(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2のハプティックアクチュエータで前記ハプティック効果を表現している間に、前記トリガを非接地状態へ次第に解放することによって、前記第1のハプティックアクチュエータと前記第2のハプティックアクチュエータとで前記ハプティック効果を分配するステップを更に備える、請求項1に記載のハプティック表現方法。
前記第1のハプティックアクチュエータで前記ハプティック効果を表現している間に、前記トリガを次第に接地することによって、前記第1のハプティックアクチュエータと前記第2のハプティックアクチュエータとで前記ハプティック効果を分配するステップを更に備える、請求項1に記載のハプティック表現方法。
前記第1のハプティックアクチュエータで前記ハプティック効果を表現している間に、前記トリガによる受動的な接触が次第に停止すると、前記第1のハプティックアクチュエータと前記第2のハプティックアクチュエータとで前記ハプティック効果を分配するステップを更に備える、請求項6に記載のハプティック表現方法。
前記第2のハプティックアクチュエータで前記ハプティック効果を表現している間に、前記トリガが受動的又は能動的に接触されるとき、前記第1のハプティックアクチュエータと前記第2のハプティックアクチュエータとで前記ハプティック効果を分配するステップを更に備える、請求項6に記載のハプティック表現方法。
前記命令は、更に前記プロセッサに、前記第2のハプティックアクチュエータで前記ハプティック効果を表現している間に、前記トリガを非接地状態へ次第に解放することによって、前記第1のハプティックアクチュエータと前記第2のハプティックアクチュエータとで前記ハプティック効果を分配することを行わせる、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
前記第2のハプティックアクチュエータが前記ハプティック効果を表現している間に、前記トリガを非接地状態へ次第に解放することによって、前記第1のハプティックアクチュエータと前記第2のハプティックアクチュエータとで前記ハプティック効果を分配するように構成される、請求項12に記載のハプティック可能デバイス。
前記第1のハプティックアクチュエータが前記ハプティック効果を表現している間に、前記トリガが次第に接地される場合に、前記第1のハプティックアクチュエータと前記第2のハプティックアクチュエータとで前記ハプティック効果を分配するように構成される、請求項12に記載のハプティック可能デバイス。
前記第1のハプティックアクチュエータが前記ハプティック効果を表現している間に、前記トリガによる受動的な接触が次第に停止すると、前記第1のハプティックアクチュエータと前記第2のハプティックアクチュエータとで前記ハプティック効果を分配するように構成される、請求項15に記載のハプティック可能デバイス。
前記第2のハプティックアクチュエータが前記ハプティック効果を表現している間に、前記トリガが受動的又は能動的に接触されるとき、前記第1のハプティックアクチュエータと前記第2のハプティックアクチュエータとで前記ハプティック効果を分配するように構成される、請求項15に記載のハプティック可能デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0007】
例示的実施形態は、複数のハプティック出力デバイスでハプティック効果を表現することに関する。
【0008】
例示的実施形態は、ハプティック効果を最適化するために複数のハプティック出力デバイスでハプティック効果を表現することに関し、それによって、より没入感のある体験を提供する。
【0009】
ハプティクスは、個人のタッチの検知を用いて個人向けに、力、振動及びモーション等のようなハプティックフィードバック効果(「ハプティックフィードバック」又はハプティック効果としても知られる)を生成する触覚及びフォースフィードバック技術である。ハプティック出力デバイスは、ハプティック効果を生成するように構成された埋め込みハードウェア(例えば、ボディアクチュエータ、アクチュエータを有するトリガ、又は他の出力/入力機構)を含みうる。埋め込みハードウェアは、一般的に、特定のセットのハプティック効果を表現する(又は再生する)ためにプログラムされる。どのハプティック効果をプレイするかを特定する信号がハプティック可能デバイスによって受信されたとき、ハプティック可能デバイスのハプティック出力デバイスは、特定されたハプティック効果を表現する。例えば、個人がゲームプレイ中にハプティックイベントを体験するとき、ゲーミング周辺機器の1以上のトリガは、制御回路を通じてプレイコマンドを受け付ける。そして、トリガは、振動触覚及び/又は運動感覚ハプティック効果を提供するアクチュエータを通じて適切なハプティック効果を表現する。
