(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記地点における前記少なくとも1つの他の車両に乗った前記対応する個人の数の決定、及び、前記少なくとも1つの他の車両が前記地点に滞在した前記期間の決定の少なくとも1つに応じて、当該車両が前記地点を出発する時間が予測される、
請求項6に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
急速な経済発展と交通渋滞のますます深刻な問題により、例えばバス事業者などの輸送事業者にとって、都市交通渋滞の問題を効果的に解決することはますます困難になっている。さらに、都市化は、都市部の輸送サービスに課題を突き付けている。そのような例の1つは、バス事業者が、サービスの品質、信頼性を改善し、さらに効率を維持する必要があることである。
【0003】
輸送サービスの運行時間(trip time)には、バス停間の移動時間(travel time)及び全てのバス停での滞在時間(dwell time)が含まれる。運行時間の予測(例えば移動時間及び滞在時間の両方)は、バス事業者にとって重要であり、それによって遅延及び予期せぬ高需要のリスクを回避できる。滞在時間は、バスがバス停に滞在する期間である。
【0004】
従来、APC(Automated Passenger Counting;自動旅客計数)システムまたはAFC(Automatic Fair Collection;自動料金収受)システムは、乗客数に基づいて滞在時間を予測するために使用されている。APCシステムは、全てのバス停で乗車および降車する乗客の数をカウントする電子機器である。一方、AFCシステムは、公共交通機関のネットワークの発券システムを自動化するコンポーネントを集めたものであり、これは、手動での料金収受の自動化バージョンである。通常、AFCシステムは統合された発券の基盤である。両方のシステムは、乗客の数を数えることを目的としている。しかしながら、より多くの乗客が常により多くの滞在時間を引き起こすわけではない。
【0005】
図1Aは、上流のバス停(または特定のバス停の前に位置するバス停)における、AVL(Automatic Vehicle Location;自動車両位置特定)、APCおよび滞在時間データに基づく従来の技術によって得られた結果100を示す。
図1Aに示す結果は、以下の式によって取得され得る。
【数1】
t
up,t
down:1人がバスに乗降する時間
N
up,N
down:バスに乗降する乗客の数
N
T/C:車両の積載率(つまり乗客の総数を定員で割った値)
a,b:係数
【0006】
図1Aは、さまざまなバス停における各車両に必要な滞在時間を示している。線102は、停留所nおよび停留所n+1における車両kの滞在時間を表す。線104は、停留所nおよび停留所n+1における車両k+1の滞在時間を表す。
図1Aに示されているように、乗客が増えても滞在時間が常に長くなるわけではない。
【0007】
図1Bは、3次元自動旅客カウンタ(automatic passenger counter)(または「3D APC」)のそのような従来技術の1つを利用する従来システム150のブロック図を示す。自動乗客カウンタ(APC)152は、3Dビデオカメラシステム156とともに使用され、乗客がグループでバスを出入りする際に、乗客の身長と輪郭をスキャンし、個々のカウントを実行する。APC152は、バッグと乗客との形状の違いを伝えることもでき、これにより、バスの自動乗客カウンタの信頼性が大幅に向上する。日付情報は、オンボードAVLプロセッサ154に送信されてディスプレイ158に表示される。このデータは、連続する(successive)バス停での滞在時間を予測するのに役立つ。しかしながら、この方法は、上流のバス停の滞在時間が長いほど、次のバス停の滞在時間が長くなることを想定している。つまり、この手法はバス内の現在の状況を反映していないため、予測は正確ではない。さらに、
図1Aおよび
図1Bに示されているこれらの手法の問題の1つは、バス内の混雑レベル(crowd level)を考慮していないことである。
【0008】
したがって、上記の問題の1つまたは複数に対処する車両を適応的に管理する方法を提供する必要がある。
【0009】
さらに、他の望ましい特徴及び特性は、本開示の添付の図面及び上述の背景と共に、以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲を参照することによって明らかになるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様において、輸送事業者によって運営される車両を適応的に管理するための方法が提供され、前記方法は、プロセッサによって、前記車両が到着した地点における当該車両に関するエリアを決定し、前記プロセッサによって、決定された前記エリア内にいる個人の数を決定し、前記プロセッサによって、決定された前記エリア内にいる前記個人の数の決定に応じて、当該車両が前記地点を出発する時間を予測する。
【0011】
一実施形態において、個人の数を決定することは、前記個人の数に関する入力を受信することを含み、前記入力は、画像キャプチャデバイス、圧力センサ、温度センサ、及びモーションセンサの少なくとも1つから送信された入力であり、前記個人の数は、前記入力を受信することに応じて決定される。
【0012】
一実施形態において、当該車両が前記地点を出発する時間を予測することは、前記プロセッサによって、当該車両に関する履歴データであって、少なくとも1つの他の車両によってなされた複数のルート運行に関連する履歴データを検索することと、前記プロセッサによって、検索された前記履歴データを解析することと、を含み、当該車両が前記地点を出発する時間は、検索された前記履歴データを解析することに応じて予測される。
【0013】
一実施形態において、検索された前記履歴データを解析することは、前記プロセッサによって、前記地点における前記少なくとも1つの車両の対応する到着時間を検索することと、前記プロセッサによって、前記地点における前記少なくとも1つの車両の対応する出発時間を検索することと、前記プロセッサによって、前記対応する到着時間及び前記対応する出発時間の検索に応じて、前記少なくとも1つの他の車両が前記地点に滞在した期間を決定することと、を含む。
【0014】
一実施形態において、検索された前記履歴データを解析することは、前記プロセッサによって、前記地点において前記少なくとも1つの他の車両に乗った前記個人に関連するトランザクション履歴データを検索すること、を含む。
【0015】
一実施形態において、検索された前記履歴データを解析することは、前記プロセッサによって、前記トランザクション履歴データの検索に応じて、前記地点において前記少なくとも1つの他の車両に乗った対応する個人の数を決定すること、を含む。
【0016】
一実施形態において、前記地点における前記少なくとも1つの他の車両に乗った前記対応する個人の数の決定、及び、前記少なくとも1つの他の車両が前記地点に滞在した前記期間の決定の少なくとも1つに応じて、当該車両が前記地点を出発する時間が予測される。
【0017】
