(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記貨幣処理装置への現金投入が開始され、前記決済処理が行われる前において、前記商取引の明細確認要求を受け付けると、前記貨幣処理装置の動作を停止させるための指令を前記第2のインターフェースを介して前記貨幣処理装置に出力する装置制御手段、
をさらに具備する請求項1記載の決済装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、貨幣処理装置又は入出金装置の一種である釣銭機に現金が投入された後でも、その投入された現金が払い出されることなく、客が商取引の明細画面を確認することができる決済装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態は、ファミリーレストラン、居酒屋等の飲食店に構築される注文管理システムに組み込まれたセルフPOS端末を、上記決済装置として機能させる場合である。
【0010】
始めに、注文管理システムについて説明する。
図1は、注文管理システム10を示す概略図である。注文管理システム10は、オーダステーション11、厨房端末12、伝票プリンタ13、セルフPOS端末14、無線アクセスポイント15及び複数台のオーダ端末16を含む。また注文管理システム10は、LAN(Local Area Network)17を含み、このLAN17に、オーダステーション11、厨房端末12、伝票プリンタ13、セルフPOS端末14及び無線アクセスポイント15を接続している。一方、各オーダ端末16は、無線アクセスポイント15と無線通信を行うための通信手段として無線ユニットを備えており、各オーダ端末16は、無線アクセスポイント15を介してオーダステーション11等とデータ通信を可能としている。
【0011】
オーダステーション11は、オーダ端末16で受けた客の注文に関するデータを管理するための注文管理装置として機能する。オーダステーション11は、オーダテーブル18を備える。
【0012】
オーダテーブル18は、客が飲食するための客席毎に、その客席に着いた客の注文内容等を示すオーダレコード18R(
図2を参照)を記憶する。
図2は、オーダレコード18Rの主要なデータ構造を示す模式図である。
図2に示すようにオーダレコード18Rは、客席No.、オーダ日時、人数、オーダ品目データ、合計金額、合計点数、会計済フラグ等のデータ項目を含む。
【0013】
客席No.は、客席を個々に識別するために客席毎に設定された一意のコードである。オーダ日時は、オーダが行われた日付と時刻である。人数は、1つの客席に着いた客の人数である。オーダ品目データは、客から注文を受けた商品(飲食メニューの品目)毎に生成されるデータである。オーダ品目データは、品目コード、品目名、価格、点数、金額等を含む。品目コードは、商品を識別するために商品毎に設定された一意のコードである。品目名及び価格は、その品目コードで識別される商品の名称及び価格である。点数は、同一商品の注文点数である。金額は、価格に注文点数を乗算して得られた金額である。合計金額は、客から注文を受けた商品の合計金額である。合計点数は、客から注文を受けた商品の合計点数である。会計済フラグは、当該オーダレコード18Rによって管理される客の会計が済んでいるか否かを識別するフラグである。
【0014】
図1に説明を戻す。
厨房端末12は、厨房に設置され、その厨房の調理担当者に客の注文内容を通知するための端末である。例えば厨房端末12は、ディスプレイを備えており、客から注文を受けた商品の種類と点数とを一覧にした画面をディスプレイに表示させる。例えば厨房端末12は、プリンタを備えており、客から注文を受けた商品の種類と点数とを記述した注文受付票をプリントアウトする。なお、厨房端末12は、1台に限定されるものではない。厨房が和食用、洋食用、中華用等に分かれている場合、厨房毎に厨房端末12が設置されていてもよい。
【0015】
伝票プリンタ13は、オーダステーション11の制御の下に、客が注文した商品の明細を、その客が着いている客席の客席No.等とともに印刷した注文伝票20(
図3を参照)を発行する。
【0016】
図3は、注文伝票20の一発行例を示す模式図である。
図3に示すように、注文伝票20には、オーダ日時(YYYY/MM/DD hh:mm)と、客席No.及び人数と、オーダ品目データの品目名、点数及び金額と、合計金額及び合計点数と、が印刷される。また注文伝票20には、バーコード21が印刷される。バーコード21は、客席No.とオーダ日時とを組み合わせたコードをバーコード化したものである。
【0017】
再び
図1に説明を戻す。
セルフPOS端末14は、通常、会計場に設置される。セルフPOS端末14は、オーダテーブル18に記憶されたオーダレコード18Rのデータを基に、飲食を終えた客との商取引を決済する。セルフPOS端末14は、注文伝票20に印刷されているバーコード21の読取手段を備えている。セルフPOS端末14は、読取手段によってバーコード21を読み取ると、そのバーコード21の客席No.とオーダ日時とが一致するオーダレコード18Rをオーダステーション11から取り込む。そしてセルフPOS端末14は、そのオーダレコード18Rに含まれるデータを基に客との商取引を決済し、レシートを発行する。レシートは、紙媒体に印刷された紙レシートであってもよいし、電子化されたレシートデータをスマートフォン等で閲覧することが可能な電子レシートであってもよい。
