(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6938277
(24)【登録日】2021年9月3日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】フィルタ容器
(51)【国際特許分類】
A47J 31/02 20060101AFI20210909BHJP
A47J 31/06 20060101ALI20210909BHJP
A47J 31/08 20060101ALI20210909BHJP
【FI】
A47J31/02
A47J31/06 160
A47J31/08
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-164320(P2017-164320)
(22)【出願日】2017年8月29日
(65)【公開番号】特開2018-33960(P2018-33960A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2020年5月7日
(31)【優先権主張番号】10 2016 116 074.1
(32)【優先日】2016年8月29日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390014155
【氏名又は名称】メリタ オイローパ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Melitta Europa GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ザハトレーベン
(72)【発明者】
【氏名】マークス シェーファー
【審査官】
川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第02234397(US,A)
【文献】
実開平04−052816(JP,U)
【文献】
米国特許第03334574(US,A)
【文献】
実開昭59−108520(JP,U)
【文献】
特開2016−137276(JP,A)
【文献】
特開2014−014641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00−31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水透過性材料から製造された、コーヒーの粉を充填可能な挿入フィルタ(2)を受容するためのフィルタ容器(1)であって、該フィルタ容器(1)は、上方に向かって広がった側壁(20)と、底部(19)とを有しており、該底部(19)において濾過液が少なくとも2つの開口(9,10)を通って流出することができるようになっているものにおいて、
前記底部(19)の中央領域に、該底部(19)の上側の領域をほぼ同じ大きさの2つの流出空間(12,13)に分ける隔離部材(11)が設けられており、各前記流出空間(12,13)には、濾過液流出用の少なくとも1つの前記開口(9,10)が対応配置されおり、
当該フィルタ容器(1)の下面には、前記2つの開口(9,10)の間に設けられ、前記隔離部材(11)に対して平行に延在する、下方に向かって突出したウェブ(14)が設けられている、
ことを特徴とする、フィルタ容器。
【請求項2】
前記挿入フィルタ(2)を挿入した際に、該挿入フィルタ(2)の下縁(21)が前記隔離部材(11)に支持される、請求項1記載のフィルタ容器。
【請求項3】
前記隔離部材(11)は、隔壁として形成されている、請求項1または2記載のフィルタ容器。
【請求項4】
前記各流出空間(12,13)は、前記開口(9,10)に向かって傾斜した前記底部(19)を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載のフィルタ容器。
【請求項5】
水平面に対する前記底部(19)の傾斜は、3°〜30°の角度である、請求項4記載のフィルタ容器。
【請求項6】
当該フィルタ容器(1)の前記広がった側壁(20)の内側には、前記底部(19)に向かって延びる複数のリブ(15)が設けられている、請求項1から5までのいずれか1項記載のフィルタ容器。
【請求項7】
各前記リブ(15)は、前記隔離部材(11)を通る垂直方向面に対して対称的に配置されている、請求項6記載のフィルタ容器。
