(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガイドピンは、前記近位端部分に対して前記遠位端部分を固定する張力をかけた状態で、前記遠位端部分及び前記近位端部分のそれぞれに連結されている、請求項1に記載の外科用器具。
前記遠位端部分は遠位ピン穴を有し、前記近位端部分は近位ピン穴を有し、前記遠位ピン穴及び前記近位ピン穴は、互いに対向して位置決めされ、前記遠位ピン穴及び前記近位ピン穴の内部に前記ガイドピンを受け入れる、請求項1に記載の外科用器具。
前記ねじ山付き締結具は、前記近位端部分に対して前記遠位端部分を固定する張力をかけた状態で、前記遠位端部分及び前記近位端部分のそれぞれに連結されている、請求項6に記載の外科用器具。
前記ガイドピンに接して受け入れられるカートリッジを更に備え、前記カートリッジは、前記ガイドピンに沿って前記近位端部分から前記遠位端部分に向かって案内されるように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
前記カートリッジは、ナイフ又は複数のステープルのうちの少なくとも1つを含み、前記ナイフは前記組織を切断するように構成され、前記複数のステープルは、前記組織を締結するように構成されている、請求項8に記載の外科用器具。
前記ガイドピンに接して受け入れられるカートリッジを更に備え、前記カートリッジは、前記ガイドピンに沿って前記近位端部分から前記遠位端部分に向かって案内されるように構成されている、請求項13に記載のエンドエフェクタ。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特定の実施例の以下の説明文は、本発明の範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明には、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なる、かつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0008】
本明細書に記載される教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものを、本明細書に記載される他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものと組み合わせることができる点も更に理解されよう。したがって、以下に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して個別に考慮されるべきではない。本明細書の教示を考慮すれば、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な適切な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。かかる改変例及び変形例は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0009】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、外科用器具の人間又はロボットのオペレータに対して本明細書で定義する。「近位」という用語は、外科用器具の人間又はロボットのオペレータにより近く、かつ、外科用器具の外科手術用エンドエフェクタから更に離れた要素の位置を指す。「遠位」という用語は、外科用器具の外科手術用エンドエフェクタにより近く、かつ、外科用器具の人間又はロボットのオペレータから更に離れた要素の位置を指す。便宜的に、かつ明確にするために、「垂直」、「水平」、「下側」、「上側」、「前方」、「後方」など、空間に関する用語は、本明細書において、図面を基準にして用いられることが更に理解されるだろう。しかしながら、外科用器具は多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0010】
I.例示的な外科用ステープラ
図1Aは、例示的な外科用ステープル留め及び切断器具(10)を示し、この器具は、ハンドル組立体(12)、シャフト組立体(14)、及びシャフト組立体(14)から遠位に突出するエンドエフェクタ(16)を含む。本明細書では、「近位」、「遠位」、「右」、「左」といった用語は、外科用ステープル留め器具(10)のハンドル組立体(12)を握っている臨床医を基準として使用されることを理解されたい。したがって、エンドエフェクタ(16)は、比較的近位にあるハンドル組立体(14)に対して遠位にある。本明細書に別段の記載がある場合を除き、器具(10)は、その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、2005年6月30日に発行された「Curved Cutter Stapler Shaped for Male Pelvis」と題された米国特許出願公開第2005/0143759号;及び/又は、その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、2015年7月30日に出願された「Surgical Instrument Comprising Systems for Assuring the Proper Sequential Operation of the Surgical Instrument」と題された米国特許出願第14/813,242号の教示の少なくとも一部に従って構成し、操作することができる。
【0011】
ハンドル組立体(12)は、外科手術中にエンドエフェクタ(16)を操縦するためのいくつかの作動機構を含む。このために、例示的なハンドル組立体(12)が、鞍部形のスライド(18)と、閉鎖トリガー(20)と、シャフト組立体(14)を介してエンドエフェクタ(16)と連通する発射トリガー(22)とを含む。
図1Aに示すように、スライド(18)及び閉鎖トリガー(20)は、エンドエフェクタ(16)がエンドエフェクタ(16)のアンビル(26)とカートリッジ(28)との間の間隙(25)内で横方向に組織を受け入れるように構成されるように、開放形態にある。スライド(18)をエンドエフェクタ(16)に向かって遠位に並進させることにより、アンビル(26)とカートリッジ(28)との間で組織を捕捉するためのエンドエフェクタの保持ピン(30)を
図1Bに示すように遠位にスライドさせる。
図1C及び
図1Dについて、閉鎖トリガー(20)及び発射トリガー(22)を連続的に作動させることにより、それぞれ、閉鎖形態においてアンビル(26)とカートリッジ(28)との間の組織を圧縮し、次いで組織内に複数のステープル(図示せず)を形成し、治療のために組織をナイフ(32)(
図6参照)で切断する。これらの例示的な作動機構に関する追加の詳細は、以下により詳細に提供される。
【0012】
A.例示的なハンドル組立体及びシャフト組立体
図1A、
図2Aに示すように、ハンドル組立体(12)は、簡単に前述したように、ハンドルハウジング(34)と、シャフト組立体(14)に沿って延びるハンドルハウジング(34)内の一対のハンドルフレームプレート(35、36)と、鞍部形スライド(18)と、閉鎖トリガー(20)と、発射トリガー(22)とを有する。ハンドルハウジング(34)は、外科医等のオペレータが少なくとも片手の掌で把持するハンドグリップ(38)を画定する。ハンドルハウジング(34)は、右シュラウドハンドル部分(40)と左シュラウドハンドル部分(42)とによって形成される。閉鎖トリガー(20)は発射トリガー(22)に対して近位に位置決めされ、それぞれフレームプレート(35、36)に枢着され、オペレータの指で操作されるようにハンドル組立体(12)の残部の下に延びる。閉鎖及び発射トリガー(20、22)は、エンドエフェクタ(16)及び発射ステープル(図示せず)及び/又はナイフ(32)(
図6参照)を閉じる前の非作動位置で示されている。したがって、カートリッジ(28)は、その間の間隙(25)内で組織を受け入れるためにアンビル(26)から離隔されている。
【0013】
外科用ステープル留め器具(10)は、閉鎖及び発射トリガー(20、22)の作動より前に組織保持ピン作動機構(37)によって組織を捕捉する。
