特許第6939207号(P6939207)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6939207セットアップ支援装置及びセットアップ支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6939207
(24)【登録日】2021年9月6日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】セットアップ支援装置及びセットアップ支援システム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20210909BHJP
【FI】
   G07B15/00 510
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-147656(P2017-147656)
(22)【出願日】2017年7月31日
(65)【公開番号】特開2019-28736(P2019-28736A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2020年6月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】袋 秀樹
【審査官】 中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−307151(JP,A)
【文献】 特開2005−250580(JP,A)
【文献】 特開2006−209595(JP,A)
【文献】 特開2010−267131(JP,A)
【文献】 特開2009−217351(JP,A)
【文献】 特開2006−235927(JP,A)
【文献】 特開2008−238870(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 11/00−17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
料金収受サービスを利用可能とするための情報として、通信用車載器(3)に関する車載器情報を含むセットアップ情報を書き込み装置(1)に入力して前記通信用車載器に書き込むセットアップ処理を、支援するセットアップ支援装置(41、31)であって、
前記通信用車載器が備える車載器記憶部(31b)において前記セットアップ処理の前に記憶された前記車載器情報を取得する情報取得部(413、913)と、
前記情報取得部により取得された前記車載器情報を、前記書き込み装置が備える読み取り部(11)で読み取れる光学コードとして表示部(42、33)に表示させる表示処理部(416、916)とを、備えるセットアップ支援装置。
【請求項2】
前記セットアップ処理が未実施であるか否かを判断する未実施状態判断部(414)を、さらに備え、
前記表示処理部は、前記未実施状態判断部により前記セットアップ処理が未実施であると判断された場合に、前記車載器情報を前記光学コードとして前記表示部に表示させる請求項1に記載のセットアップ支援装置。
【請求項3】
前記セットアップ情報は、車両(50)に関する車両情報を含み、
前記情報取得部は、前記両に搭載される制御装置(5)が備える制御装置記憶部(52、92)に記憶された前記車両情報をさらに取得し、
前記表示処理部は、前記情報取得部により取得された前記車両情報を、前記光学コードとして前記表示部に表示させる請求項1又は請求項2に記載のセットアップ支援装置。
【請求項4】
前記表示処理部は、前記情報取得部により取得された前記車載器情報及び前記車両情報を、共通の前記光学コードに変換させる請求項3に記載のセットアップ支援装置。
【請求項5】
前記通信用車載器が不正使用されているか否かを判断する不正使用判断部(415)を、さらに備え、
前記車両情報には、前記車両を特定する車台番号が含まれており、
前記情報取得部は、前記車両情報のうち、前記制御装置記憶部に記憶された前記車台番号と、前記セットアップ処理により前記車載器記憶部に記憶された前記車台番号とを、取得し、
前記不正使用判断部は、前記情報取得部により前記制御装置記憶部から取得された前記車台番号と、前記情報取得部により前記車載器記憶部から取得された前記車台番号とが一致しない場合に、前記通信用車載器が不正使用の状態にあると判断し、
前記表示処理部は、前記不正使用判断部により前記通信用車載器が不正使用状態と判断された場合に、不正使用状態の通知画像を前記表示部に表示させる請求項3又は請求項4に記載のセットアップ支援装置。
【請求項6】
路側機と双方向通信を行うことで、料金収受サービスを実行する通信用車載器(3)と、
前記料金収受サービスを利用可能とするために入力される情報として、前記通信用車載器に関する車載器情報を含むセットアップ情報を、前記通信用車載器に書き込むセットアップ処理を実行する書き込み装置(1)と、
前記書き込み装置により前記通信用車載器へ正規に書き込む登録形式に、前記セットアップ情報を生成して発行する情報発行装置(2)とを、
含んで構成されて、前記セットアップ処理を支援するセットアップ支援システム(100)において、
前記通信用車載器は、
前記車載器情報を記憶する車載器記憶部(31b)と、
前記車載器記憶部において前記セットアップ処理の前に記憶された前記車載器情報を、取得する情報取得部(413、913)と、
前記情報取得部により取得された前記車載器情報を、光学コードとして表示部(42、33)に表示させる表示処理部(416、916)とを、備え、
前記書き込み装置は、
前記表示処理部により表示された前記光学コードを読み取る読み取り部(11)と、
前記読み取り部により読み取られた前記光学コードを前記情報発行装置に送信し、前記情報発行装置により発行された前記登録形式の前記セットアップ情報を受信する通信部(13)と、
前記通信部により取得された前記登録形式の前記セットアップ情報を前記通信用車載器に書き込む情報書き込み部(12)とを、備えるセットアップ支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、セットアップ情報を通信用車載器へ書き込むセットアップ処理を支援するセットアップ支援装置及びセットアップ支援システムに、関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、路上に設置された路側機と、路側機と双方向無線通信を行うETC(登録商標)車載器とから構成されるETCシステム(Electronic Toll Collection system:自動料金収受システム)が開示されている。具体的にETCシステムは、路側機と通信用車載器とが双方向無線通信を行うことで料金収受を行う料金収受サービスを提供する。
