(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記形状比較部は、前記ジョブの情報により特定される前記分割用紙の形状およびサイズとして、前記生成部により生成された前記画像データから算出される前記分割用紙の形状およびサイズを用いる、請求項3に記載の画像形成システム。
前記算出部により算出された前記分割用紙のサイズについて、前記分割用紙の前記搬送方向におけるサイズが異なる場合、前記特定部は、前記断裁処理における前記搬送方向の断裁位置ズレを前記要因と特定し、
前記補正部は、前記搬送方向における断裁位置の補正を行う、請求項6または7に記載の画像形成システム。
前記算出部により算出された前記分割用紙のサイズについて、前記分割用紙の前記搬送方向と直交する幅方向におけるサイズが異なる場合、前記特定部は、前記断裁処理における前記幅方向の断裁位置ズレを前記要因と特定し、
前記補正部は、前記幅方向における断裁位置の補正を行う、請求項6〜8のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
断裁装置および画像検査装置が画像形成装置に順番に接続された画像形成システムでは、画像形成装置により画像が形成された用紙が断裁されて複数枚の分割用紙に分割された後、各分割用紙上の画像が検査される。このような画像形成システムでは、1枚の用紙から得られる複数枚の分割用紙について、各分割用紙上の画像を検査するとともに、各分割用紙の断裁品質を検査することが望まれている。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものである。したがって、本発明の目的は、分割用紙上の画像を検査するとともに、分割用紙の断裁品質を検査できる画像形成システムおよび画像検査方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0008】
(1)ジョブの画像データに基づき用紙上に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部よりも前記用紙の搬送方向の下流側に配置され、前記ジョブの断裁処理情報に基づき、前記画像形成部により画像が形成された前記用紙の断裁処理を行って、前記用紙を複数枚の分割用紙に分割する断裁部と、
前記断裁部よりも前記搬送方向の下流側に配置され、前記分割用紙上の画像を読み取って読取画像データを得る画像読取部と、
前記画像読取部により得られた前記読取画像データから、前記分割用紙の形状およびサイズを算出する算出部と、
前記算出部により算出された前記分割用紙の形状およびサイズと、前記ジョブの情報により特定される前記分割用紙の形状およびサイズとを比較する形状比較部と、
前記形状比較部による比較結果に基づいて、前記断裁処理の良否を判断する形状判断部と、を有
し、
前記比較結果において前記分割用紙の形状およびサイズの少なくとも一方が異なる場合、前記形状判断部は、前記断裁処理が不良であると判断する、画像形成システム。
(2)ジョブの画像データに基づき用紙上に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部よりも前記用紙の搬送方向の下流側に配置され、前記ジョブの断裁処理情報に基づき、前記画像形成部により画像が形成された前記用紙の断裁処理を行って、前記用紙を複数枚の分割用紙に分割する断裁部と、
前記断裁部よりも前記搬送方向の下流側に配置され、前記分割用紙上の画像を読み取って読取画像データを得る画像読取部と、
前記画像読取部により得られた前記読取画像データから、前記分割用紙の形状およびサイズを算出する算出部と、
前記算出部により算出された前記分割用紙の形状およびサイズと、前記ジョブの情報により特定される前記分割用紙の形状およびサイズとを比較する形状比較部と、
前記形状比較部による比較結果に基づいて、前記断裁処理の良否を判断する形状判断部と、を有し、
前記算出部は、前記分割用紙の4辺のうち、前記断裁処理により形成された辺以外の辺を基準として、前記読取画像データから前記分割用紙の形状およびサイズを算出する、画像形成システム。
(3)ジョブの画像データに基づき用紙上に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部よりも前記用紙の搬送方向の下流側に配置され、前記ジョブの断裁処理情報に基づき、前記画像形成部により画像が形成された前記用紙の断裁処理を行って、前記用紙を複数枚の分割用紙に分割する断裁部と、
前記断裁部よりも前記搬送方向の下流側に配置され、前記分割用紙上の画像を読み取って読取画像データを得る画像読取部と、
前記画像読取部により得られた前記読取画像データから、前記分割用紙の形状およびサイズを算出する算出部と、
前記算出部により算出された前記分割用紙の形状およびサイズと、前記ジョブの情報により特定される前記分割用紙の形状およびサイズとを比較する形状比較部と、
前記形状比較部による比較結果に基づいて、前記断裁処理の良否を判断する形状判断部と、
前記ジョブの画像データから、前記分割用紙の画像データを生成する生成部と、
前記形状判断部により前記断裁処理が良好であると判断された場合、前記生成部により生成された前記画像データと前記読取画像データとを比較して、前記分割用紙上の画像に異常があるか否かを判断する画像判断部と、
を有する画像形成システム。
【0012】
(
4)前記形状比較部は、前記ジョブの情報により特定される前記分割用紙の形状およびサイズとして、前記生成部により生成された前記画像データから算出される前記分割用紙の形状およびサイズを用いる、上記(
