(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
走行車体と、前記走行車体に設けられるアウトリガと、を備える建設機械に設けられ、前記アウトリガの接地において前記アウトリガと地盤との間に設置される敷板が格納される敷板格納ブラケットであって、
第1の厚さを有する前記敷板である第1の敷板、及び、前記第1の厚さとは異なる第2の厚さを有する前記敷板である第2の敷板のそれぞれを拘束可能な拘束ユニットを備え、
前記拘束ユニットは、前記敷板の一方の板面が配置される基台と、前記基台に対して移動可能なストッパとを備え、
前記ストッパは、前記基台との間で前記第1の敷板を拘束可能な第1の拘束位置と、前記基台との間で前記第2の敷板を拘束可能な第2の拘束位置とに移動可能である、
敷板格納ブラケット。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、
図1乃至
図19を参照して説明する。
【0010】
図1は、本実施形態の建設機械であるクレーン1の一例を示す。
図1に示すように、クレーン1は、走行車体2と、走行車体2上に配置される旋回体3と、を備える。旋回体3は、走行車体2に対して旋回可能である。旋回体3は、運転室6を備える。旋回体3には、ブーム7の基端部が連結される。ブーム7は、その軸方向に伸縮可能であるとともに、旋回体3に対して起伏可能である。旋回体3が旋回すると、運転室6及びブーム7は、旋回体3と一緒に旋回する。
【0011】
走行車体2には、アウトリガ5が設けられている。アウトリガ5は、前方側方部位の左右両側、及び、後方側方部位の左右両側に1つずつ収納されている。したがって、走行車体2には、4つのアウトリガ5が設けられている。クレーン1の作業時には、アウトリガ5のそれぞれを走行車体2の幅方向について外側へ張り出す。そして、アウトリガ5のそれぞれを地盤に接地させることにより、走行車体2を支持する。なお、
図1では、走行車体2の右側方部位のアウトリガ5のみを示し、走行車体2の左側方部位のアウトリガ5は省略する。
【0012】
アウトリガ5のそれぞれは、伸縮ビーム22と、ジャッキ(垂直支持脚)23と、フロート24を備える。伸縮ビーム22は、水平方向に沿って設けられ、水平方向に伸縮可能である。伸縮ビーム22の一端は、走行車体2に固定される。伸縮ビーム22の他端には、ジャッキ23が取付けられている。ジャッキ23は、伸縮ビーム22に対して垂直下方向に向かって伸張する。ジャッキ23の下端には、フロート(設置板)24が取付けられている。作業時には、地盤の状態等によっては、フロート24と地盤との間に、敷板30が設置される。この際、作業者は、敷板30を地面に設置する。そして、走行車体2から伸縮ビーム22を張出し、ジャッキ23を下側へ伸張させる。そして、敷板30の上にフロート24が配置されることにより、クレーン1が支持される。
【0013】
敷板30は、寸法等が異なる複数の種類の中から、作業の種類やユーザの要望に応じて選択される。例えば、
図2に示す敷板(第1の敷板)30A及び
図3に示す敷板(第2の敷板)30Bは、互いに対して厚さが異なる。敷板(第1の敷板)30Aの厚さ(第1の厚さ)TAは、敷板(第2の敷板)30Bの厚さ(第2の厚さ)TBよりも大きい。
【0014】
図2に示すように、敷板30Aは、略直方体状の板である。敷板30Aは、第1の厚さTAを有する。敷板30Aは、例えば、プラスチック製又はアルミ製である。
【0015】
敷板30Aは、互いに対して反対側を向く一対の板面31Aと、板面31Aに対して垂直又は略垂直な一対の側面33Aと、板面31A及び側面33Aに対して垂直又は略垂直な一対の側面35Aを備える。
【0016】
側面33Aのそれぞれには、切欠き部37Aが形成されている。切欠き部37Aのそれぞれは、対応する側面33Aから他方の側面33Aに向かって凹む溝である。切欠き部37Aのそれぞれは、側面33Aの中央位置に設けられ、敷板30Aの厚さ方向について敷板30Aの全体に渡って形成されている。切欠き部37Aのそれぞれには、取っ手38Aが取付けられている。取っ手38Aは、側面33Aの切欠き部37A以外の部位よりも内側に設けられている。取っ手38Aは、例えば、厚さ方向に対して垂直又は略垂直に延設される棒状部材である。
