(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検出部は、前記RFIDアンテナによる前記複数のRFIDタグの識別情報の受信順序に基づいて、前記下部走行体に対する前記上部旋回体の回転方向をさらに検出するように構成されている、
請求項1〜6の何れか一項に記載の方向検出システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について説明する。なお、図面は簡略的なものであるから、この図面の記載を根拠として実施の形態の技術的範囲を狭く解釈してはならない。また、同一の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明する。ただし、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、応用例、詳細説明、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0014】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(動作ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数等(個数、数値、量、範囲等を含む)についても同様である。
【0015】
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1に係る方向検出システム1の構成例を示す概略平面図である。
図1に示すように、方向検出システム1は、例えば下部走行体11及び上部旋回体12からなるクレーン車やショベルカー等の建設機械に搭載されている。
【0016】
具体的には、方向検出システム1は、n(nは2以上の整数)個のRFID(Radio Frequency IDentification)タグT1〜Tnと、RFIDアンテナA1と、検出部(検出回路)13と、を備える。本実施の形態では、8個のRFIDタグT1〜T8が設けられた場合を例に説明する。
【0017】
RFIDタグT1〜T8は、下部走行体11及び上部旋回体12の一方に配置されている。本実施の形態では、RFIDタグT1〜T8が、下部走行体11側に、上部旋回体12の回転軸を中心にした円の円周方向に沿って等間隔に配置されている場合を例に説明する。
図1の例では、平面視して、上部旋回体12の回転軸を基準にして、前方にタグT1、右斜め前方にタグT2、右側にタグT3、右斜め後方にタグT4、後方にタグT5、左斜め後方にタグT6、左側にタグT7、左斜め前方にタグT8が配置されている。
【0018】
RFIDアンテナA1は、所謂RFIDリーダのアンテナであって、下部走行体11及び上部旋回体12の他方に配置されている。本実施の形態では、RFIDアンテナA1が、上部旋回体12側に配置されている場合を例に説明する。つまり、RFIDアンテナA1は、上部旋回体12に連動するように配置されている。
図1の例では、RFIDアンテナA1が、上部旋回体12の回転に伴って、RFIDタグT1〜T8によって形成される円形状の配置経路に沿って移動するように設置されている。
【0019】
RFIDアンテナA1は、RFIDタグT1〜T8のうち最も接近している何れかのRFIDタグの識別情報を無線受信する。換言すると、RFIDアンテナA1は、RFIDタグT1〜T8のそれぞれの識別情報の中から受信した複数のRFIDタグの識別情報のうち、受信感度が最も強いRFIDタグの識別情報を、受信情報として扱う。
図1の例では、RFIDアンテナA1は、最も接近しているRFIDタグT1の識別情報を無線受信する。
【0020】
検出部13は、RFIDアンテナA1とともに、下部走行体11及び上部旋回体12の他方に設けられている。本実施の形態では、検出部13は、RFIDアンテナA1とともに上部旋回体12内に搭載されている。
【0021】
検出部13は、RFIDアンテナA1によって受信された信号(何れかのRFIDタグの識別情報)に基づいて、下部走行体11に対する上部旋回体12の向きを検出する。
図1の例では、検出部13は、RFIDアンテナA1によって受信されたRFIDタグT1の識別情報に基づいて、上部旋回体12の向きが下部走行体11の向きと一致していると判断する。
【0022】
図2は、上部旋回体12が回転した場合の方向検出システム1の構成例を示す概略平面図である。
図2の例では、
図1の場合と比較して、上部旋回体12が反時計回りに45度回転している。このとき、RFIDアンテナA1は、上部旋回体12の回転に伴って移動することにより、RFIDタグT1〜T8のうちRFIDタグT8に最も接近するため、RFIDタグT8の識別情報を無線受信する。検出部13は、RFIDアンテナA1によって受信されたRFIDタグT8の識別情報に基づいて、上部旋回体12の向きが下部走行体11の向きに対して左方向に45度傾いていると判断する。
【0023】
図3は、上部旋回体12が回転した場合の方向検出システム1の他の構成例を示す概略平面図である。
