(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6940213
(24)【登録日】2021年9月6日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】炭化シリコン・メンブレンを用いた流体の清浄化装置、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
B01D 71/02 20060101AFI20210909BHJP
B01D 24/00 20060101ALI20210909BHJP
B01D 29/00 20060101ALI20210909BHJP
B01D 39/20 20060101ALI20210909BHJP
B01D 61/18 20060101ALI20210909BHJP
B01D 63/06 20060101ALI20210909BHJP
B01D 69/02 20060101ALI20210909BHJP
B01D 69/04 20060101ALI20210909BHJP
B01D 69/10 20060101ALI20210909BHJP
B01D 69/12 20060101ALI20210909BHJP
C04B 38/00 20060101ALI20210909BHJP
【FI】
B01D71/02
B01D29/00 Z
B01D39/20 D
B01D61/18
B01D63/06
B01D69/02
B01D69/04
B01D69/10
B01D69/12
C04B38/00 303Z
C04B38/00 304Z
【請求項の数】14
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-526249(P2018-526249)
(86)(22)【出願日】2016年11月18日
(65)【公表番号】特表2019-503841(P2019-503841A)
(43)【公表日】2019年2月14日
(86)【国際出願番号】IB2016001748
(87)【国際公開番号】WO2017085551
(87)【国際公開日】20170526
【審査請求日】2019年10月30日
(31)【優先権主張番号】62/258,274
(32)【優先日】2015年11月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518084040
【氏名又は名称】1934612 オンタリオ インク.
【氏名又は名称原語表記】1934612 ONTARIO INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パウエル,アンソニー,エル.
(72)【発明者】
【氏名】バターズ,ブライアン,イー.
【審査官】
長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−172057(JP,A)
【文献】
特表2015−521535(JP,A)
【文献】
特開2004−358355(JP,A)
【文献】
再公表特許第2012/008476(JP,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0284271(US,A1)
【文献】
特開2013−193920(JP,A)
【文献】
特表2017−518865(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0030383(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0022510(US,A1)
【文献】
米国特許第05415775(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0126420(US,A1)
【文献】
特開2012−091097(JP,A)
【文献】
特開2007−112678(JP,A)
【文献】
特開2014−008432(JP,A)
【文献】
特開2009−066462(JP,A)
【文献】
特開2003−251163(JP,A)
【文献】
特表2007−526819(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0236668(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0077226(US,A1)
【文献】
米国特許第05518624(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0100910(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0166820(US,A1)
【文献】
再公表特許第2004/076027(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 61/02−71/82
B01D 24/00
B01D 39/20
C04B 38/00
C04B 35/63
C04B 41/85
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック・メンブレンであって、
バインダを備え、第1面、第2面、1又は複数の内部チャネル、及び前記第1面を前記第2面に接続する長手面を有する基板と、
前記基板の前記第1面の少なくとも一部分上の第1のメンブレン層と、
前記基板の前記第2面の少なくとも一部分上の第2のメンブレン層と、
前記1又は複数の内部チャネルの少なくとも一部分上の第3のメンブレン層と、を含み、
前記セラミック・メンブレンは、20psi(138kPa)以下のメンブレン間圧力で、メンブレン表面積1平方メートルあたり2000リットル/時間の清浄な水フラックスを有するように構成され、
前記バインダは、チロース、ポリプロピレン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリプロピレンカーボネート、カルボキシメチルセルロース、デンプン、デキストリン、ワックスエマルジョン、リグノスルホネート、パラフィン、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、及びベントナイトからなる群から選択される物質を含み、
前記第1のメンブレン層、前記第2のメンブレン層、及び前記第3のメンブレン層のそれぞれは、前記基板よりも小さいポアサイズを含み、
前記第1のメンブレン層、前記第2のメンブレン層、及び前記第3のメンブレン層は、アルミナ、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、及び炭化ケイ素からなる群から選択される物質をさらに含み、
前記基板が、アルミナ、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、および炭化シリコンからなる群から選択される基板ベースをさらに含む、
セラミック・メンブレン。
【請求項2】
前記基板は、
3μmから10μmの平均ポアサイズを有する、
請求項1に記載のセラミック・メンブレン。
【請求項3】
前記セラミック・メンブレンは、20℃で20psi(138kPa)以下のメンブレン間圧力を有するように構成される、請求項1又は2に記載のセラミック・メンブレン。
【請求項4】
(i)前記セラミック・メンブレンの前記第1面及び前記第2面のそれぞれは、38mmから90mmの直径を有し、
(ii)前記セラミック・メンブレンは六角形のプリズムであり、
(iii)前記セラミック・メンブレンの前記第1面及び前記第2面のそれぞれは、80mmの直径を有し、及び/又は、
(iv)前記セラミック・メンブレンは、800mmから1600mmの長さを有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のセラミック・メンブレン。
【請求項5】
(i)前記第1のメンブレン層の1つから3つの被覆は、前記セラミック・メンブレンの前記第1面の少なくとも一部に接触し、
(ii)前記第2のメンブレン層の1つから3つの被覆は、前記セラミック・メンブレンの前記第2面の少なくとも一部に接触し、及び/又は、
(iii)前記第3のメンブレン層の1つから3つの被覆は、前記1又は複数の内部チャネルの少なくとも一部に接触する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のセラミック・メンブレン。
【請求項6】
セラミック・メンブレンを製造する方法であって、前記方法は、
第1面、第2面、1又は複数の内部チャネル、及び前記第1面を前記第2面に接続する長手面を有する押出基板を形成するバインダを含む基板を押出す段階であり、前記バインダは、チロース、ポリプロピレン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリプロピレンカーボネート、カルボキシメチルセルロース、デンプン、デキストリン、ワックスエマルジョン、リグノスルホネート、パラフィン、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、及びベントナイトからなる群から選択される物質を含む、段階と、
前記押出基板を焼成してセラミック・メンブレン基板を形成する段階と、
前記第1面の少なくとも一部分に第1のメンブレン層を接触させる段階と、
前記第2面の少なくとも一部分に第2のメンブレン層を接触させる段階と、
前記1又は複数の内部チャネルの少なくとも一部分に第3のメンブレン層を接触させる段階と、を備え、