【0017】
図3に示すように、敷板30Bは、略直方体状の板である。敷板30Bは、第1の厚さTAよりも小さい第2の厚さTBを有する。敷板30A及び敷板30Bは、幅方向及び奥行き方向についての寸法は、同じ又は略同じである。敷板30Bは、例えば、木製である。
【0018】
敷板30Bは、互いに対して反対側を向く一対の板面31Bと、板面31Bに対して垂直又は略垂直な一対の側面33Bと、板面31B及び側面33Bに対して垂直又は略垂直な一対の側面35Bを備える。側面33Bのそれぞれは、凸凹等がなく平坦又は略平坦に形成される。側面33Bのうち一方には、取っ手38Bが取付けられている。取っ手38Bは、対応する側面33Bから外側へ突出している。
【0019】
図4に示すように、走行車体2には、敷板30が格納される敷板格納ブラケット(格納箱)が設けられる。本実施形態では、走行車体2の上面(フロントフレーム)12に設置される第1のブラケット40と、走行車体2の側面13に設置される第2のブラケット70が、敷板格納ブラケットとして設けられている。ブラケット40は、2枚の敷板30を格納可能である。ブラケット70は、1枚の敷板30を格納可能である。ブラケット70は、走行車体2の両側の側面13のそれぞれに1つずつ設置されている。このため、本実施形態のクレーン1には、合計4枚の敷板30が格納される。
【0020】
ブラケット40は、運転室6よりも前方において、走行車体2の上面12に配置されている。このため、作業終了時等にブラケット40に敷板30が格納されていることを、運転室6から確認することができ、敷板30を作業現場等に置き忘れることを防止することができる。また、ブラケット40は、ブーム7が伏状した状態においても敷板30の取り出し及び格納が可能となるように設置されている。
【0021】
図5乃至
図9は、ブラケット40を示す図である。
図5に示すように、ブラケット40について、矢印X1及び矢印X2で示す幅方向と、矢印Y1及び矢印Y2で示す奥行き方向と、矢印Z1及び矢印Z2で示す高さ方向(上下方向)とを規定する。幅方向、奥行き方向及び高さ方向のそれぞれは、互いに対して垂直又は略垂直である。ブラケット40は、2枚の敷板30を幅方向に沿って2枚並べて格納することができる。
【0022】
ブラケット40は、基台41と、本実施形態の拘束ユニットであるストッパ60とを備える。基台41は、上側が解放された箱形状に形成されている。基台41は、走行車体2の上面12に固定されている。基台41は、走行車体2の上面12に沿って配置される底板42と、底板42に対して垂直又は略垂直に延設される4つの側板43、44、45、46を備える。手前側側板43及び奥側側板44のそれぞれは、ブラケット40の幅方向に対して平行又は略平行である。左側側板45及び右側側板46のそれぞれは、ブラケット40の奥行き方向に対して平行又は略平行である。手前側側板43及び奥側側板44は、左側側板45及び右側側板46に対して垂直又は略垂直である。
【0023】
左側側板45には、ピン51が取付けられている。ピン51は、ブラケット40の幅方向に沿って延設される略円柱形状の連結部材である。ピン51は、左側側板45において手前側の端部に固定されている。ピン51は、左側側板45の外面から幅方向について外側へ突出する状態で、一端が左側側板45に固定されている。ピン51には、延設方向に対して垂直又は略垂直な方向にピン51を貫通する挿入孔52が形成される。挿入孔52は、ピン51のうち、左側側板45に固定される部位から所定の距離以上離れた位置に設けられる。
【0024】
右側側板46には、敷板30Aに対応する第1のスリット53Aと、敷板30Bに対応する第2のスリット53Bが設けられている。第1のスリット53A及び第2のスリット53Bのそれぞれは、幅方向について右側側板46を貫通する横長の孔である。第1のスリット53A及び第2のスリット53Bは、右側側板46のうち手前側に設けられている。第2のスリット53Bは、高さ方向について第1のスリット53Aよりも下側に設けられている。第1のスリット53Aの底板42からの距離は、敷板30Aの厚さTAよりも僅かに大きい。すなわち、第1のスリット53Aの底板42からの高さは、敷板30Aの厚さTAよりも僅かに大きい。第2のスリット53Bの底板42からの距離は、敷板30Bの厚さTBよりも僅かに大きい。すなわち、第2のスリット53Bの底板42からの高さは、敷板30Bの厚さTBよりも僅かに大きい。
