(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表示制御装置から、当該表示制御装置によって表示されるコンテンツの取得要求と、当該表示制御装置における当該コンテンツの表示に関するリソースの状況とを受け付ける受付部と、
前記受付部によって受け付けられたリソースの状況に基づいて、前記コンテンツを構成する要素のうち、優先的に配信を行う要素を選択する選択部と、
前記受付部によって受け付けられた取得要求に応じて、前記コンテンツが含む要素のうち、前記選択部によって選択された要素から優先的に前記表示制御装置へ配信する配信部と、
を備えたことを特徴とする配信装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る表示制御プログラム、表示制御装置、表示制御方法及び配信装置を実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る表示制御プログラム、表示制御装置、表示制御方法及び配信装置が限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.表示制御処理の一例〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る表示制御処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る表示制御処理の一例を示す図である。
図1では、実施形態に係る表示制御装置において、実施形態に係る表示制御プログラムが実行する表示制御処理の一例について説明する。具体的には、
図1では、実施形態に係る表示制御装置の一例であるユーザ端末100は、コンテンツの表示に関するリソースの状況を検知し、検知したリソースの状況に基づいてコンテンツの取得処理を制御する。ユーザ端末100は、取得したコンテンツに関する情報に基づいて当該コンテンツの表示を制御する。
【0012】
なお、以下では、ユーザ端末100が表示制御するコンテンツとして、ユーザ端末100にインストールされたアプリケーション(以下、単に「アプリ」と表記する)内で表示されるコンテンツを例に挙げて説明する。より具体的には、
図1の例では、コンテンツの一例として、ユーザ端末100で実行されるニュースアプリによって表示されるコンテンツC01を例に挙げる。コンテンツC01は、例えば、種々のニュース記事を含む。また、各ニュース記事は、画像データや、動画データや、テキストデータ等の各要素によって構成される。また、各ニュース記事は、バナー広告等の広告表示を含む場合がある。
【0013】
図1に示したユーザ端末100は、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、3G(3rd Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。ユーザ端末100は、液晶ディスプレイ等の表示画面を有する。例えば、ユーザ端末100は、タッチパネル等の機能を有する画面を有する。すなわち、ユーザ端末100を利用するユーザは、指やスタイラスで画面をタッチすることにより各種操作を行う。
図1の例では、ユーザ端末100は、ユーザの一例であるユーザU01によって利用される。
【0014】
図1に示したコンテンツ配信サーバ30は、ユーザ端末100にコンテンツを配信するサーバ装置である。コンテンツ配信サーバ30が配信するコンテンツは、例えば、ウェブページや、アプリに係るコンテンツ等である。コンテンツ配信サーバ30によって配信されるコンテンツは、例えば、HTML(HyperText Markup Language)により記述されたHTMLファイルや、XML(Extensible Markup Language)により記述されたXMLファイル等により形成される。また、コンテンツは、画像データファイルやテキストデータファイルなど、コンテンツを構成する複数の要素を含む。
図1の例では、コンテンツ配信サーバ30は、コンテンツの一例であるコンテンツC01をユーザ端末100に配信する。
【0015】
図1に示した広告配信サーバ20は、広告主から入稿された広告を保持し、広告取得要求を受信した場合に、要求元に広告を配信するサーバ装置である。例えば、広告取得命令が含まれるコンテンツを表示するユーザ端末100は、広告取得命令に従い、広告配信サーバ20にアクセスする。広告配信サーバ20は、広告取得命令に応じて、コンテンツが含む広告枠(例えば、バナー広告枠や、ニュース記事とともに表示される動画広告枠や、検索結果とあわせて表示されるテキスト広告枠等)に表示する広告をユーザ端末100に配信する。具体的には、広告配信サーバ20は、広告のコンテンツデータ(静止画像や動画像等、いわゆる広告クリエイティブ)もしくは広告のコンテンツデータの取得先URL(Uniform Resource Locator)や、広告のリンク情報(例えば、広告主の提供するウェブサイト等へのリンク)等をユーザ端末100に配信する。
