(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
<画像形成装置>
図1は、本実施の形態に係る端子の接触構造200Sを備えた画像形成装置10の構成の一例を示す図である。なお、以下の説明では、
図1に矢印Hで示す方向を装置高さ方向、矢印Wで示す方向の装置幅方向とする。また、装置高さ方向および装置幅方向のそれぞれに直交する方向(矢印Dで示す)を装置奥行き方向とする。
【0022】
図1に示されるように、画像形成装置10は、画像読取部100及び画像形成部190を備えている。画像読取部100は、原稿の画像を読み取り画像データとして出力する部位であり、画像形成部190は、画像データに基づいて記録媒体に画像を形成する部位である。
【0023】
画像形成部190は、画像形成装置10の筐体120に設けられ、記録媒体としての記録紙Pを収容する記録紙収容部12、トナー像形成部14、搬送部16、定着装置18、排出部20、補給機構22および制御部24を含んで構成されている。筐体120は、「本体」の一例である。
【0024】
トナー像形成部14は、画像形成ユニット40Y、40M、40C、40Kと、転写ユニット50と、を備えている。ここで、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)は、トナー色の一例である。
【0025】
また、画像形成ユニット40Y、40M、40C、40Kの各々は、用いられるトナー以外は同様の構成である。そこで、
図1では、画像形成ユニット40Y、40M、40Cを構成する各部の符号が省略されている。
【0026】
画像形成ユニット40Kは、像保持体42Kと、帯電装置44Kと、露光装置30Kと、現像装置46Kと、除去装置48Kと、を備えている。同じように、画像形成ユニット40Y、40M、40Cは、各色に対応するように、像保持体42Y、42M、42Cと、帯電装置44Y、44M、44Cと、露光装置30Y、30M、30Cと、現像装置46Y、46M、46Cと、除去装置48Y、48M、48Cと、を備えている。以下の説明では、画像形成ユニット40Y、40M、40C、40Kおよびこれらを構成する各部材について、トナー色(Y、M、C、K)ごとの区別が不要な場合は添字Y、M、C、Kを省略する。
【0027】
各画像形成ユニット40Y、40M、40C、40Kでは、各像保持体42Y、42M、42C、42Kの外周面にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を形成する。また、画像形成ユニット40Y、40M、40C、40Kは、全体として、装置幅方向に対して各画像形成ユニット40が傾斜して並んだ状態で配置されている。
【0028】
ここで、各画像形成ユニット40のうち、像保持体42、帯電装置44及び除去装置48は、一体的にサブカートリッジ化された感光体ユニット32として形成されている。この感光体ユニット32は、画像形成装置10の筐体120に対して着脱可能に形成されている。ここで、感光体ユニット32が筐体120から着脱可能な状態を着脱状態とし、感光体ユニット32が筐体120に固定された状態を固定状態とする。この感光体ユニット32は、「着脱体」及び「画像形成装置用ユニット」の一例である。
【0029】
像保持体42は、現像装置46によって現像されたトナー像を保持する機能を有する。像保持体42は、円筒状に形成され、駆動手段(図示省略)によって自軸周り(矢印R1方向)に回転駆動される。像保持体42は、一例として、アルミ製の基材と、この基材上に、下引き層、電荷発生層および電荷輸送層の順で形成された感光層(図示省略)と、を備えている。
【0030】
帯電装置44は、像保持体42の外周面を帯電させる機能を有する。帯電装置44は、像保持体42の自軸方向(装置奥行き方向)に沿って配置されている。帯電装置44は、帯電ロール440と、クリーニングロール450と、を備えている。帯電ロール440の軸(図示省略)には、像保持体42の外周面を帯電させるために必要な電圧が印加される。クリーニングロール450は、帯電ロール440の外周面に付着したトナー、外添剤、紙粉、埃等の不純物を除去する。
【0031】
