特許第6938410号(P6938410)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6938410口腔疾患診断システム及び口腔疾患診断プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6938410
(24)【登録日】2021年9月3日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】口腔疾患診断システム及び口腔疾患診断プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/24 20060101AFI20210909BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20210909BHJP
   A61C 19/04 20060101ALI20210909BHJP
【FI】
   A61B1/24
   A61B1/045 618
   A61B1/045 610
   A61B1/045 611
   A61C19/04 J
【請求項の数】7
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-50203(P2018-50203)
(22)【出願日】2018年3月16日
(65)【公開番号】特開2019-155027(P2019-155027A)
(43)【公開日】2019年9月19日
【審査請求日】2020年8月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】興梠 紗和
(72)【発明者】
【氏名】土井 千章
(72)【発明者】
【氏名】佐野 博之
(72)【発明者】
【氏名】荒木 尊士
(72)【発明者】
【氏名】池田 大造
(72)【発明者】
【氏名】片桐 雅二
【審査官】 佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0010878(US,A1)
【文献】 特開2012−016573(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/063980(WO,A1)
【文献】 六反田 賢,"遠隔口腔粘膜疾患患者相談システムの構築",日本口腔診断学会雑誌,2017年02月20日,Vol.30, No.1,pp.83-88
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
A61C 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔内の所定の領域を表した複数の画像からなる口腔内写真に基づいてユーザの口腔内の疾患を診断する口腔疾患診断システムであって、
前記ユーザの口腔内の部分を撮像した部分画像を複数取得する取得部と、
前記部分画像において反射が生じている領域である反射部分の除去または前記反射部分を含まない部分画像の抽出により、前記反射部分を含まない部分画像を取得する除去部と、
前記除去部により取得された部分画像を含む複数の部分画像を合成して前記口腔内写真を生成する生成部と、
前記生成部により生成された前記口腔内写真を出力する出力部と、
を備え
前記取得部は、口腔内における同一の部分を異なる方向から撮像した複数の部分画像を取得し、
前記除去部は、前記部分画像に表されている前記部分の射影方向を所定の方向に合わせるように複数の前記部分画像を変換し、口腔内における同じ部分を表す画素が互いに対応付けられるように位置合わせをして前記複数の部分画像を加算平均合成することにより、前記反射部分が除去された部分画像を取得する、
口腔疾患診断システム。
【請求項2】
口腔内の所定の領域を表した複数の画像からなる口腔内写真に基づいてユーザの口腔内の疾患を診断する口腔疾患診断システムであって、
前記ユーザの口腔内の部分を撮像した部分画像を複数取得する取得部と、
前記部分画像において反射が生じている領域である反射部分の除去または前記反射部分を含まない部分画像の抽出により、前記反射部分を含まない部分画像を取得する除去部と、
前記除去部により取得された部分画像を含む複数の部分画像を合成して前記口腔内写真を生成する生成部と、
前記生成部により生成された前記口腔内写真を出力する出力部と、
前記口腔内写真に表された所定の判定対象領域の画像の特徴に基づいて、口腔内における所定の疾患の有無及び状態を判定する判定部と、を備え、
前記出力部は、口腔内における所定の疾患に関する判定の結果を、前記ユーザとは異なる医師の第2の端末において出力させ、前記第2の端末に対して入力された、前記ユーザの受診の要否に関する受診要否情報を、前記ユーザの第1の端末において出力させる、
口腔疾患診断システム。
【請求項3】
前記判定部は、前記口腔内写真から歯茎が表された歯茎領域及び歯が表された歯領域の少なくとも一つを抽出し、前記歯茎領域及び前記歯領域の少なくとも一つの画像の特徴に基づいて歯周病の有無及び状態を判定する、
請求項に記載の口腔疾患診断システム。
【請求項4】
前記判定部は、前記口腔内写真から歯が表された歯領域を抽出し、前記歯領域の画像の特徴に基づいて齲蝕の有無及び状態を判定する、
請求項に記載の口腔疾患診断システム。
【請求項5】
前記出力部は、口腔内における所定の疾患に関する判定の結果を、前記ユーザの第1の端末において出力させる、
請求項2〜4のいずれか一項に記載の口腔疾患診断システム。
【請求項6】
コンピュータを、口腔内の所定の領域を表した複数の画像からなる口腔内写真に基づいてユーザの口腔内の疾患を診断する口腔疾患診断システムとして機能させるための口腔疾患診断プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記ユーザの口腔内の部分を撮像した部分画像を複数取得する取得機能と、
前記部分画像において反射が生じている領域である反射部分の除去または前記反射部分を含まない部分画像の抽出により、前記反射部分を含まない部分画像を取得する除去機能と、
前記除去機能により取得された部分画像を含む複数の部分画像を合成して前記口腔内写真を生成する生成機能と、
前記生成機能により生成された前記口腔内写真を出力する出力機能と、
を実現させ、
前記取得機能は、口腔内における同一の部分を異なる方向から撮像した複数の部分画像を取得し、