前記第1のメンブレン層、前記第2のメンブレン層、及び前記第3のメンブレン層のそれぞれは、前記基板よりも小さいポアサイズを含み、
前記第1のメンブレン層、前記第2のメンブレン層、及び前記第3のメンブレン層は、アルミナ、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、及び炭化シリコンからなる群から選択される物質をさらに含み、
前記基板が、アルミナ、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、および炭化ケイ素からなる群から選択される基板ベースをさらに含む、
セラミック・メンブレンの製造方法。
【請求項7】
前記基板は、
3μmから10μmの平均ポアサイズを有する、
請求項6に記載のセラミック・メンブレンの製造方法。
【請求項8】
(i)前記セラミック・メンブレンの前記第1面及び前記第2面のそれぞれは、38mmから90mmの直径を有し、
(ii)前記セラミック・メンブレンは六角形のプリズムであり、
(iii)前記セラミック・メンブレンの前記第1面及び前記第2面のそれぞれは、80mmの直径を有し、及び/又は、
(iv)前記セラミック・メンブレンは、800mmから1600mmの長さを有する、
請求項6又は7に記載のセラミック・メンブレンの製造方法。
【請求項9】
(i)前記第1のメンブレン層の1つから3つの被覆は、前記セラミック・メンブレンの前記第1面の少なくとも一部に接触し、
(ii)前記第2のメンブレン層の1つから3つの被覆は、前記セラミック・メンブレンの前記第2面の少なくとも一部に接触し、及び/又は、
(iii)前記第3のメンブレン層の1つから3つの被覆は、前記1又は複数の内部チャネルの少なくとも一部に接触する、
請求項6から8のいずれか一項に記載のセラミック・メンブレンの製造方法。
【請求項10】
流体濾過システムであって、
メンブレン・ハウジングであって、
(a)汚染された流体を受け入れるように構成された入口と、
(b)前記汚染された流体を濾過して透過物を形成するように構成された複数のセラミック・メンブレンであって、前記複数のセラミック・メンブレンのそれぞれが、
前記汚染された流体を受け取るように構成された第1面と、前記透過物を放出するように構成された第2面と、前記第1面から前記第2面まで長手軸に沿って配向された1又は複数の内部チャネルと、前記第1面を前記第2面に接続する長手面と、を有する基板と、
前記第1面の少なくとも一部分上の第1のメンブレン層と、
前記第2面の少なくとも一部分上の第2のメンブレン層と、
前記1又は複数の内部チャネルの少なくとも一部分上の第3のメンブレン層と、を含み、
前記第1のメンブレン層、前記第2のメンブレン層、及び前記第3のメンブレン層のそれぞれは、前記基板よりも小さいポアサイズを含む、前記複数のセラミック・メンブレンと、
前記第1のメンブレン層、前記第2のメンブレン層、及び前記第3のメンブレン層は、アルミナ、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、及び炭化シリコンからなる群から選択される物質をさらに含み、
前記基板が、アルミナ、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、および炭化ケイ素からなる群から選択される基板ベースをさらに含み、 (c)前記入口に隣接し、前記汚染された流体を前記複数のセラミック・メンブレンの前記第1面に送るように構成されたコネクタと、
(d)前記第2面から放出された前記透過物を受け取るように構成された出口と、を含む前記メンブレン・ハウジングを備え、
前記メンブレン・ハウジングは、前記複数のセラミック・メンブレンの長さが前記メンブレン・ハウジングの長手軸に平行になるようにして、前記複数のセラミック・メンブレンを収容する、流体濾過システム。
【請求項11】
前記複数のセラミック・メンブレンは、アルミナ、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、又は炭化シリコンからなる群から選択される物質を含むセラミックコーティングをさらに含み、及び/又は
前記複数のセラミック・メンブレンの各メンブレンは、六角形のプリズムであり、
前記六角形のプリズムは、38mm〜90mmの頂点間距離を有する、
請求項10に記載の流体濾過システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのチャンネルは、円形、正方形、三角形、台形、ダイヤモンド形、菱形、平行四辺形、矩形、五角形、六角形、八角形、非円形、楕円形、又は六角形から選択される形状を含み、及び/又は、
前記少なくとも1つのチャンネルのセクションは、4mm〜6mmの直径を有する円を画定する、
請求項10または11に記載の流体濾過システム。
【請求項13】
(i)前記メンブレン・ハウジングは、1個〜200個までのメンブレンを含み、
(ii)前記メンブレン・ハウジングは、171個までのメンブレンを含み、及び/又は、
(iii)前記メンブレン・ハウジングは、30個〜40個までのメンブレンを含む、
請求項10、11または12のいずれか一項に記載の流体濾過システム。
【請求項14】
有効なメンブレン表面積は、0.5m2〜600m2である、請求項10、11、12または13のいずれか一項に記載の流体濾過システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2015年11月20日に提出された、米国仮出願番号62/258,274の優先権を主張する。上記出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
開示の分野
本開示は、いくつかの実施形態で、セラミック部材を用いる流体(例えば、水)を除染する装置、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
開示の背景
ほぼすべての形態の生命が生き残るために水を必要とするため、除染システムにおける水質の改善は、通常、重要な関心事の対象とされてきた。結果として、汚染された流体から汚染物質を除去するための、処理システムおよび技術が過去に開発された。アプローチは、水中の微生物に、さまざまな微生物、酵素および栄養素を入れることによる水処理を含む。他のアプローチでは、物資を汚染除去するために、塩素などで汚染された液体に化学物質を配置することを含む。しかしながら、これらの添加剤は、それらが解決するよりも多くの問題を引き起こす。いくつかのアプローチでは、濾過および/または照射ストラテジーを使用することによって、添加される化学物質または微生物の使用を回避する。このようなシステムは、失敗したか、またはそれらの能力を実現するのに失敗しており、課題が残されている。
【発明の概要】
【0004】
要約
したがって、改善された流体浄化の必要性が存在する。例えば、改善されたメンブレン間圧力性能を示す流体浄化装置、システム、および方法の必要性が存在する。
本開示は、いくつかの実施形態にしたがい、セラミック・メンブレンであって、第1の表面、第2の表面、および本体を有するよう構成された基板と;バインダーと;前記メンブレンの前記第1の表面の少なくとも一部分上の第1のメンブレン層と;前記メンブレンの前記第2の表面の少なくとも一部分上の第2のメンブレン層と;前記メンブレンの前記本体の少なくとも一部分上の第3のメンブレン層とを含み、前記メンブレンは、約20psi以下のメンブレン間圧力で、メンブレン表面積1平方メートルあたり約2000リットル/時間の清浄な水フラックスを有するように構成された、セラミック・メンブレンを含むことができる。基板は、アルミナ、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、炭化シリコンからなる群から選択される物質を含むことができる。システムは、約20℃で約20psi以下のメンブレン間圧を有するように構成することができる。バインダーは、チロース、ポリビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリプロピレンカーボネート、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、デキストリン、ワックスエマルジョン、ポリエチレングリコール、リグノスルホネート、パラフィン、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、およびベントナイトからなる群から選択される物質を含むことができる。基板は、約3μm〜約10μmの平均ポアサイズを有することができる。セラミック・メンブレンは、約38mm〜約90mmの頂点間距離を有することができる。セラミック・メンブレンは、六角形のプリズムとすることができる。セラミック・メンブレンは、約80mmの頂点間距離を有することができる。セラミック・メンブレンは、約800mm〜約1600mmの長さを有することができる。第1のメンブレン層は、アルミナ、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、または炭化シリコンからなる群から選択された物質を含むことができる。第2のメンブレン層は、アルミナ、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、または炭化シリコンからなる群から選択された物質を含むことができる。第3のメンブレン層は、アルミナ、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、または炭化シリコンからなる群から選択された物質を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン層の3つまでの被覆を、前記メンブレンの前記第1の表面の少なくとも一部に接触させることができる。第2のメンブレン層の3つまでの被覆を、前記メンブレンの第2の表面の少なくとも一部に接触させることができる。第3のメンブレン層の3つまでの被覆を、前記メンブレンの前記本体の少なくとも一部に接触させることができる。