露光装置30は、帯電装置44により帯電された像保持体42の外周面に、潜像を形成する機能を有する。露光装置30は、制御部24を構成する画像信号処理部(図示省略)から受け取った画像データに応じて、たとえば発光ダイオードアレイ(図示省略)から露光光を出射する。そして、この露光光は帯電装置44により帯電された像保持体42の外周面を照射し、当該外周面に潜像を形成する。
【0032】
現像装置46は、像保持体42に形成された潜像をトナー像として現像する機能を有する。現像装置46は、像保持体42の自軸方向に沿って配置されている。現像装置46は、像保持体42の外周面へトナーを供給するトナー供給体80と、トナー供給体80へトナー及びキャリアを含む現像剤を搬送する2つの搬送部材82、搬送部材84と、を備えている。
【0033】
除去装置48は、像保持体42の外周面に形成されたトナー像が転写ベルト52に一次転写された後、一次転写されずに像保持体42の外周面に残ったトナー、外添剤等を、像保持体42の外周面から除去する機能を有する。
【0034】
転写ユニット50は、各現像装置46により各像保持体42の外周面に現像された各色のトナー像が一次転写された後、当該トナー像を記録紙Pに二次転写させる機能を有する。転写ユニット50は、転写ベルト52と、各色の一次転写ロール54と、駆動ロール56と、二次転写ロール58と、を備えている。
【0035】
転写ベルト52は、無端状のベルトとされている。一次転写ロール54および駆動ロール56は、転写ベルト52の内周面に接触するように配置されている。転写ベルト52は、その内周面に接触する4つの一次転写ロール54、駆動ロール56、張力付与ロール59等によって姿勢が決められており、正面側から見て、装置幅方向に対して傾斜している。そして、転写ユニット50における、装置高さ方向下側に向く外周面には、装置幅方向に対して傾斜して並んだ各画像形成ユニット40を構成する各像保持体42の外周面が接触している。
【0036】
駆動ロール56が駆動源(図示省略)により自軸周りに回転する(矢印R2方向に回転する)と、駆動ロール56は、転写ベルト52における駆動ロール56の外周面に巻き掛けられた部位に摩擦力を付与する。そして、駆動ロール56は、転写ベルト52を矢印R3方向に回転させる。
【0037】
各一次転写ロール54は、転写ベルト52を挟んで、各像保持体42の自軸中心を通る装置高さ方向に沿った仮想直線に対して、転写ベルト52の回転方向(矢印R3方向)下流側にオフセットした状態で配置されている。このため、転写ベルト52は、像保持体42の外周面に巻き掛けられた状態で、回転する。
【0038】
一次転写ロール54は、一次転写電圧が印加されることにより、各像保持体42Y、42M、42C、42Kの外周面に形成されたトナー像を、転写ベルト52の外周面に一次転写させる。
【0039】
二次転写ロール58は、長尺状のロールとされている。二次転写ロール58は、画像形成動作時に押圧手段(図示省略)によって押圧されて、転写ベルト52とでニップ部(二次転写位置T1)を形成する。二次転写ロール58は、二次転写電圧が印加されることにより、転写ベルト52の外周面に一次転写されたトナー像を、後述する搬送路16Cに沿って搬送されて、二次転写位置T1を通過する記録紙Pに二次転写させる。
【0040】
清掃装置70は、転写ベルト52の外周面に一次転写されたトナー像が記録紙Pに二次転写された後、二次転写されずに転写ベルト52の外周面に残ったトナー、外添剤等を、転写ベルト52の外周面から除去する機能を有する。
【0041】
補給機構22Y、22M、22C、22Kは、現像剤を現像装置46Y、46M、46C、46Kへ補給する機能を有する。
【0042】
搬送部16は、記録紙収容部12に収容された記録紙Pを、後述する排出部20に搬送する機能を有する。搬送部16は、送出ロール16Aと、複数の搬送ロール対16Bと、反転搬送部16Dと、後述する排出ロール16Eと、を備えている。
【0043】
また、搬送部16には、記録紙Pの両面に画像形成を行うことができるように、記録紙Pの表裏を反転させて搬送させる反転搬送部16Dが設けられている。反転搬送部16Dは、表面にトナー像が定着された記録紙Pをスイッチバックさせる。その後、反転搬送部16Dは、記録紙Pの裏面が転写ベルト52の外周面に対向するように、記録紙Pを、二次転写位置T1に搬送させる。
