(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0015】
また、以下の実施形態では、描画装置は、手の指の爪の表面に描画するものとして説明するが、本発明の描画対象は手の指の爪の表面に限るものではなく、例えば足の指の爪の表面を描画対象面としてもよい。
【0016】
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1に係る描画装置10について、図面を参照して説明する。
(描画装置の全体構成)
図1は、本発明の実施形態1に係る描画装置10の外観を示す斜視図であり、
図2は、
図1の描画装置10の筐体20をA−A線で切断して見た斜視図である。
図1に示すように、描画装置10は、描画機能を備え、人の指12の爪11にネイルデザインの描画を施す装置である。描画装置10は、箱状の筐体20を備え、この筐体20の上面(天板)には、表示部21や操作部22が設けられており、表示部21には、描画の進捗状況やユーザへのメッセージなどが表示され、操作部22をユーザが操作することで各種の入力操作が行えるようになっている。
【0017】
筐体20の正面部20aの下部中央には、第1指挿入部23の挿入口23aが開口しており、この第1指挿入部23の下側には、第2指挿入部25の挿入口25aが開口している。第1指挿入部23は、後述する指挿入ケース(指挿入箱)100が着脱自在に挿入される空間であって、筐体20の正面部20aから、指12の挿入方向である奥側に向けて形成されている。
【0018】
また、第2指挿入部25は、1つの手に属する指のうち描画対象である指12以外の指が挿入される空間であって、筐体20の正面部20aから、指12の挿入方向である奥側に向けて形成されるとともに、筐体20の内部空間から独立した(連通していない)空間になっている。
【0019】
図2に示すように、筐体20内の下部には、指載置台26が設けられ、指載置台26の上面には、前後方向に沿う四角筒形状の挿入ガイド30が設けられている。挿入ガイド30の内部空間は、指挿入ケース100が挿入される第1指挿入部23を形成するための空間であり、その奥側には、挿入された指挿入ケース100の奥側を上方に露出させるための切欠部31が形成されている。なお、挿入ガイド30と指挿入ケース100との関係については、後で詳細に説明する。
【0020】
一方、筐体20内の上部には、固定板17が、描画装置10の幅方向及び奥行き方向に移動可能に設けられる。この固定板17には、ペンプロッター部13及びインクジェット部15を有する描画部14、画像取得部16、及びドライヤ50が、描画装置10の幅方向に整列した状態で固定されている。
【0021】
そのため、固定板17が描画装置10の幅方向及び奥行き方向に移動すると、ペンプロッター部13及びインクジェット部15を有する描画部14、画像取得部16、及びドライヤ50は、固定板17とともに、描画装置10の幅方向及び奥行き方向に移動することになる。なお、
図2は、ペンプロッター部13を挿入ガイド30の切欠部31に対して鉛直上方に移動させたときの描画装置10の内部を示している。
【0022】
ペンプロッター部13は、例えば下地を爪11の表面に描画する部分であって、爪11に描画を施すペン13aを備えており、ステッピングモータなどの駆動手段13bによりペン13aを鉛直方向に昇降可能となっている。
【0023】
このペンプロッター部13は、上述した固定板17の移動と相まって、描画装置10の幅方向、奥行き方向、及び鉛直方向に移動可能であり、ペン13aが指挿入ケース100の開口部101の直上に位置するように移動した後、爪11の表面に接するように下降させたペン13aのペン先で、爪11の表面に描画することができる。
【0024】
インクジェット部15は、例えば爪11の表面にデザインの印刷を行う部分であり、インクジェットヘッド15aと、インクジェットカートリッジ15bと、を備えている。このインクジェット部15は、ペンプロッター部13と同様に、固定板17の移動に伴って指挿入ケース100の開口部101の直上に移動し、爪11の表面にインクジェットヘッド15aで所望のデザインを施すことができるようになっている。
【0025】
画像取得部16は、例えば爪11の画像を取得するカメラであって、描画対象をなす爪11を含む画像を取得する画像取得手段として機能する。そして、爪11を含む指12の画像を解析することで、描画対象となる爪11の領域が特定され、さらに、描画対象となる爪11の位置も特定される。
