(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器のユーザの生体情報を測定する精度を向上することができれば、例えばユーザの睡眠状態をより良好に検出し得るため、有益である。
【0005】
本開示の目的は、生体情報の測定の精度を向上し得る電子機器、制御方法、及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る電子機器は、
ユーザの外耳道に少なくとも一部が挿入される挿入部と、
前記挿入部の少なくとも一部が前記ユーザの外耳道に挿入された状態で、前記ユーザの生体に関する信号を検出するセンサと、
前記センサが検出する前記ユーザの生体に関する信号のうち所定の条件を満たす信号に基づいて、所定の処理を行うコントローラと、
を備える。
前記挿入部は、前記ユーザの左耳の外耳道に少なくとも一部が挿入される第1挿入部と、前記ユーザの右耳の外耳道に少なくとも一部が挿入される第2挿入部とを含む。
前記センサは、前記第1挿入部の少なくとも一部が前記ユーザの左耳の外耳道に挿入された状態で、前記ユーザの生体に関する情報を測定する第1センサと、前記第2挿入部の少なくとも一部が前記ユーザの右耳の外耳道に挿入された状態で、前記ユーザの生体に関する情報を測定する第2センサとを含む。
前記コントローラは、前記第1センサが検出する前記ユーザの生体に関する信号、及び、前記第2センサが検出する前記ユーザの生体に関する信号のうち、前記所定の条件を満たす信号を処理に採用し、前記所定の条件を満たさない信号を処理に採用しない。
前記コントローラは、前記所定の条件を、前記センサによって検出された信号のDC値の平均値に基づいて決定する。
【0007】
一実施形態に係る方法は、
ユーザの外耳道に少なくとも一部が挿入される挿入部と、
前記挿入部の少なくとも一部が前記ユーザの外耳道に挿入された状態で、前記ユーザの生体に関する信号を検出するセンサと、
前記センサが検出する前記ユーザの生体に関する信号のうち所定の条件を満たす信号に基づいて、所定の処理を行うコントローラと、
を備える電子機器の制御方法である。
前記挿入部は、前記ユーザの左耳の外耳道に少なくとも一部が挿入される第1挿入部と、前記ユーザの右耳の外耳道に少なくとも一部が挿入される第2挿入部とを含む。
前記制御方法は、
前記第1挿入部の少なくとも一部が前記ユーザの左耳の外耳道に挿入された状態で、前記センサの第1センサが前記ユーザの生体に関する情報を測定する工程と、
前記第2挿入部の少なくとも一部が前記ユーザの右耳の外耳道に挿入された状態で、前記センサの第2センサが前記ユーザの生体に関する情報を測定する工程と、
前記コントローラが、前記第1センサが検出する前記ユーザの生体に関する信号、及び、前記第2センサが検出する前記ユーザの生体に関する信号のうち、前記所定の条件を満たす信号を処理に採用し、前記所定の条件を満たさない信号を処理に採用しない工程と、
前記コントローラが、前記所定の条件を、前記センサによって検出された信号のDC値の平均値に基づいて決定する工程と、
を含む。
【0008】
一実施形態に係るプログラムは、
ユーザの外耳道に少なくとも一部が挿入される挿入部と、
前記挿入部の少なくとも一部が前記ユーザの外耳道に挿入された状態で、前記ユーザの生体に関する信号を検出するセンサと、
前記センサが検出する前記ユーザの生体に関する信号のうち所定の条件を満たす信号に基づいて、所定の処理を行うコントローラと、
を備える電子機器に実行させる制御プログラムである。
前記挿入部は、前記ユーザの左耳の外耳道に少なくとも一部が挿入される第1挿入部と、前記ユーザの右耳の外耳道に少なくとも一部が挿入される第2挿入部とを含む。
前記制御プログラムは、
前記第1挿入部の少なくとも一部が前記ユーザの左耳の外耳道に挿入された状態で、前記センサの第1センサが前記ユーザの生体に関する情報を測定する工程と、
前記第2挿入部の少なくとも一部が前記ユーザの右耳の外耳道に挿入された状態で、前記センサの第2センサが前記ユーザの生体に関する情報を測定する工程と、
前記コントローラが、前記第1センサが検出する前記ユーザの生体に関する信号、及び、前記第2センサが検出する前記ユーザの生体に関する信号のうち、前記所定の条件を満たす信号を処理に採用し、前記所定の条件を満たさない信号を処理に採用しない工程と、
前記コントローラが、前記所定の条件を、前記センサによって検出された信号のDC値の平均値に基づいて決定する工程と、
を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
一実施形態によれば、生体情報の測定の精度を向上し得る電子機器、制御方法、及び制御プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示において、「電子機器」とは、電力により駆動する機器としてよい。また、本開示において、「ユーザ」とは、一実施形態に係る電子機器を使用する者(人間又は動物)としてよい。
【0012】
以下、一実施形態に係る電子機器について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は、一実施形態に係る電子機器がユーザに装着された状態を示す図である。すなわち、