一実施形態において、プロセッサによって、当該車両が到着した地点における当該車両に関する決定された前記エリアを決定することは、前記プロセッサによって、車両上のエリアであって、前記個人が当該車両に乗り降りできるエリアに関するエリアを特定すること、を含む。
【0018】
一実施形態において、前記プロセッサによって、決定された前記エリア内にいる前記個人の数の決定に応じて当該車両が前記地点を出発する時間を予測することは、前記プロセッサによって、到着時間及び当該車両が前記地点を出発すると予測される時間に応じて、当該車両が前記地点に滞在すると予測される期間を決定することと、前記プロセッサによって、当該車両が前記地点に滞在すると予測される期間が閾値期間を超えるか否かを判定することと、を含む。
【0019】
一実施形態において、当該車両が前記地点に滞在すると予測される期間が閾値期間を下回ると判定された場合に、前記プロセッサによって、通知を送信する。
【0020】
第2の態様において、輸送事業者によって運営される車両を適応的に管理するための装置であって、前記装置は、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、
を有し、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサによって、少なくとも、
前記車両が到着した地点における当該車両に関するエリアを決定することと、
決定された前記エリア内にいる個人の数を決定することと、
決定された前記エリア内にいる前記個人の数の決定に応じて、当該車両が前記地点を出発する時間を予測すること、
を、前記装置に行わせるように構成されている。
【0021】
一実施形態において、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、さらに、
前記個人の数に関する入力を受信する、ように構成されており、前記入力は、画像キャプチャデバイス、圧力センサ、温度センサ、及びモーションセンサの少なくとも1つから送信された入力であり、前記個人の数は、前記入力を受信することに応じて決定される。
【0022】
一実施形態において、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、さらに、
当該車両に関する履歴データであって、少なくとも1つの他の車両によってなされた複数のルート運行に関連する履歴データを検索し、
前記プロセッサによって、検索された前記履歴データを解析する、
ように構成されており、
当該車両が前記地点を出発する時間は、検索された前記履歴データを解析することに応じて予測される。
【0023】
一実施形態において、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、さらに、
前記地点における前記少なくとも1つの車両の対応する到着時間を検索し、
前記地点における前記少なくとも1つの車両の対応する出発時間を検索し、
前記対応する到着時間及び前記対応する出発時間の検索に応じて、前記少なくとも1つの他の車両が前記地点に滞在した期間を決定する、
ように構成されている。
【0024】
一実施形態において、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、さらに、
前記地点において前記少なくとも1つの他の車両に乗った前記個人に関連するトランザクション履歴データを検索する、
ように構成されている。
【0025】
一実施形態において、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、さらに、
前記トランザクション履歴データの検索に応じて、前記地点において前記少なくとも1つの他の車両に乗った対応する個人の数を決定する、
ように構成されている。
【0026】
一実施形態において、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、さらに、
当該車両が前記地点を出発する時間を、前記地点における前記少なくとも1つの他の車両に乗った前記対応する個人の数の決定、及び、前記少なくとも1つの他の車両が前記地点に滞在した前記期間の決定の少なくとも1つに応じて、予測する、
ように構成されている。
【0027】
一実施形態において、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、さらに、
車両上のエリアであって、前記個人が当該車両に乗り降りできるエリアに関するエリアを特定する、
ように構成されている。
【0028】
一実施形態において、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、さらに、
到着時間及び当該車両が前記地点を出発すると予測される時間に応じて、当該車両が前記地点に滞在すると予測される期間を決定し、
当該車両が前記地点に滞在すると予測される期間が閾値期間を超えるか否かを判定する、
ように構成されている。
【0029】
一実施形態において、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、さらに、
当該車両が前記地点に滞在すると予測される期間が閾値期間を下回ると判定された場合に、通知を送信する、
ように構成されている。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の例としての実施形態を、図面を参照して説明する。図面中の同様の参照番号及び記号は同様の要素又は同等物を示す。
【0044】
以下の説明の一部は、コンピュータメモリ内のデータに対するアルゴリズム及び、演算の機能的又は記号的な表現に対して明示的又は暗黙的に示される。これらのアルゴリズム的記述及び機能的又は記号的表現は、データ処理技術の当業者が、彼らの作業の内容を他の当業者に最も効果的に伝えるために使用する手段である。ここで、アルゴリズムは、一般的には、所望の結果を導く工程の自己矛盾の無いシーケンスであるとみなされる。工程(ステップ)は、記憶、転送、結合、比較、及び他の方法での操作が可能な電気信号、磁気信号、又は光信号などの物理量の物理的操作を必要とする工程である。
【0045】
特に明記されない限り、また以下から明らかなように、本明細書を通して、「受信(receiving)」、「計算(calculating)」、「決定(determining)」、「更新(updating)」、「生成(generating)」、「初期化(initializing)」、「出力(outputting)」、「受信(receiving)」、「検索(読み出し)(retrieving)」、「特定(identifying)」、「分散(dispersing)」、「認証(authenticating)」等の用語を利用する記載は、コンピュータシステム内の物理量として表されるデータを、コンピュータシステム又は他の情報記憶、伝送又は表示装置内の物理量として同様に表される他のデータに操作及び変換する、コンピュータシステム又は同様の電子装置の動作及び処理を意味する。
【0046】
