(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弾性的に絞り出し可能な容器(10)が、0.1リットル〜5リットル、好ましくは0.2リットル〜1.5リットル、より好ましくは0.25リットル〜0.75リットルの排出容積を有する、請求項1に記載の底部分配パッケージ(1)。
前記弾性的に絞り出し可能な容器(10)が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、及びこれらの混合物からなる群から選択される樹脂材料、好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)から作製される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の底部分配パッケージ(1)。
前記弾性的に絞り出し可能な容器(10)が、非円形の断面を含み、前記弾性的に絞り出し可能な容器(10)の前記非円形の断面が、1.25〜3.0、最も好ましくは1.5〜2.0である、前記断面幅(16)と前記断面深さ(17)との最大比を有し、前記断面幅及び高さが、前記弾性的に絞り出し可能な容器(10)内の同じ高さにおいて測定される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の底部分配パッケージ(1)。
前記スリットバルブ(40)が、20℃で測定して、10〜250mbar、好ましくは15〜150mbar、より好ましくは25〜75mbarの圧力差で開く、請求項1〜6のいずれか一項に記載の底部分配パッケージ(1)。
前記弾性的に絞り出し可能な容器(10)の前記壁(11)が、前記少なくとも1つのパネル(13)を備え、前記少なくとも1つのパネル(13)が、前記壁(11)の前記外面(12)の40%〜75%、より好ましくは50%〜65%を形成し、かつ
a.前記パネル(13)が、0.1mm〜0.7mm、好ましくは0.2mm〜0.5mm、より好ましくは0.25mm〜0.4mmの平均厚さを有し、又は
b.前記パネル(13)が、前記パネル(13)を取り囲むパネル外周(14)を備え、前記パネル外周(14)は、内圧の変化によって前記パネル(13)が残りの前記壁に対して移動することが可能であるように、可撓性ヒンジ要素(15)を備え、及び
c.これらの組み合わせである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の底部分配パッケージ(1)。
前記スリットバルブ(33)が、少なくとも2つの一致スリット(34)を備え、好ましくは、前記スリットが、星形パターンを形成する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の底部分配パッケージ(1)。
前記基部(20)が、キャップ(22)を備えないか、又は完全に着脱可能であり、かつ最初の使用の前に取り外し、破棄することができるキャップ(20)を備え、好ましくは、基部(20)が、キャップ(22)を含まない、請求項1〜10のいずれか一項に記載の底部分配パッケージ(1)。
前記底部分配パッケージ(1)が、液体洗剤組成物を備え、前記液体洗剤組成物が、10s−1の剪断速度で測定して、100mPa・s〜3,000mPa・s、好ましくは300mPa・s〜2,000mPa・s、最も好ましくは500mPa・s〜1,500mPa・sの粘度を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の底部分配パッケージ(1)。
前記液体洗剤組成物が、5重量%〜50重量%、好ましくは8重量%〜45重量%、より好ましくは15重量%〜40重量%の界面活性剤を含む、請求項12に記載の底部分配パッケージ(1)。
【背景技術】
【0002】
液体消費者製品は、多種多様な容器内に収容されている。ますます多くの食品及び液体パーソナルケア製品が、倒立容器で提供されているが、それは、そうした容器が、容器内部の製品のホールドアップをより少なくし、かつより多くの製品の容易な分配を可能にするからである。例えば、Heinzは、2002年に、スリットバルブを有する吐出チャネルを備えるキャップを有する倒立容器を導入し、170年のケチャップ産業に革命をもたらした。これまで、消費者は、わずかに残ったケチャップを絞り出すことがいかに難しいかについて不満を述べていた。このような技術的問題を解決することによって、企業は、自社の製品が消費者を困らせないようにすることができ、かつ消費者の満足感は、より多くの消費者が製品を購入することを意味する。より多くの消費者が製品を購入することはまた、消費者製品企業の人々も満足させる。
【0003】
しかしながら、倒立容器を備えるこのようなスリットバルブは、輸送中又は容器が棚に置かれているときの望ましくない製品の漏出による汚れといった、企業自体の難題をもたらす。このような漏出は、(例えば、高度変化による)輸送中の、又は(例えば、日光に晒されたときの温度変化による)自宅の保管中の圧力変化に起因し得る。容器が空になるにつれて、このような漏出は、より問題になってくる。これは、液体組成物が温度変化時に液体よりも大きい膨張係数を有する空気と置き換えられるからであり、また、スリットバルブがバルブ上に堆積する乾燥残留物のため漏出に対する抵抗性が少ないからである。
【0004】
したがって、倒立容器は、典型的に、ケチャップ及びマヨネーズなどのチキソトロピーであるか又は高い低剪断力粘度を有する液体製品に使用されていた。このような製品の場合であっても、漏出問題は、典型的に、製品を使用していないときに(例えば、製品が棚に保管されているときに)吐出チャネルを閉鎖するために、二次的な封止キャップが必要とされることを意味した。