図1Aは開放態様におけるスライド(18)を含む保持ピン作動機構(37)を示すが、
図2Aは閉鎖形態における保持ピン作動機構(37)をより詳細に示している。
図2Aについて、スライド(18)はハンドルハウジング(34)の上面に取り付けられ、近位位置と遠位位置との間で直線的に並進するように構成されている。スライド(18)は、プッシュロッドドライバ(46)から横方向外方に延びる支柱(44)に、スロット(48)(
図1A参照)を通って連結されている。プッシュロッドドライバ(46)は、スロット(48)による長手方向の移動に沿ってハンドルハウジング(34)内に拘束されている。プッシュロッドドライバ(46)は、プッシュロッド(50)の近位端に連結されている。スライド(18)の遠位の移動が、プッシュロッド(50)をシャフト組立体(14)に沿って近位に同様に摺動させて保持ピン(30)(
図6)を閉鎖形態に移動させるように、プッシュロッド(50)の遠位端が保持ピン(30)(
図6参照)に連結しており、これについてはより詳細に後述する。
【0014】
閉鎖トリガー(20)を含む閉鎖機構(52)は、組織をステープル留め及び/又は切断することを予期して、閉鎖態様にあるアンビル(26)とカートリッジ(28)との間に位置決めされた組織に向かってカートリッジ(28)を選択的に移動させるように構成される。閉鎖機構(52)は、略U字形の断面を有する細長い閉鎖部材(54)を更に含み、この閉鎖部材は、ハンドル組立体(12)から遠位にシャフト組立体(14)を通ってエンドエフェクタ(16)内へ延び、エンドエフェクタは、後述するようにカートリッジ(28)(
図3参照)をその遠位端部分で受け入れる。閉鎖部材(54)の近位端部分は、閉鎖トリガー(20)の枢動運動を閉鎖部材(54)の並進に変換するように構成された複数のリンク部によって閉鎖トリガー(20)に作動的に連結されている。より具体的には、閉鎖部材(54)の中間部及び近位端部分は、左右のハンドルフレームプレート(35、36)間のハンドル組立体(12)を通って延びる。右及び左閉鎖リンク(56)はそれぞれ、一体型閉鎖リンクピン(58)によって閉鎖部材(54)の右及び左の近位端において枢着されている。閉鎖リンク(56)の反対端では、閉鎖リンク(56)が、別の一体型閉鎖リンクピン(60)に枢着されている。閉鎖リンクピン(60)は、閉鎖リンク(56)をスロット付き閉鎖アームリンク(62)に連結し、閉鎖アームリンク(62)は、閉鎖トリガーピン(64)でハンドルフレームプレート(35、36)に枢着されている。閉鎖トリガー(20)は、閉鎖トリガー枢動ピン(64)を中心としたハンドグリップ(38)に近づいたり遠ざかったりする枢軸回転のためにスロット付き閉鎖アームリンク(62)から下降する。ハンドグリップ(38)内に収容された閉鎖ばね(66)は、スロット付き閉鎖アームリンクに(62)に固定され、オペレータがハンドグリップ(38)に向かって閉鎖トリガー(20)を握り締めると、所望の抵抗をもたらし、閉鎖トリガー(20)を開位置に向けて付勢する。
【0015】
閉鎖部材(54)は、オペレータが閉鎖トリガー(20)を握り締めている間、組織保持ピン作動機構(37)の移動を導いて、保持ピン(30)の移動を閉鎖形態へ自動的に導くように更に構成される。このような自動化は、トリガー(20)を作動させる前にオペレータが手動でスライド(18)を遠位位置に移動させなかった場合に有用となり得る。閉鎖部材(54)は支柱(68)を含み、この支柱は、ハンドルハウジング(34)内の閉鎖部材(54)の各対向側において横方向に延びる。支柱(68)は、L字スロット(72)を介してヨーク(70)に摺動可能に連結されている。ヨーク(70)は、ピボットピン(74)によってハンドルハウジング(34)内に枢着される。ヨーク(70)は、カムピン(76)を更に含むことができ、カムピンは、カム面(78)をプッシュロッドドライバ(46)に押し付けるように構成される。こうして、閉鎖トリガー(20)を
図2Aに示す中間位置に作動させることにより、閉鎖部材(52)を遠位に導き、ヨーク(70)をプッシュロッドドライバ(46)に係合させて、保持ピン(30)(
図1B参照)を閉位置へ付勢する。これによって、トリガー(20)を作動させる前にオペレータが手動でスライド(18)を遠位位置に操作しなかった場合には、スライド(18)が、ハンドルハウジング(34)に沿って近位位置から遠位位置へ引っ張られる。
【0016】
オペレータは、
図1C、
図2Bに示すように、閉鎖トリガー(20)をハンドグリップ(38)へと更に握り締め、簡単に前述したように、ステープル(図示せず)を形成して組織を切断する前に、外科用ステープル留め器具(10)を閉鎖形態に効果的に設定する。例示的なハンドル組立体(12)は、オペレータが、
図1D及び
図2Cに示すように発射トリガー(22)を閉鎖トリガー(20)に向けて操作すると、発射機構(80)を介してステープル(図示せず)を形成して組織を切断するように構成される。
図1C、
図1D、
図2B及び
図2Cに示すように、発射トリガー(22)を含む発射機構(80)は、ハンドル組立体(12)からエンドエフェクタ(16)内に遠位に延びる発射バー(82)を有する。発射バー(82)の遠位端は、より詳細に後述するようにカートリッジ(28)と協働するが、発射バー(82)の近位端は、選択的に発射するために発射トリガー(80)に作動的に連結される。
【0017】
発射バー(82)は、ハンドルハウジング(34)内に配置された発射バー(82)の部分に矩形受容スロット(84)(
図2A参照)を有する。一体型閉鎖リンクピン(58)が受容スロット(84)を通って延びる。発射バー(82)の近位端部分の下側は、摺動面(86)を有する。また、発射バー(82)の近位端部分は、摺動面(86)から延びる末端側係合面(82)を有する。発射トリガー(22)は、閉鎖トリガーピン(64)から離れて配置された発射トリガーピン(90)によってハンドルフレームプレート(35、36)に枢着され、ピン(90、64)それぞれが互いに独立した軸を中心として枢動するようになっている。発射トリガー(22)は、発射トリガーピン(90)における発射トリガー(22)から頂点(94)まで延びる弓状発射トリガーリンク(92)を含み、弓状発射トリガーリンクは、発射バー(82)の近位端部分の摺動面(86)上に載っている。ハンドル組立体(12)内で、発射トリガー(22)は、発射トリガーばねアーム(95、96)に、それぞれ取り付けられている。発射トリガーばねアーム(95、96)は、発射トリガー(22)の右半分においてねじりばね(図示せず)を支持する。最後に、発射バー戻しばね(98)が、ハンドル組立体(12)内の発射バー(82)の部分で発射バー(82)の下側に固定され、発射バー(82)をその非作動位置に付勢する。
【0018】
オペレータがハンドグリップ(38)に向かって閉鎖トリガー(20)を握り締めると、スロット付き閉鎖アームリンク(62)及び閉鎖リンク(56)は、発射バー(82)の受容スロット(84)内を遠位に移動する。この遠位の移動は、閉鎖部材(54)を相応に遠位に移動させる。同様に、発射バー(82)は、閉鎖部材(54)と共に遠位に同時に移動し、これは、閉鎖リンク(56)が取り付けられる一体型閉鎖リンクピン(58)が発射バー(82)(
図2A参照)の受容スロット(84)を通って延びているからである。これによって、発射バー(82)が遠位に付勢されて、組織内にステープル(図示せず)が形成され、かつ/又はナイフ(32)(
図6参照)で組織が切断される。最後に、オペレータは、発射トリガー(22)をハンドグリップ(38)に向けて完全に握り締めて外科用ステープル留め器具(10)を「発射」して、発射バー(82)を更に遠位に付勢してステープル(図示せず)を形成し組織を切断することができる。この発射バー(82)の遠位の移動は、発射バー(82)を作動又は「発射」位置へ「発射する」とも本明細書では呼ぶことがある。
【0019】
