【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は、本願の請求項1の特徴を有する方法、及び請求項46の特徴を有する転写膜によって達成することができる。
【0012】
そのようなセキュリティエレメントを製造する方法は、
第1キャリア膜及び単層あるいは多層の装飾層を有する基膜を提供する工程を含む、セキュリティエレメントを製造する方法であって、
活性化により接着性が増大する活性化接着剤である第1接着層を第2キャリア膜に塗布するとともに、第2接着層を前記装飾層と反対側の、前記第1キャリア膜の表面に塗布する、又は前記第2接着層を前記装飾層と反対側の、前記第1キャリア膜の表面に塗布するとともに、前記第1接着層を前記第2接着層に塗布する工程と、
前記第2キャリア膜を前記第1接着層及び前記第2接着層が前記第1キャリア膜及び前記第2キャリア膜間に位置するように、前記第1キャリア膜に塗布する工程と、
基膜の少なくとも一つの第1部分領域を少なくとも部分的に覆う第1領域において、前記第1接着層を活性化し、前記第
1領域に隣接した第2領域において、前記第1接着層を活性化しない、あるいは提供しない、又は部分的にのみ提供する、あるいは非活性化する工程と、
前記少なくとも一つの第1部分領域を画定するとともに、当該少なくとも一つの第1部分領域を前記基膜の第2部分領域から分離する境界線に沿って、前記第1キャリア膜を少なくとも部分的に切断する工程と、
前記第2部分領域を含む前記基膜の第2部分を前記第2キャリア膜から除去し、前記少なくとも一つの第1部分領域において、前記活性化した第1接着層に起因して、前記基膜を前記第2キャリア膜に接着させるとともに、前記少なくとも一つの第1部分領域を含む前記基膜の第1部分を、前記第2キャリア膜上に残存させる工程と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
接着剤は、ポリマー、例えば液体のワニス、ペースト状あるいは粉末状のコーティング材料とすることができる。接着剤は、化学工程及び/又は物理工程によって、表面上に薄く堆積させ、特に連続した膜として形成する。
【0014】
第1キャリア膜及び単層又は多層の装飾層を有
する基膜を備え、ターゲット基板上に1以上の多層構造体を転写するための転写膜、特にホットスタンプ用膜は、第1接着層及び前記装飾層と反対側の前記第1キャリア膜の表面に塗布した第2接着層を備える第2キャリア膜を有するとともに、前記第1接着層及び前記第2接着層は、前記第1キャリア膜及び前記第2キャリア膜間に配設され、
前記第1接着層は、活性化により接着性が増大する活性化接着剤であり、
前記第1接着層は、前記基膜の少なくとも一つの第1部分領域を少なくとも部分的に覆っている第1領域で活性化し、前記基膜を前記少なくとも一つの第1部分領域における第2キャリア膜に接着するとともに、前記少なくとも一つの第1部分領域に隣接した第2
部分領域において、前記第1接着層を活性化しない、あるいは提供しない、又は部分的にのみ提供する、あるいは非活性化され、
前記第1キャリア膜は、前記少なくとも一つの第1部分領域を画定するとともに、当該少なくとも一つの第1部分領域を前記基膜の第2部分領域から分離する境界線に沿って切断され、前記第2部分領域を含む前記基膜の一部が前記第2キャリア膜から除去されている。
【0015】
これによって、例えば紙幣やIDドキュメントなどのセキュリティドキュメント上に慣用の手段で転写可能なセキュリティエレメントを提供することができ、転写された多層構造体の端部領域で破損した装飾層に起因した「ほつれ」を防止することができる。また、接着剤及び装飾層の構造的特性は、転写工程の要求とは実質的に独立に選択することができ、例えば、セキュリティエレメントの偽造などと同様に、光学的特性、環境耐性なども改善することができる。特に、装飾層中の脆い、厚い、あるいは高強度の層を転写することができる。本発明の方法は、セキュリティエレメントの、ターゲット基板上での位置決め精度を改善することもできる。
【0016】
本発明において、転写膜は、一般にキャリア層あるいはキャリア膜及び転写層を有する膜を意味し、転写層は、少なくとも一つの装飾層を有し、キャリア層から分離できるものを意味する。分離は、スタンピングデバイス中で行うことができ、転写膜の少なくとも一部は、装飾すべき基板上に転写され、次いで、キャリア層が塗布された転写層から除去される。
【0017】
基膜は、転写膜及び積層膜として形成することができる。基膜を転写膜として形成する場合、特に、基膜の装飾層が基板上に転写され、次いで、第1キャリア膜が除去されて、好ましくは第2キャリア膜上に残存する。ここで、分離層を、特に好ましくは、装飾層と第1キャリア膜との間に配設する。
【0018】
基膜を積層膜として形成する場合、特に基膜の装飾層及び第1キャリア膜を基板上に転写し、次いで、第2キャリア膜を除去する。分離層は、特に好ましくは、第1キャリア膜と第2キャリア膜との間に配設する。
【0019】