【0010】
一例の実施形態では、個人からの作動入力を用いる他の機構は、トリガアクチュエータとは別に用いられてもよい。
【0011】
トリガは、ハプティックトリガ制御システムに関する米国特許出願公開第2015/0130706号、及びハプティック減衰防止構成要素を有する周辺機器に関する米国特許第9,174,134号に開示されるトリガのようなハプティック効果を更に向上させるためのハプティック特徴を含みうる。
【0012】
例示的実施形態によれば、個人によってハプティック効果の感覚を向上させるための1つの手法は、トリガが外側静止位置を過ぎて拡張することを可能にするために、及び/又は内側静止位置を過ぎてハプティック出力デバイスのボディ又はシェルへ後退することを可能にするために、例えば、トリガの動きの範囲を拡張することによって、トリガの構造を変更することである。トリガが静止位置を過ぎて拡張することを可能にすることによって、トリガは、2つのみとは対照的に、4つの限界でハプティック効果を表現しうる。しかし、この特徴は、一般的に、個人が理想的な態様でハプティック出力デバイスを把持しているときに、向上したハプティック及び没入感のある体験を可能にする。
【0013】
一例の実施形態によれば、ハプティック可能デバイス内のイントラデバイスミキサが用いられ、意図したアクチュエータが、意図したハプティック効果を表現するための理想的な態様でユーザの指と接触していないとき、意図したアクチュエータ(例えば、トリガアクチュエータ)に加えて、(例えば、ハプティック可能デバイスのボディ又はハウジングにおいて)別のアクチュエータでのハプティック効果の表現を代理動作可能に分配(又は移動)する。ハプティック効果の移動は、わずかな変調を含みうる。ハプティック効果の移動は、両方のアクチュエータで同時にハプティック効果を表現することを含んでもよい。ハプティック可能デバイスは、ハプティック効果の表現を選択的に移動しうる。
【0014】
意図したアクチュエータ以外のアクチュエータへハプティック効果の表現を移動することは、適切なアルゴリズムを適用するために、ハプティック可能デバイスの技術的な特徴(例えば、ボディの形態、マップ等)及び/又はアクチュエータ(例えば、パワー、パワー出力等)と組み合わせたイントラデバイスミキサのソフトウェア及び/又はファームウェアを用いることによって実現される。イントラデバイスミキサは、ソフトウェア(又はファームウェア)コンポーネントに加えて、ハードウェアコンポーネントを含みうる。
【0015】
ハプティック効果の表現は、それによって対応するハプティック信号が送信されるハプティック可能デバイスのチャネルをプログラム的に変えること又はソース内容をプログラム的に変えることによって、意図したアクチュエータ以外のアクチュエータへ移動される。プロファイルは、各ポテンシャルエンドポイント(例えば、アクチュエータ)のためにセットアップされうる。プロファイルは、エンドポイントの機能をカプセル化する。プロファイルは、ソースプロファイルからエンドポイントへハプティック効果の変調のためのアルゴリズムも含む。例えば、トリガは、偏心回転質量モータ(eccentric rotating mass motor(“ERM”))又は線形共鳴アクチュエータ(linear resonant actuator(“LRA”))では適切に表現されない双方向ハプティック効果を含んでもよい。この場合には、方向性ハプティック効果の一方がミュートされ、それによって、双方向ハプティック効果の片方のみを有効に表現する。
【0016】
一方向性効果を変更することは、(例えば、全て「引く」のシーケンスに続いて全て「押す」のシーケンス)は、非方向性での異なる周波数又は強度(又は大きさ)として「押す」及び「引く」を表現することによって区別化されうる。アクチュエータがソースよりも遅くなることがわかっている場合、LRA用の10ms最大強度ハプティック効果は、例えば、ERM用の80msハプティック効果に調整されうる。
【0017】
一例の実施形態では、周波数データは、強度の調整とは対照的に、LRA及びERMで表現するために、例えば高耐久性のアクチュエータから、除去されうる。周波数データは、また、複数でない周波数ハプティックに関心を引くことを維持するために追加されうる、及び/又は強度又は周波数曲線は、所望の強度レベルに基づいて周波数を表現するために用いられうる。