【0003】
この料金収受サービスを利用可能とするためには、車両に関する車両情報に加えて通信用車載器に関する車載器情報を含んだセットアップ情報を、セットアップ処理により通信用車載器へと正規に書き込んで登録する必要がある。セットアップ情報を通信用車載器に書き込むためには、通信用車載器をカーディーラーやカー用品店等が兼任しているセットアップ店に持ち込み、そのセットアップ店に設置された書き込み装置にセットアップ情報を入力する必要がある。
【0004】
特許文献1には、車載器情報を通信用車載器の梱包箱又は通信用車載器本体に番号として記載することが、開示されている。この開示技術では、通信用車載器の梱包箱又は通信用車載器本体に記載された番号を目視で確認しながら転記することで、車載器情報を書き込み装置に入力する必要がある。
【0005】
また従来、通信用車載器が備えるスピーカに車載器情報を発話させる技術が、知られている。この従来技術では、スピーカに発話させる番号を聞きながら転記することで、書き込み装置に車載器情報を入力する必要がある。
【0006】
従来技術として列挙された先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−250580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
さて特許文献1の開示技術では、通信用車載器の梱包箱又は通信用車載器本体に記載された番号を目視で確認し、書き込み装置に番号を転記する必要があった。そのため、転記の際に誤った番号を入力してしまうおそれがあった。
【0009】
さらに特許文献1の開示技術では、車両のインストルメントパネル(以下、インパネ)の内部に予め組み込まれたビルトインタイプの通信用車載器には、梱包箱が存在しないので、番号を目視で確認できない可能性がある。一方、通信用車載器本体に番号が記載されていたとしても、ビルトインタイプの通信用車載器はインパネの内部に組み込まれているので、通信用車載器本体に記載された番号がインパネの内部に隠れてしまう可能性がある。
【0010】
これらビルトインタイプの場合、車載器情報を書き込み装置に入力するには、上述の従来技術の如く通信用車載器のスピーカに発話させた番号を転記する必要があり、転記の際に誤った番号を入力してしまうおそれがあった。あるいはスピーカに番号を発話させない場合、車載器情報を書き込み装置に入力するには、インパネの内部に通信用車載器を組み込む前に予め車載器情報を用紙等に控えておく必要があり、手間がかかるという問題があった。
【0011】
このようなことからセットアップ処理には、上述の観点又は上述されていない他の観点において、さらなる改良が求められている。したがって、開示される1つの目的は、セットアップ処理の利便性を向上させるセットアップ支援装置及びセットアップ支援システムを、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するために開示されたセットアップ支援装置は、
料金収受サービスを利用可能とするための情報として、通信用車載器(3)に関する車載器情報を含むセットアップ情報を書き込み装置(1)に入力して通信用車載器に書き込むセットアップ処理を、支援するセットアップ支援装置(41、31)であって、
通信用車載器が備える車載器記憶部(31b)においてセットアップ処理の前に記憶された車載器情報を取得する情報取得部(413、913)と、
情報取得部により取得された車載器情報を、書き込み装置が備える読み取り部(11)で読み取れる光学コードとして表示部(42、33)に表示させる表示処理部(416、916)とを、備える。
【0013】
また、上述の課題を解決するために開示されたセットアップ支援システムは、
路側機と双方向通信を行うことで、料金収受サービスを実行する通信用車載器(3)と、
料金収受サービスを利用可能とするために入力される情報として、通信用車載器に関する車載器情報を含むセットアップ情報を、通信用車載器に書き込むセットアップ処理を実行する書き込み装置(1)と、
書き込み装置により通信用車載器へ正規に書き込む登録形式に、セットアップ情報を生成して発行する情報発行装置(2)とを、
含んで構成されて、セットアップ処理を支援するセットアップ支援システム(100)において、
通信用車載器は、
載器情報を記憶する車載器記憶部(31b)と、
車載器記憶部においてセットアップ処理の前に記憶された車載器情報を、取得する情報取得部(413、913)と、
情報取得部により取得された車載器情報を、光学コードとして表示部(42、33)に表示させる表示処理部(416、916)とを、備え、
書き込み装置は、
表示処理部により表示された光学コードを読み取る読み取り部(11)と、
読み取り部により読み取られた光学コードを情報発行装置に送信し、情報発行装置により発行された登録形式のセットアップ情報を受信する通信部(13)と、
通信部により取得された登録形式のセットアップ情報を通信用車載器に書き込む情報書き込み部(12)とを、備える。
【0014】
これら開示されたセットアップ支援装置及びセットアップ支援システムによると、情報取得部により取得された車載器情報を表示処理部は、書き込み装置の読み取り部で読み取り可能に表示部へと表示させることになる。これによれば、通信用車載器の梱包箱又は通信用車載器本体に記載された車載器情報を目視で確認することからも、スピーカに発話させた車載器情報を聞くことからも、解放され得る。しかもこのとき表示処理部は、セットアップ情報に含まれることになる車載器情報を光学コードとして表示部に表示させるので、この光学コードを読み取り部で読み取ることによれば、転記による書き込み装置への誤入力を抑制できる。
【0015】
さらに、開示されたセットアップ支援装置及びセットアップ支援システムによると、通信用車載器の車載器記憶部においてセットアップ処理前に記憶された車載器情報を、情報取得部は取得することになる。これによれば、予め通信用車載器の梱包箱又は通信用車載器本体に車載器情報を記載しておくことからも、車載器情報を用紙等に控えておくことも、解放され得る。故に、書き込み装置にセットアップ情報を入力するの手間を、軽減できる。