【0016】
ところで、ユーザ端末100によって行われるコンテンツの表示処理では、コンテンツの表示に関するリソースの状況に応じて、ユーザにとって快適とはいえない表示処理が行われる場合がある。
【0017】
例えば、事故や災害発生時には、ユーザ端末100とコンテンツ配信サーバ30や広告配信サーバ20との間の通信状態が悪化するおそれがある。この場合、ユーザ端末100では、表示しようとするコンテンツのデータをダウンロードする速度が遅くなり、通常時よりもコンテンツ表示に長い時間が掛かる可能性がある。これは、アプリで表示されるコンテンツやウェブページ等は、ユーザ端末100で表示する所定単位のデータのダウンロードが完了してから表示処理が行われるため、通信状態が悪化した状態では、コンテンツが表示されるまでに通常時よりも長時間を要するためである。
【0018】
上記のような表示が行われた場合、ユーザは表示までに長時間待たされるため、不快感を抱く場合がある。しかしながら、事故や災害の発生を完全に防止することは現実的ではないため、通信状態の悪化が発生する可能性は常にあるものといえる。
【0019】
そこで、実施形態に係るユーザ端末100は、事故や災害が発生してコンテンツ表示に係るリソース(例えば通信状態等)が減少した状態において、コンテンツの表示を最適化するように制御を行う。実施形態に係る表示制御処理によれば、リソースの状況に関わらず、ユーザに不便さを感じさせない表示を行うことができるため、ユーザの体感的な利便性を失わせることのない表示処理を行うことができる。以下、
図1を用いて、実施形態に係る表示制御処理の流れについて説明する。
【0020】
まず、ユーザ端末100は、ユーザU01からコンテンツ取得に関する操作を受け付ける(ステップS11)。例えば、ユーザ端末100は、ユーザU01がニュースアプリを起動したり、ニュースアプリにおいてニュース記事を取得したりするための操作を受け付ける。ユーザ端末100は、コンテンツ取得に関する操作を受け付けた場合、コンテンツ表示に係るリソースの状況を検知する(ステップS12)。
【0021】
例えば、ユーザ端末100は、リソースの状況の一例として、コンテンツ配信サーバ30との通信状況を検知する。具体的には、ユーザ端末100は、コンテンツ配信サーバ30との間で所定時間内に送受信を行うことのできる情報量を検知する。そして、ユーザ端末100は、例えば、情報量が所定の閾値を下回るか否かを判定する。情報量が所定の閾値を下回る場合には、ユーザ端末100は、通常時(すなわち、情報量が所定の閾値を下回らない場合)には実行しない取得処理の制御や、表示処理の制御を実行する。
【0022】
例えば、ユーザ端末100は、取得しようとするコンテンツのうち、取得する要素を選択する。具体的には、ユーザ端末100は、取得しようとするコンテンツに画像データや動画データと、テキストデータとが含まれる場合には、テキストデータを優先的に選択して取得することを決定する。あるいは、ユーザ端末100は、コンテンツに広告枠が含まれる場合に、当該広告枠で表示する広告を取得しないか、あるいは、通常よりも情報量の少ない広告を取得すること等を決定する。
【0023】
これは、事故や災害発生時において通信状態が悪化した場合には、そもそもの情報量(データ量)が多い画像データや動画データを取得するよりも、情報が端的に示されるテキストデータの取得を優先した方が、ユーザにとって利便性が高いと想定されることによる。また、ユーザ端末100は、可能な場合には広告を取得しないか、あるいは、広告に代替する情報量の少ないコンテンツを取得することで、ダウンロードする情報量を減らし、少しでもコンテンツの表示を素早く行うことができるような制御を行う。
【0024】
かかる制御をふまえて、ユーザ端末100は、コンテンツ配信サーバ30にコンテンツの取得を要求する(ステップS13)。例えば、ユーザ端末100は、ユーザU01が取得を要求したコンテンツについて、コンテンツを構成する各要素の情報を取得する。そして、ユーザ端末100は、各要素のうち、例えば、記事のタイトルや本文等のテキストデータのみを取得することをコンテンツ配信サーバ30に要求する。
【0025】