【0025】
奥側側板44は、幅方向について奥側側板44の左側半分を形成する左側部47と、右側半分を形成する右側部48とを備える。また、奥側側板44は、押さえ部49を備える。押さえ部49は、幅方向について左側部47及び右側部48のそれぞれの中央位置に1つずつ設けられている。押さえ部49は、奥側側板44から手前側側板43側へ向かって延出している。押さえ部49の底板42からの高さ、すなわち、底板42から押さえ部49までの距離は、第2の敷板30Bの厚さTBに対して僅かに大きい。
【0026】
ストッパ60は、基台41に連結される連結部61と、ブラケット40の幅方向に沿って延設される延設部65を備える。連結部61は、左側側板45の外側に配置される。延設部65は、一端が連結部61と連続し、他端が幅方向に沿って右側側板46に向かって延設されている。延設部65の延設端である端部66には、延設部65を貫通する挿入孔67が設けられている。
【0027】
図7に示すように、連結部61は、敷板30Aに対応する第1の孔62Aと、敷板30Bに対応する第2の孔62Bを備える。第1の孔62A及び第2の孔62Bのそれぞれは、ブラケット40の幅方向について連結部61を貫通する略円形の貫通孔である。第1の孔62A及び第2の孔62Bは、ピン51が係合(挿通)可能な大きさに形成されている。
【0028】
連結部61は、第1の孔62A又は第2の孔62Bにピン51が係合することにより、基台41の左側側板45に連結される。ピン51が第1の孔62A又は第2の孔62Bに係合することにより、ストッパ60は、基台41に対してピン51を回転軸として回転可能な状態で、連結される。ストッパ60は、基台41に対してピン51を中心として回転することにより、基台41に対して開閉する。
図5に示すように、ストッパ60が基台41に対して開いた状態では、延設部65は、手前側側板43よりも手前側、すなわち、基台41の外側に位置する。
図6及び
図8に示すように、ストッパ60が基台41に対して閉じた状態では、延設部65は、手前側側板43よりも奥側、すなわち、基台41の内側に位置する。
図5乃至
図9は、ピン51が第1の孔62Aに連結した状態を示している。
【0029】
また、ピン51の挿入孔52には、抜け止めピン56が挿入される。挿入孔52に抜け止めピン56が挿入されることにより、ピン51の第1の孔62A又は第2の孔62Bからの抜けが防止され、ストッパ60の連結部61とピン51との係合が外れることが防止される。ピン51に抜け止めピン56が取付けられた状態では、ストッパ60の連結部61は、幅方向について抜け止めピン56と左側側板45との間でピン51に対して移動可能である。連結部61がピン51に対して幅方向に沿って移動することにより、延設部65及びストッパ60がブラケット40の幅方向について基台41に対して移動する。
【0030】
延設部65は、基台41の内側に位置した状態において基台41に対して幅方向について移動することにより、第1のスリット53A又は第2のスリット53Bに係合可能である。ピン51が第1の孔62Aに挿入された状態では、ストッパ60が基台41に対して回転することにより、延設部65は第1の拘束位置に移動可能である。第1の拘束位置では、延設部65は、基台41に対してブラケット40の幅方向について移動することにより、端部66が第1のスリット53Aに挿入される。ピン51が第2の孔62Bに挿入された状態では、ストッパ60が基台41に対して回転することにより、延設部65は第2の拘束位置に移動可能である。第2の拘束位置では、延設部65は、基台41に対してブラケット40の幅方向について移動することにより、端部66が第2のスリット53Bに挿入される。
【0031】
図9に示すように、延設部65の端部66が第1のスリット53Aに挿入された状態では、延設部65の端部66に設けられた挿入孔67に抜け止めピン58が挿入される。延設部65に抜け止めピン58が取付けられることにより、延設部65の第1のスリット53Aからの抜けが防止される。同様にして、延設部65が第2のスリット53Bに挿入される場合においても、抜け止めピン58を挿入孔67に挿入することにより、延設部65の第2のスリット53Bからの抜け止めが行われる。