【0026】
ドライヤ50は、上述したように固定板17と一体的に移動可能であって、指挿入ケース100の開口部101の直上に移動して、爪11の表面に向けて乾燥用エアを吹き出すことで、温風により爪11に塗布されたインクを乾燥させる。
【0027】
図1に戻って、描画装置10は、描画装置本体10aの第1指挿入部23に対して着脱自在な指挿入ケース100を備える。描画対象である指12は、描画装置本体10aから取り外された指挿入ケース100に挿入された後、指挿入ケース100とともに第1指挿入部23に挿入される。
【0028】
(指挿入ケースの構成)
図3は、本発明の実施形態1に係る描画装置10の指挿入ケース100を示す斜視図、
図4は、本発明の実施形態1に係る描画装置10の指挿入ケース100を示す図であり、(a)は指挿入ケース100の平面図、(b)は指挿入ケース100の左側面図、(c)は指挿入ケース100の右側面図、(d)は指挿入ケース100の正面図、
図5は、
図4の(a)において指挿入ケース100をB−B線で切断して見た断面図である。
図3に示すように、指挿入ケース100は、指12を囲むように、全体として筒状を呈している(
図5も参照)。
【0029】
具体的に説明すると、指挿入ケース100は、凹溝102を有する左右の側面103と、左右側面103の下端部に繋がる底面104と、左右側面103の上端部に繋がり、爪11を露出する開口部101を有する天面(第1面)105と、天面105と交差する向きに設けられる左右側面(第2面)103及び底面104に繋がり、指挿入方向奥側に設けられる奥面106と、を有する箱体である。
【0030】
そして、指挿入ケース100は、指挿入方向手前側に指挿入口107を備え、奥面106の内側上端部には、例えば爪11の爪先部11aを載置するための爪置き部108が設けられている。この爪置き部108は、そこに爪11の爪先部11aを載置することにより、爪11の上下方向の位置を一定にするためのものである。なお、奥面106の内側上端部に爪置き部108が設けられていることは必須ではなく、これが設けられていない構成であってもよい。
【0031】
(押圧部の構成)
指挿入ケース100の底面104には、指12を天面105側(第1面側)に押圧する押圧部110が設けられている。この押圧部110は、指挿入ケース100の底面104に沿い、かつ、上下方向移動可能な押圧板111と、指挿入ケース100の底面104と押圧板111との間に設けられ、押圧板111を上方に付勢するバネ112と、を備える(
図4(d)及び
図5参照)。
【0032】
指挿入ケース100に指12を挿入する際には、例えば他方の手で指挿入ケース100を持ち、例えば挿入する指12で押圧板111を押し下げながら、指挿入ケース100内に指12を挿入する。
【0033】
挿入した指12の爪11の爪先部11aを爪置き部108に載置した後、押圧板111の押し下げ力を解除すると、バネ112の付勢力で押圧板111が上昇し、指12が指挿入ケース100の天面105側に押圧され、指12の上面が天面105の下面に接触して、指12の動きが抑制される。なお、押圧板111は、一度目の押圧では、押し下げ状態に保持され、二度目の押圧で、上昇するように構成されていてもよい。
【0034】
(高さ測定用の目盛り)
指挿入ケース100の左右側面(第2面)103は、少なくとも爪11に対応する領域が左右側面(第2面)103を介して爪11を視認可能とする材料(例えば、透明な材料)で形成されており、指挿入ケース100の外部から爪11の側面が目視できるようになっている(
図4(b),(c)参照)。透明な材料としては、アクリルやポリカーボネートなどが挙げられる。
【0035】
さらに、指挿入ケース100の左右側面103には、天面105側を始点として上下方向に所定のピッチ(例えば、1mmピッチ)で並ぶ天面105(第1面)からの距離を示す複数の目盛り109が設けられている。このような目盛り109によれば、指挿入ケース100に指12が挿入されているときに、指挿入ケース100の真横から爪11の側面を目視しつつ、これに重なって見える目盛り109を読み取ることで、爪11の高さ(最大幅位置の高さ)を正確に測定することが可能になる。なお、目盛り109の左方又は右方に、天面105側からの目盛り109の数を示す、又は、天面105側からの距離を示す数値が1つずつ又は一つ置きなどで付加されていてもよい。