前記除去機能は、前記部分画像に表されている前記部分の射影方向を所定の方向に合わせるように複数の前記部分画像を変換し、口腔内における同じ部分を表す画素が互いに対応付けられるように位置合わせをして前記複数の部分画像を加算平均合成することにより、前記反射部分が除去された部分画像を取得する、
口腔疾患診断プログラム。
【請求項7】
コンピュータを、口腔内の所定の領域を表した複数の画像からなる口腔内写真に基づいてユーザの口腔内の疾患を診断する口腔疾患診断システムとして機能させるための口腔疾患診断プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記ユーザの口腔内の部分を撮像した部分画像を複数取得する取得機能と、
前記部分画像において反射が生じている領域である反射部分の除去または前記反射部分を含まない部分画像の抽出により、前記反射部分を含まない部分画像を取得する除去機能と、
前記除去機能により取得された部分画像を含む複数の部分画像を合成して前記口腔内写真を生成する生成機能と、
前記生成機能により生成された前記口腔内写真を出力する出力機能と、
前記口腔内写真に表された所定の判定対象領域の画像の特徴に基づいて、口腔内における所定の疾患の有無及び状態を判定する判定機能と、を実現させ、
前記出力機能は、口腔内における所定の疾患に関する判定の結果を、前記ユーザとは異なる医師の第2の端末において出力させ、前記第2の端末に対して入力された、前記ユーザの受診の要否に関する受診要否情報を、前記ユーザの第1の端末において出力させる、
口腔疾患診断プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔疾患診断システム及び口腔疾患診断プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
口腔内の画像に基づいて、齲蝕、歯周病等の疾患を診断することが行われている。疾患の診断は、例えば、医師による画像の目視及び画像解析等により行われる。疾患の診断には、口腔内写真が用いられる。口腔内写真は、口腔内の所定の領域を表した複数の画像からなる。なお、口腔内写真の一例として、所定の口腔内規格写真が用いられる場合がある。口腔内写真を構成する各画像は、口腔内の部分を表した複数の画像を重畳領域に基づいて合成する、いわゆるパノラマ画像として生成される。また、口腔内画像に基づいて、虫歯検出のために歯の表面の画像の分類をする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2014−509908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
口腔内写真に基づく疾患の診断は、診断の対象部分の色及び形状等に基づいて行われる。精度の高い診断を行うためには、口腔内写真において対象部位が正しく表されている必要がある。しかしながら、通常に撮影された口腔内の画像では、唾液により反射が発生する場合がある。このような画像において、反射が発生した箇所は、色等が実際の状態と異なって表される。反射が生じている部分を含む画像に基づいて口腔内の疾患の診断が行われると、誤診断が発生する可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、口腔内写真に基づく疾患の診断において、疾患の誤診断の可能性を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一形態に係る口腔疾患診断システムは、口腔内の所定の領域を表した複数の画像からなる口腔内写真に基づいてユーザの口腔内の疾患を診断する口腔疾患診断システムであって、ユーザの口腔内の部分を撮像した部分画像を複数取得する取得部と、部分画像において反射が生じている領域である反射部分の除去または反射部分を含まない部分画像の抽出により、反射部分を含まない部分画像を取得する除去部と、除去部により取得された部分画像を含む複数の部分画像を合成して口腔内写真を生成する生成部と、生成部により生成された口腔内写真を出力する出力部と、を備え、取得部は、口腔内における同一の部分を異なる方向から撮像した複数の部分画像を取得し、除去部は、部分画像に表されている部分の射影方向を所定の方向に合わせるように複数の部分画像を変換し、口腔内における同じ部分を表す画素が互いに対応付けられるように位置合わせをして複数の部分画像を加算平均合成することにより、反射部分が除去された部分画像を取得する
また、本発明の一形態に係る口腔疾患診断システムは、口腔内の所定の領域を表した複数の画像からなる口腔内写真に基づいてユーザの口腔内の疾患を診断する口腔疾患診断システムであって、ユーザの口腔内の部分を撮像した部分画像を複数取得する取得部と、部分画像において反射が生じている領域である反射部分の除去または反射部分を含まない部分画像の抽出により、反射部分を含まない部分画像を取得する除去部と、除去部により取得された部分画像を含む複数の部分画像を合成して口腔内写真を生成する生成部と、生成部により生成された口腔内写真を出力する出力部と、を備え、口腔内写真に表された所定の判定対象領域の画像の特徴に基づいて、口腔内における所定の疾患の有無及び状態を判定する判定部と、を備え、出力部は、口腔内における所定の疾患に関する判定の結果を、ユーザとは異なる医師の第2の端末において出力させ、第2の端末に対して入力された、ユーザの受診の要否に関する受診要否情報を、ユーザの第1の端末において出力させる。
【0007】
また、本発明の一形態に係る口腔疾患診断プログラムは、コンピュータを、口腔内の所定の領域を表した複数の画像からなる口腔内写真に基づいてユーザの口腔内の疾患を診断する口腔疾患診断システムとして機能させるための口腔疾患診断プログラムであって、コンピュータに、ユーザの口腔内の部分を撮像した部分画像を複数取得する取得機能と、部分画像において反射が生じている領域である反射部分の除去または反射部分を含まない部分画像の抽出により、反射部分を含まない部分画像を取得する除去機能と、除去機能により取得された部分画像を含む複数の部分画像を合成して口腔内写真を生成する生成機能と、生成機能により生成された口腔内写真を出力する出力機能と、を実現させ、取得機能は、口腔内における同一の部分を異なる方向から撮像した複数の部分画像を取得し、除去機能は、部分画像に表されている部分の射影方向を所定の方向に合わせるように複数の部分画像を変換し、口腔内における同じ部分を表す画素が互いに対応付けられるように位置合わせをして複数の部分画像を加算平均合成することにより、反射部分が除去された部分画像を取得する
