特許第6938750号(P6938750)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6938750-鼻腔拡張具 図000002
  • 特許6938750-鼻腔拡張具 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6938750
(24)【登録日】2021年9月3日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】鼻腔拡張具
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/08 20060101AFI20210909BHJP
【FI】
   A61F5/08
【請求項の数】2
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2020-206944(P2020-206944)
(22)【出願日】2020年12月14日
【審査請求日】2020年12月14日
【審判番号】不服2021-6805(P2021-6805/J1)
【審判請求日】2021年5月26日
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520493049
【氏名又は名称】坂口 照子
(74)【代理人】
【識別番号】100095245
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 嘉彦
(72)【発明者】
【氏名】坂口 照子
【合議体】
【審判長】 芦原 康裕
【審判官】 出口 昌哉
【審判官】 八木 誠
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0228282(US,A1)
【文献】 国際公開第2017/130838(WO,A1)
【文献】 特開2014−73210(JP,A)
【文献】 特開2005−87766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/56
A61F 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長の弾性板と、弾性板の一面に形成された粘着層と、粘着層に密着した剥離カバーとを備え、粘着層は弾性板の前記一面の全面に形成されており、剥離カバーは粘着層の長手方向一端部を覆う第1部分と、粘着層の長手方向中央部を覆う第2部分と、粘着層の長手方向他端部を覆う第3部分とに三分割されており、使用時において剥離カバーの第1部分と第3部分とは粘着層から剥がされており、剥離カバーの第2部分は粘着層の長手方向中央部に密着したままであることを特徴とする鼻腔拡張具
【請求項2】
細長の弾性板と、弾性板の一面に形成された粘着層と、粘着層に密着した剥離カバーとを備え、粘着層は弾性板の前記一面の全面に形成されており、剥離カバーは粘着層の長手方向一端部を覆う第1部分と、粘着層の長手方向中央部を覆う第2部分と、粘着層の長手方向他端部を覆う第3部分とに三分割された鼻腔拡張具の使用方法であって、剥離カバーの第1部分と第3部分とを粘着層から剥がして粘着層の長手方向一端部と他端部とを鼻梁側部に密着させる一方、剥離カバーの第2部分は粘着層に密着させたまま鼻梁頂部に当接させることを特徴とする鼻腔拡張具の使用方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鼻腔拡張具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
細長の弾性板と、弾性板の一面に形成された粘着層と、粘着層に密着した剥離カバーとを備え、粘着層から剥離カバーを剥がし粘着層を鼻梁に密着させて使用する鼻腔拡張具が特許文献1に開示されている。
特許文献1の鼻腔拡張具においては、使用後に鼻腔拡張具を取り外す際に、粘着層が密着した鼻梁頂部の皮膚が剥がれて鼻梁頂部が損傷するのを防止するために、粘着層の長手方向中央部にパッドやネットを密着させて、鼻腔拡張具の使用時に粘着層が鼻梁頂部に密着するのを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−087766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の鼻腔拡張具には、使用時の鼻梁頂部への粘着層の密着を防止のための専用部材を必要とするという問題がある。
本発明は、細長の弾性板と、弾性板の一面に形成された粘着層と、粘着層に密着した剥離カバーとを備え、粘着層から剥離カバーを剥がし粘着層を鼻梁に密着させて使用する鼻腔拡張具であって、使用時の鼻梁頂部への粘着層の密着が防止され、且つ使用時の鼻梁頂部への粘着層の密着防止のための専用部材を必要としない鼻腔拡張具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明においては、細長の弾性板と、弾性板の一面に形成された粘着層と、粘着層に密着した剥離カバーとを備え、粘着層は弾性板の前記一面の全面に形成されており、剥離カバーは粘着層の長手方向一端部を覆う第1部分と、粘着層の長手方向中央部を覆う第2部分と、粘着層の長手方向他端部を覆う第3部分とに三分割されており、使用時において剥離カバーの第1部分と第3部分とは粘着層から剥がされており、剥離カバーの第2部分は粘着層の長手方向中央部に密着したままであることを特徴とする鼻腔拡張具を提供する。