図1は、一実施形態に係る電子機器のユーザが、一実施形態に係る電子機器を自らの耳に装着又は挿入した状態を示す図である。
【0014】
図1に示すように、一実施形態に係る電子機器1Aは、イヤフォン又は耳栓のような形状としてよい。
図1に示すように、一実施形態に係る電子機器1Aは、ユーザの耳に装着又は挿入して使用可能なように構成されてよい。この場合、一実施形態に係る電子機器1Aは、ユーザの耳に入る音を抑制する耳栓のような機能を備えてもよい。また、一実施形態に係る電子機器1Aは、ユーザの耳に装着又は挿入された状態で、ユーザの耳においてユーザの生体に関する信号を検出してよい。一実施形態に係る電子機器1Aは、このようにして検出した信号に基づいて、種々の所定の処理を行うことができる。例えば、一実施形態に係る電子機器1Aは、このようにして検出されたユーザの生体に関する信号に基づいて、ユーザの血流量を測定してもよい。また、例えば、一実施形態に係る電子機器1Aは、このようにして測定されたユーザの血流量に基づいて決定されたタイミングで、睡眠中のユーザを目覚めさせるような音を出力してもよい。
【0015】
図1は、ユーザの左耳に装着又は挿入された電子機器1Aを示している。
図1に示すように、電子機器1Aは、ユーザの左耳に装着又は挿入されるものとしてよい。しかしながら、電子機器1Aは、ユーザの右耳に装着又は挿入されるものとしてもよい。このように、一実施形態に係る電子機器1Aは、ユーザの片耳のみに装着又は挿入されるものとして構成してもよい。
【0016】
一方、一実施形態に係る電子機器1Aは、1人のユーザに2つ装着又は挿入されてもよい。この場合、2つの電子機器1Aは、ユーザの左耳及び右耳にそれぞれ1つずつ装着又は挿入されるものとしてよい。
【0017】
また、
図1に示すユーザから見て電子機器1Aと左右対称に構成された電子機器を、一実施形態に係る電子機器1Bとしてもよい。この場合、例えば、電子機器1Aはユーザの左耳に装着又は挿入されるものとして構成し、電子機器1Bはユーザの右耳に装着又は挿入されるものとして構成してもよい。以下、電子機器1Aは「左耳用電子機器1A」とも記し、電子機器1Bは「右耳用電子機器1B」とも記す。以下の説明において、参照符号に付した「A」を「B」に読み替えることにより、左耳用電子機器1Aに関する記述を、適宜、右耳用電子機器1Bに関する記述として読み替えてもよい。また、電子機器1Aと電子機器1Bとを特に区別しない場合、単に「電子機器1」と記すことがある。ユーザの視点から、右耳用電子機器1Bは、左耳用電子機器1Aと左右対称の外観を有してよい。また、右耳用電子機器1Bは、左耳用電子機器1Aと同様の機能を有するものとしてもよい。以下、右耳用電子機器1Bの図示は省略する。
【0018】
図1に示す電子機器1Aは、図に示すX軸に平行な方向にやや細長い形状をしている。しかしながら、一実施形態に係る電子機器1Aは、
図1に示すような形状に限定されない。一実施形態に係る電子機器1Aは、例えば長方形状、正方形上、楕円形状、又は円形状などとしてもよい。また、一実施形態に係る電子機器1Aは、例えばデザイン性なども加味して、任意の形状としてよい。一実施形態に係る電子機器1Aの外観は、ユーザの耳に装着又は挿入されるのに適した形状としてよい。
【0019】
図2は、一実施形態に係る電子機器1Aの外観を示す図である。
図2は、
図1に示した電子機器1がユーザの耳から取り外された状態を示す図である。
【0020】
図2に示すように、一実施形態に係る電子機器1Aは、本体3Aと、挿入部10Aと、センサ20Aとを備えている。また、一実施形態に係る電子機器1Bは、本体3Bと、挿入部10Bと、センサ20Bとを備えてよい。以下、本体3Aは「左耳用本体3A」とも記し、本体3Bは「右耳用本体3B」とも記す。また、本体3Aと本体3Bとを特に区別しない場合、単に「本体3」と記すことがある。挿入部10Aは「左耳用挿入部10A」とも記し、挿入部10Bは「右耳用挿入部10B」とも記す。また、挿入部10Aと挿入部10Bとを特に区別しない場合、単に「挿入部10」と記すことがある。センサ20Aは「左耳用センサ20A」とも記し、センサ20Bは「右耳用センサ20B」とも記す。また、センサ20Aとセンサ20Bとを特に区別しない場合、単に「センサ20」と記すことがある。
【0021】
本体3は、電子機器1の筐体又はハウジングとしてよい。本体3は、例えば合成樹脂、アルミニウム、又はゴムとするなど、電子機器1の筐体又はハウジングとしての機能を果たす強度を有する任意の材料で構成してよい。一実施形態に係る電子機器1は、本体3の内部において種々の部品を含んでよい。本体3の形状及びサイズは、上述のように、例えば
図2に示すような形状に限定されるものではなく、任意の形状及びサイズとしてよい。一実施形態において、本体3は、ユーザの耳に装着又は挿入されるのに適した形状及びサイズとしてよい。
【0022】
