特許第6939939号(P6939939)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6939939情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6939939
(24)【登録日】2021年9月6日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/00 20060101AFI20210909BHJP
   A63B 71/06 20060101ALI20210909BHJP
【FI】
   A63B69/00 C
   A63B71/06 T
【請求項の数】10
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2020-67078(P2020-67078)
(22)【出願日】2020年4月2日
(62)【分割の表示】特願2015-191436(P2015-191436)の分割
【原出願日】2015年9月29日
(65)【公開番号】特開2020-108823(P2020-108823A)
(43)【公開日】2020年7月16日
【審査請求日】2020年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 靖二郎
(72)【発明者】
【氏名】池田 広志
(72)【発明者】
【氏名】池田 伸穂
【審査官】 槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−073210(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2012−0113945(KR,A)
【文献】 特開2014−064110(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0234814(US,A1)
【文献】 特開2002−346012(JP,A)
【文献】 特開2011−062352(JP,A)
【文献】 特開2015−119833(JP,A)
【文献】 特開2010−057611(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00
A63B 71/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの体型に関する特徴、筋力に関する特徴および柔軟性に関する特徴のうち、1つまたは複数の特徴である前記ユーザの体の特徴を示すユーザ情報と、複数の候補対象者のそれぞれの体型に関する特徴、筋力に関する特徴および柔軟性に関する特徴のうち、1つまたは複数の特徴である前記候補対象者の体の特徴をそれぞれ示す複数の候補情報とに基づいて、前記複数の候補対象者の中から前記ユーザ情報に対応する前記ユーザの体の特徴に前記候補対象者の体の特徴がより近い前記候補対象者を、動作の手本となる対象者として決定する決定処理部と、
前記動作の手本となる対象者を通知する通知処理部とを備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザ情報は、前記ユーザの体の特徴を示す、1または2以上の特徴値を示し、
前記候補情報は、前記候補対象者の体の特徴を示す、1または2以上の特徴値を示し、
前記決定処理部は、前記ユーザ情報と前記候補情報とにおける対応する前記特徴値の差分の、総和値に基づいて、前記動作の手本となる対象者を決定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特徴値は、複数の区分に分類され、
前記決定処理部は、区分ごとに重み付けがされた、前記特徴値の差分の総和値に基づいて、前記動作の手本となる対象を決定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定処理部は、前記総和値が最も小さい前記候補対象者を、前記動作の手本となる対象として決定する、請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ユーザ情報は、前記ユーザの性別をさらに示し、
前記候補対象者に対応する候補情報は、前記候補対象者の性別をさらに示し、
前記決定処理部は、前記ユーザと性別が異なる前記候補対象者を除外して、前記動作の手本となる対象者を決定する、請求項1〜のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザ情報は、前記ユーザの年齢をさらに示し、
前記候補対象者に対応する候補情報は、前記候補対象者の年齢をさらに示し、
前記決定処理部は、前記ユーザとの年齢差が所定の閾値より大きな前記候補対象者、または、前記ユーザとの年齢差が所定の閾値以上の前記候補対象者を除外して、前記動作の手本となる対象者を決定する、請求項1〜のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記通知処理部は、決定された前記動作の手本となる対象者の体の動きの検出結果および推定結果、ならびに、前記対象者の姿勢の抽出結果のうち、1つまたは複数の結果を示す動作情報に対応する動作を通知する、請求項1〜のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記通知処理部は、前記動作情報が示す動作の手本となる対象者の名前、または、前記動作情報が示す動作の手本となる対象者に関する内容を、音声によって通知する、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
ユーザの体型に関する特徴、筋力に関する特徴および柔軟性に関する特徴のうち、1つまたは複数の特徴である前記ユーザの体の特徴を示すユーザ情報と、複数の候補対象者のそれぞれの体型に関する特徴、筋力に関する特徴および柔軟性に関する特徴のうち、1つまたは複数の特徴である前記候補対象者の体の特徴をそれぞれ示す複数の候補情報とに基づいて、前記複数の候補対象者の中から前記ユーザ情報に対応する前記ユーザの体の特徴に前記候補対象者の体の特徴がより近い前記候補対象者を、動作の手本となる対象者として決定するステップと、
前記動作の手本となる対象者を通知するステップとを有する、情報処理装置により実行される情報処理方法。
【請求項10】
ユーザの体型に関する特徴、筋力に関する特徴および柔軟性に関する特徴のうち、1つまたは複数の特徴である前記ユーザの体の特徴を示すユーザ情報と、複数の候補対象者のそれぞれの体型に関する特徴、筋力に関する特徴および柔軟性に関する特徴のうち、1つまたは複数の特徴である前記候補対象者の体の特徴をそれぞれ示す複数の候補情報とに基づいて、前記複数の候補対象者の中から前記ユーザ情報に対応する前記ユーザの体の特徴に前記候補対象者の体の特徴がより近い前記候補対象者を、動作の手本となる対象者として決定する機能と、
前記動作の手本となる対象者を通知する機能とを、コンピュータに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの体型や動きの癖などのユーザの個性に合った指導用の情報を提供するための技術が、開発されている。人体モデルを含む運動モデルを用いて計算を行い、人体モデルの好適な動きを解析することによって、運動の指導用情報を生成する技術としては、例えば下記の特許文献1に記載の技術が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−27629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1に記載の技術が用いられる場合には、記録媒体に記憶されている運動モデルを用いて人体モデルの動きを解析することによって、運動の指導用情報が生成される。そのため、特許文献1に記載の技術によって生成される運動の指導用情報は、運動モデルに依存する。
【0005】
しかしながら、記録媒体に記憶されている運動モデルは、任意のユーザにとって、理想的な運動モデルであるとは限らない。そのため、例えば特許文献1に記載の技術のような予め規定されている運動モデルに基づき生成される運動の指導用情報が示す内容は、ユーザにとっての理想的な動作ではない恐れがある。
【0006】
本開示では、ユーザにとって規範となる動作を行うことが可能な動作の型の規範を決定することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、情報処理装置は、ユーザ情報に基づいて、複数の候補対象の中から前記ユーザ情報に対応するユーザの動作の手本となる対象を決定する決定処理部と、前記動作の手本となる対象を通知する通知処理部とを備える。
【0008】