【0016】
以上、開示されたセットアップ支援装置及びセットアップ支援システムによると、セットアップ処理として、セットアップ情報を書き込み装置に入力する際の利便性を向上させることが可能となる。
【0017】
加えて、開示されたセットアップ支援システムによる書き込み装置では、読み取り部に読み取られた光学コードが通信部により情報発行装置へ送信されると、正規の登録形式にて生成発行されたセットアップ情報が通信部に受信されて情報書き込み部により通信用車載器へ書き込まれる。これによれば、光学コードの読み取り後において通信用車載器へのセットアップ情報の書き込みが自動的に実現され得るので、セットアップ処理として当該書き込みの際の利便性を向上させることも可能となる。
【0018】
尚、本明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、及び効果は、後続の詳細な説明、及び添付の図面を参照することにより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態によるセットアップ支援システムを示すブロック図である。
図2】第1実施形態による車載システムを示すブロック図である。
図3】表示画面に表示させるセットアップ情報の一例を示す図である。
図4】第1実施形態によるセットアップ支援処理を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態による車載システムを示すブロック図である。
図6】変形例1によるセットアップ支援処理を示すフローチャートである。
図7】変形例3による車載システムの一例を示すブロック図である。
図8】変形例3による車載システムの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的に及び/又は構造的に対応する部分及び/又は関連付けられる部分には同一の参照符号、又は百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分及び/又は関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
【0021】
(第1実施形態)
(セットアップ支援システム)
以下、第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、第1実施形態によるセットアップ支援システム100の概略構成及びシステム内外での情報の流れを示す説明図である。
【0022】
セットアップ支援システム100は、例えばカーディーラーやカー用品店等が兼任しているセットアップ店に設置された書き込み装置1と、情報発行センタ2とを、含んで構成されている。セットアップ支援システム100は、セットアップ処理を実行する。セットアップ処理とは、車両50に搭載される通信用車載器3に、料金収受サービスを利用可能とするためのセットアップ情報を正規に書き込んで登録する処理である。
【0023】
このセットアップ処理にて扱われるセットアップ情報には、車両50に関する車両情報と、通信用車載器3に関する車載器情報とが、含まれている。車両情報には、例えば車両50の車台番号、登録番号、形状、車種、所有者の名前及び所有者の住所等の情報が、含まれている。車載器情報には、例えば通信用車載器3の管理番号及び型式登録番号等の情報が、含まれている。
【0024】
書き込み装置1は、読み取り部11と、セットアップ処理部12と、通信部13と、セットアップカードI/F14とを、備える。書き込み装置1は、例えばパーソナルコンピュータであり、情報発行センタ2との間で情報の送受信を行う。
【0025】
読み取り部11は、例えばバーコード又はQR(登録商標)コード等の光学コードを、光学的に読み取る。読み取り部11は、読み取った光学コードの情報をデコードし、セットアップ処理部12に出力する。読み取り部11は、例えばコードリーダ及びハンディターミナル等の読み取り端末である。
【0026】
読み取り部11は具体的には、車両50に搭載される表示装置4によって表示される光学コードを読み取ることで、車載器情報を取得する。ここで表示装置4が車載器情報を表示させる処理については後述する。読み取り部11はさらに、車検証の一部に印刷されたQRコードを読み取ることで、車台情報を含んだ車両情報を取得する。ここで車検証は、車両50の登録を行う陸運支局で作成される。この車検証作成時において、車検証に記載される車両情報をQRコード化されたものが車検証に印刷される。以上より読み取り部11は、表示装置4に表示された光学コードと、車検証に印刷されたQRコードとを読み取ることで、それら各コードの表すセットアップ情報を取得する。この読み取り部11でセットアップ情報を取得することは、書き込み装置1にセットアップ情報を入力することに相当する。
【0027】
セットアップ処理部12は、メモリに記憶されたプログラムに従い、書き込み装置1全体の処理を制御する。セットアップ処理部12が提供する手段及び/又は機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェア及びそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せにより提供することができる。例えば、セットアップ処理部12がハードウェアである電子回路により提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路により提供することができる。セットアップ処理部12は、読み取り部11にて取得したセットアップ情報(ここでは、読み取り部11にて読み取った各コード状態でのセットアップ情報も含む)を、通信部13に出力する。
【0028】
通信部13は、情報発行センタ2との間で情報の送受信を行う。具体的に通信部13は、セットアップ処理部12から出力されたセットアップ情報を、例えばインターネット等の通信回線網を用いて情報発行センタ2へ送信する。情報発行センタ2は、通信部13からセットアップ情報を受信すると、当該受信情報をデータベースに記憶して登録する。これによりセットアップ情報は、料金収受サービスを通信用車載器3が利用する際の認証に、提供される。
【0029】
