特許第6938411号(P6938411)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6938411
(24)【登録日】2021年9月3日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01D 41/12 20060101AFI20210909BHJP
   B60K 11/04 20060101ALI20210909BHJP
【FI】
   A01D41/12 R
   B60K11/04 A
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-56170(P2018-56170)
(22)【出願日】2018年3月23日
(65)【公開番号】特開2019-165673(P2019-165673A)
(43)【公開日】2019年10月3日
【審査請求日】2020年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 桂輔
【審査官】 竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−210254(JP,A)
【文献】 特開2017−216975(JP,A)
【文献】 特開2009−013794(JP,A)
【文献】 特開2012−130324(JP,A)
【文献】 特開2010−047049(JP,A)
【文献】 特開2011−137378(JP,A)
【文献】 特開平10−220232(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0038775(US,A1)
【文献】 特開2004−060606(JP,A)
【文献】 特開2017−200469(JP,A)
【文献】 特開2001−003746(JP,A)
【文献】 特開2016−193626(JP,A)
【文献】 特開2001−348909(JP,A)
【文献】 特開2006−160047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 41/00 − 47/00
B60K 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
前記エンジンの冷却水を冷却するラジエータと、
前記ラジエータを冷却する冷却ファンと、
前記ラジエータと並んで配されるオイルクーラと、を備え、
前記オイルクーラは、第1オイルクーラ及び第2オイルクーラを含み、
前記オイルクーラを支持する支持フレームは、前記第1オイルクーラを両側から支持する縦フレームと、前記縦フレームを連結して前記第2オイルクーラを支持する横フレームと、を有し、
前記第2オイルクーラは、前記第1オイルクーラ及び前記縦フレームに対して間隙を有して配される、コンバイン。
【請求項2】
前記オイルクーラは、前記ラジエータを挟んで前記冷却ファンの反対側に配され、
前記オイルクーラは、前記ラジエータを支持するラジエータフレームに対し、上端側又は下端側を回動支点として回動する上開き又は下開き可能に構成される、請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記ラジエータを挟んで前記冷却ファンの反対側にインタークーラが配され、
前記オイルクーラは、前記ラジエータフレームに対し下開き可能に構成され、前記インタークーラは、前記ラジエータフレームに対し上開き可能に構成されている、請求項1または2に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記インタークーラと前記支持フレームとは間隙を有して配される、請求項3に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記第1オイルクーラ及び前記第2オイルクーラの一方は、トランスミッション用のオイルクーラであり、他方は、作業機用のオイルクーラである、請求項1から4の何れか1項に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば下記特許文献1に開示されたコンバインでは、ラジエータの冷却ファンの側方に複数のクーラ類(オイルクーラやインタークーラ)を密集配置している。冷却ファンは、外気を吸引することで冷却風を発生させるため、クーラ類には塵埃が付着しやすい。よって、塵埃等を取り除く定期的なメンテナンス作業が必要であり、容易にメンテナンスできるコンバインが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−200469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、クーラ類を容易にメンテナンスできるコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るコンバインは、エンジンと、
