(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記化学線透過性基材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、シクロオレフィンフィルム、ポリ(メチルメタクリレート)、又はこれらの組合せから選択されるポリマー材料を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
前記化学線は、発光ダイオード(LED)を備えたデジタル光プロジェクタ(DLP)、ランプを備えたDLP、レーザを備えたレーザ走査デバイス、バックライトを備えた液晶ディスプレイ(LCD)パネル、ランプを備えたフォトマスク、又はLEDを備えたフォトマスクによって提供される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、接着剤の連続的な製造などの、接着剤の付加製造のための装置を提供する。ある実施形態では、接着剤は装置上に形成され、装置から別の材料へと移されるが、他の実施形態では、接着剤は材料上に形成され、この材料に、一時的にか又は恒久的にかのいずれかで接着することができる。
【0021】
以下の定義された用語の用語集に関して、異なる定義が特許請求の範囲又は本明細書の他の箇所において与えられていない限り、これらの定義が本出願全体に適用されるものとする。
【0022】
用語集
明細書及び特許請求の範囲の全体を通して特定の用語が使用されており、大部分は周知であるが、いくらか説明を必要とするものもある。本明細書において使用する場合、以下のようであると理解されたい。
【0023】
本明細書及び添付の実施形態において使用するとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、特に内容による明確な指示がない限り、複数の対象を含む。本明細書及び添付の実施形態において使用するとき、用語「又は」は一般に、特に内容による明確な指示がない限り、その「及び/又は」を含む意味で用いられる。
【0024】
本明細書で使用するとき、末端値による数値範囲での記述には、その範囲内に包含されるあらゆる数値が含まれる(例えば1〜5には1、1.5、2、2.75、3、3.8、4、及び5が含まれる)。
【0025】
特に指示がない限り、本明細書及び実施形態で使用する量又は成分、特性の測定値などを表す全ての数は、いずれの場合も用語「約」によって修飾されていると解するものとする。したがって、特に指示がない限り、前述の明細書及び添付の実施形態の列挙において示す数値パラメータは、本開示の教示を利用して当業者が得ようとする所望の特性に依存して変化し得る。最低でも、各数値パラメータは少なくとも、報告される有効桁の数に照らして通常の丸め技法を適用することにより解釈されるべきであるが、このことは請求項記載の実施形態の範囲への均等論の適用を制限しようとするものではない。
【0026】
用語「含む(comprises)」及びその変化形は、これらの用語が本明細書及び特許請求の範囲において現れる場合、限定的な意味を有しない。
【0027】
単語「好ましい」及び「好ましくは」は、特定の状況下で特定の利益を提供することが可能な、本開示の実施形態を指す。しかしながら、同じ又は他の状況下で、他の実施形態が好ましい場合もある。更には、1つ以上の好ましい実施形態の記載は、他の実施形態が有用ではないことを示唆するものではなく、本開示の範囲から他の実施形態を排除することを意図するものではない。
【0028】
用語「化学線」は、光化学反応を起こすことができる電磁放射線を指す。
【0029】
用語「線量」は、化学線への曝露のレベルを意味する。
【0030】
用語「一体型」は、互いと共に全体を構成している複数の部品から成っていることを意味する。
【0031】
用語「(コ)ポリマー」は、単一のモノマーを含有するホモポリマー及び2つ以上の異なるモノマーを含有するコポリマーの両方を含むものである。
【0032】
用語「(メタ)アクリル酸」又は「(メタ)アクリレート」は、アクリル酸及びメタクリル酸(又はアクリレート及びメタクリレート)の両方を含むものである。アクリレート及びメタクリレートのモノマー、オリゴマー、又はポリマーは、本明細書において集合的に「アクリレート」と呼ばれる。
【0033】
用語「脂肪族基」は、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝鎖炭化水素基を意味する。この用語は、例えば、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基を包含するのに使用される。
【0034】
用語「アルキル基」は、直鎖、分枝鎖、環状、又はこれらの組合せである飽和炭化水素基を意味し、典型的には、1〜20個の炭素原子を有する。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜18、1〜12、1〜10、1〜8、1〜6、又は1〜4個の炭素原子を含む。アルキル基の例としては、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ヘプチル、ドデシル、オクタデシル、アミル、2−エチルヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。用語「アルキレン基」は、二価アルキル基を指す。
【0035】
用語「脂環式基」は、脂肪族基の特性に似た特性を有する環状炭化水素基を意味する。用語「芳香族基」又は「アリール基」は、単核又は多核芳香族炭化水素基を意味する。
【0036】
接着剤に関する用語「パターン」は、接着剤に少なくとも1つの開口を画定する接着剤の設計を指す。
【0037】
用語「溶媒」は、別の物質を溶解して溶液を形成する物質を指す。
【0038】
用語「総モノマー」は、重合反応生成物及び任意の追加の材料の両方を含む、感圧性接着剤組成物における全てのモノマーの組み合わせを指す。
【0039】
本明細書全体を通して、「1つの実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」、又は「実施形態」への言及は、用語「実施形態」の前に用語「例示的な」を含むか否かに関わらず、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の特定の例示的な実施形態のうちの少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。それゆえ、本明細書全体を通した様々な箇所での、「1つ以上の実施形態では」、「一部の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「一実施形態では」、「多くの実施形態では」、又は「実施形態では」などの表現の出現は、必ずしも本開示の特定の例示的な実施形態のうちの同じ実施形態に言及しているわけではない。更に、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わされてもよい。
【0040】
ここで、本開示の様々な例示的な実施形態について記載する。本開示の例示的な実施形態には、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を加えてもよい。したがって、本開示の実施形態は、以下に記載の例示的な実施形態に限定されるものではないが、特許請求の範囲に記載されている限定及びそれらの任意の均等物により支配されるものであることを理解すべきである。
【0041】
接着剤を製造するための装置が提供される。装置は、主表面を有する化学線透過性基材と、化学線透過性基材を通して、化学線を所定の線量で所定の位置に向けるように構成された照射源と、を含む。装置は更に、化学線透過性基材の主表面に組成物を付着させる手段と、化学線透過性基材又は照射源を互いに相対的な関係で搬送する手段と、を含む。
【0042】
図1を参照すると、装置100の概略図が提供されている。装置は、主表面11を有する化学線透過性基材10と、化学線透過性基材10を通して、化学線を所定の線量で所定の位置に向けるように構成された照射源12と、を含む。装置100は更に、化学線透過性基材10の主表面11上に組成物16を付着させる手段14と、化学線透過性基材10又は照射源12を互いに相対的な関係で搬送する手段18と、を含む。
図1に示す装置では、化学線透過性基材10の主表面11上に組成物16を付着させる手段14は、基材10の主表面11の一部が組成物16に接触しているように基材10に隣接して配置された組成物16の体積を保持する開放容器を備える。この接触により、基材10の主表面11上に組成物16が付着し、次いで基材10を搬送する手段18が回転するにつれ、基材10の主表面11における容器14内に保持された組成物16と接触する部分上に、組成物16が連続的に付着する。
【0043】
特定の実施形態では、装置100は更に、基材から組成物を除去するように構成されたエアナイフ20を備える。エアナイフは当技術分野において公知であり、圧縮空気を使用して、製品又は装置から混入物、余分な材料等を吹き飛ばす。
【0044】
この装置は任意選択的に、第2の基材22を更に備える。基材の材料又は表面構造は特に限定されず、例えば、