本明細書はまた、方法の動作を実行するための装置を開示する。そのような装置は必要な目的のために特別に構成されてもよいし、又はコンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に起動又は再構成されるコンピュータ又は他の装置を含んでもよい。ここで示されるアルゴリズム及びディスプレイは、いかなる特定のコンピュータ又は他の装置にも本質的に関連付けられるものではない。本明細書の教示に従ったプログラムと共に多様な機械を使用することができる。あるいは、必要な方法の工程を実行するための、より特化された装置の構成が適当である場合もある。コンピュータの構造は、以下の説明から明らかになるだろう。
【0047】
さらに、本明細書はまた、コンピュータプログラムも暗黙的に開示し、そこにおいて、ここに記載される方法の個々の工程がコンピュータコードによって実施されてもよいことは当業者には明らかであるだろう。コンピュータプログラムは特定のプログラミング言語及びその実施に限定されるものではない。本明細書に含まれる開示の教示を実施するために、多様なプログラミング言語及びそのコーディングを使用できることが理解されるだろう。さらに、コンピュータプログラムは特定の制御フローに限定されるものではない。本発明の意図又は範囲から逸脱することなく異なる制御フローを使用することができるコンピュータプログラムの、他の多くの変形が存在する。
【0048】
さらに、コンピュータプログラムの1つ以上の工程は、順次的ではなく、並列的に実行されてもよい。そのようなコンピュータプログラムは任意のコンピュータ可読媒体に格納されてもよい。コンピュータ可読媒体は、磁気ディスク又は光ディスク、メモリチップ、又はコンピュータとのインターフェースに適した他の記憶装置などの記憶装置を含むことができる。コンピュータ可読媒体はまた、インターネットシステムに代表されるような有線の媒体、又はGSM(登録商標)移動電話システムに代表されるようなワイヤレスの媒体を含んでもよい。そのようなコンピュータにロードされて実行されるコンピュータプログラムは、好ましい方法の工程を実施する装置を効果的にもたらす。
【0049】
本発明の様々な実施形態は、車両を適応的に管理するための方法および装置に関する。一実施形態では、方法および装置は、決定されたエリア内の個人の数を決定し、決定されたエリア内にいる個人の決定に応じて車両がその地点を出発する時間を予測する。
【0050】
図2は、実施形態にかかる、適応的に管理される車両内のシステム200のブロック図を示す。
【0051】
図2を参照すると、プロセスの提供は、少なくとも1つのセンサ210に動作可能に(operationally)結合された装置202を含む。各センサ210は、(i)車両が到着した地点における車両に関するエリア、及び、(ii)その決定されたエリア内の個人の数(a number of individuals)、に関する入力の少なくとも1つを検出するように構成されている。センサ210は、とりわけ、画像キャプチャデバイス、圧力センサ、温度センサ、及びモーションセンサを含んでもよい。装置202は、センサ210によって検出された入力を、直接的に、又は送信機を介して間接的に受信するように構成されている。
【0052】
センサ210は、装置202との適切なプロトコルを使用した無線通信が可能である。例えば、実施形態は、ワイファイ(WiFi)(登録商標)/ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)対応装置202と通信可能なセンサ210を使用して実施されてもよい。使用される無線通信プロトコルに応じて、センサ210と装置202との間の通信を確立するために適切なハンドシェーク手順を実行する必要があることが当業者には理解されるだろう。例えば、ブルートゥース通信の場合、通信を確立するためにセンサ210と装置202のディスカバリ及びペアリングが行われてもよい。
【0053】
例として、車両がある地点に到着すると、その地点に位置するセンサ210で到着時刻が検出され得る。到着時刻は、車両がその地点に到着したことに応じて記録されてもよい。言い換えると、到着時間は、その地点での車両の滞在時間の開始に関連する。その地点のセンサ210はまた、車両がその地点を離れる又は出発する出発時間を記録するように構成されてもよい。車両がその地点に滞在する期間が、滞在時間である。滞在時間は、車両がある地点に滞在する期間を意味し、その地点の車両の到着時間及び出発時間に基づいて決定され得る。
【0054】
本明細書における様々な実施形態について、車両が地点を出発する時間は、その地点における車両に関連するエリアの決定および決定されたエリア内にいる個人の数の決定に基づいて予測され得る。その地点における車両に関連するエリアの決定および決定されたエリア内にいる個人の数の決定は、装置202がセンサ210から受け取る入力に応じて実行されてもよい。
【0055】
装置202は、プロセッサ204及びメモリ206を備えてもよい。本発明の実施形態では、メモリ206およびコンピュータプログラムコードは、プロセッサ204によって、装置202に、車両が到着した地点で車両に関連するエリアを決定させ、決定されたエリア内にいる個人の数を決定させ、決定されたエリア内にいる個人の数の決定に応じて、車両がその地点を出発する時間を予測させるように構成されている。
【0056】
装置202は、サーバ(例えば、以下の
図4の滞在時間予測サーバ416)であってもよい。本発明の実施形態において、用語「サーバ」の使用は、単一の計算装置、又は少なくとも特定の機能を実行するために協働する、相互接続された計算装置のコンピュータネットワークを意味してもよい。言い換えると、サーバは、単一のハードウェア装置内に含まれていてもよいし、あるいは複数又は多数の異なるハードウェア装置間に分散されていてもよい。
【0057】
そのようなサーバは、
図3に示される方法300を実施するために使用されてもよい。
図3は本発明の実施形態にかかる、輸送事業者によって運営される(administered)車両を適応的に管理する方法300を示すフローチャートを示す。
【0058】
大都市圏での頻繁なバスの運用は、バス停での超過待ち時間(EWT(Excess Waiting Time))を減らすことにより、乗客に信頼できるサービスを提供することが期待されている。ロンドンやシンガポール等の大都市では、バス事業者は乗客のEWTを減らすことができた場合には金銭的な優遇措置を受け、削減できなかった場合には反則金を受ける。しかしながら、バスの数珠繋ぎ状態を防止することによりバスの運用の規則性を最適化することは、計算的に解決困難な問題であり、バス事業者は、毎日のバスのルート運行(bus trips)を最適な方法でスケジュールすることができない。そのため、輸送事業者(又はバス事業者)は、彼らの運用を管理するために、停留所への配車や停留所でのバスの待機等の運用制御方策(operational control measures)を十分に活用することなく、自社のノウハウ(in-house expertise)に頼っている。研究では、「車内循環(in-vehicle circulation)」が滞在時間に影響する要因の1つであることが示されている。本発明の実施形態により、搭乗/降車時間に非常に関連する車両内の通路(例えば、決定されたエリア)に沿った混雑レベル(例えば、個人の数)を決定することが可能になる。群衆の全員が車両に乗り降りする時間は、車両の滞在時間に影響を及ぼす。
【0059】