3)に記載の画像形成システム。
【0013】
(
5)前記画像判断部により前記画像に異常があると判断された場合、前記分割用紙の4辺のすべてが前記断裁処理により形成された辺であるか否かを判断する断裁判断部と、前記断裁判断部により前記分割用紙の4辺のすべてが前記断裁処理により形成された辺であると判断された場合、前記画像形成部を制御して前記ジョブの画像データに基づく画像を用紙上に再び形成させた後、当該用紙の断裁処理を行うことなく、前記画像読取部を制御して前記用紙上の画像を読み取らせ、前記画像に異常があるか否かを判断する制御を行う動作制御部と、をさらに有する、上記(
3)または(
4)に記載の画像形成システム。
【0014】
(
6)前記算出部により算出された前記分割用紙の形状およびサイズに基づいて、前記断裁処理の不良の要因を特定する特定部と、前記特定部により特定された前記要因の情報に基づいて、前記断裁処理の補正を行う補正部と、をさらに有する、上記(1)〜(
5)のいずれか1つに記載の画像形成システム。
【0015】
(
7)
ジョブの画像データに基づき用紙上に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部よりも前記用紙の搬送方向の下流側に配置され、前記ジョブの断裁処理情報に基づき、前記画像形成部により画像が形成された前記用紙の断裁処理を行って、前記用紙を複数枚の分割用紙に分割する断裁部と、
前記断裁部よりも前記搬送方向の下流側に配置され、前記分割用紙上の画像を読み取って読取画像データを得る画像読取部と、
前記画像読取部により得られた前記読取画像データから、前記分割用紙の形状およびサイズを算出する算出部と、
前記算出部により算出された前記分割用紙の形状およびサイズと、前記ジョブの情報により特定される前記分割用紙の形状およびサイズとを比較する形状比較部と、
前記形状比較部による比較結果に基づいて、前記断裁処理の良否を判断する形状判断部と、
前記算出部により算出された前記分割用紙の形状およびサイズに基づいて、前記断裁処理の不良の要因を特定する特定部と、
前記特定部により特定された前記要因の情報に基づいて、前記断裁処理の補正を行う補正部と、を有し、
前記算出部により算出された前記分割用紙の形状について、4つの角部が垂直性を有さない場合、前記特定部は、前記断裁処理時の用紙の曲がりを前記要因と特定し、前記補正部は、レジスト量の補正を行って、搬送経路上を搬送される用紙の傾きを調整する
、画像形成システム。
【0016】
(
8)前記算出部により算出された前記分割用紙のサイズについて、前記分割用紙の前記搬送方向におけるサイズが異なる場合、前記特定部は、前記断裁処理における前記搬送方向の断裁位置ズレを前記要因と特定し、前記補正部は、前記搬送方向における断裁位置の補正を行う、上記(
6)または(
7)に記載の画像形成システム。
【0017】
(
9)前記算出部により算出された前記分割用紙のサイズについて、前記分割用紙の前記搬送方向と直交する幅方向におけるサイズが異なる場合、前記特定部は、前記断裁処理における前記幅方向の断裁位置ズレを前記要因と特定し、前記補正部は、前記幅方向における断裁位置の補正を行う、上記(
6)〜(
8)のいずれか1つに記載の画像形成システム。
【0018】
(
10)異常のある前記分割用紙を、異常のない前記分割用紙と異なる排出先に排出する排出先制御部をさらに有する、上記(1)〜(
9)のいずれか1つに記載の画像形成システム。
【0019】
(
11)ジョブの画像データに基づき用紙上に画像を形成するステップ(a)と、
前記ジョブの断裁処理情報に基づき、前記ステップ(a)において画像が形成された前記用紙の断裁処理を行って、前記用紙を複数枚の分割用紙に分割するステップ(b)と、
前記分割用紙上の画像を読み取って読取画像データを得るステップ(c)と、
前記ステップ(c)において得られた前記読取画像データから、前記分割用紙の形状およびサイズを算出するステップ(d)と、
前記ステップ(d)において算出された前記分割用紙の形状およびサイズと、前記ジョブの情報により特定される前記分割用紙の形状およびサイズとを比較するステップ(e)と、
前記ステップ(e)における比較結果に基づいて、前記断裁処理の良否を判断するステップ(f)と、を有
し、
前記ステップ(f)では、前記比較結果において前記分割用紙の形状およびサイズの少なくとも一方が異なる場合、前記断裁処理が不良であると判断する、画像検査方法。
(12)ジョブの画像データに基づき用紙上に画像を形成するステップ(a)と、
前記ジョブの断裁処理情報に基づき、前記ステップ(a)において画像が形成された前記用紙の断裁処理を行って、前記用紙を複数枚の分割用紙に分割するステップ(b)と、
前記分割用紙上の画像を読み取って読取画像データを得るステップ(c)と、
前記ステップ(c)において得られた前記読取画像データから、前記分割用紙の形状およびサイズを算出するステップ(d)と、
前記ステップ(d)において算出された前記分割用紙の形状およびサイズと、前記ジョブの情報により特定される前記分割用紙の形状およびサイズとを比較するステップ(e)と、
前記ステップ(e)における比較結果に基づいて、前記断裁処理の良否を判断するステップ(f)と、を有し、
前記ステップ(d)では、前記分割用紙の4辺のうち、前記断裁処理により形成された辺以外の辺を基準として、前記読取画像データから前記分割用紙の形状およびサイズを算出する、画像検査方法。
(13)ジョブの画像データに基づき用紙上に画像を形成するステップ(a)と、