また、本発明の一形態に係る口腔疾患診断プログラムは、コンピュータを、口腔内の所定の領域を表した複数の画像からなる口腔内写真に基づいてユーザの口腔内の疾患を診断する口腔疾患診断システムとして機能させるための口腔疾患診断プログラムであって、コンピュータに、ユーザの口腔内の部分を撮像した部分画像を複数取得する取得機能と、部分画像において反射が生じている領域である反射部分の除去または反射部分を含まない部分画像の抽出により、反射部分を含まない部分画像を取得する除去機能と、除去機能により取得された部分画像を含む複数の部分画像を合成して口腔内写真を生成する生成機能と、生成機能により生成された口腔内写真を出力する出力機能と、口腔内写真に表された所定の判定対象領域の画像の特徴に基づいて、口腔内における所定の疾患の有無及び状態を判定する判定機能と、を実現させ、出力機能は、口腔内における所定の疾患に関する判定の結果を、ユーザとは異なる医師の第2の端末において出力させ、第2の端末に対して入力された、ユーザの受診の要否に関する受診要否情報を、ユーザの第1の端末において出力させる。
【0008】
上記の形態によれば、反射部分が含まない部分画像に基づいて口腔内写真が生成される。このように生成された口腔内写真に基づいて口腔疾患が診断されることにより、疾患の誤診断の可能性を低減できる。
さらに、上記形態によれば、同一の部分を異なる方向から撮像した複数の部分画像が取得される。このように取得された複数の部分画像においては、一つの部分画像において特定の箇所に反射が生じていたとしても、他の部分画像においては、反射箇所及び反射状態が異なる可能性が高い。ある部分の射影方向が所定の方向に揃えられるように変換された複数の部分画像が、位置合わせされた上で加算平均合成されるので、反射部分が除去された部分画像を得ることが可能となる。
さらに、上記形態によれば、反射部分を含まない口腔内写真に基づいて、疾患の判定が実施されるので、誤診断の可能性が低い診断の実施が可能となる。
さらに、上記形態によれば、疾患の判定の結果が医師の端末において出力されるので、医師に対してユーザの口腔内の疾患の状態を容易に通知できる。さらに、通知された診断の結果に応じて医師により入力された、ユーザの受診の要否に関する情報をユーザに通知できるので、ユーザに適切な診断を受けさせることが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
口腔内写真に基づく疾患の診断において、疾患の誤診断の可能性を低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る口腔疾患診断システムの装置構成を示す図である。
図2】本実施形態の口腔疾患診断装置の機能的構成を示すブロック図である。
図3】口腔疾患診断装置のハードブロック図である。
図4】ユーザの端末の機能的構成を示す図である。
図5】医師の端末の機能的構成を示す図である。
図6】部分画像及び複数の部分画像に基づいて合成されたパノラマ画像の例を示す図である。
図7】反射部分を含む複数の部分画像及び反射部分が除去された部分画像の例を模式的に示す図である。
図8】除去部による反射部分の除去の処理内容を示すフローチャートである。
図9】生成部により生成される口腔内写真の例を示す図である。
図10】判定部による歯周病の判定処理のフローチャートを示す図である。
図11】歯周病進行レベルの判定の結果の情報の例を示す図であって、疾患の箇所がマークされた口腔内写真を模式的に示す図である。
図12】判定部による齲蝕の判定処理のフローチャートを示す図である。
図13】齲蝕進行レベルの判定の結果の情報の例を示す図であって、疾患の箇所がマークされた口腔内写真を模式的に示す図である。
図14】本実施形態の口腔疾患診断の処理内容の例を示すフローチャートである。
図15】ユーザの端末における処理内容の例を示すフローチャートである。
図16】医師の端末における処理内容の例を示すフローチャートである。
図17】口腔疾患診断プログラムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る口腔疾患診断システムの実施形態について図面を参照して説明する。なお、可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る口腔疾患診断システムの装置構成を示す図である。口腔疾患診断システム1は、口腔内の所定の領域を表した複数の画像からなる口腔内写真に基づいてユーザの口腔内の疾患を診断するシステムである。図1に示す口腔疾患診断システム1は、口腔疾患診断装置10並びにユーザの端末20及び医師の端末30を含み、口腔疾患診断装置10及び端末20,30は、ネットワークNを介して互いに通信可能である。
【0013】
口腔疾患診断装置10は、例えば、サーバ等のコンピュータにより構成されるが、口腔疾患診断装置10を構成する装置は限定されない。端末20,30は、例えば、据置型又は携帯型のパーソナルコンピュータ、高機能携帯電話機(スマートフォン)等により構成されるが、端末20,30を構成する装置は限定されず、例えば携帯電話機、携帯情報端末(PDA)などの携帯端末でもよい。なお、図1では、例として各1台の端末20及び端末30が示されているが、その数はこれに限定されない。
【0014】
図2は、本実施形態に係る口腔疾患診断装置10の機能的構成を示す図である。本実施形態の口腔疾患診断装置10は、口腔内写真に基づいてユーザの口腔内の疾患を診断する装置である。口腔内写真は、口腔内の齲蝕、歯周病等の疾患を診断するために取得される口腔内を撮像した写真である。口腔内写真は、口腔内の所定の領域を表した複数の画像からなる。
【0015】
図2に示すように、口腔疾患診断装置10は、機能的には、取得部11、除去部12、生成部13、判定部14及び出力部15を備える。なお、本実施形態では、口腔疾患診断装置10は、図2に示すような1つの装置により構成されているが、口腔疾患診断装置10に含まれる各機能部が複数の装置に分散されて構成されてもよい。口腔疾患診断装置10の各機能部については後に詳細に説明する。
【0016】
なお、図2に示したブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0017】