【請求項8】
前記隔離部材(11)から1つの前記開口(9,10)に向かって少なくとも1つの底部リブ(17)が延在している、請求項1から7までのいずれか1項記載のフィルタ容器。
【請求項9】
前記隔離部材(11)は、該隔離部材(11)に隣接する前記底部リブ(17)よりも高く形成されている、請求項8記載のフィルタ容器。
【請求項10】
各前記開口(9,10)内には、濾過液用のガイド部材(18)が設けられている、請求項1から9までのいずれか1項記載のフィルタ容器。
【請求項11】
当該フィルタ容器(1)は、下側に載置皿(4)を有しており、該載置皿(4)は、下向きの縁部(6)を有している、請求項1から10までのいずれか1項記載のフィルタ容器。
【請求項12】
前記載置皿(4)および/または前記縁部(6)には、切抜き部(5)または覗き窓が設けられている、請求項11記載のフィルタ容器。
【請求項13】
前記各開口(9,10)に隣接して、カップ(50)の縁部(51)用の受容部が形成されており、該受容部は、少なくとも部分的に半径方向に向けられた2つの支持ウェブ(22)とほぼ同一平面上に位置している、請求項1から12までのいずれか1項記載のフィルタ容器。
【請求項14】
当該フィルタ容器(1)の下面において、前記各開口(9,10)の周りには、管状またはU字形のリブ(24)が設けられている、請求項1から13までのいずれか1項記載のフィルタ容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水透過性材料から製造された、コーヒーの粉を充填可能な挿入フィルタを受容するためのフィルタ容器であって、フィルタ容器は、上方に向かって広がった側壁と、底部とを有しており、底部において濾過液が少なくとも2つの開口を通って流出することができるようになっているものに関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公告第2609606号明細書には、紙製挿入フィルタをフィルタ容器に挿入可能な、濾過液、特にコーヒーを作るためのフィルタ容器が開示されている。フィルタ容器の内壁には、紙製挿入フィルタを側壁から離間させるために役立つ複数のリブが設けられており、これにより、濾過液は溝状の底部領域に集まることができ、1つの流出開口を介して容器に供給されるようになっている。このようなフィルタ容器自体は有利であることが分かっているが、濾過液が1つの受け容器にしか導入されないという欠点が存在する。より多量の、例えば2人分のコーヒー濾過液を用意する場合には、コーヒー濾過液をまず1つの比較的大きな中間容器に導入する必要があり、その後で2つのカップに分けることができる。
【0003】
流出量を高めるために、このようなフィルタ容器の場合は2つ以上の開口が底部領域に設けられていてもよいが、個々の流出開口における通流量が異なっている場合がある。1つの流出開口が紙製挿入フィルタによって部分的に覆われている場合にはまさに、2つのカップの均等な充填は、再現可能に保証することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の課題は、2つの容器の均等な充填も同時に可能である、水透過性材料から製造された挿入フィルタを受容するためのフィルタ容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1記載の特徴を有するフィルタ容器によって解決される。有利な構成は、各従属請求項に記載されている。
【0006】
本発明によるフィルタ容器では、底部の中央領域に、底部の上側の領域をほぼ同じ大きさの2つの流出空間に分ける隔離部材が設けられており、各流出空間には、濾過液流出用の少なくとも1つの開口が対応配置されている。これにより、濾過液が両流出空間を介して均等に流出することができるようになっており、濾過液は実質的に同量に分配されるので、2つの容器を同時に満たすこともできるようになっている。このために、各開口は、相並んで位置する2つの容器の上での位置決めを可能にするが、濾過液の分配を望まない場合には、代替的に、1つだけの容器の上でのフィルタ容器の位置決めをも可能にする間隔を有していてよい。各開口のこの間隔は、例えば2cm〜5cmの範囲であってよい。
【0007】