したがって、本発明の実施形態は、搭乗/降車時間に非常に関連する、決定されたエリア内の混雑レベルに基づいて車両がその地点を離れると予想される時間を予測することにより、輸送事業者によって運営される車両を有利に適応的に管理することを可能にする。車両が予想よりも後にその地点を出発すると予測される場合、輸送事業者に通知が送信され、それによって、予測される遅延を考慮して、輸送事業者が全体の操作を適応的に管理できるようになる(例えば、予定よりも早く車両を発送する)。これは、さまざまな実施形態が、搭乗/降車時間に非常に関連する決定されたエリアの混雑レベルに基づいて、ある地点での車両のより正確な滞在時間を決定することによって、可能になる。対照的に、従来の技術では、搭乗/降車する乗客の数のみを考慮している。
【0060】
概略的に述べると、方法300は、以下の工程(ステップ)を含む。
【0061】
ステップ302:プロセッサによって、車両が到着した地点における車両に関連するエリアを決定する。
【0062】
ステップ304:プロセッサによって、決定されたエリア内にいる個人の数(a number of individuals)を決定する。
【0063】
ステップ306:プロセッサによって、決定されたエリア内にいる個人の数の決定に応じて、車両がその地点を出発する時間を予測する。
【0064】
ステップ302において、輸送事業者によって運営される車両を適応的に管理する方法300は、車両上のエリアを特定(identifying)することを含む。ここで、エリアは、個人(例えば乗客)が乗車又は降車できるエリアである。エリアの例には、とりわけ、車両(バスなど)の通路が含まれる。その他には、エリアは、車内循環(in-vehicle circulation)に関連するエリアである。追加または代替として、エリアは、車両が到着した地点に位置するエリアであってもよい。例えば、エリアは、車両に乗るために個人が列を作ることができる地点で定義されたエリアであり得る。そのようなエリアの例には、とりわけ、特定のバスに乗りたい乗客のために指定されたバス停にあるエリアが含まれる。一例では、ステップ302で、画像キャプチャ装置を使用して、車両に関連するエリアを決定することができる。
【0065】
ステップ304において、決定されたエリア内にいる個人の数を決定する目的で、個人の数に関する入力が受信されてもよい。ここで、入力は、画像キャプチャデバイス、圧力センサ、温度センサ、モーションセンサの少なくとも1つから送信される入力である。例えば、対応するセンサを車両のドアに配置して、決定されたエリアをスキャンし、その決定されたエリア内の個人の動きを検出して、個人のカウントを実行してもよい。追加的または代替的に、対応する圧力センサを決定された領域の座席に配置して、これらの座席に座っている個人の存在を検出して、個人のカウントを実行してもよい。
【0066】
ステップ306において、車両がその地点を出発する時間を予測するステップは、車両に関連する履歴データを検索する(読み出す)ことを含む。履歴データは、少なくとも1つの他の車両によって行われた複数のルート運行に関連する。以下の説明では、実施形態の様々なステップで適応的に管理されている車両は「当該車両(the vehicle)」と呼ばれ、これは、当該車両にスケジュールされている類似または同じルートを走行し終えた(complete)車両である「少なくとも1つの他の車両」と区別されることを意味する。
【0067】
履歴データの例には、とりわけ、トランザクション履歴データ(historical transaction data)および滞在時間履歴(historical dwell time)が含まれる。少なくとも1つの車両は、当該車両がスケジュールされているルートと同様のルートを終了した車両である。ステップ306で、検索された履歴データが解析される。追加的または代替的に、検索された履歴データを解析するステップに応じて、当該車両が地点を出発する時間が予測される。
【0068】
ステップ306において、この方法は、その地点での少なくとも1つの車両の対応する到着時間を検索することを含む。すなわち、この方法は、履歴データから、少なくとも1つの車両がその地点に到着した到着時刻を検索することを含む。同様に、この方法は、その地点での少なくとも1つの車両の対応する出発時間を検索することを含む。すなわち、この方法は、履歴データから、少なくとも1つの車両がその地点に到着した到着時刻を検索することを含む。すなわち、この方法は、履歴データから、少なくとも1つの車両がその地点に到着した出発時刻を取得することを含む。さらに、この方法は、履歴データを解析して、その地点における少なくとも1つの車両の対応する到着時間及び対応する出発時間の検索に応じて、少なくとも1つの他の車両がその地点に滞在した期間を決定することを含む。言い換えれば、滞在時間履歴は、その地点における対応する検索された到着時間と対応する出発時間とに基づいて少なくとも1つの車両がその地点で過ごした時間であると決定され得る期間である。加えて、この方法は、その地点で少なくとも1つの他の車両を乗り降りした対応する個人の数を決定することを含む。その地点で少なくとも1つの他の車両を乗り降りした対応する個人の数を決定するために、例えば、圧力センサや温度センサからの対応する入力が検索されてもよい。あるいは、少なくとも1つの車両に関連するトランザクション履歴データが検索される。トランザクション履歴データは、車両に乗るために個人が支払った料金に関連する。したがって、検索されたトランザクション履歴データを使用して、その地点で少なくとも1つの他の車両に乗った対応する個人の数を決定してもよい。
【0069】
ステップ306において、車両がその地点を出発する時間は、ステップ306で取られたステップに基づいて決定されてもよい。つまり、この方法は、ステップ306の学習データに応じて予測を行う。一実施形態では、ステップ306において、この方法は、まず、決定されたエリア内の個人の決定に応じて、車両がその地点から出発する時間を予測する。たとえば、0.5平方メートルのエリアに10人の個人がいると判断され、同様のルートをとった少なくとも1つの他の車両が、その地点で120秒要したとする。ステップ306で、方法は、履歴データに応じて車両がその地点に滞在すると予測される期間を決定してもよい。追加的または代替的に、この方法は、まず、車両の到着時間を示す入力を受信し、予測される出発時間に応じて車両がその地点に滞在し得る期間を決定してもよい。
【0070】
さらに、ステップ306において、方法は、車両がその地点に滞在すると予測される期間が閾値期間を超えるか否かを判定することを、さらに含んでもよい。すなわち、この方法は、車両がその特定の地点で、予想よりも長い時間、例えば、より長い滞在時間を費やすことになるか否かをさらに判定してもよい。車両の滞在時間が予想よりも長いと判断された場合は、通知が輸送事業者に送信されてもよい。有利なことに、これは、輸送事業者が保有する車両の効率を適応的に管理するのに役立つ。たとえば、車両がその地点でより長い滞在時間をとると予測される場合、輸送事業者は、同じルートを取るようにスケジュールされている他の車両の到着時間または出発時間を調整して、需要(demand)をより適切に管理し、他の地点での過度な待機時間を削減するようにしてもよい。
【0071】
図4A〜
図4Cは、本発明の実施形態によって車両がどのように適応的に管理されるかに関する例を示す。