【0005】
加えて、スリットバルブを有するオリフィスを備える底部分配パッケージは、しばしば、容器内に収容されている製品がより多く分配されるにつれて、使用することがより困難になる。これは、絞り出した後に、特に、より多くの製品が分配されるにつれて、容器の中へ引き戻される空気が不十分であるからであり、容器をその変形状態のままにすることになる。このような永続的な変形を多少なりとも解消する1つの方法は、より低い圧力差で起動されるスリットバルブを使用することによるものである。しかしながら、このようなパッケージは、使用間の漏出のため、特に低粘度液体との使用には適さないことが分かった。
【0006】
上記の及びその他の理由ため、洗浄剤組成物のためのスリットバルブを備える倒立容器の使用は、典型的に、シャワーゲルなどの高粘度のゲルに限られていた。低粘度の製品の場合、吐出地点を完全に封止し、かつ漏出を回避するには、ねじ式、捻り式、又は類似の閉鎖手段が必要であった。このような完全閉鎖手段をスリットバルブと組み合わせて使用するときであっても、厄介な残留物が依然としてスリットバルブと閉鎖手段との間に堆積する場合がある。このような残留物は、乾燥すると、スリットバルブを詰まらせることさえあり得る。
【0007】
更に、このような完全閉鎖手段を追加した結果として、消費者は、製品を分配するために両手を使用しなければならない。これは、特に食品の分配及び食器洗浄などの用途の場合、製品を使用する消費者にとって極めて不便である。このような残留物及び追加的な不便さは、消費者をあまり満足させず、かつ製品を購入する消費者がより少なくなり、このことは、消費者製品の企業で働いている人々も満足させなくする。
【0008】
したがって、より低い粘度の製品が容器に含まれるときであっても、周囲温度の変化によって漏出する傾向が少ない、吐出地点にスリットバルブを備える倒立容器に対する必要性が残る。
【0009】
米国特許第5,213,236号は、液体石鹸、シャンプー及びコンディショナ、家庭用洗剤、洗浄剤、研磨剤、保湿クリームなどの流体製品のための分配パッケージに関するものであり、自己封止分配バルブがその中に載置された容器を含む。当該バルブは、末端フランジと、その中に吐出オリフィスを有するバルブヘッドと、バルブフランジと接続された一方の端部及びその末端縁部に隣接してバルブヘッドと接続された対向端部を有するコネクタスリーブと、を含む。コネクタスリーブは、弾性的可撓性構造を有し、よって、容器内の圧力が所定量を超えて上昇したときに、コネクタスリーブを折り曲げさせ、かつ転動的に延在させる様態で、バルブヘッドが外向きにシフトする。ドイツ特許第10122557(A1)号は、手による壁圧が解放された後に製品が液垂れするのを防止する、抜き孔上の装置に関する。当該装置は、一方の平面内のスリットセグメントと、第2の平面内の多数のスリットセグメントと、を含み、それぞれの平面セグメントは、いずれの場合においても、第1のセグメントの底縁部が第2のセグメントの頂縁部と接触するように位置付けられる。2つ又は4つのセグメントが好ましく、容器封止は、ねじ又はスナップアクションによるものである。容器蓋及び封止は、一緒にヒンジ連結され、好適なセグメント厚さは、0.25mmであり、装置の直径は、10〜20mmである。中国実用新案第CN2784322Y号は、倒立ボトルに関し、当該倒立ボトルは、ボトル本体と、ボトルキャップと、外側パッキングキャップと、を含み、ボトル本体の開口部は、下方へ開かれ、ボトルキャップは、ねじを通してボトル本体の下端部に固定的に接続され、かつ液体出口を備え、シリカゲル内側キャップ及び内側仕切り板が、ボトルキャップの開口部とボトル本体の開口部との間の位置に順番に固定される。当該実用新案は、ボトル本体の下方へ開いた開口部を有し、シリカゲル内側キャップ及び仕切り板を採用しているので、必然的に、倒立配置された液体ボトル内の液体は、流出することができない。当該実用新案は、単純な構造、好都合な使用及び開口部の衛生及び清潔さ、液体が殆ど充填されていないボトルの自然で、好都合な、かつ清潔な液体の注入用途、並びに、液体シャンプー、クレンザーエッセンスなどの、様々な粘度の液体を装填するための特別な用途、といった利点を有する。中国特許第1507827A号は、洗面所のための壁用液体石鹸分注器に関する。当該分注器は、特定の弾性を有するボトルを採用しており、当該ボトルは、倒立させて使用することができ、その液体出口は、一般のボトルの口よりも小さく、ボトル口の位置にはプラットフォーム面が形成され、プラットフォーム面には弾性薄シートが配置され、弾性薄シートには複数の開口及び閉鎖シームが配置され、ボトルキャップは、その内壁がねじを有し、その中央部が円形の孔を有し、ボトル本体上にきつくねじ込むことができ、かつ開口及び閉鎖シームをしっかりと加圧するために使用することができる。当該発明は、構造が単純で、コストが低く、また、その適用方法も提供する。米国特許出願公開第2008/029548(A1)号は、流動性組成物のための底部分配パッケージなどの布地処理組成物のための分配パッケージに関する。米国特許出願公開第2016/244222(A1)号は、分配システムに関し、当該分配システムは、ボトルと、バルブキャップと、投与キャップと、を含み、当該ボトルは、可撓性である少なくとも一部分を有する側壁を含み、バルブキャップは、ボトルから投与キャップの中への流動性製品の分配を制御する。
【0010】
欧州特許第3492400A号(出願第17204557号)は、倒立容器から液体を分配する液体分配器に関する。当該分配器は、本体と、バルブと、一時的な液体圧力の上昇(例えば、流体ハンマー圧力)を吸収して、バルブの望ましくない開口及び液体の漏出を大幅に低減/防止するためにように特に適合された、衝撃抵抗システムを含む。