コンテンツ配信サーバ30は、要求に応じてコンテンツをユーザ端末100に配信する(ステップS14)。例えば、コンテンツ配信サーバ30は、コンテンツC01を構成する各要素のうち、テキストデータを優先してユーザ端末100に配信する。
【0026】
また、ユーザ端末100は、コンテンツ配信サーバ30から取得したコンテンツC01に広告取得命令が含まれる場合、広告配信サーバ20に広告要求に関する情報を送信する(ステップS15)。ここで、広告要求に関する情報とは、単に広告を要求する旨を示す情報のみならず、例えば、可能な場合には広告を取得しないことを要求する旨や、広告に代替するコンテンツを取得することを要求する旨を含んでもよい。例えば、ユーザ端末100は、検知したリソースの状況に応じて、広告要求に関する情報の内容を決定する。例えば、ユーザ端末100は、検知したリソースが通常時の状況であれば広告を取得する旨を示す広告要求に関する情報を生成し、検知したリソースが異常時の状況であれば、例えば広告を取得しない旨を示す広告要求に関する情報を生成してもよい。
【0027】
広告配信サーバ20は、要求に応じて広告をユーザ端末100に配信する(ステップS16)。なお、ユーザ端末100から送信された広告要求に関する情報の内容によっては、広告配信サーバ20は、広告を配信しなくてもよい。
【0028】
ユーザ端末100は、取得した各要素に基づいてコンテンツC01を表示する。なお、以下の説明では、ユーザ端末100による表示制御処理を図示した状態を「第N状態」(Nは任意の数)と表記する場合がある。
【0029】
図1に示す第1状態は、検知されたリソースが充分である場合(通常時)の表示処理の例を示す(ステップS17)。具体的には、第1状態に示すように、ユーザ端末100は、画像P01や、テキストT01や、広告AD01等の各要素を含むコンテンツC01を表示する。
【0030】
一方、
図1に示す第2状態は、検知されたリソースが不十分である場合(例えば、事故や災害発生時であり、通信状態が悪化している場合等)の表示処理の例を示す(ステップS18)。具体的には、第2状態に示すように、ユーザ端末100は、画像P01や広告AD01等の各要素を含まず、テキストT01のみを含むコンテンツC01を表示する。
【0031】
このように、実施形態に係るユーザ端末100は、コンテンツ表示に係るリソースを検知し、検知したリソースに応じて、コンテンツC01を構成する要素のうち一部を選択的に取得したり、広告の取得を制限したりすること等により、取得する情報量を調整する。これにより、ユーザ端末100は、事故や災害の発生時であっても、コンテンツC01が表示されるまでに長時間ユーザを待たせることなく、コンテンツC01の表示を完了することができる。具体的には、ユーザ端末100は、リソースの状況によっては、取得や表示に時間のかかる画像データや動画データを省略してコンテンツC01を表示する。このため、ユーザ端末100は、コンテンツC01の内容を知りたいというユーザU01の要望を即座に満たすことができるので、ユーザU01にとって利便性の高い表示制御処理を行うことができる。
【0032】
さらに、ユーザ端末100は、コンテンツC01のテキストT01を表示する際にも、所定の表示制御処理を行ってよい。この点について、
図2を用いて説明する。
図2は、実施形態に係る表示制御処理の一例を説明する図である。
【0033】
図2では、ユーザ端末100が、コンテンツC01として表示予定のテキストデータを取得し、取得したテキストデータを表示する際の制御を行う例を示す。例えば、ユーザ端末100は、取得したテキストデータを表示する文字数や時間を制御することで、ユーザU01に対して表示の遅さを感じさせないような表示処理を実行する。
【0034】
例えば、ユーザ端末100は、
図2に示すように、第1の表示処理、第2の表示処理、第3の表示処理という、3種類の表示処理を行う。詳細は後述するが、ユーザ端末100は、例えばユーザU01の属性情報や、過去の行動履歴等に基づいて、3種類の表示処理のいずれを行うかを決定する。
【0035】
図2の例では、事故や災害のためにユーザ端末100とコンテンツ配信サーバ30との間で送受信可能な情報量が減少し、ユーザ端末100が、1秒間に30文字のテキストしか取得できない状態であると仮定する。
【0036】
第1の表示処理として、ユーザ端末100は、テキストを取得するたびに、1文字ずつ順に表示するよう制御しうる(ステップS21)。第3状態に示すように、ユーザ端末100は、取得した「ABCDE・・・」というテキストを1文字ずつ順に表示する。例えば、第3状態では、ユーザ端末100が、「ABCDE・・・QRST」というテキストデータを取得しており、また、取得したテキストを逐一表示していることを示している。