また、本開示によれば、情報処理装置により実行される情報処理方法は、ユーザ情報に基づいて、複数の候補対象の中から前記ユーザ情報に対応するユーザの動作の手本となる対象を決定するステップと、前記動作の手本となる対象を通知するステップとを有する。
【0009】
また、本開示によれば、プログラムは、ユーザ情報に基づいて、複数の候補対象の中から前記ユーザ情報に対応するユーザの動作の手本となる対象を決定する機能と、前記動作の手本となる対象を通知する機能とを、コンピュータに実現させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、ユーザにとって規範となる動作を行うことが可能な動作の型の規範を決定することができる。
【0011】
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握されうる他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
図3】本実施形態に係る情報処理方法に係る処理を説明するための説明図である。
図4】本実施形態に係る情報処理方法に係る処理を説明するための説明図である。
図5】本実施形態に係る情報処理方法に係る処理の一例を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
また、以下では、下記に示す順序で説明を行う。
1.本実施形態に係る情報処理方法
2.本実施形態に係る情報処理装置
3.本実施形態に係るプログラム
【0015】
(本実施形態に係る情報処理方法)
まず、本実施形態に係る情報処理方法について説明する。以下では、本実施形態に係る情報処理方法に係る処理を、本実施形態に係る情報処理装置が行う場合を例に挙げる。
【0016】
[1]既存の方法について
例えば、ユーザが、ゴルフやテニスなどのスポーツの練習を行う場合を想定する。
【0017】
なお、以下では、ユーザがスポーツの練習を行う場合を例に挙げるが、ユーザが、筋力トレーニングや料理、医療における手技などの、動作の型を伴う任意の対象に関して練習を行う場合も、同様である。ここで、本実施形態に係る動作の型には、フォーム(運動などを行うときの姿態)と、動きとの一方または双方が含まれる。
【0018】
スポーツの練習を行う際には、“コーチが、練習を行うユーザのフォームなどを観察して、改善点などを指導すること”が、行われることがある。上記練習を行うユーザは、コーチから指導された改善点を踏まえて、フォームなどが修正されるように繰り返し練習を行うことによって、技能向上を目指す。
【0019】
また、スポーツなどの練習を行うユーザが、コーチの指導を受けずに自主的に練習を行う場合もある。上記の場合には、上記練習を行うユーザは、例えば、“コーチの役目を果たす本を読み、自身のフォームを確認すること”などによって、ユーザ自身がイメージするフォームに近づくように、繰り返し練習を行い、技能向上を目指す。
【0020】
ここで、練習を行うユーザにとっての理想的な動作は、例えばユーザの体の特徴などに起因して、ユーザごとに異なる可能性が高い。そのため、コーチが有している理想的な動作や、コーチの役目を果たす本に記載されている理想的な動作が、練習を行うユーザにとっての理想的な動作であるとは限られない。また、上述したように、例えば特許文献1に記載の技術のような予め規定されている運動モデルに基づいて運動の指導用情報を生成したとしても、生成される運動の指導用情報が示す内容は、ユーザにとっての理想的な動作ではない恐れがある。
【0021】
練習を行うユーザにとって理想的な動作の型ではない動作の型を、規範として練習を行った場合には、例えば、ユーザが練習を行っても技能の向上に結び付かない可能性がある。また、上記の場合には、例えば、体に無理な負荷がかかることによって怪我をする可能性が高まる恐れもある。
【0022】
[2]本実施形態に係る情報処理方法の概要
そこで、本実施形態に係る情報処理装置は、ユーザの特徴を考慮して、ユーザにとって動作の型の規範となる者(以下、「動作の型の規範」と示す場合がある。)を、決定する(決定処理)。本実施形態に係る情報処理装置は、複数の動作の型の規範の候補(以下、「規範の候補」と示す場合がある。)の中から、規範の候補の特徴がユーザの特徴とより近い規範の候補を、動作の型の規範として決定する。本実施形態に係る「規範」は、「手本」または「見本」と言い換えることが可能である。
【0023】
ここで、本実施形態に係るユーザとは、本実施形態に係る情報処理方法の対象となる者である。ユーザは、例えば、上述したスポーツなどの練習を行うユーザに該当する。
【0024】
また、本実施形態に係る規範の候補としては、例えば下記に示すような、スポーツなどの動作を伴う任意の対象に関して、(例えば客観的な)所定の実績および経験を有する者が、挙げられる。なお、本実施形態に係る規範の候補が、下記に示す者に限られないことは、言うまでもない。
・プロフェッショナルスポーツの選手(以下、「プロ」と示す場合がある。)
・プロフェッショナルスポーツの指導者
・スポーツなどのコーチ(またはインストラクタ)
・ベテランの医師、または、専門医
【0025】
本実施形態に係るユーザの特徴としては、例えば、ユーザの体の特徴と、ユーザの動作の特徴との、一方または双方が挙げられる。
【0026】
本実施形態に係る決定処理において、ユーザの特徴として、ユーザの体の特徴が考慮されることによって、例えば、体の特徴(体型、筋力、柔軟性など)がユーザにより近い規範の候補を、動作の型の規範として決定することができる。
【0027】
ここで、体の特徴がユーザに近い規範の候補が動作の型の規範として決定されることによって、ユーザは、自己の体により適した動作を規範とすることが可能である。
【0028】
よって、ユーザは、技能の向上をより効果的に図ることができうる。また、動作の型の規範の動作を規範として練習を行ったときにユーザの体に無理な負荷がかかる可能性を、より低減することが可能である。
【0029】
また、本実施形態に係る決定処理において、ユーザの特徴として、ユーザの動作の特徴が考慮されることによって、例えば、体の動き(体の動きに伴う道具の動きも含まれてもよい。)の特徴がユーザにより近い規範の候補を、動作の型の規範として決定することができる。
【0030】
ここで、動作の特徴がユーザに近い規範の候補が動作の型の規範として決定されることによって、規範となる動作とユーザの動作との間の動作の差異はより小さくなる。
【0031】
よって、ユーザにおける動作の改善点はより少なくなるので、ユーザは、技能の向上をより効果的に図ることができうる。また、動作の型の規範の動作を規範として練習を行ったときにユーザの体に無理な負荷がかかる可能性を、より低減することが可能である。
【0032】
本実施形態に係る決定処理では、上記のように、ユーザの体の特徴とユーザの動作の特徴との一方または双方が、ユーザの特徴として考慮されることによって、動作の型の規範が決定される。
【0033】
したがって、本実施形態に係る情報処理装置は、本実施形態に係る情報処理方法に係る処理として、上記決定処理を行うことによって、ユーザにとって規範となる動作を行うことが可能な動作の型の規範を決定することができる。
【0034】
[3]本実施形態に係る情報処理方法に係る処理の他の例
なお、本実施形態に係る情報処理方法に係る処理は、上記決定処理に限られない。
【0035】
例えば、本実施形態に係る情報処理装置は、上記決定処理の結果を利用した1または2以上の処理を、さらに行うことが可能である。上記決定処理の結果を利用した処理としては、例えば、後述する分析処理と後述する通知処理との一方または双方の処理が、挙げられる。
【0036】
なお、“上記決定処理”と、“上記決定処理、および、上記分析処理と上記通知処理との一方または双方の処理”とのそれぞれは、便宜上、本実施形態に係る情報処理方法に係る処理を切り分けたものである。よって、本実施形態に係る情報処理方法に係る処理は、例えば、“上記決定処理、および、上記分析処理と上記通知処理との一方または双方の処理”を、1つの処理と捉えることが可能である。また、本実施形態に係る情報処理方法に係る処理は、例えば、“上記決定処理”と、“上記決定処理、および、上記分析処理と上記通知処理との一方または双方の処理”とのそれぞれを、(任意の切り分け方によって)2以上の処理と捉えることも可能である。
【0037】
(本実施形態に係る情報処理装置)
次に、上述した本実施形態に係る情報処理方法に係る処理を行うことが可能な本実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を説明しつつ、本実施形態に係る情報処理方法に係る処理について、より具体的に説明する。
【0038】
図1は、本実施形態に係る情報処理装置100の構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置100は、例えば、決定処理部102と、分析部104と、通知処理部106とを備える。
【0039】