前記ジョブの断裁処理情報に基づき、前記ステップ(a)において画像が形成された前記用紙の断裁処理を行って、前記用紙を複数枚の分割用紙に分割するステップ(b)と、
前記分割用紙上の画像を読み取って読取画像データを得るステップ(c)と、
前記ステップ(c)において得られた前記読取画像データから、前記分割用紙の形状およびサイズを算出するステップ(d)と、
前記ステップ(d)において算出された前記分割用紙の形状およびサイズと、前記ジョブの情報により特定される前記分割用紙の形状およびサイズとを比較するステップ(e)と、
前記ステップ(e)における比較結果に基づいて、前記断裁処理の良否を判断するステップ(f)と、を有し、
さらに、ジョブの画像データから、前記分割用紙の画像データを生成するステップ(g)と、
前記ステップ(f)で、前記断裁処理が良好であると判断された場合、前記ステップ(g)で生成された前記画像データと前記読取画像データとを比較して、前記分割用紙上の画像に異常があるか否かを判断するステップ(h)と、
を有する画像検査方法。
(14)ジョブの画像データに基づき用紙上に画像を形成するステップ(a)と、
前記ジョブの断裁処理情報に基づき、前記ステップ(a)において画像が形成された前記用紙の断裁処理を行って、前記用紙を複数枚の分割用紙に分割するステップ(b)と、
前記分割用紙上の画像を読み取って読取画像データを得るステップ(c)と、
前記ステップ(c)において得られた前記読取画像データから、前記分割用紙の形状およびサイズを算出するステップ(d)と、
前記ステップ(d)において算出された前記分割用紙の形状およびサイズと、前記ジョブの情報により特定される前記分割用紙の形状およびサイズとを比較するステップ(e)と、
前記ステップ(e)における比較結果に基づいて、前記断裁処理の良否を判断するステップ(f)と、を有し、
さらに、前記ステップ(d)で算出された前記分割用紙の形状およびサイズに基づいて、前記断裁処理の不良の要因を特定するステップ(i)と、
前記ステップ(i)で特定された前記要因の情報に基づいて、前記断裁処理の補正を行うステップ(j)と、を有し、
前記ステップ(d)で算出された前記分割用紙の形状について、4つの角部が垂直性を有さない場合、前記ステップ(i)では、前記断裁処理時の用紙の曲がりを前記要因と特定し、
前記ステップ(j)では、レジスト量の補正を行って、搬送経路上を搬送される用紙の傾きを調整する、画像検査方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、分割用紙上の画像を検査するための読取画像データを利用して断裁処理の良否が判断されるため、分割用紙上の画像を検査するとともに、分割用紙の断裁品質を検査できる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成システム10の概略構成を示す図であり、
図2は、画像形成装置100、断裁装置200、画像検査装置300、および仕分装置400の概略構成を示すブロック図である。
【0024】
図1および
図2に示すとおり、画像形成システム10は、画像形成装置100、断裁装置200、画像検査装置300、および仕分装置400を備えている。画像形成装置100、断裁装置200、画像検査装置300、および仕分装置400は、用紙搬送の上流側から下流側へ順に連結されている。以下、画像形成装置100、断裁装置200、画像検査装置300、および仕分装置400の順番で説明する。
【0025】
<画像形成装置>
画像形成装置100は、制御部101、記憶部102、通信部103、操作パネル104、給紙部105、および画像形成部106を備えており、これらは信号をやり取りするためのバスを介して相互に接続されている。
【0026】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)であり、プログラムにしたがって上記各部の制御や各種の演算処理を行う。
【0027】
記憶部102は、予め各種プログラムや各種データを格納しておくROM(Read Only Memory)、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、各種プログラムや各種データを格納するハードディスク等からなる。
【0028】
通信部103は、他の機器と通信するためのインターフェースであり、断裁装置200、画像検査装置300、および仕分装置400との間で、設定値や動作タイミング制御に必要な各種信号等の送受信を行う。
【0029】
操作パネル104は、タッチパネル、テンキー、スタートボタン、およびストップボタン等を備えており、各種情報の表示および各種指示の入力に使用される。
【0030】
給紙部105は、画像形成に使用される用紙500を収容する。給紙部105は、複数の給紙トレイを有しており、給紙トレイに収容された用紙500を1枚ずつ画像形成部106に送り出す。
【0031】
画像形成部106は、帯電、露光、現像、転写、および定着の各工程を含む電子写真式プロセス等の周知の作像プロセスを用いて、画像データに基づく画像を用紙500上に形成する。画像形成部106により画像が形成された用紙500は、断裁装置200に搬送される。
【0032】
<断裁装置>
断裁装置200は、制御部201、記憶部202、通信部203、および断裁部204を備えており、これらは信号をやり取りするためのバスを介して相互に接続されている。なお、断裁装置200の上記各部のうち、画像形成装置100の上記各部と同様の機能を有する部分については、その説明を省略する。
【0033】