【0005】
いくつかの実施形態においては、本発明は、セラミック・メンブレンを製造する方法に関し、少なくとも第1の表面、第2メンブレンの表面、および本体を有する押出メンブレンの長さを形成するため基板材料を押出し;押出したメンブレン基板を乾燥してセラミック・メンブレン基板を形成し;前記第1の表面の一部に第1のメンブレン層を接触させ;前記第2の表面の一部に第2のメンブレン層を接触させ;前記本体の少なくとも一部分に第3のメンブレン層を接触させることを含むことができる。基板材料は、バインダーおよび基板ベースを含むことができる。基板ベースは、アルミナ、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、炭化シリコンからなる群から選択された物質を含むことができる。バインダーは、チロース、ポリビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリプロピレンカーボネート、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、デキストリン、ワックスエマルジョン、ポリエチレングリコール、リグノスルホネート、パラフィン、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、およびベントナイトからなる群から選択された物質を含むことができる。第1のメンブレン層は、アルミナ、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、または炭化シリコンからなる群から選択された物質を含むことができる。第2のメンブレン層は、アルミナ、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、または炭化シリコンからなる群から選択された物質を含むことができる。第3のメンブレン層は、アルミナ、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、または炭化シリコンからなる群から選択された物質を含むことができる。基板材料は、約3μm〜約10μmの平均ポア径を有することができる。セラミック・メンブレンは、六角形のプリズムとすることができる。六角形のプリズムは、約38mm〜約90mmの頂点間距離を有することができる。セラミック・メンブレンは、約800mm〜約1600mmの長さを有することができる。
【0006】
いくつかの実施形態においては、流体濾過システムは、メンブレン・ハウジングを含むことができ、この面ブラン・ハウジングは、(a)汚染された流体を受け入れるように構成されたインレットと;(b)前記汚染された流体を濾過して透過物を形成するように構成された複数のメンブレンであって、前記複数のメンブレンが、
前記汚染された流体を受け取るように構成された第1の端部と;前記透過物を放出するように構成された第2の端部と;前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びる長さと;前記第1の端部から前記第2の端部まで長手軸に沿って配向された少なくとも1つのチャンネルとを含み、(c)前記入口に隣接し、前記汚染された流体を複数のメンブレンの前記第1の端部に送るように構成されたコネクタと;(d)前記第2の端部から放出された前記透過物を受け取るように構成された出口とを含む前記メンブレン・ハウジングを備え、前記メンブレン・ハウジングは、前記複数のメンブレンの長さが前記メンブレン・ハウジングの長手軸に実質的に平行になるようにして、前記複数のメンブレンを収容することができる。いくつかの実施形態では複数のメンブレンは、基板と;メンブレンを形成するセラミック材料と、をさらに含むことができる。基板は、アルミナ、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、または炭化シリコンからなる群から選択された物質を含むことができる。複数のメンブレンは、アルミナ、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、または炭化シリコンからなる群から選択された物質を含むことができる。複数のメンブレンの各メンブレンは、六角形のプリズムとすることができる。六角形のプリズムは、約38mm〜約90mmの頂点間距離を有することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのチャンネルは、円形、正方形、三角形、台形、ダイヤモンド形、菱形、平行四辺形、矩形、五角形、六角形、八角形、非円形、楕円形、または六角形から選択される形状を含むことができる。少なくとも1つのチャンネルのセクションは、約4mm〜約6mmの直径を有する円を画定することができる。メンブレン・ハウジングは、約171個までのメンブレンを含むことができる。メンブレン・ハウジングは、約30個〜約40個までのメンブレンを含むことができる。有効なメンブレン表面積は、約0.5m
2〜約600m
2である、請求項30記載の流体濾過システム。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、可溶性または不溶性の汚染物質および流体を含む流体濾過方法であって、複数の六角プリズム形状のメンブレンを含むメンブレン・ハウジングの流体入口端部から汚染された流体をメンブレン・ハウジングの流体出口端部に流すことを含み、前記透過物は、前記メンブレン・ハウジングから放出される、流体濾過方法が提供される。
【0008】
汚染された流体を濾過するシステムは、メンブレン・ケーシングおよび複数のメンブレンと;近位端で汚染流体を受け取り、遠位端で透過物を放出し、かつ汚染流体を濾過するための少なくとも1つの約800mm〜約1600mmの長さの六角プリズム形状のメンブレンと;頂点間距離が約80mmの少なくとも1つの六角プリズム形状のメンブレンと;約29〜約43のメンブレン数と;透過チャンネルを有しない少なくとも1つのメンブレンと;バインダーと;約110m
2〜約165m
2の有効なメンブレン表面積を含み、前記システムは、約20℃で約20psi以下のメンブレン間圧で、メンブレン表面積の1平方メートル当たり、約2000リットル/hrの清浄な水の流れを有するように構成された、汚染された流体を濾過する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面の簡単な説明
本開示のいくつかの実施形態は、部分的に、本開示および添付の図面を参照することによって理解できる。
【
図1A】
図1Aは、本開示の例示的な実施形態による、円筒形セラミック・メンブレンの断面図を示す。
【
図1B】
図1Bは、本開示の例示的な実施形態による、六角形プリズム形状のセラミック・メンブレンの断面図を示す。
【
図2A】
図2Aは、本開示の例示的な実施形態による、円筒形セラミック・メンブレンの斜視図を示す。
【
図2B】
図2Bは、本開示の例示的な実施形態による、六角形プリズム形状のセラミック・メンブレンの斜視図を示す。
【
図3】
図3は、本開示の例示的な実施形態による、浄化モジュールの斜視図を示す。
【
図4】
図4は、本開示の例示的な実施形態による、組み込まれたセラミック・メンブレンを有する透過水チャンバの斜視図を示す。
【
図5A】
図5Aは、本開示の例示的な実施形態による、171の組み込まれたセラミック・メンブレンを有する透過物チャンバの斜視図を示す。
【
図5B】
図5Bは、本開示の例示的な実施形態による、36の組み込まれたセラミック・メンブレンを有する透過物チャンバの斜視図を示す。
【
図6A】
図6Aは、本開示の例示的な実施形態による、171の組み込まれたセラミック・メンブレンを有する透過物チャンバの断面図を示す。
【
図6B】
図6Bは、本開示の例示的な実施形態による、36の組み込まれたセラミック・メンブレンを有する透過物チャンバの断面図を示す。
【
図7】
図7は、本開示の例示的な実施形態による、円筒形セラミック・メンブレンの斜視図を示す。
【0010】
【表1】
【発明を実施するための形態】
【0011】
明細書
本開示は、いくつかの実施形態で、流体浄化のシステム、装置および方法に関する(例えば、化学薬品を使わない浄化)。いくつかの実施形態では、本開示は、流体濾過(例えば、水)のシステム、装置および方法に関する。例えば、流体濾過システムは、汚染された媒体流、浄化モジュール、透過流、およびそれらの組み合わせを含むことができる。システムは、濃縮物流、1つ以上のポンプ、1つ以上のバルブ、1つ以上の圧縮ガス源、1つ以上の貯蔵タンク、およびそれらの組み合わせを任意に含むことができる。濃縮物流は、例えば、透過物として容積を失うため、対応する汚染された媒体供給物よりも高い濃度の1つ以上の汚染物を有することができる。いくつかの実施形態では、透過物は、最終製品として回収されてもよく、またはさらなる浄化手段に供されることもできる。濃縮物流は、最終的な水性産物として回収されてもよく、さらなる浄化手段に供されることもできる。追加の浄化手段は、例えば、酸化、紫外線照射、光触媒、濾過、およびそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、濃縮物流は、同一または別のフィルターを用いて2回以上濾過することもできる。同じフィルターを通してリサイクルされる濃縮物流は、元の汚染された媒体と組み合わせてもよいし、組み合わせなくてもよい。いくつかの実施形態では、本開示は、可溶性または不溶性の汚染物質および流体、複数の六角プリズム形状のメンブレンを含むメンブレン・ハウジングの流体入口端部から、汚染された流体をメンブレン・ハウジングの流体出口端部に流すことを含む方法を含む流体濾過方法に関係し、透過物は、メンブレン・ハウジングから放出される。