例えば、本発明の一実施の形態における口腔疾患診断装置10は、コンピュータとして機能してもよい。図3は、本実施形態に係る口腔疾患診断装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。口腔疾患診断装置10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0018】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。口腔疾患診断装置10のハードウェア構成は、図2に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0019】
口腔疾患診断装置10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0020】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、図1に示した各機能部11〜15などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0021】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、口腔疾患診断装置10の各機能部11〜15は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0022】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る棚割情報生成方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0023】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0024】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0025】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0026】
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0027】
また、口腔疾患診断装置10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0028】
図4は、本実施形態のユーザの端末20の機能的構成を示す図である。図4に示すように、端末20は、画像取得部21、画像送信部22、判定結果受信部23及び判定結果提示部24を備える。また、端末20は、画像センサ25及びディスプレイ26を含む。
【0029】
画像取得部21は、画像センサ25により撮像された部分画像を取得する。部分画像は、口腔内の部分を撮像した画像である。画像センサ25は、撮像対象の画像を光学的に取得するセンサである。画像取得部21は、複数の部分画像を取得する。
【0030】
複数の部分画像は、それぞれが静止画として取得されてもよいし、動画像として取得された各フレームから抽出されたものであってもよい。このように複数の部分画像が取得されることにより、画像取得部21は、口腔内における同一の部分を異なる方向から撮像した複数の部分画像を取得できる。即ち、本実施形態では、ユーザが、端末20を用いて、自らの口腔内の画像を撮像することができる。
【0031】
画像送信部22は、画像取得部21により取得された複数の部分画像を口腔疾患診断装置10に送信する。
【0032】
判定結果受信部23は、口腔内における所定の疾患に関する判定の結果を示す情報を口腔疾患診断装置10から受信する。口腔内の疾患の判定は、画像送信部22により送信された複数の部分画像に基づいて口腔疾患診断装置10において実施される。判定の結果は、例えば、疾患の箇所がマークされた口腔内写真及び発見された疾患に関するコメント等を含む。
【0033】
判定結果提示部24は、判定結果受信部23により受診された、疾患の判定の結果を示す情報を、ユーザに対して提示する。判定結果提示部24は、例えば、疾患の判定の結果を示す情報をディスプレイ26に表示させる。
【0034】
図5は、本実施形態の医師の端末30の機能的構成を示す図である。図5に示すように、端末30は、受信部31、提示部32、受付部33及び送信部34を備える。また、端末30は、ディスプレイ35を含む。
【0035】
受信部31は、口腔内における所定の疾患に関する判定の結果を示す情報を口腔疾患診断装置10から受信する。口腔内の疾患の判定は、端末20の画像送信部22により送信された複数の部分画像に基づいて口腔疾患診断装置10において実施される。判定の結果は、例えば、疾患の箇所がマークされた口腔内写真及び発見された疾患に関するコメント等を含む。
【0036】
提示部32は、受信部31により受診された、疾患の判定の結果を示す情報を、医師に対して提示する。提示部32は、例えば、疾患の判定の結果を示す情報をディスプレイ26に表示させる。
【0037】
受付部33は、端末30に対して医師により入力された、ユーザの受診の要否に関する情報を受け付ける。具体的には、医師は、提示部32により提示された疾患の判定の結果を参照して、判定の結果に係るユーザの受診の要否を検討及び判断する。医師は、ユーザに受診を促すための、受診の要否に関する情報を端末30に入力する。受付部33は、このように入力された、受診の要否に関する情報を受け付ける。
【0038】
送信部34は、ユーザの受診の要否に関する情報を送信する。具体的には、送信部34は、受診の要否に関する情報をユーザの端末20に送信して、送信した情報を端末20において、例えばディスプレイに表示させる等により出力させる。また、送信部34は、受診の要否に関する情報を、口腔疾患診断装置10を介して端末20に送信してもよい。この場合には、口腔疾患診断装置10の出力部15が、送信部34からの受診の要否に関する情報を端末20に転送し、受診の要否に関する情報を端末20において出力させる。
【0039】
続いて、口腔疾患診断装置10の各機能部について説明する。取得部11は、ユーザの口腔内の部分を撮像した部分画像を複数取得する。具体的には、取得部11は、端末20の画像センサ25により撮像された部分画像を取得する。
【0040】