【0037】
その後も、ユーザ端末100は、テキストを取得するたびに、1文字ずつ順に表示する処理を継続する(ステップS22)。ユーザ端末100は、取得したテキストを1文字ずつ順に表示し続け、最終的には、第4状態に示すように、1秒間で取得した「ABCDE・・・abcd」という30文字のテキストデータを表示する。
【0038】
第1の表示処理に代えて、第2の表示処理として、ユーザ端末100は、所定の情報量が蓄積するたびに、蓄積した分だけのテキストを表示するよう制御を行ってもよい。例えば、ユーザ端末100は、1秒間に30文字のテキストが取得可能な通信状態である場合、0.2秒ごとに6文字ずつを表示するよう制御しうる(ステップS31)。
【0039】
第5状態では、ユーザ端末100が、取得した「ABCDE・・・」というテキストを、0.2秒ごとに6文字ずつ表示する状況を示している。例えば、第5状態では、第3状態と同じく「ABCDE・・・QRST」というテキストデータを取得していたとしても、ユーザ端末100は、6文字ずつの表示を行うため、「ABCDEF」、「GHIJKL」、「MNOPQR」までしか表示を行わない。
【0040】
その後も、ユーザ端末100は、テキストを取得するたびに、0.2秒ごとに6文字ずつ順に表示する処理を継続する(ステップS32)。ユーザ端末100は、取得したテキストを6文字ずつ順に表示し続け、最終的には、第6状態に示すように、1秒間で取得した「ABCDE・・・abcd」という30文字のテキストデータを表示する。
【0041】
第1又は第2の表示処理に代えて、第3の表示処理として、ユーザ端末100は、所定時間に取得可能な最大量の情報量が蓄積するのを待って、蓄積した分だけのテキストを表示するよう制御を行ってもよい。例えば、ユーザ端末100は、1秒間に30文字のテキストが取得可能な通信状態である場合、1秒ごとに30文字を表示するよう制御しうる(ステップS41)。この場合、ユーザ端末100は、第7状態に示すように、1秒間が経過するまではテキストの表示を行うことなく、待機することとなる。
【0042】
その後、ユーザ端末100は、1秒ごとにテキストの表示を行う(ステップS42)。第8状態に示すように、ユーザ端末100は、1秒が経過したタイミングで、1秒間に取得した30文字のテキストを同時に表示する。
【0043】
図2で説明したように、ユーザ端末100は、リソースの状況に応じて取得されたテキストデータを種々の文字数やタイミングで表示するよう制御してもよい。第4状態、第6状態、第8状態に示すように、ユーザ端末100が1秒間で表示する文字数は同じであるが、このような表示処理は、体感的な遅さを軽減させたり、ユーザにとって快適な閲覧環境を与えたりすることができる。
【0044】
例えば、年配のユーザにとっては、自分の読みたいペースで文字が画面に描写されることによって快適に閲覧を行うことができる場合がある。また、通信速度が遅くなった場合でも、ユーザ端末100は、例えば0.2秒ごとに6文字を表示するようなテンポのよい表示制御を行うことにより、ユーザに体感的な遅さを感じさせなくさせることができる。なお、ユーザ端末100は、予めユーザから表示する文字数の指定を受け付けたり、ユーザからのフィードバックを取得したりしてもよい。そして、ユーザ端末100は、ユーザの指定や、ユーザのフィードバックを反映した表示制御を行うことで、ユーザにパーソナライズされた表示制御処理や、大多数のユーザにとって快適と思える(最適化された)表示制御処理を行うことができる。
【0045】
図1及び
図2を用いて説明してきたように、実施形態に係るユーザ端末100は、コンテンツの表示に関するリソースの状況を検知し、検知したリソースの状況に基づいて、表示するコンテンツの取得処理を制御する。また、ユーザ端末100は、取得したコンテンツに関する情報(例えば、コンテンツを含む要素や情報量)に基づいて、当該コンテンツの表示を制御する。
【0046】
これにより、ユーザ端末100は、画像データ等を読み込むまでコンテンツC01が表示されなかったり、文字が表示されるタイミングがユーザに適していなかったりといった事態を防止することができるため、例えば事故や災害時のコンテンツ表示において、ユーザの体感的な利便性を向上させることができる。
【0047】
