(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1および第2のリードは、前記フォトダイオードの前記活性領域を前記デバイスの周辺に電気的に接続し、1つまたは複数の外部電子デバイスと通信する外部リードに接続されるように構成される、請求項2に記載のデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】
図1Aは、いくつかの実施形態による自己破壊デバイスの1つのバージョンを示す。
【
図1B】
図1Bは、いくつかの実施形態による自己破壊デバイスの1つのバージョンを示す。
【
図1C】
図1Cは、いくつかの実施形態による自己破壊デバイスの1つのバージョンを示す。
【
図1D】
図1Dは、いくつかの実施形態による応力加工された基板を含むデバイスの断面図を示す。
【
図2】いくつかの実施形態による、
図1Aおよび
図1Bに示す自己破壊デバイスを使用する方法を示すフロー図である。
【
図3A】
図3Aは、いくつかの実施形態による応力加工された基板が製作される第1の方法を示す。
【
図3B】
図3Bは、いくつかの実施形態による応力加工された基板が製作される第1の方法を示す。
【
図3C】
図3Cは、いくつかの実施形態による応力加工された基板が製作される第1の方法を示す。
【
図3D】
図3Dは、いくつかの実施形態による応力加工された基板が製作される第1の方法を示す。
【
図3E】
図3Eは、いくつかの実施形態による応力加工された基板が製作される第1の方法を示す。
【
図4A】
図4Aは、いくつかの実施形態による応力加工された基板が製作される第2の方法を示す。
【
図4B】
図4Bは、いくつかの実施形態による応力加工された基板が製作される第2の方法を示す。
【
図4C】
図4Cは、いくつかの実施形態による応力加工された基板が製作される第2の方法を示す。
【
図4D】
図4Dは、いくつかの実施形態による応力加工された基板が製作される第2の方法を示す。
【
図4E】
図4Eは、いくつかの実施形態による応力加工された基板が製作される第2の方法を示す。
【
図5A】
図5Aは、いくつかの実施形態による応力加工された基板が製作される第3の方法を示す。
【
図5B】
図5Bは、いくつかの実施形態による応力加工された基板が製作される第3の方法を示す。
【
図5C】
図5Cは、いくつかの実施形態による応力加工された基板が製作される第3の方法を示す。
【
図5D】
図5Dは、いくつかの実施形態による応力加工された基板が製作される第3の方法を示す。
【
図5E】
図5Eは、いくつかの実施形態による応力加工された基板が製作される第3の方法を示す。
【
図6】
図6A、
図6Bは、いくつかの実施形態による
図1Aおよび
図1Bに示される自己破壊デバイスのセンサとして使用されるp−i−nフォトダイオードの断面図である。
【
図7A】
図7Aは、いくつかの実施形態による、応力負荷された基板上に配設されたヒータおよびフォトダイオードの上面図を示す。
【
図7B】
図7Bは、いくつかの実施形態による、ヒータ、フォトダイオード、およびフォトダイオードリードの線B−B’を通る断面を示す。
【
図8】
図8は、いくつかの実施形態による、応力負荷された基板上に配設された異なる横断面積を有する、集積フォトダイオード800および2つのテストヒータを含むテスト構造の写真である。
【
図9】
図9は、光検出器が暗い所にある場合、明るい蛍光灯室内で周囲光に曝露される場合、近接して明るい携帯電話LEDフラッシュライトで照射される場合、典型的な5mW緑色レーザポインタで照射される場合の光電流応答を示す。
【
図10】いくつかの実施形態による光検出器の製造プロセスを示すフロー図である。
【
図12A】
図12Aは、本明細書に開示された実施形態による自己破壊デバイスの回路図を提供する。
【
図12B】
図12Bは、本明細書に開示された実施形態による自己破壊デバイスの別の回路図を提供する。
【
図13】
図13は、
図12の回路の様々な場所に配設され、自己破壊プロセスを監視する電気試験プローブの図を示す。
【
図14】
図14は、自己破壊プロセス中の様々な時間における対応するオシロスコープ信号(CH1、CH2、CH3)を示す。
【
図15A】
図15Aは、基板の光学的にトリガされた自己破壊を示す一連の時間経過写真である。
【
図15B】
図15Bは、基板の光学的にトリガされた自己破壊を示す一連の時間経過写真である。
【
図15C】
図15Cは、基板の光学的にトリガされた自己破壊を示す一連の時間経過写真である。
【
図15D】
図15Dは、基板の光学的にトリガされた自己破壊を示す一連の時間経過写真である。