また、均一な金型を用いて、異なる形状の転写膜を転写することができる。単一の金型を用いて複数の隣接かつ孤立したパッチを転写することもできる。パッチの外形は、ホットスタンプ用金型の外形と一致する必要はない。ホットスタンプ用金型は、転写すべき基膜の部分よりも大きいことが好ましい。例えば、星形形状のパッチは、当該星形を完全に覆うような、大きな円形の金型を用いて転写する。スタンプ圧力と熱とでホットスタンプを行うホットスタンプ用金型に加えて、スラスト軸受を有する超音波スタンプ用金型も使用することができ、この場合、ホットスタンプは、スタンプ圧力と超音波エネルギーとを用いてホットスタンプを行う。同様に、ロールラミネーター、特に半回転式ラミネーター及び/又はマルチロールラミネーター(例えば、紙幣を印刷する場合は、複数のローラが一列に並んでいる)を用いることができる。また、第1キャリア膜を、ガイドローラを用いて押圧することなく、UV接着剤で印刷した第2キャリア膜に近接して配設することができる。ガイドローラを用いることにより、UV光で硬化する以前に2つのキャリア膜の接触を確保することができる。
【0020】
第2部分領域は連続でなくてもよいし、複合膜が除去されたようなサブ領域を有していてもよい。例えば、実施形態において、各パッチが少なくとも一つの囲まれたフリースペース、例えば中央に開口を有することもできる。この孔(一般に任意形状の孔とすることができる)は、例えば、打ち抜き工程の間に製造することができる。打ち抜きシートは、例えば2つの打ち抜き高さを有する。1つは、第1領域及び保持すべきマークが記された領域を離脱するために装飾層のみを切断するためのものであり、もう一方は、複合膜の全体を切断して孔を形成するためのものである。キスカットや打ち抜きのために異なるセッティング条件のレーザを用いることが可能である。加工中に形成された膜片は、通常は、複合膜から押出し、あるいは吹き飛ばす。したがって、複合膜は、このような部分領域において除去される。
【0021】
上述のような孔、すなわち穿孔は、転写すべき領域が2つの被覆層間に存在するとき、特にセキュリティエレメントを後に使用する際に、層間密着を改善する。また、そのような穿孔は、モチーフを形成する光学的に透明な部分領域を置換する効果がある。これらの穿孔を介することにより、転写すべき部分領域の文字のすかし度合いが増し、偽造に対する保護性が増大する。穿孔内にデザインされるモチーフとしては、A,B,D,O,R,8,96,0などのアルファベットと数字との組み合わせである。
【0022】
初期において、UV接着剤のみを用いることの欠点は、第2接着剤を用いることによって克服することができる。特に、異なる接着性及び/又は活性の接着剤を用いることができる。第1接着剤は、加工中に2つのキャリア層を接着させるように機能する。第2接着層は、スタンプ中に熱的に活性化され、2つのキャリア層間の接着性を増大させる。この結果、これらのキャリア層は、スタンプ後において、装飾層の転写すべき部分から分離することができる。これによって、第1接着剤を転写すべき部分領域を超えるように塗布しなくてもよい。結果として、残留タックに起因した上記問題が後に生じることがない。したがって、第1接着剤は、転写すべき部分領域よりも小さい面積で塗布することが好ましい。第1接着剤は、転写すべき部分領域をインサイトで固定するが、これは、比較的に小さい接着面積で行うことができる。接着面積は、転写すべき部分領域よりも十分に小さくすることもできる。転写すべき部分領域と第1接着剤との相対的な位置関係は重要ではない。
【0023】
第2キャリア膜は、単層でもよいし、多層でもよい。これらの層は、紙及び/又は布及び/又はテスリン(Teslin:登録商標)などの異なるあるいは同一の材料から構成することができるし、同一あるいは異なるプラスチック層から構成することもできる。これらは、互いに接合することによって形成することもできるし、共押出や多層コーティングなどの方法で形成することもできる。
【0024】
異なる接着性、特に異なる活性の接着剤を第1接着剤及び第2接着剤に対して用いる。特に、第1接着剤に対して放射線活性な接着剤を用い、第2接着剤に対して熱活性な接着剤を用いることが好ましい。熱活性接着剤は、反応性及び非反応性のいずれでもよい。多層構造とすることもできる。放射線活性接着剤に加えて、他の活性型の接着剤、例えば1成分系及び2成分系(重合剤としてイソシアネートあるいは架橋剤を有するエポキシ樹脂など)を用いることもできる。
【0025】
基膜の第1部分が基板上にホットスタンプされる際に、第2接着剤が活性化されることが好ましい。したがって、ホットスタンプ前は、第2接着剤はタックを有しないことが好ましい。ホットスタンプ及び活性化中に、キャリア層間の層間接着性が、好ましくは50%超、より好ましくは100%超、特に好ましくは200%超増大する。
【0026】
ホットスタンプは、80℃から300℃、好ましくは100℃から240℃、特に好ましくは100℃から180℃で、10N/cm