トリガー(20、22)の一方又は両方が発射位置にある間、又は非作動位置と発射位置との間の中間位置にある間に、閉鎖及び発射トリガー(20、22)の一方又は両方をオペレータが解除すると、外科用ステープル留め器具(10)は、様々な形態のうちの1つに解除可能に係止されるように更に構成することができる。次いで、オペレータは、外科手術の間にハンドグリップ(38)を解放して1つ以上の手を別のタスクのために空けて、必要に応じて、解除ボタン(24)によって外科用ステープル留め器具(10)をそのロック位置から解除することができる。一例では、外科用ステープル留め器具(10)は、中間閉鎖戻り止め位置と閉鎖戻り止め位置とを有する。
図2A〜
図2Cについて、スロット付き閉鎖アームリンク(62)の上面は、中間戻り止め(104)及び閉鎖戻り止め(106)となるクランプ摺動面(102)を有する。解除爪(108)は、クランプ摺動面(102)上を摺動し、中間及び閉鎖戻り止め(104、106)と係合することができる。解除爪(108)は、その遠位端において横方向に延びる爪突起部(110)を有する。
【0020】
解除爪(108)は、ハンドル組立体(12)内に配置され、解除ボタン(24)と一体的に形成され、解除ボタンは、オペレータによる操作のためにハンドルハウジング(34)の外側にある。解除ボタン(24)は、解放トラニオン(114)によってハンドルハウジング(34)に枢着された親指レスト(112)を有する。解除ボタン(24)は、ハンドルハウジング(34)から外方に付勢され、したがって、解除爪(108)は、解除ばね(116)によってクランプ摺動面(102)に向かって下方に付勢されている。解除ばね(116)は、ばね保持ピン(118)によってハンドルハウジング(34)に取り付けられ、ボタンばね支柱(120)によって解除ボタン(24)に取り付けられている。スロット付き閉鎖アームリンク(62)は、中間及び閉鎖用戻り止め(104、106)の間に位置する弓状凹部(122)を有する。回転運動のために弓状凹部(122)内に静止しているのは、一体的に接続された左手及び右手トグル(124)である。各トグル(124)は、爪突起部(110)に係合可能なトグルアーム(126)を有する。
【0021】
ハンドル組立体(12)を解除可能に係止するために、閉鎖トリガー(20)をハンドグリップ(38)に向けて握り締めると、爪突起部(110)からのトグルアーム(126)が爪突起部(110)から外れる。その結果、トグル(124)が時計回り方向に回転し続けると、解除爪突起部(108)は、トグルアーム(126)を乗り越え、閉鎖トリガー(20)の継続した動きに伴って、使用中の閉鎖トリガー(20)の位置に応じて、中間戻り止め及び閉鎖戻り止め(104、106)のうちの一方に嵌まる。解除爪(108)がトグルアーム(126)を乗り越えるにつれて、解除爪(108)は解除ボタン(24)を時計回りに回転させる。それにより解除爪(108)が中間戻り止め(104、106)のうちの一方に嵌まり、中間位置及び閉鎖位置のうちの1つに到達したことを外科医に警告する可聴クリック音を生成する。
【0022】
本明細書で説明した中間位置又は閉鎖位置からハンドル組立体(12)を解除するために、外科医は解除ボタン(24)を押下する。今度は、解除爪(108)が、解除トラニオン(114)を中心として時計回り方向に枢動して、爪突起部(110)を中間戻り留め及び閉鎖戻り止め(104、106)のうちの1つから外す。爪突起部(110)が外れるにつれて、爪突起部(110)はトグルアーム(126)を乗り越えて非作動位置など別の位置へ移動する。したがって、オペレータは、閉鎖及び発射トリガー(20、22)を、それぞれが
図1A及び
図3の非作動位置に戻るように解除することができる。
【0023】
本例の外科用ステープル留め器具(10)は、ハンドル組立体(12)からエンドエフェクタ(16)へ連続的に延び、それによってその間に延びるシャフト組立体(14)を画定する、各ハンドルフレームプレート(35、36)、プッシュロッド(50)、閉鎖部材(54)、及び発射バー(82)を含む。外科用ステープル留め器具(10)のハンドルフレームプレート(35、36)、プッシュロッド(50)、閉鎖部材(54)、及び発射バー(82)は、ハンドル組立体(12)から遠位に延びる細長い部品からなるサブセットのみをシャフト組立体(14)として提供する。代替的に、シャフト組立体(14)は、関節接合部など追加の構成要素を含んでもよいし、シャフト組立体(14)がハンドル組立体(12)に対してモジュール化されるように様々な構成要素の再配置を含んでもよい。いずれの場合も、本発明は、本明細書に記載のシャフト組立体(14)に限定されるものではなく、エンドエフェクタ(16)をハンドル組立体(12)に作動的に連結するための様々な代替構成を含むことができることが理解されよう。当然のことながら、ハンドル組立体(12)及びシャフト組立体(14)は、上記したもののいずれかに加えて又はその代わりに様々な他の構成要素、特徴、及び動作性を有することができる。ハンドル及びシャフト組立体(12、14)の他の好適な構成は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0024】
B.例示的なエンドエフェクタ
図3〜
図5に示すように、また簡単に前述したように、本例のエンドエフェクタ(16)は、アンビル(26)と、複数のステープル(図示せず)及びナイフ(32)(
図6参照)を含む交換可能なカートリッジ(28)と、保持ピン(30)とを含む。本例のエンドエフェクタ(16)は、様々な構成要素を有する交換可能なカートリッジ(28)と併せて使用するよう適合されているが、本発明の根底にある概念は、患者を治療するための様々なエンドエフェクタ及びカートリッジ構造体に適用できることが理解されよう。
【0025】
エンドエフェクタ(16)は、C形支持構造体(128)内に受け入れられたカートリッジ(28)を含む外科用締結組立体を提供する。「C形」という用語は、本明細書の全体を通じて、支持構造体(128)及びカートリッジ(28)の凹面性を表すために用いられている。C形構造体は、機能性及び患者内の組織へのアクセスの向上を容易にする。本明細書で使用する「C形」という用語は、同様に外科用ステープル留め及び切断器具の機能性を向上させるであろう様々な凹形状を含むと解釈されるべきである。あくまで例として、支持構造体(128)のC形は、例えば、直腸結腸切除手術においてLARを実施するために、患者の骨盤ボウル内の下部結腸へのアクセスを促進するように寸法決めすることができる。
【0026】
エンドエフェクタ(16)の支持構造体(128)は、肩リベット(129)及び支柱(130)によってシャフト組立体(14)のハンドルフレームプレート(35、36)にそれぞれ取り付けられ、支柱(130)は、支持構造体(128)からハンドルフレームプレート(35、36)の受容穴内に延びている。閉鎖部材(54)の遠位端は、カートリッジ(28)を閉鎖形態に導くために、カートリッジ(28)をその上部に受け入れるように配置される。カートリッジ(28)が閉鎖形態から開放形態に戻ると、カートリッジ(28)は、カートリッジ(28)が不注意で再発射されることを防止するように構成された安全ロックアウト機構(131)(
図7Aを参照)を更に含む。安全ロックアウト機構(131)は、更に詳細に後述する。
【0027】
カートリッジ(28)は、カートリッジハウジング(132)に結合されたアンビル(26)を含む。カートリッジ(28)はまた、保持ピン(30)及び組織接触面(34)を含み、組織接触面は、ナイフ(32)(
図6参照)のいずれかの側の1つ以上の列において互い違いに形成された複数のステープル収容スロット(136)を画定する。ステープル(図示せず)は、カートリッジハウジング(132)の組織接触面(134)に対向するアンビル(26)のステープル形成面(138)に対してカートリッジハウジング(132)から発射される。カートリッジ(28)は、カートリッジ(28)の様々な部分との意図しない接触を防止するために、使用の前及び/又は後でアンビル(26)と組織接触面(34)との間に格納される取外し可能な保定具(図示せず)を含むことができる。
【0028】
図4〜