図3の例では、
図1の場合と比較して、上部旋回体12が反時計回りに180度回転している。このとき、RFIDアンテナA1は、上部旋回体12の回転に伴って移動することにより、RFIDタグT1〜T8のうちRFIDタグT5に最も接近するため、RFIDタグT5の識別情報を無線受信する。検出部13は、RFIDアンテナA1によって受信されたRFIDタグT5の識別情報に基づいて、上部旋回体12の向きが下部走行体11の向きに対して180度傾いている(即ち、逆方向を向いている)と判断する。
【0024】
例えば、検出部13によって上部旋回体12の向きが下部走行体11と逆向きになっていると判断された場合、図示しない警告装置により警告音が出力されてもよい。或いは、検出部13による検出結果は、例えば、表示装置の画面に表示されてもよい。この表示装置は、建設機械に備え付けられたものであっても良いし、スマートフォンやタブレット等であっても良い。
【0025】
図4〜
図6は、表示装置の画面に表示された表示内容の一例を示す図である。なお、
図4〜
図6には、下部走行体11と上部旋回体12との位置関係がそれぞれ
図1〜
図3に示す位置関係である場合における、検出部13による検出結果が表示されている。
【0026】
図4〜
図6に示すように、表示装置の表示画面21には、例えば、RFIDアンテナA1によってRFIDタグT1〜T8のうち何れのRFIDタグの識別情報が受信されたかを表す情報22が表示される。また、下部走行体11に対する上部旋回体の向きを表す情報23も表示される。それにより、建設機械の運転者は、建設機械の走行させる方向を容易且つ迅速に判断したうえで、安全に走行動作を開始することができる。
【0027】
このように、本実施の形態に係る方向検出システム1は、下部走行体11及び上部旋回体12の一方に連動する複数のRFIDタグT1〜T8と、下部走行体11及び上部旋回体12の他方に連動するRFIDアンテナA1と、を備える。そして、方向検出システム1は、RFIDアンテナA1によって無線受信された、複数のRFIDタグT1〜T8のうち上部旋回体12の向きに対応する何れかのRFIDタグの識別情報に基づいて、下部走行体11に対する上部旋回体12の向きを検出する。それにより、方向検出システム1は、小石等の飛来等の外的要因により意図せずオンオフが切り替わる可能性のあるリミットスイッチを用いずに、建設機械の下部走行体11に対する上部旋回体12の向きを精度良く検出することができる。その結果、例えば、建設機械の運転者は、建設機械の走行させる方向を容易且つ迅速に判断したうえで、安全に走行動作を開始することができる。
【0028】
また、本実施の形態に係る方向検出システム1は、GPS(Global Positioning System)や地磁気センサ等を用いないため、トンネル内などのGPSや地磁気センサ等の情報を取得できない環境下でも正常に動作することができる。
【0029】
さらに、本実施の形態に係る方向検出システム1は、検出部13を用いることにより、RFIDアンテナA1によるRFIDタグT1〜T8の識別情報の受信順序に基づいて、下部走行体11に対する上部旋回体12の回転方向を検出することもできる。
【0030】
本実施の形態では、RFIDタグT1〜T8が下部走行体11側に配置され、RFIDアンテナA1が上部旋回体12側に配置された場合を例に説明したが、これに限られない。例えば、RFIDタグT1〜T8は、上部旋回体12側に配置され、RFIDアンテナA1は、下部走行体11側に配置されていてもよい。即ち、RFIDタグT1〜T8は、下部走行体11及び上部旋回体12の一方に連動するように配置され、RFIDアンテナA1は、下部走行体11及び上部旋回体12の他方に連動するように配置されていれば良い。
【0031】
<実施の形態2>
図7は、実施の形態2に係る方向検出システム2の構成例を示す概略平面図である。また、
図8は、実施の形態2に係る方向検出システム2の構成例を示す概略側面図である。本実施の形態では、方向検出システム2を搭載した建設機械が、下部走行体11と上部旋回体12とを連結する連結部31を備えている。以下、具体的に説明する。
【0032】
図7及び
図8に示すように、連結部31は、下部走行体11と上部旋回体12とを連結し、かつ、下部走行体11及び上部旋回体12の一方に連動するように形成されている。本実施の形態では、連結部31が、下部走行体11に連動するように形成された場合を例に説明する。また、連結部31は、円筒形状を有しており、連結部31の筒内には、下部走行体11及び上部旋回体12間の信号の受け渡しを行う各種ケーブルが配設されている。
【0033】
RFIDタグT1〜T8は、連結部31の内周面上において当該内周面の円周方向に沿って等間隔に配置されている。ここで、上述したように、連結部31は下部走行体11に連動するように形成されている。そのため、RFIDタグT1〜T8は、実施の形態1の場合と同じく、下部走行体11に連動する(即ち、固定される)ということができる。
【0034】