【
図16A】
図16Aは、RF信号によってトリガされた基板のトリガされた自己破壊を示す一連の時間経過写真である。
【
図16B】
図16Bは、RF信号によってトリガされた基板のトリガされた自己破壊を示す一連の時間経過写真である。
【
図16C】
図16Cは、RF信号によってトリガされた基板のトリガされた自己破壊を示す一連の時間経過写真である。
【
図16D】
図16Dは、RF信号によってトリガされた基板のトリガされた自己破壊を示す一連の時間経過写真である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図は必ずしも正確な縮尺ではない。図で使用される同様の数字は、同様の構成要素を指す。しかしながら、所与の図においてある構成要素を指すためにある数字を使用することは、同じ数字で標識された別の図の構成要素を制限することを意図するものではないことが理解される。
【0008】
本明細書に開示された実施形態は、制御されたトリガ可能な様式で小片に破砕することによって自己破壊することができる電子デバイスに関する。本明細書で開示されるデバイスおよび方法は、政府のセキュリティおよびサプライチェーン・インテグリティなどの様々な用途において有用である。
【0009】
図1A、
図1Bおよび
図1Cは、トリガ刺激に応答して自己破壊するように構成された3つのバージョンの自己破壊デバイス101、102、103を示す。自己破壊デバイス101、102、103は、抵抗ヒータ120を有する応力負荷された基板110を含む。ヒータ120は、応力負荷された基板110に熱的に接続されている。いくつかの実施形態では、ヒータは電流を流すことによって作動される抵抗導電膜である。他の実施形態では、ヒータは、高周波結合マイクロ波によって作動される。さらに別の実施形態では、ヒータは、強いレーザビームによって作動される光吸収体である。抵抗導電膜の実施形態では、ヒータは、温度が十分に高い値に達したときに破断する薄膜ヒューズとすることができる。
【0010】
トリガ回路130は、トリガ刺激への曝露に応答してヒータ120を電源140に接続させるように構成される。トリガ回路130は、センサ131およびスイッチ132を含む。センサ131は、トリガ刺激に曝されるとトリガ信号を生成する。トリガ信号による起動後、スイッチ132は、電源140をヒータ120に電気的に接続する。ヒータ120は、電源140によって作動されると、応力負荷された基板110の自己破壊を開始させるのに十分な熱を発生する。応力負荷された基板110は、多くの部分に破砕することによって自己破壊するように加工される。いくつかの実施形態では、破砕動力学は基板110が粉末化によって自己破壊するように設計され、ここで破砕片は、大部分の粒子が約900μm未満、約500μm未満、またはさらには約100μm未満の長さ、幅および高さ寸法を有するような小粒子である。
【0011】
図1Aに示されるデバイス101の1つのバージョンでは、センサ131およびスイッチ132は、応力負荷された基板110上に配置される。
図1Bに示すデバイス102の別の変形例では、スイッチ132は、応力負荷された基板110上に配置されていない。
図1Cに示すデバイス103のさらに別のバージョンでは、センサ131もスイッチ132も、応力負荷された基板110上に配置されていない。場合により、自己破壊デバイス101、102、103のいずれかのバージョンにおいて、1つ以上の構成要素150、例えば電子構成要素が、応力負荷された基板110上に配置されてもよく、こうして応力負荷された基板110が自己破壊するときにこの構成要素150も破壊される。いくつかの実施では、1つ以上の構成要素150は、暗号鍵を生成または格納する集積回路を含んでいてもよい。集積回路が破壊される場合、プロセッサまたは他のシステム構成要素はアクセス不能または非機能になる。
【0012】
応力負荷された基板110を準備する際に使用されるプロセス、例えば化学テンパリングは、支持基板110の厚さ内に大きな応力勾配を与える。この蓄積された機械的エネルギーは、ヒータ付近の局所的な領域が加熱されて損傷すると急激に放出される。結果として生じる衝撃波は、基板110を破砕させる。
【0013】
図1Aの線A−A’を通って取られた