【0018】
セルフPOS端末14は、自動釣銭機19を有する。自動釣銭機19は、セルフPOS端末14と別体になっていてもよいし、一体化されていてもよい。セルフPOS端末14は、自動釣銭機19の起動、停止を制御する。またセルフPOS端末14は、自動釣銭機19に投入された現金の金額が商取引の合計金額を上回るとその差額を釣銭として払い出すように自動釣銭機19を制御する。
【0019】
オーダ端末16は、例えば食卓毎に用意されたセルフ式のオーダ端末である。セルフ式のオーダ端末16は、基本的には、その食卓に着いた客自身の操作によってその客の注文を受け、その注文に関するデータをオーダステーション11に無線通信を利用して送信することが可能なタブレット型の情報端末である。なお、オーダ端末16は、セルフ式のオーダ端末に限定されるものではない。店員が携帯し、客から受けた注文を店員が操作入力するようにしたハンディ式のオーダ端末であってもよい。
【0020】
次に、決済装置として機能するセルフPOS端末14の詳細について説明する。
図4は、セルフPOS端末14と、このセルフPOS端末14が有する自動釣銭機19との要部回路構成を示すブロック図である。始めに、自動釣銭機19について説明する。
【0021】
自動釣銭機19は、硬貨金庫C0、硬貨投入口C1、硬貨払出口C2、紙幣金庫P0、紙幣投入口P1及び紙幣払出口P2を備える。硬貨金庫C0は、硬貨を金種別に収容する。硬貨投入口C1は、客が代金として硬貨を投入するための受け口である。硬貨払出口C2は、釣銭として払い出される硬貨の投出口である。紙幣金庫P0は、紙幣を金種別に収容する。紙幣投入口P1は、客が代金として紙幣を投入するための受け口である。紙幣払出口P2は、釣銭として払い出される紙幣の投出口である。なお、紙幣投入口P1と紙幣払出口P2とは、兼用であってもよい。
【0022】
また自動釣銭機19は、端末インターフェース191、硬貨計数部192、硬貨払出部193、紙幣計数部194、紙幣払出部195及びこれらを制御するコントローラ196を備える。
【0023】
端末インターフェース191は、セルフPOS端末14と信号を授受する。硬貨計数部192は、硬貨投入口C1に投入された硬貨の金種を選別し、金種毎の投入枚数を計数する。また硬貨計数部192は、金種別に選別した硬貨を硬貨金庫C0に収容させる。硬貨払出部193は、例えば釣銭として必要な硬貨を硬貨金庫C0から取出し、硬貨払出口C2へと排出する。紙幣計数部194は、紙幣投入口P1に投入された紙幣の金種を選別し、金種毎の投入枚数を計数する。また紙幣計数部194は、金種別に選別した紙幣を紙幣金庫P0に収容させる。紙幣払出部195は、例えば釣銭として必要な紙幣を紙幣金庫P0から取出し、紙幣払出口C2へと排出する。
【0024】
コントローラ196は、硬貨計数部192又は紙幣計数部194で金種別に計数された硬貨枚数又は紙幣枚数のデータをセルフPOS端末14へ送信するように、端末インターフェース191を制御する。またコントローラ196は、セルフPOS端末14から端末インターフェース191を介して受信した釣銭データに従い、硬貨払出部193又は紙幣払出部195を制御して、釣銭相当の硬貨または紙幣の払い出しを行わせる。
【0025】
次に、セルフPOS端末14について説明する。
セルフPOS端末14は、プロセッサ141、メインメモリ142、補助記憶デバイス143、通信インターフェース144、タッチパネル145、コードリーダ146、プリンタ147、釣銭機インターフェース148及びシステムバス149を備える。そしてセルフPOS端末14は、システムバス149に、プロセッサ141、メインメモリ142、補助記憶デバイス143、通信インターフェース144、タッチパネル145、コードリーダ146、プリンタ147及び釣銭機インターフェース148を直接または信号入出力回路を介して接続する。かくしてセルフPOS端末14は、プロセッサ141、メインメモリ142及び補助記憶デバイス143と、これらを接続するシステムバス149とによってコンピュータを構成する。
【0026】
プロセッサ141は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ141は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、セルフPOS端末14としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0027】
メインメモリ142は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ142は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ142は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。またメインメモリ142は、プロセッサ141が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ142は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ141によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0028】