前記エンジンの冷却水を冷却するラジエータと、
前記ラジエータを冷却する冷却ファンと、
前記ラジエータを挟んで前記冷却ファンの反対側に配されるオイルクーラ及びインタークーラと、を備え、
前記オイルクーラは、前記ラジエータを支持するラジエータフレームに対し、上端側又は下端側を回動支点として回動する上開き又は下開き可能に構成されるものである。
【0006】
オイルクーラは、ラジエータフレームに対して上開き又は下開き可能に構成されているため、オイルクーラを開いた状態にて清掃することができ、オイルクーラを容易にメンテナンスできる。
【0007】
本発明において、前記オイルクーラは、前記ラジエータフレームに対し下開き可能に構成され、前記インタークーラは、前記ラジエータフレームに対し上開き可能に構成されているものでもよい。
【0008】
通常、オイルクーラはインタークーラよりも重いため、上方に持ち上げる上開きではなく下開きにすることでオイルクーラをメンテナンスしやすくなる。また、オイルクーラを下開きとし、インタークーラを上開きとすることで、一方のクーラを清掃する際に除去した塵埃が他方のクーラに付着することを防止できる。
【0009】
本発明において、前記オイルクーラ及び前記インタークーラの一方を支持する支持フレームをさらに備え、
前記オイルクーラ及び前記インタークーラの他方と前記支持フレームとは間隙を有して配されるものでもよい。
【0010】
この構成によれば、間隙を介して外気が直接ラジエータに供給されるため、ラジエータを適切に冷却できる。
【0011】
本発明において、前記オイルクーラは、第1オイルクーラ及び第2オイルクーラを含み、
前記支持フレームは、前記第1オイルクーラを両側から支持する縦フレームと、前記縦フレームを連結して前記第2オイルクーラを支持する横フレームと、を有し、
前記第2オイルクーラは、前記第1オイルクーラ及び前記縦フレームに対して間隙を有して配され、
前記第1オイルクーラ及び前記第2オイルクーラの一方は、トランスミッション用のオイルクーラであり、他方は、作業機用のオイルクーラであるものでもよい。
【0012】
この構成によれば、第1及び第2オイルクーラ同士、及び第2オイルクーラと支持フレーム(縦フレーム)との間にも間隙を設けることで、より多くの外気が直接ラジエータに供給されるため、ラジエータを適切に冷却できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】コンバインの左側面図
図2】コンバインの右側面図
図3】コンバインの平面図
図4】エンジンルームの右側面図
図5】エンジンルームの斜視図
図6】オイルクーラの右側面図
図7】オイルクーラを開いた状態の斜視図
図8】インタークーラを開いた状態の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るコンバインの一例について説明する。
【0015】
[コンバインの全体構造]
図1〜3は、それぞれ、本実施形態のコンバイン100の左側面、右側面、及び平面を示す。図中には、コンバイン100の前後方向、左右方向、及び、上下方向を矢印で示している。コンバイン100は、走行装置1と、刈取装置2と、脱穀装置3と、選別装置4と、貯留装置5と、動力装置6とを備える。
【0016】
走行装置1は、機体フレーム10の下方に設けられている。走行装置1は、トランスミッション11と、左右一対に設けられたクローラ装置12とを有する。トランスミッション11は、機体フレーム10に搭載されたエンジン61の動力をクローラ装置12に伝達する。クローラ装置12は、コンバイン100を前後方向に走行させたり、コンバイン100を左右方向に旋回させたりする。
【0017】
刈取装置2は、走行装置1の前方に設けられている。刈取装置2は、リール21と、カッター(刈刃)22と、オーガ(横送りスクリュー)23と、フィーダ24とを備える。リール21は、回転することによって圃場の穀稈をカッター22へ案内する。カッター22は、リール21によって案内された穀稈を切断する。オーガ23は、カッター22によって切断された穀稈を所定の位置に集合させる。フィーダ24は、刈取装置2で刈り取った穀稈をフィーダハウス25を介して脱穀装置3に供給する。フィーダハウス25には、オーガ23によって集合させた穀稈をロータまで搬送する搬送コンベアが内蔵されている。