好適には、挿入フィルタを挿入した際に、挿入フィルタの下縁が隔離部材に支持されており、これにより、挿入フィルタに対する充填時に、隔離部材の両側で下縁が下向きに湾曲することで、両流出空間に濾過液が供給されるようになっている。隔離部材は底部の中央に設けられているので、挿入フィルタ内の液体レベルがコーヒーの粉を抽出する場合に、両流出空間への均等な供給が保証される。
【0008】
隔離部材は、例えば隔壁として形成されていてよい。隔壁の代わりに、底部領域を2つの流出空間に分ける、膨らみまたは隔離隆起部が設けられていてもよい。
【0009】
好適には、各流出空間に、開口に向かって傾斜した底部が設けられている。水平面に対する底部の傾斜は、3°〜30°、特に5°〜20°の角度であってよく、これにより、開口に対する液体のより確実な供給が保証されることになる。
【0010】
挿入フィルタを側壁から離間させるために、フィルタ容器の広がった側壁の内側には、底部に向かって延びる複数のリブが設けられていてよい。側壁の領域の流れ特性が、各流出空間に対する均等な供給を保証するように、各リブは、隔離部材を通る垂直方向面に対して対称的に配置されていてよい。
【0011】
別の構成では、少なくとも1つの底部リブが、隔離部材から開口に向かって配置されている。このような底部リブにより、隔離部材の領域における濾過液の渦動を回避することができる。隔離部材上での挿入フィルタの支持を保証するために、隔離部材は、好適には底部リブよりも高く形成されている。
【0012】
濾過液の下方への流出を保証するために、各開口には濾過液用のガイド部材が設けられていてよい。ガイド部材は、例えば開口に突入しかつ開口の壁の下方にまで延びるウェブとして形成されており、ガイド部材によって滴下方向が規定されるようになっている。
【0013】
好適には、フィルタ容器は下側に載置皿を有しており、載置皿は、ストッパとして働くことができる下向きの縁部を有しており、これにより、コーヒーを入れる際にフィルタ容器が押しずらされることを回避できるようになっている。1つまたは2つの容器上でのフィルタ容器の正確な位置決めを点検できるようにするために、載置皿および/または縁部には、切抜き部または覗き窓が設けられていてよく、これにより、隔離部材または開口の位置決めを点検できるようになっている。
【0014】
フィルタ容器の下面には複数の位置決め手段、特に下向きのウェブが設けられていてよく、これにより、1つまたは2つの容器の上で位置決めを行うことができるようになっている。
【0015】
以下に、添付の図面に関する実施例に基づき、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明によるフィルタ容器を挿入フィルタが挿入された状態で示す、分解斜視図である。
【
図2】挿入フィルタが挿入された、
図1に示したフィルタ容器の断面図である。
【
図3】2つの容器に載置されたフィルタ容器を示す図である。
【
図4】1つの容器だけに載置されたフィルタ容器を示す図である。
【
図5】ポットに載置されたフィルタ容器を示す図である。
【
図8A】挿入フィルタが挿入されたフィルタ容器の下部領域を示す断面図である。
【
図8B】挿入フィルタが挿入されたフィルタ容器の下部領域を示す断面図である。
【
図11】ポットを満たす場合の、フィルタ容器の下部領域の断面図である。
【
図12】2つの容器を満たす場合の、フィルタ容器の下部領域の断面図である。
【
図13】1つのカップを満たす場合のフィルタ容器を示す図である。
【
図14】2つのカップを満たす場合のフィルタ容器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
セラミック、プラスチック、金属または他の適当な材料から成るフィルタ容器1は、截頭円錐状の挿入フィルタ2を挿入可能な内部空間を有している。挿入フィルタ2は、水透過性材料、特に紙から成っており、こし器またはフリース材料等の、他のフィルタ材料も使用することができる。フィルタ容器1は、側方に突出した、容易な取扱いのための取っ手3と、下部領域の載置皿4とを有しており、載置皿4は、下向きの縁部6を有している。載置皿4には切抜き部5が設けられており、切抜き部5を介して、フィルタ容器1の正確な位置決めと、受け容器内の充填レベルとを点検することができるようになっている。切抜き部5の代わりに、覗き窓が設けられていてもよい。さらに、複数の切抜き部5が全周にわたって分散されて形成されていてもよい。
【0018】