図1Dの断面図に示されるように、応力負荷された基板110は、残留引張応力を有する少なくとも1つの引張応力層115および残留圧縮応力を有する少なくとも1つの圧縮応力層116を含むウェハ状構造であってもよい。引張応力層115および圧縮応力層116(本明細書において集合的に「応力加工層」と称する)は、残留引張応力および圧縮応力が自己平衡し、応力勾配を生成するように動作可能に一体的に共に接続され得る。以下でさらに詳細に説明するように、応力加工層116および115は、ガラステンパリング(例えば、熱または化学処理による方法)と同様の方法を用いて基板材料を後処理することによって、または堆積パラメータ(すなわち、温度、圧力、化学)を変化させて、層が組み込まれた相当な応力勾配を集合的に含むようにする蒸着技術(例えば化学蒸着技術)を用いて基板層を堆積させることによって、製作されてもよい。
図1Dに示される応力加工層116および115の配置は、1つ以上の応力負荷されたおよび/または応力負荷されていない基板層が、2つの応力加工層の上および/または間に配設され得ることに限定されないことを意図していることに留意する。
【0014】
図2は、
図1A〜
図1Dに示す自己破壊デバイス101、102、103の使用方法を示すフロー図である。トリガ刺激に対するセンサの曝露に応答して、センサによってトリガ信号が生成される210。トリガ信号は、電源をヒータに接続するためにスイッチを起動する制御信号である220。ヒータは、応力負荷された基板をヒータの近くの局所的な領域で加熱する230。加熱された領域は損傷を受け、次いで基板破砕を介して蓄積された機械的エネルギーの迅速な放出を開始する240。いくつかの実施形態では、加熱段階の後の後続冷却により、応力負荷された基板に伝播する破砕を開始させ、応力負荷された基板を多くの部分に分解して自己破壊させる。
【0015】
種々の方法を用いて、応力負荷された基板110を生成してもよい。1つの例のアプローチは、薄膜スパッタ堆積を含む。薄膜スパッタ堆積では、一般に2つの異なる領域が識別されることができ、非常に異なる膜のモルホロジーおよび特徴をもたらし、圧縮応力または引張応力のいずれかを生じる。金属は、機能(例えば、電気的特性)、その構造的性質(例えば、延性)、および導電性スパッタターゲットが単純で高収率のグロー放電DCマグネトロンスパッタリングプロセスを可能にするという事実のために使用されることが多い。しかしながら、応力加工された金属酸化物およびガラス(酸化ケイ素)も同様にスパッタリングすることができる。これらの絶縁膜または半導体膜は、高周波(RF)スパッタリングまたは混合不活性/反応性ガスプラズマ(例えば、アルゴン/酸素)中の反応性スパッタリングのいずれかによってスパッタ堆積させることができる。
【0016】
小さなフラグメンテーション粒子を生じる応力負荷された基板の信頼できる粉末化を達成するために、応力負荷された支持基板を生成する方法は、応力加工された薄膜製作技術をイオン交換テンパリングと適合させて、基板、例えばガラス(SiO
2)基板中に応力プロファイルを生成する工程を含む。
【0017】
図3A〜
図3Eは、プラズマ蒸着(PVD)技術を用いて完全に生成されたパターニングされたSiO
2応力負荷された支持基板によって応力負荷された支持基板310Aが構築される第1の方法を示す。この方法は、応力負荷された支持基板に生成される特定の応力プロファイルを高度に制御し、応力負荷された支持基板の厚さ寸法を通してガラス配合およびモルホロジーを連続的に制御する。ウェハ300(例えば、シリコンまたは他の材料)は、剥離層310(最も可能性が高いのは金属)でコーティングされる。次いで
図3Bにおいて、マスク320が開口部322を画定するように、厚いリフトオフマスク320が剥離層310上にパターニングされる。ウェハ300、剥離層310、およびマスク320は、犠牲構造を形成することに留意する。次に、
図3Cおよび
図3Dを参照して、PVD処理を用いて開口部322内に応力加工層310A−1および310A−2を形成し、例えばプロセスパラメータ(例えば、異なる温度T1およびT2および/または圧力P1およびP2を使用して)を変更することによって、堆積した基板材料330−1および330−2中に応力を配置する。最後に、
図3Eに示すように、次にマスクを持ち上げ、応力負荷された基板310A−1を、剥離層をアンダーエッチングすることによって残りの犠牲構造から個片化する(取り除く)。
【0018】
図4A〜
図4Eは、PVD技術を用いて、薄いガラスコア上にパターニングされたSiO
2によって応力負荷された支持基板410Bを構築する第2の方法を示す。この方法は、応力負荷された支持基板内に生成された特定の応力プロファイルを高度に制御する。
図4Aを参照すると、プロセスは、25μm〜100μmの範囲内の厚さT0を有する実質的に応力負荷されていないガラスコア基板410B−0を使用して開始する。適切なガラスコア基板は現在、Schott North America,Inc.(Elmsford,New York,USA)によって製造されている。