2から10,000N/cm
2、好ましくは100N/cm
2から5000N/cm
2のスタンピング圧力で、0.01秒から2秒、好ましくは0.01秒から1秒のスタンピング時間行う。
【0027】
第2キャリア膜が基膜に塗布される前に、第2接着層を乾燥させることが好ましい。これによって、ホットスタンプ前において、第2接着層はタックを有しない。第2接着剤の表面被覆の度合いは異なるようにする(例えば第1部分領域の、内部領域と外部領域とで異なる表面被覆の度合いとする)ことができる。また、第2接着剤は、グリッド状、特には1cm当たり40本から80本のグリッド密度を有する線密度のグリッド状とすることができる。第2接着層は、ガラス転移点が50℃から150℃、好ましくは100℃から120℃である熱可塑性の接着剤から形成することが好ましい。
【0028】
第2接着層は、単位面積当たりの重量が0.1g/cm
2から10g/cm
2、好ましくは2g/cm
2から5g/cm
2の範囲となるように堆積する。
【0029】
第1接着層はグリッド状、特に1cm当たり40から80本のグリッド密度を有するグリッド状に塗布する。第1接着剤の表面被覆の度合いは異なるようにする(例えば第1部分領域の、内部領域と外部領域とで異なる表面被覆の度合いとする)ことができる。
【0030】
第1接着層は、0.01μmから10μm、好ましくは2μmから5μmの厚さに堆積することができる。
【0031】
第1接着剤を部分的に塗布することにより、第2接着剤は、転写層に直接接触するようになり、接着力を増大することができる。
【0032】
基膜は第1キャリア膜及び装飾層間に位置する分離層を有することが好ましい。第1キャリア膜及び当該第1キャリア膜と反対側に位置する装飾層の材料及び表面仕上げは、装飾層が第1キャリア膜から分離できるように選択することができる。これによって、装飾層の一部、及び選択的に接着層を含み、第1キャリア膜を含まない膜体の一部が、本発明の転写膜の手段によって、ターゲット基板上に塗布される。これは薄く、機械的に不安定な性質を有する層をターゲット基板に転写する際に有利である。
【0033】
本発明の好ましい態様においては、分離層を第1キャリア膜及び装飾層間に配設しないようにすることができる。この態様においては、装飾層及びターゲット基板間に配設した第1接着層及び第2接着層は、第1キャリア膜及び第2キャリア膜間の、活性した第1接着層によって生成する接着強度が、活性化した第2接着層によって装飾層及びターゲット基板間に生成した接着強度よりも低くなるようにする。これによって、第2接着層を活性化した後も、基膜の第1部分領域から第2キャリア膜を除去することができ、基膜の第1部分領域、すなわち装飾層及び第1キャリア膜を転写工程によってターゲット基板上に転写することができる。この方法によれば、機械的に安定な膜体をターゲット基板上に転写することができる。転写を安定に行えることにより、所定の破断点として付加的な抜き孔を含む領域の転写も可能となる。これらの膜体は紙幣上に細条に形成するのみならず、例えばパッチとして任意の形状に形成することができる。
【0034】
分離システムを第1キャリア膜及び第2キャリア膜間に配設することができる。分離システムは、第1キャリア膜及び第2キャリア膜に塗布することができる。接着層は、第2キャリア膜及び分離システム間、又は第1キャリア膜及び分離システム間に配設することが好ましい。ターゲット基板に塗布する際には、分離システムは、装飾層及び第1キャリア膜と共に、ターゲット基板上に完全にあるいは部分的に塗布され、好ましくは分離システムを構成する一部の層が塗布される。しかしながら、分離システムは、ターゲット基板上への塗布の際に、第2キャリア膜上に残存し、その後にターゲット基板から第2キャリア膜と共に除去することができる。
【0035】
これによって、少なくとも一つの第1部分領域あるいは多層構造体の塗布の際に、第1キャリア膜を多層構造体上あるいは複合層中に残存させることができる。これによって、自立可能なセキュリティエレメントを製造することができ、ターゲット基板の例えば開口、特には窓孔を封止し、覆うことができる。キャリア膜によるセキュリティエレメントに付与された機械的安定性によって、例えば、IDカードフォーマットのポリカーボネート(PC)からなるセキュリティドキュメントなどのセキュリティエレメントをプラスチック複合物あるいはその他の積層物中に積層することができる。この機械的安定性は、ターゲット基板を、例えばダイスタンプ法によってオーバープリントする際に有利である。
【0036】
分離システムは、好ましくは、特にホットスタンプによって生成する熱で軟化するワックス状の材料からなる。分離システムの全体の厚さは、好ましくは0.01μmから4μmである。これによって、ホットスタンプ工程で生じる熱に起因して軟化し、第2キャリア膜の信頼性の高い分離を可能とする。
【0037】