図6は、部分画像及び複数の部分画像に基づいて合成されたパノラマ画像の例を示す図である。図6に示すように、取得部11は、例えば、歯列の正面右側の部分画像A01、正面中央の部分画像A02及び正面左側の部分画像A03を取得する。これらの部分画像は、それぞれが静止画として取得されてもよいし、動画像として取得された各フレームから抽出されたものであってもよい。
【0041】
後述するように、本実施形態では、各部分画像A01〜A03における口腔内の同じ部分が表された重畳領域に基づいて、複数の部分画像A01〜A03を合成することにより、パノラマ画像Bが生成される。図6に示すパノラマ画像Bは、口腔内写真における正面画像を構成する。部分画像の重畳領域に基づくパノラマ画像の合成には、種々の周知技術を適用できる。
【0042】
除去部12は、部分画像において反射が生じている領域である反射部分の除去または反射部分を含まない部分画像の抽出により、反射部分を含まない部分画像を取得する。口腔内を撮像した画像では、口腔内に存在する唾液に起因して反射が生じる場合がある。疾患の診断を高精度に実施するためには、口腔内写真において口腔内の状態が正しく表されている必要があるところ、反射が発生した箇所の画像は、色等が実際の状態と異なって表される。本実施形態では、反射部分を含まない部分画像が取得されることにより、高精度の診断を実現させる。
【0043】
具体的には、除去部12は、取得部11により取得された部分画像から反射部分を含まない部分画像を抽出できる。除去部12は、周知の画像解析技術により反射部分を含まない部分画像を抽出する。例えば、除去部12は、反射部分の特有の画像的特徴(例えば、所定値以上の明度を有すること等)を有さない部分画像を、反射部分を含まない部分が負うとして抽出する。また、除去部12は、その他の種々の周知技術により、反射部分を含まない部分画像を抽出できる。
【0044】
また、具体的には、除去部12は、部分画像において反射が生じている領域である反射部分を除去することにより、反射部分を含まない部分画像を取得できる。さらに具体的には、除去部12は、部分画像に表されている部分の射影方向を所定の方向に合わせるように複数の部分画像を変換し、口腔内における同じ部分を表す画素が互いに対応付けられるように位置合わせをして複数の部分画像を加算平均合成することにより、反射部分が除去された部分画像を取得する。
【0045】
図7及び図8を参照して、除去部12による反射部分の除去の処理を詳細に説明する。図7は、反射部分を含む複数の部分画像及び反射部分が除去された部分画像の例を模式的に示す図である。図8は、除去部12による反射部分の除去の処理内容を示すフローチャートである。
【0046】
ステップS31において、除去部12は、一の部分画像を取得する。図7に示す例においては、除去部12は、部分画像A11を取得する。部分画像A11には、反射部分rf1が含まれている。
【0047】
続いて、ステップS32において、除去部12は、部分画像に表されている部分の射影方向を所定の方向に合わせるように複数の部分画像を変換する。具体的には、除去部12は、例えば、口腔内写真を構成する各画像の規格に合うように、部分画像に対してホモグラフィ変換を実施する。ホモグラフィ変換は、周知の画像の変換技術であって、ある平面に三次元の対象物を射影して表した二次元画像を、射影変換を用いて、別の平面に射影された二次元画像を生成する技術である。除去部12は、部分画像A11に対して、口腔内写真における正面画像の規格に合うようにホモグラフィ変換を実施して、変換された部分画像A21を得る。
【0048】
ステップS33において、除去部12は、全ての部分画像の処理が完了したか否かを判定する。全ての部分画像の処理が完了したと判定された場合には、処理はステップS34に進む。一方、全ての部分画像の処理が完了したと判定されなかった場合には、処理はステップS31に進む。
【0049】
図7を参照して説明する例においては、部分画像A12,A13の処理が完了していないので、これらの部分画像A12,A13に対するステップS31,S32の処理が繰り返される。即ち、除去部12は、反射部分rf2を含む部分画像A12に対してホモグラフィ変換を実施して、部分画像A22を得る。さらに、除去部12は、反射部分rf3を含む部分画像A13に対してホモグラフィ変換を実施して、部分画像A23を得る。
【0050】
ステップS34において、除去部12は、口腔内における同じ部分を表す画素が互いに対応付けられるように位置合わせをして複数の部分画像を加算平均合成する。図7を参照して説明する例では、除去部12は、変換された部分画像A21〜A23に対して、口腔内における同じ部分を表す画素が対応付けられるように位置合わせをして、加算平均合成する。なお、加算平均合成は、画像処理の分野において周知の技術である。
【0051】
部分画像A11〜A13のそれぞれは、口腔内における同一の部分を互いに異なる方向から撮像した画像である。このため、部分画像A22及び部分画像A23では、部分画像A21における反射部分rf1の位置に、反射は生じていない。また、部分画像A21及び部分画像A23では、部分画像A22における反射部分rf2の位置に、反射は生じていない。また、部分画像A21及び部分画像A22では、部分画像A23における反射部分rf3の位置に、反射は生じていない。
【0052】
一の部分画像のある部分において反射が生じていても、当該部分に反射が生じていない複数の他の部分画像と当該一の部分画像とを加算平均合成することにより、反射が除去された合成画像を得ることができる。図7を参照して説明する例においては、除去部12は、部分画像A21〜A23を位置合わせして加算平均合成することにより、反射部分が除去された部分画像C1を取得できる。
【0053】
再び図2を参照して、生成部13は、除去部12により取得された部分画像を含む複数の部分画像を合成して口腔内写真を生成する。具体的には、生成部13は、図6に示したように、口腔内の同じ部分が表された重畳領域に基づいて部分画像を合成してパノラマ画像を生成することにより、口腔内写真の規格に従った複数の画像を生成する。口腔内写真の生成に用いられる部分画像は、除去部12により反射部分が除去された部分画像及び除去部12により抽出された反射部分を含まない部分画像を含む。部分画像の合成による口腔内写真の生成には、いわゆるパノラマ画像の生成に関する周知の手法を適用することができる。
【0054】