図4B〜
図4Eを参照して、次いでSiO
2は、上述の方法と同様の方法を使用して、PVDを介してコア基板410B−0の側面に交互堆積される。具体的には、
図4Bは、コア基板410B−0上に応力加工層410B−11を形成する様式での材料430−1の堆積を示す。
図4Cは、コア基板410B−0の反対側に応力加工層410B−21を形成する様式での材料430−2の堆積を示す。
図4Dは、コア層410B−11上に応力加工層410B−12を形成する様式での材料430−1の後続堆積を示し、
図4Eは、応力加工層410B−22層410B−21を形成する様式で材料430−2の堆積を示す。
図4Eは、応力加工層410B−11、410B−21および410B−22がその上に形成されたコア基板(中央の実質的に応力のない層)410B−0を含む完成した応力負荷された支持基板410Bを示す。
【0019】
図5A〜
図5Eは、コア基板をイオン交換テンパリング処理、化学処理および熱処理の1つに供することにより応力負荷された基板510Cを製造する第3の方法を示す。具体的には、溶融塩イオン交換によりコア基板に種々の応力プロファイルを導入するイオン交換テンパリング処理の一例を
図5Aから
図5Eに示す。
図5Aは、溶融塩溶液555を収容する槽550上のコア基板510C−0を示す。
図5Bは溶融塩溶液555に浸漬された直後のコア基板510C−0を示し、
図5Cは溶融塩溶液555に浸漬された第1の時間後のコア基板510C−0を示し、ここで第1の応力加工層510C−1が形成され、
図5Dは、第1の応力加工層510C−1上に第2の応力加工層510C−2が形成された溶融塩溶液555中の第2の浸漬時間後の構造を示す。
図5Eは、中央コア基板510C−0および応力加工層510C−1および510C−2を含む完成した応力負荷された支持基板510Cを示す。
【0020】
第4の方法によれば、上記の第2および第3の方法のハイブリッドが用いられ、ここでダイシングされた薄いガラスコア基板はイオン交換テンパリングされ、その後、SiO
2の多層がテンパリングされた基板上に堆積され、誘導応力をさらに増大させる。
【0021】
様々な実施形態において
図1Aから
図1Dを再び参照すると、センサ131は、電磁放射線(例えば、高周波数(RF)放射線、赤外線(IR放射)、可視光、紫外(UV)放射線、X線放射線など)、振動、化学薬品、蒸気、ガス、音、温度、時間、湿気、環境条件などの種々のトリガ刺激を感知するように構成されてもよい。トリガ刺激が可視光である実施形態では、センサは、太陽光または室内光などの広帯域光または緑色、赤色、または青色可視光などの狭帯域光への曝露に応答してトリガ信号を生成するように構成されてもよい。例えば、緑色光、赤色光、または青色光は、レーザによって生成されてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、センサ131は、不正操作事象を検出するように構成される。例えば、不正操作事象は、デバイスがパッケージカバーの除去に使用される化学薬品に曝された場合、デバイスが閾値振動を超えて振動した場合、および/または発生するX線でスヌーピングする場合に検出され得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、センサ131は時計からの時間を感知する。タイマがオフになると、スイッチをトリガする電流または電圧トリガ信号が生成される。
【0024】
多くの実施形態では、センサ131はフォトダイオード、例えばpn接合ダイオードまたはp−i−nダイオードであり、トリガ信号は可視光または他の電磁放射線に応答してフォトダイオードによって生成される光電流である。
図6Aは、いくつかの実施形態による
図1A〜
図1Dに示される自己破壊デバイス101、102、103のセンサ131として使用され得るp−i−nフォトダイオードセンサ600の断面図であり、
図6Bは、いくつかの実施形態による
図1A〜
図1Dに示される自己破壊デバイス101、102、103のセンサ131として使用され得るp−i−nフォトダイオードセンサ600の上面図である。
【0025】
フォトダイオード600は、応力負荷された基板610の上に配設された第1の電極層620を含む。第1の電極層620は、フォトダイオード600の第1のリード133を形成するために基板610上に延びる。第1のドープ層630、例えば、nドープされた非晶質シリコン層は、第1の電極層620の上に配設される。真性層640、例えば、ドープされていない非晶質シリコン層が、第1のドープ層630と、反対にドープされた第2のドープ層650、例えばpドープ非晶質シリコン層との間に配設される。第1のドープ層630、真性層640、および第2のドープ層650は、p−i−nダイオード600の活性領域670を形成する。