図1に示す第2の基材22は構造化シートを備え、この場合シートの少なくとも1つの主表面25が(平坦で特徴のないものと対照的に)構造化されている。好適なシート材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、シクロオレフィンフィルム、ポリ(メチルメタクリレート)、又はこれらの組合せから選択されるポリマー材料が挙げられるが、これらに限定されない。第2の基材は、平滑な表面又は構造化表面のいずれかを有する、単層フィルム又は多層フィルムなどのフィルムであってよい。好適な構造化表面は、微細構造化表面又はエンボス加工表面を含む。通常は、第2の基材は、化学線からの照射に続いて化学線透過性基材から接着剤を除去するために用いられる。第2の基材22を、ローラ23又は他の好適な手段を用いて、化学線透過性基材10に隣接させてこれとは別個に固定することができる。
【0045】
特定の実施形態では、装置100は更に、基材を掻き取るように構成されたスクレーパ24、及び/又は基材をクリーニングするように構成された粘着ローラ26を備える。基材から接着剤及び/又は未重合組成物を除去するための他のクリーニング機構を別法として採用して、主表面に追加の組成物を付着できるように基材を準備する、例えば溶媒で洗浄することができる。更に、特定の実施形態では、基材は、基材上に形成された接着剤の除去の容易性を高めるための、基材の主表面にコーティングされた剥離材料を含む。好適な剥離材料としては例えば、シリコーン材料及び低接着性コーティングが挙げられるが、これらに限定されない。好適な低接着性コーティングの一例は、米国特許第5,531,855号(Heineckeら)に記載されているような、ポリビニルN−オクタデシルカルバメート及びシリコーン樹脂ブレンドの溶液としてコーティングすることができる。
【0046】
多くの実施形態では、化学線透過性基材10は円柱の形態である。円柱形の基材10上に組成物16を付着させる手段14は、組成物16の体積を通して円柱(例えば、化学線透過性基材)を回転させて、組成物16を基材10の主表面11上に適用することを含み得る。有利なことに、組成物を所定の形状及びサイズで重合するように照射源からの照射線量が選択されるので、基材上に付着する組成物の厚みの厳密な制御が常に必要なわけではなく、これは組成物の特定の深さに関係なく組成物の厚み全体を通して重合を行うのとは対照的である。
【0047】
特定の実施形態では、使用時、
図1に示す装置は以下のように動作する。化学線透過性基材10を搬送する手段18は、組成物16を付着させる手段14を通して化学線透過性基材10を回転させ、これにより、組成物16をこれが接触する基材10の主表面11上に付着させる。照射源12は、放射線を、化学線透過性基材10を通して、1つ以上の所定の線量で1つ以上の所定の位置に向ける。照射された組成物16は少なくとも部分的に重合し、
図1に示す接着剤17及び接着剤19のような少なくとも1つの接着剤を形成する。例えば、接着剤17は、照射源12が提供する特定の照射の結果、厚みに変化がある。基材10が(例えば矢印の方向に)回転し続けるとき、エアナイフ20が基材10の主表面11に向けて空気を導いて、基材10の主表面11上に残存する、重合して接着剤を形成しなかった組成物16の除去を助ける。余分な組成物16は、基材10にそれ以上付着しなくなれば、重力を介して容器14に戻されることが好ましい。形成された接着剤(例えば、接着剤27及び接着剤29)が、化学線透過性基材10の回転を介して第2の基材22に到達すると、接着剤(27、29)は、基材10の主表面11から第2の基材22の主表面25へと移される。基材10が回転し続けると、スクレーパ24が基材10の主表面11に接触し、基材10から残留する接着剤を除去する。更に、粘着ローラ26が基材の主表面11に接触し、基材10から残留している接着剤を除去する。スクレーパ24及び粘着ローラ26は任意選択的な構成要素とすることができるので、全ての装置100がこれらの両方又はいずれか一方を含むことになる訳ではないことが理解されるであろう。
【0048】
ここで
図2を参照すると、装置200の概略図が提供されている。装置は、主表面211を有する化学線透過性基材210と、化学線透過性基材210を通して、化学線を所定の線量で所定の位置に向けるように構成された照射源212と、を含む。装置200は更に、化学線透過性基材210の主表面211上に組成物216を付着させる手段214と、化学線透過性基材210又は照射源212を互いに相対的な関係で搬送する手段218と、を含む。
図2に示す装置200の概略図は更に、基材210から未重合の組成物216を除去するように構成されたエアナイフ220を備える。また、特定の実施形態の装置200は、1つ以上の接着剤(例えば、接着剤227及び接着剤229)を、これらが第2の照射源232のそばを通過する際に第2の基材222を通して照射するように構成された、第2の照射源232を含む。通常は、第2の照射源232の使用は、1つ以上の接着剤を事後硬化するのに有効である。第2の基材222は、多くの場合装置とは別個に得られる消耗材であり、示された実施形態では構造化シートを備え、この場合、シートの少なくとも1つの主表面225が(平坦で特徴のないものと対照的に)構造化されている。第2の基材222を、ローラ223又は他の好適な手段を用いて、化学線透過性基材210に隣接させてこれとは別個に固定することができる。
図2に示す装置200は更に、主表面231を有する化学線透過性フィルム230を含む。化学線透過性フィルム230は、少なくとも部分的に化学線透過性基材210の周囲に巻き付けられ、残留する組成物216及びクリーニング耐性のある接着剤材料から基材210の主表面211を保護するように作用する。
【0049】
使用時には、装置200は上記した
図1の装置100と同様に動作し、これには、照射された組成物216が少なくとも部分的に重合し、接着剤217及び接着剤219のような少なくとも1つの接着剤を形成することが含まれる。形成された接着剤(例えば、接着剤227及び接着剤229)が、化学線透過性基材210の回転を介して第2の基材222に到達すると、接着剤(227、229)は、基材210の主表面211から第2の基材222の主表面225へと移される。更に、特定の実施形態では、形成された接着剤(227、229)は第2の照射源232によって照射されて、(第1の)基材210から第2の基材222へと移る前に接着剤を事後硬化する。
【0050】
図3を参照すると、装置300の概略図が提供されている。装置は、主表面311を有する化学線透過性基材310と、化学線透過性基材310を通して、化学線を所定の線量で所定の位置に向けるように構成された照射源312と、を含む。装置300は更に、化学線透過性基材310の主表面311上に組成物316を付着させる手段314と、化学線透過性基材310又は照射源312を互いに相対的な関係で搬送する手段318と、を含む。
図3に示す装置300の概略図は、基材310から未重合の組成物316を除去するように構成されたエアナイフ320と、1つ以上の接着剤(例えば接着剤327及び接着剤329)を、これらが第2の照射源332のそばを通過する際に第2の基材322を通して照射するように構成された、複数の第2の照射源332と、を更に備える。通常は、少なくとも1つの第2の照射源332の使用は、1つ以上の接着剤を事後硬化するのに有効である。第2の基材322は多くの場合、装置とは別個に得られる消耗材であり、示された実施形態では、平滑なシートを備える。第2の基材322を、ローラ323又は他の好適な手段を用いて、化学線透過性基材310に隣接させてこれとは別個に固定することができる。特定の実施形態では、装置300は更に、基材310を掻き取るように構成されたスクレーパ324、及び/又は基材310をクリーニングするように構成された粘着ローラ326を備える。
【0051】
使用時には、装置300は上記した
図1の装置100と同様に動作し、これには、照射された組成物316が少なくとも部分的に重合し、接着剤317及び接着剤319のような少なくとも1つの接着剤を形成することが含まれる。形成された接着剤(例えば、接着剤327及び接着剤329)が、化学線透過性基材310の回転を介して第2の基材322に到達すると、接着剤(327、329)は、基材310の主表面311から第2の基材322の主表面325へと移される。更に、特定の実施形態では、形成された接着剤(327、329)は1つ以上の第2の照射源332によって照射されて、(第1の)基材310から第2の基材322へと移る前に接着剤を事後硬化する。
【0052】
図4を参照すると、装置400の概略図が提供されている。装置は、主表面411を有する化学線透過性基材410と、化学線透過性基材410を通して、化学線を所定の線量で所定の位置に向けるように構成された照射源412と、を含む。装置400は更に、化学線透過性基材410の主表面411上に組成物416を付着させる手段414と、化学線透過性基材410又は照射源412を互いに相対的な関係で搬送する手段418と、を含む。任意選択的に、装置には、基材410から未重合の組成物416を除去するように構成された、エアナイフ420が備えられている。
図4に示す装置400の概略図は更に、1つ以上の接着剤(例えば接着剤429)を、これらが第2の機構のそばを通過する間に第2の基材422を通して除去するように構成された、機構440を備える。例えば、機構は、可動アーム442と、1つ以上の接着剤429を化学線透過性基材410から引き外すように構成された交換可能なエンドエフェクタ444と、を有する、ロボット機構とすることができる。