また、情報処理装置100は、例えば、制御部(図示せず)や、ROM(Read Only Memory。図示せず)、RAM(Random Access Memory。図示せず)、記憶部(図示せず)、通信部(図示せず)、ユーザが操作可能な操作部(図示せず)、様々な画面を表示画面に表示する表示部(図示せず)などを備えていてもよい。情報処理装置100は、例えば、データの伝送路としてのバスにより上記各構成要素間を接続する。
【0040】
制御部(図示せず)は、MPU(Micro Processing Unit)などの演算回路で構成される、1または2以上のプロセッサや、各種処理回路などで構成され、情報処理装置100全体を制御する。また、制御部(図示せず)は、情報処理装置100において、例えば、決定処理部102、分析部104、および通知処理部106のうちの1または2以上の役目を果たしてもよい。
【0041】
なお、決定処理部102、分析部104、および通知処理部106のうちの1または2以上は、決定処理部102、分析部104、および通知処理部106それぞれの処理を実現可能な専用の(または汎用の)回路(例えば、制御部(図示せず)とは別体のプロセッサなど)で構成されていてもよい。
【0042】
ROM(図示せず)は、制御部(図示せず)が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAM(図示せず)は、制御部(図示せず)により実行されるプログラムなどを一時的に記憶する。
【0043】
記憶部(図示せず)は、情報処理装置100が備える記憶手段であり、例えば、候補情報(後述する)などの本実施形態に係る情報処理方法に係るデータや、各種アプリケーションなど様々なデータを記憶する。
【0044】
ここで、記憶部(図示せず)としては、例えば、ハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体や、フラッシュメモリ(flash memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)などが挙げられる。また、記憶部(図示せず)は、情報処理装置100から着脱可能であってもよい。
【0045】
通信部(図示せず)としては、例えば後述する通信インタフェースが挙げられる。また、操作部(図示せず)としては、例えば後述する操作入力デバイスが挙げられる。また、表示部(図示せず)としては、後述する表示デバイスが挙げられる。
【0046】
[情報処理装置100のハードウェア構成例]
図2は、本実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成の一例を示す説明図である。情報処理装置100は、例えば、MPU150と、ROM152と、RAM154と、記録媒体156と、入出力インタフェース158と、操作入力デバイス160と、表示デバイス162と、通信インタフェース164とを備える。また、情報処理装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス166で各構成要素間を接続する。
【0047】
MPU150は、例えば、MPUなどの演算回路で構成される、1または2以上のプロセッサや、各種処理回路などで構成され、情報処理装置100全体を制御する制御部(図示せず)として機能する。また、MPU150は、情報処理装置100において、例えば、決定処理部102、分析部104、および通知処理部106の役目を果たす。なお、決定処理部102、分析部104、および通知処理部106のうちの1または2以上は、決定処理部102、分析部104、および通知処理部106それぞれの処理を実現可能な専用の(または汎用の)回路(例えば、MPU150とは別体のプロセッサなど)で構成されていてもよい。
【0048】
ROM152は、MPU150が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データなどを記憶する。RAM154は、例えば、MPU150により実行されるプログラムなどを一時的に記憶する。
【0049】
記録媒体156は、記憶部(図示せず)として機能し、例えば、候補情報(後述する)などの本実施形態に係る情報処理方法に係るデータや、各種アプリケーションなど様々なデータを記憶する。ここで、記録媒体156としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリが挙げられる。また、記録媒体156は、情報処理装置100から着脱可能であってもよい。
【0050】
入出力インタフェース158は、例えば、操作入力デバイス160や、表示デバイス162を接続する。操作入力デバイス160は、操作部(図示せず)として機能し、また、表示デバイス162は、表示部(図示せず)として機能する。ここで、入出力インタフェース158としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子や、DVI(Digital Visual Interface)端子、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)端子、各種処理回路などが挙げられる。
【0051】
また、操作入力デバイス160は、例えば、情報処理装置100上に備えられ、情報処理装置100の内部で入出力インタフェース158と接続される。操作入力デバイス160としては、例えば、ボタンや、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクター、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられる。
【0052】
また、表示デバイス162は、例えば、情報処理装置100上に備えられ、情報処理装置100の内部で入出力インタフェース158と接続される。表示デバイス162としては、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescence Display。または、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode Display)ともよばれる。)などが挙げられる。
【0053】
なお、入出力インタフェース158が、情報処理装置100の外部の操作入力デバイス(例えば、キーボードやマウスなど)や外部の表示デバイスなどの、外部デバイスと接続することも可能であることは、言うまでもない。また、表示デバイス162は、例えばタッチパネルなど、表示とユーザ操作とが可能なデバイスであってもよい。
【0054】
通信インタフェース164は、情報処理装置100が備える通信手段である。通信インタフェース164は、例えば、ネットワークを介して(あるいは、直接的に)、“ユーザの動作の検出に係るセンサなどの外部デバイス”や、“ユーザ情報(後述する)と動作情報(後述する)との一方または双方を記憶する1または2以上のサーバなどの外部装置”と、無線または有線で通信を行うための通信部(図示せず)として機能する。
【0055】
ここで、通信インタフェース164としては、例えば、通信アンテナおよびRF(Radio Frequency)回路(無線通信)や、IEEE802.15.1ポートおよび送受信回路(無線通信)、IEEE802.11ポートおよび送受信回路(無線通信)、あるいはLAN(Local Area Network)端子および送受信回路(有線通信)などが挙げられる。
【0056】
情報処理装置100は、例えば図2に示す構成によって、本実施形態に係る情報処理方法に係る処理を行う。なお、本実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成は、図2に示す構成に限られない。
【0057】
例えば、情報処理装置100は、接続されている外部の通信デバイスを介して外部装置などと通信を行う場合や、スタンドアロンで処理を行う構成である場合には、通信インタフェース164を備えていなくてもよい。また、通信インタフェース164は、複数の通信方式によって、1または2以上の外部装置などと通信を行うことが可能な構成であってもよい。
【0058】
また、情報処理装置100は、例えば、ユーザ情報(後述する)の取得に係るセンサと、動作情報(後述する)の取得に係るセンサとの一方または双方をさらに備えていてもよい。
【0059】
また、情報処理装置100は、例えば、記録媒体156、操作入力デバイス160、および表示デバイス162のうちの1または2以上を備えない構成をとることが、可能である。
【0060】
また、例えば、図2に示す構成(または変形例に係る構成)の一部または全部は、1、または2以上のIC(Integrated Circuit)で実現されてもよい。
【0061】
再度図1を参照して、情報処理装置100の構成の一例について説明する。
【0062】