断裁部204は、画像形成装置100により画像が形成された用紙500の断裁処理を行う。断裁部204は、用紙500を搬送方向に沿って断裁するための第1断裁刃と、用紙500を搬送方向に直交する幅方向に断裁するための第2断裁刃を備え、用紙500を2つの方向に断裁する。断裁部204は、ジョブの断裁処理情報に基づいて用紙500の断裁処理を行い、用紙500を複数枚の分割用紙に分割する。断裁部204により用紙500を断裁して得られる複数枚の分割用紙は、画像検査装置300に順番に搬送される。
【0034】
<画像検査装置>
画像検査装置300は、制御部301、記憶部302、通信部303、および画像読取部304を備えており、これらは信号をやり取りするためのバスを介して相互に接続されている。なお、画像検査装置300の上記各部のうち、画像形成装置100の上記各部と同様の機能を有する部分については、その説明を省略する。
【0035】
画像読取部304は、分割用紙上に形成された画像を読み取って、読取画像データを得る。画像読取部304は、分割用紙上に蛍光ランプ等の光源で光を当て、その反射光をCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサー等の撮像装置で光電変換して、その電気信号から読取画像データを生成する。画像読取部304により画像が読み取られた分割用紙は、仕分装置400に順番に搬送される。
【0036】
<仕分装置>
仕分装置400は、制御部401、記憶部402、通信部403、排紙部404、および搬送路切替部405を備えており、これらは信号をやり取りするためのバスを介して相互に接続されている。なお、仕分装置400の上記各部のうち、画像形成装置100の上記各部と同様の機能を有する部分については、その説明を省略する。
【0037】
排紙部404は、画像検査装置300により画像が検査された分割用紙を排出する。本実施形態の排紙部404は、装置本体の側部に設けられたメイン排紙トレイ404aと、装置本体の上部に設けられたサブ排紙トレイ404bとを有する。
【0038】
搬送路切替部405は、分割用紙の搬送路をメイン排紙トレイ404aに続く第1搬送路と、サブ排紙トレイ404bに続く第2搬送路との間で切り替える。
【0039】
なお、画像形成装置100の制御部101は、仕分装置400の制御部401と連携して、異常のない分割用紙をメイン排紙トレイ404aに排出し、異常のある分割用紙をサブ排紙トレイ404bに排出する排出先制御部として機能する。また、画像形成装置100の制御部101は、断裁装置200、画像検査装置300、および仕分装置400の制御部201,301,401と連携して、画像形成システム10の動作を制御する動作制御部として機能する。
【0040】
さらに、画像形成装置100の制御部101は、記憶部102に記憶されたプログラムを実行することによって、生成部、算出部、形状比較部、形状判断部、および画像判断部として機能する。ここで、生成部は、ジョブの画像データ(原稿画像データ)を分割して、分割用紙の画像データを生成する。算出部は、画像読取部304により得られた分割用紙の読取画像データから分割用紙の形状およびサイズを算出する。形状比較部は、算出部により算出された分割用紙の形状およびサイズを、生成部により生成された画像データにより特定される分割用紙のサイズおよび形状と比較する。形状判断部は、形状比較部の比較結果に基づいて、断裁部204による断裁処理の良否を判断する。画像判断部は、画像読取部304により得られた分割用紙の読取画像データと生成部により生成された画像データとを比較して、分割用紙上の画像に異常があるか否かを判断する。各部の具体的な処理内容については後述する。
【0041】
画像形成装置100、断裁装置200、画像検査装置300、および仕分装置400は、それぞれ上記構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上記構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
【0042】
以上のとおり構成される画像形成システム10では、画像形成装置100により画像が形成された用紙500が、断裁装置200により断裁されて複数枚の分割用紙に分割される。その後、画像検査装置300により、複数枚の分割用紙が順番に検査され、分割用紙上の画像が評価されるとともに、断裁処理の良否が判断される。以下、
図3〜
図11を参照して、画像形成システム10の動作について詳細に説明する。
【0043】
図3および
図4は、画像形成システム10により実行される処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下では、画像形成システム10が、長手方向に搬送されるA3サイズの用紙に画像を形成した後、用紙を中央で半分に断裁してA4サイズの2枚の分割用紙に分割するジョブを実行する場合を例に挙げて説明する。
【0044】
まず、画像形成装置100の画像形成部106が、ジョブの原稿画像データに基づいて、用紙500上に画像を形成する(ステップS101)。原稿画像データは、ビットマップ形式の画像データであり、余白領域のデータを含む。
【0045】
次に、画像形成装置100の制御部101が、ジョブの断裁処理情報に基づいて原稿画像データを分割し、複数の比較元画像データを生成する(ステップS102)。本実施形態では、
図5に示すとおり、用紙を中央で半分に断裁して2枚の分割用紙に分割する旨の断裁処理情報に基づいて、制御部101が、原稿画像データ600を中央で半分に分割し、分割用紙の画像データである2つの比較元画像データ610,620を生成する。なお、本実施形態とは異なり、ステップS102に示す処理は、ステップS103に示す断裁処理の後に実行されてもよい。