【0032】
図10乃至
図11は、第2の敷板格納ブラケットであるブラケット70を示す図である。
図10に示すように、ブラケット70について、矢印X1及び矢印X2で示す幅方向と、矢印Y1及び矢印Y2で示す奥行き方向と、矢印Z1及び矢印Z2で示す高さ方向(上下方向)とを規定する。幅方向、奥行き方向及び高さ方向のそれぞれは、互いに対して垂直又は略垂直である。
【0033】
ブラケット70は、基台71と、飛び出し防止ストッパ90を備える。ストッパ90は、基台71に対して開閉可能である。基台71は、手前側に向かって開口する箱形状に形成されている。基台71は、底板72と、奥側板74と、一対の側板75とを備える。
【0034】
底板72は、高さ方向に対して垂直又は略垂直であり、幅方向及び奥行き方向に対して平行又は略平行である。奥側板74は、底板72に対して垂直又は略垂直で、かつ、幅方向及び高さ方向に対して平行又は略平行である。底板72は、基台71において奥側を向く外表面を形成している。
【0035】
側板75のそれぞれは、基台71において幅方向について互いに対して反対側を向く外表面を形成する。側板75は、底板72及び奥側板74に対して垂直又は略垂直である。一対の側板75の間の距離は、敷板30Aの厚さTAよりも僅かに大きく形成されている。すなわち、側板75は、敷板30Aに対応する一対の挟持板である。
【0036】
側板75には、取付け部材73が取付けられている。取付け部材73は、下方向に向かって開口したU字状に形成され、一端が側板75の一方に固定され、他端が側板75の他方に固定されている。底板72、取付け部材73及び一対の側板75によって、手前側に向かって開口する開口76が形成されている。
【0037】
奥側板74は、基台71の内部において奥側板74から手前側に延出する一対の保持板(横振れストッパ)77を備える。一対の保持板77は、高さ方向について奥側板74の略中央位置に設けられている。一対の保持板77の間の距離は、敷板30Bの厚さTBより僅かに大きく形成されている。一対の保持板77は、ブラケット70の奥側に設けられ、敷板30Bに対応する一対の挟持板である。
【0038】
側板75のそれぞれは、スリット79を備える。スリット79は、幅方向について側板75を貫通する孔であり、高さ方向に沿って延設されている。スリット79は、側板75のそれぞれにおいて手前側の端部に設けられている。
【0039】
また、側板75のそれぞれは、スリット81を備える。スリット81は、幅方向について側板75を貫通する孔であり、高さ方向に沿って延設されている。スリット81は、側板75のそれぞれにおいて手前側の端部に設けられている。スリット81は、高さ方向についてスリット79よりも上側に設けられている。スリット81は、側板75において手前側に向かって開口する開口83を備える。開口83は、スリット81のうち上側に設けられている。
【0040】
ストッパ90は、ストッパ本体91と、第1の抜け止めピン92と、第2の抜け止めピン93とを備える。ストッパ本体91は、幅方向に対して垂直又は略垂直で、互いに対して対向して設けられる一対の平板によって構成されている。ストッパ本体91には、一端に抜け止めピン92が固定され、他端に抜け止めピン93が固定されている。
【0041】
抜け止めピン92は、両端部がスリット79に挿入可能な形状に形成された棒状の部材である。抜け止めピン92は、一端がスリット79の一方に挿入され、他端がスリット79の他方に挿入されている。抜け止めピン92は、スリット79の内部を高さ方向について移動可能である。ストッパ90は、抜け止めピン92がスリット79の内部を高さ方向について移動することにより、基台71に対して移動可能である。また、抜け止めピン92は、スリット79の内部において、スリット79に対して回転可能である。したがって、ストッパ90は、抜け止めピン92を回転軸として、基台71に対して回転可能である。
【0042】