【0044】
定着装置18は、記録紙Pに二次転写されたトナー像を、記録紙Pに定着させる機能を有する。定着装置18は、定着ロール18Aと、加圧ロール18Bと、を備えている。
【0045】
排出部20は、定着装置18よりも記録紙Pの搬送方向下流側であって、筐体120の外側上面の一部に、形成されている。トナー像が定着された記録紙Pは、排出ロール16Eによって、排出部20に排出される。
【0046】
次に、画像形成部190における画像形成動作について、
図1を参照しつつ説明する。
【0047】
制御部24は、たとえばパーソナルコンピュータ等の外部装置(図示省略)から画像信号が送信されると、画像形成装置10を作動させる。制御部24は、この画像信号を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像データ(画像情報)に変換する。そして、これらの各色の画像データは、露光装置30に出力される。
【0048】
続いて、露光装置30から各色の画像データに応じて出射された露光光は、帯電装置44により帯電された像保持体42の外周面に入射される。そして、各像保持体42の外周面には、各色の画像データに対応した潜像が形成される。
【0049】
さらに、各像保持体42の外周面に形成された潜像は、各現像装置46によって、各色のトナー像として現像される。
【0050】
そして、各像保持体42の外周面の各色のトナー像は、各像保持体42が対向する各一次転写ロール54によって、転写ベルト52の外周面に一次転写される。
【0051】
一方、記録紙Pは、転写ベルト52の外周面であってトナー像が一次転写された部位が回転することで二次転写位置T1に到達するタイミングに合わせて、記録紙収容部12から送り出され、二次転写位置T1へ搬送される。そして、二次転写位置T1に搬送されて通過する記録紙Pには、転写ベルト52の外周面に一次転写されたトナー像が二次転写される。
【0052】
続いて、トナー像が転写された記録紙Pは、定着装置18に向かって搬送される。そして、トナー像は、定着装置18を構成する定着ロール18Aおよび加圧ロール18Bによって加熱、加圧されて、記録紙Pに定着される。
トナー像が定着された記録紙Pは、排出部20に排出され、画像形成動作が終了する。
【0053】
<端子の接触構造>
次に、
図2〜
図7を用いて本実施の形態に係る端子の接触構造200Sについて説明する。
(感光体ユニットの基本構造)
図2は端子の接触構造200Sに用いられる感光体ユニット32の装置奥行き方向奥側を装置高さ方向上方から見た斜視図であり、
図3は装置高さ方向下方から見た斜視図である。
図2及び
図3に示されるように、感光体ユニット32は、ハウジング220を備えており、ハウジング220には、トナー供給体80(
図1参照)と対向する側に開口する開口部224が設けられている(
図3参照)。このハウジング220は、「胴部」の一例である。
【0054】
ハウジング220内には、トナー供給体80と対向する開口部224に面して配置されるロール状の像保持体42と、像保持体42の装置高さ方向下方に像保持体42と接触する帯電ロール440と、帯電ロール440のさらに装置高さ方向下方に帯電ロール440を清掃するクリーニングロール450(
図1参照)と、が配置されている。
【0055】
また、ハウジング220内には、像保持体42に対して装置幅方向左側(
図2では右側)に隣接して、一次転写時に像保持体42の外周面に残ったトナー、外添剤等を、像保持体42の外周面から除去するための除去装置48が配置されている。図示しないが、この除去装置48は、像保持体42の自軸方向に沿って配置され、像保持体42の外周面に接触するブレードと、ブレードにより除去されたトナー等を搬送するための搬送ロールと、を備えている。
【0056】
(保持部)
感光体ユニット32における装置奥行き方向奥側かつ装置高さ方向下側には、後述する基板側端子240を有するCRUM230を保持するための保持部260が設けられている。保持部260は、「保持体」の一例である。保持部260は、ハウジング220から下方に延び、かつ奥行き方向に沿って延びる複数のリブ222に接続されている。このリブ222は、