【0046】
次に、断裁装置200の断裁部204が、ジョブの断裁処理情報にしたがって、用紙500の断裁処理を行う(ステップS103)。本実施形態では、
図6に示すとおり、断裁部204は、長手方向に搬送される用紙500を中央で半分に断裁して、用紙500を2枚の分割用紙510,520に分割する。分割用紙510,520は、搬送経路上を順番に搬送される。
【0047】
次に、画像検査装置300の画像読取部304が、分割用紙上の画像を読み取って読取画像データを取得する(ステップS104)。本実施形態では、画像読取部304は、搬送経路上を順番に搬送される分割用紙510,520の画像を連続的に読み取り、2つの読取画像データを取得する。読取画像データは、ビットマップ形式の画像データであり、余白領域のデータを含む。分割用紙510,520の読取画像データは、画像形成装置100に転送される。
【0048】
次に、画像形成装置100の制御部101が、読取画像データと比較元画像データの形状比較を行い、分割用紙の形状またはサイズに異常があるか否かを判断する(ステップS105)。本実施形態では、まず、制御部101が、原稿画像データ600を半分に分割して生成された2つの比較元画像データ610,620の中から、検査対象の分割用紙に対応する1つの比較元画像データを選択する。続いて、制御部101は、選択した比較元画像データから、分割用紙の形状およびサイズを算出する。また、制御部101は、検査対象の分割用紙の読取画像データから、分割用紙の形状およびサイズを算出する。そして、制御部101は、比較元画像データから算出される分割用紙の形状およびサイズと、読取画像データから算出される分割用紙の形状およびサイズを比較して、分割用紙の形状およびサイズの少なくとも一方が異なるか否かを判断する。たとえば、分割用紙の形状およびサイズの少なくとも一方が所定の閾値以上異なる場合、制御部101は、分割用紙の形状またはサイズに異常があると判断する。
【0049】
分割用紙の形状またはサイズに異常があると判断する場合(ステップS105:YES)、画像形成装置100の制御部101は、断裁処理が不良であると判定する(ステップS106)。
【0050】
そして、画像形成装置100の制御部101は、断裁不良と判定された分割用紙がサブ排紙トレイ404bに排出されるように、分割用紙の排出先を切り替える制御を行い(ステップS107)、ステップS111の処理に移る。
【0051】
一方、分割用紙の形状またはサイズに異常がないと判断する場合(ステップS105:NO)、画像形成装置100の制御部101は、読取画像データと比較元画像データの画像比較を行い、分割用紙上の画像に異常があるか否かを判断する(ステップS108)。本実施形態では、制御部101が、検査対象の分割用紙の読取画像データおよび比較元画像データについて、画像フィルタリングや輪郭抽出、画素毎や単位領域毎の差分判定等の画像処理を行い、分割用紙上の画像に異常があるか否かを判断する。
【0052】
分割用紙上の画像に異常がないと判断する場合(ステップS108:NO)、画像形成装置100の制御部101は、分割用紙上の画像が正常であると判定し(ステップS110)、ステップS111の処理に移る。
【0053】
一方、分割用紙上の画像に異常があると判断する場合(ステップS108:YES)、画像形成装置100の制御部101は、分割用紙上の画像が異常である判定する(ステップS109)。
【0054】
そして、画像形成装置100の制御部101は、画像異常と判定された分割用紙がサブ排紙トレイ404bに排出されるように、分割用紙の排出先を切り替える制御を行い(ステップS107)、ステップS111の処理に移る。
【0055】
次に、画像形成装置100の制御部101は、すべてのデータの比較が終了したか否かを判断する(ステップS111)。本実施形態では、制御部101が、2対の比較元画像データ610,620および読取画像データの比較が終了したか否かを判断する。
【0056】
すべてのデータの比較が終了していないと判断する場合(ステップS111:NO)、画像形成装置100の制御部101は、ステップS105の処理に戻る。
【0057】
一方、すべてのデータの比較が終了したと判断する場合(ステップS111:YES)、画像形成装置100の制御部101は、異常のある分割用紙があるか否かを判断する(ステップS112)。より具体的には、制御部101は、断裁不良または画像異常と判定された分割用紙があるか否かを判断する。
【0058】
異常のある分割用紙がないと判断する場合(ステップS112:NO)、画像形成装置100の制御部101は、処理を終了する。一方、異常のある分割用紙があると判断する場合(ステップS112:YES)、画像形成装置100の制御部101は、ジョブを中断して、異常があることを利用者に通知する(ステップS113)。より具体的には、制御部101は、実行中のジョブを中断し、断裁処理または画像形成処理に異常があることを通知して異常を解消するための補正処理を行うことを利用者に促す通知画面を操作パネル104に表示する。異常としては、たとえば、後述するように断裁処理時の用紙の曲がり、断裁位置ズレがある。なお、本実施形態において認識される異常は、突発的な異常ではなく、再現性のある異常である。
【0059】
そして、画像形成装置100の制御部101は、異常のある分割用紙について、補正処理の完了後の再出力を指示し(ステップS114)、処理を終了する。
【0060】
以上のとおり、
図3および