補助記憶デバイス143は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス143として使用される。補助記憶デバイス143は、プロセッサ141が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ141での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス143は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0029】
通信インターフェース144は、LAN17に接続されており、所定の通信プロトコルに従いLAN17に接続された他の機器とデータ通信を行う。具体的には通信インターフェース144は、オーダステーション11との間で所定のデータ信号の受け渡しを行うことにより、決済対象の商取引に係るデータとしてオーダレコード18Rを取り込む。ここに通信インターフェース144は、第1のインターフェースとして機能する。
【0030】
タッチパネル145は、セルフPOS端末14の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。コードリーダ146は、注文伝票20に印刷されたバーコード21を光学的に読み取るための機器である。すなわちコードリーダ146は、読取手段を構成する。プリンタ147は、レシートを印字し発行するためのものである。例えばサーマルプリンタがプリンタ147としてセルフPOS端末14に搭載されている。
【0031】
釣銭機インターフェース148は、自動釣銭機19と信号を授受する。ここに釣銭機インターフェース148は、第2のインターフェースとして機能する。
【0032】
図5乃至
図7は、セルフPOS端末14のプロセッサ141が決済プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。決済プログラムは、メインメモリ142又は補助記憶デバイス143に記憶されている。また
図8は、上記の情報処理により、セルフPOS端末14の表示デバイスであるタッチパネル145に表示される画面の遷移例を示す模式図である。さらに
図9乃至
図12は、主要な画面の一表示例である。
【0033】
以下、これらの図を用いて、セルフPOS端末14の動作について説明する。なお、以下に説明する動作は一例であり、同様な結果を得ることが可能であればその手順は特に限定されるものではない。
【0034】
図5に示すようにプロセッサ141は、先ず、Act1としてタッチパネル145の画面を待ち受け画面SC0(
図8を参照)とする。待ち受け画面SC0に表示される画像は、特に限定されるものではない。例えば、会計を行う客への操作ガイダンスを示す画像であってもよい。
図8に示すように、この実施形態では、客が待ち受け画面SC0をタッチすることで、次の伝票読込み画面SC1に切り替わる。したがって、「画面にタッチしてください」というガイダンスの画像を待ち受け画面SC0に表示させることが考えられる。
【0035】
さて、飲食を終えて会計を行う客は、注文伝票20を持って会計場へ行く。そしてセルフPOS端末14のタッチパネル145の画面をタッチする。
【0036】
タッチパネル145の画面を待ち受け画面SC0としたプロセッサ141は、Act2として画面がタッチされるのを待ち受ける。そして画面がタッチされたことを検知すると(Act2、YES)、プロセッサ141は、Act3としてタッチパネル145の画面を伝票読込み画面SC1(
図8を参照)とする。伝票読込み画面SC1に表示される画像は、注文伝票20に印刷されたバーコード21をコードリーダ146で読み取らせる操作を客に促す画像である。なお、この画像以外の画像が伝票読込み画面SC1に表示されていてもよい。
【0037】
伝票読込み画面SC1を確認した客は、注文伝票20に印刷されたバーコード21をコードリーダ146で読み取らせるための操作、いわゆる伝票スキャン操作を行う。
【0038】
タッチパネル145の画面を伝票読込み画面SC1としたプロセッサ141は、Act4として伝票スキャン操作が行われたか否か、すなわちコードリーダ146でバーコード21が読み取られたか否かを確認する。伝票スキャン操作が行われていない場合(Act4、NO)、プロセッサ141は、Act5としてタッチパネル145の画面を伝票読込み画面SC1としてからの経過時間が予め設定されたタイムアウト時間を経過したか否かを確認する。因みにプロセッサ141は、経過時間を計時するためのタイマを備えている。タイムアウト時間が経過していない場合(Act5、NO)、プロセッサ141は、Act4に戻り、再び伝票スキャン操作が行われたか否かを確認する。ここにプロセッサ141は、Act4及びAct5により伝票スキャン操作が行われるか、タイムアウト時間が経過するのを待ち受ける。
【0039】
Act4及びAct5の待ち受け状態において、タイムアウト時間が経過したことを検知した場合(Act5、YES)、プロセッサ141は、Act1に戻る。すなわちプロセッサ141は、タッチパネル145の画面を待ち受け画面SC0に戻す。
【0040】
したがって、伝票読込み画面SC1が表示されてから伝票スキャン操作が行われることなくタイムアウト時間が経過した場合には、
図8に示すように、タッチパネル145の画面が自動的に待ち受け画面SC0に戻る。