[I]決定処理部102
決定処理部102は、上記決定処理を主導的に行う役目を果たす。決定処理部102は、例えば、ユーザ情報と、動作の型の規範の候補をそれぞれ示す、複数の候補情報とに基づいて、ユーザ情報に対応するユーザにとっての動作の型の規範を決定する。
【0063】
ここで、本実施形態に係るユーザ情報とは、ユーザに関するデータである。ユーザ情報としては、例えば、ユーザの体の特徴を示すデータと、ユーザの動作の結果を示すデータとの一方または双方が挙げられる。
【0064】
ユーザ情報の一例であるユーザの体の特徴を示すデータとしては、例えば、ユーザの体の特徴をそれぞれ示す、1または2以上の値が挙げられる。以下では、ユーザの体の特徴を示す値を、「特徴値」と示す。
【0065】
また、ユーザの体の特徴を示すデータが示す、ユーザの体の特徴としては、例えば下記に示す例の、1または2以上の組み合わせが挙げられる。なお、本実施形態に係るユーザ情報が示すユーザの特徴値は、下記に示す特徴に対応する特徴値に限られない。例えば、下記に示す体の長さに関する特徴と重さに関する特徴との一方または双方は、体型に関する特徴というように、1つの指標で表されてもよい。また、本実施形態に係るユーザ情報が示すユーザの特徴値は、体の特徴を示しうる、1または2以上の任意の指標の値であってもよい。
・体の長さに関する特徴:身長、腕の長さ、脚の長さ、手の大きさ、足の大きさなど
・重さに関する特徴:体重、体の部分ごと(例えば、肩、腕、胸、腹、背中、お尻、脚など)の肉の付き具合など
・各部位の筋力に関する特徴:握力、背筋力、腹筋力など
・各関節や各筋肉の柔軟性に関する特徴:股関節、肩関節、前屈、伏臥上体反らしなどの柔軟性
【0066】
上記体の長さに関する特徴の特徴値は、例えば、メジャーを用いた計測により得られたものであってもよいし、ユーザが撮像された撮像画像から推定されることによって得られたものであってもよい。
【0067】
また、上記重さに関する特徴の特徴値は、例えば、体重計を用いた計測により得られたものであってもよいし、MRI(Magnetic Resonance Imaging)などの計測器を用いた計測により得られたものであってもよい。
【0068】
また、上記各部位の筋力に関する特徴の特徴値は、例えば、専用の計測器、または、筋力トレーニングの機材を用いた計測により得られる。
【0069】
また、上記各関節や各筋肉の柔軟性に関する特徴の特徴値は、例えば、ユーザが行う柔軟体操を通じた柔軟性の計測により得られる。例えば、上記各関節や各筋肉の柔軟性に関する特徴の特徴値は、設定されている部位ごとの最大の可動範囲を用いて計測値を正規化することによって、0.0〜1.0の範囲の値で表される。また、上記各関節や各筋肉の柔軟性に関する特徴の特徴値は、例えば、下記に示す背中で両腕を組む動作における5段階評価のように、複数段階の定性的な評価の評価値であってもよい。
・段階5(大変よい):例えば、両手で指が組める場合。
・段階4(まあまあ良い):例えば、指先が触れる場合。
・段階3(標準):例えば、両腕の指先の間隔が5[cm]以内の場合。
・段階2(やや低い):例えば、両腕の指先の間隔が10[cm]以内の場合。
・段階1(非常に低い):例えば、両腕の指先の間隔が10[cm]より大きい場合。
【0070】
ユーザの体の特徴が、例えば上記のように計測される場合、計測結果が手動でまたは自動的にデータ入力されることによって、ユーザの体の特徴を示すユーザ情報が生成される。また、ユーザの体の特徴が、例えば上記のように撮像画像から推定される場合、ユーザの体の特徴を示すユーザ情報は、推定に係る処理を行った装置において生成される。ここで、撮像画像に基づくユーザの体の特徴の推定に係る処理は、情報処理装置100が行ってもよいし、情報処理装置100の外部装置において行われてもよい。
【0071】
また、ユーザ情報の一例であるユーザの動作の結果を示すデータとしては、例えば、ユーザにおける“ユーザの体の動きと、ユーザが用いる打具などの道具の動きとの一方または双方の検出結果を示すデータ(以下、「動き検出データ」と示す場合がある。)”、または、ユーザにおける“ユーザの体の動きと、ユーザが用いる打具などの道具の動きとの一方または双方を推定することが可能なデータ(以下、「動き推定データ」と示す場合がある。)”が挙げられる。
【0072】
上記動き検出データとしては、光学式の動き検出センサ(マーカー方式、または、マーカーレス方式のセンサ)、磁気式の動き検出センサ、または、慣性式の動き検出センサなどの、検出対象の動きを検出することが可能な任意の動き検出センサの検出結果を示すデータが、挙げられる。上記のような動き検出センサによりユーザの動きが検出されることによって、ユーザ情報は、例えば、ユーザの節の3次元的な動きと、打具などの道具の動き3次元的な動きとの一方または双方を示すことが可能となる。
【0073】
また、上記動き推定データとしては、例えば、ユーザが撮像された撮像画像など、検出対象の動きを推定することが可能な任意のデータが挙げられる。ここで、例えば、撮像画像(動き推定データの一例)に基づくユーザの動きなどの推定に係る処理は、情報処理装置100が行ってもよいし、情報処理装置100の外部装置において行われてもよい。
【0074】
決定処理部102は、決定処理において、例えば上記のような、ユーザの体の特徴を示すデータと、ユーザの動作の結果を示すデータとの一方または双方を、ユーザ情報として用いる。
【0075】
なお、本実施形態に係るユーザ情報は、ユーザの体の特徴を示すデータと、ユーザの動作の結果を示すデータとの一方または双方に限られない。例えば、本実施形態に係るユーザ情報には、ユーザの性別と、ユーザの年齢との一方または双方が、さらに含まれていてもよい。
【0076】
また、本実施形態に係る候補情報とは、規範の候補に関するデータである。候補情報としては、例えば、規範の候補の体の特徴を示すデータと、規範の候補の動作の結果を示すデータとの一方または双方が挙げられる。
【0077】
候補情報の一例であるユーザの体の特徴を示すデータとしては、例えば、上記ユーザの体の特徴を示すデータと同様のデータが挙げられる。
【0078】
また、候補情報の一例である規範の候補の動作の結果を示すデータとしては、例えば、上記ユーザの動作の結果を示すデータと同様のデータが挙げられる。
【0079】
なお、本実施形態に係る候補情報は、規範の候補の体の特徴を示すデータと、規範の候補の動作の結果を示すデータとの一方または双方に限られない。例えば、本実施形態に係る候補情報には、規範の候補の性別と、規範の候補の年齢との一方または双方が、さらに含まれていてもよい。
【0080】
決定処理部102は、決定処理において、例えば、上記のようなユーザ情報と上記のような候補情報とに基づいて、候補情報に対応する規範の候補の中から、ユーザにとっての動作の型の規範を、決定する。
【0081】
より具体的には、決定処理部102は、例えば下記の(1)に示す第1の例に係る処理〜下記の(4)に示す第4の例に係る処理のいずれかの処理を行うことによって、動作の型の規範を決定する。
【0082】
(1)決定処理の第1の例:ユーザ情報と候補情報とが、それぞれ体の特徴を示す場合
ユーザ情報と候補情報とが、それぞれ体の特徴を示す場合、決定処理部102は、ユーザに体の特徴がより近い規範の候補を、動作の型の規範として決定する。
【0083】
例えば、ユーザ情報が、ユーザの体の特徴を示す1または2以上の特徴値を示し、候補情報が、規範の候補の体の特徴を示す1または2以上の特徴値を示す場合、決定処理部102は、これらの特徴値を用いた演算を行うことによって、動作の型の規範を決定する。
【0084】
具体的には、決定処理部102は、例えば下記の数式1〜数式3にそれぞれ示すように、“ユーザ情報と候補情報とにおける対応する特徴値の差分の、総和値”を算出する。以下では、本実施形態に係る“ユーザ情報と候補情報とにおける対応する特徴値の差分の、総和値”を、「総和値」、または「差分総和値」と示す場合がある。
【0085】
【数1】
・・・(数式1)
【0086】
【数2】
・・・(数式2)
【0087】
【数3】
・・・(数式3)
【0088】
ここで、上記数式1に示す“diff”は、体の長さに関する特徴に対応する特徴値に基づく総和値を示している。
【0089】
上記数式1に示す“l”は、例えば、ユーザにおける体の長さに関する特徴の特徴値であり、上記数式1に示す“l’”は、例えば、規範の候補における、“l”に対応する体の長さに関する特徴の特徴値である。また、上記数式1に示す“wli”は、体の長さに関する特徴それぞれに対応する重み付け係数である。決定処理部102は、例えば、体の長さに関する特徴と重み付け係数とが対応付けられているテーブル(または、データベース)を参照することによって、体の長さに関する特徴それぞれに対応する重み付け係数を特定する。なお、上記体の長さに関する特徴と重み付け係数とが対応付けられているテーブルは、例えば、スポーツごとなど、ユーザが行う動作ごとのテーブルであってもよい。決定処理部102は、記憶部(図示せず)などの記録媒体に記憶されているテーブルのうちの、ユーザが行う動作に対応するテーブルを参照して、体の長さに関する特徴それぞれに対応する重み付け係数を特定する。