図5に示されるように、装置幅方向中央に設けられた中央リブ222Aと、中央リブ222Aの装置幅方向両側に設けられた、中央リブ222Aよりも短い側方リブ222Bと、を有している。なお、
図5では説明のために、ハウジング220を省略して図示している。
【0057】
図2及び
図3に示されるように、保持部260は、装置高さ方向に対して、幅方向及び奥行き方向が長い板状の部材である。この保持部260は、装置幅方向両側においてCRUM230を下方から支持すると共に、ピン264により奥行き方向の移動を拘束することでCRUM230を保持している(
図3参照)。
【0058】
ここで、本実施の形態の感光体ユニット32には、像保持体42の累積的な回転数や、画像が形成された累積的なプリント枚数などの寿命パラメータ、及び現像装置46で使用される現像剤の種類等を識別するための特定情報を記憶し、像保持体42の寿命を検知するためのCRUM(Customer Replaceable Unit Memory)230を備えている。なお、CRUM230に記憶される情報としては、像保持体42の寿命を検知することが可能な情報を挙げることができ、例えば、像保持体42の累積的な回転数や累積的なプリント枚数以外に、画像データの累積的な画素数、現像装置14の累積的な動作時間、現像装置46に供給される累積的なトナー量などを用いてもよい。
【0059】
CRUM230には、その装置高さ方向下側の面に複数の電極からなる基板側端子240が配設されている。この基板側端子240は、装置幅方向に配列される4本の電極を備えている。また、基板側端子240は、後述する本体側端子140と接触することで電気的に接続可能とされている。
【0060】
以上のように、本実施の形態の感光体ユニット32には基板側端子240が設けられている。そして、基板側端子240は保持部260により保持されており、感光体ユニット32が筐体120に挿入されることで、保持部260は後述する収容部160に収容される。基板側端子240は、「第1の端子」の一例である。
【0061】
(収容部)
図4は感光体ユニット32が挿入される筐体120の装置奥行き方向奥側を装置高さ方向上方から見た斜視図である。
図4に示されるように、筐体120において、装置奥行き方向の奥側には、保持部260を収容するため収容部160が設けられている。この収容部160は、各トナー色用の感光体ユニット32に設けられる保持部260に対応して設けられている。すなわち、本実施の形態では、装置幅方向に並んで4個の収容部160が設けられている(
図6参照)。なお、収容部160の構成物についてもそれぞれ4個ずつ設けられている。また、収容部160の内部には本体側端子140を有する端子部130が収容されている。ここで、収容部160は、「案内部材」の一例である。
【0062】
収容部160は、箱体状の部材であって、装置奥行き方向手前側には開口部166が設けられ、装置高さ方向上側には、装置奥行き方向に沿って延びる複数の溝部168が設けられている。この溝部168は、
図5に示されるように、装置幅方向中央に設けられた中央溝部168Aと、中央溝部168Aの装置幅方向両側に設けられた、中央溝部168Aよりも短い側方溝部168Bと、を有している。ここで、開口部166は、「挿通口」の一例であり、溝部168は、「溝」の一例である。
【0063】
また、
図4に示されるように、収容部160には、その内壁面にガイド面162と摺動面164とが設けられている。ガイド面162は、「第1の面」の一例であり、摺動面164は、「第2の面」の一例である。ガイド面162は、基板側端子240(保持部260)を感光体ユニット32の挿入方向である装置奥行き方向に案内する機能を有している。このガイド面162は、保持部260の下部を保持する下部ガイド面162Aと、側部を保持する側部ガイド面162Bと、上部を保持する上部ガイド面162Cと、を有している。下部ガイド面162Aは、収容部160の装置幅方向の側壁面から突出し、装置奥行き方向に延びる半円柱形状の外周面の一部として形成されている。また、側部ガイド面162Bは、収容部160の装置幅方向の側壁面から突出し、装置奥行き方向に延びるリブの端面として形成されている。さらに上部ガイド面162Cは、収容部160の上壁面の内面として形成されている。