抜け止めピン93は、両端部がスリット81に挿入可能に形成された棒状の部材である。抜け止めピン93は、ストッパ90が抜け止めピン92を回転軸として基台71に対して回転することにより、両端部が開口83からスリット81内に挿入される。
【0043】
ストッパ本体91は、互いに対して対向する一対の保持板(横振れストッパ)95を備える。保持板95は、幅方向に対して垂直又は略垂直に設けられている。一対の保持板95の間の距離は、敷板30Bの厚さTBに対して僅かに大きい。一対の保持板95は、ブラケット70の手前側に設けられ、敷板30Bに対応する一対の挟持板である。
【0044】
ストッパ90は、抜け止めピン92を回転軸として基台71に対して回転することにより、基台71に対して開く又は閉じる。
図10に示すように、ストッパ90が基台71に対して開いた状態では、ストッパ本体91及び抜け止めピン93は、抜け止めピン92よりも下側に位置する。また、ストッパ90が基台71に対して開いた状態では、基台71は、手前側に向かって開口している。このため、開口76を通して手前側から側板75の間へ敷板30を挿入可能である。
【0045】
図11に示すように、ストッパ90が基台71に対して閉じた状態では、ストッパ本体91及び抜け止めピン93は抜け止めピン92よりも上側に位置し、抜け止めピン93は、開口83からスリット81内に挿入されている。抜け止めピン92は、スリット79内において、ストッパ90が基台71に対して開いた場合よりも上側に移動している。このとき、一対の保持板95は、基台71の側板75の間に位置する。保持板95は、高さ方向について開口76の略中央位置に位置する。ストッパ90が基台71に対して閉じた状態では、抜け止めピン92及び抜け止めピン93は、基台71の開口76を幅方向に沿って横断している。このため、開口76から敷板30を基台41内に挿入することができない。
【0046】
次に、ブラケット40への敷板30の格納手順を説明する。まず、
図12及び
図13を用いて、厚さが比較的に厚い敷板30Aをブラケット40に格納する場合の手順を説明する。ブラケット40に敷板30Aを格納する際には、作業者は、まず、連結部61の孔62Aにピン51を挿入することにより、ストッパ60の連結部61を基台41の左側側板45に連結する。すなわち、敷板30Aに対応する孔62Aにピン51を係合させることにより、ストッパ60を基台41に連結する。そして、ピン51を孔62Aに挿入させた後、ピン51に抜け止めピン56を取付ける。これにより、ピン51の孔62Aからの抜けが防止され、ストッパ60の基台41と左側側板45との連結が外れることが防止される。
【0047】
次に、作業者は、例えば取っ手38Aを掴んで敷板30Aを保持する。そして、ストッパ60が基台41に対して開いた状態で、基台41に2枚の敷板30Aを配置する。このとき、敷板30Aは、側面33Aの一方が基台41の手前側側板43と対向し、側面33Aの他方が基台41の奥側側板44と対向する状態で基台41に配置される。また、押さえ部49のそれぞれは、敷板30Aの切欠き部37Aの内部に位置する。奥行方向について敷板30Aが手前側側板43及び奥側側板44の間に配置されることにより、奥行き方向について敷板30Aがブラケット40の内部に安定的に格納される。また、基台41に2枚の敷板30Aが配置された状態では、基台41の左側側板45及び右側側板46のそれぞれには、敷板30Aの側面35Aが対向する。幅方向について2枚の敷板30Aが左側側板45及び右側側板46の間に配置されることにより、幅方向について敷板30Aがブラケット40の内部に安定的に格納される。
【0048】
本実施形態では、ブラケット40の幅方向について中央位置に対して側板45側に2枚の敷板30Aのうちの一方が格納され、ブラケット40の幅方向について中央位置に対して側板46側に2枚の敷板30Aのうちの他方が格納される。
【0049】
次に、作業者は、ストッパ60を基台41に対して回転させ、ストッパ60を基台41に対して閉じる。このとき、
図12及び