【0090】
また、上記数式2に示す“diff”は、各部位の筋力に関する特徴に対応する特徴値に基づく総和値を示している。
【0091】
上記数式2に示す“p”は、例えば、ユーザにおける各部位の筋力に関する特徴の特徴値であり、上記数式2に示す“p’”は、例えば、規範の候補における、“p”に対応する各部位の筋力に関する特徴の特徴値である。また、上記数式2に示す“wpi”は、各部位の筋力に関する特徴それぞれに対応する重み付け係数である。決定処理部102は、例えば、各部位の筋力に関する特徴と重み付け係数とが対応付けられているテーブル(または、データベース)を参照することによって、各部位の筋力に関する特徴それぞれに対応する重み付け係数を特定する。なお、上記各部位の筋力に関する特徴と重み付け係数とが対応付けられているテーブルは、例えば、スポーツごとなど、ユーザが行う動作ごとのテーブルであってもよい。
【0092】
また、上記数式3に示す“diff”は、各関節や各筋肉の柔軟性に関する特徴に対応する特徴値に基づく総和値を示している。
【0093】
上記数式3に示す“f”は、例えば、ユーザにおける各関節や各筋肉の柔軟性に関する特徴の特徴値であり、上記数式3に示す“f’”は、例えば、規範の候補における、“f”に対応する各関節や各筋肉の柔軟性に関する特徴の特徴値である。また、上記数式3に示す“wfi”は、各関節や各筋肉の柔軟性に関する特徴それぞれに対応する重み付け係数である。決定処理部102は、例えば、各関節や各筋肉の柔軟性に関する特徴と重み付け係数とが対応付けられているテーブル(または、データベース)を参照することによって、各関節や各筋肉の柔軟性に関する特徴それぞれに対応する重み付け係数を特定する。なお、上記各関節や各筋肉の柔軟性に関する特徴と重み付け係数とが対応付けられているテーブルは、例えば、スポーツごとなど、ユーザが行う動作ごとのテーブルであってもよい。
【0094】
なお、本実施形態に係る総和値の算出方法は、上記数式1〜上記数式3に示す例に限られない。
【0095】
例えば、決定処理部102は、下記の数式4に示すように、各特徴値を正規化して総和値を算出することも可能である。下記の数式4は、体の長さに関する特徴に対応する特徴値を正規化して総和値を算出する場合における、算出例を示している。なお、他の体の特徴においても、下記の数式4と同様に、各特徴値を正規化して総和値を算出することが可能である。
【0096】
【数4】
・・・(数式4)
【0097】
ここで、上記数式4に示す“l”は、ユーザにおける正規化の基準となる特徴値であり、上記数式4に示す“l’”は、規範の候補における正規化の基準となる特徴値である。正規化の基準となる特徴値は、例えば、身長を示す特徴値などの固定の特徴値であってもよいし、前腕の長さを上腕の長さで正規化する、あるいは、下腿の長さを大腿の長さで正規化するなど、正規化する特徴値ごとに変わってもよい。
【0098】
また、上述したように、ユーザ情報と候補情報とがそれぞれ示す体の特徴は、例えば、体の長さに関する特徴や、重さに関する特徴などのように、複数の区分に分類することが可能である。
【0099】
上記のように、ユーザ情報と候補情報とがそれぞれ示す体の特徴が複数の区分に分類される場合には、決定処理部102は、区分ごとの総和値に基づいて、総和値を算出することが可能である。一例を挙げると、決定処理部102は、上記数式1〜上記数式3により算出された区分ごとの総和値に基づいて、例えば下記の数式5に示すように、総和値diffを算出する。
【0100】
【数5】
・・・(数式5)
【0101】
ここで、上記数式5に示す“a”、“b”、“c”それぞれは、区分ごとの重み付け係数である。区分ごとの重み付け係数は、例えば、スポーツごとなど、ユーザが行う動作ごとに設定される。
【0102】
例えば上記数式5に示すように、決定処理部102は、区分ごとに重み付けがされた総和値を算出することが可能である。区分ごとに重み付けを行うことによって、例えば、区分ごとの総和値の大きさの違いを吸収することができる。なお、決定処理部102が、区分ごとに重み付けを行わずに総和値を算出することが可能であることは、言うまでもない。
【0103】
例えば上記のように、特徴値を用いた演算によって総和値が算出されると、決定処理部102は、総和値が最も小さい規範の候補を、動作の型の規範として決定する。
【0104】
図3は、本実施形態に係る情報処理方法に係る処理を説明するための説明図であり、決定処理部102における処理の概要を示している。
【0105】
図3に示すAは、候補情報が示す規範の候補の特徴値の一例を示しており、図3のAに示す“Aさん”、“Bさん”、…、“Zさん”が、それぞれ規範の候補に該当する。また、図3に示すBは、ユーザ情報が示すユーザのの特徴値の一例を示しており、図3のBに示す“あなた”が、ユーザに該当する。また、図3に示すCは、例えば上記数式5により算出された総和値の一例を示している。なお、図3に示すCでは、“Cさん”に対応する総和値が、最も小さな値をとっているものとする。
【0106】
例えば図3のCに示す総和値が算出された場合、決定処理部102は、総和値が最も小さい規範の候補である“Cさん”を、動作の型の規範として決定する。
【0107】
(2)決定処理の第2の例:ユーザ情報と候補情報とが、それぞれ動作の結果を示す場合
ユーザ情報と候補情報とが、それぞれ動作の結果を示す場合、決定処理部102は、ユーザに動作の特徴がより近い規範の候補を、動作の型の規範として決定する。
【0108】
例えば、決定処理部102は、ユーザ情報および候補情報それぞれから、動作の特徴を抽出する。そして、決定処理部102は、抽出された動作の特徴の差分に基づいて、動作の型の規範を決定する。決定処理部102は、例えば、抽出された動作の特徴の差分がより小さい規範の候補を、動作の型の規範として決定する。
【0109】
ここで、決定処理部102は、例えば、ユーザ情報および候補情報それぞれから動作の特徴値を算出することによって、動作の特徴を抽出する。そして、決定処理部102は、算出された特徴値の差分が最も小さい規範の候補を、動作の型の規範として決定する。
【0110】
具体例を挙げると、ユーザ情報および候補情報それぞれがモーションキャプチャを行った結果のデータである場合には、決定処理部102は、ユーザ情報および候補情報それぞれから、動きの特徴量を算出する。決定処理部102は、例えば、ユーザ情報および候補情報それぞれに対して主成分分析を行い、固有ベクトルの係数を、特徴値とする。そして、決定処理部102は、算出された固有ベクトルの係数の差分が最も小さい規範の候補を、動作の型の規範として決定する。
【0111】
なお、動作の特徴を抽出して動作の型の規範を決定する処理は、上記に示す例に限られない。
【0112】
例えば、決定処理部102は、ユーザ情報および候補情報それぞれに基づいて、ユーザおよび規範の候補それぞれの姿勢を、動作の特徴として抽出して、動作の型の規範を決定することも可能である。決定処理部102は、姿勢の差分が最も小さい規範の候補を、動作の型の規範として決定する。
【0113】
図4は、本実施形態に係る情報処理方法に係る処理を説明するための説明図であり、決定処理部102における処理の概要を示している。
【0114】
決定処理部102は、例えば図4のAに示すように、複数時点のユーザ情報、および複数時点の候補情報それぞれに基づいて、ユーザおよび規範の候補それぞれにおける、動作途中のいくつかの姿勢のシルエット画像を生成する。ここで、シルエット画像の生成が、動作の特徴の抽出に係る処理に該当する。
【0115】
そして、決定処理部102は、例えば図4のBに示すように、動作が対応するユーザに対応するシルエット画像および規範の候補に対応するシルエット画像を重ね合わせ、重なり具合を示す値(すなわち、動作の類似度を示す値)を、特徴値とする。シルエット画像に係る特徴値としては、例えば、ユーザに対応するシルエット画像全体の領域に対する、重なっている領域の割合を示す値が挙げられる。なお、シルエット画像に係る特徴値は、上記に示す例に限られず、重なり具合を示すことが可能な任意の値であってもよい。
【0116】
(3)決定処理の第3の例
決定処理部102は、上記(1)に示す第1の例に係る処理と、上記(2)に示す第2の例に係る処理とを組み合わせた処理を行うことが可能である。
【0117】