情報発行センタ2はさらに、通信部13から受信したセットアップ情報に対して、所定の暗号化処理を施す。この暗号化処理により情報発行センタ2は、通信用車載器3に書き込んで登録させるセットアップ情報を、不正な読み取りを防止可能な正規の登録形式に生成する。情報発行センタ2は、こうした暗号化処理を施すことで正規に発行することとなる登録形式のセットアップ情報(以下、暗号化セットアップ情報という)を、例えばインターネット等の通信回線網を用いて通信部13に送信する。以上より、情報発行センタ2が情報発行装置に相当する。
【0030】
通信部13は、上述の如くして情報発行センタ2から送信された登録形式の暗号化セットアップ情報を受信すると、当該受信情報をセットアップ処理部12に出力する。セットアップ処理部12は、通信部13から出力された暗号化セットアップ情報を、セットアップカードとして発行されるICカードに、I/F14を介して書き込む。このセットアップカードは通信用車載器3に挿入されることで、後述の如く通信用車載器3の有する車載器メモリ31bに暗号化セットアップ情報を自動的に記憶させることから、セットアップカードへの書き込みは通信用車載器3への書き込みと擬制される。したがって、セットアップ処理部12が情報書き込み部に相当する。
【0031】
以上、書き込み装置1及び情報発行センタ2にて実行される一連の処理がセットアップ処理に相当する。このセットアップ処理が完了することで通信用車載器3は、料金収受サービスを利用可能となる。
【0032】
(車載システム)
上述したセットアップ支援システム100において、読み取り部11が読み取る車載器情報の光学コードを表示する表示装置4を含んだ車載システム110について、詳細に説明する。図2は、車両50に搭載される車載システム110を示すブロック図である。車載システム110は、通信用車載器3と、表示装置4と、エンジンECU5とを備えている。通信用車載器3、表示装置4及びエンジンECU5は、例えばLAN(Local Area Network)及びCAN(登録商標)(CAN:Controller area network)等の車内ネットワーク6を介して互いに接続されている。
【0033】
(通信用車載器)
通信用車載器3は、路側機との間で狭帯域通信(DSRC:Dedicated Short-Range Communication)する狭域通信用車載器であり、例えばETC車載器である。DSRCを用いたシステムとして、無線通信規格として例えば「ARIB STD−T75」に準拠した路車間通信システムがある。通信用車載器3は、そうした路車間通信システムを利用することで、料金収受システムによる料金収受サービスと、ITS(ITS:Intelligent Transport Systems)サービスとを、それぞれ提供する。ここで料金収受サービスは、ETC路側機と通信用車載器3とが双方向無線通信を行うことで料金収受を行うサービスである。ITSサービスは、路側機であるITSスポットと通信用車載器3とが狭帯域通信を行うことで、道路状況及び事故情報等の交通情報を多数の自動車へ伝えるサービスである。
【0034】
通信用車載器3は、扁平な六面体のケースと、ケースの内部に配置される本体部とを、組み合わせて構成されている。通信用車載器3のケースは、インパネ付近又はインパネ内部にセットされる。
【0035】
ケースがネジ締結のブラケットを介す等してインパネ付近にセットされる後付けタイプの場合、例えばカーディーラーやカー用品店等にて、通信用車載器3が梱包箱に入れられた状態で販売しているものを購入することで、インパネ付近の所望位置にセット可能である。こうした後付けタイプでは、梱包箱と通信用車載器3本体としてのケースとのうち少なくとも一方に、例えば直接印刷又はシール貼り付け等によって車載器情報が記載されている。
【0036】
ケースがインパネ内部にセットされるビルトインタイプの場合、工場における車両50の組み付け工程の中で、インパネ内部の決められた位置に予めケースがセットされる。こうしたビルトインタイプでは、例えばカーディーラーやカー用品店等で販売されるような梱包箱が存在しない場合が多いので、通信用車載器3本体としてのケースに、例えば直接印刷又はシール貼り付け等によって車載器情報が記載されている。
【0037】
通信用車載器3の本体部には、ASIC(application specific integrated circuit)31と、車載器通信部32とが設けられている。ASIC31は、例えばROM及びRAM等を含んで構成される集積回路である。ASIC31には、路車間通信システムを利用した料金収受サービス及びITSサービスに対応する動作を実行するためのプログラムが、予め組み込まれている。ASIC31は、車載器メモリ31bと、車載器書き込み部31aとを有する。
【0038】
車載器メモリ31bは、例えば車載器情報、暗号化セットアップ情報、音量といった設定情報、及び解析用のログ情報等を記憶する。ここで車載器情報は、インパネ付近への後付タイプの場合でもインパネ内部へのビルトインタイプでの場合でも、通信用車載器3の製造時に予め車載器メモリ31bに記憶されている。したがって、車載器メモリ31bが車載器記憶部に相当する。
【0039】
車載器書き込み部31aは、通信用車載器3に挿入されたETCカードに、例えば利用情報及び課金情報等の課金処理に関する情報を書き込む。また車載器書き込み部31aは、セットアップカードに書き込まれた暗号化セットアップ情報を自動的に読み出して、車載器メモリ31bに記憶させる。
【0040】
車載器通信部32は、ITSスポット及びETC路側機等の路側機との間で信号の送受信を行う。
【0041】
(エンジンECU)
エンジンECU5は、車両50のエンジンルームに搭載される。エンジンECU5は、プロセッサ51及びエンジンメモリ52を有するマイクロコンピュータを主体として、構成されている。エンジンECU5は、エンジンメモリ52に記憶されたエンジン内制御プログラムを、プロセッサ51により実行する。これによりエンジンECU5は、燃料をエンジン内に噴射する噴射装置及びエンジン内の燃料を点火する点火装置等に対して、エンジン内制御を行う。
【0042】