【0026】
第2の電極層660は、第2のドープ層650の上に配設される。
第2の電極層660は、フォトダイオード600をオンにする刺激光を実質的に透過する。例えば、第2の電極層660は、刺激光の波長で50%より大きい光透過率を有することができる。第2の電極層660に適した材料は、伝導性酸化物、例えばインジウムスズ酸化物(ITO)、導電性ポリマー、金属グリッド、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェン、ワイヤメッシュ、金属薄膜および/または必要な光学透過率を有する他の伝導体を含む。デバイス600は、活性領域に到達する光の波長の帯域を狭める光学フィルタを含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、適切な厚さを有する第2の電極層、例えばITO層は、所望のトリガ刺激の波長帯域の外側にある光の波長を実質的に減衰させ、所望のトリガ刺激の波長帯域内にある光の波長を実質的に通過させる光学フィルタを提供する。
【0027】
第2の電極層660、第2のドープ層650、および真性層640は、基板610の上に延び、フォトダイオード600の第2のリード134を形成する。いくつかの実施形態では、nドープ層はnドープ非晶質シリコン(a−Si)を含み、pドープ層はpドープa−Siを含み、および/または真性層は真性a−Siを含む。
図6の例は、p−i−nダイオードを示しているが、いくつかの実施形態では、真性層を有さないpn接合によってフォトダイオードを形成してもよいことが理解される。
【0028】
いくつかの実施形態では、p−i−n光検出器の真性層640は、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)によって堆積された600nm厚の真性a−Siである。n層630は、PECVDによって堆積された120nm厚のリンドープa−Siであり、p層650は、PECVDによって堆積された20nm厚のホウ素ドープa−Siである。この上面のp層650は、検出される光の光吸収を最小にするために非常に薄く設計されている。n電極620は、スパッタリングにより堆積された200nm厚のMoCr合金であり、p電極660は、検出される光の波長を透過させるのに最適な光学的厚さで設計された55nm厚のインジウムスズ酸化物(ITO)である。
【0029】
再び
図1Aおよび
図6を参照すると、いくつかの実施形態では、第1のリード133および第2のリード132は、フォトダイオード600の活性領域をスイッチ132、電源140および/またはヒータ120に電気的に接続し、センサ131、600およびスイッチ132は、応力負荷された基板110の表面上に配設される。
【0030】
いくつかの実施形態では、第1のリード133および第2のリード132は、
図1Bに示すように、フォトダイオード600の活性領域をデバイスの周辺に電気的に接続する。例えば、リード133、134は、基板110上に配設されていない1つ以上の外部に位置する電子デバイス、例えば、電源140およびスイッチ132と通信する外部ワイヤ136に接続されるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極層620(第1のリード133)およびヒータ120は、同じ材料で作られる。
【0031】
バリア層などの接着促進表面615は、基板610と、フォトダイオード600の第1の電極層620および/または真性層640ならびに/あるいはヒータとの間に任意に配設されてもよい。一実施形態では、バリア層は、応力加工された基板のイオンリッチな表面への膜接着を高める300nm厚のPECVD堆積SiO
2バリア層を含む。
図6Aに示される真性層640(真性a−Si)は、応力加工された基板610に十分に接着できず、この状況では、真性層が堆積される前にバリア層615が応力負荷される基板上に堆積されない場合は、膜のスタックにクラックが生じ得る。バリア層615がなければ、イオン交換された応力加工されたガラス基板は、ガラス610と光検出器層620、640との間の界面にバブリングを引き起こす可能性がある。バリア層615に適した材料は、二酸化ケイ素(SiO
2)、窒化ケイ素(SiN)、および酸窒化ケイ素(SiON)の1つ以上を含む。バリア層615は、例えば、300nmを超える、500nmを超えるまたは200nm〜700nmの厚さを有していてもよい。