【0018】
脱穀装置3は、刈取装置2の後方に設けられている。脱穀装置3は、扱胴と、受網と、フロントロータとを備える。扱胴は、回転することによって穀稈を脱穀する。また、扱胴は、回転することによって穀稈を搬送する。受網は、扱胴によって搬送される穀稈を支持するとともに、脱穀物を選別装置4へ落下させる。フロントロータは、フィーダ24が搬送してきた穀稈を脱穀装置3へ送り込む。また、フロントロータは、穀稈を搬送するだけでなく、予備的な脱穀(プレ脱穀)を行う機能も有する。
【0019】
選別装置4は、脱穀装置3の下方に設けられている。選別装置4は、揺動装置と、送風装置(唐箕)とを備える。揺動装置は、脱穀物をふるいにかけて穀粒を選別する。揺動装置で選別された穀粒は、穀粒搬送装置により搬送され、投入口を介してグレンタンク51に投入される。送風装置は、脱穀物に含まれる藁屑などの夾雑物を吹き飛ばすことによって穀粒の選別を補助する。藁屑などの夾雑物は、選別装置4の後方に設けられた排稈口(不図示)から外部へ排出される。
【0020】
貯留装置5は、脱穀装置3及び選別装置4の右側方に設けられている。従って、脱穀装置3及び選別装置4と、貯留装置5とは、機体フレーム10の上方で左右に並列配置される。貯留装置5は、グレンタンク51を備える。グレンタンク51は、選別装置4から搬送されてきた穀粒を貯留する。排出オーガ52は、グレンタンク51内の穀粒を排出する際に用いられる。排出オーガ52は、穀粒の排出作業を行う際に上下左右方向に回動され、穀粒を任意の場所に排出できるように構成されている。
【0021】
運転部13は、グレンタンク51の前方で機体フレーム10の右側前部に設けられている。運転部13には、オペレータが着席する運転座席14や、その運転座席14の前方に配置された操向ハンドル15が設置され、それらの周囲に変速レバーやクラッチレバー、スイッチ類など種々の操作具が配置されている。
【0022】
動力装置6は、運転部13の下方で且つ貯留装置5の前方に設けられている。動力装置6は、エンジンルーム60内に収容されるエンジン61と、エンジンルーム60の右側方の開口部を覆うエンジンルームカバー60aとを備えている。本実施形態のエンジン61は、ディーゼルエンジンであり、燃料を燃焼させて得た熱エネルギーを運動エネルギーに変換する。より具体的に説明すると、エンジン61は、燃料を燃焼させて得た熱エネルギーを、走行装置1など各部を駆動する動力に変換する。
【0023】
エンジンルームカバー60aは、図2のように略五角形状をしている。エンジンルームカバー60aは、後端側に設けた上下方向の軸を中心に前後方向に開閉自在としている。
【0024】
[エンジンルーム内の構成]
図4及び図5は、エンジンルームカバー60aを外した状態のエンジンルーム60の右側面図及び斜視図である。
【0025】
エンジンルーム60には、運転部13の下方に配置されたエンジン61と、エンジン61により回転駆動される冷却ファン62と、エンジン61の冷却水を冷却するラジエータ63と、ラジエータ63を挟んで冷却ファン62の反対側に配されるオイルクーラ64及びインタークーラ65と、が備えられている。
【0026】
冷却ファン62は、エンジン61を駆動源として回転することで、外気を吸引する。冷却ファン62が外気を吸引することで発生した冷却風は、オイルクーラ64及びインタークーラ65、ラジエータ63を介してエンジン61に向かって流れる。冷却ファン62は、エンジンルーム60の前後方向中央部よりも前側に配置されている(図4を参照)。
【0027】
ラジエータ63は、冷却ファン62の外側、具体的には冷却ファン62の右側に設けられている。ラジエータ63は、側面視で四角枠状のラジエータフレーム631に取り付けられている。なお、ラジエータ63と冷却ファン62との間には、シュラウドが設けられている。シュラウドは、冷却ファン62が発生させた冷却風を効率的にラジエータ63に当てるための部材である。シュラウドは、ラジエータ63と同程度の大きさの箱状の部材であり、ラジエータ63側は全面が開口し、冷却ファン62側の面には、冷却ファン62の直径より僅かに大きい直径を有する吸引孔62aが形成されている。
【0028】
オイルクーラ64は、エンジンルーム60の前側に設けられている。オイルクーラ64は、トランスミッション用オイルクーラ66(第1オイルクーラに相当)及び作業機用オイルクーラ67(第2オイルクーラに相当)を含む。トランスミッション用オイルクーラ66と作業機用オイルクーラ67は、上下に並べて配置されている。作業機用オイルクーラ67の左側(エンジンルーム60の奥側)には、エンジン61に供給する燃料を冷却するための燃料クーラ68(図7を参照)が設けられている。