図6に示すように、カートリッジ(28)は、カートリッジハウジング(132)内、かつステープル収容スロット(136)内の複数のステープル(図示せず)の後ろで近位に配置された、ステープルドライバ組立体(140)を含む。本例のドライバ組立体(140)は、複数のステープルドライバ(141)からなる単一構造体として形成される。したがって、「組立体」という用語は、個々の構成要素からなる1つの組立体に限定されることを意図するものではなく、単一構造を有する一体的に形成された構成要素同士を含むこともできる。ドライバ組立体(140)は、ステープル収容スロット(136)からアンビル(26)に向かってステープル(図示せず)をそれぞれ押し出して形成するように構成される。ナイフホルダ(142)は、カートリッジハウジング(132)内のドライバ組立体(140)の直近に配置され、ナイフ後退フック148(
図10B参照)との相互作用のためのスロット144及びレッジ146を画定し、これについてはより詳細に後述する。ナイフ(32)が、ドライバ組立体(140)のスロット(150)を通って、かつカートリッジハウジング(132)の別のスロット(152)を通って、ナイフホルダ(142から遠位に延びるように、ナイフホルダ(142)がナイフ(32)に取り付けられる。本例では、カートリッジハウジング(132)内にナイフ(32)があるとして開示されているが、他の構成を使用してもよい。例えば、代替的な治療のために、カートリッジ(28)が代替的にナイフ(32)を含んでいなくてもよいことが理解されよう。
【0029】
ナイフホルダ(142)は、カートリッジハウジング(132)のスロット(155)を通って延びる戻り止め支柱(154)を有する。戻り止め支柱(154)は、ナイフ(132)及びナイフホルダ(142)が長手方向に移動する間、カートリッジスロット(155)の戻り止め突起(156)に接触するように配置される。同様に、ドライバ組立体(140)は、カートリッジスロット(155)の近位及び遠位戻り止め突起(159、160)に接触するように配置された戻り止め支柱(158)を有する。
【0030】
ナイフ(32)及びスロット(150、152)は、ナイフ(132)の両側に少なくとも1列のステープル(図示せず)があるように配置される。いくつかのバージョンでは、カートリッジハウジング(132)のスロット(152)の各側において、それぞれステープル(図示せず)の列を含む2列のステープルスロット(136)が設けられている。
【0031】
カートリッジハウジング(132)は、ナイフスロット(152)の各端おいて長手方向に延びる2つの略円形の穴(162、164)を画定する。より具体的には、カートリッジハウジング(132)の下部の穴(162)は、カートリッジハウジング(132)を通してガイドピン(166)を受け入れるような形状及び寸法にされている。カートリッジハウジング(132)の上部の穴(164)は、カートリッジハウジング(132)を通して保持ピン(30)を摺動可能に受け入れるような形状及び寸法にされている。本例のステープルスロット(136)は、ステープル(図示せず)が略円形の穴(162、164)を越えて横方向に延在するように配置されている。
【0032】
本例のアンビル(26)は、プラスチック切削ワッシャ(168)及び金属製ステープル形成面(138)を含む。アンビル(26)は、ステープル形成面(138)をステープル(図示せず)と一直線になるように保持し、アンビルの上でステープル(図示せず)を受け入れて形成するように配置される。保持ピン(30)は、保持ピン(30)の周方向スロット(172)と、連結具(170)内の溝(図示せず)とによって連結具(170)に連結されている。連結具(170)は、カートリッジハウジング(132)のアーム(176)内に配置され、エンドキャップ(178)によってアーム(176)に固定される。
【0033】
ガイドピン(166)及び保持ピン(30)はそれぞれ、内部にナイフ(32)の下端、上端(184、186)が摺動可能に配置されるスロット(180、182)(
図8、9を参照)を含む。ガイドピン(166)の近位端(188)は、アンビル(26)に連結されるが、ガイドピン(166)の遠位端(190)は、カートリッジハウジング(132)から延び、アンビル(26)内のスロット(192)を通って延びる。切削ワッシャ(168)は、溝(194)を介してアンビル(26)に滑り装着する。これによって、切削ワッシャ(168)は、ガイドピン(166)を、アンビル(26)のスロット(192)によって形成された開口部と、アンビル(26)をカートリッジハウジング(132)に連結するためのアンビル(26)の切断面(157)とにおいて、捕らえるように構成される。
【0034】
ロックアウト機構(131)は、
図7Aにより詳細に示される。ロックアウト機構(131)は、発射後にカートリッジハウジング(132)がその非作動位置へ完全に近位へ移動することを防止するように構成される。このため、本例のロックアウト機構(131)は、ピン(198)によって閉鎖部材(54)の遠位端に枢着されたロックアウトレバー(196)を含む。ロックアウトレバー(196)は、ばね(図示せず)によって支持構造体(128)の近位端部分に向かってばね付勢されている。ロックアウトレバー(196)の近位端部分は、カム面(200)及びロック溝(202)を有する。エンドエフェクタ(16)の支持構造体(128)はまた、ロックアウト機構(131)が係合したときにロック溝(202)と協働するように構成されたレッジ(204)を有する。逆に、支持構造体(128)は、ロックアウトレバー(131)が係合していないときにカム面(200)と協働するように構成されたベース面(206)を有する。
【0035】
C.例示的なカートリッジ作動
本例では、カートリッジ(28)は、ハンドル組立体(12)に関して前述したようにカートリッジ(28)とアンビル(26)との間に組織が配置される閉鎖形態に達するまで、閉鎖部材(54)によってアンビル(26)に向けて駆動される。閉鎖形態から、ナイフ(32)及びステープルドライバ組立体(140)が発射バー(82)によって更にアンビル(26)に向かって移動され、組織内にステープル(図示せず)を形成し、組織を流体封止し、患者の治療のために組織を切断する。カートリッジ(28)の作動は、この例では、組織をステープル留め及び切断することを含むが、これらのステップのうちの1つ以上は、オペレータによって必要に応じて処置から省略されてもよいことが理解されよう。更に、外科用ステープル留め器具(10)は、これらのステップを必要に応じて同時に又は連続的に実行するように再構成することができることが理解されよう。例えば、発射バー(82)の作動は、本例では、ドライバ組立体(140)及びナイフ(32)をアンビル(26)に向かって遠位に移動させる。代替的に、外科用ステープル留め器具(10)は、ステープル(図示せず)又はナイフ(32)のうちの1つを選択的に発射するように再構成することができ、又はステープル(図示せず)を選択的に発射し、その後ナイフ(32)を発射することができ、その逆も同様である。したがって、本発明は、外科用ステープル留め器具(10)の特定の操作又は関連する処置に限定されることを意図するものではないことを理解されたい。
【0036】
図7Aに示すように、開放形態において間隙(25)内に組織を受け入れるように、カートリッジ(28)はアンビル(26)から近位に離隔される。カートリッジ(28)とアンビル(26)との間に組織を受け入れた状態で、オペレータは、前述したように、また
図7Bに示すように、スライド(18)によってプッシュロッド(50)を手動で遠位に導く。プッシュロッド(50)は、連結具(70)(
図6参照)に作動的に連結され、連結具(70)は、保持ピン(30)に連結される。したがって、プッシュロッド(50)を遠位に並進させることによって、同様に、カートリッジ(28)からアンビル(26)に延びるように保持ピン(30)を並進させて、保持ピン(30)とガイドピン(166)との間で組織を捕捉する。
【0037】
図7Cに示すように、閉鎖トリガー(20)(
図1C参照)の操作は、閉鎖部材(54)をエンドエフェクタ(16)の支持構造体(128)に対して遠位に並進させる。閉鎖部材(54)は、カートリッジ(28)を上部に支持し、閉鎖部材(54)を遠位に並進させることによって、同様に、発射バー(82)及びカートリッジ(28)をアンビル(26)に向かって移動させるようにする。カートリッジ(28)が閉鎖形態にあり、組織がエンドエフェクタ(16)内に効果的に捕捉された状態で、オペレータは発射トリガー(22)(