図4に示す実施形態では、エンドエフェクタ444は、接着剤429の上側主表面の形状の逆の形状になるように構成された、主表面445を備える。機構440は通常、接着剤429を、装置400から離れた位置に、例えば、別の基材上、デバイス上、剥離ライナー上、貯蔵容器内、等に置くように構成される。特定の実施形態では、装置400は更に、基材410を掻き取るように構成されたスクレーパ424、及び/又は基材410をクリーニングするように構成された粘着ローラ426を備える。
【0053】
使用時には、装置400は上記した
図1の装置100と同様に動作し、これには、照射された組成物416が少なくとも部分的に重合し、接着剤417及び接着剤419のような少なくとも1つの接着剤を形成することが含まれる。ただし、形成された接着剤(例えば、接着剤427及び接着剤429)が、化学線透過性基材410の回転を介して機構440に到達すると、接着剤(427、429)は、基材410の主表面411から機構440のエンドエフェクタ444の主表面445へと移される。
【0054】
図5を参照すると、装置500の概略図が提供されている。装置は、少なくとも2つのローラ552及び518(これらのうちの少なくとも1つは、化学線透過性基材510を搬送するように構成されている)と、化学線透過性基材510を通して、化学線を所定の線量で所定の位置に向けるように構成された、照射源512と、を含む。装置500は更に、化学線透過性基材510の主表面511上に組成物516を付着させる手段514と、化学線透過性基材510又は照射源512を互いに相対的な関係で搬送する手段518と、を含む。付着させる手段514は、基材510の主表面511上に組成物516をたまりとして分注するように構成された容器を備える。化学線透過性基材510は、装置の構成要素であるのとは対照的に、装置とは別個に得られる消耗材であることが多い。任意選択的に、装置500には、1つ以上の接着剤517及び519が形成されている基材510から未重合組成物516を除去するように構成された、エアナイフ520が備えられている。
【0055】
特定の実施形態では、使用時、
図5に示す装置は以下のように動作する。化学線透過性基材510を搬送する手段518は、組成物516をこれが接触する基材510の主表面511上に付着させる手段514によって供給される組成物516を保持するための収容領域を形成する複数のローラ550を通して、化学線透過性基材510のウェブを駆動する。この実施形態における付着させる手段514は、化学線透過性基材510の上方に配設された容器である。照射源512は、放射線を、化学線透過性基材510を通して、1つ以上の所定の線量で1つ以上の所定の位置に向ける。照射された組成物516は少なくとも部分的に重合し、
図5に示す接着剤517及び接着剤519のような少なくとも1つの接着剤を形成する。例えば、接着剤517は、照射源512が提供する特定の照射の結果、接着剤519と比べて幅に変化がある。基材510が巻き出しローラ552から搬送する手段518(例えば、
図5に示すような巻き取りローラ)へと駆動され続けるとき、エアナイフ520が基材510の主表面511に向けて空気を導いて、基材510の主表面511上に残存する、重合して接着剤を形成しなかった組成物516の除去を助ける。余分な組成物516は、複数のローラ550によって画定される収容領域に戻されることが好ましい。形成された接着剤(例えば、接着剤527及び接着剤529)が巻き取りローラ518に到達すると、化学線透過性基材510のウェブが巻き取られる。
【0056】
図6を参照すると、装置600の概略図が提供されている。装置は、少なくとも2つのローラ652及び618(これらのうちの少なくとも1つは、化学線透過性基材610を搬送するように構成されている)と、化学線透過性基材610を通して、化学線を所定の線量で所定の位置に向けるように構成された、照射源612と、を含む。装置600は更に、化学線透過性基材610の主表面611上に組成物616を付着させる手段614と、化学線透過性基材610又は照射源612を互いに相対的な関係で搬送する手段618と、を含む。化学線透過性基材610は、装置の構成要素であるのとは対照的に、装置とは別個に得られる消耗材であることが多い。付着させる手段614は、基材611の主表面611上に漏斗615を通して組成物616をたまりとして分注するように構成された容器を備える。装置は更に、化学線透過性基材610に接触し、化学線透過性基材610上に配設された組成物616のたまりのための空間を提供するための収容領域を縁部間に画定するように構成された、間隔を空けた1対の縁部(図示せず)を備える、ダムローラ645を含む。
【0057】
化学線透過性基材610にダムローラ645を接触させて、化学線透過性基材610からの組成物616の漏れを最小限にするのを助けるための、更なる手段を設けてもよい。
図6に示す装置では、そのような手段は、3つのプレスローラ646、647、及び648と、ベルト649と、を含み、この場合、2つのプレスローラ646、647がダムローラ645に隣接して配設されており、第3のプレスローラ648が最初の2つのプレスローラ646、647から距離をおいて配設されている。ベルト649は、3つのプレスローラ646、647、及び648の周囲にループ状に構成され、化学線透過性基材610に接触して配設されている。3つのプレスローラ646、647、及び648は、ベルトに力を加えてこれを化学線透過性基材610に接触させた状態に維持するように構成されている。化学線透過性基材610が搬送される際、ベルト649は3つのプレスローラ646、647、及び648の周囲を通過する。
【0058】
使用時には、装置600は上記した
図5の装置500と同様に動作し、これには、基材610が巻き出しローラ652から(並びにダムローラ645の下方を通って)、搬送する手段618(例えば、
図6に示すような巻き取りローラ)へと駆動され続けるとき、エアナイフ620が基材610の主表面611に向けて空気を導いて、基材610の主表面611上に残存する、化学線照射源612からの照射により重合して接着剤を形成しなかった組成物616の除去を助けることが含まれる。余分な組成物616は、ダムローラ645によって画定される収容領域に戻されることが好ましい。形成された接着剤(例えば、接着剤627及び接着剤629)が巻き取りローラ618に到達すると、化学線透過性基材610のウェブが巻き取られる。
【0059】
図7を参照すると、装置700の概略図が提供されている。装置は、化学線透過性基材710を搬送するように構成された、少なくとも2つのローラ752及び718(これらのうちの少なくとも1つは、化学線透過性基材710を搬送するように構成されている)と、化学線透過性基材710を通して、化学線を所定の線量で所定の位置に向けるように構成された、照射源712と、を含む。装置700は更に、化学線透過性基材710の主表面711上に組成物716を付着させる手段714と、化学線透過性基材710又は照射源712を互いに相対的な関係で搬送する手段718と、を含む。化学線透過性基材710は、装置の構成要素であるのとは対照的に、装置700とは別個に得られる消耗材であることが多い。装置は更に、化学線透過性基材710に接触し、化学線透過性基材710上に配設された組成物716のたまりのための空間を提供するための収容領域を縁部間に画定するように構成された、間隔を空けた1対の縁部(図示せず)を備える、ダムローラ745を含む。付着させる手段714は、ダムローラ745の表面に組成物716を薄層として分注するように構成された容器を備え、この薄層は、ダムローラ745の周囲を走行し基材710の主表面711上にたまりを形成する。
【0060】
化学線透過性基材710にダムローラ745を接触させて、化学線透過性基材710からの組成物716の漏れを最小限にするのを助けるための、更なる手段を設けてもよい。
図7に示す装置では、そのような手段は2つのテンションローラ754及び756を含み、この場合、化学線透過性基材710は、一方のテンションローラ756の上、ダムローラ745の下、及び他方のテンションローラ754の上に送り込まれる。この構成により、テンションローラ754及び756を、化学線透過性基材710が装置を通して搬送される際に化学線透過性基材710に力を加えて基材710をダムローラ745と接触した状態に維持するように構成することが可能になる。
【0061】
使用時には、装置700は上記した
図5の装置500と同様に動作し、これには、基材710が巻き出しローラ752から(並びに第1のテンションローラ756の上、ダムローラ745の下、及び第2のテンションローラ754の上を通って)、搬送する手段718(例えば、
図7に示すような巻き取りローラ)へと駆動され続けるとき、エアナイフ720が基材710の主表面711に向けて空気を導いて、基材710の主表面711上に残存する、化学線照射源712からの照射により重合して接着剤を形成しなかった組成物716の除去を助けることが含まれる。余分な組成物716は、ダムローラ745によって画定される収容領域に戻されることが好ましい。形成された接着剤(例えば、接着剤727及び接着剤729)が巻き取りローラ718に到達すると、化学線透過性基材710のウェブが巻き取られる。