また、RFIDアンテナA1は、上部旋回体12から連結部31の筒内に延在するように配置されている。このRFIDアンテナA1は、方向検出システム1の場合と同様に、上部旋回体12の回転に伴って、RFIDタグT1〜T8によって形成された円形状の配置経路に沿って移動するように設置されている。
【0035】
方向検出システム2のその他の構成及び動作については、方向検出システム1の場合と同様であるため、その説明を省略する。
【0036】
本実施の形態に係る方向検出システム2は、方向検出システム1と同等程度の効果を奏することができる。さらに、方向検出システム2では、RFIDタグT1〜T8及びRFIDアンテナA1が連結部31の筒内に設けられているため、外的要因による誤動作がさらに抑制される。つまり、方向検出システム2は、建設機械の下部走行体11に対する上部旋回体12の向きをさらに精度良く検出することができる。
【0037】
本実施の形態では、連結部31が下部走行体11に連動するように形成された場合を例に説明したが、これに限られない。連結部31は、上部旋回体12に連動するように形成されてもよい。この場合、例えば、RFIDタグT1〜T8は、上部旋回体12に連動する連結部31に内周面上において当該内周面の円周方向に沿って等間隔に配置され、RFIDアンテナA1は、下部走行体11側に配置される。即ち、RFIDタグT1〜T8は、下部走行体11及び上部旋回体12の一方に連動するように配置され、RFIDアンテナA1は、下部走行体11及び上部旋回体12の他方に連動するように配置されていれば良い。
【0038】
<実施の形態3>
図9は、実施の形態3に係る方向検出システム3の構成例を示す概略平面図である。方向検出システム3は、方向検出システム2の場合と比較して、RFIDアンテナA1による信号の受信方向を制限する電波吸収体41をさらに備える。
【0039】
図10は、RFIDアンテナA1及び電波吸収体41からなるアンテナ装置の構成例を示す概略斜視図である。
図10を参照すると、電波吸収体41は、RFIDアンテナA1を囲むように設けられた、一面(
図10の例ではRFIDアンテナA1から見てx軸方向のマイナス側の面)が開口した箱型の形状を有する。それにより、RFIDアンテナA1による信号の受信方向が所定の方向のみに制限される。
【0040】
なお、アンテナ装置の構成は、
図10に示す構成に限られず、RFIDアンテナA1による信号の受信方向が所定の方向のみに制限されるような他の構成に適宜変更可能である。
図10の例では、アンテナA1が電波吸収体41の上面を貫通して当該電波吸収体41の内部に延在するように設けられているが、これに限られない。例えば、
図11に示すように、アンテナA1は、電波吸収体41の側面(
図11の例では、開口部と対向する側面)を貫通して当該電波吸収体41の内部に延在するように設けられてもよい。なお、
図11の例では、アンテナA1が、電波吸収体41の内部において、x軸マイナス方向からz軸プラス方向にかけてL字型に屈曲している。これは、例えば、アンテナA1とアンテナケーブルとがL字型コネクタによって接続された場合などを想定している。
【0041】
図9に戻って説明を続ける。電波吸収体41は、RFIDタグT1〜T8のうち上部旋回体12の向きに対応する何れかのRFIDタグに開口部が向くように回転可能に設置されている。
図9の例では、上部旋回体12の回転に伴ってRFIDアンテナA1及び電波吸収体41が移動することにより、電波吸収体41の開口部が、RFIDタグT1〜T8のうちRFIDアンテナA1に最も接近しているRFIDタグT1に向かって開口している。それにより、RFIDアンテナA1による信号の受信方向は、RFIDアンテナA1に最も接近しているRFIDタグT1からの方向に制限される。その結果、RFIDアンテナA1がRFIDタグT1に隣接するRFIDタグT2,T8の識別情報を意図せず受信してしまうのを防ぐことができる。
【0042】
方向検出システム3のその他の構成及び動作については、方向検出システム2の場合と同様であるため、その説明を省略する。
【0043】
このように、本実施の形態に係る方向検出システム3は、RFIDアンテナA1による信号の受信方向を制限する電波吸収体41を備えることで、建設機械の下部走行体11に対する上部旋回体12の向きをさらに精度良く検出することができる。
【0044】
(方向検出システム3の変形例)
図12は、方向検出システム3の変形例を方向検出システム3aとして示す概略平面図である。方向検出システム3aでは、方向検出システム3と比較して、RFIDアンテナA1の位置、及び、電波吸収体41の形状が異なっている。以下、具体的に説明する。
【0045】
図12に示すように、RFIDアンテナA1は、平面視して上部旋回体12の回転軸付近において、上部旋回体12から連結部31の筒内に延在するように設けられている。また、RFIDアンテナA1を囲む電波吸収体41a(電波吸収体41に対応)は、平面視して、上部旋回体12の回転軸付近から連結部31の内周面付近に向けて半径方向に延在し、かつ、連結部31の内周面付近において開口するように形成されている。電波吸収体41aは、電波吸収体41の場合と同様に、RFIDタグT1〜T8のうち上部旋回体12の向きに対応する何れかのRFIDタグに開口部が向くように回転可能に設置されている。