【0036】
(蓋体及び幅測定用の目盛り)
指挿入ケース100は、天面(第1面)105の延在方向に沿ってスライド可能に設けられ、爪11を露出する開口部101を開閉可能な蓋体120を備える(
図3及び
図4(a)参照)。
【0037】
蓋体120は、開口部101を閉じたとき、少なくとも爪11に対応する領域が蓋体120を介して爪11を視認可能とする材料(例えば、透明な材料)で形成されるとともに、左右方向(指12の挿入方向に直交する方向)に沿って、その方向に沿った距離を示す所定のピッチ(例えば、1mmピッチ)で並ぶ複数の目盛り121が設けられている。このような目盛り121によれば、指挿入ケース100の真上から爪11の平面を目視しつつ、これに重なって見える目盛り121を読み取ることで、爪11の幅(最大幅)を正確に測定することが可能になる。なお、目盛り121の前方又は後方に、例えば中心位置の目盛り121を「0」とした、中心位置からの目盛り121の数を示す、又は、中心位置からの距離を示す数値が、左右に向かって1つずつ又は一つ置きなどで付加されていてもよい。
【0038】
指挿入ケース100の天面105は、その左右両端部に沿う左右のガイド溝122を有し、蓋体120は、その左右両端部がガイド溝122に係合することで、スライド可能に支持される。また、指挿入ケース100の天面105は、指挿入方向の奥側端部に抜止め部123を有し、蓋体120は、この抜止め部123に当接することで、開口部101を閉じる位置に規制され、目盛り121が、爪11の上方に重なる。
【0039】
(指挿入ケースの挿入ガイドへの挿入)
描画装置本体10a側には、指挿入ケース100が第1指挿入部23(の挿入ガイド30)に挿入されたとき、蓋体120の挿入側前端に当接して蓋体120をスライドさせ、開口部101を開口させるストッパ部34が設けられている。つまり、挿入ガイド30の上壁部33にストッパ部34が設けられる。
【0040】
このようなストッパ部34によれば、蓋体120によって開口部101が閉じられたままの状態で指挿入ケース100が描画装置本体10a側に挿入されても、挿入されるにつれて蓋体120がスライドするため、蓋体120によってネイルデザインの描画が阻害されることを防止できる。
【0041】
また、挿入ガイド30の奥側には、切欠部31が形成されているため、指挿入ケース100の開口部101が、挿入ガイド30で覆われることもない。
【0042】
ところで、挿入ガイド30の左右側壁32と指挿入ケース100との間には、指挿入ケース100のスライド状の抜き差しをガイドするガイド部Gが構成されている。このガイド部Gは、指挿入ケース100の左右側面下部に形成されている凹溝102と、挿入ガイド30の左右側壁32に形成され、凹溝102にスライド可能に係合する凸条部35とからなる。
【0043】
(爪の寸法測定手順)
つぎに、本発明の実施形態1に係る指挿入ケース100を用いて爪11の高さ及び幅を測定する際の手順について、
図6を参照して説明する。
【0044】
図6は、本発明の実施形態1に係る描画装置10の指挿入ケース100を用いて爪11の高さ及び幅を測定する際の手順を示す説明図であり、(a)は指挿入時の指挿入ケース100を示す概略左側面図、(b)は左側方から爪11の高さを測定している状態を示す指挿入ケース100の概略左側面図、(c)は右側方から爪11の高さを測定している状態を示す指挿入ケース100の概略右側面図、(d)は上方から爪11の幅を測定している状態を示す指挿入ケース100の概略平面図である。
【0045】
図6(a)に示すように、指挿入ケース100に指12を挿入する際には、例えば他方の手で指挿入ケース100を持ち、例えば挿入する指12で押圧板111を押し下げながら、指挿入ケース100内に指12を挿入する。
【0046】
図6(b)に示すように、指挿入ケース100に対する指12の挿入が完了したら、押圧板111の押し下げ力を解除する。これにより、バネ112の付勢力で押圧板111が上昇し、指12が指挿入ケース100の天面105側に押圧され、指12の動きが抑制される。このとき、指挿入ケース100の奥面106の内側上端部に爪置き部108が設けられている場合には、爪11の爪先部11aを爪置き部108に載置する。この状態で、指挿入ケース100の真横から爪11の側面を目視しつつ、これに重なって見える目盛り109を読み取り、爪11の高さ(最大幅位置の高さ)を測定する。