なお、上記の例では、コンテンツ表示に係るリソースの状況として、事故や災害時における、ユーザ端末100とコンテンツ配信サーバ30や広告配信サーバ20との通信状況(送受信可能な情報量)を例に挙げた。しかし、コンテンツ表示に係るリソースの状況は、この例に限られない。例えば、ユーザ端末100は、ユーザ端末100のバッテリー状況等を検知してもよい。例えば、バッテリーが不足している場合には、ユーザ端末100が取得したり表示したりする情報量は制限された方が望ましいという状況が起こり得る。ユーザ端末100は、このような状況下においても上記のような表示制御処理を行うことで、バッテリー残量の低下を抑制したり、バッテリー残量が枯渇したりすることを防止することができる。
【0048】
また、ユーザ端末100は、上述した処理を任意の手法で実現することができる。例えば、ユーザ端末100は、予め上記のような表示制御処理を実行するための制御情報(スクリプト)が含まれたアプリ(
図1及び
図2の例ではニュースアプリ)を実行することにより、上記の表示制御処理を実現することができる。あるいは、ユーザ端末100は、予め上記のような表示制御処理を実行するための制御情報が記載されたコンテンツC01を取得することにより、上記の表示制御処理を実行してもよい。なお、このような制御情報は、実施形態に係る表示制御プログラムに対応するものであり、例えば、CSS(Cascading Style Sheets)、JavaScript(登録商標)、HTML、あるいは、上述した表示制御処理を記述可能な任意の言語によって実現される。以下、実施形態に係る表示制御プログラムに従って上述した表示制御処理を実行するユーザ端末100等について、詳細に説明する。
【0049】
〔2.表示制御システムの構成〕
図3を用いて、実施形態に係る表示制御システム1の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る表示制御システム1の構成例を示す図である。
図3に示すように、表示制御システム1は、ユーザ端末100と、広告配信サーバ20と、コンテンツ配信サーバ30とを含む。ユーザ端末100、広告配信サーバ20、コンテンツ配信サーバ30は、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。なお、
図3に示す表示制御システム1に含まれる各装置の数は図示したものに限られず、例えば、表示制御システム1には、複数台のユーザ端末100が含まれてもよい。
【0050】
ユーザ端末100は、アプリで表示されるコンテンツ等を閲覧するユーザによって利用される情報処理装置である。例えば、ユーザ端末100は、スマートフォン等の携帯電話機や、タブレット端末や、PDA(Personal Digital Assistant)や、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PC等である。ユーザ端末100は、ユーザによる操作にしたがって、コンテンツ配信サーバ30からコンテンツを取得し、取得したコンテンツを表示する。また、ユーザ端末100は、実施形態に係る広告表示制御処理を実行し、コンテンツの取得処理や表示処理を制御する。
【0051】
広告配信サーバ20は、広告主から入稿された広告を配信するサーバ装置である。例えば、広告配信サーバ20は、広告配信要求を受け付けると、媒体となるコンテンツやユーザの属性等から広告のマッチングを行い、マッチングの結果、配信対象として抽出された広告をユーザ端末100に配信する。
【0052】
コンテンツ配信サーバ30は、ユーザ端末100にコンテンツを配信するサーバ装置である。例えば、コンテンツ配信サーバ30は、ニュースアプリで表示される記事等のコンテンツをユーザ端末100に配信する。なお、コンテンツ配信サーバ30は、コンテンツとして、例えば、ポータルサイト、ニュースサイト、オークションサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブブログなどに関連する各種情報を含むウェブページをユーザ端末100に配信してもよい。
【0053】
なお、コンテンツ配信サーバ30によって配信されるコンテンツは、広告枠と広告取得命令とが含んでいてもよい。コンテンツに広告取得命令が含まれる場合、ユーザ端末100は、広告取得命令に従い、広告配信サーバ20に広告を要求する処理を実行する。
【0054】
〔3.ユーザ端末の構成〕
次に、
図4を用いて、実施形態に係るユーザ端末100の構成について説明する。
図4は、実施形態に係るユーザ端末100の構成例を示す図である。
図4に示すように、ユーザ端末100は、通信部110と、入力部120と、出力部130と、制御部140と、記憶部150とを有する。
【0055】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、広告配信サーバ20やコンテンツ配信サーバ30との間で情報の送受信を行う。