図4Aは、ある地点での車両の滞在時間を検出する第1のステップを示している。システム400は、車両を適応的に管理するための滞在時間予測モデル415を介して乗客乗車/降車モデル414及び滞在時間予測モデル作成サーバ412に動作可能に結合された滞在時間予測サーバ416を有する。
【0072】
滞在時間予測サーバ416は、典型的には、輸送事業者、または対象の(target)輸送事業者の効率を最適化している団体(party)に関連付けられている。輸送事業者は、車両(バスなど)を運営する(例えば管理する)するエンティティ(企業又は組織など)であってもよい。上記で述べたように、滞在時間予測サーバ416は、他のデバイス(たとえばセンサ)とメッセージを交換すること及び/又は他のデバイスに情報を渡すことによって、他のサーバとの通信を確立するために使用される、1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0073】
滞在時間予測サーバ416は、滞在時間予測モデル415から情報を検索するように構成され得る。滞在時間予測モデル415は、滞在時間予測モデル作成サーバ412から入力を受け取る。一実施形態では、滞在時間予測サーバ416は、滞在時間を予測するための出力を出力するために、滞在時間予測モデル415から入力を取得するように構成されている。言い換えれば、滞在時間予測モデル415は、履歴データ及びモデル(例えば、402、404、410および412)が滞在時間予測モデル作成サーバ412における入力として受信されることに応じて生成される出力に向けられている。
図7に詳細を示す。出力は、当該車両が地点を離れる予測時間であってもよい。出力は、それが予想(expectation)420内にあるか否かを判断するために使用されてもよい。すなわち、当該車両がスケジュール通りか否かを判断するために出力が処理されてもよい。出力が予想420内にないと判定された場合、出力が閾値を超えているか否かを判定するために出力がさらに処理されてもよい。言い換えると、長期滞在時間検出(long dwell time detection)422を介して滞在時間が予想よりも長いか否かを判定するために、出力がさらに処理される。滞在時間が422で予想よりも長いと判定された場合、通知424が生成されてもよい。
【0074】
滞在時間予測モデル作成サーバ412は、対応するデータベース402からのトランザクション履歴データと、対応するデータベース404からの履歴時間データと、対応するデータベース410からの各エリアの混雑レベルに関する情報との受信に応じて、車両に乗り降りする個人を予測するモデルを出力するように構成されたものである。データベース410に含まれる履歴データの例が表436に示されており、これは、各地点(例えばバス停)の各エリアにいる個人(または人々)の数を示している。
【0075】
対応するデータベース402からのトランザクション履歴データは、AFCシステム430を介して取得されてもよく、乗客乗車/降車モデル414に送信されてもよい。対応するデータベース404からの時間履歴データは、ある地点で滞在検出406によって取得される入力によって取得されてもよい。データベース404に含まれる履歴データの例は、表434に示されており、これは、各ルート運行についての各地点(例えばバス停)での滞在時間を示している。滞在検出406において、テレマティクス428を介して入力を取得されてもよく、テレマティクス428は、電気通信、車両技術、道路輸送、道路安全、電気工学(センサ、計装、無線通信など)、およびコンピューターサイエンス(マルチメディア、インターネットなど)を包含する学際的な分野である。データベース402に含まれる履歴データの例が表432に示されており、これは、各地点(例えばバス停)で乗り降りする個人(または人々)の数を示す。
【0076】
他の関連するデータ入力426とともに滞在検出406からの出力は、混雑推定モジュール408において入力として受信されてもよい。他の関連データ入力426は、とりわけ、ピーク時間、天気、休日、および、ある地点(バス停など)にいる個人の数に影響を及ぼし得るデータを含む。混雑推定モジュール408は、出力として個人(または群衆)の数を推定するように構成される。混雑推定モジュール408からの出力は、滞在時間予測モデル作成サーバ412で入力として受信される。
【0077】
図4Bは、滞在時間及び混雑レベルに関する履歴データを使用して滞在時間予測モデルを作成する第2のステップを示す。すなわち、438に示されるように、特定の時間tにバスに乗り降りする乗客の数は、対応するデータベース402から検索され、乗客乗車/降車モデル414に送信される。時間tは、当該車両がスケジュールされたルート運行で移動する時点である。次いで、乗客乗車/降車モデル414は、滞在時間予測モデル作成サーバ412に送信される、時間tに乗車/降車する乗客の数(例えば、Nb(t)、Na(t))の出力を生成するように構成されている。時間tにおける滞在時間は、対応するデータベース404から検索され、時間tにおけるエリア1およびエリア2の混雑レベルはそれぞれ対応するデータベース410から検索され、両方が滞在時間予測モデル作成サーバ412に送信される。乗車/降車についての一定時間Tb,Ta、学習関数DT(t,ca1,ca2)=Max{fa1(ca1)*Tb*Nb(t)+fa1(ca1)*Ta*Na(t)*Pa1,fa2(ca2)*Ta*Na(t)*Pa2}は、滞在時間予測モデル作成サーバ412で取得されてもよい。
【0078】
図4Cは、リアルタイムの混雑レベルのデータを備えた
図4Bで構築されたモデルに基づいて、次の地点の滞在時間を予測する第3のステップを示す。まず、関連するエリアである、エリア1およびエリア2が決定される。一実施形態では、混雑推定モジュール408で、エリア1およびエリア2の混雑レベルが、時間tで決定される(例えば、ca1(t)、ca2(t))。対応するデータベース402から、エリア1またはエリア2から降車する乗客の確率(例えば、Pa1,Pa2)が検索される。したがって、時間tで乗車または降車する乗客の数(例えば、Nb(t)、Na(t))は、入力として滞在時間予測モデル415に送信される乗客乗車/降車モデル414で決定されてもよい。滞在時間予測モデル41では、混雑レベルに起因する重み関数(例えば、fa1(x)、fa2(x))、及び、乗車または降車のための一定時間(例えば、Tb、Ta)が決定され、これらは、滞在時間予測サーバ416において、次の地点の滞在時間の予測に使用される(たとえば、DT(t,ca1,ca2)=Max{fa1(ca1)*Tb*Nb(t)+fa1(ca1)*Ta*Na(t)*Pa1,fa2(ca2)*Ta*Na(t)*Pa2})。
【0079】
図5は、本発明の実施形態によって滞在時間予測モデルがどのように構築され得るかを示す。一例では、