【発明を実施するための形態】
【0014】
驚くべきことに、製品漏出の原因が、特により低い粘度の製品の場合に、輸送中又は保管中の温度変化であることを発見した。例えば、液体食器洗浄製品の場合、パッケージ(1)は、しばしば、窓棚、シンクの隣に保管される。温度が上昇するにつれて、弾性的に絞り出し可能な容器(10)内に収容されている液体が膨張し、その結果、スリットバルブ(40)から液体が押し出される。分配された液体が弾性的に絞り出し可能な容器(10)内の空気と置き換えられ、空気は、置き換えられた製品よりも温度が上昇したときにより大きい膨張係数を有するので、当該効果は、より多くの液体が分配されるにつれて顕著になる。
【0015】
弾性的に絞り出し可能であることは、壁が、壁(11)の外面に印加された手動の力に応答した変形を可能にするのに十分な自由度を呈すること、及び印加された手動の力が壁(11)の外面から除去されたときにその無変形の状態に自動的に戻るのに十分な反発度を呈することを意味する。
【0016】
特定の要素を説明する場合の「a」及び「an」という用語は、本明細書においては、「少なくとも1つの」その特定の要素を意味する。
【0017】
本明細書で使用される場合の「投与量」という用語は、パッケージによって送達される測定された液体量として定義される。投与量は、液体が最初にキャップオリフィス(30)を出たときに始まり、当該液体の流れが止まったときに終了する。
【0018】
本明細書で使用される場合の「圧力と実質的に無関係に」は、圧力が、目標測定投与量から10%未満の変動が生じることを意味する。
【0019】
本明細書で用いられる場合の「実質的に一定の液体出力又は投与量」は、目標測定投与量から10%未満の変動を意味する。
【0020】
本明細書で使用される場合の「剪断減粘性」は、参照される液体が非ニュートンであり、好ましくは剪断速度の変化と共に変化する粘度を有することを意味する。
【0021】
本明細書で使用される場合の「液垂れのない」は、投与後にいかなる視認可能な残留物もキャップのノズルの近位に残っていないこと、及び/又は絞り出さなければいかなる液体も弾性容器を出ないことを意味する。
【0022】
本発明は、ある量の液体を繰り返し投与するためのパッケージ(1)に関する。パッケージ(1)は、弾性的に絞り出し可能な容器(10)と、当該容器(10)に動作可能に接続された基部(20)と、を備える。基部は、オリフィス(30)を備え、オリフィス(30)は、スリットバルブ(40)を備える。
【0023】
好ましい使用分野は、家庭又は家事用途のための投与装置の分野であり、典型的に比較的低い低剪断粘度を有する、硬質表面洗浄組成物、液体洗濯用洗剤組成物、又は他の洗浄調整物、調製物、柔軟剤などの洗剤を収容する。特に好ましい使用分野は、硬質表面の洗浄、特に手動食器洗浄である。このような用途の場合、弾性的に絞り出し可能な容器(10)は、本明細書で説明される方法を使用して測定したときに、0.1リットル〜5リットル、好ましくは0.2リットル〜1.5リットル、より好ましくは0.25リットル〜0.75リットルの排出容積を有することができる。パッケージ(1)の各絞り出しに対して投与される液体の容積は、典型的に、1mL〜50mL、好ましくは2mL〜30mL、より好ましくは3mL〜20mLである。
【0024】
パッケージは、弾性的に絞り出し可能な容器(10)、好ましくはボトルを備える。弾性的に絞り出し可能な容器(10)は、少なくとも1つの壁(11)を含む。典型的に、底部分配用途のためのこのような容器は、使用後に当該容器の形態を維持するために、できるだけ硬くなるように設計される。容器に弾性がありすぎると、容器は、使用中に絞り出した後に、その元の形態に容易に戻らない。しかしながら、驚くべきことに、容器が硬すぎる場合は、特により低い粘度及び/又は非チキソトロピー液体に関して、保管中の漏出がより多くなることを発見した。この漏出は、製品の寿命の全体を通して内部の液体容積が減少したときに、及び/又は液体製品が、窓棚に保管されているときなどに日光に晒されるときなど、温度上昇に晒されたときに、より顕著になる。したがって、弾性的に絞り出し可能な容器(10)は、本明細書で説明される弾性指数法を使用して測定したときに、0.75%〜1.75%、好ましくは0.85%〜1.4%の弾性指数を有する。
【0025】
弾性的に絞り出し可能な容器(10)は、射出延伸ブロー成形(ISBM)過程を使用して作製される。
【0026】
押し出しブロー成形では、溶融樹脂が(典型的に、連続的に)押出加工されて、開放端の連続チューブ(「パリソン」)を形成する。押し出された樹脂は、一定の間隔で切断され、切断物は、直接ブロー成形されて、物品を形成する。押し出しブロー成形過程では、溶融樹脂材料は、典型的に、最初にプレフォームに形成されない。押し出しブロー成形によって生成される物品の最終形状は、射出ブロー成形によって得られた物品よりも精密でなく、かつ制御可能でない。押し出しブロー成形に関する更なる詳細は、一般的なパッケージングの教科書、例えば上で参照した「The Wiley Encyclopaedia of Packaging Technology」(特に83〜86ページ)において得ることができる。押し出しブロー成形を使用して、審美的な又は向上した物理的(バリア)特性のために多数の層を有する、積層又は共押し出し容器を得ることができる。
【0027】