分離システムは多層膜として構成することができ、例えば、ワックス層及びワニス層を有する。ワニス層は、アクリレート、ポリウレタン、あるいはセルロース誘導体から構成することができる。ワニス層は、0.1μmから3μm、好ましくは0.2μmから1.5μmの厚さを有する。
【0038】
多層構造体、すなわちセキュリティエレメント上の分離システム中の層は、ターゲット基板への塗布後、セキュリティエレメントすなわち第1部分領域と実質的に同一の面積を有する。これによって、塗布後に、特に分離システムを第1部分領域の内部においてのみ活性化させ、隣接した第2部分領域では非活性とすることができる。したがって、分
離システムは、第2部分領域の第2キャリア膜上に残存するようになる。分離システムの厚さは小さいので、当該分離システムは、第1部分領域の外縁において、鋭利な端部を有するようになる。
【0039】
分離システムの1以上の層は、ターゲット基板への塗布後、好ましくはセキュリティエレメント上に残存する。これは、分離システムが、第2キャリア膜及び接着層間に配設された場合である。これらの残存した層を用いることにより、多層構造体すなわちセキュリティエレメントに対して付加的な機能を付与することができる。例えば、付加的な機能層に対してより優れた濡れ性、すなわちオーバープリント特性を付与することができ、逆に、疎水性、すなわち他の液体をはじくような特性を付与することができる。また、光学的な艶消し効果、光学的な光沢性、及び/又は特別な触感を付与することができる。さらに、可視光域、UV域、IR域で付加的なセキュリティ印刷を行うこともできる。分離システムの各層あるいは全ての層は、表面の全体に形成することもできるし、表面の一部に形成することもできる。
【0040】
分離システムを塗布する前に、1以上の補助層を、装飾層と反対側の、基膜の第1キャリア膜の側に塗布することができ、第1キャリア膜と分離システムとの間に配設することができる。これによって、セキュリティエレメントの外表面に付加的な機能を提供することができる。例えば、付加的な機能層に対してより優れた濡れ性、すなわちオーバープリント特性を付与することができ、逆に、疎水性、すなわち他の液体をはじくような特性を付与することができる。また、光学的な艶消し効果、光学的な光沢性、及び/又は特別な触感を付与することができる。さらに、可視光域、UV域、IR域で付加的なセキュリティ印刷を行うこともできる。また、ターゲット基板をドキュメントあるいはドキュメント複合体中で積層させる際に、層被覆のための接着結合性を増大させることもできる。分離システムの各層あるいは全ての層は、表面の全体に形成することもできるし、表面の一部に形成することもできる。
【0041】
分離システムは、ターゲット基板に塗布した後、セキュリティエレメントから分離する。補助層は、セキュリティエレメントの外方において、非拘束の状態で存在する。補助層が存在しない場合、キャリア膜がセキュリティエレメントの外方で、非拘束の状態で存在し、セキュリティエレメントの優れた光学的な効果を実現することができる。
【0042】
膜体は、紙幣やIDドキュメントなどのセキュリティドキュメントの窓孔上に転写し、当該窓孔を完全にあるいは部分的に封止し、覆うことが有利である。これによって、シースルー特性、上方から見た場合及び透かして見た場合の異なる像、基板の前面及び後面側から見た場合の異なる像あるいはモアレ縞が得られるようなセキュリティエレメントを得ることができる。種々の光学効果を組み合わせることも可能である。窓孔とは、基板の透明あるいは半透明な領域、及び/又は1以上の孔を含むものである。
【0043】
膜体の形状は、封止する面積が小さいことに起因して生じる不均一性に基づくセキュリティドキュメントの変形を最小限に抑えるという観点から決定すべきであり、窓孔を覆うセキュリティエレメントの一部は、第2接着層の一部を有するあるいは接着層を有しない状態で、表面の一部あるいは全体をワニスで被覆することができ、あるいは印刷を施すことができる。
【0044】
不均一性に基づくセキュリティドキュメントの変形を最小限に抑えるために、膜体と反対側のターゲット基板の側に封止層を配設することが有利である。この封止層は、好ましくは膜体と同様あるいは同一の面積を有し、その結果、ターゲット基板は、その両側を膜体と封止層とで覆われることになる。封止層の厚さ及び強度は、膜体の厚さ及び強度と同一とすることもできるし、異なるようにすることもできる。ターゲット基板の両側に位置する膜の外形線は異なるようにすることができる。封止層は、封止膜体あるいは封止ワニス層によって形成することができる。封止層は、窓孔を囲むターゲット基板領域を封止するが窓孔部にも存在させることができる。窓孔が抜き打ちや切断によってターゲット基板とともに除去されて形成される以前に封止層を塗布することができる。また、窓孔を形成した後に、封止層を形成することもできる。この場合、封止層は、窓孔部分において、膜体の露出した部分をも覆うことになる。封止層は、窓孔の垂直な切断面をも封止するので、水分の侵入を防止することができる。
【0045】