【0062】
図8を参照すると、装置800の概略図が提供されている。装置は、化学線透過性基材810を搬送するように構成された、少なくとも2つのローラ852及び818(これらのうちの少なくとも1つは、化学線透過性基材810を搬送するように構成されている)と、化学線透過性基材810を通して、化学線を所定の線量で所定の位置に向けるように構成された、照射源812と、を含む。装置800は更に、化学線透過性基材810の主表面811上に組成物816を付着させる手段814と、化学線透過性基材810又は照射源812を互いに相対的な関係で搬送する手段818と、を含む。化学線透過性基材810は、装置の構成要素であるのとは対照的に、装置800とは別個に得られる消耗材であることが多い。装置は更に、化学線透過性基材810に接触し、化学線透過性基材810上に配設された組成物816のたまりのための空間を提供するための収容領域を縁部間に画定するように構成された、間隔を空けた1対の縁部(図示せず)を備える、ダムローラ845を含む。付着させる手段814は、ダムローラ845の表面に組成物816を薄層として分注するように構成された容器を備え、この薄層は、ダムローラ845の周囲を走行し基材810の主表面811上にたまりを形成する。
【0063】
化学線透過性基材810にダムローラ845を接触させて、化学線透過性基材810からの組成物816の漏れを最小限にするのを助けるための、更なる手段を設けてもよい。
図8に示す装置では、そのような手段は2つのテンションローラ854及び856を含み、この場合、化学線透過性基材810は、一方のテンションローラ856の上、ダムローラ845の下、及び他方のテンションローラ854の上に送り込まれる。この構成により、テンションローラ854及び856を、化学線透過性基材810が装置を通して搬送される際に化学線透過性基材810に力を加えて基材810をダムローラ845と接触した状態に維持するように構成することが可能になる。
図8に示す装置では、テンションローラは、ダムローラ845に隣接して、化学線透過性基材810がダムローラ845の円周の50パーセント超と接触しているようにして配設されて、化学線透過性基材810からの組成物816の漏れを最小限にするのを更に助ける。
【0064】
使用時には、装置800は
図5の装置500と同様に動作し、これには、基材810が巻き出しローラ852から(並びに第1のテンションローラ856の上、ダムローラ845の下、及び第2のテンションローラ854の上を通って)、搬送する手段818(例えば、
図8に示すような巻き取りローラ)へと駆動され続けることが含まれる。更に、特定の実施形態では、形成された接着剤(例えば827、829)は1つ以上の第2の照射源832によって照射されて、基材810の巻き取り前に接着剤を事後硬化する。エアナイフ820は任意選択的に、基材811の主表面810に向かって空気を導いて、化学線照射源812からの照射により重合して接着剤を形成しなかった、基材810の主表面811上に残存している組成物816の除去を助ける。余分な組成物816は、ダムローラ845によって画定される収容領域に戻されることが好ましい。形成された接着剤(例えば、接着剤827及び接着剤829)が巻き取りローラ818に到達すると、化学線透過性基材810のウェブが巻き取られる。
【0065】
図9を参照すると、装置900の概略図が提供されている。装置は、少なくとも2つのローラ952及び918(これらのうちの少なくとも1つは、化学線透過性基材910を搬送するように構成されている)と、化学線透過性基材910を通して、化学線を所定の線量で所定の位置に向けるように構成された、照射源912と、を含む。装置900は更に、化学線透過性基材910の主表面911上に組成物916を付着させる手段914と、化学線透過性基材910又は照射源912を互いに相対的な関係で搬送する手段918と、を含む。付着させる手段914は、基材910の主表面911上に組成物916を分注するように構成されたダイを備える。このような実施形態では、組成物916は、基材910の側縁から漏れ出ることなく基材910の主表面911上に残留するのに十分な粘性を有することが好ましい。化学線透過性基材910は、装置の構成要素であるのとは対照的に、装置900とは別個に得られる消耗材であることが多い。任意選択的に、装置900には、1つ以上の接着剤917及び919が形成されている基材910から未重合組成物916を除去するように構成された、エアナイフ920が備えられている。
【0066】
装置900の更なる任意選択的な構成要素は、1つ以上の接着剤(例えば927及び/又は929)が表面に配設された基材910の部分をスライスする、ブレード960である。
図9に示す実施形態では、1つ以上の形成された接着剤を含む基材910の切片の山961が示されている。代替の実施形態では、1つ以上の接着剤(例えば927及び/又は929)が表面に形成された基材910は、巻き取りロール(図示せず)上に巻き取られる。
【0067】
特定の実施形態では、使用時、
図9に示す装置は以下のように動作する。ダイ914は、化学線透過性基材910の主表面911上に組成物916を付着させる。照射源912は、放射線を、化学線透過性基材910を通して、1つ以上の所定の線量で1つ以上の所定の位置に向ける。照射された組成物916は少なくとも部分的に重合し、
図9に示す接着剤917及び接着剤919のような少なくとも1つの接着剤を形成する。例えば、接着剤917は、照射源912が提供する特定の照射の結果、接着剤919と比べて幅に変化がある。化学線透過性基材910を搬送する手段918は、化学線透過性基材910のウェブをローラ952上に駆動して、重合して接着剤(例えば、917及び919)を形成しなかった組成物916が重力により分離し始めることを可能にする。基材910が第1のローラ918から第2のローラ952へと駆動され続けるとき、エアナイフ920が基材910の主表面911に向けて空気を導いて、基材910の主表面911上に残存している組成物916の除去を助ける。余分な組成物916は、リサイクル又はリユースのために容器958内に入れられるのが好ましい。少なくとも1つの形成された接着剤(例えば接着剤927及び/又は接着剤929)を保持する基材910の特定の部分がブレード960に達すると、ブレード960が使用され、化学線透過性基材910のその部分が切り離される(及び、少なくとも1つの形成された接着剤927を各々含む基材910の切片の山961に、任意選択的に追加される)。
【0068】
ほとんどの実施形態では、(例えば一体型の)接着剤は、感圧性接着剤(PSA)、構造接着剤、構造ハイブリッド接着剤、熱溶融接着剤、又はこれらの組合せである。例えば、接着剤は、アクリレート、2部アクリレート及びエポキシ系、2部アクリレート及びウレタン系、又はこれらの組合せを含む、化学線重合性接着剤前駆体組成物から調製されることが多い。特定の実施形態では、化学線重合性接着剤前駆体組成物は、100%重合性前駆体組成物であり、一方、他の実施形態では、化学線重合性接着剤前駆体組成物は、限定するものではないが例えば、C4〜C12アルカン(例えばヘプタン)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、又はイソプロパノール)、エーテル、及びエステルなどの、少なくとも1種の溶媒を含む。
【0069】
アクリル系ポリマーは、例えば、1〜18個の炭素原子を有する非三級アルコールのアクリル酸エステルとすることができる。一部の実施形態では、アクリル酸エステルは、4〜12個の炭素原子を有する炭素−炭素鎖を含み、ヒドロキシル酸素原子を末端に有し、この鎖は、分子内の炭素原子の総数の少なくとも半分を含有する。
【0070】
特定の有用なアクリル酸エステルは、粘着性、伸縮可能、及び弾性の接着剤に重合可能である。非三級アルコールのアクリル酸エステルの例としては、2−メチルブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、4−メチル−2−ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、及びイソノニルアクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。非三級アルコールの好適なアクリル酸エステルとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート及びイソオクチルアクリレートが挙げられる。
【0071】
接着剤の強度を高めるために、アクリル酸エステルは、高極性基を有する1種以上のモノエチレン性不飽和モノマーと共重合されていてもよい。そのようなモノエチレン性不飽和モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−置換アクリルアミド(例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド)、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ヒドロキシアルキルアクリレート、シアノエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、及び無水マレイン酸が挙げられる。一部の実施形態では、これらの共重合性モノマーは、接着剤が通常の室温で粘着性になるように、接着剤マトリックスの20重量%未満の量で使用される。場合によっては、最大でN−ビニルピロリドンの50重量%において、粘着性が保たれ得る。