射出ブロー成形(IBM)及びその変形である射出延伸ブロー成形(ISBM)が、容器などの高品質中空物品を工業規模で製造するために一般的に使用されている。弾性的に絞り出し可能な容器(10)は、例えば射出延伸ブロー成形過程を使用して、プレフォームをブロー成形することによって作製される。射出ブロー成形した容器とは対照的に、射出延伸ブロー成形した容器は、典型的に、より薄い壁及びより大きい弾性を有する。
【0028】
IBM及びISBM過程双方の第1の工程では、典型的に、上で説明したように、射出成形過程によってプレフォームを作製する。このようなプレフォームは、典型的に、試験管形状であり、処理中にプレフォームを取り扱う、完全に形成された首部(12)を有する。弾性的に絞り出し可能な容器(10)の樹脂材料の分注に影響を及ぼすように、プレフォームの壁厚さを変動させることができる。
【0029】
首部(12)は、典型的に、当該技術分野において既知である、ねじ山又はバヨネットマウントなどの、基部(20)を取り付けるための取り付け手段を備え、基部(20)は、取り付け手段の対応部分を備える。
【0030】
続いて、プレフォームをブロー成形又は延伸ブロー成形して、弾性的に絞り出し可能な容器(10)を形成する。上述したように、プレフォームの首部は、典型的に、ブロー成形過程中に実質的に変化せず、一方で、プレフォームの本体は、大幅に膨張する。プレフォームは、形成の直後に、ブロー成形すること、又は延伸ブロー成形することができる。代替的に、プレフォームは、後で再加熱して最終容器にブロー成形する前に、保管すること、又は異なる場所へ輸送することができる。
【0031】
射出「ブロー成形過程」では、必要に応じて、プレフォームは、所望の中空容器の形状を有するブロー金型に移す前に再加熱される。プレフォームは、首部(12)によって保持され、バルブを通した空気で、典型的に85℃〜115℃の温度である高温のプレフォームを膨らませる。プレフォームは、膨張してブロー金型の形態をとる。典型的に、軸方向の伸張は、殆ど又は全く起こらない。所望の容器を取り扱うことができるように十分に冷却した後に、当該容器は、ブロー金型から取り外され、使用できる状態になる。射出ブロー成形プロセスに関する更なる情報は、一般的な教科書、例えばWiley−Interscience Publicationによって出版された「Wiley Encyclopaedia of Packaging Technology」第2版(1997)から得ることができる(特に、87ページ参照)。
【0032】
射出「延伸ブロー成形」過程(二軸配向ブロー成形とも称される)では、プレフォームは、得られるブロー成形した容器の側壁の二軸分子配列が達成されるようにプレフォームを膨らませることを可能にするのに十分暖かい温度まで再加熱される。プレフォーム(12)を首部で保持した状態で、空気圧力及び通常は延伸ロッドを使用して、プレフォームを軸方向に、及び随意に半径方向にも伸長させる。従来の射出ブロー成形によって得られる容器とは異なり、射出延伸ブロー成形によって得られる容器は、プレフォーム(1)よりも大幅に長くなる。射出ブ延伸ロー成形プロセスに関する更なる情報は、一般的な教科書、例えばWiley−Interscience Publicationによって出版された「Wiley Encyclopaedia of Packaging Technology」第2版(1997)から得ることができる(特に、87〜89ページ参照)。
【0033】
弾性的に絞り出し可能な容器(10)の所望の弾性は、容器(10)を形成するために使用される樹脂材料を選択することを含む、任意の適切な手段を使用し、容器(10)を作製するために使用する樹脂材料がより少なくなるように壁厚さを制限し、かつ少なくとも1つの可撓性パネル(13)を弾性的に絞り出し可能な容器(10)に含むことによって、若しくは非円形の断面を有することによって、又はこれらの組み合わせによって達成することができる。
【0034】
弾性的に絞り出し可能な容器(10)を作製する際の使用に好適な樹脂材料は、ポリエチレンテレフタレート(olyethylene terephthalate、PET)、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、及びこれらの混合物からなる群から選択することができ、好ましくはポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)である。このような材料は、射出延伸ブロー成形過程を使用して容器(10)を形成するときに特に好適である。このような樹脂の組み合わせ、及び特にポリエチレンテレフタレート(PET)は、射出延伸ブロー成形を使用して容器(10)を形成することで、良好な構造的剛性並びに弾性を有する容器(10)をもたらす。しかしながら、弾性の向上は、容器(10)の圧縮後の跳ね返りが不十分になる。容器(10)の跳ね返りがスリットバルブ(40)を通して空気を吸い込むための圧力差を提供し、それにより、容器を絞り出した後に容器(10)がその元の形状に(10)戻ることができるので、これは、特に底部分配パッケージにとって重要である。
【0035】
比較的高い容器弾性が要求されるので、弾性的に絞り出し可能な容器(10)は、樹脂材料の重量(グラム)と排出容積(ミリリットル)との比率が、0.058:1未満、好ましくは0.035:1〜0.057:1、より好ましくは0.040:1〜0.054:1であるように、樹脂材料を含むことができる。
【0036】