【0046】
それにより、RFIDアンテナA1による信号の受信方向は、RFIDタグT1〜T8のうち上部旋回体12の向きに対応する何れかのRFIDタグからの方向に制限される。その結果、RFIDアンテナA1がRFIDタグT1に隣接するRFIDタグT2,T8の識別情報を意図せず受信してしまうのを防ぐことができる。
【0047】
方向検出システム3aのその他の構成及び動作については、方向検出システム3の場合と同様であるため、その説明を省略する。
【0048】
このように、方向検出システム3aは、方向検出システム3の場合と同等程度の効果を奏することができる。
【0049】
以上、図面を参照して、本開示の実施の形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等が可能である。
【0050】
上記実施の形態1,2では、複数のRFIDタグT1〜T8が設けられ、かつ、単体のRFIDアンテナA1が設けられた場合を例に説明したが、これに限られない。例えば、複数のRFIDタグT1〜T8の設置箇所に複数のRFIDアンテナA1〜A8が設けられ、単体のRFIDアンテナA1の設置箇所に単体のRFIDタグT1が設けられてもよい。この場合、検出部13は、複数のRFIDアンテナA1〜A8のうち何れのRFIDアンテナによってRFIDタグT1の識別情報が受信されたかに基づいて、建設機械の下部走行体11に対する上部旋回体12の向きを検出する。例えば、検出部13は、RFIDアンテナA1〜A8のうちRFIDアンテナA1によってRFIDタグT1の識別情報が受信された場合、上部旋回体12の向きが下部走行体11の向きと一致していると判断する。
【0051】
また、この場合において、検出部13は、RFIDアンテナA1〜A8によるRFIDタグT1の識別情報の受信順序に基づいて、下部走行体11に対する上部旋回体12の回転方向を検出することもできる。
【0052】
さらに、この場合において、複数のRFIDアンテナA1〜A8のそれぞれに対して電波吸収体41_1〜41_8が設けられても良い。電波吸収体41_1〜41_8は、電波吸収体41と同等の形状を有する。電波吸収体41_1〜41_8は、それらの開口部が、上部旋回体12の回転軸に向かって開口するように設置される。
【0053】
さらに、上記実施の形態1,2では、本開示をハードウェアの構成として説明したが、本開示は、これに限定されるものではない。本開示は、方向検出システムによる方向検出処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することが可能である。
【0054】
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non−transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体は、例えば、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリを含む。磁気記録媒体は、例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブなどである。光磁気記録媒体は、例えば光磁気ディスクなどである。半導体メモリは、例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)などである。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0055】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0056】
(付記1)
建設機械を構成する上部旋回体及び下部走行体の一方に連動する複数のRFID(Radio Frequency IDentification)タグと、
前記上部旋回体及び前記下部走行体の他方に連動し、前記複数のRFIDタグのうち前記上部旋回体の向きに対応する何れかのRFIDタグの識別情報を無線受信するRFIDアンテナと、
前記RFIDアンテナによって受信された前記識別情報に基づいて前記下部走行体に対する前記上部旋回体の向きを検出する検出部と、
を備えた、方向検出システム。
【0057】
(付記2)
前記上部旋回体と前記下部走行体とを連結し、かつ、前記上部旋回体及び前記下部走行体の一方に連動する、円筒形状の連結部をさらに備え、
前記複数のRFIDタグは、前記連結部の内周面に当該内周面の円周方向に沿って配置され、
前記RFIDアンテナは、前記上部旋回体及び前記下部走行体の他方から前記連結部の筒内に延在するように配置されている、
付記1に記載の方向検出システム。
【0058】
(付記3)
前記RFIDアンテナを囲むようにして設けられ、前記RFIDアンテナによる信号の受信方向を制限する電波吸収体をさらに備えた、