【0064】
本実施の形態では、感光体ユニット32が筐体120に挿入されると、収容部160においては、開口部166から保持部260が挿通されると共に、保持部260の装置奥行き方向に沿う面である外壁面262がガイド面162と接触することで保持部260は案内される。また、感光体ユニット32に設けられた複数のリブ222が収容部160に設けられた複数の溝部168に挿通される。詳しくは、中央リブ222Aは中央溝部168Aに挿通され、側方リブ222Bはそれぞれ側方溝部168Bに挿通される(
図5参照)。
【0065】
一方、摺動面164は、収容部160の装置高さ方向の下側に設けられた開口の内壁面として形成されており(
図7(A)参照)、本体側端子140を有する端子部130を囲むように形成されている。この摺動面164は、端子部130の外壁面が接触することにより端子部130を案内するものである。すなわち、摺動面164は、本体側端子140を有する端子部130を感光体ユニット32の挿入方向の交差方向であり、かつ基板側端子240に対する接触方向である装置高さ方向に沿って案内する機能を有している。ここで、端子部130は、下降位置(
図7(A)参照)及び上昇位置(
図7(C)参照)において、端子部130を囲む摺動面164に嵌っている。なお、端子部130の装置奥行き方向手前側には、突出部132が形成されており、摺動面164に形成される切欠部164Aと係合している。
【0066】
本体側端子140は、感光体ユニット32が挿入される筐体120に設けられ、端子部130の装置高さ方向上側に配設されている。詳しくは、本体側端子140は、装置幅方向に配列される4本の電極を備えている。この本体側端子140の各電極は、基板側端子の各電極と同じ間隔で形成されている。また、本体側端子140の電極を構成する金属板は、装置幅方向から側面視した場合に上方に突出するように形成されている(
図7(A)参照)。以上のように構成される本体側端子140は、端子部130の装置高さ方向への移動に伴い、基板側端子240に接触し、電気的に接続される。本体側端子140は、「第2の端子」の一例である。
【0067】
(端子部の昇降機構)
図6は、本実施の形態に係る端子の接触構造200Sにおける端子部130の昇降機構を説明する図である。
図6に示されるように、本実施の形態では、筐体120の装置奥行き方向手前側に操作レバー180が設けられており、作業者が操作レバー180を操作することで、感光体ユニット32の着脱状態と固定状態とが切り替え可能に形成されている。ここで、本実施の形態では、操作レバー180が操作されることで、転写ベルト52は4つ全ての像保持体42から離間されて着脱状態となる。すなわち、本実施の形態では、操作レバー180を操作して、転写ベルト52を像保持体42から離間させることで、感光体ユニット32や現像ユニット(現像装置46)の着脱を可能としている。操作レバー180は、「レバー」の一例である。
【0068】
ここで、本実施の形態の操作レバー180は、転写ベルト52を像保持体42から離間させる以外に、各トナー色用の感光体ユニット32毎に設けられた端子部130を装置高さ方向上下に移動させる機能を有している。具体的に操作レバー180は、着脱状態への操作に伴い基板側端子240と本体側端子140とを離間させ、固定状態への操作に伴い基板側端子240と本体側端子140とを接触させる機能を有している。この操作レバー180は、筐体120の装置奥行き方向奥側にあるギア列182とシャフト(図示省略)を介して接続されると共に、
図6に示されるように、ギア列182は、直線カム184と係合している。すなわち、本実施の形態では、直線カム184が操作レバー180の回転により直線運動を行うよう形成されている。この直線カム184は、高位側のカム頂部184Aと、低位側のカム底部184Bが設けられている。各端子部130は、それぞれ直線カム184の作動面であるカム頂部184A及びカム底部184Bと接触している。
【0069】
端子部130は操作レバー180の操作に伴い以下のように作動する。