【0047】
図6(b)及び(c)に示すように、左側方から爪11の高さを測定し、右側方から爪11の高さを測定する。このとき、左側方から測定した爪11の高さと、右側方から測定した爪11の高さとが一致又はほぼ一致している場合は、ユーザは爪11の高さが正確に測定されたと判断する。一方、高さが一致していない場合は、ユーザは、指挿入ケース100に対して指12が、指12の長さ方向を軸として右方向に回転又は左方向に回転したローリング状態で挿入されていて、爪11の高さが正確に測定できていないと判断する。そして、指挿入ケース100に対する指12の挿入姿勢を、左側方から測定した爪11の高さと、右側方から測定した爪11の高さとが一致又はほぼ一致するように修正した後、再度測定する。
【0048】
つぎに、
図6(d)に示すように、指挿入ケース100の真上から爪11の上面を目視しつつ、これに重なって見える目盛り121を読み取ることで、爪11の幅(最大幅)を測定する。
【0049】
爪11の高さ及び幅を測定すると、操作部22の操作に基づいて、表示部21にユーザの爪情報登録画面を表示させ、測定した爪11の高さ及び幅を登録する。
【0050】
引き続き、指挿入ケース100に挿入された指12の爪11にネイルデザインを描画する場合は、指12が挿入された状態の指挿入ケース100を描画装置本体10aの第1指挿入部23に挿入し、操作部22において描画開始操作を行う。このとき、指12は指挿入ケース100内に挿入されている状態であるため、指12を描画装置10に直接挿入する場合に比べて、ユーザは指12が保護された状態にあると感じられる。そのため、描画対象である指12を、内部が見えない描画装置10の第1指挿入部23に直接挿入する際に感じる恐怖心を緩和することができる。
【0051】
(制御部)
図7は、描画装置10の主要な構成を示すブロック図である。
図7に示すように、描画装置10は、上述したペンプロッター部13及びインクジェット部15を有する描画部14、カメラなどからなる画像取得部16、液晶表示モニタなどからなる表示部21、操作部22、ドライヤ50に加え、処理プログラムや後ほど説明する基準カーブ情報などを記憶する記憶部60及び処理プログラムに基づいて各種の動作を制御するCPUなどで構成される制御部70を備えており、これらがバスを介して接続されている。
【0052】
記憶部60は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどを有する構成で、描画装置10の各種機能を実現するための処理プログラムなどが格納されるプログラム領域と、爪11にネイルデザインを形成する過程で使用するデータなどが格納されるデータ領域と、ネイルデザインを形成する処理過程で生成される作業データなどを一時的に記憶するワーク領域と、が割り当てられている。
【0053】
爪11にネイルデザインを形成する過程で使用するデータには、爪11におけるネイルデザインの位置や色を規定する描画データが含まれており、描画データは、
図10に示す爪11の曲面レベルに応じて補正される。本実施形態の制御部70は、操作部22から入力された爪11の高さ測定値及び幅測定値に基づいて爪11の曲面レベルを特定し、特定した爪11の曲面レベルに応じた描画データの補正を行う。
【0054】
以上のように構成された本実施形態1の描画装置10によれば、爪11に対して描画する描画部14を有する描画装置本体10aと、描画装置本体10aに着脱自在に取り付けられ、爪11を有する指12を天面105側に押圧する押圧部110が設けられた指挿入ケース100と、を備え、指挿入ケース100は、左右側面103と、左右側面103に繋がり、押圧部110の設けられた底面104と、左右側面103に繋がり、爪11を露出する開口部101を有する天面105と、天面105、左右側面103及び底面104に繋がり、指挿入方向奥側に設けられる奥面106と、を有する箱体であり、左右側面103は、少なくとも爪11に対応する領域が透明な材料で形成されるとともに、天面105側から設けられた目盛り109を有しているので、指挿入ケース100の真横から爪11の側面を目視しつつ、これに重なって見える目盛り109を読み取ることで、爪11の高さを正確に測定することが可能になる。また、爪11の高さ及び幅を、ユーザの目視で測定するため、コストが上昇することがない。