図4Bに示されるように、滞在時間予測モデル作成サーバ412は、ステップ2に従ってモデルを構築するために使用される。ステップ502で、輸送事業者によって計画されたように、車両(例えばバス)はそのルート運行(例えば、表432に示されるT1010)を開始する。ステップ514では、様々なエリア、例えばエリア1およびエリア2での個人の数(または混雑レベル)が推定される。ステップ504で、当該車両があるバス停(またはある地点)に到着したか否かが判定される。当該車両があるバス停に到着したと判断された場合、そのバス停での滞在時間の監視を開始する。バス停での滞在時間の監視の開始は、そのバス停でのバスの到着時間の検出でもあり得る。ステップ508で、当該車両を乗り降りする個人の数をカウントする。ステップ508では、この目的のためにAFCシステムを使用してもよい。ステップ510では、当該車両がそのバス停から出発したか否かを判定する。当該車両がバス停から出発したと判断された場合、ステップ512でバス停での滞在時間を算出する。バス停での滞在時間の監視の終了は、そのバス停でのバスの出発時間の検出でもあり得る。ステップ516で、ルート運行が終了したか否かが判定される。同様に、ステップ504で当該車両がバス停に到着していないと判断された場合、ステップ516に進み、ルート運行が終了したか否かを判断する。516でルート運行が終了したと判断された場合、ステップ519でデータが提出される。プロセスはステップ520で終了する。
【0080】
図6は、滞在時間予測モデルから得られた表600を示す。すなわち、表600は、滞在時間予測モデル作成サーバ412から取得され得るトレーニングデータを示す。上記のように、滞在時間予測モデル作成サーバ412は、対象のバス停での滞在時間を予測するため、滞在時間予測モデル415から入力を受信するように構成される。滞在時間予測モデル作成サーバ412への入力は、滞在時間予測モデル415での履歴データおよびモデル(例えば、402、404、410および412)の受信に応じて生成される。表600は、予測モデルが、対応するルート運行、対象のバス停又はタイムスタンプ(例えば、T101、S1、2017年4月4日午前8:02)について作成され得ることを示す。表600に示すように、前のバス停でバスに乗り込んだ乗客の数および前のバス停で降車した乗客の数は、対応するデータベース402から取得され得る。対応するデータベース404から様々なエリアの混雑レベルが取得されてもよい。混雑レベルは、エリアごとの個人の数であってもよい。TripID T101のインデックス1に示されているように、エリア1での混雑インデックス(例えば10.4)およびエリア2での混雑インデックス(8.8)が高いほど、対象のバス停での滞在時間(120秒など)が長くなることが予測される。ここで、対象のバス停は、インデックス1のS1である。対象のバス停は、滞在時間の決定または滞在時間の予測に重要であると輸送事業者または役所によって決定されたものであってもよい。
図6は、滞在時間予測モデル作成サーバ412から出力、予測滞在時間がどのように生成されるかを説明しているが、滞在時間予測モデル作成サーバ412から別の出力Cも生成されてもよい。
【0081】
図7は、混雑レベルにより、滞在時間予測モデル41から得られる重み関数(fa1(x),fa2(x))に応答して得られるグラフを示す。すなわち、
図7は、滞在時間予測モデル作成サーバ412が履歴データを使用して学習する方法の例を示している。グラフは、パラメータxに対するfa1(x)を示し、ここで、xは(エリアa1/a2の混雑レベル)であり、(fa1(x)はエリア1の混雑レベルの関数を表し、(fa2(x))はエリア2の混雑レベルの関数を示す。
【0082】
図8は、2つの例を使用した従来技術と実施形態との比較を示している。第1の例802および第2の例804では、当該車両上の個人(または乗客)の数は同じである。しかしながら、第1の例802では、ドア806、808または乗車/降車に関連するエリアにいる個人の数は、第2の例804における数よりも少ない。
図1Aに示されるような従来の技術が使用される場合、第1の例802と第2の例804とで得られる滞在時間は同じとなるが、これは、AVLまたはAPCによる予測では、定義されたエリアの混雑レベルが考慮されないからである。
図1Bに示すような従来の手法が使用される場合、滞在時間は前のバス停の滞在時間に基づいており、当該車両に乗っている個人の数とは無関係である。しかしながら、様々な実施形態によれば、第1の例802の滞在時間は、乗車または降車のための主要エリアにそれほど多くの個人がいないため、短いと決定される。すなわち、第2の例804の滞在時間は、乗車または降車のための主要エリアにより多くの個人がいるので、長いと決定される。したがって、本発明の実施形態は、滞在時間のより正確な予測を有利に提供し、それにより車両を適応的に管理することが理解できよう。
【0083】
図9は例としての計算装置900を示し、それはコンピュータシステム900と呼ばれることもあり、1つ以上のそのような計算装置900が
図3の方法を実行するために使用されてもよい。例としての計算装置900は、
図2及び
図4に示されるシステム200,400を実施するために使用されてもよい。計算装置900の以下の説明は、単なる例としてのものであり、限定することを意図したものではない。
【0084】
図9に示されるように、例としての計算装置900は、ソフトウェアルーチンを実行するためのプロセッサ907を含む。明確性のために単一のプロセッサが示されているが、計算装置900はマルチプロセッサシステムを含んでもよい。プロセッサ907は、計算装置900の他の構成要素と通信するための通信基幹設備906に接続されている。通信基幹設備906は、例えば、通信バス、クロスバー、又はネットワークを含んでもよい。
【0085】
計算装置900は、ランダムアクセスメモリ(RAM)等のメインメモリ908と、セカンダリメモリ910とをさらに含む。セカンダリメモリ910は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ又はハイブリッドドライブであってもよい記憶ドライブ912、及び/又は磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、ソリッドステート記憶ドライブ(USBフラッシュドライブ、フラッシュメモリデバイス、ソリッドステートドライブ、メモリカード等)等であってもよい着脱可能記憶ドライブ917を含んでもよい。着脱可能記憶ドライブ917は、周知の方法で着脱可能記憶媒体977から読み書きする。着脱可能記憶媒体977は、着脱可能記憶ドライブ917によって読み書きされる磁気テープ、光ディスク、不揮発性メモリ記憶媒体などを含んでもよい。当業者には理解されるように、着脱可能記憶媒体977は、コンピュータ実行可能プログラムコード命令及び/又はデータを記憶したコンピュータ可読記憶媒体を含む。
【0086】
他の実施形態において、セカンダリメモリ910は、コンピュータプログラム又は他の命令を計算装置900にロードすることを可能にする他の同様の手段を付加的又は代替的に含んでもよい。このような手段は、例えば、着脱可能記憶装置922及びインターフェース950を含んでもよい。着脱可能記憶装置922及びインターフェース950の例は、プログラムカートリッジ及びカートリッジインターフェース(ビデオゲーム機に搭載されているもの等)、着脱可能なメモリチップ(EPROMやPROM等)及び関連したソケット、着脱可能なソリッドステート記憶ドライブ(USBフラッシュドライブ、フラッシュメモリデバイス、ソリッドステートドライブ、メモリカード等)、及び他の着脱可能記憶装置922、及びソフトウェア及びデータを着脱可能記憶装置922からコンピュータシステム900に転送することを可能にするインターフェース950が含まれる。