図6に示されるように、まず、感光体ユニット32を着脱状態にすべく、操作レバー180をL1方向に回転させると、ギア列182を介して直線カム184はS1方向に移動する。そして、端子部130の位置がカム頂部184Aからカム底部184Bに移る。これにより、端子部130は、摺動面164に案内されながら装置高さ方向下方に下降する。一方、感光体ユニット32を固定状態にすべく、操作レバー180をL2方向に回転させると、ギア列182を介して直線カム184はS2方向に移動する。そして、端子部130の位置がカム底部184Bからカム頂部184Aに移る。これにより、端子部130は、摺動面164に案内されながら装置高さ方向上方に上昇する。
【0070】
<作用>
次に、本実施の形態に係る端子の接触構造200Sの作用について、
図7(A)〜(C)を用いて説明する。
【0071】
本実施の形態に係る端子の接触構造200Sは、感光体ユニット32の着脱状態において、基板側端子240と本体側端子140とを離間させ、固定状態において基板側端子240と本体側端子140とを接触させる作用を有している。以下、感光体ユニット32を筐体120に装着する場合を例に説明する。
【0072】
(1)感光体ユニットの挿入
感光体ユニット32の筐体120への装着は、感光体ユニット32を対応するトナー色用の装着部に挿入することで行う。ここで、上述のとおり、感光体ユニット32を挿入するためには着脱状態にする必要がある。すなわち、感光体ユニット32を挿入する際、作業者は予め操作レバー180をL1方向に回転させて(
図6参照)像保持体42と転写ベルト52とを離間させる。これにより、像保持体42と転写ベルト52とが接触することなく、感光体ユニット32を筐体120に挿入することができる。また、操作レバー180のL1方向への回転に伴い、各端子部130は下降された状態となっている(
図7(A)参照)。
【0073】
作業者が、感光体ユニット32を筐体120に挿入し、保持部260が収容部160に到達すると、保持部260の外壁面262は、収容部160のガイド面162と接触を始める。すなわち、保持部260の下部では装置幅方向両端の下壁面と下部ガイド面162Aとが接触し、保持部260の側部では側壁面と側部ガイド面162Bとが接触し、保持部260の上部では上壁面と上部ガイド面162Cとが接触する。これにより、保持部260はガイド面162に案内されながら、収容部160内に収容される。
【0074】
なお、保持部260の外壁面262には装置奥行き方向奥側に向かうにつれて対向する面が接近する傾斜面を有し(
図2及び
図3参照)、収容部160のガイド面162には装置奥行き方向手前側に向かうにつれて対向する面が接近する傾斜面を有している(
図4参照)。そのため、保持部260と収容部160との相対的な位置関係にずれが生じている場合であっても、保持部260は収容部160の内部に案内される。
【0075】
また、感光体ユニット32に設けられたリブ222が収容部160の溝部168に挿通される。すなわち、中央リブ222Aは中央溝部168Aに挿通され、側方リブ222Bはそれぞれ側方溝部168Bに挿通される(
図5参照)。
【0076】
感光体ユニット32が筐体120の奥側まで挿入されると、
図7(B)に示されるように保持部260は収容部160の内部に収容される。なお、画像形成装置10の機種やトナー色毎に、リブ222やリブ222に対応する溝部168の本数や長さが異なっている。したがって、対応する機種の対応するトナー色でなければ、リブ222は溝部168に挿入しきれないため、感光体ユニット32は筐体120の奥側まで挿入されない。
【0077】
(2)端子の接続
感光体ユニット32が筐体120の奥側まで挿入されると、作業者は操作レバー180をL2方向に回転させて感光体ユニット32を固定状態とする。これにより、像保持体42が転写ベルト52に接触する。また、操作レバー180のL2方向への回転に伴い、各端子部130は上昇された状態となる(
図7(C)参照)。そして、端子部130の上昇に伴い、各収容部160においては、本体側端子140が基板側端子240に接触する。上述のとおり、本体側端子140の電極を構成する金属板は、装置幅方向から側面視した場合に上方に突出するように形成されている。この本体側端子140は弾性を有しており、基板側端子240と接触した場合は基板側端子240側に押し付けられることで端子同士の接続が確実となる。
