する段階(S310)を遂行する。即ち、変調部410は、平面対象イメージFTIを受信して変換イメージPcを算出部420に提供する。
【0073】
算出部420は、変換イメージPcから表示イメージを除去する段階(S320)、及び、変換イメージPcの鮮明度を補正する段階(S330)を遂行する。即ち、算出部420は、変換イメージPcを受信してから、表示イメージPdを除去し、透過率(aa)による鮮明度を補正して背景イメージPbを出力する。
【0074】
図12は、背景イメージPb及び表示イメージPdを透明表示パネル100に表示した透明表示装置1000を示す正面図である。
【0075】
背景イメージPbは、使用者USERが透明表示パネル100を通じて見ているイメージに対応される。したがって、使用者USERの視点が変更されて表示領域VAを通じて見ているイメージが変わる場合、背景イメージPbも変わるようになる。角膜反射イメージ抽出部200は使用者USERの目を撮像して、使用者USERの視点変化を検出することができ、使用者USERの角膜反射イメージCRIを抽出するので、別途の後面カメラ無しで背景イメージPbを生成する。
【0076】
表示イメージPdは、タイミングコントローラ500が、外部のグラフィック制御器(図示せず)から基本イメージデータDATA1を受信することで、透明表示パネル100に表示されるイメージである。図12を参照すれば、透明表示パネル100はアルファベットABCを表示イメージPdの一例として図示しているが、これに制限されず、時間、天候、温度等多様な情報を表示領域VAに表示しうる。
【0077】
一方、本発明は記載された実施形態に限定されることではなく、本発明の思想及び範囲を逸脱することなしに、多様に修正及び変形できることは、この技術分野で通常の知識を有する者にとり明らかである。したがって、そのような変形例又は修正例は、本発明の請求の範囲に属するべきである。
【符号の説明】
【0078】
1000 透明表示装置
100 透明表示パネル
200 角膜反射イメージ抽出部
300 イメージ検出部
400 背景イメージ生成部
CRI 角膜反射イメージ
TI 対象イメージ
FI 平面イメージ
FTI 平面対象イメージ
Pb 背景イメージ
Pc 変換イメージ
Pd 表示イメージ
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12