挿入部10は、ユーザの耳に挿入される部分である。ここで、挿入部10が挿入されるユーザの耳とは、例えばユーザの外耳道としてよい。この場合、挿入部10の少なくとも一部が、ユーザの外耳道に挿入されてよい。このため、挿入部10は、例えばシリコン系の素材で構成してもよいし、例えばウレタン素材のような低反発素材で構成してもよい。また、挿入部10は、ユーザの外耳道に密着するように、適宜サイズの変更が可能な着脱式のイヤピースを備えてもよい。すなわち、挿入部10は、交換可能なイヤピースを備えてもよい。この場合、イヤピースは、挿入部10の少なくとも一部がユーザの外耳道に挿入された状態において、ユーザの外耳道に入る音を抑制してもよい。すなわち、電子機器1は、挿入部10の少なくとも一部がユーザの外耳道に挿入されることにより、外部の音がユーザの外耳道に入ることを抑制してもよい。この場合、挿入部10を備える電子機器1は、一種の耳栓(イヤープラグ)のような効果を有する。
【0023】
このように、挿入部10は、ユーザの外耳道に少なくとも一部が挿入されてよい。すなわち、挿入部10の少なくとも一部は、ユーザの外耳道に挿入されてよい。また、挿入部10は、ユーザの左耳の外耳道に少なくとも一部が挿入される左耳用挿入部10A(第1挿入部)と、ユーザの右耳の外耳道に少なくとも一部が挿入される右耳用挿入部10B(第2挿入部)とを含んでもよい。さらに、挿入部10は、挿入部10の少なくとも一部がユーザの外耳道に挿入された状態において、ユーザの外耳道に入る音を抑制するイヤピースを備えてもよい。
【0024】
センサ20は、ユーザの耳においてユーザの生体に関する信号を検出する。一実施形態において、センサ20は、上述のように挿入部10の少なくとも一部がユーザの外耳道に挿入された状態で、ユーザの生体に関する信号を検出してもよい。一実施形態において、センサ20は、後述のようにレーザセンサとすることができる。しかしながら、センサ20はレーザセンサに限定されるものではなく、LEDセンサなどとしてもよい。
【0025】
このように、センサ20は、挿入部10の少なくとも一部がユーザの外耳道に挿入された状態で、ユーザの耳においてユーザの生体に関する信号を検出する。一実施形態において、センサ20は、左耳用センサ20A(第1センサ)を含んでよい。この場合、左耳用センサ20Aは、左耳用挿入部10Aの少なくとも一部がユーザの左耳の外耳道に挿入された状態で、ユーザの左耳においてユーザの生体に関する情報を測定してよい。また、一実施形態において、センサ20は、右耳用センサ20B(第2センサ)を含んでもよい。この場合、右耳用センサ20Bは、右耳用挿入部10Bの少なくとも一部がユーザの右耳の外耳道に挿入された状態で、ユーザの右耳においてユーザの生体に関する情報を測定してよい。
【0026】
図3は、一実施形態に係る電子機器の断面図である。
図3は、
図2に示した電子機器1AのA−A’断面図である。
【0027】
図3に示すように、一実施形態に係る電子機器1Aは、本体3Aと、挿入部10Aと、センサ20Aとを備えている。
図3においては、挿入部10Aが着脱式のイヤピースを備える例を示してある。
【0028】
図3に示すように、一実施形態に係る電子機器1Aにおいて、センサ20Aは、発光部22及び受光部24を備えてよい。一実施形態において、センサ20Aは、例えばレーザドップラ流速計を備えてもよい。レーザドップラ流速計そのものは既知であるため、より詳細な説明は省略する。一実施形態に係る電子機器1Aにおいて、レーザドップラ流速計を備えるセンサ20Aは、例えばユーザの耳における血流量などを測定することができる。
【0029】
図2及び
図3に示すセンサ20Aは、ユーザの左耳の耳甲介腔のあたりにおいてユーザの生体に関する信号を検出可能な位置に配置される。
図2及び
図3に示すセンサ20Aの配置される位置は、一例を示したものである。一実施形態に係る電子機器1Aにおいて、センサ20Aは、挿入部10の少なくとも一部がユーザの外耳道に挿入された状態で、ユーザの耳においてユーザの生体に関する信号を検出可能な種々の位置に配置してよい。
【0030】
また、
図3に示すように、一実施形態に係る電子機器1Aは、本体3の内部において、ドライバユニット30を備えてもよい。ドライバユニット30は、例えば通常のイヤフォンなどに用いられるような、音を出力可能なものとしてよい。
図3に示すように、ドライバユニット30は、空気振動を発生させることにより、挿入部10からユーザの外耳道に向けて音を出力することができる。ドライバユニットそのものは既知であるため、より詳細な説明は省略する。
【0031】
図3に示すドライバユニット30は、電子機器1Aの本体3Aにおいて、ユーザの外耳道に挿入される挿入部10Aの近傍に配置されている。しかしながら、
図3に示すドライバユニット30の配置される位置は例示である。一実施形態に係る電子機器1Aの本体3Aにおいて、ドライバユニット30は、挿入部10からユーザの外耳道内に音を出力することができる任意の位置に配置してよい。
【0032】
本開示において、センサ20の位置は
図2及び
図3に示した例に限定されるものではなく、適宜な位置であってもよい。例えば、
図4に示すように、左耳用センサ20A又は右耳用センサ20Bの少なくともいずれか一方を、本体3の中央部に配置してもよい。そして、センサ20がユーザの耳甲介から生体情報を取得するものとしてもよい。この場合、
図5に示すように、発光部22及び受光部24を備えるセンサ20Aは、ユーザの耳甲介に向けられることとなる。
【0033】