【0072】
とりわけ有用なのは、それぞれアクリレートコポリマー中のモノマーの総重量に対して、少なくとも6重量%のアクリル酸を含むアクリレートコポリマー、他の実施形態では少なくとも8重量%、又は少なくとも10重量%のアクリル酸を含むアクリレートコポリマーである。接着剤は、他の有用な共重合性モノエチレン性不飽和モノマー、例えばアルキルビニルエステル、塩化ビニリデン、スチレン、及びビニルトルエンを少量含んでもよい。
【0073】
特定の実施形態では、本開示による接着剤は、2部アクリレート及びエポキシ系を含む。例えば、好適なアクリレート−エポキシ組成物が、米国出願公開第2003/0236362号(Bluemら)に詳細に記載されている。特定の実施形態では、本開示による接着剤は、2部アクリレート及びウレタン系を含む。例えば、好適なアクリレート−ウレタン組成物が、米国特許第4,950,696号(Palazottoら)に詳細に記載されている。
【0074】
接着剤の凝集強度の向上はまた、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートなどの架橋剤によって、米国特許第4,330,590号(Vesley)及び同第4,329,384号(Vesleyら)に教示されているような光活性トリアジン架橋剤を用いて、又は、C1〜4アルキル基を有する低級アルコキシル化アミノホルムアルデヒド縮合物などの熱活性化架橋剤、例えばヘキサメトキシメチルメラミン若しくはテトラメトキシメチル尿素若しくはテトラブトキシメチル尿素を用いて、達成することもできる。架橋は、電子ビーム(すなわち「e−ビーム」)線、ガンマ線、又はX線を組成物に照射することによって達成されてもよい。ビスアミド架橋剤を溶液中でアクリル系接着剤と共に使用してもよい。
【0075】
典型的な光重合法では、光重合開始剤(すなわち光開始剤)の存在下で、モノマー混合物に例えば紫外線(UV)光線などの化学線を照射することができる。好適な例示的な光開始剤は、BASF(Ludwigshafen,Germany)から商品名IRGACURE及びDAROCURで入手可能な光開始剤であり、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE184)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(IRGACURE651)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(IRGACURE819)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(IRGACURE2959)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン(IRGACURE369)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(IRGACURE907)、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン]ESACURE ONE(Lamberti S.p.A.,Gallarate,Italy)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(DAROCUR1173)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド(IRGACURE TPO)、及び2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート(IRGACURE TPO−L)を含む。更なる好適な光開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニソインメチルエーテル、芳香族塩化スルホニル、光活性オキシム、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。使用時、光開始剤は典型的には、総モノマー100重量部あたり約0.01〜5.0部、又は0.1〜1.5部の量で存在する。
【0076】
図1〜9をそれぞれ参照すると、化学線透過性基材は、ガラス(例えば
図1〜
図4のいずれかの場合)、又はポリマー材料(例えば
図1〜
図9のいずれかの場合)を含む。化学線透過性基材がポリマー材料を含む場合、基材は通常、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、シクロオレフィンフィルム、ポリ(メチルメタクリレート)、又はこれらの組合せから選択されるポリマー材料を含む。化学線透過性基材がガラスを含む場合、基材は通常、ホウケイ酸ナトリウムガラス、ソーダ石灰ガラス、及び石英ガラスから選択されるガラスを含む。一部の実施形態では、基材は、多層構造、例えば、ポリマーシート、接着層、及びライナーを含む。接着剤が多層構造から別の表面又は基材に移されることを意図した実施形態では、多層構造は、一体型接着剤が表面に配設されるコーティング(例えば剥離コーティング)を含む。
【0077】
図1〜
図9の各々は、化学線透過性基材又は照射源を互い対して相対的な関係で搬送する手段を指していた。搬送する手段としては一般に、製造技術において知られているような機械的手段、例えば、モータ、サーボモータ、ステッパモータ、又はこれらの任意の組合せが挙げられる。多くの場合、モータは最終的に、基材(例えば、円柱又は不定長のウェブ)及び/又は照射源を搬送する1つ以上のローラを駆動する。
【0078】
図1〜
図9をそれぞれ参照すると、化学線は通常、発光ダイオード(LED)を備えたデジタル光プロジェクタ(DLP)、ランプを備えたDLP、レーザを備えたレーザ走査デバイス、バックライトを備えた液晶ディスプレイ(LCD)パネル、ランプを備えたフォトマスク、又はLEDを備えたフォトマスクである、照射源によって提供される。より具体的には、
図10にはLED又はランプを備えたDLPの概略図が提供されており、
図11a及び
図11bにはランプ又はLEDを備えたフォトマスクの概略図が提供されており、
図12にはバックライトを備えたLCDパネルの概略図が提供されており、
図13にはレーザを備えたレーザ走査デバイスの概略図が提供されている。
【0079】
ここで
図10を参照すると、LED又はランプ1066(1066はLED又はランプのいずれかを表す)を備えたDLP1065を備える照射源1000の概略図が提供されている。DLP1065は、複数の個別に動かせる反射体、例えば第1の反射体1062、第2の反射体1063、及び第3の反射体1064を含む。各反射体は、LED又はランプ1066からの照射を、化学線透過性基材1010の主表面1011上に配設された組成物1016の所定の位置へと向けるような、特定の角度で配置されている。使用時には、LED又はランプ1066からの照射の強度及び継続時間は、1つ以上の接着剤1017及び1019を形成する際に、基材1010の主表面1011に垂直な方向における組成物1016の硬化(例えば重合)の深さに影響を与えることになる。例えば、一体型接着剤1017のある部分1017bは、同じ一体型接着剤1017の別の部分1017aよりも大きい厚みを有する。このことは、部分1017bを、部分1017aが照射されるよりも高い線量で照射することによって達成され得る。一方、接着剤1019は、その幅にわたって同じ線量を受けるため、その幅にわたって単一の厚みを有する。DLPを採用する利点は、個々の反射体を(例えば、コンピュータ制御を用いて)容易に調節可能であり、このため設備の大きな改変を要することなく必要に応じて照射位置及び線量が変えられ、これにより結果的に形成される接着剤の形状が変えられることである。DLPは当技術分野で周知であり、限定するものではないが例えば、米国特許第5,658,063号(Nasserbakht)、同第5,905,545号(Poradishら)、同第6,587,159号(Dewald)、同第7,164,397号(Pettittら)、同第7,360,905号(Davisら)、同第8,705,133号(Liebら)、及び同第8,820,944号(Vasquez)に記載されている装置である。好適なDLPが、例えばTexas Instruments(Dallas,TX)から市販されている。上で示されたように、DLPと共に、LEDか又はランプのいずれかを採用してもよい。好適なランプとしては、フラッシュランプ、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、及び/又はマイクロ波駆動ランプを挙げることができる。当業者は、特定の重合性組成物の重合を開始するのに必要な化学線を提供するために好適なLED又はランプ光源、例えばLuminus Inc.(Sunnyvale,CA)から入手可能なUV LED CBT−39−UVを選択することができる。
【0080】
ここで
図11a及び