【0012】
いくつかの実施形態では、システムおよび方法は、サイズ濾過および電荷吸着の両方を提供することができる、少なくとも1つのセラミック素子を含むことができる。逆浸透とは異なり、セラミック・メンブレンは、過激な化学物質(例えば、塩酸、硝酸、水酸化ナトリウム、硫酸)で洗浄することが有利であり、25年以上の使用寿命を有する。さらに、荷電粒子(例えば、塩水)を含有する濃縮物流は、例えば、既存の総溶解固形物(TDS)除去技術よりも濃縮することができる。いくつかの実施形態では、システムおよび方法(例えば、クロスフロー操作)は、逆浸透メンブレンと比較して有利に、より少ない(例えば、実質的に少ない)汚染を提供することができる。いくつかの実施形態では、操作費用は、他の淡水化技術(例えば、逆電気透析および/または逆浸透)よりも低い(例えば、実質的に低い)ことがある。高表面積(例えば、非常に高い表面積)の浄化基板は、基板デソープションが必要とされるか、または所望される前には、高い電荷除去能力を提供することができる。他のタイプのセラミック基板(例えば、酸化亜鉛、炭化シリコン、チタンカーバイド、チタン酸バリウム)は、電気伝導率を増加または減少させてもよく、より大きな電荷を供給することによってより効率的にすることができる。
【0013】
流体濾過システム
本開示は、いくつかの実施形態では、濾過システムに関係する。例えば、濾過システムは、汚染された媒体を取り入れるための入口を有する汚染された媒体チャンバと、複数の円錐台形の開口部を含むエンドプレートと、円筒状の本体と各端部にエンドプレートとを有する透過液チャンバと、それぞれが複数の円錐台形の開口部を含むエンドプレートと、および/または汚染された媒体チャンバおよび透過物チャンバの両方と流体連通する、濾過アセンブリーを含むことができる。濾過モジュールは、いくつかの実施形態に従って、メンブレン・ハウジングおよび複数のメンブレンを含むことができ、それぞれが汚染された流体を受け取るように構成された第1の端部を構成する六角形プリズムとして構成された複数のメンブレンと、透過物を放出するよう構成された第2の端部と、長さと、第1の端部から第2の端部まで縦軸に沿って配向され、汚染された流体を濾過して透過物を形成するように構成された少なくとも1つのチャンネルとを含み、メンブレン・ハウジングは、複数のメンブレンの長さがメンブレン・ハウジングの縦軸に実質的に平行になるように、複数のメンブレンを収容する。メンブレン・ハウジングは、汚染流体を受け取るよう構成された入口と、入口に隣接し、汚染流体を複数のメンブレンの第1の端部に導くように構成されたコネクタと、第2の端部から放出された透過物を受け取るように構成される出口とを含む。流体濾過システムは、複数のメンブレンがセラミック材料を乾燥や焼成をする前に接着するように構成された、基板、セラミック材料およびバインダーをさらに含むことができる。
【0014】
セラミック素子は、汚染された媒体チャンバおよび/または透過物チャンバと流体連通することができる。いくつかの実施形態に従って、汚染された媒体チャンバ(例えば、汚染された媒体チャンバ・キャビティ)は、セラミック素子を介して透過物チャンバ(例えば、透過物チャンバ・キャビティ)と流体連通することができる。いくつかの実施形態によれば、セラミック素子は、汚染された媒体チャンバ界面および/または透過物チャンバ界面と連結することができる。ガスケットは、セラミック素子の通過を除き、汚染された媒体チャンバから透過物チャンバへの流体の流れを制限または防止する流体密(例えば、液密)シール(例えば、トリプル・シール)を形成するように構成された本体を含むことができる。例えば、ガスケットは、汚染された媒体チャンバと、透過物チャンバとの間のシール、汚染された媒体チャンバと、環境との間のシール、環境と、透過物チャンバとの間のシール、汚染された媒体チャンバと、セラミック素子の透過物チャンバに面する表面との間のシール、汚染された媒体チャンバエンドプレートと、透過物チャンバエンドプレートとの間のシール、および/またはそれぞれ汚染された媒体チャンバ端部プレートの円錐台形の開口部(それぞれ)と、透過物チャンバ端部プレートの円錐台形の開口部(それぞれ)との間のシールを形成することができる。
【0015】
いくつかの実施形態にしたがい、流体濾過システムは、膜間圧力(TMP)、またはメンブレンの少なくとも一部分を通る、流体の少なくとも一部を加圧するために必要とされ得る、圧力を調節するように設計することができる。いくつかの実施形態では、TMPは、メンブレンの圧力勾配および/または平均供給圧力から透過液圧を差し引いたものである。いくつかの実施形態では、システムは、少なくとも1つの六角プリズム形状のメンブレン(例えば、約800mm〜約1600mmの長さ)を含むことができる。六角プリズム形状のメンブレンは、約80mmの頂点間距離を有することができる。六角プリズム形状のメンブレンは、透過物チャンネルを有することができる。少なくとも1つの六角プリズム形状のメンブレンは、透過物チャンネルを有することができない。流体濾過システムは、約29〜約43個の数のメンブレンを含むことができる。六角プリズム形状のメンブレンは、セラミック材料を乾燥および/または焼成をする前に接着するように構成された、バインダーを含むことができる。流体濾過システムは、約110m
2〜約165m
2の有効なメンブレン表面積を含むことができる。流体濾過システムは、約0.5m
2〜約600m
2の有効なメンブレン表面積を含むことができる。いくつかの実施形態では、流体濾過システムは、メンブレン表面積(“LMH”)の1平方メートル当たり、約2000リットル/hrの清浄な水の流れを有するように、構成することができる。
【0016】
汚染された媒体チャンバ
汚染された媒体チャンバは、いくつかの実施形態では、入口およびセラミック・メンブレン界面を含むことができる。汚染された媒体チャンバは、内側キャビティを含むことができる。内側キャビティは、所望のサイズおよび/または所望の形を有することができる。例えば、キャビティは、丸みを帯びた、および/または概ねドーム形状を有することができる。汚染された媒体チャンバは、外周および/または円周を有することができる。いくつかの実施形態では、外周および/または円周は、汚染された媒体チャンバ・フランジを構成または画定することができる。汚染された媒体チャンバ・フランジは、透過物チャンバを連結するために構成することができる(例えば、同様のフランジまたはメイティングされたフランジを含む透過物チャンバ)。いくつかの実施形態では、汚染された媒体チャンバ・フランジは、ガスケット、O―リング、または他のシールのためのチャンネルを含むことができる。 汚染された媒体チャンバ・チャンネルは、いくつかの実施形態では、フランジの1つの面に配置されてもよく、および/または外周および/または外周に実質的に平行に配置されることができる。
【0017】
いくつかの実施形態に従い、汚染された媒体チャンバは、1つ以上の入り口および/または1つ以上の出口を有することができる。例えば、汚染された媒体チャンバは、1つ以上の出口を含むセラミック素子界面を有することができる。各出口は、セラミック素子、例えば、実質的な液密のシールに連結するために構成することができる。いくつかの実施形態では、出口は、所望の形(例えば、円筒形、円錐形、円錐台形)を有することができる。全ての汚染された媒体チャンバの出口は、界面および/または汚染された媒体チャンバ・チャンネルに位置することができる。
【0018】
濃縮物チャンバは、汚染された媒体チャンバに対応する構造を有し、各セラミック素子から流出する濃縮物を受け取るように構成することができる。例えば、濃縮物チャンバは、少なくとも1つの開口を含む、キャビティ、出口およびまたはセラミック素子の界面を有することができる(例、少なくとも1つの円錐台形の開口)。
【0019】
汚染された媒体チャンバおよび/または濃縮物チャンバは、所望のディメンションを有することができる。いくつかの実施形態にしたがい、汚染された媒体チャンバおよび/または濃縮物チャンバは、約10cm〜約150cmの長さ、約20cm〜約100cmの長さ、約15cm〜約75cmの長さ、および/またはそれらの組み合わせを有することができる。チャンバの長手軸に垂直に取られた断面は、最も長いディメンション(例えば、対角または直径)を有し、約2cm〜約30cmの直径、約2cm〜約20cmの直径、約5cm〜約20cmの直径、約5cm〜約15cmの直径約10cm〜約45cmの直径、および/またはそれらの組み合わせを有することができる。汚染された媒体チャンバおよび濃縮物チャンバの形状および/またはディメンションは、同一または異なっていても良い。
【0020】
透過物チャンバ
本開示は、いくつかの実施形態に従って、セラミック素子界面、内部透過キャビティ、および内部透過キャビティと流体連通している透過物出口を含む透過物チャンバに関する。透過物チャンバは、所望の形状を有することができる。いくつかの実施形態では、透過物チャンバは、中央長手軸を規定する概ね円筒形の形状と、その長さに亘るキャビティとを有することができる。例えば、中央透過物チャンバの軸に垂直なすべての断面まで、概ね環状の形状を有することができる。透過物チャンバは、いくつかの実施形態に従って、中空で概ね円筒形状、第1の端部および第2の端部を有することができる。各端部は、セラミック素子の界面を受け入れるサイズおよび/または形状の開口部を画定することができる。