図6は、一実施形態に係る電子機器1の構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図6は、一実施形態に係る電子機器1を構成する要素を例示するものである。一実施形態に係る電子機器1は、
図6に示す機能部の一部を省略してもよいし、
図6に示す以外の機能部を備えてもよい。
【0034】
図6に示す電子機器1は、センサ20と、ドライバユニット30と、コントローラ40と、通信部50と、マイク60と、バッテリ70とを備えている。
【0035】
センサ20は、
図3にも示したように、例えば発光部22及び受光部24を備えてよい。センサ20は、挿入部10の少なくとも一部がユーザの外耳道に挿入された状態で、ユーザの耳においてユーザの生体に関する信号を検出する。センサ20は、上述のように、例えばレーザドップラ流速計などを備えてよい。この場合、レーザドップラ流速計を備えるセンサ20Aは、例えばユーザの耳における血流量などを測定することができる。センサ20は、コントローラ40による制御に基づいて、ユーザの生体に関する信号を検出してよい。また、センサ20が検出した信号は、例えばコントローラ40に供給されてよい。より詳細には、コントローラ40は、センサ20における発光部22の発光を制御してよい。また、センサ20における受光部24が受光した光に基づく信号は、コントローラ40に供給されてよい。
【0036】
ドライバユニット30は、各種の音を出力することで、ユーザに各種の報知を行うことができる。ドライバユニット30は、例えばダイヤフラムなどに電気信号を供給して空気振動を発生させることにより、音を出力するものとしてよい。ドライバユニット30は、任意のスピーカなどで構成してもよい。ドライバユニット30は、コントローラ40から供給される信号を、音として出力してよい。
【0037】
一実施形態に係る電子機器1Aにおいて、例えばユーザの睡眠を促進させるために、コントローラ40による制御に基づいて、ドライバユニット30から所定の環境音などを流してもよい。また、一実施形態に係る電子機器1Aにおいて、例えば睡眠中のユーザを目覚めさせるために、コントローラ40による制御に基づいて、ドライバユニット30から所定の音など(例えば徐々に音量が大きくなるアラーム音など)を発生させてもよい。この場合、コントローラ40は、例えばユーザによって設定されたタイミングで、ドライバユニット30から所定の音などを発生させるように制御してもよい。
【0038】
一実施形態において、ドライバユニット30が出力する音の情報は、コントローラ40が備えるメモリ又は他のメモリに記憶されてよい。ここで、上述のメモリに記憶される音の情報とは、例えばMP3(MPEG-1 Audio Layer-3)ファイル又はWAVファイルのような、任意の形式の音声ファイルであってよい。
【0039】
このように、一実施形態に係る電子機器1Aにおいて、コントローラ40は、予め設定された所定のタイミングで、ドライバユニット30から所定の音を出力するように制御してもよい。
【0040】
コントローラ40は、電子機器1を構成する各機能部をはじめとして、電子機器1の全体を制御及び/又は管理する。コントローラ40は、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、例えばCPU(Central Processing Unit)のような、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。コントローラ40は、まとめて1つのプロセッサで実現してもよいし、いくつかのプロセッサで実現してもよいし、それぞれ個別のプロセッサで実現してもよい。プロセッサは、単一の集積回路として実現されてよい。集積回路は、IC(Integrated Circuit)ともいう。プロセッサは、複数の通信可能に接続された集積回路及びディスクリート回路として実現されてよい。プロセッサは、他の種々の既知の技術に基づいて実現されてよい。
【0041】
一実施形態において、コントローラ40は、例えばCPU及び当該CPUで実行されるプログラムとして構成されてよい。コントローラ40において実行されるプログラム、及び、コントローラ40において実行された処理の結果などは、例えばメモリに記憶されてよい。コントローラ40は、コントローラ40の動作に必要なメモリを適宜含んでもよい。一実施形態に係る電子機器1のコントローラ40の動作については、さらに後述する。
【0042】
上述のメモリは、コントローラ40において実行されるプログラム、及び、コントローラ40において実行された処理の結果などを記憶してよい。また、メモリは、コントローラ40のワークメモリとして機能してよい。メモリは、例えば半導体メモリ等により構成することができるが、これに限定されず、任意の記憶装置とすることができる。例えば、メモリは、一実施形態に係る電子機器1に挿入されたメモリカードのような記憶媒体としてもよい。また、メモリは、上述のように、コントローラ40として用いられるCPUの内部メモリであってもよいし、コントローラ40に別体として接続されるものとしてもよい。
【0043】