上記組み合わせた処理の一例としては、上記(1)に示す第1の例に係る処理または上記(2)に示す第2の例に係る処理の一方の処理によって、動作の型の規範が1人に絞られない場合に、他方の処理によって1人の動作の型の規範を決定することが挙げられる。例えば、決定処理部102は、上記(1)に示す第1の例に係る総和値によって、総和値が最も小さな規範の候補が複数存在する場合に、これらの複数の規範の候補に対応する候補情報に基づいて、上記(2)に示す第2の例に係る処理をさらに行うことによって、動作の型の規範を決定する。
【0118】
なお、上記(1)に示す第1の例に係る処理と上記(2)に示す第2の例に係る処理とを組み合わせた処理の例は、上記に示す例に限られず、上記(1)に示す第1の例に係る処理と上記(2)に示す第2の例に係る処理とを組み合わせて動作の型の規範を決定することが可能な、任意の処理であってもよい。
【0119】
(4)決定処理の第4の例
なお、本実施形態に係る決定処理は、上記(1)に示す第1の例に係る処理〜上記(3)に示す第3の例に係る処理に限られない。
【0120】
上述したように、ユーザ情報は、ユーザの性別をさらに示していてもよく、また、候補情報は、規範の候補の性別をさらに示していてもよい。
【0121】
上記のように、ユーザ情報および候補情報それぞれが各ユーザの性別を示す場合には、決定処理部102は、ユーザと規範の候補との性別を考慮して、動作の型の規範を決定することが可能である。
【0122】
具体的には、決定処理部102は、例えば、ユーザと性別が異なる規範の候補を除外する。そして、決定処理部102は、規範の候補を除外した上で、上記(1)に示す第1の例に係る処理〜上記(3)に示す第3の例に係る処理のいずれかの処理を行うことによって、動作の型の規範を決定する。
【0123】
例えば、決定処理部102は、ユーザと性別が異なる規範の候補を除外することによって、ユーザと性別が異なる規範の候補が、動作の型の規範として決定されることが防止される。
【0124】
よって、ユーザは、自己の体により適した動作を規範とすることが可能となるので、技能の向上をより効果的に図ることができうる。また、自己の体により適した動作を規範とすることが可能となることによって、動作の型の規範の動作を規範として練習を行ったときにユーザの体に無理な負荷がかかる可能性を、より低減することが可能となる。
【0125】
また、上述したように、ユーザ情報は、ユーザの年齢をさらに示していてもよく、また、候補情報は、規範の候補の年齢をさらに示していてもよい。
【0126】
上記のように、ユーザ情報および候補情報それぞれが、各ユーザの年齢を示す場合には、決定処理部102は、ユーザと規範の候補との年齢差を考慮して、動作の型の規範を決定することが可能である。
【0127】
具体的には、決定処理部102は、例えば、ユーザとの年齢差が所定の閾値より大きな規範の候補(または、ユーザとの年齢差が所定の閾値以上の規範の候補。以下、同様とする。)を除外する。そして、決定処理部102は、規範の候補を除外した上で、上記(1)に示す第1の例に係る処理〜上記(3)に示す第3の例に係る処理のいずれかの処理を行うことによって、動作の型の規範を決定する。ここで、上記所定の閾値は、予め設定されている固定値であっておよいし、情報処理装置100のユーザなどのユーザ操作によって変更可能な、可変値であってもよい。
【0128】
例えば、決定処理部102は、上記のようにユーザと規範の候補との年齢差を考慮して規範の候補を除外することによって、ユーザとの年齢差が所定の閾値より大きな規範の候補が、動作の型の規範として決定されることが防止される。
【0129】
よって、ユーザは、自己の体により適した動作を規範とすることが可能となるので、技能の向上をより効果的に図ることができうる。また、自己の体により適した動作を規範とすることが可能となることによって、動作の型の規範の動作を規範として練習を行ったときにユーザの体に無理な負荷がかかる可能性を、より低減することが可能となる。
【0130】
決定処理部102は、例えば上記のように、ユーザ情報および候補情報それぞれが示す各ユーザの性別と、ユーザ情報および候補情報それぞれが示す各ユーザの年齢との一方または双方によって規範の候補を除外した上で、動作の型の規範を決定することが可能である。
【0131】
[II]分析部104
分析部104は、上記決定処理の結果を利用した一の処理を行う役目を果たし、上記決定処理の結果を利用した処理として、上記分析処理を主導的に行う。分析部104は、ユーザの動作を示す動作情報と、決定された動作の型の規範に対応する動作情報とに基づいて、ユーザの動作を分析する。
【0132】
ここで、本実施形態に係る動作情報とは、ユーザの動作の結果を示すデータである。動作情報としては、例えば、上記動き検出データ、または、上記動き推定データが挙げられる。
【0133】
ユーザの動作を示す動作情報が上記動き検出データである場合、ユーザの動作を示す動作情報は、例えば、上述した動き検出センサから取得される。
【0134】
また、ユーザの動作を示す動作情報が上記動き推定データである場合、ユーザの動作を示す動作情報は、ユーザを撮像する撮像デバイスから取得される。分析部104は、撮像デバイスから取得された撮像画像(上記動き推定データの一例)に対して、任意の動きの推定に係る処理を行うことによって、ユーザの動きを推定することが可能である。
【0135】
なお、ユーザ情報にユーザの動作の結果を示すデータが含まれる場合には、分析部104は、ユーザ情報に含まれるユーザの動作の結果を示すデータを、ユーザの動作を示す動作情報として用いることが可能である。
【0136】
また、分析部104は、例えば記憶部(図示せず)などの記録媒体から、決定された動作の型の規範に対応する動作情報を読み出すことによって、動作の型の規範に対応する動作情報を取得する。
【0137】
分析部104は、ユーザの動作と動作の型の規範の動作との動作の差分をとることによって、ユーザの動作を分析する。
【0138】
分析部104は、例えば、動作情報が示す動きを統計解析することによって、ユーザの動作と動作の型の規範の動作との動作の差分をとる。
【0139】
一例を挙げると、分析部104は、例えば、動作の主成分分析を行い、主成分の差分を求めることによって、動作の差分をとる。
【0140】
[III]通知処理部106
通知処理部106は、上記決定処理の結果を利用した他の処理を行う役目を果たし、上記決定処理の結果を利用した処理として、上記通知処理を主導的に行う。
【0141】
通知処理部106は、上記通知処理として、下記の(i)〜(iv)のいずれかの処理を行う。
【0142】
(i)通知処理の第1の例
通知処理部106は、決定処理部102において決定された動作の型の規範に対応する動作情報が示す動作を、通知させる。
【0143】
例えば、動作の型の規範に対応する動作情報が、動作の型の規範の動作が撮像された撮像画像である場合には、通知処理部106は、記憶部(図示せず)などの記録媒体から、動作の型の規範に対応する画像データを読み出す。そして、通知処理部106は、読み出された画像データが示す撮像画像を、表示部(図示せず)の表示画面や、外部の表示デバイスの表示画面に表示させることによって、動作の型の規範に対応する動作情報が示す動作を、視覚的に通知させる。
【0144】
また、通知処理部106は、例えば、(動作情報が撮像画像であるか否かによらず)動作の型の規範に対応する動作情報が示す動作を、スティックピクチャなどの動作を表すことが可能な任意の表現で、視覚的に通知させることも可能である。
【0145】
さらに、動作の型の規範に対応する動作情報に音声データが含まれている場合、または、動作の型の規範に対応する動作情報に対応付けられている音声データが存在する場合には、通知処理部106は、当該音声データが示す音声を、スピーカなどの音声出力デバイスから出力させることも可能である。ここで、上記音声データが示す音声の音声出力デバイスからの出力は、動作の型の規範に対応する動作情報が示す動作の、聴覚的な通知の一例に該当する。
【0146】
(ii)通知処理の第2の例
通知処理部106は、決定処理部102において決定された動作の型の規範を、通知させる。
【0147】
通知処理部106は、例えば、動作の型の規範の名前やプロフィールなどの動作の型の規範に関する任意の内容を、表示画面に表示させることによって、決定された動作の型の規範を視覚的に通知させる。また、通知処理部106は、例えば、動作の型の規範の名前やプロフィールなどの動作の型の規範に関する任意の内容を示す音声を、スピーカなどの音声出力デバイスから出力させることによって、決定された動作の型の規範を聴覚的に通知させてもよい。
【0148】
決定された動作の型の規範が通知されることによって、例えば、通知を受けたユーザは、自己にとって動作の型の規範となる者を把握することが可能である。
【0149】
よって、通知を受けたユーザは、例えば、“規範となる者のプレーを意識的にテレビジョン放送などでみること(例えば、規範となる者が、プロフェッショナルスポーツの選手である場合)”、“規範となる者の指導を受けること(例えば、規範となる者が、スポーツなどのコーチである場合)”、または、“規範となる者の動作が記載されている本を見ること(例えば、規範となる者が、プロフェッショナルスポーツの選手、または、スポーツなどのコーチである場合)”などによって、技能の向上をより効果的に図ることができる。