図11bを参照すると、LED又はランプ1166(1166はLED又はランプのいずれかを表す)を備えた少なくとも1つのフォトマスク1170a及び1170bを備える照射源1100を含む概略図が提供されている。1つ以上のフォトマスク1170a及び1170bの少なくとも一部にわたって照射を拡散させるために、LED又はランプ1166と共に、凸面1168を有するレンズ1167が使用される。
図11aに示すように、第1のフォトマスク1170aを使用して、LED又はランプ1166からの照射を、化学線透過性基材1110の主表面1111上に配設された組成物1116の所定の位置へと向ける。使用時には、LED又はランプ1166からの照射の強度及び継続時間は、1つ以上の接着剤1117及び1119を形成する際に、基材1110の主表面1111に垂直な方向における組成物1116の硬化(例えば重合)の深さに影響を与えることになる。例えば、一体型接着剤1117のある部分1117bは、同じ一体型接着剤1117の別の部分1017aよりも大きい厚みを有する。このことは、2つ以上のフォトマスクを使用することによって達成され得る。例えば、
図11aを参照すると、複数の部分1171aが設けられているフォトマスク1170aが示されており、この部分を通して、組成物1116を硬化させるように照射を方向付けることができる。ここで
図11bを参照すると、1つの部分1171bが設けられている第2のフォトマスク1170bが示されており、この部分を通して、組成物1116を更に硬化させるように照射を方向付けることができる。図示した実施形態では、部分1117bは部分1117aよりも大きな厚みを有するが、その理由は、照射が2回、すなわち第1のフォトマスク1170aを使用して1回、第2のフォトマスク1170bを使用して1回行われ、この結果、部分1117bの照射が部分1117aよりも高い線量を有するからである。一方、接着剤1119は、第1のフォトマスク1170aのみを通した照射への曝露により、その幅にわたって同じ線量を受けるため、その幅にわたって単一の厚みを有する。
図11a及び
図11bのフォトマスクは不透明な部分及び透明な部分を有するものとして示されているが、当業者は、階調を含むフォトマスクを使用して、組成物の異なる位置での硬化の勾配を実現できることを諒解するであろう。好適なフォトマスクが市販されており、例えば、Infinite Graphics(Minneapolis,MN)によるNanoSculpt Photomasksである。DLPの使用と同様に、フォトマスクと共に、LED又はランプのいずれかを採用してもよい。
【0081】
図12を参照すると、デジタルフォトマスク1272(例えば、バックライト1266を備えたLCD)を備える照射源1200の概略図が提供されており、バックライトはLED又はランプ1266(1266はLED又はランプのいずれかを表す)を備える。デジタルフォトマスク1272の少なくとも一部にわたって照射を拡散させるために、バックライト1266と共に、凸面1268を有するレンズ1267が使用される。使用時には、バックライト1266からの照射の強度及び継続時間は、1つ以上の接着剤1217及び1219を形成する際に、基材1210の主表面1211に垂直な方向における組成物1216の硬化(例えば重合)の深さに影響を与えることになる。例えば、一体型接着剤1217のある部分1217bは、同じ一体型接着剤1217の別の部分1217aよりも大きい厚みを有する。このことは、部分1217bを、部分1217aが照射されるよりも高い線量で照射することによって達成され得る。一方、接着剤1219は、その幅にわたって同じ線量を受けるため、その幅にわたって単一の厚みを有する。デジタルフォトマスクを採用する利点は、個々のピクセルを(例えば、コンピュータ制御を用いて)容易に調節可能であり、このため設備の大きな改変を要することなく必要に応じて照射位置及び線量が変えられ、これにより結果的に形成される接着剤の形状が変えられることである。好適なLCDが市販されており、例えば、シャープ株式会社(大阪、日本)から入手可能なLCD LQ043T1DG28がある。
【0082】
図13を参照すると、レーザ1366を備えたレーザ走査デバイス1362を備える照射源1300の概略図が提供されている。レーザ走査デバイス1362は、少なくとも1つの個別に動かせるミラーを含む。各ミラーは、レーザ1366からの照射を、化学線透過性基材1310の主表面1311上に配設された組成物1316の所定の位置へと向けるような、特定の角度で配置されている。使用時には、レーザ1366からの照射の強度及び継続時間は、1つ以上の接着剤1317及び1319を形成する際に、基材1310の主表面1311に垂直な方向における組成物1316の硬化(例えば重合)の深さに影響を与えることになる。例えば、一体型接着剤1317のある部分1317bは、同じ一体型接着剤1317の別の部分1317aよりも大きい厚みを有する。このことは、部分1317bを、部分1317aが照射されるよりも高い線量で照射することによって達成され得る。一方、接着剤1319は、その幅にわたって同じ線量を受けるため、その幅にわたって単一の厚みを有する。レーザ走査デバイスを採用する利点は、個々のミラーを(例えば、コンピュータ制御を用いて)容易に調節可能であり、このため設備の大きな改変を要することなく必要に応じて照射位置及び線量が変えられ、これにより結果的に形成される接着剤の形状が変えられることである。好適なレーザ走査デバイスが市販されており、例えば、Sino−Galvo(Beijing)Technology Co.,LTD.(北京、中国)によるJS2808 Galvanometer Scannerがある。当業者は、特定の重合性組成物の重合を開始するのに必要な化学線を提供するために好適なレーザ、例えばCoherent Inc.(Santa Clara,CA)によるCUBE 405−100C Diode Laser Systemを選択することができる。
【0083】
このように、本開示の上記の照射源はいずれも、本明細書で開示されている実施形態の装置の各々で使用するのに適している。1つ以上の所定の位置において1つ以上の所定の照射の線量を提供するように容易に構成されて、サイズ及び形状、特に基材に垂直な厚みに変化のある接着剤の製造が可能になることが、これらの照射源の利点である。
【0084】
本明細書に開示される装置のうちの1つ以上を採用する連続的な方法は、様々な接着構造の製造に適合可能である。例えば、連続的な方法により、分離された接着剤の照射の間に基材が移動されたおおよその距離だけ互いから各々分離された、個々の接着剤の連なり又は配列を形成できる。一部の実施形態では、個々の接着剤は、互いに同じ高さ、長さ、及び幅の寸法を有する。一方、他の実施形態では、個々の接着剤は、高さ(すなわち基材の主表面からz方向)、長さ、及び幅のうちの少なくとも1つが互いに異なる。有利には、本開示の方法は、化学線の範囲及び線量によって個々の接着剤の特定の形状が決定される調整可能な化学線源を採用することにより、いくつかの独自の形状を有する個々の接着剤を容易に製造する能力を提供する。例えば、例えば、デジタル光プロジェクタ、レーザ走査デバイス、及び液晶ディスプレイはいずれも、化学線重合性接着剤前駆体組成物の硬化を引き起こす化学線の面積及び強度を変化させるように制御できる。
【0085】
上で指摘したように、接着剤のダイカッティングでは、楔形状の接着剤を容易に形成することができない。同様に、ダイカッティングは、高さの勾配又は他の独自の形状を有する接着剤の形成には向いていない。本開示の(連続的な)方法は、多種多様な形状及び勾配を提供するだけでなく、同一基材上に複数の異なる形状及び高さを製造することができる。
【0086】
したがって、特定の実施形態では、第1の部分及び第3の部分は互いと隣接しているか又は重なり合っている、基材を移動させる前に化学線重合性接着剤前駆体組成物の第3の部分を化学線透過性基材を通して照射することを更に含む、本開示による装置を採用する方法。第1の照射線量と第3の照射線量が同一でない場合には、化学線透過性基材に垂直な軸線において厚みが変化する一体型接着剤が形成される。任意選択的に、この方法は更に、化学線重合性接着剤前駆体組成物の第4の部分を化学線透過性基材を通して照射することを含む。第2の部分及び第4の部分が互いと隣接しているか又は重なり合っており、第2の照射線量及び第4の照射線量が同一でない場合には、化学線透過性基材の主表面に垂直な軸線において厚みが変化する第2の一体型接着剤。
【0087】
別法として、特定の実施形態では、本開示による装置を採用する方法は、化学線重合性接着剤前駆体組成物のいくつかの異なる部分に(例えば、第1の部分及び第3の部分の両方に)同じ照射線量を適用することを含み、これにより、化学線透過性基材の主表面に垂直な軸線において同じ厚さを有する接着剤のパターンが形成される。パターンは、1つ以上の他の同じ高さの個々の接着剤と一体であるか又は別個であるかのいずれかであり得る、1つ以上の個々の接着剤を含む。
【0088】
上で指摘したように、多くの実施形態では、本開示による装置を採用する方法は、形成された1つ以上の接着剤(例えば、第1の接着剤、第2の接着剤、一体型接着剤、等)を事後硬化すること、例えば、化学線又は熱を用いて事後硬化することを含む。このような実施形態では、初期照射中に接着剤を特定の用途に必要な程度まで完全に硬化させる必要がないため、放射変数を重合に集中させて所望の形状及びサイズを形成することができる。
【0089】