【0087】
計算装置900はまた、少なくとも1つの通信インターフェース927を含む。通信インターフェース927は、ソフトウェア及びデータが通信経路927を介して計算装置900と外部装置との間で転送されることを可能にする。本発明の多様な実施形態において、通信インターフェース927は、計算装置900と、公共データ又はプライベートデータの通信ネットワーク等のデータ通信ネットワークとの間でデータを転送することを可能にする。通信インターフェース927は、異なる計算装置900が相互接続されたコンピュータネットワークの一部を形成する、そのような計算装置900間でデータを交換するために使用されてもよい。通信インターフェース927の例は、モデム、ネットワークインターフェース(イーサネット(登録商標)カード等)、通信ポート(シリアル、パラレル、プリンタ、GPIB、IEEE1394、RJ45、USB等)、関連する回路を有するアンテナ等を含んでもよい。通信インターフェース927は有線であってもよいし、無線であってもよい。通信インターフェース927を介して転送されるソフトウェア及びデータは、電子的、電磁的、光学的、又は通信インターフェース927によって受信され得る他の信号であってもよい信号の形式である。これらの信号は通信経路927を介して通信インターフェースに供給される。
【0088】
図9に示されるように、コンピューティング装置900はさらに、関連するディスプレイ950に画像を描写するための動作を実行するディスプレイインターフェース902と、関連するスピーカー957を介して音声コンテンツを再生するための動作を実行するオーディオインターフェース952とを含む。
【0089】
本明細書で使用される用語「コンピュータプログラム製品」は、部分的に、着脱可能記憶媒体977、着脱可能記憶装置922、記憶ドライブ912にインストールされたハードディスク、又は通信経路927(ワイヤレスリンク又はケーブル)を介して通信インターフェース927にソフトウェアを搬送する搬送波を意味してもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、記録された命令及び/又はデータを実行及び/又は処理のために計算装置900に提供する任意の非一時的な不揮発性の有形記憶媒体を意味する。このような記憶媒体の例には、磁気テープ、CD−ROM、DVD、Blu−ray(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ、ROM又は集積回路、ソリッドステート記憶ドライブ(USBフラッシュドライブ、フラッシュメモリデバイス、ソリッドステートドライブ、メモリカード等)、ハイブリッドドライブ、光磁気ディスク、又はPCMCIAカード等のコンピュータ読み取り可能カードが含まれ、これらのデバイスは計算装置900の内部に配置されても外部に配置されてもよい。計算装置900へのソフトウェア、アプリケーションプログラム、命令及び/又はデータの提供にも関わる、一時的又は無形のコンピュータ可読伝送媒体の例は、無線又は赤外線伝送チャネル、及び他のコンピュータ又はネットワーク装置へのネットワーク接続、及び電子メール伝送及びウェブサイト等に記録された情報を含むインターネット又はイントラネットを含む。
【0090】
コンピュータプログラム(コンピュータプログラムコードとも呼ばれる)はメインメモリ908及び/又はセカンダリメモリ910に格納される。コンピュータプログラムは通信インターフェース927を介して受信されてもよい。そのようなコンピュータプログラムは、実行されると、計算装置900が本明細書で説明する実施形態の1つ以上の特徴を実行することを可能にする。多様な実施形態において、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサ907が上述の実施形態の機能を実行することを可能にする。したがって、そのようなコンピュータプログラムはコンピュータシステム900のコントローラを意味する。
【0091】
ソフトウェアはコンピュータプログラム製品に格納されてもよく、着脱可能記憶ドライブ917、記憶ドライブ912、又はインターフェース950を使用して計算装置900にロードされてもよい。コンピュータプログラム製品は非一時的なコンピュータ可読媒体であってもよい。あるいは、コンピュータプログラム製品は通信経路927を介してコンピュータシステム900にダウンロードされてもよい。ソフトウェアは、プロセッサ907によって実行されると、
図3に示されるように、方法300を実行するために必要な動作を計算装置900に実行させる。
【0092】
図9の実施形態は、単に例として、システム200又は400の動作及び構造を説明するために示されている。したがって、いくつかの実施形態において、計算装置900の1つ以上の特徴が省略されてもよい。また、いくつかの実施形態において、計算装置900の1つ以上の特徴が組み合わされてもよい。さらに、いくつかの実施形態において、計算装置900の1つ又は複数の特徴は、1つ又は複数の構成部品に分割されてもよい。
【0093】
図9に示す要素は、上述の実施形態で説明したように、サーバの多様な機能及び動作を実行するための手段を提供するために機能する。
【0094】
計算装置900が輸送事業者の効率を最適化するように構成されている場合、計算システム900は、実行されると、該計算システム900に以下の工程を含む工程を実行させるアプリケーションが格納された、非一時的なコンピュータ可読媒体を備えてもよい。すなわち該工程は、車両が到着した地点で当該車両に関するエリアを決定すること、決定されたエリア内にいる個人の数を決定すること、及び、決定されたエリア内にいる個人の数の決定に応じて、当該車両がその地点を出発する時間を予測すること、を含む。
【0095】
概略的に説明された本発明の意図又は範囲から逸脱することなく、特定の実施形態に示されるように、本発明に対して多数の変形及び/又は修正を行うことができることは、当業者によって理解されるであろう。したがって、上述の実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではないとみなされる。
【0096】
例えば、上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
輸送事業者によって運営される車両を適応的に管理するための方法であって、
プロセッサによって、前記車両が到着した地点における当該車両に関するエリアを決定し、
前記プロセッサによって、決定された前記エリア内にいる個人の数を決定し、
前記プロセッサによって、決定された前記エリア内にいる前記個人の数の決定に応じて、当該車両が前記地点を出発する時間を予測する、
方法。
(付記2)
個人の数を決定することは、前記個人の数に関する入力を受信することを含み、
前記入力は、画像キャプチャデバイス、圧力センサ、温度センサ、及びモーションセンサの少なくとも1つから送信された入力であり、前記個人の数は、前記入力を受信することに応じて決定される、
付記1に記載の方法。
(付記3)
当該車両が前記地点を出発する時間を予測することは、
前記プロセッサによって、当該車両に関する履歴データであって、少なくとも1つの他の車両によってなされた複数のルート運行に関連する履歴データを検索することと、