図1Dを参照)をアンビル(26)に向けて発射位置へ操作する。発射バー(82)を遠位に並進させることによって、発射バー(82)をナイフホルダ(142)に係合させ、ナイフホルダ(142)は、
図7Dに示すように、ドライバ組立体(140)及びドライバ組立体(140)を通って延びるナイフ(32)の両方を支持する。ドライバ組立体(140)は、ステープル(図示せず)をステープルスロット(136)からステープル形成面(138)に対して導き、組織内にステープル(図示せず)を形成して組織を流体封止する。ステープル(図示せず)が形成されると、ナイフ(32)は組織を貫いてアンビル(26)内へ遠位に並進し続け、流体封止された組織を切断する。
図8、
図9は、ナイフ(32)がカートリッジ収納スロット(152)、ガイドピンスロット(180)に沿って案内され、保持ピンスロット(182)がアンビル(26)に向いたステープルスロット(136)の列の間にある状態の発射カートリッジ(28)をより詳細に示している。
【0038】
発射すると、オペレータは、解除ボタン(24)(
図2C参照)を押下して、閉鎖部材(54)及び発射バー(82)を作動発射位置から
図10A、
図10Bに示す非作動位置へ近位に引き込めることができる。より具体的には、後退フック(148)がナイフホルダ(142)に係合して、ナイフ(32)を近位に引く。ほぼ同時に、カートリッジ(28)が閉鎖部材(54)と共に近位に並進するにつれて、ロックアウト機構(131)のロックアウトレバー(196)がカートリッジハウジング(132)に係合して、カートリッジハウジング(132)を所定の場所に保持する。これによって、ナイフ(32)が連続して引かれて、カートリッジハウジング(132)内にナイフ(32)が後退し、オペレータによるナイフ(32)との意図しない接触を防止する。次いで、カートリッジ(28)は、エンドエフェクタ(16)の支持構造体(128)から取り外され、廃棄され、必要であれば更なる処置のために交換されることができる。当然のことながら、外科用ステープル留め器具(10)を使用することができる様々な適当な状況及び手術は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなるであろう。
【0039】
外科用ステープル留め器具(10)の任意の他の構成要素又は特徴が、本明細書に引用される様々な参照文献のうちいずれかに従って構成され、動作可能であることも理解されたい。外科用ステープル留め器具(10)に行うことができる更なる例示的な改変例について以下により詳細に記載する。以下の教示を外科用ステープル留め器具(10)に組み込むことができる様々な適当な方法が当業者には明らかになるであろう。同様に、以下の教示を本明細書で引用された参考文献の様々な教示と組み合わせることができる様々な好適な方法が当業者には明らかになるであろう。また、以下の教示は、本明細書に引用される参考文献に教示される外科用ステープル留め器具(10)又は装置に限定されない点も理解されたい。以下の教示は、外科用ステープラとして分類されない器具を含む他の様々な種類の器具に容易に応用することができる。以下の教示を適用することができる他の様々な適当な装置及び状況は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0040】
II.代替エンドエフェクタを備えた例示的な外科用ステープル留め器具
上記外科用ステープル留め器具(10)は、ハンドル組立体(12)から遠位に突出するエンドエフェクタ(16)の一例を提供しているが、様々な特定の治療の1つに応じて、オペレータが代替的エンドエフェクタを所望し得ることができることが理解されよう。種々の組織は、患者内の大きさ及び/又は密度によって、処置がより困難又はより容易であり得る。オペレータが、組織を正確かつ高精度にステープル留め及び切断するためにエンドエフェクタ(16)を組織に対して適切に配置しても、厚みが大きくかつ/又は密度が高い組織は、外科用ステープル留め器具(10)に沿って伝達される付加的な力をしばしば必要とし、使用中に器具(10)の1つ以上の構成要素を変形させることがある。例えば、閉鎖形態のアンビル(26)とカートリッジ(28)との間で結腸の一部分を圧縮することが、特に組織をステープル留めして切断するときに、エンドエフェクタ(16)の支持構造体(128)を変形させることがある。このように、ステープルが形成されナイフ(32)が切断する特定の位置は、様々であるか又はわずかではあるが処置の有効性に悪影響を与える可能性がある相対的に意味のある量だけ逸脱することがある。そのため、処置中にエンドエフェクタ(316)内の変形を低減するように構成された支持構造体(328)を有するエンドエフェクタ(316)を備えた外科用ステープル留め器具(310)を提供することが望ましいことがある。一例では、エンドエフェクタ(316)は、エンドエフェクタ(316)内の変形を低減するため、また処置を更に高正確化及び高精度化するために、使用時により大きな構造剛性を提供する例示的なガイド及びピン(466)と協働するように構成された支持構造体(448)を有することができる。
【0041】
エンドエフェクタ(316)は、直腸結腸切除外科手術と関連して以下に記載される。エンドエフェクタ(316)及び処置方法の以下の説明が、結腸組織のステープル留め及び/又は切除に関連して提供されるが、外科用ステープル留め器具(310)及びエンドエフェクタ(316)が同様の特徴を伴う人体内のいずれかの組織を処置するように代替的に構成され得ることが理解されよう。また、下記に説明する特徴は、前述した外科用ステープル留め器具(10)に容易に組み込まれ得ることを理解されたい。このため、同じ数字は、より詳細に上記に記載された同じ特徴部を示す。
【0042】
A.構造ガイドピンを有する例示的なエンドエフェクタ
図13〜
図15に示すように、エンドエフェクタ(316)は構造的ガイドピン(466)を有し、この構造ガイドピン(466)は、カートリッジ(28)及びアンビル(26)を越えた組織の横方向の配置を防止するようにガイドピンに接して組織を受け入れ、また前述したように閉鎖形態から開放形態に向かうカートリッジ(332)の移動を案内するように構成される。また、構造ガイドピン(466)は、アンビル(26)を受け入れる遠位端部分(564)を剛性化する。構造ガイドピン(446)は、カートリッジ(328)内の穴(162)を通って延び、外科用ステープル留め器具(10)(
図1A〜
図1D参照)についてより詳細に前述したように、遠位位置と近位位置との間でカートリッジ(328)の長手方向の移動を案内するように構成される。また、構造ガイドピン(466)は、支持構造体(448)の遠位端部分(564)からアンビル(26)とカートリッジ(328)との間の開口部を横断して近位端部分(571)内まで延び、これに沿って構造剛性を提供して、処置中に近位端部分(571)に対して遠位端部分(564)が撓むのを防止する。
【0043】
図14及び
図15に示すように、本例の構造ガイドピン(466)は、遠位頭部端(466a)及び近位ねじ山付き端(466b)を有するねじ山付き締結具の形態である。支持構造体(448)は、遠位及び近位ピン穴(572、573)が遠位から構造ガイドピン(466)を受け入れるように、近位ピン穴(573)からオフセットして配置された遠位ピン穴(572)を有する。このように、遠位ピン穴(572)は、内部に遠位頭部端(466a)が着座するように構成され、近位ピン穴(572)は、遠位頭部端(466a)に対向して着座するねじ山付きナット(754)を受け入れる。
図15に示すように、構造ガイドピン(466)がピン穴(572、573)間で張力をかけた状態に保持されるように、近位ねじ山付き端(466b)がねじ山付きナット(574)内に回転可能に螺入する。
【0044】
使用時には、構造ガイドピン(466)は、ガイドピンに接して組織に受け入れ、前述したように、かつ
図1A及び