容器の弾性はまた、少なくとも1つの可撓性パネル(13)を壁(11)に追加することにより改善することもでき、少なくとも1つの可撓性パネル(13)は、壁(11)の外面の少なくとも40%、好ましくは40%〜75%、より好ましくは50%〜65%を形成し、かつパネル(13)は、0.1mm〜0.7mm、好ましくは0.2mm〜0.5mm、より好ましくは0.25mm〜0.4mmの平均厚さを有し、又はパネル(13)は、パネル(13)を取り囲むパネル外周(14)を備え、パネル外周(14)は、内圧の変化によってパネル(13)が残りの壁に対して移動することが可能であるように、可撓性ヒンジ要素(15)を備え、及びこれらの混合物である。好ましくは、パネル外周(14)の少なくとも60%、又は少なくとも75%、又は少なくとも90%、又は100%が、可撓性ヒンジ要素(15)によって取り囲まれる。好ましくは、パネル(13)は、ラベル領域と一致する。好ましくは、壁(12)は、前面可撓性パネル(13)と、後面可撓性パネル(13)と、を備える。パネル厚さは、任意の適切な手段によって、例えば、提供される説明書を使用して、Magnamike 8600(Presto Groupによって提供され、3.175mmのボール直径を使用する)を使用して測定することができる。平均厚さが測定されることを確実にするために、パネルの表面にわたって十分な測定が行われるべきである。
【0037】
弾性的に絞り出し可能な容器(10)の弾性を高めるために、弾性的に絞り出し可能な容器(10)は、非円形の断面を備えることができる。このような好ましい実施形態において、弾性的に絞り出し可能な容器(10)は、1.25超、好ましくは1.25〜3.0、より好ましくは1.5〜2.0である、断面幅(16)と断面深さ(17)との最大比を有し、断面幅及び高さは、同じ高さにおいて測定される。断面幅は、容器の正面が見る人に面している状態での容器の幅である。例えば、前面ラベルのパネルが見る人に面しているときである。断面深さは、断面幅に対して垂直に測定され、存在する場合に前面ラベルから後面ラベルまでなどの容器の前面から後面まで測定する。
【0038】
パッケージは、容器(10)に動作可能に接続された基部(20)を備える。基部は、スリットバルブ(40)を備えるオリフィス(30)を備える。
【0039】
基部(20)は、パッケージ(1)を平坦面上に静置するように適合された底面(21)を備えることができる。
【0040】
オリフィス(30)は、基部(20)上に備えられる。パッケージは、少なくとも部分的に着脱可能である、より好ましくは完全に着脱可能である、キャップ(22、図示せず)を含むことができる。パッケージは、輸送中及び保管中の圧力の変化に起因する漏出により抵抗するので、キャップは、好ましくはオリフィス(30)に封止的に係合されない。好ましくは、基部(20)は、キャップ(22)を備えないか、又は完全に着脱可能であり、かつ最初の使用の前に取り外し、破棄することができるキャップ(20)を備える。代替的に、基部(20)はまた、輸送中の漏出からの追加的な保護として、オリフィス(30)を覆うステッカーも含むことができる。
【0041】
スリットバルブ(40)は、好ましくは、オリフィス(30)内に載置された、可撓性、エラストマー、弾性、2ウェイ双方向性、自動閉鎖式のスリット型バルブである。スリットバルブ(40)は、スリット(42)をその中に有する可撓性中央部分(41)を備える。スリット(42)は、典型的に、遠位端部(43)に向かって半径方向外方へ延在する。例えば、オリフィス(30)は、1つのスリット(42)又は2つ以上の交差スリット(42)から形成されたスリットバルブ(40)を含むことができ、当該スリットは、弾性的に絞り出し可能な容器(10)を絞り出すときなどの、弾性的に絞り出し可能な容器(10)の内部の圧力の上昇に応答して、オリフィス(30)を通して液体を分配することを可能にするように開くことができる。スリットバルブ(40)は、好ましくは、少なくとも2つの一致スリット(42)を備え、好ましくは、スリットは、星形パターンを形成し、フラップ(44)を画定する。より好ましくは、スリットバルブは、投与の容易さと漏出の防止とのバランスをとるために、2つの一致スリット(42)を備える。
【0042】
スリットバルブ(40)は、典型的に、スリットバルブ(40)にわたる圧力差の低減に応じて、オリフィス(30)を閉じて、オリフィス(30)を通って液体が流れるのを止めるように設計される。スリットバルブ(40)を開くために必要とされる圧力の量は、スリットバルブ(40)の内部抵抗力に部分的に依存する。「内部抵抗力」(すなわち、クラッキング圧力)は、スリットバルブ(40)の変形/開口に対する所定の抵抗閾値を指す。換言すれば、スリットバルブ(40)は、変形/開口に抵抗する傾向がなくなり、よって、当該スリットバルブは、オリフィス(30)の内側(45)を支持する液体の定常状態の圧力下で、閉じた状態を維持する。バルブを変形させる/開くために必要とされる圧力の量は、この内部抵抗力に打ち勝たなければならない。この内部抵抗力は、液体の漏出を引き起こすほどに低くするべきでない。したがって、スリットバルブ(40)は、好ましくは、20℃で測定して、少なくとも10mbar、好ましくは少なくとも15mbar、より好ましくは少なくとも25mbarの、オリフィス(30)の内側(45)から外側(46)までの開口圧力差を有する。内部抵抗力は、液体の投与量を分配することを困難にするほどに高くするべきでない。したがって、スリットバルブ(40)は、好ましくは、20℃で測定して、250mbar未満、より好ましくは150mbar未満、最も好ましくは75mbar未満の、オリフィス(30)の内側(45)から外側(46)までの開口圧力差を有する。
【0043】
特に底部分配パッケージ(1)が低粘度の液体を含む場合、比較的低い圧力差で開くスリットバルブ(40)の使用は、オリフィス(30)から組成物が噴出することを回避するのを補助する。したがって、特に、底部分配パッケージ(1)が、10s