【0055】
指挿入ケース100は、天面105上にスライド可能に設けられ、開口部101を覆う蓋体120を有し、蓋体120は、少なくとも爪11に対応する領域が透明な材料で形成されるとともに、左右方向に設けられた目盛り121を有しているので、指挿入ケース100の真上から爪11の上面を目視しつつ、これに重なって見える目盛り121を読み取ることで、爪11の幅を正確に測定することが可能になる。
【0056】
描画装置本体10aは、指挿入ケース100が取り付けられるときに、蓋体120に当接して蓋体120をスライドさせて開口部101を開口させるストッパ部34を有しているので、蓋体120によって開口部101が閉じられたままの状態で指挿入ケース100が描画装置本体10a側に取り付けられ、蓋体120によってネイルデザインの描画が阻害されることを防止できる。
【0057】
凹溝102と凹溝102にスライド可能に係合する凸条部35からなり、描画装置本体10aに指挿入ケース100を取り付けるときに、指挿入ケース100をガイドするガイド部Gを備えるので、描画装置本体10aに対する指挿入ケース100の取り付けが容易になるとともに、描画装置本体10aに対する指挿入ケース100の取り付け位置を正確に規定できる。なお、ガイド部Gの凹溝102と凸条部35とは、相補的な関係であるから、逆に、指挿入ケース100に凸条部35を形成し、挿入ガイド30に凹溝102を形成してもよい。
【0058】
(実施形態2)
つぎに、本発明の実施形態2に係る描画装置10について、図面を参照して説明する。ただし、実施形態1と共通する構成については、実施形態1と同じ符号を用いることにより、実施形態1の説明を援用する。実施形態1の描画装置10では、爪11の高さ及び幅を、描画装置本体10aに対して着脱自在な指挿入ケース100を用いてユーザが目視により測定したが、実施形態2の描画装置10では、実施形態1と同様に指挿入ケース100は描画装置本体10aに対して着脱自在であり、指12が挿入された指挿入ケース100が第1指挿入部23に挿入されている状態で、爪11の高さ及び幅を、描画装置10が備える画像取得部16を用いて測定する。
【0059】
図8は、本発明の実施形態2に係る描画装置10の要部の構成を示す図であり、(a)は指挿入ケース100及びミラー部36を示す概略正面図、(b)は画像取得部16の画像撮影範囲を示す概略正面図、(c)は画像取得部16の取得画像の例を示す図である。
描画装置10は、
図8の(a)に示すように、第1指挿入部23(指挿入ケース100)の左右側方の位置に設けられたミラー部36を備える。ミラー部36は、鏡を有し、
図8の(b)に示すように、第1指挿入部23(指挿入ケース100)の左右側面103側(第2面側)の像を反射して、画像取得部16が第1指挿入部23の左右側面103の像を取得することができる傾斜角度及び位置に設けられている。ここで、画像取得部16のカメラの撮像範囲は、少なくとも左右のミラー部36を含む範囲となっている。
【0060】
このようにミラー部36が設けられているため、画像取得部16は、
図8の(c)に示すように、爪11を上方から見た画像と、爪11の左側面と目盛り109が重なった画像と、爪11の右側面と目盛り109が重なった画像と、を同時に取得することが可能になる。
【0061】
なお、開口部101を介して撮像した画像を第1画像と呼び、ミラー部36で反射された指挿入ケース100の左右側面103(第2面)側の像を撮像した画像を第2画像と呼ぶ場合がある。
本例では、第1画像は爪11を上方から見た画像であり、第2画像は爪11の左側面及び右側面と目盛り109が重なった画像である。
【0062】
制御部70は、画像取得部16で取得された爪11を上方から見た画像を、公知の画像処理技術などにより画像処理し、爪11の幅を自動的に測定する。
【0063】
一方、爪11の左側面と目盛り109が重なった画像と、爪11の右側面と目盛り109が重なった画像とを、表示部21に表示することで、ユーザが表示部21の画面上で爪11の高さを読み取って、操作部22から入力することが可能になる。
【0064】
ところで、ミラー部36に反射した第1指挿入部23の左右側面103の像においては、ミラー部36が指挿入ケース100の左右側面103に対して傾斜しているため、爪11の高さ位置と目盛り109の位置との間に誤差が生じる。そのため、適正な補正処理が必要になる。以下、この補正処理について説明する。