エンジンメモリ52は、不揮発性の記憶媒体である。エンジンメモリ52には、車両情報のうち車台番号が車両50の製造時に登録されている。車台番号とは、車両50を特定するための番号であり、車両50だけが持つ固有の番号となっている。例えば、製造ライン指示書に、文字又はバーコード等により車台番号が記載されている。車台番号は、車両50の製造時にてエンジンルーム内の鉄板に打刻されている。そこで、エンジンルーム内のエンジンECU5に専用のエンジン用書き込み装置を接続することで、このエンジン用書き込み装置を用いて車台番号をエンジンメモリ52に記憶(登録)させることが可能となっている。こうしてエンジンメモリ52に記憶された車台番号は通常、外部から書き換えることができないものである。故に、エンジンルーム内の鉄板に打刻された車台番号と、エンジンメモリ52に記憶された車台番号とは、正規には必ず同じ番号となる。
【0043】
尚、エンジンメモリ52に車台番号を記憶させるのは、車両製造時には限られない。例えば一旦車両50の登録を実施した後、故障又はその他の理由からエンジンECU5を載せ替えることも考えられる。この場合、そのままでは実際に打刻されている車台番号とエンジンメモリ52に記憶された車台番号とが一致しなくなってしまう。そこで不正登録を防止するために、例えば公的機関である陸運支局等でのみ、エンジンECU5に専用のエンジン書き込み装置を接続することで、このエンジン書き込み装置を用いて車台番号をエンジンメモリ52に再記憶(再登録)することも可能となっている。
【0044】
以上より、エンジンECU5が制御装置に相当し、エンジンメモリ52が制御装置記憶部に相当する。
【0045】
(表示装置)
表示装置4は、車両50に搭載される例えばカーナビゲーションユニット又は情報表示ユニット等である。表示装置4は、表示画面42と、それを制御する表示制御ECU41とを、有する。表示画面42は、例えば液晶パネル等であり、車両50の室内にセットされる。
【0046】
表示制御ECU41は、表示画面42と、車内ネットワーク6とに接続されている。表示制御ECU41は、プロセッサ411及び表示制御メモリ412を有するマイクロコンピュータを主体として、構成されている。表示制御ECU41は、表示制御メモリ4122に記憶されたセットアップ支援プログラムを、プロセッサ51により実行する。これにより表示制御ECU41は、情報取得部413と、未実施状態判断部414と、不正使用判断部415と、表示処理部416とを機能的に構築する。
【0047】
情報取得部413は、セットアップ情報を取得する。具体的に情報取得部413は、セットアップ情報として、車載器メモリ31bに記憶された車載器情報を取得する。車載器情報を取得するためには、表示装置4と通信用車載器3とが車内ネットワーク6を介して接続されている必要がある。情報取得部413は、車両50の電源オン状態で通信用車載器3との接続を確認された場合、車載器メモリ31bに記憶された車載器情報を出力させる出力要求を、通信用車載器3に対して送信する。通信用車載器3は、情報取得部413からの出力要求を受信すると、車載器情報を情報取得部413に出力する。これにより情報取得部413は、車載器情報を取得する。
【0048】
また情報取得部413は、セットアップ情報としての車両情報のうち、エンジンメモリ52に記憶された車台番号も取得する。車台番号を取得するためには、表示装置4とエンジンECU5とが車内ネットワーク6を介して接続されている必要がある。情報取得部413は、車両50の電源オン状態でエンジンECU5との接続を確認された場合、エンジンメモリ52に記憶された車台番号を出力させる出力要求を、エンジンECU5に対して送信する。エンジンECU5は、情報取得部413からの出力要求を受信すると、車台番号を情報取得部413に出力する。これにより情報取得部413は、車台番号を取得する。
【0049】
さらに情報取得部413は、セットアップ処理の実施の有無に関わらず、暗号化セットアップ情報の取得を試みる。情報取得部413は、セットアップ処理が既に実施されていた場合、当該既実施のセットアップ処理にて車載器メモリ31bに記憶された暗号化セットアップ情報を取得することができる。このとき情報取得部413は、暗号化セットアップ情報に含まれる車両情報のうち車台番号も、取得することができる。
【0050】
尚、情報取得部413は、通信用車載器3との接続が確認できた場合に通信用車載器3への出力要求を送信するとしたが、これに加えて、表示装置4の有する入力部(図示しない)がセットアップ情報の表示要求を受けることで、通信用車載器3への出力要求を送信してもよい。
【0051】
未実施状態判断部414は、セットアップ処理が未実施であるか否かを判断する。未実施状態判断部414は、情報取得部413により暗号化セットアップ情報が取得されたか否かに基づいて、通信用車載器3のセットアップ処理が未実施か否かを判断する。具体的に未実施状態判断部414は、情報取得部413により暗号化セットアップ情報が取得できた場合に、セットアップ処理は既に実施されているとの判断を下す。既実施を判断できる理由は、車載器メモリ31bには暗号化セットアップ情報が記憶されているからである。反対に未実施状態判断部414は、情報取得部413により暗号化セットアップ情報が取得できなかった場合に、セットアップ処理が未実施であるとの判断を下す。
【0052】
不正使用判断部415は、通信用車載器3が不正使用されているか否かを判断する。不正使用判断部415は、車載器メモリ31bに記憶された暗号化セットアップ情報に含まれる車両情報のうち車台番号が情報取得部413により取得され、かつ当該取得の車台情報が情報取得部413によりエンジンメモリ52から取得の車台番号と一致しない場合に、通信用車載器3は使用不可能な不正使用の状態にあると判断する。即ち不正使用判断部415は、通信用車載器3のセットアップ処理は既に実施されているが、車台番号が一致しないと、セットアップ処理により情報発行センタ2に登録されたセットアップ情報の特定する正規の車両50とは別の車両に、通信用車載器3が設置されたとの判断を下す。
【0053】
現在のETCシステムでは、正規の車両50とは別の車両に通信用車載器3を搭載する際には、新たに搭載される当該別車両に対応した車両情報を含むセットアップ情報を暗号化し直して、通信用車載器3に書き込む必要がある。なぜなら暗号化セットアップ情報は、車両50の車種及び牽引情報を含んでおり、ETCシステムの料金収受サービスでは、これら車種及び牽引情報に基づいて課金処理の金額を設定しているからである。故に、例えば軽自動車に関する暗号化セットアップ情報を通信用車載器3に書き込んだ状態で、当該通信用車載器3を大型車に設置した場合には、不正な課金処理となる可能性がある。
【0054】