図4に示すフローチャートの処理によれば、まず、1枚の用紙上に画像が形成された後、当該用紙が断裁されて複数枚の分割用紙に分割される。その後、複数枚の分割用紙上の画像が順番に読み取られ、断裁処理の良否が判断される。そして、断裁処理に不良がなく良好であると判断された分割用紙については、画像の良否が判断される。その結果、異常(断裁不良または画像異常)のある分割用紙が検出されればジョブが中断され、異常を解消するための補正処理の完了後、異常のある分割用紙の再出力が行われる。また、異常のある分割用紙は、異常のない分割用紙が排出されるメイン排紙トレイ404aとは異なるサブ排紙トレイ404bに排出される。
【0061】
以上のとおり、本実施形態の画像形成システム10によれば、分割用紙上の画像を検査するとともに、断裁処理の良否を判断できる。より具体的には、断裁処理の良否を判断した後に、画像に異常があるか否かを判断することにより、断裁処理に起因する画像の異常と画像形成処理に起因する画像の異常とを区別して判断できる。なお、分割用紙に対する画像の傾きや画像形成位置ズレ等の異常は、断裁処理時の用紙の曲がりや断裁位置ズレ、画像形成処理時の描画曲がりや描画位置ズレの両方が要因となり得る。
【0062】
加えて、本実施形態の画像形成システム10によれば、異常のない分割用紙がメイン排紙トレイ404aに排出される一方で、異常のある分割用紙がサブ排紙トレイ404bに排出されるため、異常のある分割用紙と異常のない分割用紙とを容易に識別できる。
【0063】
次に、
図7および
図8を参照して、本実施形態に係る画像形成システム10の処理についてより具体的に説明する。
【0064】
図7に示すとおり、本実施形態に係る画像形成システム10では、まず、画像形成装置100が、ジョブの原稿画像データ600に基づいて、用紙500上に画像を形成する。続いて、断裁装置200が、ジョブの断裁処理情報に基づいて、用紙500を中央で半分に断裁して、2枚の分割用紙510,520に分割する。その後、画像検査装置300が、分割用紙510,520上の画像を順番に読み取り、分割用紙510,520の読取画像データ710,720(
図8参照)を得る。それから、仕分装置400が、搬送路切替部405により搬送路を切り替えつつ、通常、2枚の分割用紙510,520をメイン排紙トレイ404aに順番に排出する。
【0065】
分割用紙510,520上の画像が画像検査装置300により読み取られてから、分割用紙510,520が仕分装置400の搬送路切替部405に到達するまでの間、画像形成装置100の制御部101は、分割用紙510,520に異常があるか否かを判断する。具体的には、
図8に示すとおり、制御部101は、まず、ジョブの断裁処理情報にしたがって原稿画像データ600を分割し、分割用紙の画像データである比較元画像データ610,620を生成する。そして、制御部101は、比較元画像データ610,620の形状およびサイズと読取画像データ710,720の形状およびサイズをそれぞれ比較して、断裁処理に異常があるか否かを判断する。加えて、制御部101は、比較元画像データ610,620の画像と読取画像データ710,720の画像をそれぞれ比較して、分割用紙510,520上の画像に異常があるか否かを判断する。その結果、たとえば、分割用紙520に断裁不良または画像異常があれば、画像形成装置100の制御部101は、仕分装置400の制御部401と連携して、分割用紙520をサブ排紙トレイ404bに排出する。
【0066】
次に、
図9および
図10を参照して、本実施形態に係る画像形成システム10の作用効果について説明する。
【0067】
図9は、本実施形態に係る画像形成システム10の作用効果を説明するための図である。
図10は、比較例として、一般的な画像形成システムの処理を説明するための図である。以下では、1枚の用紙500を半分に断裁して2枚の分割用紙に分割する場合を例に挙げて説明する。
【0068】
図10に示すとおり、一般的な画像形成システムは、ジョブの原稿画像データ600を分割しない。このため、一般的な画像形成システムでは、分割用紙の2つの読取画像データ710,720と原稿画像データ600とを比較できず、断裁処理の良否や画像形成処理の良否を判定できない。
【0069】
一方、
図9に示すとおり、本実施形態の画像形成システム10は、ジョブの断裁処理情報に基づいて、原稿画像データ600を2つの比較元画像データ610,620に分割する。このため、本実施形態の画像形成システム10では、読取画像データ710,720と比較元画像データ610,620とを比較して、断裁処理の良否や画像形成処理の良否を判定できる。つまり、本実施形態の画像形成システム10によれば、分割用紙上の画像を検査するとともに、分割用紙の断裁品質を検査できる。
【0070】
次に、
図11を参照して、分割用紙の読取画像データから分割用紙の形状およびサイズを算出する処理についてより詳細に説明する。
【0071】
図11は、用紙500を半分に分割して得られる分割用紙510の4辺510a〜510dを説明するための図である。
図11に示すとおり、1枚の分割用紙510を構成する4辺510a〜510dは、断裁処理により形成された辺510aと、断裁処理前から存在する辺510b〜510dとを含む。画像形成装置100の制御部101は、分割用紙510の4辺510a〜510dのうち、断裁処理により形成された辺510a以外の辺510b〜510dの少なくとも1辺を基準として、分割用紙510の形状およびサイズを算出する。このような構成によれば、断裁処理の影響を受けずに、分割用紙510の形状およびサイズを正確に算出できる。
【0072】