【0029】
冷却ファン62の周辺、具体的にはシュラウドの吸引孔62aの周辺は、冷却風の風量が多くなっている。本実施形態では、冷却ファン62の近くに、空気の圧力損失が大きいトランスミッション用オイルクーラ66を配置し、さらに側面視で重ねることで空気の圧力損失を大きくさせた作業機用オイルクーラ67及び燃料クーラ68を配置している。これにより、冷却ファン62から遠いために空気の流れが悪くなりやすい部分、具体的にはラジエータ63の後部に空気を流れやすくしている。
【0030】
図6は、オイルクーラ64の右側面図である。トランスミッション用オイルクーラ66と作業機用オイルクーラ67は、オイルクーラフレーム641(支持フレームの一例)で支持されている。オイルクーラフレーム641は、上下方向に延びる2本の縦フレーム641a,641bと、2本の縦フレーム641a,641bの上端を連結する横フレーム641cとで構成されている。縦フレーム641a,641bは、トランスミッション用オイルクーラ66を前後方向の両側から支持している。横フレーム641cは、作業機用オイルクーラ67を上方から支持している。
【0031】
トランスミッション用オイルクーラ66は、トランスミッション11と接続されている。トランスミッション用オイルクーラ66は、冷却風との熱交換によってトランスミッション用オイルを冷却する。トランスミッション用オイルクーラ66の前後方向の幅は、横フレーム641cの長さと略同じである。
【0032】
作業機用オイルクーラ67は、作業機用の油圧回路上に配置されている。作業機用オイルクーラ67は、冷却風との熱交換によって作業機用オイルを冷却する。作業機用オイルクーラ67の前後方向の幅は、横フレーム641cの長さよりも短く、作業機用オイルクーラ67は、縦フレーム641a,641bとの間に間隙S1,S2を有する。また、作業機用オイルクーラ67は、トランスミッション用オイルクーラ66との間にも間隙S3を有するように配置されている。これらの間隙を設けることで、外気が間隙S1,S2,S3を介して直接ラジエータ63に供給され、ラジエータ63を適切に冷却できる。
【0033】
作業機用オイルクーラ67の下部には、作業機用オイルを供給又は排出する第1及び第2の作業機用オイルホース67a,67bが接続されている。第1及び第2の作業機用オイルホース67a,67bは、前後方向に並べて配置されている。第1及び第2の作業機用オイルホース67a,67bは、ラジエータフレーム631の下フレーム631aを介してエンジン61側に延びている。
【0034】
オイルクーラ64は、ラジエータフレーム631に対し、下端側を回動支点として上端側が回動する下開き可能に構成されている。オイルクーラフレーム641は、ラジエータフレーム631の前フレーム631bから後方へ向かって延びる回動軸641dを中心に回動することができる。回動軸641dの前端は、前フレーム631bに固定され、後端は、下フレーム631aに設けられたブラケット631eに固定されている。回動軸641dは、オイルクーラフレーム641の縦フレーム641a,641bを貫通しており、オイルクーラフレーム641は、回動軸641dの回りを回動できる。
【0035】
図7は、オイルクーラ64を開いた開状態を示している。オイルクーラ64を開くためには、オイルクーラフレーム641の横フレーム641cをラジエータフレーム631の上フレーム631cに固定する2つの蝶ボルト642,642を外し、第1及び第2の作業機用オイルホース67a,67bをラジエータフレーム631の下フレーム631aに固定する2つのノブボルト643,643を外す。
【0036】
オイルクーラフレーム641の後側の縦フレーム641aの上端には、オイルクーラ64の開閉の際に掴むための略U字状のハンドル644が溶接固定されている。一方、縦フレーム641aの下端には、ストッパプレート645が溶接固定されている。ストッパプレート645は、略L字状に配置された側面645aと底面645bを有する。側面645aは縦フレーム641aの前面に固定されおり、底面645bは縦フレーム641aとともに回動する。図5に示す閉状態では、底面645bは、ラジエータフレーム631の下フレーム631aの上面に対して非接触で(図4を参照)、且つ傾斜している。図5に示す閉状態から図7に示す開状態となるようにオイルクーラ64を回動していくと、底面645bは、ラジエータフレーム631の下フレーム631aの上面に接触し、オイルクーラフレーム641の回動を止めることができる。