【0065】
図9は、本発明の実施形態2に係る描画装置の爪の高さ測定の補正処理を示す説明図であり、(a)は断面図、(b)は誤差hの拡大図である。
例えば、
図9に示すように、爪11の側面下端位置は、真横から見たとき、目盛り109の「3」付近に重なるため、爪11の高さは「3」であると測定されるべきところ、ミラー部36に反射した画像においては、ミラー部36での傾斜角度との関係から、目盛り109の「4」に重なるため、爪11の高さは「4」であると特定される。そのため、目盛り1つ分の誤差が生じる。
【0066】
この誤差hは、爪11の幅方向端部と第1指挿入部23の側面103との距離δと、複数の目盛り109のそれぞれに対して互いに異なる値に設定される補正各θとを用いて算出することが可能である。具体的には、画像取得部16が取得した爪11の平面のカメラ画像から距離δを取得でき、[δ×tanθ]によって誤差hを求め、画像取得部16が取得した爪11の側面画像で読み取った目盛り値から、この誤差hを引いて、更に小数点以下を四捨五入して整数の正しい目盛り値として採用する。
【0067】
図9に示す例では、距離δが2mmであり、補正θが25°であるため、誤差hは0.93にとなり、誤差hを引いた理論上の目盛り値は3.07となる。さらに、理論上の目盛り値は四捨五入されて、正しい目盛り値は「3」となる。
【0068】
ただし、この演算処理は、実際には制御部70で自動的に行われるものであり、ユーザは、表示部21に表示された爪11の側面画像から、読み取った目盛り値をそのまま操作部22で入力すればよい。また、補正θは、画像取得部16の位置(距離)及びミラー部36の傾斜角度などから、描画装置の製造時などに設定することができ、この補正θと目盛りの関係は、記憶部60に記憶されている。
【0069】
描画対象の爪11の高さ及び幅が入力されると、制御部70は、実施形態1と同様に、爪11の曲面レベルを特定し、特定した曲面レベルに応じた描画データの補正を行い、描画部14を制御し、爪11にネイルデザインを施す。
【0070】
以上のように構成された本実施形態2の描画装置10Bによれば、爪11に対して描画する描画部14と、爪11の画像を取得する画像取得部16と、爪11を露出する開口部101を有する天面105及び天面105に繋がる左右側面103を有し、爪11を有する指12を挿入する第1指挿入部23と、第1指挿入部23内に設けられ、指12を天面105側に押圧する押圧部110と、第1指挿入部23の左右側方の位置に設けられ、第1指挿入部23の左右側面103の像を画像取得部16に向けて反射するミラー部36と、を備え、第1指挿入部23の左右側面103は、少なくとも爪11に対応する領域が透明な材料で形成されるとともに、天面105側から設けられた目盛り109を有しているので、ミラー部36で反射された爪11の左右側面に重なる目盛り109を、表示部21から読み取ることで、爪11の高さを測定することが可能になる。爪11の高さ及び幅のカメラ画像を取得する画像取得部16は、描画装置10Bが通常備えるものを利用することができるから、実質的に、第1指挿入部23(指挿入ケース100)の左右側面103を透明な材料で形成し、ミラー部36を新たに設けるだけであるから、これによるコストの上昇は非常に少ない。
【0071】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【0072】
実施形態2において、指挿入ケース100は、実施形態1と同様に、描画装置本体10aに対して着脱自在としたが、指挿入ケース100が描画装置本体10aに対して固定されていて、着脱できない構成であってもよい。
【0073】
また、実施形態2では、爪11の幅を自動的に測定したが、爪11の高さと同じようにユーザが表示部21に表示されたカメラ画像から読み取ってもよい。あるいは、爪11の高さも自動的に測定するように構成することも可能である。
【0074】
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲のとおりである。
<請求項1>
爪に対して描画を施す描画部と、
前記爪を有する指が挿入され、前記指の前記爪を露出する開口部を有する第1面と、前記第1面と交差する向きに設けられる第2面と、を有する指挿入箱と、