封止層はセキュリティエレメントと同一の構造とすることができる。封止層は、セキュリティエレメントと同じ方法で製造し、塗布することができる。
【0046】
膜体同様に、封止層も当該膜体で形成されたセキュリティエレメントを覆うセキュリティエレメントを有することができる。このように複数のセキュリティエレメントが組み合わさることによっても光学的効果を生ぜしめることができる。
【0047】
転写した膜体の外形デザインによってさらなるセキュリティ効果を発揮できる。例えば、当該外径は、線状及び/又は枝葉なモチーフを形成する。転写した膜体の外径は、窓孔の外形と同様とすることもできるし、異なるようにすることもできる。
【0048】
好ましい態様において、第1接層としては、電磁波照射、特にはUV光照射によって活性化される接着層を用いることができる。他の照射形態としては、電子ビーム照射あるいはレーザ照射などを挙げることができる。これによって、第1接着層を第1部分領域でのみピンポイントで活性することができる。そのような接着剤を用いることにより、転写工程中に、第1キャリア膜が第2キャリア膜から分離するのを防止することができ、転写を良好に行うことができる。
【0049】
第1接着層は、装飾層と反対側のキャリア膜において、少なくとも一つの第1部分領域及び第2部分領域の表面全体を覆うように塗布することが好ましい。基膜の第2領域を除去する以前に、第1領域における第1接着剤の活性化を行う。第1接着層は、例えばフレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷などの印刷工程によって塗布することができ、さらには打設、スプレー、ドクターブレードを用いたコーティングなどによって行うことができる。接着剤は、特に溶液、例えば有機溶媒や水性溶液の溶液や、分散媒、エマルジョンから形成することができ、さらには非溶媒の状態(100%システム)から形成することができる。
【0050】
第1接着層は、第2キャリア膜が塗布された後に、第1領域に照射することによって活性化することが好ましい。この結果、第2キャリア膜は、第1領域において基膜、すなわち基膜の第1キャリア膜上の第2接着層と接合する。第1接着層の材料は、当該第1接着層が活性化された後の基膜及び第2キャリア膜間の接着力が、室温(20℃)において、装飾層及び第1キャリア膜間の分離層によって付与される接着力よりも大きくなるように選択することが好ましい。第1接着層及び第2接着層の材料は、第1接着層が非活性の状態で、第1キャリア膜及び第2キャリア膜間の接着力が、室温(20℃)及びスタンプ温度(180℃)において、第1キャリア膜及び装飾層間の分離層によって付与される接着力よりも小さくなるように選択することが好ましい。
【0051】
第1接着層及び/又は第2接着層と、第1キャリア膜及び/又は第2キャリア膜との接着特性は、プライマー塗布(例えば、ワニス、クロム及び/又はSiOxの真空蒸着)、接着促進剤、第1キャリア膜及び第2キャリア膜に対するコロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理などによって調整することができる。
【0052】
好ましい態様において、第1接着層は、装飾層と反対側の、第2キャリア膜の側の方向において、当該第2キャリア膜と離隔して配設された照射源によって照射する。照射源は、好ましくは第2キャリア膜から10mm超離して配設する。第1接着層を露光する光源は、好ましくはUV光で露光するUV光源を用いる。例えば、下流側にコリメータあるいはレーザ光を配した状態において、UVランプを用いることが好適である。第1接着層の露光は、基膜の装飾層のデザインとは無関係に行う。第2キャリア膜は、露光に際して使用した照射源の波長域において、少なくとも部分的に透明である材料から構成することが好ましい。
【0053】
UV露光システムは、例えばレンズの絞り及び/又は反射板(例えば、IR照射に対して、フィルターの使用有無を介してビーム経路をコリメートし、収束させるかなど)同様に、出力や型(例えば、ドーピング有無の水銀ランプやUVダイオードなど)に依存して用いることができる照射源から構成される。UV照射を行うUVダイオードは、水銀ランプに比較して熱放射が低く、パワーロスが少ないとともに、基板及び/又は加工すべき膜に対する熱負荷が低い。
【0054】
第1接着層の所望の領域での選択的な露光は、例えば、第1領域で第1接着層を選択的に照射し、当該第1領域で活性化させることができ、照射源を移動させる、あるいは照射源と第1接着層との間のビーム経路中に露光マスクを配設することによって行うことができる。
【0055】
第1接着層は、第2領域において露光により非活性とすることができる。例えば、UV照射によって非活性となる接着剤を用いることができる。UV照射によって硬化させることができるUV活性接着剤を第1接着層として用いることができ、この場合、第2キャリア膜が第2領域に塗布される前に第1接着層を照射する。第1接着層は、第2キャリア膜が第2領域に塗布される以前に硬化され、非活性化されているので、第2キャリア膜が塗布された後においては、第2領域における第2キャリア膜への接着性は最早存在しない。