具体的には、生成部13は、取得した複数の部分画像の向き及び配列を調整する。続いて、生成部13は、口腔内の同じ部分が表された重畳領域に基づいて、互いに隣接する部分画像を重畳合成することにより、一のパノラマ画像を生成する。一のパノラマ画像は、口腔内写真を構成する複数の画像のうちの一つを構成する。
【0055】
図9は、生成部13により生成される口腔内写真の例を示す図である。口腔内写真MPは、口腔内の所定の領域を表した複数の画像からなる。本実施形態の口腔内写真は、例えば、いわゆる口腔内規格写真である。口腔内規格写真の撮影法には、構成する画像の数及び各画像の撮像部分に応じて、5枚撮影法、9枚撮影法、12枚撮影法及び14枚撮影法等がある。本実施形態では、5枚撮影法の例で説明する。図9は、5枚撮影法により撮影された口腔内写真MPであり、口蓋側画像mp1、右側画像mp2、正面画像mp3、左側画像mp4及び舌側画像mp5を含む。
【0056】
判定部14は、口腔内写真に表された所定の判定対象領域の画像の特徴に基づいて、口腔内における所定の疾患の有無及び状態を判定する。具体的には、判定部14は、口腔内写真から歯茎が表された歯茎領域及び歯が表された歯領域の少なくとも一つを抽出し、歯茎領域及び歯領域の少なくとも一つの画像の特徴に基づいて歯周病の有無及び状態を判定する。歯周病の判定について、図10及び図11を参照して説明する。図10は、判定部14による歯周病の判定処理のフローチャートを示す図である。
【0057】
ステップS41において、判定部14は、生成部13により生成された口腔内写真から、歯茎が表された歯茎領域及び歯が表された歯領域の少なくとも一つを抽出する。
【0058】
ステップS42において、判定部14は、歯茎領域から歯周病の判定に関する特徴Aを抽出する。歯周病の進行に伴い、歯肉が赤くなる、歯肉が腫れる、及び、歯肉のスティップリングが消失するといった症状が現れることに鑑みて、特徴Aは、例えば、歯茎の色、形状及び表面状態の情報を含む。また、判定部14は、歯領域から歯周病の判定に関する特徴Bを抽出する。歯周病の進行に伴い、歯肉の後退に起因して歯の長さが長く見えるようになることに鑑みて、特徴Bは、例えば、歯の面積の情報を含む。
【0059】
特徴A及び特徴Bは、ニューラルネットワークを含む歯周病判定モデルに入力される情報である。歯周病判定モデルは、学習用の特徴A及び特徴Bのデータを入力値として、歯周病の進行レベルを判定するモデルであって、事前に機械学習により構築される。歯周病判定モデルに含まれるニューラルネットワークは、特徴A及び特徴Bを入力して得られる歯周病進行レベルの判定値に基づいて誤差計算(誤差逆伝搬)を含む機械学習を行うことにより生成される。誤差計算には、種々の損失関数を適用できる。
【0060】
ステップS43において、判定部14は、ステップS42において抽出された特徴A及び特徴Bを歯周病判定モデルに入力する。なお、歯周病判定モデルに基づく歯周病進行レベルの判定は、特徴A及び特徴Bのいずれか一方に基づき構築されたモデルに基づいて、特徴A及び特徴Bのいずれか一方をモデルに入力することにより行われてもよい。
【0061】
ステップS44において、判定部14は、歯周病判定モデルの出力に基づいて、歯周病進行レベルを判定する。図11は、歯周病進行レベルの判定の結果の情報の例を示す図であって、疾患の箇所がマークされた口腔内写真を模式的に示す図である。図11に示すように、判定部14により出力された口腔内写真MP1は、複数の画像mp11〜mp15を含む。画像mp12は、疾患箇所のマークD11を含む。疾患箇所のマークD11に関連付けられて、当該箇所の歯周病の進行レベルの情報が例えばテキスト等により出力されてもよい。また、画像mp13は、疾患箇所のマークD12及びマークD13を含む。また、画像mp14は、疾患箇所のマークD14を含む。
【0062】
また、判定部14は、口腔内写真から歯が表された歯領域を抽出し、歯領域の画像の特徴に基づいて齲蝕の有無及び状態を判定する。齲蝕の判定について、図12及び図13を参照して説明する。図12は、判定部14による齲蝕の判定処理のフローチャートを示す図である。
【0063】
ステップS51において、判定部14は、生成部13により生成された口腔内写真から、歯が表された歯が表された歯領域を抽出する。
【0064】
ステップS52において、判定部14は、歯領域から齲蝕の判定に関する特徴Cを抽出する。齲蝕の進行に伴い、歯の色が黒くなることに鑑みて、特徴Cは、例えば、歯の色の情報を含む。
【0065】
特徴Cは、ニューラルネットワークを含む齲蝕判定モデルに入力される情報である。齲蝕判定モデルは、学習用の特徴Cのデータを入力値として、齲蝕の進行レベルを判定するモデルであって、事前に機械学習により構築される。齲蝕判定モデルに含まれるニューラルネットワークは、特徴Cを入力して得られる齲蝕進行レベルの判定値に基づいて誤差計算(誤差逆伝搬)を含む機械学習を行うことにより生成される。誤差計算には、種々の損失関数を適用できる。
【0066】
ステップS53において、判定部14は、ステップS52において抽出された特徴Cを齲蝕判定モデルに入力する。
【0067】
ステップS54において、判定部14は、齲蝕判定モデルの出力に基づいて、齲蝕進行レベルを判定する。図13は、齲蝕進行レベルの判定の結果の情報の例を示す図であって、疾患の箇所がマークされた口腔内写真を模式的に示す図である。図13に示すように、判定部14により出力された口腔内写真MP2は、複数の画像mp21〜mp25を含む。
【0068】
画像mp21は、疾患箇所のマークD21,D22を含む。疾患箇所のマークD21,D22に関連付けられて、当該箇所の齲蝕の進行レベルの情報が例えばテキスト等により出力されてもよい。また、画像mp22は、疾患箇所のマークD23を含む。また、画像mp23は、疾患箇所のマークD24を含む。また、画像mp24は、疾患箇所のマークD25を含む。また、画像mp25は、疾患箇所のマークD26を含む。
【0069】
再び図2を参照して、出力部15は、生成部13により生成された口腔内写真を出力する。具体的には、出力部15は、生成された口腔内写真をユーザの端末20のディスプレイに表示させる。出力部15は、生成された口腔内写真を医師の端末30のディスプレイに表示させる。また、出力部15は、例えば、生成された口腔内写真のデータを所定の記憶手段に記憶させる。
【0070】
また、出力部15は、口腔内における所定の疾患に関する判定の結果をユーザの端末20において出力させる。具体的には、出力部15は、生成部13により生成された口腔内写真に併せて、判定部14により判定された歯周病及び/または齲蝕の状態に関する情報を、ユーザの端末20に出力させる。