図2には、フィルタ容器1が満たされた状態で示されており、挿入フィルタ2は側面において、斜め上方に向かって広がった側壁に支持されている。挿入フィルタ2内には、コーヒーの粉8と、コーヒーの粉8から可溶性固形分を抽出する湯とが入れられている。挿入フィルタは、このようにして形成された濾過液を透過させ、非可溶性成分は、挿入フィルタ内に留まる。
【0019】
フィルタ容器1の下部領域には、第1の開口9と、この第1の開口9から間隔をあけられた第2の開口10とが底部に位置している。各開口9,10の上にはそれぞれ流出空間12,13が形成されており、両流出空間12,13は、隔壁11の形態の隔離部材によって分けられている。隔壁11の上縁には、挿入フィルタ2の下縁21が載置されている。隔壁11はフィルタ容器1の中央で挿入フィルタ2に接するように配置されているので、各流出空間12,13には、実質的に同量の濾過液が供給されることになる。
【0020】
フィルタ容器1の下面において、下向きの縁部6には、フィルタ容器の位置決めに役立つ複数の切欠き7が位置している。さらに、開口9,10間には下方に向かって突出したウェブ14が配置されており、このウェブ14は、隔壁11を下方に延長しておりかつ切抜き部5を介して見ることができるので、フィルタ容器1をより良好に位置決めすることができるようになっている。
【0021】
図3において、フィルタ容器1は2つのカップ50の上に置かれている。この場合、フィルタ容器1は下縁6に形成された切欠き7の領域において、各カップ50の上縁51に載置されている。両カップ50の間に、下方に向かって突出したウェブ14が配置されているので、各カップ50に1つの開口9,10が対応配置されていることになる。
【0022】
図4では、フィルタ容器1は1つのカップ50の上だけに位置決めされており、この場合、開口9,10は両方共、カップ50の上側に配置されている。フィルタ容器は、半径方向またはほぼ半径方向に延在する複数のウェブ22で以て、カップ50の上縁51に載置されている。
【0023】
図5では、フィルタ容器はポット60の上に位置決めされており、この場合、両開口9,10は、ポット60の開口の上に配置されている。これにより、より多量のコーヒーをフィルタ容器1で入れて、ポット60に溜めることも可能である。
【0024】
図6A〜
図6Dには、フィルタ容器1の内部領域が詳細に示されている。フィルタ容器1の、外方に広がった側壁20には、複数のリブ15が設けられており、これらのリブ15は、側壁20に沿って開口9,10に向かって延びている。さらに側壁20には、隔壁11の延長部に複数のリブ16が設けられている。フィルタ容器の底部19には、隔壁11から開口9,10に向かって延びる複数の底部リブ17が設けられている。隔壁11とリブ16とを通る1つの平面に対して、その他のリブ15と底部リブ17とは対称的に配置されている。
【0025】
図6Cの拡大図に見られるように、開口9内にはウェブ状のガイド部材18が位置しており、ガイド部材18は、開口9から側方への滴下を回避するために用いられる。開口10内にも相応するガイド部材18が配置されている。
【0026】
図7Aおよび
図7Bに示すフィルタ容器は、上から見ると側壁20の内側が対称的に形成されている。全てのリブは、少なくとも部分的に開口9に向かって半径方向に向けられている。底部リブ17は、隔壁11から開口9に向かって降下しており、隔壁11は底部リブ17よりも高く配置されている。各リブ15,16,17により、挿入フィルタをフィルタ容器1内で良好に支持することができる。
【0027】
図8Aには、挿入フィルタ2を備えたフィルタ容器の下部領域が示されており、挿入フィルタ2は下縁21で以て隔壁11に載置されている。今、挿入フィルタ2がコーヒーの粉で満たされると、
図8Bに示すように、隔壁11の両側に隣接する下縁21が下方に向かって、開口9,10の上に配置された各流出空間12,13内へ折れ曲がる。つまり、隔壁11により、挿入フィルタ2がずれないように位置固定されて、流出空間12の上または流出空間13の上に配置された2つの領域に分けられる。
【0028】
図8Aではさらに、開口9,10に隣接した底部19が、水平面に対して例えば3°〜30°、特に5°〜20°の角度で傾斜して配置されていることが分かる。これにより、開口9,10に対する濾過液の効果的な供給が保証される。開口9,10内には、各1つのウェブ状のガイド部材18が配置されており、ガイド部材18は、下方への濾過液導出を保証するために、下方に向かって開口9または10の壁を越えて延在している。