【0018】
アクチュエータは、駆動信号に応じて、ハプティック効果の様々な形態(例えば、振動触覚効果、静電摩擦ハプティック効果、変形ハプティック効果、超音波ハプティック効果等)を出力するために用いられるハプティック出力デバイスの一例である。ハプティック出力デバイスは、電流を用いた電極、静電摩擦(ESF:electrostatic friction)又は超音波表面摩擦(USF:ultrasonic surface friction)を用いるデバイス、超音波ハプティックトランスデューサにより音響放射圧力を誘起するデバイス、ハプティック基板及びにフレキシブル又は変形可能表面又は形状変化デバイスを用いるデバイス、又はエアジェットを用いるエアのパフ等のような突出ハプティック出力を提供するデバイス、レーザベースの発射物、音ベースの発射物等を含みうる。
【0019】
ハプティック可能デバイス(例えば、ゲームコントローラ)のボディ内に配置されるアクチュエータ(つまり、トリガ以外のアクチュエータ)は、ERMでありうる。それに代えて、ボイスコイル、LRA又はソレノイド等のような高速応答時間アクチュエータは、より向上し、かつ没入感のある体験を提供するために用いられうる。しかし、例示的実施形態は、これに限定されない。例えば、アクチュエータは、圧電アクチュエータ(セラミックアクチュエータ又はマイクロファイバ複合体(「MFC」アクチュエータ))、電気活性ポリマー(Electro Active Polymer(“EAP”))アクチュエータ、電気モータ、電磁アクチュエータ、形状記憶合金又はハイバンドパスアクチュエータが用いられうる。
【0020】
例示的実施形態は、ハプティック効果の表現を別のアクチュエータへ移動するときに、指向性データを取り去る際に1つのアクチュエータへのオーサリングを可能にする。
【0021】
例示的実施形態は、異なるアクチュエータで表現されるべきハプティックが、個人によって最適に体験されるべきハプティックイベント(例えば、ゲームプレイ)を反映するハプティック効果を可能にするようにハプティック効果を継続することを可能にする。
【0022】
例示的実施形態は、また、個人の指先で過剰な数のハプティック効果を表現することによって生じる疲労の問題を解決しようとする。
【0023】
図1A、1B及び1Cは、一例の実施形態に係るハプティック可能ゲームコントローラの平面、底面及び部分図である。
図2は、別の例の実施形態に係るハプティック可能ゲームコントローラの部分図である。
【0024】
図1A及び1Bを参照すると、ハプティック可能デバイス100は、ハプティック可能デバイス100のボディ110の裏側に位置決めされたトリガ112及び114を含みうる。ハプティック可能デバイス100は、ゲーミング周辺機器、バーチャルリアリティコントローラ、タッチスクリーン又は任意のユーザインターフェースデバイスであってもよい。アナログ又はデジタルスティック116及び/又はボタン117は、ハプティック可能デバイス100のボディ110の上側に位置決めされうる。しかし、例示的な実施形態は、これに限定されない。ハプティック可能デバイス100は、例えば、ランブルパッドを含みうる。別の例として、ハプティック可能デバイス100は、トリガアクチュエータを含みうる。
図1Cに示されるように、水平トリガ120及び垂直トリガ121は、ハプティック可能デバイス100上にありうる。それに代えて、
図2に示されるように、ボタン222は、一例の実施形態に係る、ハプティック可能デバイス100のボディの底面に位置決めされうる。
【0025】
図3A及び3Bは、一例の実施形態に係る、ハプティック可能デバイス上の上面図及び底面図である。
【0026】
図3A及び3Bを参照すると、
図1A、1B、1C及び2に関連して説明されるボディ、アナログ又はデジタルスティック、ボタン(単数又は複数)に加えて、ハプティック可能デバイス300は、複数の分離領域311、312、313、314、315及び316を含む。分離領域311−316の各々は、ハプティック効果を表現するための個別局所化領域を提供するように各々構成されうる。
【0027】