【0041】
Act4及びAct5の待ち受け状態において、伝票スキャン操作が行われた場合には(Act4、YES)、プロセッサ141は、Act6としてオーダステーション11から伝票データを取得する。すなわちプロセッサ141は、コードリーダ146で読み取ったバーコードから客席No.とオーダ日時とを検出し、この客席No.とオーダ日時とを含む伝票データの問合せコマンドを生成する。そしてプロセッサ141は、この問合せコマンドをオーダステーション11に送信するように通信インターフェース144を制御する。この制御により通信インターフェース144からLAN17を介してオーダステーション11に問合せコマンドが送信される。
【0042】
問合せコマンドを受信したオーダステーション11は、オーダテーブル18から客席No.とオーダ日時とが一致するオーダレコード18Rを検出する。そしてこのオーダレコード18Rに含まれるデータを伝票データとして、セルフPOS端末14に送信する。かくしてプロセッサ141は、オーダステーション11から伝票データを取得することができる。
【0043】
伝票データを取得したプロセッサ141は、Act7としてタッチパネル145の画面を支払画面SC2(
図8、
図9、
図10を参照)とする。
【0044】
図9は、伝票データを取得した直後の支払画面SC2の一構成例である。支払画面SC2は、操作ガイダンスエリアA1の画像と、合計金額エリアA2、投入金額エリアA3及び残額エリアA4を表す画像と、投入完了ボタンB1、中止ボタンB2及び明細確認ボタンB3を表す画像と、を含む。そして操作ガイダンスエリアA1には、釣銭機に現金を投入することを促すガイダンス、例えば「お金を入れてください」が表示される。また操作ガイダンスエリアA1には、伝票データの客席No.「10」と人数「2」が表示される。合計金額エリアA2には、伝票データの合計金額「2,600円」が表示される。投入金額エリアA3には、現金が投入される前なので、「0円」が表示される。残額エリアA4には、合計金額と投入金額との差額「2,600円」が表示される。投入完了ボタンB1及び中止ボタンB2は、各エリアA1〜A4以外の領域に表示される。一方、明細確認ボタンB3は、合計金額エリアA2内に表示される。
【0045】
支払画面SC2を確認した客は、会計のために自動釣銭機19に現金を投入する。すなわち客は、紙幣については紙幣投入口P1に投入し、硬貨については硬貨投入口C1に投入する。そして、合計金額以上の現金を投入し終えると、客は、投入完了ボタンB1にタッチする。なお、会計を中止する場合には、客は、中止ボタンB2にタッチする。また、合計金額の内訳である商取引の明細を確認したい場合には、客は、明細確認ボタンB3にタッチする。
【0046】
タッチパネル145の画面を支払画面SC2としたプロセッサ141は、Act8として自動釣銭機19への現金投入が開始されたか否かを確認する。図示しないが、自動釣銭機19の硬貨投入口C1と紙幣投入口P1にはセンサが設けられている。そしてコントローラ196は、いずれかのセンサにより硬貨又は紙幣の投入が検知されると、端末インターフェース191を介してセルフPOS端末14に投入開始信号を送信する。プロセッサ141は、釣銭機インターフェース148を介して投入開始信号を受信すると、現金の投入が開始されたと判定する。
【0047】
現金の投入が開始されていない場合(Act8、NO)、プロセッサ141は、Act9として中止ボタンB2がタッチされたか否かを確認する。中止ボタンB2がタッチされていない場合(Act9、NO)、プロセッサ141は、Act10として明細確認ボタンB3がタッチされたか否かを確認する。明細確認ボタンB3がタッチされていない場合(Act10、NO)、プロセッサ141は、Act8に戻る。ここにプロセッサ141は、Act8乃至Act10により、現金の投入が開始されるか、中止ボタンB2がタッチされるか、明細確認ボタンB3がタッチされるのを待ち受ける。
【0048】
Act8乃至Act10の待ち受け状態において、中止ボタンB2がタッチされたことを検知した場合(Act9、YES)、プロセッサ141は、Act3に戻る。すなわちプロセッサ141は、タッチパネル145の画面を伝票読込み画面SC1に戻す。
【0049】
したがって、支払画面SC2を確認した客が自動釣銭機19に現金を投入することなく中止ボタンB2にタッチした場合には、
図8に示すように、タッチパネル145の画面が支払い画面C2から伝票読込み画面SC1に戻る。
【0050】
Act8乃至Act10の待ち受け状態において、明細確認ボタンB3がタッチされたことを検知した場合には(Act10、YES)、プロセッサ141は、Act11としてタッチパネル145の画面を明細画面SC3(
図8、
図11を参照)とする。
【0051】
図11は、明細画面SC3の一構成例である。明細画面SC3は、操作ガイダンスエリアA5の画像と、明細エリアA6及び合計エリアA7を表す画像と、会計ボタンB4及び中止ボタンB5を表す画像と、を含む。そして操作ガイダンスエリアA5には、明細の内容を確認した後の操作を促すガイダンス、例えば「内容がよろしければ会計ボタンにタッチしてください」が表示される。また操作ガイダンスエリアA5には、伝票データの客席No.「10」と人数「2」が表示される。明細エリアA6には、伝票データに含まれるオーダ品目データの品目名、点数及び金額のリストが表示される。合計エリアA7には、伝票データの合計点数と合計金額とが表示される。