さて表示処理部416は、未実施状態判断部414によりセットアップ処理が未実施と判断された場合に、情報取得部413により取得されたセットアップ情報を光学コードとして表示画面42に表示させる。ここでの光学コードは、例えば光学式読み取りのバーコード又はQRコード等である。例えば表示画面42には、図3に示すように車載器管理番号及び型式登録番号等が表示された上で、光学コードが表示されることになる。また一方で表示処理部416は、不正使用判断部415により通信用車載器3が不正使用状態にあると判断された場合、例えば文字又は図柄等により不正使用状態を報知又は警告する通知画像を、表示画面42に表示させる。以上より、表示画面42が表示部に相当する。
【0055】
表示処理部416により光学コードとして表示画面42に表示されたセットアップ情報は、車載器情報と車台番号とのうち、少なくとも車載器情報を含んでいる。車台番号を含む車両情報は上述の如く車検証から取得可能なため、車台番号は、光学コードとして表示させても表示させなくてもよい。そこで以下では、情報取得部413により取得されたセットアップ情報のうち車載器情報のみを光学コードとして表示させる表示処理部416として、説明する。
【0056】
以上説明したことから、各部413、414、415、416を機能構築する表示制御ECU41がセットアップ支援装置に相当する。したがって、セットアップ支援システム100は、こうした表示制御ECU41と書き込み装置1と情報発行センタ2とを含んで構成される。
【0057】
(セットアップ支援処理)
図4に示すフローチャートを用いて、表示制御ECU41が実行するセットアップ支援処理について説明する。表示制御ECU41は、表示制御メモリ412に記憶されたセットアップ支援プログラムをプロセッサ411により実行することで、セットアップ支援処理の各ステップを実現する。尚、セットアップ支援処理のフロー中の「S」とは、各ステップを意味する。
【0058】
このセットアップ支援処理は、通信用車載器3と表示装置4とが接続された状態で、車両50の電源がオンとなった場合に、開始される。また、車両50の電源がオンとなった状態で、通信用車載器3が表示装置4に接続された場合にも、開始される。尚、これらの他に、通信用車載器3と表示装置4との接続状態かつ車両50の電源オン状態にて、表示装置4の有する入力部がセットアップ情報の表示要求を受けた場合にも、開始されてもよい。
【0059】
S11において情報取得部413は、車載器メモリ31bに記憶された車載器情報を、セットアップ情報として取得する。このとき情報取得部413は、通信用車載器3に対して出力要求を送信することで、車載器情報を車載器メモリ31bから取得する。
【0060】
S12において情報取得部413は、車両情報のうちエンジンメモリ52に記憶された車台番号を、セットアップ情報として取得する。このとき情報取得部413は、エンジンECU5に対して出力要求を送信することで、車両情報のうち車台番号をエンジンメモリ52から取得する。
【0061】
S13において情報取得部413は、車載器メモリ31bに記憶された暗号化セットアップ情報の取得を試みる。このとき情報取得部413は、暗号化セットアップ情報を取得できた場合、暗号化セットアップ情報に含まれる車両情報のうち車台番号も、取得することになる。尚、以上のS11、S12及びS13は、実行する順序を入れ替えてもよい。
【0062】
S14において未実施状態判断部414は、セットアップ処理が未実施であるか否かを判断する。未実施状態判断部414は、S13により暗号化セットアップ情報が取得できた場合に、通信用車載器3のセットアップ処理が既に実施されていると判断して、S15へと移行する。一方で未実施状態判断部414は、S13により暗号化セットアップ情報が取得できなかった場合に、通信用車載器3のセットアップ処理が未実施であると判断して、S16へと移行する。S16において表示処理部416は、セットアップ情報としてS11により取得した車載器情報を光学コードとして表示画面42に表示させてから、本フローを終了する。
【0063】
S15において不正使用判断部415は、S12により取得したエンジンメモリ52に記憶の車台番号と、S13により取得した車載器メモリ31bに記憶の車台番号とが、一致するか否かを判断する。車台番号が一致しない場合に不正使用判断部415は、正規の車両50とは別の車両に通信用車載器3が設置された不正使用状態と判断して、S17へと移行する。S17において表示処理部416は、不正使用状態を報知又は警告する通知画像を表示画面42に表示させてから、本フローを終了する。
【0064】
一方、S15において車台番号が一致した場合に不正使用判断部415は、セットアップ支援システム100で登録された正規の車両50に通信用車載器3が設置された正常状態と判断して、本フローを終了する。即ち、通信用車載器3のセットアップ処理が既に実施されており、かつ、セットアップ支援システム100で登録の正規車両50に通信用車載器3が設置されている場合には、S16による表示画面42へのセットアップ情報の表示を実行しない。尚、セットアップ処理が実施されており、かつ、セットアップ支援システム100で登録の正規車両50に通信用車載器3が設置されている場合であっても、表示装置4の有する入力部への表示要求により、セットアップ情報を表示させるようにしてもよい。
【0065】
(作用効果)
以上説明した第1実施形態の作用効果を、以下に説明する。第1実施形態によると、セットアップ情報として情報取得部413により取得された車載器情報を表示処理部416は、書き込み装置1の読み取り部11で読み取り可能に表示画面42へと表示させることになる。これによれば、通信用車載器3の梱包箱又は通信用車載器3本体に記載された車載器情報を目視で確認することからも、スピーカに発話させた車載器情報を聞くことからも、解放され得る。しかもこのとき表示処理部416は、セットアップ情報である車載器情報を光学コードとして表示画面42に表示させるので、この光学コードを読み取り部11で読み取ることによれば、転記による書き込み装置1への誤入力を抑制できる。
【0066】
さらに、第1実施形態によると、通信用車載器3の車載器メモリ31bにおいてセットアップ処理前に記憶された車載器情報を、情報取得部413は取得することになる。これによれば、予め通信用車載器3の梱包箱又は通信用車載器3本体に車載器情報を記載しておくことからも、車載器情報を用紙等に控えておくことも、解放され得る。故に、書き込み装置1にセットアップ情報を入力するための手間を、軽減できる。