接着剤の事後硬化は、熱開始剤を用いて任意選択的に開始される。好適な熱開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビソイソブチロニトリル(VAZO64、E.I.du Pont de Nemours Co.から入手可能)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)(VAZO52、E.I.du Pont de Nemours Co.から入手可能)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、(1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレート)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)及びその可溶性塩(例えば、ナトリウム、カリウム)、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、ペルオキシ二炭酸ジセチル、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカルボネート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカルボネート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、過酸化ジクミル、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸塩とメタ重亜硫酸ナトリウム又は重亜硫酸ナトリウムとの組合せ、過酸化ベンゾイル+ジメチルアミン、クメンヒドロペルオキシド+ナフテン酸コバルト、並びにこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。使用時、熱開始剤は典型的には、総モノマー100重量部あたり約0.01〜約5.0部、又は0.1〜0.5部の量で存在する。
【0090】
本開示による装置を採用する方法は多くの場合、更に、接着剤(例えば、第1の接着剤、第2の接着剤、一体型接着剤、等)と接触して残存している化学線重合性接着剤前駆体組成物を除去することを含む。照射後に重合されなかった前駆体組成物の除去は、重力、気体、真空、流体、又はこれらの任意の組合せを使用することを含み得る。接着剤が事後硬化される場合、事後硬化時に接着剤の所望の形状及びサイズに接着剤材料が追加されるのを最小限にするか又は防止するために、残存している前駆体組成物を接着剤と接触している状態から除去することが特に望ましい場合がある。
【0091】
特定の実施形態では、この方法は、形成された1つ以上の接着剤に関する最終用途で使用される他の材料とは別個である装置上で実施される。このような実施形態では、方法は更に、基材から第1の一体型接着剤を除去することを含む。
【0092】
本開示による方法が実施される温度は特に限定されない。室温(例えば摂氏20〜25度)で液状である化学線重合性接着剤前駆体組成物を使用する方法では、簡潔にするために、方法の様々なステップのうちの少なくともいくつかが室温で実施されるのが通常である。室温で固体形態である化学線重合性接着剤前駆体組成物を採用する方法では、方法の様々なステップのうちの少なくともいくつかを、化学線重合性接着剤前駆体組成物が液体形態となるように、室温よりも高い温度で実施してもよい。方法全体を通じて、又は、接着剤の形成、未重合の化学線重合性接着剤前駆体組成物の除去、及び/若しくは接着剤の任意選択的な事後硬化などのステップを通じて、高温を用いることができる。一部の実施形態では、方法の特定の部分が異なる温度で実施され、一方、一部の他の実施形態では、方法全体が1つの温度で実施される。好適な高温としては、例えば、摂氏25度超から摂氏150度まで、摂氏130度まで、摂氏110度まで、摂氏100度まで、摂氏90度まで、摂氏80度まで、摂氏70度まで、摂氏60度まで、摂氏50度まで、又は摂氏40度までが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、本方法は、摂氏20度以上〜摂氏150度以下、摂氏30度以上〜摂氏150度以下、摂氏25度以上〜摂氏100度以下、又は摂氏25度以上〜摂氏70度以下の温度で実施される。使用する温度は、通常は、この方法で使用される材料(例えば、基材、装置の構成要素等)が熱的に安定なままである最高温度のうちの最も低いものによってのみ制限される。
【0094】
実施形態1は、接着剤を製造するための装置である。装置は、主表面を有する化学線透過性基材と、化学線透過性基材を通して、化学線を2つ以上の所定の線量で2つ以上の所定の位置に向けるように構成された照射源と、を含む。装置は更に、化学線透過性基材の主表面に組成物を付着させる手段と、化学線透過性基材又は照射源を互いに相対的な関係で搬送する手段と、を含む。
【0095】
実施形態2は、基材から組成物を除去するように構成されたエアナイフを更に備える、実施形態1に記載の装置である。
【0096】
実施形態3は、基材は基材上にコーティングされた剥離材料を含む、実施形態1又は実施形態2に記載の装置である。
【0097】
実施形態4は、第2の基材を更に含む、実施形態1〜3のいずれかに記載の装置である。
【0098】
実施形態5は、第2の基材は構造化シートを備える、実施形態4に記載の装置である。
【0099】
実施形態6は、基材から接着剤を除去するように構成されたロボットを更に備える、実施形態1〜5のいずれかに記載の装置である。
【0100】
実施形態7は、基材を掻き取るように構成されたスクレーパを更に備える、実施形態1〜6のいずれかに記載の装置である。
【0101】
実施形態8は、基材をクリーニングするように構成された粘着ローラを更に備える、実施形態1〜7のいずれかに記載の装置である。
【0102】
実施形態9は、基材は円柱の形態である、実施形態1〜8のいずれかに記載の装置である。
【0103】
実施形態10は、付着させる手段は、組成物の体積を通して円柱を回転させて、基材上に組成物を適用することを含む、実施形態9の装置である。
【0104】
実施形態11は、付着させる手段は、組成物を基材の主表面上にたまりとして分注するように構成された容器を備える、実施形態1〜8のいずれかに記載の装置である。
【0105】
実施形態12は、付着させる手段は、組成物を基材の主表面上に分注するように構成されたダイを備える、実施形態1〜8のいずれかに記載の装置である。
【0106】
実施形態13は、基材はガラス又はポリマー材料を含む、実施形態1〜12のいずれかに記載の装置である。
【0107】
実施形態14は、化学線透過性基材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、シクロオレフィンフィルム、ポリ(メチルメタクリレート)、又はこれらの組合せから選択されるポリマー材料を含む、実施形態1〜13のいずれかに記載の装置である。
【0108】
実施形態15は、基材は、ホウケイ酸ナトリウムガラス、ソーダ石灰ガラス、及び石英ガラスから選択されるガラスを含む、実施形態13に記載の装置である。
【0109】
実施形態16は、基材は多層構造を含む、実施形態1〜13のいずれかに記載の装置である。
【0110】
実施形態17は、多層構造は、ポリマーシート、接着層、及びライナーを含む、実施形態16に記載の装置である。
【0111】
実施形態18は、多層構造は、一体型接着剤が表面に配設されるコーティングを含む、実施形態16又は実施形態17に記載の装置である。
【0112】
実施形態19は、化学線は、発光ダイオード(LED)を備えたデジタル光プロジェクタ(DLP)、ランプを備えたDLP、レーザを備えたレーザ走査デバイス、バックライトを備えた液晶ディスプレイ(LCD)パネル、ランプを備えたフォトマスク、又はLEDを備えたフォトマスクによって提供される、実施形態1〜18のいずれかに記載の装置である。
【0113】
実施形態20は、搬送する手段は、モータ、サーボモータ、ステッパモータ、又はこれらの組合せである、実施形態1〜19のいずれかに記載の装置である。
【0114】
実施形態21は、接着剤を製造するための装置である。装置は、主表面を有する化学線透過性基材を支持するように構成された少なくとも1つのローラと、化学線透過性基材を通して、化学線を2つ以上の所定の線量で2つ以上の所定の位置に向けるように構成された照射源と、を含む。装置は更に、化学線透過性基材の主表面に組成物を付着させる手段と、化学線透過性基材又は照射源を互いに相対的な関係で搬送する手段と、を含む。
【0115】
実施形態22は、基材から組成物を除去するように構成されたエアナイフを更に備える、実施形態21に記載の装置である。
【0116】
実施形態23は、基材は基材上にコーティングされた剥離材料を含む、実施形態21又は実施形態22に記載の装置である。
【0117】
実施形態24は、付着させる手段は、組成物を基材の主表面上にたまりとして分注するように構成された容器を備える、実施形態21〜23のいずれかに記載の装置である。
【0118】
実施形態25は、付着させる手段は、組成物を基材の主表面上に分注するように構成されたダイを備える、実施形態21〜24のいずれかに記載の装置である。
【0119】
実施形態26は、基材はポリマー材料を含む、実施形態21〜25のいずれかに記載の装置である。