図13に示すように、ストッパ60の延設部65は、敷板30Aの板面31Aの上側へ移動する。そして、作業者は、延設部65がスリット53Aに対して高さ方向及び奥行き方向について同じ又は略同じ位置に移動した状態で、ストッパ60を基台41に対して幅方向について移動させることにより、延設部65の端部66をスリット53Aに挿通する。すなわち、作業者は、敷板30Aに対応するスリット53Aに延設部65の端部66を挿入する。延設部65の端部66がスリット53Aに挿入されることにより、延設部65が右側側板46に連結され、ストッパ60の基台41に対する回転が規制される。これにより、ストッパ60は、敷板30Aに対応する第1の拘束位置で、基台41に固定される。
【0050】
延設部65がスリット53Aに挿入された状態で、作業者は、抜け止めピン58を延設部65の挿入孔67に取付ける。挿入孔67に抜け止めピン58が挿入されることにより、延設部65のスリット53Aからの抜けが防止される。これにより、ストッパ60の基台41に対する固定が外れることが防止される。
【0051】
前述のように、第1のスリット53Aの底板42に対する高さは、敷板30Aの厚さTAよりも僅かに大きく形成されている。このため、ストッパ60の延設部65が第1のスリット53Aと係合した状態では、ストッパ60の延設部65は、敷板30Aよりも僅かに上側の位置で固定される。このため、延設部65は、基台41の内部に配置された敷板30Aに対して僅かに上側の位置に固定される。そして、敷板30Aは、ストッパ60の延設部65と基台41の底板42との間に配置される。これにより、高さ方向についての敷板30Aのブラケット40に対する振れ(ガタつき)が防止され、敷板30Aがブラケット40に安定的に格納される。
【0052】
次に、
図14乃至
図15を用いて、厚さが比較的に薄い2枚の敷板30Bをブラケット40に格納する場合の手順を説明する。ブラケット40に敷板30Bを格納する際には、作業者は、まず、連結部61の孔62Bにピン51を挿入することにより、ストッパ60の連結部61を基台41の左側側板45に連結する。すなわち、敷板30Bに対応する孔62Bにピン51を係合させることにより、ストッパ60を基台41に連結する。そして、ピン51を孔62Bに挿入させた後、ピン51に抜け止めピン56を取付ける。
【0053】
次に、作業者は、例えば、取っ手38Bを掴んで敷板30Bを保持する。そして、ストッパ60が基台41に対して開いた状態で、基台41に2枚の敷板30Bを配置する。このとき、
図14及び
図15に示すように、敷板30Aが格納される場合と同様にして敷板30Bが基台41に格納され、奥行き方向及び幅方向についての敷板30Bの振れ(ガタつき)が防止される。
【0054】
次に、作業者は、ストッパ60を基台41に対して回転させ、ストッパ60を基台41に対して閉じる。このとき、
図14及び
図15に示すように、ストッパ60の延設部65は、敷板30Bの板面31Bの上側に移動する。そして、作業者は、延設部65がスリット53Bに対して高さ方向及び奥行き方向について同じ又は略同じ位置に移動した状態で、ストッパ60を基台41に対して幅方向について移動させることにより、延設部65の端部66をスリット53Bに挿通する。すなわち、作業者は、敷板30Bに対応するスリット53Bに延設部65の端部66を挿入する。延設部65の端部66がスリット53Bに挿入されることにより、延設部65が右側側板46に連結され、ストッパ60の基台41に対する回転が規制される。これにより、ストッパ60は、敷板30Bに対応する第2の拘束位置で、基台41に固定される。
【0055】
前述のように、第2のスリット53Bの底板42に対する高さは、敷板30Bの厚さTBよりも僅かに大きく形成されている。このため、ストッパ60の延設部65が第2のスリット53Bと係合した状態では、ストッパ60の延設部65は、敷板30Bよりも僅かに上側の位置で固定される。このため、延設部65は、基台41の内部に配置された敷板30Bに対して僅かに上側の位置に固定される。そして、敷板30Bは、ストッパ60の延設部65と基台41の底板42との間に配置される。これにより、高さ方向についての敷板30Bのブラケット40に対する振れ(ガタつき)が防止され、敷板30Bがブラケット40に安定的に格納される。
【0056】