【0052】
したがって、支払画面SC2を確認した客が自動釣銭機19に現金を投入する前に明細確認ボタンB3にタッチした場合には、
図8に示すように、タッチパネル145の画面が支払い画面C2から明細画面SC3に変わる。
【0053】
明細画面SC3を確認し、会計を行うことを決めた客は、会計ボタンB4にタッチとする。これに対し、例えば明細エリアA6に表示されている内容に誤りが有り、会計を中止する場合には、客は、中止ボタンB5にタッチする。
【0054】
タッチパネル145の画面を明細画面SC3としたプロセッサ141は、Act12として会計ボタンB4がタッチされたか否かを確認する。会計ボタンB4がタッチされていない場合(Act12、NO)、プロセッサ141は、Act13として中止ボタンB5がタッチされたか否かを確認する。中止ボタンB5がタッチされていない場合(Act13、NO)、プロセッサ141は、Act12に戻る。ここにプロセッサ141は、Act12及びAct13により、会計ボタンB4がタッチされるか中止ボタンB5がタッチされるのを待ち受ける。
【0055】
Act12及びAct13の待ち受け状態において、会計ボタンB4がタッチされたことを検知した場合(Act12、YES)、プロセッサ141は、Act7に戻る。すなわちプロセッサ141は、タッチパネル145の画面を支払画面SC2に戻す。
【0056】
したがって、明細画面SC3を確認した客が会計ボタンB4にタッチした場合には、
図8に示すように、タッチパネル145の画面が明細画面SC3から支払い画面C2に戻る。
【0057】
Act12及びAct13の待ち受け状態において、中止ボタンB5がタッチされたことを検知した場合には(Act13、YES)、プロセッサ141は、Act3に戻る。すなわちプロセッサ141は、タッチパネル145の画面を伝票読込み画面SC1に戻す。
【0058】
したがって、明細画面SC3を確認した客が中止ボタンB5にタッチした場合には、
図8に示すように、タッチパネル145の画面が明細画面SC3から伝票読込み画面SC1に戻る。
【0059】
Act8乃至Act10の待ち受け状態において、現金の投入が開始されたことを検知した場合には(Act8、YES)、プロセッサ141は、Act14として釣銭機インターフェース148を制御して自動釣銭機19に起動指令を出力するように制御する。この制御により、釣銭機インターフェース148から自動釣銭機19に対して起動指令信号が送信される。
【0060】
この始動指令信号により、自動釣銭機19のコントローラ196は、硬貨計数部192と紙幣計数部194とを起動する。硬貨計数部192が起動すると、硬貨投入口C1に投入された硬貨は自動釣銭機19の内部に送り込まれ、金種別に選別されて硬貨金庫C0に収容される。紙幣計数部194が起動すると、紙幣投入口P1に投入された紙幣が自動釣銭機19の内部に送り込まれ、金種別に選別されて紙幣金庫P0に収容される。このとき、硬貨計数部192によって投入された硬貨の枚数が金種別に計数される。同様に、紙幣計数部194によって投入された紙幣の枚数が金種別に計数される。金種別の硬貨枚数及び紙幣枚数の計数データは、コントローラ196の作用により、端末インターフェース191を介してセルフPOS端末14に送信される。
【0061】
釣銭機駆動指令の出力を制御したプロセッサ141は、
図6に示すように、Act21として計数データを受信したか否かを確認する。計数データを受信していない場合(Act21、NO)、プロセッサ141は、Act22として中止ボタンB2がタッチされたか否かを確認する。中止ボタンB2がタッチされていない場合(Act22、NO)、プロセッサ141は、Act23として明細確認ボタンB3がタッチされたか否かを確認する。明細確認ボタンB3がタッチされていない場合(Act23、NO)、プロセッサ141は、Act24として投入完了ボタンB1がタッチされたか否かを確認する。投入完了ボタンB1がタッチされていない場合(Act24、NO)、プロセッサ141は、Act21に戻る。ここにプロセッサ141は、Act21乃至Act24により、計数データを受信するか、中止ボタンB2がタッチされるか、明細確認ボタンB3がタッチされるか、投入完了ボタンB11がタッチされるのを待ち受ける。
【0062】
Act21乃至Act24の待ち受け状態において、釣銭機インターフェース148を介して計数データを受信した場合(Act21、YES)、プロセッサ141は、Act25としてその計数データから自動釣銭機19に投入された金額を算出する。そしてプロセッサ141は、Act26としてその投入金額を支払画面SC2の投入金額エリアA3に表示させる。また、プロセッサ141は、合計金額から投入金額を減じてその差額を算出し、残額エリアA3の残額を変更する。なお、合計金額から投入金額を減じた差額が負の場合、プロセッサ141は、残額エリアA4のテキスト「残額」を「おつり」に変更する。その後、プロセッサ141は、Act21乃至Act24の待ち受け状態に戻る。
【0063】
図10は、
図9の支払画面SC2が表示されていた状態で、客が自動釣銭機19に千円札を1枚投入した後の支払画面SC2である。この場合、自動釣銭機19からセルフPOS端末14に対して、千円札が1枚投入されたことを示す計数データが送信される。その結果、