通信部50は、有線又は無線により通信するためのインタフェースである。一実施形態の通信部50によって行われる通信方式は無線通信規格である。例えば、無線通信規格は2G、3G、4G、及び5G等のセルラーフォンの通信規格を含む。例えばセルラーフォンの通信規格は、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、及びPHS(Personal Handy-phone System)等を含む。例えば、無線通信規格は、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11、WiFi、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、及びNFC(Near Field Communication)等を含む。通信部50は、上記の通信規格の1つ又は複数をサポートすることができる。
【0044】
通信部50が送受信する各種の情報は、例えばコントローラ40に内蔵されたメモリに記憶してもよい。通信部50は、例えば電波を送受信するアンテナ及び適当なRF部などを含めて構成してよい。通信部50は、無線通信を行うための既知の技術により構成することができるため、より詳細なハードウェアの説明は省略する。
【0045】
通信部50は、コントローラ40による制御に基づいて、例えばセンサ20が検出したユーザの生体に関する信号を、例えばスマートフォン又はサーバなどの外部機器(他の電子機器)に無線通信により送信してよい。通信部50から外部機器に送信される情報は、例えばコントローラ40から供給されてよい。また、通信部50は、例えばスマートフォン又はサーバなどの外部機器(他の電子機器)に無線通信により送信された情報を受信してもよい。通信部50が外部機器から受信した情報は、例えばコントローラ40に供給されてよい。
【0046】
また、一実施形態に係る電子機器1が左耳用電子機器1A及び右耳用電子機器1Bを含む場合、これらがそれぞれ通信部50を備えてもよい。この場合、左耳用電子機器1Aと右耳用電子機器1Bとは、それぞれ互いに通信してよい。一実施形態に係る電子機器1において左耳用電子機器1Aと右耳用電子機器1Bとがケーブルなどによって有線接続される場合、それぞれの通信部50は、例えば当該ケーブルを接続するインタフェース又はコネクタなどとしてもよい。
【0047】
このように、一実施形態に係る電子機器1は、センサ20が検出するユーザの生体に関する信号を他の電子機器に送信する通信部50を備えてもよい。一方、一実施形態において、電子機器1が他の電子機器などと連携せずにスタンドアロンで使用される場合、電子機器1は、無線通信の機能を提供する通信部50を備えなくてもよい。
【0048】
マイク60は、人が発する声を含む、電子機器1の周囲の音(例えばユーザの外耳道に入る音としてよい)を検出する。マイク60は、音を空気振動として例えばダイヤフラムなどで検出したものを電気信号に変換したものとしてよい。
図1乃至
図3においては、マイク60の図示は省略してある。しかしながら、一実施形態に係る電子機器1は、電子機器1の周囲の音又はユーザの外耳道に入る音を検出可能な任意の位置に、マイク60を備えてよい。
【0049】
一実施形態において、コントローラ40は、マイク60が検出した音と逆位相の音を生成し、ドライバユニット30から出力してもよい(アクティブノイズキャンセリング)。このように、一実施形態に係る電子機器1において、コントローラ40は、ドライバユニット30がユーザの外耳道に入る音と逆位相の音を出力するように制御してもよい。一実施形態に係る電子機器1によれば、ユーザの耳に入り込む外部の騒音などは抑制される。したがって、例えばユーザが電子機器1を両耳に挿入することにより、ユーザは静寂な環境を得ることができる。このような環境において、ユーザは、快適な睡眠を実現し得る。
【0050】
一方、一実施形態において、電子機器1がアクティブノイズキャンセリングのような機能を備えない場合には、電子機器1はマイク60を備えなくてもよい。
【0051】
バッテリ70は、電子機器1の各構成部に電力を供給してよい。バッテリ70は、充電可能な二次電池を含んでよい。二次電池は、例えば、リチウムイオン電池、ニッケルカドミウム電池、又はニッケル水素電池等を含んでよい。バッテリ70は、二次電池に限られず、充電できない一次電池を含んでよい。一次電池は、例えば、アルカリ電池又はマンガン電池等を含んでよい。一方、一実施形態において、電子機器1が外部から電力供給される場合には、電子機器1はバッテリ70を備えなくてもよい。
【0052】
一実施形態に係る電子機器1が左耳用電子機器1A及び右耳用電子機器1Bを含む場合、必ずしも左耳用電子機器1A及び右耳用電子機器1Bの双方が、
図6に示す各機能部の全てを備えなくてもよい。例えば、左耳用電子機器1Aと右耳用電子機器1Bとが有線接続される場合、コントローラ40、通信部50、及び/又はバッテリ70などについては、左耳用電子機器1A及び右耳用電子機器1Bの少なくとも一方が備えてもよい。
【0053】
図6に示した機能部のうち、コントローラ40、通信部50、マイク60、及びバッテリ70は、
図3に図示していない。これらの機能部は、例えば
図3に示す本体3Aにおいて任意の位置に配置してよい。
【0054】
次に、一実施形態に係る電子機器1の動作について説明する。
【0055】