−1の剪断速度で測定して、100mPa・s〜3,000mPa・s、好ましくは300mPa・s〜2,000mPa・s、最も好ましくは500mPa・s〜1,500mPa・sの粘度を有する液体洗剤組成物を備える場合、スリットバルブ(40)は、好ましくは、20℃で測定して、10〜250mbar、好ましくは15〜150mbar、より好ましくは25〜75mbarの圧力差で開く。
【0044】
更に、このような低い圧力差でも開くスリットバルブ(40)の使用はまた、絞り出しを取り除いたことにより、容器(10)がその元の形状を戻ることができる時点で、スリットバルブ(40)を通して空気を吸い込むためにより小さい圧力差が必要なことも意味する。スリットバルブ(40)にわたる圧力差が不十分であることは、容器がその変形のない形状に戻るための十分な空気がバルブ(40)を通って容器(10)に吸い込まれないことを意味するので、これは、より弾性がある容器(10)を備えるパッケージ(1)に特に重要である。
【0045】
開くための圧力差(mbar)は、典型的に、スリットバルブを水柱の底部に封止的に取り付けた水柱を使用して測定し、次いで、目標温度でスリットバルブを開くために必要とされる水の高さを測定する。
【0046】
好ましくは、スリットバルブ(40)は、0.1cm
2〜10cm
2、より好ましくは0.3cm
2〜5cm
2、最も好ましくは0.5cm
2〜2cm
2の表面積を有する。好ましくは、スリットバルブ(40)は、1mm〜10mm、より好ましくは2mm〜5mmの高さを有する。静止状態においてスリットバルブ(40)が完全に閉じた位置のままであることを可能にする限りは、他の寸法を使用することができる。
【0047】
スリットバルブ(40)は、熱可塑性エラストマー、シリコーン、及びこれらの混合物、好ましくはシリコーンから作製することができ、また、例えばバルブの耐久性及び柔軟性を最適化するなどのために、当該技術において既知の添加物を含むことができる。
【0048】
本発明の底部分配パッケージ(1)は、例えば温度の変動による、保管中及び輸送中の圧力変化に起因して漏出する傾向がより少ない。しかしながら、漏出はまた、パッケージを落とした場合、又は十分な力を表面に印加した場合などの、衝撃による一時的な液体圧力の上昇にも起因することがあり得る。このような、流体ハンマー圧力とも称される容器内部の一時的な液体圧力の上昇は、液体にバルブを瞬間的にこじ開けて、液体を漏出させることがあり得る。
【0049】
したがって、底部分配パッケージ(1)の基部(20)は、オリフィス(30)の上流に局所的に配置された衝撃抵抗システム(50)を更に備え、システム(50)は、空洞(52)をその中に有し、基部(20)から長手方向に、かつ半径方向内方へ延在するハウジング(51)を備え、ハウジング(51)は、弾性的に絞り出し可能な容器(10)からハウジング(51)の中への液体のための流路を提供する少なくとも1つの入口開口部(53a)と、オリフィス(30)が開かれたときに、ハウジング(51)から外部雰囲気への液体のための出口経路を提供する少なくとも1つの出口開口部(53b)と、を備え、空洞(52)は、圧縮可能な物質(54)によって部分的に占有されるように適合される。
【0050】
好適な圧縮可能な物質(54)は、ガス、発泡体、スポンジ、又はバルーンから選択することができ、好ましくはガスであり、より好ましくは空気である。定常状態でのハウジング(51)内部のガス、好ましくは空気の容積と、弾性的に絞り出し可能な容器(10)の容積との比率は、0.001超、好ましくは0.005〜0.05、より好ましくは0.01〜0.02とすることができる。
【0051】
ハウジング(51)は、200mm3〜250,000mm3、好ましくは1,500mm3〜75,000mm3の内部容積を有することができる。入口開口部(53a)は、1mm2〜250mm2、好ましくは15mm2〜150mm2の合計表面積を有することができる。ハウジング(51)は、典型的に、プラスチック材料、好ましくは熱可塑性材料、好ましくはポリプロピレンを含むか、又は作製される。
【0052】
底部分配パッケージ(1)は、オリフィス(30)の内側(45)と衝撃抵抗システム(50)との間に位置付けられたバッフル(60)を更に備えることができ、好ましくは、バッフル(60)は、少なくとも1つの支持部材(62)によって支持される閉塞部材(61)を含み、当該支持部材は、バッフル(60)が上流で流体ハンマー圧力を受けたときに液体の流れを遮断する閉鎖位置の間の閉塞部材(61)の移動に適応する。
【0053】
底部分配容器(1)は、家庭又は家事用途のための投与装置として使用することができ、硬質表面洗浄組成物、液体洗濯用洗剤組成物、又は他の洗浄調整物、調製物、柔軟剤などの洗剤を収容する。他の使用分野としては、手動及び自動用食器洗剤、ヘアケア製品及びマウスウォッシュなどの口腔ケア用途、飲料(シロップ、酒のショット、液体コーヒー濃縮物など)、食品塗布物(食品ペースト及び液体食品成分など)、殺虫剤、などのための投与装置が挙げられる。好ましくは、底部分配容器(1)は、硬表面洗浄組成物、より好ましくは手動食器洗浄用組成物を備える。
【0054】
底部分配容器(1)は、漏出する傾向が少ないので、底部分配容器(1)は、本明細書で説明される粘度試験方法に従って10s
−1の剪断速度で測定して、100mPa・s〜3,000mPa・s、好ましくは300mPa・s〜2,000mPa・s、最も好ましくは500mPa・s〜1,500mPa・sの粘度を有する液体組成物、特に液体洗浄剤組成物を収容するのに特に適している。組成物は、ニュートン又は非ニュートンとすることができ、好ましくはニュートンである。
【0055】