【0021】
透過物チャンバは、所望のディメンションを有することができる。いくつかの実施形態にしたがい、透過物チャンバは、約10cm〜約5mの長さ、約50cm〜約5mの長さ、約1m〜約3mの長さ、および/またはそれらの組み合わせとすることができる。長手軸に垂直に取られた断面は、最も長いディメンション(例えば、対角または直径)が、約2cm〜約 30cmの直径、約2cm〜約20cmの直径、約5cm〜約20cmの直径、約5cm〜約15cmの直径、約10cm〜約45cmの直径、および/またはそれらの組み合わせを有することができる。
【0022】
セラミック素子
汚染された媒体チャンバと透過物チャンバとの間の流体連通は、セラミック素子によって調停されることができる。例えば少なくともいくつかの流体は、入口を通して汚染された媒体チャンバ・キャビティへと、汚染された媒体チャンバ・キャビティを通してセラミック素子へと、セラミック素子を通して透過物キャビティへと、および/または透過物キャビティを通り、透過物の出口を通して流出することができる。セラミック素子は、いくつかの実施形態に従って、フィルターと少なくとも1つのシール・ガスケットを含むことができる。シール・ガスケットは、汚染された媒体チャンバと、透過物チャンバとの間の流体の移動を、フィルター(バイパス)を通るように制限するよう構成することができる。例えば、セラミック素子は、流体バイパスを部分的に、実質的に完全に、または完全に防止するシールを含むことができる。
【0023】
セラミック素子は、所望の方法で動作するように構成することができる。例えば、セラミック素子は、デッドエンドまたはクロスフロー動作用に構成することができる。いくつかの実施形態にしたがい、細長い素子は、縦軸の内部チャンネルを定義することができる。クロスフロー浄化モジュールは、素子の長手軸が汚染された媒体の流れの方向に概ね平行であり、透過流が縦軸から概して半径方向外側になるように構成された、細長いチャンネルを含むセラミック素子を含むことができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、素子は、少なくとも1つの内部チャンネルを有する細長い本体を定義する壁を含むことができる。いくつかの実施形態では、素子は、汚染された媒体に面する表面および透過物に面する表面を含むことができる。例えば、素子は、少なくとも1つの内部表面(例えば、汚染された媒体に面する表面)、少なくとも1つの内部チャンネル、および外部表面(例えば、透過物チャンバに面する表面)を有する細長い本体を定義することができる。汚染された流体は、一端で少なくとも1つの内部チャンネルに入り、素子の長さを流れ落ちることができる。チャンネルに沿って移動するにつれて、いくつかの流体は素子壁を横断して透過物を形成することができる。いくつかの流体(例えば、リジェクト流)は、全ての内部チャンネルの長手軸線に沿って、遠位端部の外に出ることができる。
【0025】
セラミック・メンブレン
セラミック・メンブレン(素子とも呼ばれる)は、いくつかの実施形態に従って、所望のサイズ、形状、成分のフィルターを有することができる。例えば、セラミック・メンブレンは、三角プリズム、直角プリズム、四角柱、五角プリズム、六角プリズム、七角柱、八角プリズム、非角プリズム、または十角プリズムから選択される形状を有するプリズムを含むプリズムのように形付けられることができる。例えば、プリズムは、約38mm〜約90mmの頂点と頂点との直径を有することができる。メンブレン・ハウジングおよび複数のメンブレンを含み、約1〜約171のメンブレンを含むことができる。流体濾過システムは、約1〜200までのメンブレンを含むことができる。例えば、セラミック素子は、概ね管状フィルター(例えば、セラミック・フィルター)を含むことができる。セラミック素子は、所望のフィルターまたはフィルター材料を含むことができる。例えば、セラミック素子は、1つ以上の有機ポリマーおよび/または1つ以上のセラミック材料を有する、フィルターを含むことができる。フィルターの例(例えば、セラミック・メンブレン)は、マイクロ濾過フィルター、ウルトラ濾過フィルター、ナノ濾過フィルター、抗菌フィルター、メンテナンスフリーフィルター、およびそれらの組み合わせを含むことができる。フィルターは、抗菌剤を含むことができる。例えば、セラミック・フィルターは、銀(例えば、含浸された非浸出性銀)を含むことができる。いくつかの実施形態では、セラミック素子は、フィルター(例えば、素子がイオンを吸着する場所)を排除することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、セラミック・フィルターは、耐久性を有する(例えば、有機ポリマー・フィルターよりも耐久性を有する)。例えば、セラミック・フィルターは、機械的損傷、溶媒、および/または微生物に対して耐性を有する。性能および/または抵抗の例示的な尺度は、1つ以上の汚染物質、導電率、使用可能な寿命および/またはそれらの組み合わせに対して提供される、濾過の程度である。所望の性能および/または抵抗は、チャレンジの存在下または非存在下で、別のメンブレンと比較して、または域値や目標値に対して比較される割合(例えば、パーセンテージ)として表すことができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、セラミック・メンブレンは、セラミック素子(例えば、ベース)およびフィルター層(例えば、セラミック・コーティング)を含むことができる。例えば、セラミック・メンブレンは、より小さなポアを有するセラミック・コーティングを含むことができ、セラミック・コーティングは、アルミナ;二酸化ジルコニウム;二酸化チタン;または炭化シリコンを含む。いくつかの実施形態では、複数のセラミック・コーティングが適用されてもよく、コーティングはポアサイズの勾配を含む。セラミック・コーティングまたはフィルター層の数は、所望のポアサイズによる(例えば、各層またはコーティングは、より小さいまたはより大きいポアサイズ)。ポアサイズの勾配は、層がより大きいポアサイズを有する基板またはメンブレン層に落ちるのを防ぐことができる。下にあるベースまたは基板は、より大きなポアを有することができる。いくつかの実施形態では、基板は、アルミナ;二酸化ジルコニウム;二酸化チタン;または炭化シリコンを含むことができる。基板およびセラミック・コーティング組成物の様々な組み合わせは、セラミック・メンブレン流速の制御を有利に可能にすることができ、メンブレン間圧力を増加または減少させることができる。セラミック・メンブレンは、チャンネルの内部にのみフィルター層を含み、端面をシールするエポキシコーティングを含むことができる。セラミック・メンブレンは、壁に画定された少なくとも1つのチャンネルを有し、チャンネルは、汚染物質を吸着し、透過物を脱着しながら、流体が流体入口から流体出口に移動することを可能にする。いくつかの実施形態では、濾過層は代わりに、内面、端面、および/または外面を覆うことができる。例えば、濾過層は、素子の汚染された媒体対向面を画定し、同一の広がりを有し、かつ/または覆うことができる。セラミック濾過層は、内部表面(例えば、チャンネル)を整列させ、素子の面の周りを包み込み、素子の外側(各端部で)の途中まで延ばすことができる。ベースは、透過物の対向面を定義し、同一の広がりを有し、かつ/または覆うことができる。
【0028】
延びたセラミック素子は、所望の規則的または不規則な幾何学的形状を有する断面(例えば、中心長手軸に垂直な断面)を有することができる。例えば、素子の断面は、概ね円形、概ね楕円形、概ね多角形(例えば、六角形)、および/またはそれらの組み合わせから選択される形状を有することができる。延びた素子は、素子の長さに沿い、かつ軸に概ね平行な1つ以上のチャンネルを有する、中心軸を有することができる。チャンネルは、異なる形状を有することができる。例えば、チャンネルの断面は、円形、正方形、三角形、台形、菱形、菱形、平行四辺形、矩形、五角形、六角形、八角形、非円形、楕円形、または六角形から選択される形状を含む。例えば、チャンネルの形状は、約4mm〜約6mmの直径を有する円形を含むことができる。
【0029】
セラミック素子は、所望のディメンションを有することができる。いくつかの実施形態に従って、細長い素子は、約900〜約1500mmの長さ約10cm〜約5mの長さ、約50cm〜約5mの長さ、約1m〜約3mの長さ、および/またはその組み合わせとすることができる。長手軸に垂直に取られた断面(例えば、直径)は、約2cm〜約30cmの直径、約2cm〜約20cmの直径、約5cm〜約20cmの直径、約5cm〜約15cmの直径、約10cm〜約45cmの直径、および/またはその組み合わせとすることができる。延びた素子は、1つ以上の縦のチャンネルを含むことができる。例えば、素子は、各行に約4〜約7チャンネルを有する、約7列に配置された約37チャンネルを有することができる。素子は、各行に約3つから約5つのチャンネルを有する、約5つの行に配列された約19のチャンネルを有することができる。素子は、同心多角形のパターンで配置されたチャンネルを有することができる。各チャンネルは、所望の形状および/またはディメンションを独立して有することができる。いくつかの実施形態では、チャンネルは、約1mm〜約15cm、約2mm〜約10cm、約5mm〜約5cm、約1cm〜約5cm、および/または それらの組み合わせの半径を有する、概ね円形の形状を有することができる。
【0030】