上述のように、一実施形態に係る電子機器1は、ユーザの耳に装着又は挿入されることにより、ユーザの外耳道に入る例えば環境音のような外部の音を抑制し得る。このため、ユーザは、一実施形態に係る電子機器1を耳に装着又は挿入することにより、自らを睡眠に適した静寂な環境に置くことができる。したがって、一実施形態に係る電子機器1は、ユーザが睡眠中にユーザの生体に関する信号を、センサ20によって検出することができる。
【0056】
一実施形態に係る電子機器1によってユーザの睡眠中にユーザの生体に関する信号を検出している最中に、ユーザが例えば寝返りを打つなどして体勢を変化させると、センサ20による適切な検出が継続できなくなることも想定される。
【0057】
例えば、
図1に示すようにユーザが左耳に電子機器1Aを挿入した状態で横たわり、睡眠を開始したとする。そして、ユーザが睡眠中に寝返りを打つなどして左側頭部を床側に向けると、ユーザの左側頭部は枕又は寝具などによって圧迫される。この場合、ユーザの左耳に装着又は挿入された電子機器1Aはユーザの左耳の耳甲介部などに押し付けられる。すると、発光部22から発光される光、及び/又は、受光部24によって受光される光の強度は、変化し得る。このため、それまでユーザの生体に関する信号がセンサ20によって適切に検出されていたとしても、そのような適切な検出が維持されなくなることが想定される。
【0058】
一方、ユーザが右耳に電子機器1Bを挿入した状態で横たわり、睡眠を開始した場合にも、同様の事態が起こり得る。すなわち、ユーザが睡眠中に寝返りを打つなどして右側頭部を床側に向けると、ユーザの右側頭部は枕又は寝具などによって圧迫され、ユーザの左耳に装着又は挿入された電子機器1Bはユーザの右耳の耳甲介部などに押し付けられる。この場合も、それまでユーザの生体に関する信号がセンサ20によって適切に検出されていたとしても、そのような適切な検出が維持されなくなることが想定される。
【0059】
このような場合、電子機器1のコントローラ40は、例えば、センサ20によって信号が適切に検出されていると判定される場合にのみ、センサ20によって検出される信号に基づく処理を行ってよい。すなわち、コントローラ40は、センサ20によって適切に検出されている信号のみを、所定の処理の対象としてよい。一方、コントローラ40は、センサ20によって信号が適切に検出されていないと判定される場合、センサ20によって検出される信号に基づく処理を行わないようにしてもよい。すなわち、コントローラ40は、センサ20によって適切に検出されていない信号は、所定の処理の対象としなくてもよい。
【0060】
また、一実施形態に係る電子機器1が左耳用電子機器1A及び右耳用電子機器1Bを含む場合、一方の電子機器1のセンサ20による適切な検出が継続できなくなったとしても、他方の電子機器1のセンサ20による適切な検出は維持できる場合も想定される。例えば、上述のように、ユーザが睡眠中に寝返りを打つなどして左側頭部を床側に向けると、左耳用電子機器1Aはユーザの左耳の耳甲介部などに押し付けられ、ユーザの生体に関する信号を適切に検出できなくなり得る。このような場合でも、右耳用電子機器1Bはユーザの右耳の耳甲介部などに押し付けられないため、ユーザの生体に関する信号を適切に検出し得る。
【0061】
このような場合、ユーザの生体に関する信号を適切に検出している右耳用電子機器1Bの右耳用センサ20Bによって検出される信号に基づく処理を行ってよい。すなわち、コントローラ40は、左耳用電子機器1A及び右耳用電子機器1Bのうち、ユーザの生体に関する信号を適切に検出している右耳用電子機器1Bの右耳用センサ20Bが検出する信号のみを、所定の処理の対象としてよい。一方、ユーザの生体に関する信号を適切に検出していない左耳用電子機器1Aの左耳用センサ20Aによって検出される信号に基づく処理を行わないようにしてもよい。すなわち、コントローラ40は、左耳用電子機器1A及び右耳用電子機器1Bのうち、ユーザの生体に関する信号を適切に検出していない左耳用電子機器1Aの左耳用センサ20Aが検出する信号は、所定の処理の対象としなくてもよい。
【0062】
ここで、「所定の処理」とは、一例として、ユーザの生体に関する信号に基づいて、ユーザの血流量を測定する処理としてよい。一方、「所定の処理」とは、ユーザの血流量を測定する処理に限定されるものではなく、ユーザの生体に関する信号に基づく任意の処理としてよい。
【0063】
図7は、一実施形態に係る電子機器1の動作を説明するフローチャートである。
【0064】
図7に示す動作は、例えばユーザが電子機器1を耳に装着又は挿入した状態において、ユーザの生体に関する信号の検出を開始する時点において開始してよい。
図7は、一実施形態に係る電子機器1が左耳用電子機器1A及び右耳用電子機器1Bを含む場合の例を示している。これに対し、一実施形態に係る電子機器1が左耳用電子機器1A又は右耳用電子機器1Bの一方のみを含む場合であっても、
図7に準じた動作を行ってよい。
【0065】
図7に示す動作が開始すると、コントローラ40は、左耳用センサ20A及び右耳用センサ20Bの双方によってユーザの生体に関する信号を検出するように制御する(ステップS1)。
【0066】
ステップS1において左耳用センサ20A及び右耳用センサ20Bによってユーザの生体に関する信号の検出が開始されたら、コントローラ40は、検出された信号が所定の条件を満たすか否か判定する(ステップS2)。