【0032】
図1Aおよび
図1Bに示されるヒータ120は、所定の温度で破壊するように構成されたヒューズ部を含んでいてもよい。
図7Aは、いくつかの実施形態による、応力負荷された基板710上に配設されたヒータ720およびフォトダイオード600の上面図を示す。
図7Bは、ヒータ720、フォトダイオード600、およびフォトダイオードリード133、134の線B−B’を通る断面を示す。
【0033】
ヒータ720は、ヒューズ部721と、ヒューズ部721の端部に接続されたヒータリード722とを含む。ヒューズ部721は、ヒューズとして動作する抵抗膜である。ヒューズ部721は所定の温度に加熱される場合に破断(溶断)するように設計されており、これはヒータ720が電源に所定時間接続された後に生じる。
【0034】
薄膜ヒータ720は、様々な材料から製作できる。可能な材料としては、MoCr、CuおよびMgが挙げられる。ヒータ720が起動されると、ヒューズ部721は、ヒータ材料が破断(溶断)するまで温度が上昇する。次いで、基板710は、ヒータが溶断した後の冷却サイクルの間に崩壊する。ヒータ720の膜厚は、ヒータ720が溶断前に十分な時間にわたって供給電力に耐えるのに十分な厚さでなければならない。ヒータが早期に溶断すると、自己破壊プロセスをトリガするために温度が適切に上がらない。従って、ヒータ材料、インピーダンス値、および膜厚の選択を考慮する必要がある。
【0035】
線C−C’に沿ったヒューズ部721の横断面積、線B−B’に沿ったヒューズ部721の長さ、および/またはヒューズ部に使用される材料は、ヒューズ部721の抵抗に寄与する。いくつかの実施形態では、ヒューズ部721の横断面積、長さ、および/または材料の1つ以上が、所望の、例えば最大の電力が電源によってヒューズ部721に供給されるように選択される。例えば、最大電力は、ヒューズ部721のインピーダンスが電源の内部抵抗と実質的に等しい場合、ヒューズ部721に供給され得る。インピーダンスマッチングは、トリガ回路スイッチが起動される場合に、ヒータ720への電力の効率的な伝達を保証する。
【0036】
図8は、集積フォトダイオード800と、応力負荷された基板810上に配設された異なる横断面積を有する2つのテストヒータ821、822とを含むテスト構造の写真である。様々な実施形態において、ヒータは、Mg、MoCr、またはCuを含む。いくつかの実施形態では、ヒータは、2.8μm厚のMg膜であり、長さ3mm×幅500μmのストリップにパターニングされている。ヒータ材料としてMoCrを利用する実施では、ヒータはフォトダイオードのnコンタクト電極と同時に製作でき、1つのマスキングおよび1つの堆積工程を省くことができる。Cuヒータを使用する実施では、約1.7μmの膜厚は、Mgヒータと非常に類似のインピーダンスおよびヒューズ特徴を生じる。
【0037】
いくつかの実施形態では、所望のトリガ信号は、プレゼンテーションを行うために典型的に使用される低電力の従来のハンドヘルドレーザポインタからの光である。典型的な波長は、532nm(緑色)または650nm(赤色)のいずれかである。自己破壊シーケンスは、離れた場所から光検出器600上にレーザポインタを向けることによって起動される。光検出器600は大きな動的応答を有するように設計されてもよく、自己破壊光トリガ刺激が検出されたときに電子スイッチを確実にトリガさせるが、通常の周囲光に曝露したときはトリガさせない。この性能特徴は、層の厚さと活性領域面積との適切な組み合わせを選択することによって達成される。
【0038】
活性領域の面積は、容易に見ることができ、例えば、15フィートまでの距離からレーザポインタで目標にすることができるように十分に大きくなければならない。しかしながら、面積が大きすぎると、周囲光によって引き起こされる光電流が非常に大きくなり、自己破壊プロセスがトリガされる可能性がある。いくつかの実施形態では、光検出器は、表1に示すiおよびpのa−Si層の厚さの選択肢と組み合わせて3mm×3mmの活性領域サイズを有することができ、イオン交換されたガラス応力負荷基板上に配設された活性領域に集積された薄膜光検出器の例示的な構造を提供する。
【0040】