図10に示すように、投入金額エリアA3の投入金額が0円から1,000円に変更される。また、残額エリアA4の残額が2,600円から1,600円に変更される。客は、
図10の支払画面SC2から、自動釣銭機19に投入した金額が1,000円であり、残額が1,600円であることを確認できる。因みに、客がさらに千円札を2枚投入すると、投入金額エリアA3の投入金額が3,000円に変更され、残額エリアA4の残額が400円となる。また、残額エリアA4のテキストが「おつり」に変わる。したがって客は、自動釣銭機19から400円の釣銭が払い出されることを認識できる。
【0064】
Act21乃至Act24の待ち受け状態において、中止ボタンB2がタッチされたことを検知した場合には(Act22、YES)、プロセッサ141は、Act27として釣銭機インターフェース148を制御して自動釣銭機19に投入金額の払出指令を出力するように制御する。この制御により、釣銭機インターフェース148から自動釣銭機19に対して投入金額の払出指令信号が送信される。
【0065】
この払出指令信号により、自動釣銭機19のコントローラ196は、硬貨払出部193又は紙幣払出部195の少なくとも一方を起動する。この起動により、投入金額相当の現金が硬貨払出口C2又は紙幣払出口P2から払い出される。
【0066】
投入金額払出指令の出力を制御したプロセッサ141は、
図5のAct3に戻る。すなわちプロセッサ141は、タッチパネル145の画面を伝票読込み画面SC1に戻す。
【0067】
したがって、客が自動釣銭機19に現金を投入した後で中止ボタンB5にタッチした場合には、
図8に示すように、タッチパネル145の画面が支払画面SC2から伝票読込み画面SC1に戻る。また、自動釣銭機19に投入した現金は全額が払い出される。
【0068】
Act21乃至Act24の待ち受け状態において、明細確認ボタンB3がタッチされたことを検知した場合には(Act23、YES)、プロセッサ141は、
図7のAct41に進む。すなわちプロセッサ141は、釣銭機インターフェース148を制御して自動釣銭機19に停止指令を出力するように制御する。この制御により、釣銭機インターフェース148から自動釣銭機19に対して停止指令信号が送信される。
【0069】
この停止指令信号により、自動釣銭機19のコントローラ196は、硬貨計数部192と紙幣計数部194の動作を停止させる。この停止により、たとえ硬貨投入口C1に硬貨が投入されたとしても、その硬貨は自動釣銭機19の内部に送り込まれず、硬貨投入口C1に残る。同様に、たとえ紙幣投入口P1に紙幣が投入されたとしても、その紙幣は自動釣銭機19の内部に送り込まれず、紙幣投入口P1に残る。
【0070】
停止指令の出力を制御したプロセッサ141は、Act42としてタッチパネル145の画面を明細画面SC3とする。明細画面SC3に表示される画像は、
図11を用いて説明した画像と同様である。すなわち明細画面SC3は、操作ガイダンスエリアA5の画像と、明細エリアA6及び合計エリアA7を表す画像と、会計ボタンB4及び中止ボタンB5を表す画像と、を含む。
【0071】
したがって、客が自動釣銭機19に現金を投入した後であっても、明細確認ボタンB3にタッチした場合には、
図8に示すように、タッチパネル145の画面が支払画面SC2から明細画面SC3に変わる。すなわち客は、自動釣銭機19に現金を投入した後であっても、明細画面SC3を確認することができる。そして、この明細画面SC3を確認している間、自動釣銭機19は、その動作を停止している。したがって、客が現金を投入しようとしても、自動釣銭機19は現金の投入を受け付けない。
【0072】
タッチパネル145の画面を明細画面SC3としたプロセッサ141は、Act43として会計ボタンB4がタッチされたか否かを確認する。会計ボタンB4がタッチされていない場合(Act43、NO)、プロセッサ141は、Act44として中止ボタンB5がタッチされたか否かを確認する。中止ボタンB5がタッチされていない場合(Act44、NO)、プロセッサ141は、Act43に戻る。ここにプロセッサ141は、Act43及びAct44により、会計ボタンB4がタッチされるか中止ボタンB5がタッチされるのを待ち受ける。
【0073】
Act43及びAct44の待ち受け状態において、会計ボタンB4がタッチされたことを検知した場合(Act43、YES)、プロセッサ141は、Act46として、タッチパネル145の画面を、明細画面SC3とする直前の支払画面SC2に戻す。そしてプロセッサ141は、Act47として釣銭機インターフェース148を制御して自動釣銭機19に起動指令を出力するように制御する。この制御により、自動釣銭機19の硬貨計数部192と紙幣計数部194とが再起動する。
【0074】
起動指令の出力を制御したプロセッサ141は、
図6のAct21乃至Act24の待ち受け状態に戻る。すなわち、釣銭機インターフェース148を介して計数データを受信した場合には(Act21、YES)、プロセッサ141は、Act25としてその計数データから自動釣銭機19に投入された金額を算出する。そしてプロセッサ141は、Act26としてその投入金額を支払画面SC2の投入金額エリアA3に表示させる。また、プロセッサ141は、合計金額から投入金額を減じてその差額を算出し、残額エリアA3の残額を変更する。
【0075】
したがって、明細画面SC3を確認し、会計を継続することを決めた客が、会計ボタンB4にタッチすると、