【0056】
好ましい態様において、照射源としてレーザを用いることができる。レーザは、第1接着層を第1領域で照射し、第2領域で照射しないように制御することができ、及び/又は第2領域で照射し、第1領域で照射しないように制御することができる。これは、レーザの位置あるいはレーザビームの偏向角度を決定する制御エレメントの制御によって行うことができる。
【0057】
好ましい態様において、照射源と第1接着層との間のビーム経路中に露光マスクを配設し、第1接着層を第1領域で照射し、第2領域で照射しないようにし、又は第2領域で照射し、第1領域で照射しないようにできる。露光マスクは、例えばドラム式あるいは平台式のイメージセッターの一部とすることができる。イメージセッターは、フィルムウェブを形成し、第2キャリア膜、第1接着層、第1キャリア膜、分離層及び装飾層から案内される。
【0058】
好ましい態様において、装飾層は、第1接着層の照射を制御するために用いることができる。
【0059】
第1接着層は、第1キャリア膜の反対側の装飾層の側の方向であって、装飾層から離隔して配設された照射源から照射することが好ましい。したがって
、装飾層は、照射源と第1接着層との間にビーム経路中に配設される。装飾層は、第1領域あるいは第2領域において配設され、第2領域あるいは第1領域において配設されない不透明層を有することが好ましい。この不透明層は、第1接着層に対する照射を制御するためのマスク層として用いることができる。また、第1接着層の照射を制御するためのマスク層として、装飾層の金属反射層を用いることができる。これにより、装飾層のデザインに関連して、第1接着層の露光を制御することができる。
【0060】
第1照射工程において、第1接着層は、第2キャリア膜が塗布される以前に、第1キャリア膜と反対側の装飾層の側において、当該装飾層から離隔して配設された照射源によって、マスク層として装飾層を介して照射され、第2領域で非活性とすることが好ましい。第2照射工程において、第2キャリア膜が塗布された後に、第1キャリア膜と反対側の第2キャリア膜の側において、当該第2キャリア膜から離隔して配設された照射源によって照射され、第1領域で活性化する。
【0061】
接着層中に含有する開始剤、及び/又はキャリア膜の放射線透過性、及び/又は照射される他の層の種類に依存して、UV−A、及び/又はUV−B及び/又はUV−C線を硬化のために用いることができる。また、硬化のためには、十分なエネルギーを投入する必要がある。硬化に際しては、熱(例えばIR照射)を用いることもできる。硬化とは、短鎖モノマー、オリゴマー及びポリマーを結合させて、長鎖のポリマーを形成することを意味する。ポリマー鎖は、熱が加わると移動して、容易に結合するようになる。
【0062】
第1接着層の露光は、上述のように、1回の工程で行うことができるが、複数の工程で行うこともできる。例えば、接着層は、第1露光工程で活性化することができるが、完全には硬化していない。基膜の第2部分を除去した後、第2キャリア膜及び基膜の第1部分を有する残存膜に対してポスト照射することにより、第1接着層を完全に硬化させる。不透明な転写膜の場合は、UV接着剤のプレ活性化は、接着剤側から行う。次いで、プレ活性化された接着剤は、転写膜を構成する層をまとめて、当該層を介してポスト硬化する。
【0063】
好ましい態様において、装飾層及び/又は転写層中の一層はマークを有する。このマークは、第1接着層の第1領域及び第2領域を決定するため、及び/又は基膜の第1部分領域及び第2部分領域を決定するために用いられる。これらのマークは位置決めマークである。マークは、印刷材料、及び/又は表面レリーフ、及び/又は磁気材料、及び/又は導電性材料から形成することができる。これらのマークは、明度、不透明度、反射率などのバックグランド的特性とは異なる光学的に読み取ることが可能な位置決めマークである。マークは、入射光を所定の角度で偏向させるようなマクロ的な、あるいは回折レリーフとすることができ、バックグランド的特性とは光学的に異なる。装飾層のデザイン要素はポジションマークとして機能させることができる。しかしながら、位置決めマークは、磁気センサあるいは導電率検出センサによって検出可能な位置決めマークとすることができる。打ち抜き孔は、前打ち抜き“トラクタートラック”の手段によって膜を集束させるマークとして用いることができる。
【0064】
マークは、例えば、光学センサ、機械センサ、インダクタンスセンサ、容量センサや超音波センサなどの手段によって検出することができ、キャリア膜の切断、第1接着層の活性化、第1接着層の非活性化、及び/又は第1接着層の塗布は、マークを用いて制御することができる。したがって、装飾層は、第1接着層への照射と、少なくとも一つの第1部分領域及び第2部分領域間の境界線に沿った第1キャリア膜の切断とを制御する、光学的に読み取り可能な位置決めマークを有することになる。これによって、装飾層のデザインに関して、第1接着層の正確な活性化と、キャリア膜の正確な切断を行うことができる。