図1Cにそれぞれ示したように、開放形態と閉鎖形態との間でカートリッジ(328)を案内する。また、構造ガイドピン(466)は、組織がアンビル(26)とカートリッジ(328)との間で圧縮されるときに、遠位及び近位端部分(564、571)の間で支持構造体(448)に張力を補強する。換言すると、構造ガイドピン(466)は、エンドエフェクタ(316)の近位端部分(571)に対して遠位端部分(564)が撓むのを防止するように、支持構造体(448)を剛化する。例えば、構造ガイドピン(466)はまた、ステープル形成及び組織切断の正確性及び精度を向上するために、カートリッジ(328)からアンビル(26)のステープル形成面(138)にステープルが押し込まれるときに遠位端部分(564)が近位端部分(571)に対して撓むことを防止する。
【0045】
III.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点においても提示され得るいずれの請求項の適用範囲をも制限することを目的としたものではない点が理解されるべきである。一切の放棄を意図するものではない。以下の実施例は単なる例示の目的で与えられるものにすぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用することができると企図される。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してよいことも企図される。したがって、本発明者によって、又は本発明者の利益となる継承者によって、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも必須なものとして見なされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、これらの更なる特徴は、特許性に関連するいずれかの理由によって追加されたものとして見なされるべきではない。
【実施例】
【0046】
(実施例1)
外科用器具であって、(a)オペレータによって選択的に操作されるように構成された発射機構を有する本体と、(b)本体から遠位に延びるシャフト組立体と、(c)シャフト組立体から遠位に延び、患者の組織を操作するためのカートリッジを受け入れるように構成されたエンドエフェクタとを備え、エンドエフェクタは、(i)遠位端部分と、(ii)近位端部分と、(iii)遠位端部分と近位端部分との間の間隙と、(iv)遠位端部分から近位部分に延びるガイドピンとを含み、ガイドピンは、間隙内に組織を位置決めするためにガイドピンに接して組織を受け入れるように構成され、ガイドピンは遠位端部分及び近位端部分のそれぞれに連結されて遠位端部分を近位端部分に対して固定し、遠位端部分の近位端部分に対する撓みを防止する、外科用器具。
【0047】
(実施例2)
遠位端部分は、フック形状支持構造体の形態で近位端部分から遠位に延び、遠位端部分と近位端部分との間の間隙が組織を受け入れるように構成されている、実施例1の外科用器具。
【0048】
(実施例3)
ガイドピンは、近位端部分に対して遠位端部分を固定する張力をかけた状態で遠位端部分及び近位端部分のそれぞれに連結されている、実施例1〜2のいずれか1つ以上の外科用器具。
【0049】
(実施例4)
ガイドピンは、ねじ山付き締結具の形態である、実施例1〜3のいずれか1つ以上の外科用器具。
【0050】
(実施例5)
遠位端部分は遠位ピン穴を有し、近位端部分は近位ピン穴を有し、遠位ピン穴及び近位ピン穴は、互いに対向して配置され、内部にガイドピンを受け入れる、実施例1〜4のいずれか1つ以上の外科用器具。
【0051】
(実施例6)
近位ピン穴は、ねじ山付きナットを含み、ガイドピンは、ねじ山付きナットに螺入されてねじ山付きナットの内部に連結されている、実施例5の外科用具。
【0052】
(実施例7)
ガイドピンは、ねじ山付き締結具の形態である、実施例6の外科用器具。
【0053】
(実施例8)
ねじ山付き締結具は、近位端部分に対して遠位端部分を固定する張力をかけた状態で遠位端部分及び近位端部分のそれぞれに連結されている、実施例4〜7のいずれか1つ以上の外科用器具。
【0054】
(実施例9)
ガイドピンに接して受け入れられるカートリッジを更に含み、カートリッジは、ガイドピンに沿って近位端部分から遠位端部分に向かって案内されるように構成される、実施例1〜8のいずれか1つ以上の外科用器具。
【0055】
(実施例10)
カートリッジは、ナイフ又は複数のステープルのうちの少なくとも1つを含み、ナイフは組織を切断するように構成され、複数のステープルは、組織を締結するように構成される、実施例9の外科用器具。
【0056】
(実施例11)
カートリッジは、ナイフ及び複数のステープルのそれぞれを含む、実施例10の外科用器具。
【0057】
(実施例12)
エンドエフェクタの遠位端部分がアンビルを含み、ガイドピンは、近位端部分に対するアンビルの撓みを防止するように構成される、実施例1〜11のいずれか1つ以上の外科用器具。
【0058】
(実施例13)
ガイドピンは剛性ガイドピンである、実施例1〜12のいずれか1つ以上の外科用器具。
【0059】
(実施例14)
カートリッジで患者の組織を操作するための外科用器具のエンドエフェクタであって、(a)遠位端部分と、(b)近位端部分と、(c)遠位端部分と近位端部分との間の間隙と、(d)遠位端部分から近位部分に延びるガイドピンとを含み、ガイドピンは、間隙内に組織を位置決めするためにガイドピンに接して組織を受け入れるように構成され、ガイドピンは遠位端部分及び近位端部分のそれぞれに連結されて遠位端部分を近位端部分に対して固定し、遠位端部分の近位端部分に対する撓みを防止する、エンドエフェクタ。
【0060】
(実施例15)
遠位端部分は、フック形状支持構造体の形態で近位端部分から遠位に延び、遠位端部分と近位端部分との間の間隙が組織を受け入れるように構成されている、実施例14の外科用器具。
【0061】
(実施例16)
ガイドピンは、近位端部分に対して遠位端部分を固定する張力をかけた状態で遠位端部分及び近位端部分のそれぞれに連結されている、実施例14〜15のいずれか1つ以上の外科用器具。
【0062】
(実施例17)
ガイドピンは、ねじ山付き締結具の形態である、実施例14〜16のいずれか1つ以上の外科用器具。
【0063】
(実施例18)
ガイドピンに接して受け入れられるカートリッジを更に含み、カートリッジは、ガイドピンに沿って近位端部分から遠位端部分に向かって案内されるように構成される、実施例14〜17のいずれか1つ以上の外科用器具。
【0064】
(実施例19)
外科用器具で患者の組織を操作する方法であって、外科用器具は、オペレータによって選択的に操作されるように構成された発射機構を有する本体と、本体から遠位に延びるシャフト組立体と、シャフト組立体から遠位に延び、患者の組織を操作するためのカートリッジを受け入れるように構成されたエンドエフェクタとを備え、エンドエフェクタは、遠位端部分と、近位端部分と、遠位端部分と近位端部分との間の間隙と、遠位端部分から近位端部分に延びるガイドピンとを有し、ガイドピンは、間隙内に組織を位置決めするためにガイドピンに接して組織を受け入れるように構成され、ガイドピンは遠位端部分及び近位端部分のそれぞれに連結されて遠位端部分を近位端部分に対して固定し、遠位端部分の近位端部分に対する撓みを防止し、この方法は、(a)エンドエフェクタの遠位端部分と近位端部分との間の間隙内に患者の組織を受け入れることと、(b)ガイドピンに接して組織を位置決めすることと、(c)エンドエフェクタの遠位端部分のエンドエフェクタの近位端部分に対する撓みをガイドピンを用いて防止することと、(d)発射機構を操作して患者の組織を操作することとを含む、方法。
【0065】
(実施例20)
ガイドピンが、エンドエフェクタの遠位端部分のエンドエフェクタの近位端部分に対する撓みを更に防止するように、ガイドピンの張力を増加することを更に含む、実施例19の方法。
【0066】
IV.その他