なお、上述した実施形態では、用紙を中央で断裁して2枚の分割用紙に分割する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本実施形態の画像形成システム10で行われる断裁処理は、用紙を中央で断裁して2枚の分割用紙に分割する処理に限定されるものではない。たとえば、
図12(a)に示すとおり、断裁処理は、長手方向に搬送されるA3サイズの用紙500を中央で搬送方向および幅方向に1回ずつ断裁して、4枚のA5サイズの分割用紙510〜540に分割する断裁処理であってもよい。また、
図12(b)に示すとおり、断裁処理は、一回り大きめのA3サイズの用紙500を搬送方向および幅方向に2回ずつ断裁して、2枚のA4サイズの分割用紙510,520に分割する断裁処理であってもよい。
【0073】
(変形例)
次に、
図13〜
図15を参照して、画像形成システム10により実行される処理の変形例について説明する。本変形例では、分割用紙の4辺すべてが断裁処理により形成された辺である場合、分割用紙の異常(画像の傾き/形成位置ズレ)の要因が、断裁処理であるか画像形成処理であるか判定される。
【0074】
図13および
図14は、変形例に係る処理の手順を示すフローチャートである。なお、本変形例において、画像形成装置100の制御部101は、分割用紙の4辺が断裁処理により形成された辺であるか否かを判断する断裁判断部として機能する。
【0075】
ステップS201〜S208の処理は、
図3のステップS101〜S108の処理と同様であるため、説明は省略する。
【0076】
ステップS208に示す処理において、分割用紙上の画像に異常がないと判断する場合(ステップS208:NO)、画像形成装置100の制御部101は、画像が正常であると判定し(ステップS212)、ステップS213の処理に移る。
【0077】
一方、分割用紙上の画像に異常があると判断する場合(ステップS208:YES)、画像形成装置100の制御部101は、分割用紙の4辺が断裁処理により形成された辺であるか否かを判断する(ステップS209)。
【0078】
分割用紙の4辺が断裁処理により形成された辺でないと判断する場合(ステップS209:NO)、画像形成装置100の制御部101は、画像不良と判定する(ステップS211)。
【0079】
そして、画像形成装置100の制御部101は、画像不良と判定された分割用紙がサブ排紙トレイ404bに排出されるように、分割用紙の排出先を切り替える制御を行い(ステップS207)、ステップS213の処理に移る。
【0080】
一方、分割用紙の4辺が断裁処理により形成された辺であると判断する場合(ステップS209:YES)、画像形成装置100の制御部101は、異常の要因が断裁処理であるか画像形成処理であるかを判定する異常要因判定処理の実施を指示する(ステップS210)。
【0081】
そして、画像形成装置100の制御部101は、分割用紙がサブ排紙トレイ404bに排出されるように、分割用紙の排出先を切り替える制御を行い(ステップS207)、ステップS213の処理に移る。
【0082】
ステップS213以下の処理は、
図3のステップS111以下の処理と同様であるため、説明は省略する。
【0083】
以上のとおり、
図13および
図14に示すフローチャートの処理によれば、画像に異常があると判断された場合、分割用紙の4辺が断裁処理により形成された辺であるか否かが判断される。そして、分割用紙の4辺が断裁処理により形成された辺であると判断される場合、ジョブの中断後の異常要因判定処理の実施が指示される。異常要因判定処理では、まず、画像形成装置100が、原稿画像データに基づく画像を用紙500上に形成する。そして、断裁装置200が用紙500の断裁処理を行うことなく、画像検査装置300が用紙500上の画像を読み取る。その結果、用紙500上の画像に異常があれば、分割用紙の異常の要因が画像形成処理にあると判定され、用紙500上の画像に異常がなければ、分割用紙の異常の要因が断裁処理にあると判定される。
【0084】
次に、
図15を参照して、本変形例に係る処理についてより具体的に説明する。
【0085】
図15は、4辺が断裁処理により形成された分割用紙の異常(画像の傾き)の要因を説明するための図である。
図15(a)は、正常な断裁処理の一例を示す図であり、
図15(b)は、異常な断裁処理の一例を示す図である。
【0086】
分割用紙の4辺すべてが断裁処理により形成される場合、
図15(b)に示すとおり、1辺を形成する際の断裁処理に異常が生じて当該辺に傾きが生じたとしても、残りの3辺を形成する際の断裁処理にも異常が生じて3辺にも同様の傾きが生じれば、分割用紙は矩形形状を示す。したがって、異常な断裁処理により得られる分割用紙550bは、正常な断裁処理により得られる分割用紙550aと同じ形状を示す。
【0087】
このため、画像に傾き等の異常が認識された場合、4辺が断裁処理により形成された分割用紙であれば、画像形成処理の不良により生じた異常と断裁処理の不良により生じた異常とを区別できない。本変形例に係る画像形成システム10では、4辺が断裁処理により形成された分割用紙について、異常要因判定処理を実施することにより、画像形成処理の不良と断裁処理の不良とを区別できる。
【0088】
(第2実施形態)
次に、
図16〜
図18を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、断裁処理の不良が認識された場合、ジョブを中断することなく、補正処理を自動的に行う実施形態である。
【0089】
図16および