【0037】
インタークーラ65は、エンジンルーム60の後側に設けられている。インタークーラ65は、エンジン61の吸気経路上に配置されている。インタークーラ65は、過給機により加圧された高温の吸気を冷却風との熱交換によって冷却する。インタークーラ65は、上端に固定された取付プレート651によりラジエータフレーム631の上フレーム631cに取り付けられている。インタークーラ65は、オイルクーラフレーム641との間に間隙S4(図4を参照)を有する。間隙S4を設けることで、外気が間隙S4を介して直接ラジエータ63に供給され、ラジエータ63を適切に冷却できる。
【0038】
インタークーラ65の下端には、前後方向に延びる横プレート652と、横プレート652から下方に延びる把持棒653が設けられている。把持棒653は、図5に示すインタークーラ65の閉状態では、ラジエータフレーム631の下フレーム631aの上面に固定され、インタークーラ65を下方から支持する。一方、インタークーラ65を開く際には、把持棒653を持ってインタークーラ65を持ち上げることができる。
【0039】
インタークーラ65の上部には、空気を供給又は排出する第1及び第2のエアホース65a,65bが接続されている。第1及び第2のエアホース65a,65bは、前後方向に並べて配置されている。第1及び第2のエアホース65a,65bは、取付プレート651を介してエンジン61側に延びている。
【0040】
インタークーラ65は、ラジエータフレーム631に対し、上端側を回動支点として下端側が回動する上開き可能に構成されている。前述のようにインタークーラ65の上部は、取付プレート651を介してラジエータフレーム631に取り付けられているが、取付プレート651をラジエータフレーム631に固定する蝶ボルト654を外すことで、第1及び第2のエアホース65a,65bのみで上方から支持されるようになる。そのため、インタークーラ65は、第1及び第2のエアホース65a,65bが撓むことで、第1及び第2のエアホース65a,65bを回動支点として上開きすることができる。
【0041】
図8は、インタークーラ65を開いた開状態を示している。インタークーラ65を開くためには、前述の蝶ボルト654の他、横プレート652の後端をラジエータフレーム631の後フレーム631dに固定する蝶ボルト655、把持棒653の下端をラジエータフレーム631の下フレーム631aに固定する蝶ボルト656を外す。
【0042】
横プレート652の後部には、インタークーラ65を開状態に保持する支持ステー657が回動自在に支持されている。支持ステー657は、基端側が横プレート652に回動自在に支持され、先端側が回動することができる。図5に示すインタークーラ65の閉状態では、支持ステー657は、クリップ658に固定されている。一方、図8に示すインタークーラ65の開状態では、支持ステー657はクリップ658から外され、支持ステー657の先端側は、ラジエータ63側に設けられた係止突起659の下面に当接して、インタークーラ65を開状態に保持することができる。
【0043】
前述の実施形態では、オイルクーラ64を下開きとし、インタークーラ65を上開きとする例を示した。この構成によれば、一方のクーラを清掃する際に除去した塵埃が他方のクーラに付着することを防止できるため、メンテナンスがしやすくなる。ただし、オイルクーラ64とインタークーラ65の開く方向はこれに限定されず、オイルクーラ64を上開きとし、インタークーラ65を下開きとしてもよい。また、オイルクーラ64とインタークーラ65を両方とも上開き又は下開きとしてもよい。両方とも同じ方向に開くようにすることで、オイルクーラ64とインタークーラ65を開きやすくなる。
【0044】
本実施形態では普通型コンバインの例を示したが、これに限られず、本発明は自脱型コンバインであってもよい。
【0045】
本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
【符号の説明】
【0046】
6 動力装置
60 エンジンルーム
61 エンジン
62 冷却ファン
63 ラジエータ
631 ラジエータフレーム
64 オイルクーラ
641 オイルクーラフレーム
641a 縦フレーム
641b 縦フレーム
641c 横フレーム
641d 回動軸
65 インタークーラ
66 トランスミッション用オイルクーラ
67 作業機用オイルクーラ
100 コンバイン
S1 間隙
S2 間隙
S3 間隙
S4 間隙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8