【0150】
(iii)通知処理の第3の例
分析部104において、ユーザの動作の分析が行われた場合には、通知処理部106は、ユーザの動作の分析結果を通知させる。
【0151】
通知処理部106は、例えば、“ユーザに対応する動作情報と動作の型の規範に対応する動作情報との一方または双方を、上記のように視覚的に通知させる際に、動作の差分を強調するように表示させること”によって、ユーザの動作の分析結果を視覚的に通知させる。ここで、動きの差分を強調するように表示させる方法としては、例えば、“撮像画像やスティックピクチャなどにおいて、動作の差分が大きな部位の色を変える方法”、または、“撮像画像やスティックピクチャなどにおいて、動作の差分が大きな部位を点滅させる方法”など、視覚的に強調を行うことが可能な、任意の方法が挙げられる。
【0152】
(iv)通知処理の第4の例
通知処理部106は、上記(i)に示す第1の例に係る通知処理〜上記(iii)に示す第3の例に係る通知処理のうちの2以上の処理を組み合わせた処理を、行うことも可能である。
【0153】
情報処理装置100は、例えば図1に示す構成によって、本実施形態に係る情報処理方法に係る処理(例えば、上記決定処理、上記分析処理、および上記通知処理)を行う。
【0154】
なお、本実施形態に係る情報処理装置の構成は、図1に示す構成に限られない。
【0155】
例えば、本実施形態に係る情報処理装置は、図1に示す分析部104と通知処理部106との一方または双方を備えていなくてもよい。
【0156】
分析部104と通知処理部106との一方または双方を備えない構成であっても、本実施形態に係る情報処理装置は、上記決定処理を行うことが可能である。
【0157】
よって、分析部104と通知処理部106との一方または双方を備えない構成であっても、本実施形態に係る情報処理装置は、例えば、ユーザにとって規範となる動作を行うことが可能な動作の型の規範を決定することができる。また、分析部104と通知処理部106との一方または双方を備えない構成であっても、本実施形態に係る情報処理装置は、上記決定処理が行われることより奏される効果を、奏することができる。
【0158】
なお、本実施形態に係る情報処理装置が分析部104を備えない構成である場合、上記分析処理は、例えば、分析部104と同様の機能を有する外部装置において行われてもよい。また、本実施形態に係る情報処理装置が通知処理部106を備えない構成である場合、上記通知処理は、例えば、通知処理部106と同様の機能を有する外部装置において行われてもよい。つまり、本実施形態に係る情報処理方法に係る“上記決定処理、および、上記分析処理と上記通知処理との一方または双方の処理”は、例えば、本実施形態に係る情報処理装置と、1または2以上の外部装置とを有する情報処理システムにより行われてもよい。
【0159】
また、上述したように、“上記決定処理”と、“上記決定処理、および、上記分析処理と上記通知処理との一方または双方の処理”とのそれぞれは、便宜上、本実施形態に係る情報処理方法に係る処理を切り分けたものである。よって、本実施形態に係る情報処理方法に係る処理を実現するための構成は、図1に示す決定処理部102、分析部104、および通知処理部106に限られず、本実施形態に係る情報処理方法に係る処理の切り分け方に応じた構成をとることが可能である。
【0160】
[IV]本実施形態に係る情報処理方法に係る処理の一例
次に、図1に示す情報処理装置100における、本実施形態に係る情報処理方法に係る処理の一例を挙げる。
【0161】
図5は、本実施形態に係る情報処理方法に係る処理の一例を示す流れ図であり、図1に示す情報処理装置100における処理の一例を示している。ここで、図5に示すステップS100、S102は、上記決定処理に該当する。また、図5に示すステップS104は、上記通知処理の一例に該当し、ステップS110は、上記通知処理の他の例に該当する。また、図5に示すステップS106、S108は、上記分析処理に該当する。
【0162】
図1に示す情報処理装置100では、ステップS100、S102の処理は、例えば決定処理部102により行われる。また、図1に示す情報処理装置100では、ステップS104、S110の処理は、例えば通知処理部106により行われ、ステップS106、S108の処理は、例えば分析部104により行われる。
【0163】
情報処理装置100は、ユーザ情報が取得されたか否かを判定する(S100)。ユーザ情報は、例えば、情報処理装置100が記録媒体などから読み出すこと、または、外部装置から送信されたユーザ情報を情報処理装置100が取得することによって、取得される。
【0164】
ステップS100においてユーザ情報が取得されたと判定されない場合には、情報処理装置100は、ステップS100においてユーザ情報が取得されたと判定されるまで、処理を進めない。
【0165】
また、ステップS100においてユーザ情報が取得されたと判定された場合には、情報処理装置100は、ユーザ情報と候補情報とに基づいて、動作の型の規範を決定する(S102)。情報処理装置100は、例えば、上記(1)に示す第1の例に係る処理〜上記(4)に示す第4の例に係る処理のいずれかの処理を行うことによって、動作の型の規範を決定する。
【0166】
ステップS102において動作の型の規範が決定されると、情報処理装置100は、決定された動作の型の規範の動作を通知する(S104)。情報処理装置100は、例えば、上記(i)に示す第1の例に係る通知処理を行うことによって、動作の型の規範の動作を通知する。
【0167】
情報処理装置100は、ユーザに対応する動作情報が取得されたか否かを判定する(S106)。ユーザに対応する動作情報は、例えば、情報処理装置100が記録媒体などから読み出すこと、または、外部装置から送信された動作情報を情報処理装置100が取得することによって、取得される。また、上述したように、取得されたユーザ情報に動作情報が含まれる場合には、情報処理装置100は、ユーザ情報に含まれる動作情報を処理に用いることも可能である。
【0168】
ステップS106においてユーザに対応する動作情報が取得されたと判定されない場合には、情報処理装置100は、ステップS106において動作情報が取得されたと判定されるまで、処理を進めない。
【0169】
また、ステップS106においてユーザに対応する動作情報が取得されたと判定された場合には、情報処理装置100は、ユーザに対応する動作情報が示すユーザの動作と、ステップS102において決定された動作の型の規範の動作とを分析する(S108)。情報処理装置100は、例えば、動作の主成分分析などの任意の手法を用いて、ユーザの動作と動作の型の規範の動作との主成分の係数の差分をとることによって、ユーザの動作と動作の型の規範の動作とを分析する。
【0170】
ステップS108においてユーザの動作と動作の型の規範の動作とが分析されると、情報処理装置100は、分析結果を通知する(S110)。情報処理装置100は、例えば、上記(iii)に示す第3の例に係る通知処理を行うことによって、分析結果を通知する。
【0171】
情報処理装置100は、本実施形態に係る情報処理方法に係る処理として、例えば図5に示す処理を行う。
【0172】
なお、本実施形態に係る情報処理方法に係る処理は、図5に示す処理に限られない。
【0173】
例えば、情報処理装置100は、ステップS104の処理と、ステップS106〜S110の処理とのうちの一方または双方の処理を行わないことが可能である。また、情報処理装置100は、例えば、ステップS110の処理を行わないことも可能である。
【0174】
ここで、ステップS104の処理と、ステップS106〜S110の処理とのうちの一方または双方の処理が行われない場合(または、ステップS110の処理を行わない場合)であっても、情報処理装置100では、上記決定処理が行われる。
【0175】
よって、ステップS104の処理と、ステップS106〜S110の処理とのうちの一方または双方の処理を行わない場合(または、ステップS110の処理を行わない場合)であっても、本実施形態に係る情報処理装置は、ユーザにとって規範となる動作を行うことが可能な動作の型の規範を決定することができる。また、ステップS104の処理と、ステップS106〜S110の処理とのうちの一方または双方の処理を行わない場合(または、ステップS110の処理を行わない場合)であっても、本実施形態に係る情報処理装置は、上記決定処理が行われることより奏される効果を、奏することができる。なお、情報処理装置100が、ステップS104の処理と、ステップS106〜S110の処理とのうちの一方または双方の処理を行わない場合(または、ステップS110の処理を行わない場合)、行われない処理は、情報処理装置100の外部装置により行われてもよい。