【0071】
また、出力部15は、口腔内における所定の疾患に関する判定の結果を医師の端末30において出力させる。具体的には、出力部15は、生成部13により生成された口腔内写真に併せて、判定部14により判定された歯周病及び/または齲蝕の状態に関する情報を、医師の端末30に出力させる。さらに、出力部15は、医師の端末30において入力された、ユーザの受診の要否に関する受診要否情報を、ユーザの端末20において出力させてもよい。
【0072】
次に、図14を参照して、口腔疾患診断システム1及び口腔疾患診断装置10における口腔疾患診断方法について説明する。図14は、本実施形態の口腔疾患診断の処理内容の例を示すフローチャートである。
【0073】
ステップS1において、取得部11は、ユーザの口腔内の部分を撮像した部分画像を複数取得する。ステップS2において、除去部12は、部分画像において唾液により反射が生じている領域である反射部分を除去する除去処理(図8参照)を実施する。また、ステップS2の処理は、ステップS1において取得された部分画像から、反射部分を含まない部分画像を抽出する処理を含んでもよい。
【0074】
ステップS3において、生成部13は、ステップS2において得られた、反射部分を含まない部分画像を含む複数の部分画像を合成して口腔内写真を生成する。ステップS4において、判定部14は、口腔内写真に表された所定の判定対象領域の画像の特徴に基づいて、口腔内における所定の疾患の有無及び状態を判定する疾患判定処理(図10及び図12参照)を実施する。
【0075】
ステップS5において、判定部14は、ステップS4における疾患判定処理において、疾患があることが判定されたか否かを判定する。疾患があることが判定された場合には、処理はステップS6に進む。一方、疾患があることが判定されなかった場合には、処理はステップS7に進む。
【0076】
ステップS6において、判定部14は、口腔内写真における疾患の箇所にマークを付す(図11及び図13参照)。ステップS7において、出力部15は、生成部13により生成された口腔内写真に併せて、ステップS4において判定部14により判定された歯周病及び/または齲蝕の状態に関する情報を、ユーザの端末20及び/または医師の端末30に出力させる。
【0077】
次に、図15を参照して、口腔疾患診断システム1のユーザの端末20における処理を説明する。図15は、ユーザの端末20における処理内容の例を示すフローチャートである。
【0078】
ステップS11において、画像センサ25は複数の部分画像を撮像する。そして、画像取得部21は、画像センサ25により撮像された複数の部分画像を取得する。
【0079】
ステップS12において、画像送信部22は、ステップS11において画像取得部21により取得された複数の部分画像を口腔疾患診断装置10に送信する。
【0080】
ステップS13において、判定結果受信部23は、口腔内における所定の疾患に関する判定の結果を示す情報を口腔疾患診断装置10から受信する。判定の結果を示す情報は、例えば、疾患の箇所がマークされた口腔内写真及び発見された疾患に関するコメント等を含む。
【0081】
ステップS14において、判定結果提示部24は、ステップS13において判定結果受信部23により受診された、疾患の判定の結果を示す情報を、ユーザに対して提示する。判定結果提示部24は、例えば、疾患の判定の結果を示す情報をディスプレイ26に表示させる。
【0082】
次に、図16を参照して、口腔疾患診断システム1の医師の端末30における処理を説明する。図16は、医師の端末30における処理内容の例を示すフローチャートである。
【0083】
ステップS21において、受信部31は、口腔内における所定の疾患に関する判定の結果を示す情報を口腔疾患診断装置10から受信する。判定の結果を示す情報は、疾患の箇所がマークされた口腔内写真及び発見された疾患に関するコメント等を含んでもよい。
【0084】
ステップS22において、提示部32は、ステップS21において受信部31により受診された、疾患の判定の結果を示す情報を、医師に対して提示する。提示部32は、例えば、疾患の判定の結果を示す情報をディスプレイ26に表示させる。
【0085】
ステップS23において、受付部33は、端末30に対して医師により入力された、ユーザの受診の要否に関する受診要否情報を受け付ける。
【0086】
ステップS24において、送信部34は、ステップS23において受け付けられたユーザの受診要否情報をユーザの端末20に送信する。また、送信部34は、受診要否情報を、口腔疾患診断装置10を介して端末20に送信してもよい。
【0087】
次に、コンピュータを、本実施形態の口腔疾患診断装置10として機能させるための口腔疾患診断プログラムについて説明する。図17は、口腔疾患診断プログラムP1の構成を示す図である。
【0088】
口腔疾患診断プログラムP1は、口腔疾患診断装置10における口腔疾患診断処理を統括的に制御するメインモジュールm10、取得モジュールm11、除去モジュールm12、生成モジュールm13、判定モジュールm14及び出力モジュールm15を備えて構成される。そして、各モジュールm11〜m15により、口腔疾患診断装置10における取得部11、除去部12、生成部13、判定部14及び出力部15のための各機能が実現される。なお、口腔疾患診断プログラムP1は、通信回線等の伝送媒体を介して伝送される態様であってもよいし、図9に示されるように、記録媒体M1に記憶される態様であってもよい。
【0089】
以上説明した本実施形態の口腔疾患診断システム1、口腔疾患診断装置10、口腔疾患診断方法及び口腔疾患診断プログラムP1では、反射部分が除去された部分画像に基づいて口腔内写真が生成される。このように生成された口腔内写真に基づいて口腔疾患が診断されることにより、疾患の誤診断の可能性を低減できる。
【0090】
また、別の形態に係る口腔疾患診断システムでは、除去部は、部分画像における反射部分を除去することとしてもよい。
【0091】
上記形態によれば、取得された部分画像に基づいて、反射部分を含まない部分画像を得ることが可能となる。
【0092】