【0067】
ステップS2において満たすか否か判定される所定の条件とは、例えば検出される信号の強度としてよい。例えば、ステップS2における所定の条件とは、センサ20の発光部22が発光した光量に対する、受光部24が受光した光量の割合としてもよい。ステップS2において、コントローラ40は、例えばセンサ20が検出する信号の強度(受光部24が受光する光の強度)のDC値に基づいて、検出された信号が所定の条件を満たすか否か判定してもよい。
【0068】
ステップS2における所定の条件は、種々の態様で設定することができる。
【0069】
例えば、ステップS2における所定の条件は、ユーザが電子機器1を耳に装着又は挿入した際にセンサ20によって検出される信号に基づいて設定される閾値などとしてよい。ユーザが電子機器1を耳に装着又は挿入する際は、ユーザは電子機器1を耳に押し込むため、電子機器1は通常の着用時よりも比較的強くユーザの耳に押し付けられる。したがって、このように電子機器1が通常の着用時よりも強くユーザの耳に押し付けられる場合にセンサ20によって検出される信号に基づいて、「所定の条件」としての閾値を設定してもよい。この場合、例えばユーザが電子機器1を耳に装着又は挿入した際にセンサ20によって検出されるDC信号の下限(下限値)に基づいて、所定の条件のとしての閾値を設定してもよい。例えば、コントローラ40は、センサ20によって検出された信号がDC値の下限値を下回る場合に、ステップS2における所定の条件を満たさないと判定してもよい。
【0070】
また、例えば、ステップS2における所定の条件は、センサ20が現在までに検出した信号、及び/又は、センサ20が過去に検出した信号に基づいて設定される閾値などとしてよい。例えば、ユーザが日常的に電子機器1によってユーザの生体に関する信号を検出している場合、コントローラ40は、ユーザごとに平常時の生体に関する信号を把握することができる。このため、ステップS2における所定の条件は、ユーザの平常時の生体に関する信号の記録(又は履歴)に基づいて設定される範囲などとしてよい。この場合、コントローラ40は、例えば検出される信号の強度が、上述のようにして設定された範囲内にある場合、ステップS2における所定の条件を満たすものと判定してよい。また、コントローラ40は、例えば検出される信号の強度が、上述のようにして設定された範囲内にない場合、ステップS2における所定の条件を満たさないものと判定してよい。また、この場合、ステップS2における所定の条件は、ユーザの平常時の生体に関する信号の記録(又は履歴)から得られるDC値の平均などに基づいて設定される閾値又は範囲などとしてよい。例えば、コントローラ40は、センサ20によって検出された信号がDC値の平均の50%を下回る場合に、ステップS2における所定の条件を満たさないと判定してもよい。
【0071】
ステップS2において検出された信号が所定の条件を満たす場合(ステップS2のYes)、コントローラ40は、所定の条件を満たすと判定された信号に基づいて、所定の処理を行って(ステップS3)から、
図7に示す処理を終了する。ステップS3における所定の処理とは、上述のように、ユーザの生体に関する信号に基づく任意の処理としてよい。一方、ステップS2において検出された信号が所定の条件を満たさない場合(ステップS2のNo)、コントローラ40は、ステップS3の処理を行わずに
図7に示す処理を終了する。すなわち、
図7に示す動作において、左耳用電子機器1A及び右耳用電子機器1Bのうちセンサ20の検出値が適切な信号のみを処理に採用し、適切でない信号は処理に採用しない。
【0072】
このように、一実施形態に係る電子機器1において、コントローラ40は、センサ20が検出するユーザの生体に関する信号のうち所定の条件を満たす信号に基づいて、所定の処理を行ってよい。また、一実施形態において、コントローラ40は、左耳用センサ20Aが検出するユーザの生体に関する信号、及び、右耳用センサ20Bが検出するユーザの生体に関する信号のうち、所定の条件を満たす信号に基づいて、所定の処理を行ってもよい。この場合、コントローラ40は、センサ20が検出するユーザの生体に関する信号のうち所定以上の強度を有する信号に基づいて、所定の処理を行ってもよい。また、コントローラ40は、センサ20が検出するユーザの生体に関する信号のうち所定の範囲の強度を有する信号に基づいて、所定の処理を行ってもよい。
【0073】
一実施形態に係る電子機器1によれば、センサ20によって適切に検出されていない信号は処理の対象とせずに、センサ20によって適切に検出されている信号を処理の対象とすることができる。したがって、一実施形態に係る電子機器1によれば、ユーザの生体情報の測定の精度を向上し得る。一実施形態に係る電子機器1によれば、ユーザの生体情報の測定の精度を向上することにより、例えばユーザの血流量を測定する精度を向上することが期待できる。このため、一実施形態に係る電子機器1によれば、精度良く測定されたユーザの血流量に基づいて、例えばユーザの睡眠状態をより良好に検出し得る。
【0074】
図8は、一実施形態に係る電子機器1の他の動作を説明するフローチャートである。
【0075】
図8に示す動作は、上述した