ハプティック効果を表現するために個別に操作されうるハプティック可能デバイス300の個別局所化領域を用いることによって、向上した全空間化ハプティック効果が提供されうる。ハプティック可能デバイス300は、そこで局所化ハプティックフィードバックが個人によって体験されうる空間化ハプティック効果を生成しうる。例えば、個人は、ハプティック可能デバイス300の1以上の分離領域311−316で提供される局所化ハプティック効果を感じる。このように局所化ハプティック効果は、ハプティック可能デバイス300のハウジングに直接加えられる一般的なハプティック効果とは区別されうる。別の例では、ハプティック効果は、方向の感覚を個人に伝える(例えば、左又は右の感覚)ために局所化領域311−316のサブセットへ加えられうる。
【0028】
また、ハプティック効果は、ゲームプレイ中に、ハプティック可能デバイス300の各分離領域311−316へ何が生じているかをマッピングすることによって、分離領域311−316のサブセットに加えられうる。例えば、アバターのボディが上部左側でヒットした場合、ハプティック可能デバイス300は、上部左側の分離領域で対応するハプティック効果を有しうる。別の例では、左側での個別のヒットは、分離領域311、314及び316のような左側での分離領域でハプティック効果を感じてもよい。
【0029】
例示的な実施形態では、分離領域311−316は、ハプティック可能デバイス300の各部分が別々に振動しうるように、機械的に配置されうる。ここで、ハプティック可能デバイス300の分離領域311−316の複数又は全ては、特定の領域だけではなく、ハプティック効果を適用するように構成されうる。分離領域311−316は、また、ハプティック効果が、一単位として領域のサブセットに適用されうるように、共にロックされうる。また、ハプティック可能デバイス300のボディは、各部分への振動を分離するために、剛性特性が変化する様々な材料で成形されうる。一例の実施形態では、ジョイスティック、ボタン、ランブルパッド等のような個々の要素もまた、ゲームパッドの異なる部位から分離されうる。
【0030】
一例の実施形態では、ハプティック可能デバイス300は、分離された部分に機械的に分割されうる。例えば、ハプティック可能デバイス300は、8つの振動分離部分又は八分円に分割されうる。この例では、ハプティック効果は、上部左の八分円に加えられ、他の八分円から実質的に分離されうる。ここで、分離された部分又は八分円は、分離された部分を相互接続するために、調整可能な剛性を有するアクティブサスペンションによって相互接続されうる。つまり、分離された部分は、ハプティック可能デバイス300の特定部位へハプティック効果を分離するために、それらの間で可変抑制手段を有しうる。剛性は、ハプティック可能デバイスの2以上の隣接した分離部分を単一部分へ有効に結合するために増大されうる。
【0031】
図4Aは、一例の実施形態に係るハプティック可能デバイス(例えば、ゲームコントローラ)での分離トラックパッドの斜視図である。
【0032】
図4Aを参照すると、ハプティック可能デバイス400は、ユーザ入力装置として分離したトラックパッド421,422を含みうる。分離したトラックパッド421,422は、また、ハプティック効果を表現するために用いられうる。トラックパッド421,422の各々の表面は、変形可能な表面を含む。
【0033】
図4Bは、一例の実施形態に係るハプティック出力デバイスによる使用のための分離したトラックパッド表面の別の構成の図である。
【0034】
図4Bを参照すると、
図4Aに示される分離したトラックパッドの表面は、平坦な表面構造425、凸表面構造426及び凹表面構造427のような様々な構造を含みうる。他の例の実施形態では、分離領域の表面は、テクスチャ化される、及び/又は湾曲、ディンプル、リッジ等を含みうる。
【0035】
分離したトラックパッド421,422を使用することは、トラックパッドの感覚及び目的を動的に変化させ、個人がハプティック可能デバイスに接触している領域でのハプティック効果の表現を可能にする。また、分離したトラックパッド421,422の使用は、圧力検知アプリケーションを人間工学的に向上させ、かつより良くする。
【0036】
以下のシナリオは、例示的な実施形態の実演を補助するためにゲームプレイ設定における本発明の用途である。しかし、例示的な実施形態は、ゲーミングに限定されず、したがって、
図6に関連して以下に説明されるような他の用途にも適用されうる。
【0037】
以下のシナリオは、シングルプレイヤーの視点から説明されるが、例示的な実施形態は、これに限定されない。マルチプレイヤー向けに、ハプティック効果は、別のプレイヤー及び/又は彼ら自身のゲームプレイを反映するために各ゲーミング周辺機器のトリガ、ランブルパッド及び/又はボディアクチュエータで表現されうる。
【0038】