【0176】
[V]本実施形態に係る情報処理方法が用いられることにより奏される効果の一例
情報処理装置100は、例えば下記に示す効果を奏することができる。なお、本実施形態に係る情報処理方法が用いられることにより奏される効果が、下記に示す効果に限られないことは、言うまでもない。
・個人ごとに最も体や動作の特徴が類似したプロフェッショナルスポーツ選手などを探し、各人にとって規範となる動作を提示することができる。
・規範となるプロフェッショナル選手の動作と個人の動作の差分を提示することができる。
・上記のような提示によって、各人は、効率的にスポーツなどの技能向上を達成することができる。具体例を挙げると、上記のような提示によって、例えば、若手医師(ユーザの一例)は、自分にとって規範となるベテラン医師(動作の型の規範の一例)の動きをまねすることによって、手術などの医療における手技のスキルアップを図ることができる。
【0177】
[VI]本実施形態に係る情報処理装置の適用例
以上、本実施形態として、情報処理装置を挙げて説明したが、本実施形態は、かかる形態に限られない。本実施形態は、例えば、PC(Personal Computer)やサーバなどのコンピュータ、タブレット型の装置、携帯電話やスマートフォンなどの通信装置、ユーザの身体に装着して用いられるウェアラブル装置など、本実施形態に係る情報処理方法に係る処理を行うことが可能な、様々な機器に適用することができる。また、本実施形態は、例えば、上記のような機器に組み込むことが可能な、処理ICに適用することもできる。
【0178】
また、本実施形態に係る情報処理装置は、例えばクラウドコンピューティングなどのように、ネットワークへの接続(または各装置間の通信)を前提とした、複数の装置からなるシステムに適用されてもよい。つまり、上述した本実施形態に係る情報処理装置は、例えば、複数の装置により本実施形態に係る情報処理方法に係る処理を行う情報処理システムとして実現することも可能である。複数の装置により本実施形態に係る情報処理方法に係る処理を行う情報処理システムの一例としては、例えば、“上記決定処理”、または、“上記決定処理、および、上記分析処理と上記通知処理との一方または双方の処理”が、当該情報処理システムを構成する複数の装置において連携して行われるシステムが、挙げられる。
【0179】
(本実施形態に係るプログラム)
コンピュータを、本実施形態に係る情報処理装置として機能させるためのプログラム(例えば、“上記決定処理”や、“上記決定処理、および、上記分析処理と上記通知処理との一方または双方の処理”など、本実施形態に係る情報処理方法に係る処理を実行することが可能なプログラム)が、コンピュータにおいてプロセッサなどにより実行されることによって、ユーザにとって規範となる動作を行うことが可能な動作の型の規範を決定することができる。
【0180】
また、コンピュータを、本実施形態に係る情報処理装置として機能させるためのプログラムが、コンピュータにおいてプロセッサなどにより実行されることによって、上述した本実施形態に係る情報処理方法に係る処理によって奏される効果を、奏することができる。
【0181】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0182】
例えば、上記では、コンピュータを、本実施形態に係る情報処理装置として機能させるためのプログラム(コンピュータプログラム)が提供されることを示したが、本実施形態は、さらに、上記プログラムを記憶させた記録媒体も併せて提供することができる。
【0183】
上述した構成は、本実施形態の一例を示すものであり、当然に、本開示の技術的範囲に属するものである。
【0184】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0185】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
ユーザ情報と、動作の型の規範の候補をそれぞれ示す、複数の候補情報とに基づいて、前記ユーザ情報に対応するユーザにとっての動作の型の規範を決定する決定処理部を備える、情報処理装置。
(2)
前記ユーザ情報と前記候補情報とは、それぞれ体の特徴を示し、
前記決定処理部は、前記ユーザに体の特徴がより近い前記規範の候補を、前記動作の型の規範として決定する、(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記ユーザ情報は、前記ユーザの体の特徴を示す、1または2以上の特徴値を示し、
前記候補情報は、前記規範の候補の体の特徴を示す、1または2以上の特徴値を示し、
前記決定処理部は、前記ユーザ情報と前記候補情報とにおける対応する前記特徴値の差分の、総和値に基づいて、前記動作の型の規範を決定する、(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記特徴値は、複数の区分に分類され、
前記決定処理部は、区分ごとに重み付けがされた、前記特徴値の差分の総和値に基づいて、前記動作の型の規範を決定する、(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記決定処理部は、前記総和値が最も小さい前記規範の候補を、前記動作の型の規範として決定する、(3)、または(4)に記載の情報処理装置。
(6)
前記ユーザ情報と前記候補情報とは、それぞれ動作の結果を示し、
前記決定処理部は、前記ユーザに動作の特徴がより近い前記規範の候補を、前記動作の型の規範として決定する、(1)〜(5)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(7)
前記決定処理部は、前記ユーザ情報および前記候補情報それぞれから、動作の特徴を抽出し、抽出された動作の特徴の差分に基づいて、前記動作の型の規範を決定する、(6)に記載の情報処理装置。
(8)
前記決定処理部は、動作の特徴値を算出することによって、動作の特徴を抽出し、算出された特徴値の差分が最も小さい前記規範の候補を、前記動作の型の規範として決定する、(7)に記載の情報処理装置。
(9)
前記決定処理部は、前記ユーザおよび前記規範の候補それぞれの姿勢を、動作の特徴として抽出し、姿勢の差分が最も小さい前記規範の候補を、前記動作の型の規範として決定する、(7)に記載の情報処理装置。
(10)
前記ユーザ情報は、前記ユーザの性別をさらに示し、
前記候補情報は、前記規範の候補の性別をさらに示し、
前記決定処理部は、前記ユーザと性別が異なる前記規範の候補を除外して、前記動作の型の規範を決定する、(1)〜(9)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(11)
前記ユーザ情報は、前記ユーザの年齢をさらに示し、
前記候補情報は、前記規範の候補の年齢をさらに示し、
前記決定処理部は、前記ユーザとの年齢差が所定の閾値より大きな前記規範の候補、または、前記ユーザとの年齢差が所定の閾値以上の前記規範の候補を除外して、前記動作の型の規範を決定する、(1)〜(10)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(12)
決定された前記動作の型の規範に対応する動作情報が示す動作を通知させる通知処理部をさらに備える、(1)〜(11)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(13)
前記ユーザの動作を示す動作情報と、決定された前記動作の型の規範に対応する動作情報とに基づいて、前記ユーザの動作を分析する分析部をさらに備える、(1)〜(12)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(14)
前記分析部は、前記ユーザの動作と前記動作の型の規範の動作との動作の差分をとることによって、前記ユーザの動作を分析する、(13)に記載の情報処理装置。
(15)
前記ユーザの動作の分析結果を通知させる通知処理部をさらに備える、(13)、または(14)に記載の情報処理装置。
(16)
ユーザ情報と、動作の型の規範の候補をそれぞれ示す、複数の候補情報とに基づいて、前記ユーザ情報に対応するユーザにとっての動作の型の規範を決定するステップを有する、情報処理装置により実行される情報処理方法。
(17)
ユーザ情報と、動作の型の規範の候補をそれぞれ示す、複数の候補情報とに基づいて、前記ユーザ情報に対応するユーザにとっての動作の型の規範を決定する機能を、コンピュータに実現させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0186】
100 情報処理装置
102 決定処理部
104 分析部
106 通知処理部
図1
図2
図3
図4
図5