【0065】
マークは、好ましくは基膜の第2部分領域内に配設する。しかしながら、マークは、必ずしも第2部分領域内に配設する必要はなく、連続したトラックとしてデザインされたマークをキャリア膜に固定して、露出させることができる。マークは、塗布する際に読み込まれ、位置決めの際のインデンテーションのために必要である。マークは、分離した部分領域を形成し、第2部分領域では除去されず、第1部分領域では塗布されることがない。マークは、基膜を構成するフィルムウェブの長さ方向に対して(縦方向及び/又は横方向への位置決め制御を行うために)縦横に形成される線状とすることができる。マークは、好ましくは基膜の第2部分領域内に配設する。
【0066】
また、1以上の位置決めマークを基膜の各第1部分に配置することが好ましい。
【0067】
第1接着層は、非活性層をオーバープリントすることにより、第2領域で非活性とすることができ、又は第1接着層を第1領域の第1キャリア膜及び/又は第2キャリア膜上に印刷し、第2領域の第1キャリア膜及び/又は第2キャリア膜上には印刷しないことが有利である。非活性層は、例えばシリコーン、シリコーン含有材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(テフロン:登録商標)から形成することができる。
【0068】
第1接着層は、第1領域及び第2領域において異なる密度で塗布することができ、これによって、単位面積、特にcm
2当たりの接着強度が、第1領域及び第2領域で異なるようになる。本実施形態において、第1接着層は、第1表面領域及び第2表面領域において、ドット、シンボル、アルファベットと数字とを組み合わせた文字列、円、波型、モチーフのパターン状に形成することができ、密度差は、接着スポットを変化させることによるドットサイズ及び/又はグリッドサイズを変化させることによって実現することができる。この目的のため、第1接着層を第1領域の全面に形成し、第1領域ではドット状あるいはグリッド状に形成する、又は第2領域では第1接着層を塗布せず、第1領域でドット状あるいはグリッド状に形成することができる。第1領域における第1キャリア膜及び/又は第2キャリア膜の、第1接着層による被覆率は、第2領域における第1キャリア膜及び/又は第2キャリア膜の、第1接着層による被覆率と、少なくとも15%異なる。これは、本発明が、グラビア印刷あるいはフレキソ印刷に比較して、コスト的に優れていることを示している。
【0069】
第2キャリア膜は、2つの対向するローラによって基膜上に塗布することが好ましい。
【0070】
好ましい態様において、装飾層、分離層及び第1キャリア膜は、少なくとも一つの第1部分領域を画定する境界線に沿って完全に切断する。第2キャリア膜は、部分的に切断することができる。しかしながら、第2キャリア膜の切断の度合いは、50%未満、好ましくは10%未満とすることに注意する。分離システムを含む場合も、第2キャリア膜は、少なくとも一つの第1分離領域を画定する境界線に沿って完全に切断する。
【0071】
第1キャリア膜は、好ましくは打ち抜き、ロータリー、レーザなどによって切断することが好ましい。
【0072】
第1キャリア膜は、第1領域及び第2領域間の境界線に沿って位置決めして切断することが好ましい。本発明の方法は、第1接着層(露光、印刷、スタンプ)の加工及び切断加工(打ち抜き)において高い位置決め精度が要求されないので、コスト削減された、大規模な工業的加工を行うことができる。
【0073】
基膜、第2キャリア膜及び第1接着層で形成される膜体は、ホットスタンプ用金型で加工され、同時に第1部分領域における第1接着層を活性化し、少なくとも一つの第1部分領域を画定する境界線に沿って、第1キャリア膜を少なくとも部分的に打ち抜く。2つの工程は高い位置決め精度で行われるので、工程数を削減することができる。
【0074】
本発明の好ましい態様において、基膜の第2部分を除去した後、第2キャリア膜及び基膜の第1部分を有する残存膜は、セキュリティドキュメントのセキュリティのための転写膜、特にはホットスタンプ膜として用いる。この転写膜は、セキュリティドキュメントのセキュリティのためのセキュリティエレメントを提供する。
【0075】
転写膜は、複数の第1部分領域を有しており、各部分領域は、セキュリティドキュメントのセキュリティのためのセキュリティエレメントを有する。セキュリティエレメントは、セキュリティドキュメント上に転写することにより、当該セキュリティドキュメントのセキュリティを行う。
【0076】
基膜の第2部分が除去された後、第2キャリア膜及び基膜の第1部分を有する残存膜は、ターゲット基板上に配設され、基膜の1以上の第1部分領域が、装飾層とターゲット基板との間に配設された接着層の活性化によって、当該ターゲット基板上に塗布され、第1キャリア膜、第1接着層、第2接着層及び第2キャリア膜を含む多層構造体は、基膜の、塗布された1以上の第1部分領域の装飾層から除去される。