第1のシナリオでは、個人は、武器を発射している際に、トリガアクチュエータを接地する(又はトリガーの範囲移動の物理限界に到達する)。トリガアクチュエータが接地されたとき、ハプティック効果は、意図したように表現されない場合がある。よって、ハプティック体験を向上させるために、ハプティック効果は、トリガアクチュエータが接地されている間にボディアクチュエータ上で表現される。ハプティック効果は、トリガアクチュエータが接地位置から解放される(又は引かれる)と、ボディアクチュエータへ次第に変位されうる(又は薄れる)。
【0039】
第2のシナリオでは、個人は、能動的にトリガアクチュエータに接触するが、トリガの移動範囲に接地しない(又は物理限界に到達しない)。ハプティック効果がトリガアクチュエータで主に表現されている間、ハプティック効果は、ゲームプレイ中に生じていることを反映するために、ボディアクチュエータへ次第に遷移されうる(及び意図される場合には、トリガアクチュエータで再び完全に表現される)。
【0040】
第3のシナリオでは、トリガアクチュエータが個人によって押されない(又は受動的に接触している)が、個人の指がトリガアクチュエータ上にわずかにかつ微妙に載っている(例えば、リロードシーケンス中に)。個人がトリガアクチュエータに受動的に接触するとき、ハプティック効果は、意図したようには表現されない場合がある。この状況では、ハプティック効果は、トリガアクチュエータでのみ、又はボディアクチュエータでのみ表現されうる。それに代えて、ハプティック効果は、個人の指がトリガアクチュエータ上に載っているので、トリガアクチュエータ及びボディアクチュエータで表現されることができ、最もリアルな又は没入感のあるハプティック体験は、ゲーミング周辺機器のボディに加えて、トリガ上でハプティック効果を表現することを含むであろう。一例の実施形態では、ハプティック効果の強度は、振動が、ボディの意図した分離領域で強く発するように、個人の指が受動的に(又はわずかに)トリガアクチュエータに接触しているときに増大されうる。
【0041】
第4のシナリオでは、個人の指がトリガアクチュエータ上又はトリガアクチュエータの近傍に留まっている(又は受動的に接触している)が、トリガアクチュエータは、個人によって能動的に操作されない(又は接触されない)。トリガアクチュエータ上の容量センサ又は他のセンサ(例えば、圧力センサ)は、トリガアクチュエータが、ゲームプレイにおいて個人によって操作されていなくても、個人の指がトリガアクチュエータ上又はトリガアクチュエータの近傍にあるかを判定する。別の例の実施形態では、歪ゲージは、個人がハプティック可能デバイス及び/又はアクチュエータをどの程度強く又はどこ(例えば、グリップの中央)を把持しているかを判定するために用いられうる。この状況では、ハプティック効果は、トリガアクチュエータではなくボディアクチュエータで表現される、又はそれに代えて、最もリアルな又は没入感のあるハプティック効果がゲーミング周辺機器のボディに加えて、トリガ上のハプティック効果を含むので、ハプティック効果は、トリガ及びボディアクチュエータの両方で表現されうる。
【0042】
第5のシナリオでは、個人の指がトリガアクチュエータ上又はトリガアクチュエータの近傍にない。個人がトリガアクチュエータに接触しないとき、ハプティック効果の表現は、個人で体験されないであろう。この状況では、ハプティック効果は、ゲームプレイで与えられる最適なハプティック効果を提供するために、ボディアクチュエータで表現される。
【0043】
第6のシナリオでは、個人の指は、長時間のゲームプレイで疲労される。個人の指の疲労は、ゲームプレイ時間、トリガアクチュエータが入力として用いられた回数、及び/又はトリガアクチュエータで表現されたハプティック効果の回数に基づいて検出されうる。この状況では、ハプティック効果は、更なるゲームプレイ中に、個人の指の過剰な刺激を防止するためにボディアクチュエータで表現される。
【0044】
一例の実施形態では、個人は、ゲームプレイに与えられる最適なハプティック効果を提供するために、上記のどのシナリオでも、ゲームプレイ前又はゲームプレイ中に、トリガアクチュエータ用の強度レベル及び/又はボディアクチュエータを選択してもよい。
【0045】
図5は、一例の実施形態に係るハプティック表現のフローチャートである。
【0046】
図5を参照すると、一例の実施形態に係るハプティック可能デバイスのためのハプティック表現500は、530において、ハプティックイベント中に、ハプティック可能デバイスの第1のハプティックアクチュエータ(例えば、トリガアクチュエータ)の状態を判定することを含む。トリガアクチュエータの状態は、繰り返し、及び頻繁に判定されうる。例えば、トリガアクチュエータの状態は、個人によって各入力に応じて判定されうる。