本明細書に記載の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現要素、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示を考慮すれば、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な適切な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。かかる改変例及び変形例は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0067】
参照により本明細書に援用されると言及されたいかなる特許、刊行物、又はその他の開示内容も、全体的に又は部分的に、援用された内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されたその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に援用されることを理解されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に援用されるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に援用されるものとするが、既存の定義、記載、又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾する任意の文献、又はそれらの部分は、援用文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ援用されるものとする。
【0068】
本明細書で説明した外科用器具システムは、ステープルの配備及び変形と関連させて説明されているが、本明細書で説明した実施形態は、これに限定されない。ステープル以外の締結具、例えばクランプ又はタックなどを配備する、様々な実施形態も想到される。更に、組織を封止するための任意の好適な手段を利用する、様々な実施形態も想到される。例えば、様々な実施形態によるエンドエフェクタは、組織を加熱して封止するように構成された電極を備え得る。また例えば、特定の実施形態によるエンドエフェクタは、組織を封止するために振動エネルギーを加えることができる。
【0069】
上述の装置の変形例は、1回の使用後に処分するように設計されることができ、又はそれらは、複数回使用するように設計することができる。いずれか又は両方の場合において、変形形態は、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、装置のいくつかの変形形態は分解することができ、また、装置の任意の数の特定の部材又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換するか又は取り外してもよい。特定の部分の洗浄及び/又は交換の際、装置のいくつかの変形形態は、再調整用の施設で、又は手術の直前にオペレータによって、その後の使用のために再組み立てされてもよい。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を使用できる点を理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0070】
あくまで例として、本明細書に記載される変形形態は、手術の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌法では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなどの閉鎖及び密封された容器に入れる。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置くことができる。放射線は、装置の表面及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器中で保管することができる。デバイスはまた、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の別の技術を用いて滅菌され得る。
【0071】
1995年4月4日に発行された米国特許第5,403,312号、発明の名称「Electrosurgical Hemostatic Device」;2006年2月21日に発行された米国特許第7,000,818号、発明の名称「Surgical Stapling Instrument having Separate Distinct Closing and Firing Systems」;2008年9月9日に発行された米国特許第7,422,139号、発明の名称「Motor−Driven Surgical Cutting and Fastening Instrument with Tactile Position Feedback」;2008年12月16日に発行された米国特許第7,464,849号、発明の名称「Electro−Mechanical Surgical Instrument with Closure System and Anvil Alignment Components」;2010年3月2日に発行された米国特許第7,670,334号、発明の名称「Surgical Instrument Having An Articulating End Effector」;2010年7月13日に発行された米国特許第7,753,245号、発明の名称「Surgical Stapling Instruments」;2013年3月12日に発行された米国特許第8,393,514号、発明の名称「Selectively Orientable Implantable Fastener Cartridge」;米国特許出願第11/343,803号、発明の名称「Surgical Instrument Having Recording Capabilities」、現在は米国特許第7,845,537号;2008年2月14日に出願された米国特許出願第12/031,573号、発明の名称「Surgical Cutting And Fastening Instrument Having RF Electrodes」;2008年2月15日に出願された米国特許出願第12/031,873号、発明の名称「End Effectors For A Surgical Cutting And Stapling Instrument」、現在は、米国特許第7,980,443号、米国特許出願第12/235,782号、発明の名称「Motor−Driven Surgical Cutting Instrument」、現在は、米国特許第8,210,411号;米国特許出願第12/249,117号、発明の名称「Powered Surgical Cutting And Stapling Apparatus With Manually Retractable Firing System」、現在は、米国特許第8,608,045号;2009年12月24日に出願された米国特許出願第12/647,100号、発明の名称「Motor−Driven Surgical Cutting Instrument with Electric Actuator Directional Control Assembly」、現在は、米国特許第8,220,688号;2012年9月29日に出願された米国特許出願第12/893,461号、発明の名称「Staple Cartridge」、現在は、米国特許第8,733,613号;2011年2月28日に出願された米国特許出願第13/036,647号、発明の名称「Surgical Stapling Instrument」、現在は、米国特許第8,561,870号;米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「Surgical Stapling Instruments With Rotatable Staple Deployment Arrangements」、現在は、米国特許公開第2012/0298719号;2012年6月15日に出願された米国特許出願第13/524,049号、発明の名称「Articulatable Surgical Instrument Comprising A Firing Drive」、現在は、米国特許出願公開第2013/0334278号;2013年3月13日に出願された米国特許出願第13/800,025号、発明の名称「Staple Cartridge Tissue Thickness Sensor System」、現在は、米国特許出願公開第2014/0263551号;2013年3月13日に出願された米国特許出願第13/800,067号、発明の名称「Staple Cartridge Tissue Thickness Sensor System」、現在は、米国特許出願公開第2014/0263552号;2006年1月31日に出願された米国特許出願公開第2007/0175955号、発明の名称「Surgical Cutting And Fastening Instrument With Closure Trigger Locking Mechanism」;及び2010年4月22日に出願された米国特許出願公開第2010/0264194号、発明の名称「Surgical Stapling Instrument With An Articulatable End Effector」、現在は、米国特許第8,308,040号の全ての開示は、参照することにより本願にその全体が組み込まれる。