素子チャンネルおよびポアは、いくつかの実施形態に従って、サイズ、幾何学、および/または機能に基づいて、区別することができる。例えば、ポアは、チャンネルよりも1桁以上小さく(例えば、約2から約10桁小さい)、不規則な(例えば渦巻き状の)流路を画定することができ、かつ/または域値サイズ未満の分子のみを許容することができる。チャンネルは、ポアよりも1桁以上大きく、規則的な流路を定義する、かつ/または汚染された媒体(例えば、流体、懸濁粒子、および溶解した材料)のすべてまたは実質的にすべてを容認することができる。
【0031】
セラミック素子は、いくつかの実施形態に従って、フィルターおよび基板を含むことができる。メンブレン・フィルターを基板に適用し、そのチャンネルの各々を並べることができる。各チャンネルに流入する流体の一部は、背圧の影響下で、メンブレンを通過する。汚染物質は、流路の内部に残り、洗浄された流体はメンブレンを通って流れ、次に基板を通過する。いくつかの実施形態では、セラミック素子の大部分は、基板材料を含むことができる。
【0032】
セラミック素子(例えば、基板)は、約100%(w/w)までの炭化シリコンを含むことができる。炭化シリコン(SiC)は、半導体材料であり、絶縁体と、金属との間の電気伝導度を意味する。半導体は、ドーパントの添加によってその電気伝導度を変化させることができる。SiCのために、電気伝導度を増加するドーパントは、例えば、 ホウ素、アルミニウムおよび窒素を含むことができる。セラミック素子は、いくつかの実施形態に従って、存在する固体(例えば、溶解した固体、懸濁した固体)のサイズに関して、流体を選択的に濾過するように構成することができる。例えばセラミック素子は、それらのサイズに基づいて汚染物質(例えば、粒子)を分離、除外および/または除去するようなサイズのポアを有する、メンブレンを含むことができる。
【0033】
いくつかの実施形態にしたがって、セラミック素子は、それらの電荷に関して汚染物質を分離、除外および/または除去するように構成することができる例えば、セラミック素子は、流体(例えば、汚染された媒体、前の浄化ステップで生成された透過物)中の帯電した汚染物質の数を減少するように構成することができる。
【0034】
セラミック素子は、流体(例えば、汚染された媒体)中の帯電した汚染物質が、セラミック素子内の反対に帯電した構成素子に付着するように構成され、操作されることができる。これらの汚染物質と、セラミック素子との間の付着は、荷電粒子の少なくともいくつかが透過物に入るのを防止するのに十分に強力にすることができる。電流は、例えば、メンブレン表面に正味の負電荷を注入するのに十分な、セラミック素子に適用することができる
【0035】
セラミック素子は、いくつかの実施形態では、高い(非常に高い)表面積を有することができる。メンブレンの長さを約1500mmに増加させると、約1500mmよりも短いメンブレンと比較して、表面積が約50%多い表面積に増加することができる。いくつかの実施形態は、透過物チャンネルは有さず、それは表面積を増加することができる。帯電した汚染物質を吸収するセラミック素子の能力は、表面積と相関することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、吸着(例えば、種および/または容量)は、流体が通過して素子の透過側に到達する基板の距離によって、影響することができる。例えば、狭い直径のチャンネルを有する素子の吸着能力は、より広いチャンネルを有する素子よりも大きくなることができる(例えば、2つの素子が、同じかまたは実質的に同じ外部ディメンションおよびチャンネル数を有すると仮定)。同じ直径のチャンネルを有する素子の吸着容量は、一方のチャンネルがより少なく、他方がより多くのチャンネルを有する場合に異なることがあり、前者はより高い吸着容量を有する。いくつかの実施形態に従って、1つ以上のパラメーターは、同じ極性の30の他の種と比較して、1つの(例えば、選択的吸着)またはより多くの(例えば、半選択的吸着)種の素子への、有利な吸着を達成するように変更することができる。選択的および/または半選択的吸着を行うように構成された浄化モジュールを組合わせて、結合イオンの脱着時に1つ以上の所望の塩を生成することができる。ナトリウムイオンを選択的に結合するように構成および操作された浄化モジュールからの脱着ストリームを、塩化ナトリウムを選択的に結合して溶解した塩化ナトリウムを含む溶液を形成するように構成および操作された浄化モジュールからの脱着ストリームと組合わせることができる。
【0037】
セラミック素子は、サイズに基づいた粒子を除去するためのメンブレンを、含有または除外することができる。素子チャンネルは、所望のサイズまたは配列を有することができる。素子の全てのチャンネルは、同じサイズを有し、行と列の規則的なパターンで配列することができる。いくつかの実施形態では、各チャンネルは、同じ素子で他のチャンネルから独立した直径を有することができる。フィルターが内張りされたチャンネルは、操作された場合に、素子の潜在的な圧力降下を管理するための、サイズまたは配置にすることができる。濾過層以外のチャンネルは、所望の吸着用量に達するための、サイズまたは配置にすることができる。
【0038】
本開示は、いくつかの実施形態では、セラミック・メンブレンに関する。例えば、セラミック・メンブレンは、第1の表面、第2の表面および約3μm〜約10μm、約4μm〜約9μm、約5μm〜約8μmおよびまたは約6μm〜約7μmの平均的なポアサイズを有する、本体を有するように構成された基板を含むことができる。いくつかの実施形態では、セラミック・メンブレンは、メンブレンの第1の表面および/または第2の表面の少なくとも一部分のメンブレン層を含むことができる。メンブレン層は、所望のTMP(例えば、可能または実用的な最も低いTMP)において所望のまたは必要とされる濾過能力を提供するために、可能な限り薄くまたは実用的に構成することができる。いくつかの実施形態では、メンブレン層の複数のコーティングを、基板に接触(すなわち、塗布)させることができる。基板に接触したコーティングの数は、所望のポアサイズによる(すなわち、より小さいかより大きいポアサイズの各層またはコーティング)。各メンブレン層は、より小さいポアサイズを提供するよう構成されることができる。いくつかの実施形態では、各メンブレン層は、より大きいポアサイズを提供するよう構成されることができる。ポア径勾配を有するメンブレン層の反復的なコーティングは、メンブレン層がはるかに大きな基板ポアに落ちるのを防ぐことができる。いくつかの実施形態では、基板の平均的のポアサイズを減少することは、メンブレン層のサポートを強化することができる。この追加のサポートは、概ね、実質的に基板のポアの外側および上方にあるメンブレン層材料によって部分的に提示することができる。薄いメンブレンは、いくつかの実施形態および所望のコンディションで、基板を通る流体の流れに対する障害を減少することができる。メンブレンは、いくつかの実施形態では、流体チャンネルをフリーにすることができる(平均的なポアサイズより桁が大きいオーダー)。メンブレンは、所望の幾何学形状を有するように構成することができる。例えば、メンブレンは、概ね円筒形とすることができる。メンブレンは、概ね六角プリズム形状を有することができる。
【0039】
使用方法
本開示は、いくつかの実施形態に従って、浄化システムおよび/または装置の使用方法に関係する。例えば、浄化/およびまたは濾過方法は、(a)汚染された固体、溶解した塩のアニオン、および溶解した塩のカチオンを含む媒体を提供すること、(b)汚染された汚染物を粒子へ凝集すること、および/または(c)粒子を除去して第一の部分的に浄化された媒体を形成することを含むことができる。溶解した汚染物質を凝集することは、金属酸化、還元、化学沈殿、化学凝固、凝固剤、塩基、空気(例えば、曝気ユニットを有する)、溶解酸素(例えば、溶解酸素ユニットを有する)および/または他の化学物質に汚染媒体を接触させることを含み、金属酸化、還元、化学的な沈殿、化学的な凝固、またはこれらの組合せを可能とするおよび/または促進する。いくつかの実施形態では、例えば、1つの極性の荷電種(例えば、アンモニア)のみを除去する場合、最終ステップ−ステップ(e)−を省略することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、本開示は、浄化システムおよび/または装置の使用方法に関する。例えば、浄化および/または濾過方法は、(a)懸濁または溶解した汚染物質および溶解した塩を提供すること、(b)媒体をサイズに基づいて濾過して、懸濁または溶解した汚染物質を除去して第1の部分的に浄化された媒体を形成すること(c)第1の極性と反対の第2の極性を有す塩イオンが、第1の基板に結合して第2の部分的に浄化された媒体を形成する条件下で、第1の部分的に浄化された媒体を、第1の極性の正味電荷を有する第1の基板と接触させること、および/または(d)任意的に第1の極性を有する逆に帯電した塩イオンが第2の基材に結合して第2の部分的に浄化した媒体を形成することができる条件下で、第1の部分的に浄化した媒体を、第2の極性の正味電荷を有する第2の基材と接触させることを含むことができる。
【0041】
本開示は、いくつかの実施形態に従って、浄化システムおよび/または装置の使用方法に関する。例えば浄化および/または濾過方法は、汚染された流体を、フィルター(例えば、セラミック濾過メンブレン)に接触させることを含むことができる。いくつかの実施形態に従って、汚染された流体をフィルター(例えば、セラミック濾過メンブレン)に接触させることは、透過物(例えば、フィルターポアを通して流れる流体)および濃縮物(例えば、フィルターポアを通して流れない流体)を含むことができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、浄化システム、装置、および/または方法は、いくつかの実施形態に従って、連続的に、実質的に連続的に(例えば、連続的にではあるが、短い保守作業のために)、半連続的に(例えば、1日あたり24時間以下)、期間的に(例えば、規則的および/または不規則な間隔で)、オンデマンド、またはそれらの組合わせで、操作されるよう構成されることができる。いくつかの実施形態では、浄化システム、装置および/または方法は、対象とする流体の精密濾過、限外濾過、および/またはナノ濾過を提供するよう、操作することができる。