【0078】
なお、感光体ユニット32を取り外す場合は、
図7(A)から(C)の行程を逆の順序で行うことになる。
【0079】
<まとめ>
以上、本実施の形態の端子の接触構造200Sは、次の特徴を備えている。すなわち、本実施の形態の端子の接触構造200Sは、感光体ユニット32に設けられた基板側端子240と、感光体ユニット32が挿入される筐体120に設けられた本体側端子140とを備えている。この本体側端子140は感光体ユニット32の着脱状態においては基板側端子240と接触されず、感光体ユニット32の固定状態において基板側端子240と接触するように形成されている。そして、筐体120には、収容部160が設けられている。この収容部160は、基板側端子240(保持部260)を感光体ユニット32の挿入方向である装置奥行き方向に沿って案内するガイド面162、及び本体側端子140(端子部130)を感光体ユニット32の挿入方向の交差方向であり、かつ基板側端子240に対する接触方向である装置高さ方向に沿って案内する摺動面164と、を有している。
【0080】
上記の特徴によれば、感光体ユニット32が筐体120に挿入される際は、基板側端子240と本体側端子140とが接触することはない。ここで、端子同士が接触された状態で感光体ユニット32が筐体120に挿入されると、端子を構成する金属に削れが生じたり、削れに伴う磨耗粉が接触部に挟まる場合がある。また、筐体側の端子がCRUMの基板を損傷させる場合もある。また、感光体ユニット32が挿入される際に汚れを拾い、これが筐体側の端子に擦り付ける場合がある。これらの問題が発生すると端子間で接触不良が生ずることになる。これに対し、本実施の形態では、端子同士が接触したまま感光体ユニット32が着脱される構成と比べて、端子の接触不良を抑制することができる。
【0081】
また、本実施の形態の端子の接触構造200Sは、次の特徴を備えている。すなわち、本実施の形態の端子の接触構造200Sは、感光体ユニット32の着脱状態と固定状態とを切り替える操作レバー180を備えている。そして、本実施の形態では、操作レバー180の着脱状態への操作に伴い基板側端子240と本体側端子140とが離間され、操作レバー180の固定状態への操作に伴い基板側端子240と本体側端子140とが接触される。
【0082】
上記の特徴によれば、感光体ユニット32の着脱状態と固定状態とを個別に切り替える構成と比べて、感光体ユニット32の着脱作業の手間が軽減される。つまり、感光体ユニット32の着脱状態と固定状態とを切り替える操作と、端子同士の離間と接触とを切り替える操作の両方を行う必要がないため、着脱作業における手間が軽減される。なお、本実施の形態では感光体ユニット32の着脱状態と固定状態とを切り替える操作レバー180の動きに連動させて端子同士の離間と接触とを切り替えているが、これに限らない。例えば、現像ユニット(現像装置46)を着脱する際に操作するハンドルの動きに連動させても良いし、筐体120の前面を覆うフロントカバーの開閉動作に連動させてもよい。
【0083】
また、本実施の形態の端子の接触構造200Sは、次の特徴を備えている。すなわち、本実施の形態の端子の接触構造200Sは、本体側端子140を感光体ユニット32の挿入方向の交差方向である装置高さ方向に移動させる直線カム184を備えており、直線カム184は操作レバー180の回転により直線運動を行うように形成されている。
【0084】
上記の特徴によれば、直線カム184を備えない構成と比べて、簡易な構成で端子同士の離間と接触とを切り替えることができる。特に、本実施の形態では、直線カム184により複数の本体側端子140を同時に切り替えることができる。そのため、感光体ユニット32毎に端子の接触構造200Sを設ける必要がない。また、電動のモータやアクチュエータ等を使用する場合に比べて、機械的な構成だけで端子同士の離間と接触とを切り替えることができる。そのため、製造コストが抑制される。
【0085】
また、本実施の形態の端子の接触構造200Sは、次の特徴を備えている。すなわち、本体側端子140(端子部130)は、端子部130が下降位置(
図7(A)参照)にある着脱状態、及び端子部130が上昇位置(