【0072】
以上、本発明の様々な実施形態を図示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変により、本明細書に記載される方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかになるであろう。例えば、前述した実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解されたい。
【0073】
〔実施の態様〕
(1) (a)オペレータによって選択的に操作されるように構成された発射機構を有する本体と、
(b)前記本体から遠位に延びるシャフト組立体と、
(c)前記シャフト組立体から遠位に延び、患者の組織を操作するためのカートリッジを受け入れるように構成されたエンドエフェクタとを備える外科用器具であって、前記エンドエフェクタは、
(i)遠位端部分と、
(ii)近位端部分と、
(iii)前記遠位端部分と前記近位端部分との間の間隙と、
(iv)前記遠位端部分から前記近位部分に延びるガイドピンとを含み、前記ガイドピンは、前記間隙内に組織を位置決めするために前記ガイドピンに接して前記組織を受け入れるように構成され、前記ガイドピンは、前記遠位端部分及び前記近位端部分のそれぞれに連結されて前記遠位端部分を前記近位端部分に対して固定し、前記遠位端部分の前記近位端部分に対する撓みを防止する、外科用器具。
(2) 前記遠位端部分は、フック形状支持構造体の形態で前記近位端部分から遠位に延び、前記遠位端部分と前記近位端部分との間の前記間隙が前記組織を受け入れるように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記ガイドピンは、前記近位端部分に対して前記遠位端部分を固定する張力をかけた状態で、前記遠位端部分及び前記近位端部分のそれぞれに連結されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(4) 前記ガイドピンは、ねじ山付き締結具の形態である、実施態様1に記載の外科用器具。
(5) 前記遠位端部分は遠位ピン穴を有し、前記近位端部分は近位ピン穴を有し、前記遠位ピン穴及び前記近位ピン穴は、互いに対向して位置決めされ、前記遠位ピン穴及び前記近位ピン穴の内部に前記ガイドピンを受け入れる、実施態様1に記載の外科用器具。
【0074】
(6) 前記近位ピン穴は、ねじ山付きナットを含み、前記ガイドピンは、前記ねじ山付きナットに螺入されて前記ねじ山付きナットの内部に連結されている、実施態様5に記載の外科用器具。
(7) 前記ガイドピンは、ねじ山付き締結具の形態である、実施態様6に記載の外科用器具。
(8) 前記ねじ山付き締結具は、前記近位端部分に対して前記遠位端部分を固定する張力をかけた状態で、前記遠位端部分及び前記近位端部分のそれぞれに連結されている、実施態様7に記載の外科用器具。
(9) 前記ガイドピンに接して受け入れられるカートリッジを更に備え、前記カートリッジは、前記ガイドピンに沿って前記近位端部分から前記遠位端部分に向かって案内されるように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(10) 前記カートリッジは、ナイフ又は複数のステープルのうちの少なくとも1つを含み、前記ナイフは前記組織を切断するように構成され、前記複数のステープルは、前記組織を締結するように構成されている、実施態様9に記載の外科用器具。
【0075】
(11) 前記カートリッジは、前記ナイフ及び前記複数のステープルのそれぞれを含む、実施態様10に記載の外科用器具。
(12) 前記エンドエフェクタの前記遠位端部分がアンビルを含み、前記ガイドピンは、前記近位端部分に対する前記アンビルの撓みを防止するように構成されている、実施態様11に記載の外科用器具。
(13) 前記ガイドピンは、剛性のガイドピンである、実施態様1に記載の外科用器具。
(14) カートリッジで患者の組織を操作するための外科用器具のエンドエフェクタであって、
(a)遠位端部分と、
(b)近位端部分と、
(c)前記遠位端部分と前記近位端部分との間の間隙と、
(d)前記遠位端部分から前記近位部分に延びるガイドピンとを備え、前記ガイドピンは、前記間隙内に前記組織を位置決めするために前記ガイドピンに接して前記組織を受け入れるように構成され、前記ガイドピンは前記遠位端部分及び前記近位端部分のそれぞれに連結されて前記遠位端部分を前記近位端部分に対して固定し、前記遠位端部分の前記近位端部分に対する撓みを防止する、エンドエフェクタ。
(15) 前記遠位端部分は、フック形状支持構造体の形態で前記近位端部分から遠位に延び、前記遠位端部分と前記近位端部分との間の前記間隙が前記組織を受け入れるように構成されている、実施態様14に記載のエンドエフェクタ。
【0076】
(16) 前記ガイドピンは、前記近位端部分に対して前記遠位端部分を固定する張力をかけた状態で、前記遠位端部分及び前記近位端部分のそれぞれに連結されている、実施態様14に記載のエンドエフェクタ。
(17) 前記ガイドピンは、ねじ山付き締結具の形態である、実施態様14に記載のエンドエフェクタ。
(18) 前記ガイドピンに接して受け入れられるカートリッジを更に備え、前記カートリッジは、前記ガイドピンに沿って前記近位端部分から前記遠位端部分に向かって案内されるように構成されている、実施態様14に記載のエンドエフェクタ。
(19) 外科用器具で患者の組織を操作する方法であって、前記外科用器具は、オペレータによって選択的に操作されるように構成された発射機構を有する本体と、前記本体から遠位に延びるシャフト組立体と、前記シャフト組立体から遠位に延び、前記患者の組織を操作するためのカートリッジを受け入れるように構成されたエンドエフェクタとを備え、前記エンドエフェクタは、遠位端部分と、近位端部分と、前記遠位端部分と前記近位端部分との間の間隙と、前記遠位端部分から前記近位端部分に延びるガイドピンとを有し、前記ガイドピンは、前記間隙内に前記組織を位置決めするために前記ガイドピンに接して前記組織を受け入れるように構成され、前記ガイドピンは前記遠位端部分及び前記近位端部分のそれぞれに連結されて前記遠位端部分を前記近位端部分に対して固定し、前記遠位端部分の前記近位端部分に対する撓みを防止し、前記方法は、
(a)前記エンドエフェクタの前記遠位端部分と前記近位端部分との間の前記間隙内に前記患者の組織を受け入れることと、
(b)前記ガイドピンに接して前記組織を位置決めすることと、
(c)前記エンドエフェクタの前記遠位端部分の前記エンドエフェクタの前記近位端部分に対する撓みを前記ガイドピンを用いて防止することと、
(d)前記発射機構を操作して前記患者の組織を操作することとを含む、方法。
(20) 前記ガイドピンが前記エンドエフェクタの前記遠位端部分の前記エンドエフェクタの前記近位端部分に対する撓みを更に防止するように、前記ガイドピンの張力を増加することを更に含む、実施態様19に記載の方法。