また、別の形態に係る口腔疾患診断システムでは、取得部は、口腔内における同一の部分を異なる方向から撮像した複数の部分画像を取得し、除去部は、部分画像に表されている部分の射影方向を所定の方向に合わせるように複数の部分画像を変換し、口腔内における同じ部分を表す画素が互いに対応付けられるように位置合わせをして複数の部分画像を加算平均合成することにより、反射部分が除去された部分画像を取得することとしてもよい。
【0093】
上記形態によれば、同一の部分を異なる方向から撮像した複数の部分画像が取得される。このように取得された複数の部分画像においては、一つの部分画像において特定の箇所に反射が生じていたとしても、他の部分画像においては、反射箇所及び反射状態が異なる可能性が高い。ある部分の射影方向が所定の方向に揃えられるように変換された複数の部分画像が、位置合わせされた上で加算平均合成されるので、反射部分が除去された部分画像を得ることが可能となる。
【0094】
また、別の形態に係る口腔疾患診断システムは、口腔内写真に表された所定の判定対象領域の画像の特徴に基づいて、口腔内における所定の疾患の有無及び状態を判定する判定部をさらに備えることとしてもよい。
【0095】
上記形態によれば、反射部分を含まない口腔内写真に基づいて、疾患の判定が実施されるので、誤診断の可能性が低い診断の実施が可能となる。
【0096】
また、別の形態に係る口腔疾患診断システムでは、判定部は、口腔内写真から歯茎が表された歯茎領域及び歯が表された歯領域の少なくとも一つを抽出し、歯茎領域及び歯領域の少なくとも一つの画像の特徴に基づいて歯周病の有無及び状態を判定することとしてもよい。
【0097】
上記形態によれば、判定対象領域として抽出された歯茎領域及び歯領域の少なくとも一つの画像の所定の特徴に基づいて疾患の判定が行われるので、歯周病に関する診断が適切に実施される。
【0098】
また、別の形態に係る口腔疾患診断システムでは、判定部は、口腔内写真から歯が表された歯領域を抽出し、歯領域の画像の特徴に基づいて齲蝕の有無及び状態を判定することとしてもよい。
【0099】
上記形態によれば、判定対象領域として抽出された歯領域の画像の所定の特徴に基づいて疾患の判定が行われるので、齲蝕に関する診断が適切に実施される。
【0100】
また、別の形態に係る口腔疾患診断システムでは、出力部は、口腔内における所定の疾患に関する判定の結果を、ユーザの第1の端末において出力させることとしてもよい。
【0101】
上記形態によれば、疾患の判定の結果がユーザの端末において出力されるので、ユーザに対して、ユーザ自身の口腔内の疾患の状態を容易に通知できる。
【0102】
また、別の形態に係る口腔疾患診断システムでは、出力部は、口腔内における所定の疾患に関する判定の結果を、ユーザとは異なる医師の第2の端末において出力させ、第2の端末に対して入力された、ユーザの受診の要否に関する受診要否情報を、ユーザの第1の端末において出力させることとしてもよい。
【0103】
上記形態によれば、疾患の判定の結果が医師の端末において出力されるので、医師に対してユーザの口腔内の疾患の状態を容易に通知できる。さらに、通知された診断の結果に応じて医師により入力された、ユーザの受診の要否に関する情報をユーザに通知できるので、ユーザに適切な診断を受けさせることが可能となる。
【0104】
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0105】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0106】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0107】
情報等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0108】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0109】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0110】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0111】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0112】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0113】
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0114】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0115】
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0116】
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。
【0117】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0118】
本明細書で「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した場合においては、その要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0119】
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0120】
本明細書において、文脈または技術的に明らかに1つのみしか存在しない装置である場合以外は、複数の装置をも含むものとする。
【0121】
本開示の全体において、文脈から明らかに単数を示したものではなければ、複数のものを含むものとする。
【符号の説明】
【0122】
1…口腔疾患診断システム、10…口腔疾患診断装置、11…取得部、12…除去部、13…生成部、14…判定部、15…出力部、20,30…端末、21…画像取得部、22…画像送信部、23…判定結果受信部、24…判定結果提示部、25…画像センサ、26…ディスプレイ、31…受信部、32…提示部、33…受付部、34…送信部、35…ディスプレイ、M1…記録媒体、m10…メインモジュール、m11…取得モジュール、m12…除去モジュール、m13…生成モジュール、m14…判定モジュール、m15…出力モジュール、P1…口腔疾患診断プログラム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17