【0047】
トリガアクチュエータの判定された状態に応じて、機能は、532において、トリガアクチュエータが押されたか否かを判定することを含む。
【0048】
トリガアクチュエータが押されたと判定された場合、534において、機能は、トリガアクチュエータが接地されたか否かを判定することを更に含む。
【0049】
トリガアクチュエータが接地されていないと判定された場合、536において、機能は、トリガアクチュエータで個人にハプティック効果を表現することを含む。
【0050】
トリガアクチュエータが接地されていると判定された場合、538において、機能は、ハプティック可能デバイスのボディ(例えば、ボディアクチュエータ)上又はボディ内の第2のハプティックアクチュエータ(例えば、ランブルパッド)でハプティック効果を表現することを含む。一例の実施形態によれば、第2のハプティックアクチュエータでハプティック効果を表現することは、トリガが接触されるが接地されないときに生じうる。
【0051】
また、546において、機能は、ゲームプレイにおいて生じていることを表すより没入感のあるハプティック効果を生成するため又はハプティックアクチュエータの設計意図を反映するために、トリガアクチュエータとボディアクチュエータとの間でハプティック効果を分配することを含みうる。
【0052】
一例の実施形態では、トリガアクチュエータとボディアクチュエータとの間でハプティック効果を分配することは、ボディアクチュエータでハプティック効果を表現している間に、非接地状態にトリガアクチュエータを次第に解放することを含みうる。ハプティック効果は、トリガが非接地状態にあるとき、トリガアクチュエータで主に表現されうる。
【0053】
別の実施形態では、トリガアクチュエータとボディアクチュエータとの間でハプティック効果を分配することは、トリガアクチュエータでハプティック効果を表現している間にトリガアクチュエータを次第に接地することを含みうる。ハプティック効果は、トリガアクチュエータが接地されるときにボディアクチュエータに主に表現されうる。
【0054】
532において、トリガアクチュエータが押されていないと判定された場合、532において、機能は、トリガアクチュエータとの接触を検出することを更に含む。
【0055】
トリガアクチュエータとの接触が検出された場合、542において、機能は、トリガアクチュエータでハプティック効果を表現することを含む。トリガアクチュエータでハプティック効果を表現することは、個人がトリガアクチュエータに受動的に接触し、かつトリガアクチュエータと能動的に接触していないときに生じうる。
【0056】
それに代えて、トリガアクチュエータとの接触が検出されない場合、544において、機能は、ボディアクチュエータでハプティック効果を表現することを含む。
【0057】
また、546において、機能は、より没入感のあるハプティック効果を生成するために、トリガアクチュエータとボディアクチュエータとの間でハプティック効果を分配することを含みうる。
【0058】
一例の実施形態では、トリガアクチュエータとボディアクチュエータとの間でハプティック効果を分配することは、個人とトリガアクチュエータとの間での受動的な接触が、トリガアクチュエータでハプティック効果を表現している間に次第に停止するときに生じうる。
【0059】
別の実施形態では、トリガアクチュエータとボディアクチュエータとの間でハプティック効果を分配することは、個人がボディアクチュエータでのハプティック効果を表現している間にトリガアクチュエータを受動的に接触する又は能動的に接触するときに生じうる。
【0060】
上述されたように、例示的な実施形態はゲーミングに限定されず、よって、(i)個人によって制御可能、及び(ii)特定の環境において意図したハプティック効果を表現することができない機械的な入力を有するハプティック可能デバイスに適用されうる。例えば、機械的な入力は、形状の変化によってハプティック効果を表現し、かつ意図したようにハプティック効果を表現することを無効にする(オーバーライドする)又は防ぐために十分な力を個人が発揮するとき、形状の変化が防がれる変形デバイスでありうる。
【0061】
図6は、別の実施形態に係るハプティック表現のフローチャートである。
【0062】
図6の機能は、
図6が、機械的な、運動感覚アクチュエータ入力のためのハプティック表現を示す点を除いて
図5と同様である。
【0063】