図8に示すように、タッチパネル145の画面が明細画面SC3から支払画面C2に戻る。支払画面SC2を確認した客は、硬貨投入口C1又は紙幣投入口P1に硬貨又は紙幣を追加投入する。そうすると、その新たな投入金額がそれまでの投入金額に加算されて、支払画面SC2の投入金額エリアA3及び残額エリアA3の金額が更新される。
【0076】
Act43及びAct44の待ち受け状態において、中止ボタンB5がタッチされたことを検知した場合には(Act44、YES)、プロセッサ141は、Act45として釣銭機インターフェース148を制御して自動釣銭機19に投入金額の払出指令を出力するように制御する。この制御により、自動釣銭機19では、投入金額相当の現金が硬貨払出口C2又は紙幣払出口P2から払い出される。
【0077】
投入金額払出指令の出力を制御したプロセッサ141は、
図5のAct3に戻る。すなわちプロセッサ141は、タッチパネル145の画面を明細画面SC3から伝票読込み画面SC1に戻す。
【0078】
したがって、明細画面SC3を確認し、例えばその内容に誤りがあることに気付いて会計を中止させることを決めた客が、中止ボタンB5にタッチすると、
図8に示すように、タッチパネル145の画面が明細画面SC3から伝票読込み画面SC1に戻る。また、自動釣銭機19に投入した現金は全額が払い出される。
【0079】
Act21乃至Act24の待ち受け状態において、投入完了ボタンB1がタッチされたことを検知した場合には(Act24、YES)、プロセッサ141は、Act28として投入金額が合計金額以上であるか否かを確認する。ここで、投入金額が合計金額に満たない場合(Act28、NO)、プロセッサ141は、Act21乃至Act24の待ち受け状態に戻る。
【0080】
投入金額が合計金額以上である場合には(Act28、YES)、プロセッサ141は、Act29として釣銭機インターフェース148を制御して自動釣銭機19に停止指令を出力するように制御する。またプロセッサ141は、Act30としてタッチパネル145の画面を会計完了画面SC4(
図8、
図12を参照)とする。
【0081】
図12は、会計完了画面SC4の一構成例である。会計完了画面SC4は、操作ガイダンスエリアA8の画像と、合計金額エリアA9、投入金額エリアA10及びおつりエリアA11を表す画像と、を含む。操作ガイダンスエリアA8には、釣銭とレシートとを受け取ることを促すガイダンス、例えば「おつりとレシートをお取りください」が表示される。合計金額エリアA9には、伝票データの合計金額「2,600円」が表示される。投入金額エリアA10には、自動釣銭機19に投入された現金の総額「3,000」が表示される。おつりエリアA11には、合計金額と投入金額との差額「400円」が表示される。
【0082】
タッチパネル145の画面を会計完了画面SC4としたプロセッサ141は、Act31として決済処理を実行する。決済処理は、伝票データのオーダ品目データで特定される商品の売上を登録する処理を含む。また決済処理は、釣銭の払い出し処理とレシートの発行処理も含む。
【0083】
すなわちプロセッサ141は、釣銭機インターフェース148を制御して自動釣銭機19に対して釣銭額の払出指令を出力するように制御する。この制御により、釣銭機インターフェース148から自動釣銭機19に釣銭額の払出指令信号が送信される。
【0084】
この払出指令信号により、自動釣銭機19のコントローラ196は、硬貨払出部193と紙幣払出部195とを起動する。この起動により、釣銭額相当の現金が硬貨払出口C2又は紙幣払出口P2から払い出される。
【0085】
またプロセッサ141は、レシートを発行するようにプリンタ147を制御する。この制御により、プリンタ147が駆動して、伝票データに含まれるオーダ品目データの品目名、価格、点数、金額や、合計点数、合計金額、投入金額、釣銭額等が印字されたレシートが発行される。
【0086】
その後、プロセッサ141は、
図5のAct1に戻る。すなわちプロセッサ141は、タッチパネル145の画面を待ち受け画面SC0とする。
【0087】
ここに、
図9及び
図10に示す支払画面SC2において、明細確認ボタンB3の画像は第1のボタン画像として機能し、投入完了ボタンB1の画像は第4のボタン画像として機能する。また、
図11に示す明細画面SC3において、会計ボタンB4の画像は第2のボタン画像として機能し、中止ボタンB5の画像は第3のボタン画像として機能する。
【0088】
そして、プロセッサ141を主体とするコンピュータは、
図5のAct6及びAct7の処理を実行することにより表示制御手段を構成する。また同コンピュータは、
図6のAct31の処理を実行することにより決済手段を構成する。また同コンピュータは、
図7のAct42の処理を実行することにより切替手段を構成する。また同コンピュータは、
図7のAct46の処理を実行することにより復元手段を構成する。また同コンピュータは、
図7のAct41、Act45及びAct47の処理を実行することにより、釣銭機制御手段を構成する。
【0089】
このように本実施形態によれば、セルフPOS端末14を操作して会計を行う客は、自動釣銭機19に現金を投入した後でも、合計金額の内訳である商取引の明細を確認することができる。そして、従来のように明細を確認したことによって自動釣銭機19から投入済の現金が払い出されることはなく、投入金額のデータは有効となっている。したがって客は、明細画面SC3の内容を確認した後に現金の投入を継続することができる。かくして、現金を投入し直さなければならない煩雑さが解消される。