【0077】
基膜の第2部分が除去された後、第2キャリア膜及び基膜の第1部分を有する残存膜は、ターゲット基板上に配設され、基膜の1以上の第1部分領域が、装飾層とターゲット基板との間に配設された接着層の活性化によって、当該ターゲット基板上に塗布され、第2キャリア膜は、基膜の、塗布された1以上の第1部分領域の装飾層及び第1キャリア膜から除去される。分離システムが配設されている場合、分離システムは、第2キャリア膜上に残存するか、基膜の塗布された第1部分領域とともに塗布される。
【0078】
好ましくは、熱封止接着層である第3接着層を、第1キャリア膜の反対側の、装飾層の側に塗布することができる。第3接着層は、圧力感応性接着層、コールドセッティング接着層、あるいは熱封止接着層とすることができる。
【0079】
第2キャリア膜としては、6μm超、好ましくは6μmから250μmの厚さの透明なプラスチックフィルムを用いることが好ましいが、紙やテスリン(登録商標)(艶のない白色の、ポリエチレン単層)を用いてもよい。第1キャリア膜は、4μmから75μmの厚さのプラスチックフィルムを用いることが好ましい。
【0080】
好ましい態様においては、2以上の第1部分領域が配設され、各第1部分領域が、当該第1部分領域と連続した第2部分領域に囲まれている。これは、基膜の第2領域の除去を容易にする。しかしながら、第2部分領域は、非連続な部分を有していてもよい。
【0081】
第1領域は、各第1部分領域を少なくも50%の割合で覆い、好ましくは70%超の割合で覆うことが好ましい。また、第1領域は、各第1部分領域を完全に覆うこともできる。第2部分領域は、第1部分を5%未満の割合で覆うことが好ましい。これによって、基膜の第2領域を高信頼性の下に除去することができる。
【0082】
本発明の好ましい態様において、装飾層は、光学的変調効果を生ぜしめる1以上の層を有する。装飾層は、例えば回折表面構造、レンズ構造、艶消し構造及び対称、非対称のブレーズド回折格子の表面構造の複製層を有することが好ましい。マイクロレンズ構造は、例えば、球形のレンズ、円筒形のレンズを含む。マイクロレンズを含むセキュリティエレメントは、いわゆるモアレ拡大鏡と呼ばれる。
【0083】
装飾層は、第1情報の形態でパターン化されて形成された反射層を有することが好ましい。反射層は、クロム、銅、銀、金若しくはこれらの合金からなる金属層からなることが好ましく、真空下、蒸着法で、0.01μmから0.10μmの厚さに形成されることが好ましい。反射層は、例えば薄い金属層、高屈折率(HRI)層、低屈折率(LRI)層など透明な反射層とすることができる。このような誘電率層は、例えば、金属酸化物、金属硫化物、二酸化チタンなどから真空蒸着におって形成することができる。その厚さは、10nmから150nmであることが好ましい。
【0084】
装飾層は、内部に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層を有することが好ましい。表面構造に基づく表面ホログラムに比較して、体積ホログラムは、透明層の内部のいわゆるブラッグ面における光の回折に基づくものであり、これによって、透明層内部に屈折率が局所的に異なる部分が形成される。
【0085】
装飾層は、視野角に依存して色ずれ効果を生ぜしめる薄膜エレメントを有することが好ましい。このような薄膜エレメントは、例えば吸収層、スペーサ層及び反射層を有し、スペーサ層は、可視光の波長λに対してλ/2あるいはλ/4の厚さを有することが好ましい。薄膜エレメントは、異なる屈折率であって、厚さがλ/2あるいはλ/4の複数の層を有することができる。
【0086】
装飾層は、第2情報の形態でパターン化されて形成された着色層を有する。着色層は、顔料及び/又は染料を含む1以上の着色層、及び/又は薄膜用顔料あるいは液晶用顔料などの光学的に変調可能な顔料を含む着色層とすることが好ましい。UV発光顔料若しくはIR発光顔料を用いることもできる。着色層は、インクジェット方式で塗布することができ、それぞれ個別の情報を有している。
【0087】
装飾層は、液晶層、好ましくはコレステリック液晶層、ネマチック液晶層あるいはこれらの組み合わせを用いることができる。装飾層は、さらに、2以上の着色層、インクジェット印刷のための印刷促進層、あるいはこれらの組み合わせを用いることができる。また、追加の機能層、及びこれらの組み合わせを用いることができる。
【0088】
装飾層は、1以上の導電層あるいは半導体層を有することができ、例えばRF共振回路やICタグ及び/又は導体経路及び/又はアンテナ及び/又は導電性コードなどの電気回路あるいは電気エレメントを形成することができる。これらの層は、例えば金属層とすることができ、真空蒸着や印刷で形成した後、ガルバノ成長によって強化する。
【0089】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。