【0043】
いくつかの実施形態に従って、濾過は、より少ないかまたは定期的な試験(例えば、QA/QC試験)のない状態で行われる(例えば、濾過モジュールが操作することができること)ことができる。例えば、既存の水濾過システムは、メンブレンの完全性およびリークフリーな濾過を評価および/または保証するために、毎日試験しなければならないことがある。セラミック素子の構造は、いくつかの実施形態にしたがって頻繁にテストする必要無しで、少なくとも同じレベルの保証を提供することができる。例えば、セラミック素子の構造は、オンライン粒子計数器および/または濁度測定による直接連続完全性テストにより、完全性を保証することができる。システムは、いくつかの開示の実施形態にしたがって、一体性テストのための中断なく、連続的に行なうことができる。完全性の評価は、操作の間に行われる。
【0044】
方法は、いくつかの実施形態に従って、所望の処理量で流体浄化システムを操作することを含むことができる(例えば、汚染された媒体取込み、透過物排出、濃縮物排出および/またはそれらの組合わせ)。例えば、方法は、メンブレン素子の数および/または使用されるモジュールの数を変えることによって、所望の処理量を達成するように調整することができる。
【0045】
第1セラミック素子は、サイズに基づいて粒子を選択的に除去するように構成することができる。任意の第2および第3素子は、電荷に基づいて汚染を選択的に除去するように構成することができる。いくつかの実施形態では、流体が素子を通して流れるにつれ、負イオンがSiC基板上に吸着する。透過物は、次いで、負の電荷を有する第2の素子モジュールに送られて、カチオンを除去する。サイズに基づいた濾過を提供する第1素子を使用で(例えば、限外濾過)、メンブレン層は、後続の素子またはモジュールのいずれにも不要とすることができる。メンブレンの省略は、圧力低下を大幅に減少する可能性がある。
【0046】
第1のモジュールの後の後続の素子モジュールは、デッドエンドモードで動作させることができる。クロスフローは、濾過用途に望ましいおよび/または必要であり得る;例えば、汚染を減らすために剪断力を提供することができる。一度濾過が行われると(例えば、第1素子/モジュールで)、クロスフローは、不要となることがある。デッドエンドモードでの後続素子の操作は、ポンプエネルギー需要を減少することができる。いくつかの実施形態では、動的ショック(メンブレン・ファウリングを低減または排除するため)は、存在する場合にはメンブレンに適用することができる。例えば、最初の濾過素子内で固体、第2、第3の素子内で荷電粒子(例えば、溶解した塩)を減少/除去するように構成されたシステムにおいて、動的ショックは、第1素子に適用することができる。いくつかの実施形態にしたがって、動的ショックを複数の素子システム内の全ての素子に適用することは、相乗的効果を提供することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、濃縮タンクは、金属酸化、凝固、硬度除去およびまたはそれらの組合わせのための反応容器として構成することができる。この機能性は、メンブレンの濃縮物側に配置することができる。
【0048】
作製方法
いくつかの実施形態にしたがい、セラミック膜を作成する方法は、焼成前に弾性材料を適切な形状に押出成形、キャスティングまたは遠心キャスチングすることを含むことができる。メンブレンは、アルミナ、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、または炭化シリコンから選択される無機材料を含むことができる。メンブレンは、最初に担体(例えば、基板)を準備し、次いでメンブレンを担体に適用することによって作製することもできる。この場合、メンブレンを作製する方法は、担体をセラミック溶液に浸漬し、次いで熱(すなわち、約100〜約2300℃)で処理することを含むことができる。いくつかの実施形態では、基板の製造およびメンブレンの適用の両方のステップは、熱処理を含むことができる(例えば、約100〜約2300℃)。1種以上の添加剤を、セラミック混合物に含有させて例えば、焼成温度を下げ(それにより、オーブンの寿命が延びる可能性がある)および/または基板の多孔性、強度および/または電荷を増加することができる。バインダーは、セラミック溶液を熱処理する前に添加して、その形状保持を含む、機械的性質を支援することができる。例えば、バインダーとしては、チロース、ポリビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリプロピレンカーボネート、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、デキストリン、ワックスエマルジョン、ポリエチレングリコール、リグノスルホネート、パラフィン、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、およびベントナイトを挙げることができる。
【0049】
バインダーとしてのチロースは、最初の乾燥および熱処理の間に割れないようにして担体を改善し、また比較的小さなポアサイズ(約6μM)を提供することができる。より小さなポアサイズは、機械的な利点をもたらすことができる。例えば、より小さなポアサイズは、担体に吸収させることなく、メンブレンを適用す
ることができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、本開示は、セラミック・メンブレンの作製方法に関係する。例えば、セラミック・メンブレンの作製方法は、バインダー、滑剤、消泡剤、および/または基板基材を含む基板材料を押出して、少なくとも第1の表面(例えば、内面)および第2の表面(例えば、外面)を有し、押出された長さを有するメンブレン基板を形成することを含むことができる。バインダーは、例えば、チロース、ポリビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリプロピレンカーボネート、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、デキストリン、ワックスエマルジョン、ポリエチレングリコール、リグノスルホネート、パラフィン、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、およびベントナイトからなる群から選択される物質を含むことができる。基板基材は、アルミナ、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、または炭化シリコンからなる群から選択される物質を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1表面は、押出されたセラミック・メンブレンの1つ以上のチャンネルを画定することができる。方法は、いくつかの実施形態にしたがって、押出されたメンブレン基板を乾燥および/または焼成して、セラミック・メンブレン基板を形成することをさらに含むことができる。方法は、メンブレン層を、第1表面の少なくとも一部に接触または適用することをさらに含むことができる。
【0051】
具体的な例の実施形態
セラミック・メンブレンの例示的な実施形態を、
図1Aに図示する。セラミック素子150は、チャンネル151、基板153、面154および側部155を含むことができる。セラミック素子150は、濾過層を含まない。示されるように、セラミック素子150は、概ね円形のチャンネル151を有する概ね円形の断面を有する。チャンネル151は、
図2Aのセラミック素子252を通して長さに沿って延びる。
図1Aは、素子150の断面図であり、この断面は、素子の長手方向軸に概ね垂直である。示されているように、チャンネル151は、比較的小さな直径(例えば、
図2Aのチャンネル251より小さい)を有することができ、流体が素子の透過側に到達する前に流体に対し、より大きな基板153距離を与えることができる。セラミック・メンブレンの例示的な実施形態を、
図1Bに図示する。セラミック素子150は、チャンネル151、基板153、面154および側部155を含むことができる。セラミック素子150は、濾過層を含まない。示されるように、セラミック素子150は、概ね円形のチャンネル151を有する概ね六角形の断面を有する。チャンネル151は、
図2Bのセラミック素子252を通して、長さに沿って延びる。
図1Bは、素子150の断面図であり、この断面は、素子の長手方向軸に概ね垂直である。示されるように、チャンネル151は、流体が素子の透過側に到達する前に流体に対し、より大きな基板153距離を与えることができる、比較的小さな直径(例えば、
図2Bのチャンネル251より小さい)を有することができる。
【0052】
セラミック・メンブレンの例示的な実施形態を、
図2Aおよび
図2Bに図示する。
図2Aでは、セラミック素子252は、チャンネル250、表面251および基板253を含む。示されるように、セラミック素子252は、概ね円形のチャンネル250を有する概ね円形の断面を有する。チャンネル250は、セラミック素子252の長さに沿って延びる。濾過層252は、基板253の上側に位置する。外側濾過層は、面251から側部に沿って延び、各チャネル250の内面を完全に覆う。濾過層は、両面の周りを包み込み、フィルターの各端部の側部を部分的に覆うことができる。