【0090】
なお、明細画面SC3を確認した客が中止ボタンB5にタッチした場合には、自動釣銭機19に投入した現金が払い出される。したがって客は、自動釣銭機19に現金を投入した後でも、明細画面SC3の内容を確認して会計を中止することができる。
【0091】
また本実施形態によれば、自動釣銭機19に現金が投入された後で明細確認ボタンB3がタッチされた場合、自動釣銭機19の動作を停止させる。このため、タッチパネル145に明細画面SC3が表示されているときに客が自動釣銭機19に現金を投入しようとしても、その現金は自動釣銭機19で計数されない。したがって、タッチパネル145の画面が明細画面SC3から支払画面SC2に戻った際に、投入金額エリアA2の投入金額が増加するようなことは起こり得ない。
【0092】
また本実施形態によれば、商取引の明細確認要求を受け付けるための第1のボタン画像、すなわち明細確認ボタンB3の画像は、支払画面SC2に表示されている。したがって客は、支払画面SC2の内容を確認しつつ商取引の明細確認要求を行うことができる。
【0093】
また本実施形態によれば、会計継続要求を受け付ける第2のボタン画像、すなわち会計ボタンB4の画像と会計中止要求を受け付ける第3のボタン画像、すなわち中止ボタンB5の画像は、明細画面SC3に表示されている。したがって客は、明細画面SC3の内容を確認しつつ会計継続要求または会計中止要求を行うことができる。
【0094】
さらに、支払画面SC2には、自動釣銭機19への現金投入完了を指令するための第4のボタン画像、すなわち投入完了ボタンB1の画像も表示されている。したがって客は、支払画面SC2の内容を確認しつつ現金投入完了を指令することができる。
【0095】
以下、他の実施形態について説明する。
前記実施形態では、自動釣銭機19に投入された現金の金額をセルフPOS端末14のプロセッサ141が算出する場合を例示した。他の実施形態としては、自動釣銭機19のコントローラ196が投入金額を算出し、その投入金額のデータを逐次、端末インターフェース191を介してセルフPOS端末14に送信するようにしてもよい。この場合、
図6のAct25の処理が省略される。
【0096】
前記実施形態では、投入金額の払出指令信号を受信した自動釣銭機19は、紙幣金庫P0又は硬貨金庫C0に収容されている紙幣又は硬貨から投入金額相当の現金を払い出すものとして説明した。この点に関しては、紙幣投入口P1又は硬貨投入口C1に投入された現金を紙幣金庫P0又は硬貨金庫C0に収容することなく紙幣払出口P2又は硬貨払出口C2に払い出してもよい。
【0097】
前記実施形態では、明細確認ボタンB3を表す画像を合計金額エリアA2内に表示させる場合を例示した。明細確認ボタンB3を表す画像の表示位置は、これに限定されるものではなく、支払画面SC2上のどの場所でもよい。あるいは、セルフPOS端末14がキーボードを備えている場合には、そのキーボードの何れかのキーを明細確認ボタンB3と同様に機能を果たすキーとしてもよい。この点に関しては、他の投入完了ボタンB1、中止ボタンB2,B5、会計ボタンB4についても同様である。ただし、明細確認ボタンB3を表す画像を合計金額エリアA2内に表示させることによって、合計金額の内訳を確認するためのボタンであるという意識を客に持たせることができる。
【0098】
前記実施形態では、釣銭機に現金が投入された後でもその投入された現金が払い出されることなく客が商取引の明細画面を確認することができる決済装置として、飲食店向けのセルフPOS端末14を例示した。この種の決済装置は、飲食店向けのセルフPOS端末14に限定されるものではない。例えば量販店向けとして買物客が自ら商品登録から会計までを行うフルセルフPOS端末を当該決済装置としてもよい。また、登録機と会計機とを分離し、店員が商品の登録操作行い、客が会計操作を行うようにした、いわゆるセミセルフ方式の会計機を当該決済装置としてもよい。また、店員によって操作される一般的なPOS端末を当該決済装置としてもよいのは言うまでもない。
前記実施形態では、読取手段としてのコードリーダ146を、バーコード21を読み取るものとして説明した。読取手段は、バーコード横取り用のコードリーダに限定されるものではない。例えば二次元データコード読取用の二次元スキャナ、あるいは物品の外観を認識可能なオブジェクト認識装置を読取手段として適用してもよい。
【0099】
なお、決済装置の譲渡は一般に、決済プログラム等のプログラムがメインメモリまたは補助記憶デバイスに記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、プログラムがメインメモリまたは補助記憶デバイスに記憶されていない状態で譲渡されてもよい。そしてこの場合は、決済装置が備える書き込み可能な記憶デバイスに、この決済装置とは個別に譲渡された決済プログラム等がユーザなどの操作に応じて書き込まれることとなる。決済プログラム等の譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0100】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。