図6を参照すると、例示的な実施形態に係るハプティック可能デバイスのためのハプティック表現600は、630において、ハプティックイベント中にハプティック可能デバイスの第1の機械的な入力の状態を判定することを含む。第1の機械的な入力の状態は、繰り返しかつ頻繁に判定されうる。例えば、第1の機械的な入力の状態は、個人による各入力に応じて判定されうる。
【0064】
第1の機械的な入力の判定状態に応じて、632において、機能は、力が機械的な入力に加えられたか否かを判定することを更に含む。
【0065】
力が第1の機械的な入力に加えられた場合、634において、機能は、力が無効にする力であるか否かを判定することを更に含む。
【0066】
無効にする力が第1の機械的な入力に加えられていないと判定された場合、636において、機能は、第1の機械的な入力による個人にハプティック効果を表現することを含む。
【0067】
無効にする力が第1の機械的な入力に加えられたと判定された場合、638において、機能は、ハプティック可能デバイスのボディ上又はボディ内の第2のハプティック入力でハプティック効果を表現することを含む。実施形態によれば、第2の機械的な入力でのハプティック効果の表現は、第1の機械的な入力が接触されかつ無効化されないときに生じうる。
【0068】
また、646において、機能は、ハプティックイベント中に生じていることを表すより没入感のあるハプティック効果を生成するために、第1の機械的な入力と第2の機械的な入力との間でハプティック効果を分配することを含みうる。
【0069】
例示的な実施形態では、第1の機械的な入力と第2の機械的な入力との間でハプティック効果を分配することは、第2の機械的な入力でハプティック効果を表現している間に第1の機械的な入力を非無効状態に次第に解放することを含みうる。ハプティック効果は、第1の機械的な入力が非無効状態にあるときに第1の機械的な入力で主に表現されうる。
【0070】
別の実施形態では、第1の機械的な入力と第2の機械的な入力との間でハプティック効果を分配することは、第1の機械的な入力でハプティック効果を表現している間に、第1の機械的な入力に無効化する力を次第に加えることを含みうる。ハプティック効果は、第1の機械的な入力が無効化されたときに第2の機械的な入力に対して主に表現されうる。
【0071】
632において、力が第1の機械的な入力に加えられないと判定された場合、640において、機能は、第1の機械的な入力との受動的な接触を検出することを更に含む。
【0072】
第1の機械的な入力との受動的な接触が検出された場合、642において、機能は、第1の機械的な入力でハプティック効果を表現することを含む。第1の機械的な入力でハプティック効果を表現することは、個人が第1の機械的な入力と受動的に接触し、かつ第1の機械的な入力と能動的に接触していないときに生じうる。
【0073】
それに代えて、第1の機械的な入力との受動的な接触が検出されない場合、644において、機能は、第2の機械的な入力を表現することを含む。
【0074】
また、646において、機能は、より没入感のあるハプティック効果を生成するために、第1の機械的な入力と第2の機械的な入力との間でハプティック効果を分配することを含みうる。
【0075】
一例の実施形態では、第1の機械的な入力と第2の機械的な入力との間でハプティック効果を分配することは、個人と第1の機械的な入力との間での受動的な接触が、第1の機械的な入力でのハプティック効果を表現している間に次第に停止するときに、生じうる。
【0076】
別の例の実施形態では、第1の機械的な入力と第2の機械的な入力との間でハプティック効果を分配することは、個人が、第2の機械的な入力でハプティック効果を表現している間に第1の機械的な入力と受動的に接触又は能動的に接触したときに生じうる。
【0077】
図7は、一例の実施形態に係るハプティック可能デバイスにおけるシステムのブロック図である。
図7の構成要素の一部又は全部は、
図1A、1B、1C及び2の要素のいずれかを実装するためにも用いられうる。
図7の要素の一部は、ハプティック可能デバイス自体(例えば、ゲームコントローラ内)に配置されてもよく、一部は、(例えば、ゲームコントローラにより、有線又は無線で通信するゲーミングコンソールにおいて)ハプティック可能デバイスから隔てて配置されてもよい。
【0078】
図7を参照すると、一例の実施形態に係るハプティック可能デバイスにおけるシステム700は、デバイス用のハプティック機能を提供する。
【0079】