また、押さえ部49の底板42に対する高さは、敷板30Bの厚さTBよりも僅かに大きく形成されている。このため、押さえ部49は、基台41の内部に配置された敷板30Bよりも僅かに上側に位置する。このため、押さえ部49と底板42との間に敷板30Bが配置されることにより、ブラケット40の奥側においても、高さ方向についての敷板30Bのブラケット40に対する振れ(ガタつき)が有効に防止される。
【0057】
このように、本実施形態のブラケット40は、格納する敷板30の振れを上側から抑え、高さ方向についての位置を設定可能なストッパ60を備える。このため、ブラケット40は、敷板30Aを基台41との間で拘束可能な第1の拘束位置と、敷板30Bを基台41との間で拘束可能な第2の拘束位置を備える。したがって、本実施形態のブラケット40は、互いに対して厚さの異なる敷板(30A、30B)のうちいずれの敷板30を格納する場合でも、敷板30を安定した状態で格納可能である。これにより、敷板30の脱落や破損が有効に防止される。また、ブラケット40を用いることにより、敷板30の形状ごとに対応する形状の敷板格納ブラケットを用意することなく、すなわち、互いに対して形状の異なる複数の種類の敷板格納ブラケットを用意することなく、安全に敷板30を格納することができる。
【0058】
また、本実施形態では、ストッパ60の連結部61が基台41の左側側板45に連結され、ストッパ60が基台41に対して開いた状態においても、敷板30をブラケット40の基台41の内部に配置することができる。すなわち、ストッパ60を基台41から分離することなく、敷板30を収納することができる。このため、ストッパ60の収納スペースを考慮する必要がない。
【0059】
なお、本実施形態のブラケット40は、2枚の敷板30を格納可能であるがこれに限らない。ブラケット40は、敷板30を1枚のみ格納可能な大きさに形成されていてもよい。また、ブラケット40は、敷板30を高さ方向に2枚以上重ねて格納可能な大きさに形成されていてもよい。
【0060】
また、本実施形態のブラケット40は、厚さの異なる2種類の敷板(30A、30B)のそれぞれに対応する2つの拘束位置を備えるがこれに限らない。ブラケット40は、敷板30A及び敷板30Bとは厚さ等の形状が異なる別の敷板を固定可能な第3の拘束位置を備えていてもよい。この場合、ストッパ60の連結部61には、別の敷板に対応する第3の孔が設けられ、基台41の右側側板46には、別の敷板に対応する第3のスリットが設けられる。
【0061】
次に、第2の敷板格納ブラケットであるブラケット70への敷板30の格納手順を説明する。まず、
図16及び
図17を用いて、厚さが比較的に厚い敷板30Aをブラケット70に格納する場合の手順を説明する。ブラケット70に敷板30Aを格納する際には、作業者は、例えば取っ手38Aを掴んで敷板30Aを保持する。そして、ストッパ90が基台71に対して開いた状態で、開口76から基台71の内部へ敷板30Aを挿入する。
【0062】
敷板30Aは、側面33Aの一方が奥側板74と対向し、かつ、側面35Aの一方が底板72に接触し、かつ、側面35Aの他方が上側を向く状態で、基台71の内部に配置される。このとき、側面33Aの他方は、手前側を向く状態で、開口76から露出している。敷板30Aが基台71の内部に配置された状態では、側面35Aの他方の上側に取付け部材73が位置する。また、奥側板74に設けられた一対の保持板77は、敷板30Aの切欠き部37Aの内部に位置する。このため、一対の保持板77は、敷板30Aと接触しない。また、保持板77の間には、切欠き部37Aの取っ手38Aが位置する。
【0063】
板面31Aのそれぞれは、基台71の側板75に対向する。前述したように、側板75の間の距離は、敷板30Aの厚さTAよりも僅かに大きい。このため、敷板30Aは、基台41の内部に配置された状態において、一対の側板75の間で挟持される。
【0064】
次に、作業者は、抜け止めピン92を中心軸としてストッパ90を基台71に対して回転させる。このとき、作業者は、抜け止めピン92をスリット79内において上側に移動させ、抜け止めピン93を開口83からスリット81内に挿入する。そして、抜け止めピン93をスリット81内において下側に移動させることにより、抜け止めピン93のスリット81からの抜けを防止する。これにより、ストッパ90が、基台71に対して閉じた状態で、基台71に固定される。このとき、ストッパ本体91の保持板95は、敷板30Aの切欠き部37Aの内部に位置し、敷板30Aとは接触しない。保持板95の間には、取っ手38Aが位置する。