【0120】
実施形態27は、化学線透過性基材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、シクロオレフィンフィルム、ポリ(メチルメタクリレート)、又はこれらの組合せから選択されるポリマー材料を含む、実施形態21〜26のいずれかに記載の装置である。
【0121】
実施形態28は、基材は多層構造を含む、実施形態21〜27のいずれかに記載の装置である。
【0122】
実施形態29は、多層構造は、ポリマーシート、接着層、及びライナーを含む、実施形態28に記載の装置である。
【0123】
実施形態30は、多層構造は、一体型接着剤が表面に配設されるコーティングを含む、実施形態28又は実施形態29に記載の装置である。
【0124】
実施形態31は、基材を切断するように構成されたブレードを更に備える、実施形態21〜30のいずれかに記載の装置である。
【0125】
実施形態32は、化学線は、発光ダイオード(LED)を備えたデジタル光プロジェクタ(DLP)、ランプを備えたDLP、レーザを備えたレーザ走査デバイス、バックライトを備えた液晶ディスプレイ(LCD)パネル、ランプを備えたフォトマスク、又はLEDを備えたフォトマスクによって提供される、実施形態21〜31のいずれかに記載の装置である。
【0126】
実施形態33は、搬送する手段は、モータ、サーボモータ、ステッパモータ、又はこれらの組合せである、実施形態21〜32のいずれかに記載の装置である。
【実施例】
【0127】
これらの実施例は単に例示を目的としたものであり、添付した特許請求の範囲を過度に限定することを意図しない。本開示の広い範囲を記載する数値範囲及びパラメータは、近似値であるが、特定の実施例に記載される数値は、可能な限り正確に報告される。しかし、いずれの数値も、それらの対応する試験測定値に見出される標準偏差から必然的に生じる、特定の誤差を本質的に含む。最低でも、各数値パラメータは少なくとも、報告される有効桁の数に照らして通常の丸め技法を適用することにより解釈されるべきであるが、このことは特許請求の範囲の範囲への均等論の適用を制限しようとするものではない。
【0128】
材料の概要
特に記載のない限り、実施例及び本明細書のその他の箇所における全ての部、百分率、比、等は、重量によるものである。表1は、下記の実施例において使用される材料の役割及び供給元を示す。
【表1】
【0129】
実験装置
接着剤を連続的に付加製造するための装置を、
図1に全体的に示すように構築した。化学線透過性基材10は、McMaster−Carr,Chicago,ILから品目8486K735として得られる外径8インチ(20.32センチメートル(cm))x内径7と3/4インチ(19.7cm)のOptically Clear Cast Acrylic Tubeを6インチ(15.24cm)の長さに切断し、これを、SKC Haas、ソウル、大韓民国、から入手可能な厚さ5ミル(127マイクロメートル)の透明なPETシリコーン剥離ライナー、型式RF12N、で包んで構築した。この結果、剥離ライナーのシリコーン化側に、化学線透過性基材10の主表面11が形成された。
【0130】
2インチ(5.08cm)の中心孔及びこれより小さいアクセス孔を有する平坦な流延アクリル系シートから製作した側壁を、Clear Cast Acrylic Tubeに挿入した。外径2インチ、内径1インチの軸受を2インチ(5.08cm)孔に挿入し、Clear Cast Acrylic Tubeが直径1インチ(2.54cm)の固定された中空鋼管を中心に回転できるようにした。この鋼管は、アルミニウム押出材から構築されたフレームに取り付けた。駆動システムを、アクリル製側壁に取り付けた3D印刷したはめ歯歯車と、これと噛み合う、Wenzhou Zhengke Electromotor Co.,Ltd、Yueqing、中国、が製造した12V DCギアモータ、モデルZGA25RP83i上の、はめ歯歯車と、から構築し、これを押出アルミニウム製フレームに取り付けた。
【0131】
鋼管の中心に10mmの孔を開け、40cmのケーブルリードを有する2つのLED(いずれもBivar Inc,Irvine,CAから入手可能な、390nmのUV光を発する1つのLED、モデルUV3TZ−390−15、及び405nmのUV光を発する1つのLED、モデルUV3TZ−405−15)と、82オームの抵抗とを、孔を通して挿入し、固定された中空鋼管にアクリル製の小さな棒を利用して取り付けた。LEDはClear Cast Acrylic Tubeの内側で下を向いており、管の内面からの距離は約5mmであった。
【0132】
DCモータ及び2つのLEDを、SparkFun Electronics,Niwot,COから入手可能なArduino Motor Shieldを用いてArduino R3マイクロコントローラに接続した。マイクロコントローラは、Clear Cast Acrylic Tubeを約30度回転させた後停止させ、LEDを2秒間点灯させるようにプログラムし、このプログラムを、このシーケンスを合計10回繰り返すように設定した。
【0133】
ベースプレート寸法6.5インチ(16.51cm)×4.5インチ(11.43cm)、側壁高さ0.5インチ(1.27cm)の容器16を、McMaster−Carr,Chicago,ILから85635K471として入手可能なOptically Fluorescent Cast Acrylic,厚さ3/32”,Amberから構築し、Clear Cast Acrylic Tubeの下方でラボジャッキに載せた。
【0134】
McMaster−Carr,Chicago,ILから品目6069K12として入手可能な「Super Efficient Compressed−Air Air Knife,Aluminum,空気スロット幅6”」をフレームに取り付け、ドラムの回転中これにより余分な組成物材料が主表面11から吹き飛ばされ容器16内に戻るようにした。
【0135】
OAI Instruments,San Jose,CAによるUV Intensity Analyzer,Model 356を使用して、主表面11におけるLEDの強度及びエネルギーを測定した。400nm広帯域センサをAnalyzerに取り付け、センサハウジングが主表面11に触れる状態でセンサ表面をLED下方の中心に配置した。390nmのLEDに関しては、2秒の照射に対して、強度39.3mW/cm
2、及びエネルギー線量79.1mJ/cm
2を測定した。405nmのLEDに関しては、2秒の照射に対して、強度31.3mW/cm
2、及びエネルギー線量63.7mJ/cm
2を測定した。
【0136】
実施例1
【0137】
化学線重合性組成物を、100mLのアンバーガラス製ジャーに、6.25gのAA、21.9gのiOA及び21.9gのiBOA、0.156gのHDDA、0.05gのTINOPAL OB CO、0.05gのBHT、並びに0.75gのIRGACURE TPOを投入して調製した。ジャーを封止し、実験室用ベンチトップローラMX−T6−Sでほぼ10RPMで2時間回転させた。
【0138】
この組成物を実験装置の容器16内に注入し、ラボジャッキを利用して容器を持ち上げて、組成物がLEDの直下で主表面11に接触するようにした。
【0139】
実験装置の電源を投入し、ドラムを回転させてLEDを点灯させるシーケンスにかけた。
【0140】
LEDによって照明された箇所では、硬化した接着剤組成物のドットが形成されているのが観察された。ドラムが回転すると、液体組成物からこれらのドットが現れ、余分な液体組成物は主表面11から流れ落ちて容器16内へと戻った。これらのドットは直径が約3mm、厚みが0.5mmであった。
【0141】
顕微鏡用ガラススライドをドットに押し付けると、これらがガラススライドに付着しているのが観察された。次いで、これらのドットを、Asiga,Anaheim Hills,California,USAから入手可能なAsiga Flash UV事後硬化チャンバ内で10分間事後硬化させた。この事後硬化チャンバは、5.5インチ(13.97cm)×5.75インチ(14.61cm)のベースプレートから約2インチ(5.08cm)に配置構成された、365nmのピーク波長を有する9W蛍光電球を4つ内蔵していた。OAI Instruments,San Jose,CAによる、UV Intensity Analyzer,Model 356を、400nm広帯域センサと共に使用して、UV強度を測定した。ベースプレート全体にわたって、約5.3mW/cm
2のUV強度が見られた。
【0142】
事後硬化後にドットに触れると、その触感には粘着性があり、感圧性接着剤のように指に付着した。紙片をドットに押し付けると、紙片とガラススライドが1つに接着されることが観察された。
【0143】
本明細書では特定の例示的な実施形態について詳細に説明してきたが、当業者には上述の説明を理解した上で、これらの実施形態の修正形態、変形形態、及び均等物を容易に想起できることが、諒解されるであろう。更には、本明細書で参照される全ての刊行物及び特許は、個々の刊行物又は特許を参照により組み込むことが、詳細かつ個別に指示されている場合と同じ程度で、それらの全容が参照により組み込まれる。様々な例示的な実施形態について説明してきた。これらの実施形態及び他の実施形態は、以下の特許請求の範囲に含まれる。