【0029】
図9および
図10には、下から見たフィルタ容器1が示されており、下方に向かって突出した縁部6が、両開口9,10を環状に包囲していることが分かる。さらに、各開口9,10の周りには、下方に向かって突出した管状またはU字形のリブ24が位置しており、リブ24は、フィルタ容器を平らな表面上に置いた場合に、開口9,10が支持されて汚染されることを防いでいる。管状またはU字形のリブ24は、下方に向かって突出した縁部6と、ほぼ同じ高さに配置されている。管状またはU字形のリブ24からは、ウェブ23が、隔壁11の下方延長部に配置された、下方に向かって突出したウェブ14まで延びている。間隔をあけて配置された2つの平行なウェブ23が、管状またはU字形のウェブ24をウェブ14につなげている。ウェブ23はやや上方にずらされて配置されており、ひいては容器の縁部を嵌めることのできる受容部を形成している。ウェブ23の高さは、下縁6の切欠き7の領域の高さにほぼ相当する。
【0030】
図11および
図12には、フィルタ容器の下部領域の機能が示されている。
図11では、フィルタ容器はポット60の上に位置している。下方に向かって突出した縁部6が、ポット60の上部領域に上方から係合しており、ひいてはフィルタ容器1がポット60から側方に押しずらされる恐れを防いでいる。つまり、縁部6は、ずれ動かないようにするストッパを形成している。ポットの上縁は半径方向のウェブ22に支持されており、半径方向のウェブ22は、正確に半径方向に延在していなくてもよく、部分的にのみ半径方向に配置されて、ポット60の上縁用の支持面を形成している。ウェブ22は、縁部6の切欠き7の領域ならびにウェブ23と、ほぼ同じ高さに位置している。
【0031】
図12では、フィルタ容器1は隣り合った2つのカップ50の上に位置決めされており、各カップ50に1つの開口9または10が対応配置されている。各カップの上縁51の間には、中央のウェブ14が配置されている。カップ50の上縁51は、開口9または10に隣接したウェブ23に支持され、さらに縁部6の切欠き7によってガイドされるので、フィルタ容器1は2つのカップ50の上で安定的に支持される。ウェブ23よりもさらに下方に突出している管状またはU字形のリブ24は、フィルタ容器1が縁部51を越えて側方に押しずらされる恐れを防いでいる。
【0032】
図13に示すように、フィルタ容器1を1つのカップ50の上に置いた場合には、切抜き部5を介して、管状またはU字形のリブ24の内側の開口9,10が、カップ50の開口の上に位置しているか否かを目視することができる。ウェブ22は、フィルタ容器1をカップ50の縁部51に平らに載置するために役立つ。
【0033】
図14に示すように、フィルタ容器を2つのカップの上に載せる場合には、下方に向かって突出したウェブ14が両カップ50間に位置しており、このことは、切抜き部5を介して目視可能である。さらに、フィルタ容器は、切欠き7、ウェブ22およびウェブ23の領域において、上縁51に載置される。この位置でも、フィルタ容器1は各カップ50の両方の縁部51の上で平らに支持される。
【0034】
図示の実施例では、各流出空間12または13に、それぞれ単一の開口9または10が対応配置されている。もちろん、1つの開口9の代わりに複数の開口9または10が、各流出空間12または13に設けられていることも可能である。ただし、1つの比較的大きな開口を配置することは、この開口を比較的容易に洗浄することができるという利点を有している。
【0035】
さらに、切抜き部5の代わりに、覗き窓が載置皿4に設けられていてもよい。このような覗き窓または別の切抜き部は、上方に向かって突出したフィルタ容器の互いに向かい合った側に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 フィルタ容器
2 挿入フィルタ
3 取っ手
4 載置皿
5 切抜き部
6 縁部
7 切欠き
8 コーヒーの粉
9 開口
10 開口
11 隔壁
12 流出空間
13 流出空間
14 ウェブ
15 リブ
16 リブ
17 底部リブ
18 ガイド部材
19 底部
20 側壁
21 下縁
22 ウェブ
23 ウェブ
24 リブ
50 カップ
51 縁部
60 ポット