前記プロセッサによって、検索された前記履歴データを解析することと、
を含み、
当該車両が前記地点を出発する時間は、検索された前記履歴データを解析することに応じて予測される、
付記1又は2に記載の方法。
(付記4)
検索された前記履歴データを解析することは、
前記プロセッサによって、前記地点における前記少なくとも1つの車両の対応する到着時間を検索することと、
前記プロセッサによって、前記地点における前記少なくとも1つの車両の対応する出発時間を検索することと、
前記プロセッサによって、前記対応する到着時間及び前記対応する出発時間の検索に応じて、前記少なくとも1つの他の車両が前記地点に滞在した期間を決定することと、
を含む、
付記3に記載の方法。
(付記5)
検索された前記履歴データを解析することは、
前記プロセッサによって、前記地点において前記少なくとも1つの他の車両に乗った前記個人に関連するトランザクション履歴データを検索すること、
を含む、
付記4に記載の方法。
(付記6)
検索された前記履歴データを解析することは、
前記プロセッサによって、前記トランザクション履歴データの検索に応じて、前記地点において前記少なくとも1つの他の車両に乗った対応する個人の数を決定すること、
を含む、
付記5に記載の方法。
(付記7)
前記地点における前記少なくとも1つの他の車両に乗った前記対応する個人の数の決定、及び、前記少なくとも1つの他の車両が前記地点に滞在した前記期間の決定の少なくとも1つに応じて予測される、
付記6に記載の方法。
(付記8)
プロセッサによって、当該車両が到着した地点における当該車両に関する決定された前記エリアを決定することは、
前記プロセッサによって、車両上のエリアであって、前記個人が当該車両に乗り降りできるエリアに関するエリアを特定すること、
を含む、
付記1から7のいずれか1項に記載の方法。
(付記9)
前記プロセッサによって、決定された前記エリア内にいる前記個人の数の決定に応じて当該車両が前記地点を出発する時間を予測することは、
前記プロセッサによって、到着時間及び当該車両が前記地点を出発すると予測される時間に応じて、当該車両が前記地点に滞在すると予測される期間を決定することと、
前記プロセッサによって、当該車両が前記地点に滞在すると予測される期間が閾値期間を超えるか否かを判定することと、
を含む、
付記1から8のいずれか1項に記載の方法。
(付記10)
当該車両が前記地点に滞在すると予測される期間が閾値期間を下回ると判定された場合に、前記プロセッサによって、通知を送信する、
付記9に記載の方法。
(付記11)
輸送事業者によって運営される車両を適応的に管理するための装置であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、
を有し、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサによって、少なくとも、
前記車両が到着した地点における当該車両に関するエリアを決定することと、
決定された前記エリア内にいる個人の数を決定することと、
決定された前記エリア内にいる前記個人の数の決定に応じて、当該車両が前記地点を出発する時間を予測すること、
を、前記装置に行わせるように構成されている、
装置。
(付記12)
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、さらに、
前記個人の数に関する入力を受信する、ように構成されており、
前記入力は、画像キャプチャデバイス、圧力センサ、温度センサ、及びモーションセンサの少なくとも1つから送信された入力であり、前記個人の数は、前記入力を受信することに応じて決定される、
付記11に記載の装置。
(付記13)
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、さらに、
当該車両に関する履歴データであって、少なくとも1つの他の車両によってなされた複数のルート運行に関連する履歴データを検索し、
前記プロセッサによって、検索された前記履歴データを解析する、
ように構成されており、
当該車両が前記地点を出発する時間は、検索された前記履歴データを解析することに応じて予測される、
付記12に記載の装置。
(付記14)
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、さらに、
前記地点における前記少なくとも1つの車両の対応する到着時間を検索し、
前記地点における前記少なくとも1つの車両の対応する出発時間を検索し、
前記対応する到着時間及び前記対応する出発時間の検索に応じて、前記少なくとも1つの他の車両が前記地点に滞在した期間を決定する、
ように構成されている、
付記13に記載の装置。
(付記15)
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、さらに、
前記地点において前記少なくとも1つの他の車両に乗った前記個人に関連するトランザクション履歴データを検索する、
ように構成されている、
付記14に記載の装置。
(付記16)
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、さらに、
前記トランザクション履歴データの検索に応じて、前記地点において前記少なくとも1つの他の車両に乗った対応する個人の数を決定する、
ように構成されている、
付記15に記載の装置。
(付記17)
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、さらに、
当該車両が前記地点を出発する時間を、前記地点における前記少なくとも1つの他の車両に乗った前記対応する個人の数の決定、及び、前記少なくとも1つの他の車両が前記地点に滞在した前記期間の決定の少なくとも1つに応じて、予測する、
ように構成されている、
付記16に記載の装置。
(付記18)
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、さらに、
車両上のエリアであって、前記個人が当該車両に乗り降りできるエリアに関するエリアを特定する、
ように構成されている、
付記11から17のいずれか1項に記載の装置。
(付記19)
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、さらに、
到着時間及び当該車両が前記地点を出発すると予測される時間に応じて、当該車両が前記地点に滞在すると予測される期間を決定し、
当該車両が前記地点に滞在すると予測される期間が閾値期間を超えるか否かを判定する、
ように構成されている、
付記11から18のいずれか1項に記載の装置。
(付記20)
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、さらに、
当該車両が前記地点に滞在すると予測される期間が閾値期間を下回ると判定された場合に、通知を送信する、
ように構成されている、
付記19に記載の装置。
【0097】
この出願は、2017年7月3日に出願されたシンガポール特許出願第10201705478P号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。