図2Bでは、セラミック素子252は、チャンネル250、表面251、および基板253を含む。示されるように、セラミック素子252は、概ね円形のチャンネル250を有する概ね六角形のプリズム形状を有する。チャンネル250は、セラミック素子252を通して、長さに沿って延びる。濾過層252は、基板253の上側に位置する。外側濾過層は、面251から側部に沿って延び、各チャネル250の内面を完全に覆う。濾過層は、両面の周りを包み込み、フィルターの各端部の側部を部分的に覆うことができる。
【0053】
浄化モジュールの例示的な実施形態を、
図3に示す。浄化モジュール320は、汚染された媒体チャンバ322、透過物チャンバ330、および濃縮物チャンバ360を含む。示されるように、汚染された媒体チャンバ322および透過物チャンバ330は、複数のボルトおよびナットで互いに固定される。濃縮物チャンバ360は、透過物チャンバ330の遠位端に同様にして固定される。汚染された媒体チャンバ322は、入口324、汚染された媒体チャンバ本体326およびフランジ328を含む。示されるように、透過物チャンバ330は、フランジ331、透過物チャンバ本体332および出口333を含む。
【0054】
操作においては、流体密封シールは、汚染された媒体が、入口324を通って本体326によって画定されたキャビティ内に移動し、透過液チャンバ内に配置されたクロスフローフィルターの中に流入する。フィルターを透過した流体は、透過物の出口333を通過する。フィルターを透過しない流体は、濃縮物チャンバ360に入る。
【0055】
設置されたフィルター・アセンブリーを有する例示的な実施形態を、
図4に示す。示されるように、複数の濾過アセンブリー440は、透過物チャンバ430のエンドプレートのアパーチャに挿入される。各セラミック素子アセンブリー440は、各端部のガスケット431を有する延びたセラミック素子を含む。セラミック素子アセンブリー440は、透過液チャンバ430のエンドプレート内のアパーチャに配置されて、ガスケット441が透過液チャンバ430の各端部に流体密封シールを形成する。示されるように、透過物チャンバ430は、透過物チャンバ本体432、および出口433を含む。
【0056】
設置されたフィルター・アセンブリーを有する透過物チャンバの例示的な実施形態を、
図5Aに示す。示されるように、複数の濾過アセンブリー540は、透過物チャンバ530のエンドプレートのアパーチャに挿入される。各セラミック素子アセンブリー540は、各端部でガスケット531を有する延びたセラミック素子を含む。セラミック素子アセンブリー540は、透過液チャンバ530のエンドプレート内のアパーチャに配置され、ガスケット531が透過液チャンバ430の各端部に流体密封シールを形成する。示すように、透過液チャンバ530は、透過物チャンバ本体532および出口533を含む。示すように、例示的な実施形態は、約171の連結されたセラミック・メンブレンを含むことができる。
【0057】
設置されたフィルター・アセンブリーを有する透過物チャンバの例示的な実施形態を、
図5Bに示す。示すように、複数のフィルター・アセンブリー540は、透過物チャンバ530のエンドプレート内のアパーチャに挿入される。各セラミック素子540は、各端部でガスケット531を有する延びたセラミック素子を含む。セラミック素子アセンブリー540は、透過物チャンバ530の各端部のエンドプレートのアパーチャに配置され、ガスケット531が透過物チャンバ530の各端部での流体密封シールを形成する。示すように、透過物チャンバ530は、透過物チャンバ本体533および出口533を含む。示すように、例示的な実施形態は、約36の連結されたセラミック・メンブレンを含む。
【0058】
いくつかの実施形態にしたがい、設置されたフィルター・アセンブリーを有する透過物チャンバを、
図6Aに示す。示すように、複数の濾過アセンブリー640は、透過物チャンバ630のエンドプレートのアパーチャに挿入される。各セラミック素子アセンブリー640は、各端部でガスケット631を有する延びたセラミック素子を含む。セラミック素子アセンブリー640は、透過物チャンバ630の端部のアパーチャに配置され、ガスケット631が透過部チャンバ630の各端部で流体密封シールを形成する。示すように、透過物チャンバ630は、出口633を含む。示すように、例示的な実施形態は、約171の連結したセラミック・メンブレンを含むことができる。
【0059】
設置されたフィルター・アセンブリーを有する透過物チャンバの例示的な実施形態を、
図6Bに示す。示すように、複数の濾過アセンブリー640は、透過物チャンバ630のエンドプレートのアパーチャに挿入される。各セラミック素子アセンブリー640は、各端部でガスケットを有する延びたセラミック素子を含む。セラミック素子アセンブリー640は、透過物チャンバ630の端部のアパーチャに配置され、ガスケット631が透過物チャンバ630の各端部で流体密封シールを形成する。示すように、透過物チャンバ630は、出口633を含む。示すように、例示的な実施形態は、約36の連結したセラミック・メンブレンを含むことができる。
【0060】
セラミック・メンブレンの具体的な例の実施形態を、
図7に示す。
図7では、セラミック素子730は、チャンネル740、および透過物チャンネル731を含む。示すように、セラミック素子730は、概ね円形のチャンネル740を有する概ね円形断面を有する。チャンネル740は、セラミック素子730の長さに沿って延びる。
【0061】
本開示の恩恵を受ける当業者によって理解されるように、本明細書に含まれる説明から逸脱することなく、流体濾過のための他の均等なまたは代替の組成物、デバイス、方法およびシステムが想定される。
【0062】
当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、部品の形状、サイズ、数および/または配置を様々に変更することができる。例えば、入口、アパーチャ、フィルター、ガスケット、バルブ、ポンプ、センサー、および/または出口の位置や数を変更することができる。いくつかの実施形態では、フィルター、シール・ガスケット、および/または濾過アセンブリーは、互換可能である。互換可能性は、(例えば、使用されるフィルターのポアサイズおよび/または種類を変更または選択することによって)汚染物質のサイズおよび/または種類をカスタム調整することを可能とする。加えて、デバイスおよび/またはシステムのサイズは、実施者のニーズおよび/または希望に適合するように、スケールアップされる(例えば、高い処理量の商業的または地方自治体の流体濾過用途に使用される)か、またはスケールダウンされる(例えば、より低い処理量の家庭または研究用途に使用される)。それぞれの開示された方法および方法のステップは、いくつかの実施形態に従って、任意の順序で、他の開示された方法または方法のステップに関連して行われることができる。助動詞“may”が出現する場合、それは任意かつ/または許容条件を伝えることを意図しているが、その使用は、特に明記しない限り、操作性の欠如を示唆するものではない。当業者は、開示の組成、デバイスおよび/またはシステムの製造および使用の方法で、種々の変更をなすことができる。例えば、組成、デバイスおよび/またはシステムは、動物および/またはヒトに適切に製造および/または使用することができる(例えば、衛生、感染力、安全性、毒性、バイオメトリック、および他の考慮事項に関する)。引用されていない素子、組成、デバイス、システム、方法、および方法のステップは、所望または必要性にしたがって含まれても良いし、または排除されても良い。
【0063】
また、範囲が提供されている場合、開示されたエンドポイントは、特定の実施形態によって所望または要求に応じて、正確および/または近似として扱われる。エンドポイントがおおよその場合、柔軟性の程度は、範囲の大きさのオーダーに比例して変化することができる。例えば、一方で、約5〜約50の範囲のコンテキストで約50のエンドポイントの範囲は、52.5または55ではなく、50.5を含むことができ、他方では、約0.5〜約50の範囲のコンテキストでの約50のエンドポイントの範囲は、60または75ではなく、55を含むことができる。加えて、いくつかの実施形態では、エンドポイントの範囲を混合および適合させることが望ましいこともある。また、いくつかの実施形態では、開示された各図(例えば、1つ以上の例では、表および/または図面)は、基本的な範囲(例えば、図示された値+/−約10%、図示された値+/−約50%、図示された値+/−約100%)の範囲およびまたは範囲のエンドポイントを形成する。前者に関して、実施例で示された50の値、表、および/または図面は、例えば、約45〜約55、約25〜約100、および/または約0〜約100の基本的な範囲を形成することができる。開示されたパーセンテージは、他に示された場合を除いて、重量パーセンテージである。
【0064】
流体濾過のデバイスおよび/またはシステムの全部または一部は、使い捨て、サービス可能、互換可能、および/または交換可能になるように構成し、組み合わせることができる。明確な変更や修正を有するそれらの均等物や代替物は、本開示の範囲内で含まれることを意図する。従って、前述の開示は、例示としてのものであって限定するものではなく、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示されるものである。
【0065】
タイトル、要約、背景、および見出しは、規則および/または読者の便宜のために提供されたものである。それらは、先行技術の範囲および内容についての承認を含まず、開示されたすべての実施形態には、認定されるべき制限はない。