【0056】
(入力部120及び出力部130について)
入力部120は、ユーザから各種操作を受け付ける入力装置である。例えば、入力部120は、キーボードやマウスや操作キー等によって実現される。出力部130は、各種情報を表示するための表示装置である。例えば、出力部130は、ユーザ端末100の画面であり、液晶ディスプレイ等によって実現される。なお、ユーザ端末100にタッチパネルが採用される場合には、入力部120と出力部130とは一体化される。なお、
図1の例では、出力部130と、ユーザ端末100におけるコンテンツの表示領域が同一である例を示したが、実際には、コンテンツは出力部130の全面に表示されるとは限らない。すなわち、コンテンツは、出力部130内に表示されるアプリやウェブブラウザソフトウェアのウインドウ内に表示される場合がありうる。この場合、ウェブページを表示する際のユーザ端末100における表示領域とは、アプリやウェブブラウザソフトウェアのウインドウを意味する。
【0057】
(記憶部150について)
記憶部150は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図4に示すように、記憶部150は、取得情報記憶部151と、ユーザ情報記憶部152とを有する。
【0058】
(取得情報記憶部151について)
取得情報記憶部151は、取得したコンテンツに関する情報を記憶する。ここで、
図5に、実施形態に係る取得情報記憶部151の一例を示す。
図5は、実施形態に係る取得情報記憶部151の一例を示す図である。
図5に示すように、取得情報記憶部151は、「コンテンツID」、「要素ID」、「設定情報」、「データ種別」、「ダウンロード状況」、「表示順」といった項目を有する。
【0059】
「コンテンツID」は、コンテンツを識別する識別情報を示す。「要素ID」は、コンテンツを構成する要素を識別する識別情報を示す。なお、実施形態において、識別情報は、説明に用いる参照符号として用いる場合がある。例えば、コンテンツID「C11」で識別されるコンテンツは「コンテンツC11」を示し、要素ID「E11」で識別される要素は「要素E11」を示す。
【0060】
「設定情報」は、各要素がコンテンツにおいてどのような設定がされているかといった情報を示す。例えば、設定情報は、その要素がコンテンツの「タイトル」として設定されたものであったり、「トップ画像」として設定されたものであったりといった情報を含む。設定情報は、例えば、コンテンツの作成者によって任意に記述されてもよい。
【0061】
「データ種別」は、各要素のデータの種別を示す。各要素のデータ種別とは、例えば各要素のファイル種別であり、例えば、ファイルの内容や、ファイルの拡張子等によって示される。
【0062】
「ダウンロード状況」は、コンテンツを構成する各要素がダウンロードされているか否かという状況を示す。
図5の例では、既にダウンロードされている要素については「1」が記憶され、ダウンロードされていない要素については「0」が記憶されるものとする。
【0063】
「表示順」は、コンテンツを構成する各要素を取得する順番及び取得した各要素を表示する順番を示す。表示順は、例えば、リソースの状況に基づいて後述する取得部143によって決定される。
【0064】
すなわち、
図5では、取得情報記憶部151に記憶される情報の一例として、コンテンツID「C11」で識別されるコンテンツC11は、要素ID「E11」等で識別される要素E11等から構成されていることを示している。また、
図5では、例えば要素E11は、コンテンツC11における設定情報が「タイトル」であり、要素E12は、コンテンツC11における設定情報が「トップ画像」であることを示している。また、
図5では、例えば要素E11は、データ種別が「テキスト」であり、ダウンロード状況が「1(ダウンロード済みである)」であり、表示順が「1」番であることを示している。
【0065】
(ユーザ情報記憶部152について)
ユーザ情報記憶部152は、ユーザに関する情報を記憶する。ここで、
図6に、実施形態に係るユーザ情報記憶部152の一例を示す。
図6は、実施形態に係るユーザ情報記憶部152の一例を示す図である。
図6に示すように、ユーザ情報記憶部152は、「ユーザID」、「属性情報」、「特性情報」といった項目を有する。また、「属性情報」は、「年齢」、「性別」といった小項目を有する。また、「特性情報」は、「平均滞在時間」、「コンテンツ閲覧数」、「表示指定情報」といった項目を有する。
【0066】