図9は、3mm×3mmの光検出器が暗い所にある場合、明るい蛍光灯室内で周囲光に曝露される場合、近接して明るい携帯電話LEDフラッシュライトで照射される場合、および典型的な5mW緑色レーザポインタで照射される場合の光電流応答を示す。周囲光とトリガ光との間の光電流応答のコントラストは2桁を超えるので、本明細書に開示されたデバイスアーキテクチャは、自己破壊スイッチがいつトリガされるかを決定する閾値光電流を選択するための広い設計マージンを可能にする。例えば、いくつかの実施形態では、自己破壊スイッチは、光電流がセンサの周囲環境によって生成される予想される最大光電流の約2倍であるとき、電源をヒータに接続するようにトリガするように設計することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、光検出器は、活性層と一緒に電極/リードが自己整合的に形成されるように製作され、活性領域を基板の周辺に接続する電気配線リードを含む完全なデバイスを、2つ以下のマスキング層を用いて製造可能にする。
図10は、いくつかの実施形態による光検出器を製造するプロセスを示すフロー図である。
図11A、
図11Bおよび
図6Bは、光検出器を製造するプロセスを示す上面図を図式的に示す。
【0042】
光検出器は、まず、応力加工された基板上に任意のバリア層を堆積させることによって形成されてもよい。次に、バリア層上に第1の電極層を堆積する1010。いくつかの実施形態では、第1の電極層は、バリア層上にスパッタリングされるMoCr合金を含む。第1のドープされた半導体層が第1の電極層上に堆積される1020。第1のドープ層は、例えば、PECVDによって堆積されたnドープされたa−Si層であってもよい。
次いで、第1のドープされた半導体層およびその下にある第1の電極層は、例えば、第1の電極層/第1のドープ層のスタックの第1のマスキング工程を介するフォトリソグラフィパターニング、続く第1のドープ層のCF4プラズマエッチングおよび第1の電極層の化学的湿式エッチングによって、パターニングされて1030、第1の電極領域を形成する。
【0043】
図11Aは、第1のパターニング工程後の第1電極/第1ドープ半導体層スタックを含む第1の電極領域1101の上面図を示す。真性層、例えば真性a−Siおよび第2の反対にドープされた層、例えばpドープされたa−Siが、パターニングされた第1の電極領域の上にPECVDにより堆積される1040。第2の電極層は、第2のドープ層の上に堆積される1050。例えば、第2の電極層は、スパッタリングによって堆積されたITOを含んでいてもよい。第2の電極層は、例えば、
図11Bのパターン1102に従って、第2のマスクを通したフォトリソグラフィ露光、続いてHCl酸による化学エッチングによってパターニングされる1060。真性および第2のドープ層は、同様に第2のマスクを用いて、例えばCF4プラズマでエッチングされる。この第2のパターニング工程は、活性領域内の第2のドープ層および真性層をパターニングするだけでなく、先のパターニング工程で形成された第1の電極領域の第1の電極層の上の第1のドープ層の残りの部分を選択的に除去する。最終的な結果は、電極が2つのマスキング工程で自己整合様式に活性領域と共に形成できる
図6Aおよび
図6Bに示すデバイス600である。いくつかの実施形態では、第1の電極層およびヒータは、同じ材料から同時に形成することができる。
【0044】
図12Aは、本明細書で開示される実施形態による光検出器センサ1231を含む自己破壊デバイスの回路図を提供する。いくつかの実施形態では、トリガ回路1230は、
図9のグラフに示されている周囲光とレーザ照射された値との間の中間である約60μAのセンサ1231からの光電流でスイッチ1232を起動させるように構成される。この選択により、光検出器1231は、広範囲のレーザ出力レベルを有するレーザポインタで照射された場合に信頼性のあるトリガを確実にしながら、自己破壊シーケンスをトリガすることなく広範囲の周囲光条件に曝されることが可能になる。
【0045】
トリガされると、光検出器1231からの光電流は、電子スイッチ1232を閉じ、応力加工された基板上に集積された薄膜ヒータ1220の第1端子1221を電源1240に接続する。第1端子1221がスイッチ1232を介して電源1240に接続される場合、電流は、電源1240の正端子から、端子1222、ヒータ1220、端子1221、スイッチ1232、および電源1240の負端子を通って回路中を流れる。ヒータ1220に供給される電力により、ヒータの急速な温度上昇を引き起こし、その場所で基板を損傷する。この損傷は、基板が組み込まれた機械的ストレスを放出し、小片に自己破壊する原因となる。
図12Aに示す実施形態では、p−i−n光検出器1231およびヒータ1220を自己破壊基板上に集積させてもよく、電子スイッチ1232は基板から外部に位置するシリコン制御整流素子(SCR)である。例えば、SCRは、60μAに近いトリガ電流を有する部品番号ST TS110−7の市販のサイリスタであってもよい。代替の実施では、SCRスイッチは、