図7(C)参照)にある固定状態において、本体側端子140(端子部130)を囲む摺動面164に嵌っている。
【0086】
感光体ユニット32の着脱状態において端子部130が下降した際に、収容部160から離れる構成の場合、端子部130を支持すると共に案内する部材が別途必要とされる。これに対し、上記の特徴によれば、本体側端子140が着脱状態及び固定状態において摺動面164に嵌っていない構成と比べて、本体側端子140を案内する部材を減らすことができる。これに伴い、製造コストが抑制される。
【0087】
また、本実施の形態の端子の接触構造200Sは、次の特徴を備えている。すなわち、本実施の形態の端子の接触構造200Sは、感光体ユニット32に設けられ、基板側端子240(CRUM230)を保持する保持部260を備えている。また、収容部160は、感光体ユニット32が挿入された場合に保持部260が挿通される開口部166を有しており、保持部260の挿入方向に沿う面である外壁面262は、収容部160のガイド面162と接している。
【0088】
本実施の形態の端子の接触構造200Sでは、保持部260と収容部160によりコネクタが構成されている。これにより、基板側端子240と本体側端子140とが接続されると、両端子は収容部160の内部に収容された状態となる。ここで、筐体120の内部において基板側端子240及び本体側端子140が解放されている場合は、筐体120の内部に拡散したトナーや埃などの異物が端子同士の接触部分に侵入しやすい。このため、感光体ユニット32の装着の際にこれらの異物が汚れとなって端子に付着する恐れが生ずる。これに対し、上記の特徴によれば、保持部260の挿入方向に沿う面である外壁面262とガイド面162とが接していない場合に比べて、端子への異物等の侵入が抑制される。
【0089】
また、本実施の形態の端子の接触構造200Sは、次の特徴を備えている。すなわち、本実施の形態の端子の接触構造200Sは、感光体ユニット32のハウジング220と保持部260とを接続するリブ222を備えている。このリブ222は感光体ユニット32の挿入方向である装置奥行き方向に沿って設けられている。そして、収容部160はガイド面162である上壁面において、装置奥行き方向に沿って設けられ、リブ222が挿通される溝部168を備えている。
【0090】
上述のように、対応する機種の対応するトナー色でなければ、リブ222は溝部168に挿入しきれないため、感光体ユニット32は筐体120の奥側まで挿入されない(
図7(B)参照)。すなわち、上記の特徴によれば、リブ222が収容部160の溝部168に挿通されない構成と比べて、対応しない感光体ユニット32の誤挿入を抑制することができる。
【0091】
そして、本実施の形態の画像形成装置10では、筐体120に対して着脱可能な着脱体として感光体ユニット32を備えており、当該感光体ユニット32に端子の接触構造200Sを備えたことを特徴としている。
【0092】
上記の特徴によれば、端子同士が接触したまま画像形成装置用ユニットが着脱される画像形成装置と比べて、画像形成装置用ユニットの動作不良を抑制することができる。
【0093】
以上、本実施の形態では、感光体ユニット32の着脱状態では、本体側端子140が基板側端子240と接触されず、固定状態では、本体側端子140が基板側端子240と接触することが特徴である。上述した他の特徴との組み合わせについては限定されない。
【0094】
なお、本実施の形態の端子の接触構造200Sでは、感光体ユニット32の装置奥行き方向奥側かつ装置高さ方向下側において端子同士が接続される構成を有しているが、端子の接続位置はこの限りではない。例えば、感光体ユニット32の側面に端子が設けられても良いし、感光体ユニット32の前面である装置奥行き方向奥側の面に端子が設けられても良い。つまり、端子同士の離間と接触とを切り替えることが可能であれば、端子の接続位置は問わない。
【0095】
本実施の形態の端子の接触構造200Sは、感光体ユニット32と筐体120との間に設けたが、これに限らない。例えば、現像ユニット(現像装置46)と筐体120との間に設けても良いし、補給機構22におけるトナーカートリッジと筐体120との間に設けても良い。