組成物は、好ましくは0.5g/mL〜2g/mL、より好ましくは0.8g/mL〜1.5g/mL、最も好ましくは1g/mL〜1.2g/mLの密度を有する。
【0056】
洗剤組成物は、特に手動食器洗浄組成物として配合されたときに、組成物全体の5重量%〜50重量%、好ましくは8重量%〜45重量%、最も好ましくは15重量%〜40重量%の界面活性剤系を含むことができる。
【0057】
手動食器洗浄用途の場合、界面活性剤系は、好ましくは、アルキルスルフェートアニオン性界面活性剤と、補助界面活性剤と、を含む。補助界面活性剤は、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤及び補助界面活性剤を8:1〜1:1、好ましくは4:1〜2:1、より好ましくは3.5:1〜2.5:1の重量比で含むことができる。
【0058】
界面活性剤系は、当該界面活性剤系の60重量%〜90重量%、好ましくは65重量%〜85重量%、より好ましくは70重量%〜80重量%の、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含むことができる。好ましいアルキルアルコキシサルフェートは、アルキルエトキシサルフェートである。より好ましいアニオン性界面活性剤は、5未満、好ましくは3未満、より好ましくは2未満、かつ0.5超のモル平均エトキシル化度を有する、アルキルエトキシサルフェート、又は混合アルキルサルフェート−アルキルエトキシサルフェートアニオン性界面活性剤系である。モル平均エトキシル化度は、アルキルエトキシサルフェート配合物について、又は、アルキルサルフェートが存在する場合、混合アルキルサルフェート−アルキルエトキシサルフェートアニオン性界面活性剤系について、モル平均エトキシル化度として計算される。
【0059】
好ましくは、アルキルエトキシサルフェート、又は混合アルキルサルフェート−アルキルエトキシサルフェート、アニオン性界面活性剤は、5%〜約60%、好ましくは10%〜50%、より好ましくは20%〜40%の重量平均分枝レベルを有する。重量平均分枝度は、アルキルエトキシサルフェート配合物について、又は、アルキルサルフェートが存在する場合、混合アルキルサルフェート−アルキルエトキシサルフェートアニオン性界面活性剤系について、重量平均分枝度として計算される。
【0060】
市販のアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤の好適な例としては、Shellによってブランド名Neodol(登録商標)で、若しくはSasolによってブランド名Lial(登録商標)、Isalchem(登録商標)、及びSafol(登録商標)で販売されているアルコールに由来するもの、又はProcter & Gamble Chemicals社によって製造された天然アルコールのうちのいくつかが挙げられる。
【0061】
界面活性剤系は、HLASなどのスルホネート、又はスルホコハク酸アニオン性界面活性剤を含む更なるアニオン性界面活性剤を含んでいてもよい。しかしながら、当該組成物は、好ましくは、界面活性剤系の30重量%未満、好ましくは15重量%未満、より好ましくは10重量%未満の更なるアニオン性界面活性剤を含む。最も好ましくは、界面活性剤系は、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤以外の更なるアニオン性界面活性剤を含まない。
【0062】
当該組成物は、界面活性剤系の一部として、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される補助界面活性剤を更に含むことができる。当該組成物は、好ましくは、洗浄組成物の0.1重量%〜20重量%、より好ましくは0.5重量%〜15重量%、特に2重量%〜10重量%の補助界面活性剤を含む。
【0063】
本発明の洗浄組成物の界面活性剤系は、好ましくは、当該界面活性剤系の10重量%〜40重量%、好ましくは15重量%〜35重量%、より好ましくは20重量%〜30重量%の補助界面活性剤を含む。
【0064】
補助界面活性剤は、好ましくは、両性界面活性剤、より好ましくは、アミンオキシド界面活性剤である。好ましくは、アミンオキシド界面活性剤は、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、及びこれらの混合物からなる群から選択される。C8〜18アルキルジメチルアミンオキシド、又はC10〜16アルキルジメチルアミンオキシド(ココジメチルアミンオキシドなど)などのアルキルジメチルアミンオキシドが好ましい。好適なアルキルジメチルアミンオキシドとしては、C10アルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤、C10〜12アルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤、C12〜C14アルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。C12〜C14アルキルジメチルアミンオキシドが特に好ましい。
【0065】
好適な双性イオン界面活性剤としては、ベタイン界面活性剤が挙げられる。このようなベタイン界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミドアゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタイン)、並びにホスホベタインが挙げられる。最も好ましい双性イオン性界面活性剤は、ココアミドプロピルベタインである。
【0066】