単一システムとして示されるが、システム700の機能は、分散型システムとして実装されうる。システム700は、バス704又は情報を通信するための他の通信機構と、情報処理のためにバス704に接続されたプロセッサ714と、を含む。プロセッサ714は、汎用又は特定用途向けプロセッサのいずれかのタイプでありうる。システム700は、プロセッサ714によって実行される情報及び命令を格納するためのメモリ702を更に含む。メモリ702は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、リードオンリーメモリ(「ROM」)、磁気又は光学ディスク等のようなスタティックストレージ、又は他の種類のコンピュータ可読媒体の組み合わせから構成されうる。
【0080】
コンピュータ可読媒体は、プロセッサ714によってアクセスされることができ、かつ揮発性及び不揮発性媒体の両方、リムーバブル及び非リムーバブル媒体、通信媒体、並びにストレージ媒体を含みうる利用可能な媒体でありうる。通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は搬送波又は他の搬送機構等のような変調されたデータ信号での他のデータを含むことができ、従来から知られている情報伝達媒体の他の形態を含みうる。ストレージ媒体は、RAM、フラッシュメモリ、ROM、erasable programmable read−only memory(“EPROM”)、electrically erasable programmable read−only memory(“EEPROM”)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(「CD−ROM」)、又は従来から知られているストレージ媒体の他の形態を含みうる。
【0081】
一例の実施形態によれば、メモリ702は、プロセッサ714によって実行されたとき、機能を提供するソフトウェアモジュールを格納する。ソフトウェアモジュールは、ハプティック可能デバイスの残りの部分と同様に、システム700のためのオペレーティングシステム機能を提供するオペレーティングシステム706を含む。ソフトウェア及び/又はファームウェアモジュールは、また、上述されたように、意図したアクチュエータに加えて、又は意図したアクチュエータに代えて、別にアクチュエータでハプティック効果を表現することを代理動作可能に分配するイントラデバイスミキサ705を含む。イントラデバイスミキサ705は、ハプティック機能を提供するハプティックシステムの一部である。ソフトウェアモジュールは、オーディオ‐トゥ‐ハプティック(audio−to−haptic)変換アルゴリズム等のような他のアプリケーションを更に含んでもよい。
【0082】
システム700は、赤外線、無線、Wi−Fi又はセルラーネットワーク通信用のワイヤレスネットワーク通信を提供する通信デバイス712(例えば、ネットワークインターフェースカード)を更に含みうる。それに代えて、通信デバイス712は、有線ネットワーク接続(例えば、ケーブル/イーサネット(登録商標)/ファイバ光学接続又はモデム)を提供しうる。
【0083】
プロセッサ714は、グラフィック表示又はエンドユーザへの個人的なインターフェースを表示するために、バス704を介して視覚ディスプレイ740(例えば、発光ディスプレイ(light−emitting display(「LED」)又は液晶ディスプレイ(「LCD」))と更に結合される。視覚ディスプレイ740は、プロセッサ714から信号を送受信するように構成されるタッチ検知入力デバイス(つまり、タッチスクリーン)であることができ、マルチタッチスクリーンでありうる。
【0084】
システム700は、アクチュエータ735/737/739を更に含む。プロセッサ714は、ハプティック効果と関連付けられたハプティック信号を、次にハプティック効果を出力するアクチュエータ735/737/739へ送信しうる。
【0085】
例示的な実施形態によれば、ハプティック効果は、ゲームプレイを反映するためにハプティック効果を最適化するために複数のハプティック出力デバイスで表現され、それによって、より没入感のある体験を提供する。
【0086】
例示的な実施形態によれば、個人が理想的な態様でハプティック可能デバイスを把持していないときでも、向上したハプティックかつ没入感のある体験を提供する。
【0087】
上記は、様々な例示的実施形態の代表例であり、それを限定的に解釈されるべきものではない。したがって、全てのこのような変形は、特許請求の範囲で規定される本開示の範囲内に含まれることが意図される。