図7に示す動作にさらに機能を追加するものである。
図8において、
図7と同様になる説明は、適宜、簡略化又は省略する。
【0076】
図8に示す動作が開始すると、コントローラ40は、ステップS1及びステップS2の処理を行うのは、
図7における説明と同様である。
【0077】
図8に示すステップS2において検出された信号が所定の条件を満たす場合(ステップS2のYes)、コントローラ40は、
図7に示したステップS3に代えて、
図8に示すステップS11及びステップS12の処理を行う。
【0078】
図8に示すステップS11の処理は、
図7に示したステップS3の処理とほぼ同様である。ステップS11において、コントローラ40は、所定の条件を満たすと判定された信号に基づいて、所定の処理として、ユーザの血流量を測定する(ステップS11)。
【0079】
ステップS11においてユーザの血流量が測定されたら、コントローラ40は、測定された血流量に基づいて、例えば睡眠中のユーザを目覚めさせるのに適したタイミング(例えば時刻)を決定する(ステップS12)。ここで、人間の血流量と睡眠の深さとの関連性については、種々の研究に基づく論文が発表されている。このような研究を参照することにより、コントローラ40は、ユーザの血流量に基づいて、当該ユーザの睡眠が深すぎず浅すぎないような適切なタイミングを決定してよい。ステップS12においてユーザを目覚めさせるタイミングが決定されたら、コントローラ40は、ステップS13の処理を実行する。
【0080】
一方、ステップS2において検出された信号が所定の条件を満たさない場合(ステップS2のNo)、コントローラ40は、ステップS11及びステップS12の処理を行わずに、ステップS13の処理を実行してよい。
【0081】
ステップS13において、コントローラ40は、決定されたタイミングが到来したか否かを判定する。ステップS13においてまだタイミングが到来していない場合、コントローラ40は、ステップS1に戻って処理を続行する。一方、ステップS13においてタイミングが到来した場合、コントローラ40は、ドライブユニットから例えば目覚まし音などの所定の音を出力する(ステップS14)。コントローラ40は、ステップS13において上述のタイミングが到来した場合、音、振動、及び発光の少なくともいずれか1つを出力して、ユーザの目を覚ますようにしてもよい(ステップS14)。
【0082】
図8に示す動作は、ステップS12においてユーザを目覚めさせるタイミングが決定された後でも、その後のユーザの生体情報の測定に基づいて、当該タイミングが決定し直される(つまり変更される)ことを想定している。一方、
図8に示す動作において、一度ユーザを目覚めさせるタイミングが決定されたら、そのタイミングが到来するまで変更されないようにしてもよい。この場合、ステップS13においてまだタイミングが到来していない場合、コントローラ40は、ステップS1に戻る代わりに、ステップS13においてタイミングの到来を待機してよい。
【0083】
このように、一実施形態に係る電子機器1において、コントローラ40は、センサ20が検出するユーザの生体に関する信号のうち所定の条件を満たす信号に基づいて、ユーザの血流量を測定してもよい。また、一実施形態に係る電子機器1において、コントローラ40は、ユーザの血流量に基づいて決定されるタイミングで、ドライバユニット30から音を出力するように制御してもよい。
【0084】
一実施形態に係る電子機器1によれば、ユーザに睡眠し易い環境を提供しつつ、ユーザにとって適切なタイミングで目覚めさせることができる。すなわち、一実施形態に係る電子機器1によれば、目覚まし付きの快眠デバイスのような機能が実現される。
【0085】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本開示に係る実施形態について装置を中心に説明してきたが、本開示に係る実施形態は装置の各構成部が実行するステップを含む方法としても実現し得るものである。本開示に係る実施形態は装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム、又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものである。本開示の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【0086】
上述した実施形態は、電子機器1としての実施のみに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態は、電子機器1のような機器の制御方法として実施してもよい。さらに、例えば、上述した実施形態は、電子機器1のような機器の制御プログラムとして実施してもよい。また、このような制御プログラムは、必ずしも電子機器1のみにおいて実行されるものに限定されず、例えば電子機器1と連携するスマートフォンなどのような他の電子機器において実行されるものとしてもよい。
【0087】
また、上述した実施形態に係る電子機器1は、ユーザの耳に入る音を抑制するデバイスを想定して説明した。しかしながら、例えば挿入部10が貫通孔を備えることにより、外部からユーザの外耳道に入る音をあえて通過させてもよい。