図1Bに示されるように自己破壊基板上に集積することができる。いくつかの実施形態では、トリガ刺激がその後除去された場合であっても、接続がラッチし、一但トリガされたらスイッチはオンになったままであるため、サイリスタは適切なスイッチである。一旦トリガされると、センサは自己破壊シーケンスに影響を与えずに損傷され得るまたは機能しなくなり得る。
【0046】
図12Bは、本明細書に開示された実施形態によるRF起動スイッチ1233を含むセンサを含む自己破壊デバイスの回路図を提供する。トリガされると、RF起動スイッチ1233を通る電流は電子スイッチ1232を閉じ、応力加工された基板上に集積された薄膜ヒータ1220の第1端子1221を電源1240に接続する。第1端子1221がスイッチ1232を介して電源1240に接続される場合、電流は、電源1240の正端子から、端子1222、ヒータ1220、端子1221、スイッチ1232、および電源1240の負端子を通って回路中を流れる。ヒータ1220に供給される電力により、ヒータの急速な温度上昇を引き起こし、その場所で基板を損傷する。この損傷は、基板が組み込まれた機械的ストレスを放出し、小片に自己破壊する原因となる。
図12Bに示される実施形態では、RF起動スイッチ1233および電子スイッチ1232は、
図1Cに示すように、基板の外部に配置されてもよい。代替的な実施では、
図1Aおよび/または
図1Bに示すように、RF起動スイッチ1233および/または電子SCRスイッチを自己破壊基板上に集積することができる。
【0047】
図13および
図14は、いくつかの実施形態によるトリガ回路の動作を詳細に示す。
図13は、自己破壊プロセスを監視するための回路の様々な位置に配置された電気試験プローブの図を示す。
図14は、自己破壊プロセス中の様々な時間における対応するオシロスコープ信号(CH1、CH2、CH3)を示す。オシロスコープのチャンネル1(CH1)は、電源の正端子の電圧(V
batt)およびヒータとスイッチの間の接続電圧(V
SCR)を測定する。オシロスコープのチャンネル2(CH2)は、ヒータおよびスイッチを通る測定電流を電圧として表す。オシロスコープのチャンネル3(CH3)は、V
SCRとV
gateとの間のSCR両端の電圧を測定する。信号トレース内の電圧の変化は、アーミング状態(回路準備完了)からトリガ状態(電子スイッチ閉状態)、溶断状態(ヒータバーンアウト)、および基板の破砕(基板は自己破壊する)までの自己破壊プロセスの進行を示す。
図13および
図14に示す例では、ヒータが溶断する時間はトリガから134msecであり、基板が破砕するまでの時間はトリガ後173msecである。
図13および
図14に示すモニタリング技術は、薄膜材料および処理パラメータの選択肢を開発および選択するため、および自己破壊シーケンスに対する全体的な影響を特徴付けるために有用である。
【0048】
図15Aから15Dは、光検出器1521がレーザポインタで照射されたときから基板1510が自己破壊した後までの一連の写真を示す。
図15Aは、保護エンクロージャ1505内の基板1510と、最前面のレーザポインタ1501とを示す。
図15Bは、レーザポインタからの光で照射された光検出器1531を示す。
図15Cは、自己破壊を受ける基板1510を示し、
図15Dは、エンクロージャ1505の底部の破砕された基板片1502を示す。
【0049】
図16Aから
図16Dは、RF起動スイッチ(図示せず)がキーフォブRFトランスミッタ1601によって起動される前から基板1610が自己破壊した後までの一連の写真を示す。
図16Aは、保護エンクロージャ1605内の基板1610と、最前面のRFトランスミッタ1601とを示す。
図16Bは、RFトランスミッタ1601が起動されていることと、ヒータ1620が溶断の過程にある輝点とを示している。
図16Cは、溶断した後のヒータ1620を示す。
図16Dは、基板1610の自己破壊後の写真である。
【0050】
特に断らない限り、明細書および特許請求の範囲において使用されるフィーチャサイズ、量および物理的特性を表現するすべての数は、用語「約」によってすべての場合に修飾されることが理解されるべきある。従って、反対のことが示されない限り、前述の明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本明細書に開示される教示を利用する当業者が得ようとする所望の特性に依存して変動し得る近似値である。終点によって数値範囲が使用されることは、この範囲内のすべての数字(例えば1〜5は1、1.5、2、2.75、3、3.80、4および5を含む)およびこの範囲内のいずれかの範囲を含む。