【0067】
以上、セットアップ処理として、セットアップ情報を書き込み装置1に入力する際の利便性を向上させることが可能となる。
【0068】
加えて、開示されたセットアップ支援システム100による書き込み装置1では、読み取り部11に読み取られた光学コードが通信部13により情報発行センタ2へ送信されると、正規の登録形式にて生成発行されたセットアップ情報が通信部13に受信されてセットアップ処理部12により通信用車載器3へ書き込まれる。これによれば、光学コードの読み取り後において通信用車載器3へのセットアップ情報の書き込みが自動的に実現され得るので、セットアップ処理として当該書き込みの際の利便性を向上させることも可能となる。
【0069】
また、第1実施形態による未実施状態判断部414は、セットアップ処理が未実施であるか否かを判断する。その結果、未実施状態判断部414によりセットアップ処理が未実施であると判断された場合には、表示処理部416によりセットアップ情報が光学コードとして表示画面42に表示されることになる。これによれば、通信用車載器3のセットアップ処理が未実施である場合、入力等の動作を行うことなく、表示画面42にセットアップ情報を表示させることができる。故に、書き込み装置1に入力する際の利便性向上効果を高めることが可能となる。
【0070】
また、第1実施形態による不正使用判断部415は、車両50に関する車両情報のうち、情報取得部413によりエンジンメモリ52から取得された車台番号と、情報取得部413により車載器メモリ31bに記憶された車台番号とが一致しない場合に、通信用車載器3が不正使用状態にあると判断する。この場合には、不正使用状態の通知画像が表示処理部416により表示画面42に表示されることになるので、不正使用状態を報知又は警告することができる。しかも第1実施形態では、正規のセットアップ処理が再度行われるまで、不正使用状態の通知画像が表示されることになるので、通信用車載器3を不正使用しているユーザに煩わしさを与えることができる。また、こうした煩わしさを与えることで、通信用車載器3の不正利用を抑制することができる。したがって、書き込み装置1に入力する際の利便性向上と、通信用車載器3の不正利用の抑制とを、両立させることが可能である。
【0071】
(第2実施形態)
第2実施形態は、先行する第1実施形態を基礎的形態とする変形例である。図5に示す第2実施形態における表示処理部916は、車載器情報に加え、車両情報も表示画面42に表示させる。車両情報を表示画面42に表示させるために、第2実施形態における情報取得部913は、車載器メモリ31bに記憶された車載器情報に加え、エンジンメモリ92に記憶された車両情報として、車台番号及びそれ以外の情報も取得する。そこでエンジンメモリ92には、エンジン用書き込み装置を用いて、車台番号だけでなく、車両50の登録番号、形状、車種、所有者の名前及び所有者の住所等の車両情報が、予め記憶される。例えば車両50の製造時又は車検時に、エンジン用書き込み装置をエンジンECU5に接続することで、車検証に記載される車両情報をエンジンメモリ92に記憶(登録)させる。これにより情報取得部913は、車両情報をエンジンECU5から取得できるようになる。したがって、エンジンメモリ92が制御装置記憶部に相当する。
【0072】
第2実施形態における表示処理部916は、セットアップ情報として、情報取得部913により取得された車載器情報と車両情報とを、共通の一つの光学コードとして表示画面42に表示させる。車載器情報と車両情報とのセットアップ情報を表示画面42に表示させることで、読み取り部11は、車検証から車両情報を読み取らなくても、表示画面42に表示された光学コードを読み取れば、車載器情報に加えて、車両情報も読み取ることができる。
【0073】
尚、表示処理部916は、情報取得部913により取得された車載器情報と車両情報とを、それぞれ別の光学コードとして表示画面42に表示させてもよい。また情報取得部913は、エンジンECU5の他に、車両50に搭載された他の制御ECUが有するメモリに記憶された車両情報を、取得するようにしてもよい。ここで他の制御ECUとは、例えばモータ制御ECU、ブレーキ制御ECU及びステアリング制御ECU等の各種ECUである。この場合、車両50に搭載された他の制御ECUが制御装置に相当し、車両50に搭載された他の制御ECUが有するメモリが制御装置記憶部に相当することになる。
【0074】
(作用効果)
以上説明した第2実施形態の作用効果を、以下に説明する。第2実施形態による情報取得部913は、セットアップ情報として、車載器情報に加え、エンジンECU5が有するエンジンメモリ52又は他の制御ECUが有するメモリに記憶された車両情報を、取得する。そこで、情報取得部913により取得された車載器情報と車両情報とは、表示処理部916により光学コードとして表示画面42に表示されることになる。これによれば、表示画面42に表示された車載器情報と、車検証に記載された車両情報とを、読み取り部11で個別に読み取ることから解放され得る。故に、表示画面42に表示された光学コードを読み取るだけで、セットアップ情報を書き込み装置1に入力することができる。故に、書き込み装置1に入力する際の利便性向上効果を高めることが可能となる。
【0075】
また、第2実施形態による表示処理部916は、情報取得部913によりセットアップ情報として取得された車載器情報及び車両情報を、共通の光学コードとして表示画面42に表示させることになる。これによれば、表示画面42に表示される車載器情報の光学コードと、車検証に記載されている車両情報のQRコードとを、読み取り部11で個別に読み取ることから解放され得る。故に、1度の光学コードの読み取りで、車載器情報と車両情報とを書き込み装置1に入力することができる。故に、書き込み装置1に入力する際の利便性向上効果を高めることが可能となる。
【0076】
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
【0077】
(変形例1)
上記実施形態では、不正使用判断部415は、エンジンメモリ52に記憶された車台番号と、セットアップ処理により車載器メモリ31bに記憶された車台番号とを比較することで、通信用車載器3が不正使用されているか否かを判断している。これに代えて変形例1では、不正使用判断部415は、情報取得部413により取得されたエンジンメモリ52に記憶された車台番号と、車載器メモリ31bに記憶された車台番号とを比較せず、不正使用を判断しないものとしてもよい。この変形例1におけるセットアップ支援処理は、図6に示すように、セットアップ支援処理のS15及びS17の処理を行わないフローとなる。