付記1又は2に記載の方向検出システム。
【0059】
(付記4)
前記電波吸収体は、一面が開口した箱型の形状を有する、
付記3に記載の方向検出システム。
【0060】
(付記5)
前記電波吸収体は、その開口部が、前記複数のRFIDタグのうち前記上部旋回体の向きに対応するRFIDタグに向くように設置されている、
付記4に記載の方向検出システム。
【0061】
(付記6)
前記RFIDアンテナは、前記複数のRFIDタグのうち前記上部旋回体の向きに対応するRFIDタグがそれ以外のRFIDタグよりも接近するように設置されている、
付記1〜5の何れか一項に記載の方向検出システム。
【0062】
(付記7)
前記検出部は、前記RFIDアンテナによる前記複数のRFIDタグの識別情報の受信順序に基づいて、前記下部走行体に対する前記上部旋回体の回転方向をさらに検出するように構成されている、
付記1〜6の何れか一項に記載の方向検出システム。
【0063】
(付記8)
付記1〜7の何れか一項に記載の方向検出システムを搭載した建設機械。
【0064】
(付記9)
アンテナと、
前記アンテナを囲むように設けられ、一面が開口している箱型の電波吸収体と、
を備えた、アンテナ装置。
【0065】
(付記10)
建設機械を構成する上部旋回体及び下部走行体の一方に連動する複数のRFID(Radio Frequency IDentification)タグと、
前記上部旋回体及び前記下部走行体の他方に連動し、前記複数のRFIDタグのうち前記上部旋回体の向きに対応する何れかのRFIDタグの識別情報を無線受信するRFIDアンテナと、
を備えた方向検出システム、による方向検出処理において、
前記RFIDアンテナによって受信された前記識別情報に基づいて前記下部走行体に対する前記上部旋回体の向きを検出する処理をコンピュータに実行させる、
方向検出プログラム。
【0066】
(付記11)
建設機械を構成する上部旋回体及び下部走行体の一方に連動する複数のRFID(Radio Frequency IDentification)アンテナと、
前記上部旋回体及び前記下部走行体の他方に連動し、前記複数のRFIDアンテナのうち前記上部旋回体の向きに対応する何れかのRFIDアンテナによって識別情報が受信されるRFIDタグと、
前記複数のRFIDアンテナのうち何れのRFIDアンテナによって前記RFIDタグの識別情報が受信されたかに基づいて、前記下部走行体に対する前記上部旋回体の向きを検出する検出部と、
を備えた、方向検出システム。
【0067】
(付記12)
前記上部旋回体と前記下部走行体とを連結し、かつ、前記上部旋回体及び前記下部走行体の一方に連動する、円筒形状の連結部をさらに備え、
前記複数のRFIDアンテナは、前記連結部の内周面に当該内周面の円周方向に沿って配置され、
前記RFIDタグは、前記上部旋回体及び前記下部走行体の他方から前記連結部の筒内に延在するように配置されている、
付記11に記載の方向検出システム。
【0068】
(付記13)
前記RFIDタグは、前記複数のRFIDアンテナのうち前記上部旋回体の向きに対応するRFIDアンテナがそれ以外のRFIDアンテナよりも接近するように設置されている、
付記11又は12に記載の方向検出システム。
【0069】
(付記14)
前記複数のRFIDアンテナのそれぞれを囲むようにして設けられ、前記複数のRFIDアンテナのそれぞれによる信号の受信方向を制限する複数の電波吸収体をさらに備えた、
付記13に記載の方向検出システム。
【0070】
(付記15)
前記複数の電波吸収体は、一面が開口した箱型の形状を有する、
付記13又は14に記載の方向検出システム。
【0071】
(付記16)
前記複数の電波吸収体は、それぞれの開口部が、前記上部旋回体の回転軸に向かって開口するように設置されている、
付記13〜15の何れか一項に記載の方向検出システム。
【0072】
(付記17)
前記検出部は、前記複数のRFIDアンテナによる前記RFIDタグの識別情報の受信順序に基づいて、前記下部走行体に対する前記上部旋回体の回転方向をさらに検出するように構成されている、
付記11〜16の何れか一項に記載の方向検出システム。
【0073】
(付記18)
付記11〜17の何れか一項に記載の方向検出システムを搭載した建設機械。
【0074】
(付記19)
建設機械を構成する上部旋回体及び下部走行体の一方に連動する複数のRFID(Radio Frequency IDentification)アンテナと、
前記上部旋回体及び前記下部走行体の他方に連動し、前記複数のRFIDアンテナのうち前記上部旋回体の向きに対応する何れかのRFIDアンテナによって識別情報が受信されるRFIDタグと、
を備えた方向検出システム、による方向検出処理において、
前記複数のRFIDアンテナのうち何れのRFIDアンテナによって前記RFIDタグの識別情報が受信されたかに基づいて、前記下部走行体に対する前記上部旋回体の向きを検出する処理をコンピュータに実行させる、
方向検出プログラム。