前記指挿入箱が着脱自在に挿入される指挿入部と、
を有し、
前記指挿入箱の前記第2面の少なくとも前記爪に対応する領域は、前記第2面を介して前記爪を視認可能とする材料で形成されていることを特徴とする描画装置。
<請求項2>
前記指挿入箱は、挿入された前記指を前記第1面側に押圧する押圧部を有していることを特徴とする請求項1に記載の描画装置。
<請求項3>
前記指挿入部に挿入された前記指挿入箱の前記第2面に対して傾斜した位置に設けられ、前記指挿入箱の前記第2面側の像を反射するミラー部と、
前記指挿入部に挿入された前記指挿入箱の前記開口部から露出された前記爪を、前記開口部を介して撮像した第1画像と、前記ミラー部で反射された、前記指挿入箱の前記第2面側の像を撮像した第2画像と、を取得する画像取得部と、
前記第1画像と前記第2画像とを表示する表示部と、
を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の描画装置。
<請求項4>
前記指挿入箱は、前記第1面上に設けられて該第1面の延在方向に沿ってスライド可能とされ、前記開口部を覆うことができる蓋体を有し、
前記蓋体が前記開口部を覆っている状態で、前記蓋体の少なくとも前記爪に対応する領域は、前記蓋体を介して前記爪を視認可能とする材料で形成され、
前記蓋体の前記領域には、前記指の挿入方向に直交する方向に沿って、前記方向に沿った距離を示す目盛りが設けられ、
前記蓋体が前記開口部を覆っている状態の前記指挿入箱が前記指挿入部に挿入されるときに前記蓋体に当接して前記蓋体をスライドさせて、前記開口部を開口させるストッパ部を有していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の描画装置。
<請求項5>
凹溝と前記凹溝にスライド可能に係合する凸条部からなり、前記指挿入部に前記指挿入箱を挿入するときに、前記指挿入箱の挿入をガイドするガイド部を備え、
前記指挿入部及び前記指挿入箱の一方に前記凹溝が設けられ、前記指挿入部及び前記指挿入箱の他方に前記凸条部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の描画装置。
<請求項6>
爪に描画を施す描画部と、
前記爪を有する指が挿入され、挿入された前記指の前記爪を露出する開口部を有する第1面と、前記第1面と交差する向きに設けられる第2面と、を有し、前記第2面の少なくとも前記爪に対応する領域は、前記第2面を介して前記爪を視認可能とする材料で形成されている指挿入箱が着脱自在に挿入される指挿入部と、
を備えることを特徴とする描画装置。
<請求項7>
前記描画装置は、
前記指挿入部に挿入された前記指挿入箱の前記第2面に対して傾斜した位置に設けられ、前記指挿入箱の前記第2面側の像を反射するミラー部と、
前記指挿入部に挿入された前記指挿入箱の前記開口部から露出された前記爪を前記開口部を介して撮像した第1画像と、前記ミラー部で反射された、前記指挿入箱の前記第2面側の像を撮像した第2画像と、を取得する画像取得部と、
前記第1画像と前記第2画像とを表示する表示部と、
を備えることを特徴とする請求項6に記載の描画装置。
<請求項8>
描画を施す爪を有する指が挿入され、挿入された前記指の前記爪を露出する開口部を有する第1面と、前記第1面と交差する向きに設けられる第2面と、を有し、
前記第2面の少なくとも前記爪に対応する領域は、前記第2面を介して前記爪を視認可能とする材料で形成され、
前記第2面の前記領域には、前記第1面側からの距離を示す目盛りが設けられ、
前記爪に描画を施す描画装置に着脱自在に取り付けられることを特徴とする指挿入箱。
<請求項9>
前記指挿入箱は、挿入された前記指を前記第1面側に押圧する押圧部を有していることを特徴とする請求項8に記載の指挿入箱。
<請求項10>
前記指挿入箱は、前記第1面上に設けられて該第1面の延在方向に沿ってスライド可能とされ、前記開口部を覆うことができる蓋体を有し、
前記蓋体が前記開口部を覆っている状態で、前記蓋体の少なくとも前記爪に対応する領域は、前記蓋体を介して前記爪を視認可能とする材料で形成され、
前記蓋体の前記領域には、前記指の挿入方向に直交する方向に目盛りが設けられていることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の指挿入箱。