【0078】
(変形例2)
上記実施形態では、情報取得部413は、エンジンメモリ52に記憶された車台番号を情報取得部413が取得できるように、エンジンECU5に例えば専用のエンジン用書き込み装置を接続することで、このエンジン用書き込み装置を用いて車台番号をエンジンメモリ52に記憶している。これに代えて変形例2では、情報取得部413は、エンジンメモリ52に記憶された車台番号を取得しない構成としてもよい。この場合、車検証に記載された車台番号を読み取り部11で読み取るものとし、専用のエンジン用書き込み装置を用いてはエンジンメモリ52に車台番号を記憶させないようにしてもよい。
【0079】
(変形例3)
上記実施形態では、未実施状態判断部414は、セットアップ処理が未実施か否かを判断している。これに代えて変形例3では、未実施状態判断部414が省略されてもよい。この変形例3では、図6に示す変形例1のセットアップ支援処理において、S13及びS14の処理を行わないフローとなる。
【0080】
(変形例4)
上記実施形態では、セットアップ支援処理を機能的に実行する部分を表示制御ECU41に備えさせている。これに代えて変形例4では、セットアップ支援処理を機能的に実行する部分を、他の要素に備えさせてもよい。
【0081】
変形例4では例えば図7に示すように、通信用車載器3の有するASIC31が、情報取得部413と、未実施状態判断部414と、不正使用判断部415と、表示処理部416とを機能的に構築するようにしてもよい。
【0082】
さらに変形例4では、図8に示すように通信用車載器3が上記構成に加え、表示画面33をも備えるようにしてもよい。表示画面33は、通信用車載器3がインパネの内部に配置される可能性を考慮し、インパネの外部に露出する箇所に設けることが好ましい。これにより、例えばカーナビゲーションユニット等の如き表示装置4が車両50に搭載されていない場合においても、通信用車載器3が備える表示画面33にセットアップ情報を光学コードとして表示させることができる。
【0083】
以上より図7,8の変形例4では、各部413、414、415、416を機能構築するASIC31がセットアップ支援装置に相当する。したがって、図7,8の変形例4では、こうしたASIC31と書き込み装置1と情報発行センタ2とを含んで、セットアップ支援システム100が構成される。さらに図8の変形例4では、表示画面33が表示部に相当する。
【0084】
尚、セットアップ支援処理を機能的に実行する部分は、表示装置4及び通信用車載器3以外の車両50に搭載された外部機器、例えば第2実施形態に記載の他の制御ECUに備えられていてもよい。
【0085】
(変形例5)
上記実施形態では、料金収受サービスの利用を制御する場合を例に通信用車載器3の説明をした。これに代えて変形例6では、例えば駐車場の利用、遊園地の利用、交通機関の利用等、多様なサービスの利用を制御するために通信用車載器3を使用することができる。これら例示のサービス利用の場合に通信用車載器3は、例えば認証用通信端末、サービス利用制御端末、又は通信用車載器等の名称でも呼ばれる。また、これら例示のサービス利用の場合の制御は、例えば利用許可と利用禁止とを決定する機能、及び/又は課金機能を含むことができる。
【0086】
(変形例6)
上記実施形態では、表示制御ECU41は、通信用車載器3のセットアップ処理が未実施である場合に、セットアップ情報を光学コードとして表示画面42に表示させている。これに代えて変形例6では、表示制御ECU41は、通信用車載器3に不具合が発生したと判断した場合に、車載器メモリ31bに記憶されているログ情報を光学コードとして、表示画面42に表示させるようにしてもよい。この変形例6では、表示制御ECU41は、ETCシステムでのサービスを正常に行えなかったことを示すエラー情報が存在する場合に、不具合が発生したと判断することができる。
【0087】
(変形例7)
上記実施形態では、表示制御ECU41は、通信用車載器3が不正使用されていると判断した場合、セットアップ情報を光学コードとして表示画面42に表示させた。これに代えて変形例7では、表示制御ECU41は、通信用車載器3が不正使用されていると判断した場合、通信用車載器3の利用を停止させる命令を通信用車載器3に送信するようにしてもよい。これにより、通信用車載器3の不正使用抑制効果を高めることができる。また変形例7では、表示制御ECU41は、通信用車載器3が不正使用されていると判断した場合、通知画像を表示画面42に表示させつつ、通信用車載器3の利用を停止させる命令を通信用車載器3に送信するようにしてもよい。
【0088】
(変形例8)
上記実施形態では、不正使用判断部415は、エンジンメモリ52に記憶された車台番号と、セットアップ処理により車載器メモリ31bに記憶された車台番号とを比較することで、通信用車載器3が不正使用されているか否かを判断している。これに代えて変形例8では、車両50に固有の情報を用いて不正使用を判断してもよい。ここで車両50に固有の情報は、その車両50のみが持っている情報であり、例えば車両50のナンバーを示す登録番号等である。例えば、車両50の製造時又は車検時にエンジンメモリ52に車両登録番号を記憶させ、セットアップ処理時に車載器メモリ31bに暗号化セットアップ情報の一部として登録番号を記憶させる。これにより不正使用判断部415は、エンジンメモリ52に記憶された車両登録番号と、車載器メモリ31bに記憶された車両登録番号とを比較することで、通信用車載器3が不正使用されているか否かを判断することができる。
【符号の説明】
【0089】
1 書き込み装置、 100 セットアップ支援システム、 11 読み取り部、 12 情報書き込み部、 13 通信部、 2 情報発行装置、 3 通信用車載器、 31、41 セットアップ支援装置、 31b 車載器記憶部、 33、42 表示部、 413、913 情報取得部、 414 未実施状態判断部、 415 不正使用判断部、 416、916 表示処理部、 5 制御装置、 50 車両、 52、92 制御装置記憶部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8