図17は、本実施形態に係る画像形成システム10により実行される処理の手順を示すフローチャートである。なお、断裁処理の補正が自動的に行われる点を除いては、本実施形態に係る画像形成システム10の構成は、第1実施形態と同様であるため、画像形成システム10についての説明は省略する。本実施形態において、画像形成装置100の制御部101は、断裁処理の不良の要因を特定する特定部、および、断裁処理の補正を行う補正部として機能する。
【0090】
ステップS301〜S311の処理は、
図3のステップS101〜S111の処理と同様であるため、説明は省略する。
【0091】
次に、画像形成装置100の制御部101は、断裁不良のある分割用紙があるか否かを判断する(ステップS312)。断裁不良のある分割用紙がないと判断する場合(ステップS312:NO)、画像形成装置100の制御部101は、処理を終了する。
【0092】
一方、断裁不良のある分割用紙があると判断する場合(ステップS312:YES)、画像形成装置100の制御部101は、断裁不良要因判定処理を行う(ステップS313)。より具体的には、制御部101は、異常のある分割用紙の形状およびサイズから、断裁不良の要因として、用紙の傾き、用紙の搬送方向における断裁位置ズレ、または用紙の幅方向における断裁位置ズレを特定する断裁不良要因判定処理を行う。
【0093】
次に、画像形成装置100の制御部101は、不良要因に応じた補正処理を行う(ステップS314)。より具体的には、不良要因が用紙の傾きである場合、制御部101は、レジスト量(ループ形成ローラー対の回転時間等)の調整を行って搬送経路上を搬送される用紙の傾きを補正する。また、不良要因が用紙の搬送方向における断裁位置ズレである場合、制御部101は、搬送方向における断裁位置を補正する。不良要因が用紙の幅方向における断裁位置ズレである場合、制御部101は、幅方向における断裁位置を補正する。制御部101は、断裁部204の断裁位置が可動であれば断裁位置を補正し、断裁位置が可動でなければ用紙500の搬送量を補正する。
【0094】
そして、画像形成装置100の制御部101は、異常のある分割用紙の再出力を指示し(ステップS315)、処理を終了する。
【0095】
以上のとおり、
図16および
図17に示すフローチャートの処理によれば、用紙の断裁不良が認識された場合、断裁不良の要因が特定される。そして、ジョブを中断することなく、要因に応じた補正処理が行われる。その結果、補正が反映された断裁処理が、次の用紙に対して行われ、断裁不良が解消される。このような構成によれば、画像形成システム10の生産性が向上する。
【0096】
次に、
図18を参照して、本実施形態に係る画像形成システム10の処理についてより具体的に説明する。
【0097】
図18は、断裁不良の要因を説明するための図である。
図18(a)は、1枚の用紙を4枚の分割用紙に分割する正常な断裁処理を示す図であり、
図18(b)は、断裁処理時の用紙の傾きに起因する断裁不良を示す図である。
図18(c)は、用紙の搬送方向の断裁位置ズレに起因する断裁不良を示す図であり、
図18(d)は、用紙の幅方向の断裁位置ズレに起因する断裁不良を示す図である。
【0098】
断裁不良要因判定処理では、画像形成装置100の制御部101は、読取画像データから算出される分割用紙の形状について、分割用紙の4つの角部に垂直性がなければ、不良要因が、断裁処理時の用紙の傾きであると判断する。また、制御部101は、用紙の搬送方向における分割用紙のサイズが異なれば、不良要因が、用紙の搬送方向における断裁位置ズレであると判断する。同様に、制御部101は、用紙の幅方向における分割用紙のサイズが異なれば、不良要因が、用紙の幅方向における断裁位置ズレであると判断する。そして、画像形成装置100の制御部101は、断裁不良の要因の情報に基づいて、ジョブを中断することなく、断裁処理の補正処理を行う。
【0099】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0100】
たとえば、上述した第1および第2実施形態では、読取画像データ710,720から算出された分割用紙の形状およびサイズは、原稿画像データを分割して得られた比較元画像データ610,620により特定された分割用紙の形状およびサイズと比較された。しかしながら、分割用紙の形状およびサイズを特定するためのジョブの情報は、比較元画像データ610,620に限定されるものではない。分割用紙の形状およびサイズは、用紙サイズ情報および断裁処理情報等のジョブの情報に基づいて算出されてもよい。
【0101】
また、上述した第1および第2実施形態では、断裁装置および画像検査装置等の後処理装置が画像形成装置に連結された画像形成システムを例に挙げて説明した。しかしながら、後処理装置と画像形成装置とは一体的に形成されてもよく、たとえば、画像形成装置に断裁装置および画像検査装置が内蔵されてもよい。あるいは、断裁装置と画像検査装置が一体的に形成された後処理装置が画像形成装置に連結されてもよい。
【0102】
上述した第1および第2実施形態に係る画像形成システムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウエア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえば、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、画像形成システムの一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。