また本発明においては、細長の弾性板と、弾性板の一面に形成された粘着層と、粘着層に密着した剥離カバーとを備え、粘着層は弾性板の前記一面の全面に形成されており、剥離カバーは粘着層の長手方向一端部を覆う第1部分と、粘着層の長手方向中央部を覆う第2部分と、粘着層の長手方向他端部を覆う第3部分とに三分割された鼻腔拡張具の使用方法であって、剥離カバーの第1部分と第3部分とを粘着層から剥がして粘着層の長手方向一端部と他端部とを鼻梁側部に密着させる一方、剥離カバーの第2部分は粘着層に密着させたまま鼻梁頂部に当接させることを特徴とする鼻腔拡張具の使用方法を提供する。
剥離カバーの長手方向両端部のみを粘着層から剥がし、長手方向中央部は粘着層に密着させたまま、鼻腔拡張具を使用すれば、鼻梁頂部には剥離カバーの長手方向中央部が当接し、粘着層は密着しない。従って、鼻腔拡張具の取り外し時に、粘着層が鼻梁頂部の皮膚を剥がす事態は発生せず、鼻梁頂部は損傷しない。剥離カバーを三分割すれば良く、使用時の鼻梁頂部への粘着層の密着防止のための専用部材は不要である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の第1実施例に係る鼻腔拡張具の分解斜視図である。
図2】本発明の第2実施例に係る鼻腔拡張具の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1に示すように、本発明の第1実施例に係る鼻腔拡張具1は、紙、布、プラスチック等の単一部材又は複合部材で形成された細長の弾性板2と、弾性板2の一面に形成された粘着層3と、粘着層3に密着した紙、プラスチック等で形成された剥離カバー4とを備えている。粘着層3は弾性板2の前記一面の長手方向両端部のみに形成されており、長手方向中央部には粘着層が形成されていない。剥離カバー4は、長手方向中央で半部分4a、4bに二分割されている。
鼻腔拡張具1を使用する際には、先ず剥離カバー4を粘着層3から剥がし、弾性板2の前記一面の長手方向中央部を鼻梁頂部に当接させ、前記一面の長手方向両端部に形成した粘着層3を鼻梁側部に密着させて、鼻梁に鼻腔拡張具1を装着する。鼻梁に沿って曲げられた弾性板2の復元力によって、粘着層3が密着した鼻梁側部が持ち上げられ、鼻腔が拡張し、鼻詰まりが解消する。
粘着層3は弾性板2の一面の長手方向両端部のみに形成され、長手方向中央部には形成されていないので、鼻腔拡張具1の使用時に粘着層3は鼻梁側部のみに密着し、鼻梁頂部には密着しない。従って、鼻腔拡張具1の取り外し時に、粘着層3が鼻梁頂部の皮膚を剥がす事態は発生せず、鼻梁頂部は損傷しない
鼻腔拡張具1使用時の、弾性板2の復元力は、曲率半径が最小となる鼻梁頂部に対峙する長手方向中央部の歪エネルギーによって略決定される。弾性板2の長手方向中央部が粘着層3を介して鼻梁頂部に密着すると、前記歪エネルギーの解放が阻害されて弾性板2の復元力が減少し、鼻腔拡張具1の鼻腔拡張効果が減少する。弾性板2の長手方向中央部が鼻梁頂部に密着しないことにより、前記歪エネルギーの解放が促進され、弾性板2の復元力が増加し、鼻腔拡張効果が増加する。
鼻腔拡張具1に於は、粘着層3の形成部位を弾性板2の一面の長手方向両端部のみに限定すれば良く、使用時の鼻梁頂部への粘着層3の密着防止のための専用部材は不要である。
【0008】
図2に示すように、本発明の第2実施例に係る鼻腔拡張具11は、細長の弾性板12と、弾性板12の一面に形成された粘着層13と、粘着層13に密着した剥離カバー14とを備えている。粘着層13は弾性板12の前記一面の全面に亙って形成されており、剥離カバー14は粘着層13の長手方向一端部を覆う第1部分14aと、粘着層13の長手方向中央部を覆う第2部分14bと、粘着層13の長手方向他端部を覆う第3部分14cとに三分割されている。
剥離カバー14の長手方向両端部14a、14cのみを粘着層13から剥がし、長手方向中央部14bは粘着層13に密着させたまま、鼻腔拡張具を使用すれば、鼻梁頂部には剥離カバーの長手方向中央部14bが当接し、粘着層13は密着しない。従って、鼻腔拡張具11の取り外し時に、粘着層13が鼻梁頂部の皮膚を剥がす事態は発生せず、鼻梁頂部は損傷しない。
剥離カバー14を14a、14b、14cに三分割すれば良く、使用時の鼻梁頂部への粘着層13の密着防止のための専用部材は不要である。
【産業上の利用可能性】
【0009】
本発明に係る鼻腔拡張具に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0010】
1、11 鼻腔拡張具
2、12 弾性板
3、13 粘着層
4、14 剥離カバー
4a、4b 半部分
14a 第1部分
14b 第2部分
14c 第3部分
【要約】
【課題】 細長の弾性板と、弾性板の一面に形成された粘着層と、粘着層に密着した剥離カバーとを備え、粘着層から剥離カバーを剥がし鼻梁に粘着層を密着させて使用する鼻腔拡張具であって、使用時の鼻梁頂部への粘着層の密着が防止され、且つ使用時の鼻梁頂部への粘着層の密着防止のための専用部材を必要としない鼻腔拡張具を提供する。
【解決手段】 細長の弾性板と、弾性板の一面に形成された粘着層と、粘着層に密着した剥離カバーとを備え、粘着層は弾性板の前記一面の全面に形成されており、剥離カバーは粘着層の長手方向一端部を覆う第1部分と、粘着層の長手方向中央部を覆う第2部分と、粘着層の長手方向他端部を覆う第3部分とに三分割されており、使用時において剥離カバーの第1部分と第3部分とは粘着層から剥がされており、剥離カバーの第2部分は粘着層の長手方向中央部に密着したままである
【選択図】 図2
図1
図2