好ましくは、界面活性剤系は、当該界面活性剤系の1重量%〜25重量%、好ましくは1.25重量%〜20重量%、より好ましくは1.5重量%〜15重量%、最も好ましくは1.5重量%〜5重量%のアルコキシル化非イオン性界面活性剤を更に含むことができる。
【0067】
好ましくは、当該アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、好ましくは、そのアルキル鎖において平均で9〜15個、好ましくは10〜14個の炭素原子、及びアルコール1モル当たり平均で5〜12、好ましくは6〜10、最も好ましくは7〜8単位のエチレンオキシドを含む、直鎖又は分枝状の一級又は二級のアルキルアルコキシル化非イオン性界面活性剤、好ましくはアルキルエトキシル化非イオン性界面活性剤である。
【0068】
代替として、又は加えて、組成物は、アルキルポリグルコシド(「APG」)界面活性剤を含むことができ、アルキルエトキシレート化界面活性剤などの比較の非イオン性界面活性剤を超えて泡立ちを改善することができる。存在する場合、アルキルポリグルコシドは、界面活性剤組成物の0.5重量%〜20重量%、好ましくは0.75重量%〜15重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%、最も好ましくは1重量%〜5重量%の濃度で界面活性剤系中に存在し得る。
【0069】
洗浄組成物は、20℃で、蒸留水で10%に希釈して測定して、5〜12、より好ましくは7.5〜10のpHを有することができる。組成物のpHは、当該技術分野において既知のpH調整成分を使用して調整することができる。
【0070】
好適な洗浄組成物は、欧州特許出願第EP18151770.7号に記載されている。
【0071】
試験方法:
浸漬容積、排出容積、及び弾性指数:
試験は、作製後の容器の収縮の影響を回避するために、少なくとも3日経過した容器で行う。試験は、20℃の室温及び1013±1Paの室内気圧で行う。
【0072】
20℃で測定したときに1.000±0.002g/mLの密度を有する蒸留水を、少なくとも5Lの容積のビーカーに加える。所望に応じて、目標密度が達成される限りは、染料を加えて可視性を向上させることができる。
【0073】
容器を、0.001gの精度を有する実験室用天秤を使用して計量する。
【0074】
次いで、容器をビーカー内に完全に浸漬し、開口部を上に向け、20℃の蒸留水をビーカーに入れて、穏やかに振盪することによって容器内のあらゆる残りの空気を排出する。首部の最も硬い部品によって容器を保持し、容器を絞り出すことを回避し、かつ溶液を少しも漏出させないようにしながら、容器をビーカーの外へ慎重に持ち上げる。充填した容器を拭いて乾燥し、天秤上で再計量して、容器を浸漬したときに容器内に収容されている溶液の重量を計量する。蒸留水の重量から、浸漬容積(mL)を演繹することができる。次いで、容器に、20℃の追加的な蒸留水を淵まで補給し、容器を再計量して、淵まで補給した後に容器内に収容されている蒸留水の重量を計量する。この界面活性剤溶液の重量から、排出容積を演繹することができる。排出容積は、補給後に容器内に収容されている蒸留水の合計容積である。水槽内の浸漬と計量との間の時間は、2分未満でなければならない。
【0075】
弾性指数は、以下の式を使用して計算し、パーセントで表される。
【0077】
ピーク圧力
ピーク圧力は、充填温度を超える定義温度での空の容器内の圧力である。温度及び圧力プローブ(好ましくはMSR145B4データロガー)を空の容器内に配置し、容器を、封止係合キャップ(オリフィスなし)でキャップし、容器を20℃の温度及び1013±1Paの気圧に維持し、一方で、キャップする間に周囲の雰囲気圧力を超えるいかなる追加的な圧力も容器に及ぼされないことを確実にする。容器を、恒温炉内に配置し、1013±1Paで4時間にわたって所望の温度に設定し、温度及び圧力プローブによってロギングした最大(ピーク)圧力を記録する。当該方法を、5つの異なる容器を使用して繰り返し、平均ピーク圧力を記録する。
【0078】
漏出
容器を、1,000±200mPa・sの範囲の粘度を有するFairy(登録商標)オリジナルの暗緑色の食器洗浄製品を用いて、20℃で、容器サイズの10%(推奨される充填容積)まで満たし、10s
−1の剪断速度で測定し(例えば、Belgian製市場製品、2018)、容器を、(Aptarによって供給される)V21−145のスリットバルブを備えるキャップで密閉する。カップを計量した後に、容器を倒立させてカップ内に配置し、容器のキャップをカップの底部からある距離に位置付ける。次いで、容器を配置し、カップを恒温炉内で40℃に保つ。次いで、1時間後に、炉から容器及びカップを取り出し、カップから容器を取り出し、カップを再計量して、容器から漏出した製品の重量を計量する。
【0079】
粘度
液体洗浄剤組成物の粘度を、TA instrument製のDHR−1回転流量計を使用し、直径40mm、2.008°の角度、56μmの切頭ギャップを有する円錐−プレートジオメトリを使用して測定する。特に言及しない限り、粘度は、10s
−1の剪断速度で測定する。
【実施例】
【0080】
以下の3つの容器について弾性指数を測定し、40℃でのピーク圧力を測定した(すなわち、充填温度+20℃の差分)。下記のデータから分かるように、0.65%以上の弾性指数を有する容器は、容器内の温度が40℃まで上昇すると、ピーク圧力の急激な低減をもたらす。その結果、容器をスリットバルブと嵌合させて倒立に配向したときに、スリットバルブに印加される内圧がより少なくなり、漏出の減少をもたらす。
【0081】
【表1】
*=推奨される充填容積
【0082】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。