【0065】
ストッパ90が基台71に対して閉じた状態では、奥行き方向について敷板30Aがストッパ90の抜け止めピン92及び抜け止めピン93と奥側板74との間に配置されることにより、敷板30Aのブラケット70からの抜けが防止され、奥行き方向について敷板30Aがブラケット70に安定的に格納される。
【0066】
次に、
図18乃至
図19を用いて、厚さが比較的に薄い敷板30Bをブラケット70に格納する場合の手順を説明する。ブラケット70に敷板30Bを格納する際には、作業者は、例えば取っ手38Bを掴んで敷板30Bを保持する。そして、ストッパ90が基台71に対して開いた状態で、開口76から敷板30Bを基台71の内部へ挿入する。
【0067】
敷板30Bは、側面33Bの一方が奥側板74と対向し、かつ、側面35Bの一方が底板72に接触し、かつ、側面35Bの他方が上側を向く状態で、基台71の内部に配置される。このとき、側面33Bの他方は、手前側を向く状態で、開口76から露出している。取っ手38Bは、基台71から手前側に向かって突出している。
【0068】
敷板30Bは、ブラケット70の奥側において、一対の保持板77の間に挿入される。前述したように、保持板77の間の距離は、敷板30Bの厚さTBよりも僅かに大きい。このため、敷板30Bは、基台41の内部に配置された状態において、一対の保持板77の間で挟持される。
【0069】
次に、作業者は、抜け止めピン92を中心軸としてストッパ90を基台71に対して回転させ、ストッパ90を基台71に対して閉じる。そして、敷板30Aを格納する場合と同様にして、ストッパ90を基台41に固定し、敷板30Bのブラケット70からの抜けを防止する。このとき、一対の保持板95の間に敷板30Bが間に配置され、敷板30Bは一対の保持板95の間で挟持される。また、取っ手38Bは、ブラケット70の幅方向について保持板95の間を通り、ブラケット70の高さ方向について抜け止めピン92と抜け止めピン93との間を通る。
【0070】
ここで、基台71の一対の保持板77と、ストッパ90の一対の保持板95のそれぞれは、敷板30Bの厚さTBよりも僅かに大きく形成されている。このため、敷板30Bは、ブラケット70の奥側において基台71の保持板77の間で挟持され、ブラケット70の手前側において、ストッパ90の保持板95の間で挟持される。これにより、敷板30Bがブラケット70に安定的に格納され、幅方向について敷板30Bのブラケット70に対する振れ(ガタつき)が防止される。
【0071】
このように、ブラケット70は、敷板30Aに対応する一対の側板75と、敷板30Bに対応する保持板77、95とを備える。すなわち、ブラケット70は、第1の敷板30Aを挟持可能な第1の挟持板(75)と、第2の敷板30Bを挟持可能な第2の挟持板(77、95)を備える。したがって、本実施形態のブラケット70は、互いに対して厚さの異なる複数の敷板(30A、30B)のうちいずれの敷板30を格納する場合でも、敷板30を安定した状態で格納可能である。これにより、敷板30の脱落や破損が有効に防止される。また、ブラケット70を用いることにより、敷板30の形状ごとに対応する形状の敷板格納ブラケットを用意することなく、すなわち、互いに対して形状の異なる複数の種類の敷板格納ブラケットを用意することなく、安全に敷板30を格納することができる。
【0072】
また、本実施形態では、ストッパ90の抜け止めピン92が基台71のスリット79に連結され、抜け止めピン92がスリット79の内部を移動することにより、ストッパ90が基台71に対して開く又は閉じる。このため、ストッパ90が基台71に対して開いた状態においても、敷板30をブラケット70の基台71の内部に配置することができる。すなわち、ストッパ90を基台71から分離することなく、敷板30を収納することができる。このため、ストッパ90の収納スペースを考慮する必要がない。
【0073】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。