「ユーザID」は、ユーザを識別する識別情報を示す。「属性情報」は、ユーザの属性情報を示す。「年齢」は、ユーザの年齢を示す。「性別」は、ユーザの性別を示す。
【0067】
「特性情報」は、ユーザ端末100に対する各ユーザの操作の特徴や、ユーザのコンテンツの閲覧の特徴など、各ユーザの特性を示す。「平均滞在時間」は、1つのコンテンツをユーザが表示させている(言い換えれば、ユーザが閲覧していると想定される)平均時間を示す。「コンテンツ閲覧数」は、所定時間(例えば1日)においてユーザが閲覧するコンテンツの数を示す。
【0068】
例えば、全ユーザの平均値と比較して、「平均滞在時間」の数字が大きいユーザは、各コンテンツを熟読する傾向にあるユーザであり、また、「コンテンツ閲覧数」の数字が大きいユーザは、多くのコンテンツを閲覧する傾向にあるユーザであるといえる。また、ユーザ端末100は、「平均滞在時間」と「コンテンツ閲覧数」との関係から、例えば、短時間で頻繁にコンテンツをザッピング(zapping)する傾向にあるユーザであるとか、1つのコンテンツは時間を掛けて閲覧するが、全体としてコンテンツを閲覧する時間は短い傾向にあるユーザであるといった特性を取得することが可能である。また、「平均滞在時間」や「コンテンツ閲覧数」は、例えば、1つのコンテンツにおける複数の記事ごとに取得されてもよい。すなわち、上記した「平均滞在時間」は、一つの記事を表示する時間と読み替えてもよいし、「コンテンツ閲覧数」は、「記事閲覧数」と読み替えてもよい。
【0069】
「表示指定情報」は、コンテンツの表示手法についてのユーザからの指定を示す。
図6の例では、表示指定情報に記憶される情報を「A01」のように概念的に示しているが、実際には、表示指定情報の項目には、テキストデータを所定時間にどのくらいの文字数でどのように表示するか、といった具体的なユーザの指定情報が記憶される。なお、ユーザは、表示の手法を指定しなくてもよい。この場合、表示指定情報の項目には、ユーザから明示の指定がない旨の情報が記憶される。
【0070】
すなわち、
図6では、ユーザ情報記憶部152に記憶される情報の一例として、ユーザID「U01」で識別されるユーザU01は、属性情報のうち、年齢が「30歳」であり、性別が「男性」であることを示している。また、
図6では、ユーザU01は、特性情報のうち、平均滞在時間が「30秒」であり、コンテンツ閲覧数が「15/日」であり、表示指定情報が「A01」であることを示している。
【0071】
(制御部140について)
図4に戻って、説明を続ける。制御部140は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、ユーザ端末100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、実施形態に係る表示制御プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部140は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0072】
図4に示すように、制御部140は、要求部141と、検知部142と、取得部143と、表示制御部144とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部140の内部構成は、
図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部140が有する各処理部の接続関係は、
図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0073】
上述のように、制御部140に係る各処理部は、制御情報(例えば、実施形態に係る表示制御プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。すなわち、要求部141が実行する処理は、制御情報が実行させる要求手順により実現され、検知部142が実行する処理は、制御情報が実行させる検知手順により実現され、取得部143が実行する処理は、制御情報が実行させる取得手順により実現され、表示制御部144が実行する処理は、制御情報が実行させる表示制御手順により実現される。
【0074】
(要求部141について)
要求部141は、入力部120を介して受け付けたユーザ操作に従って、コンテンツ配信サーバ30にコンテンツの配信要求を送信する。また、要求部141は、取得したコンテンツに広告配信命令が含まれる場合には、広告の配信要求を広告配信サーバ20に送信する。なお、広告の配信要求とは、必ずしも広告に限られず、関連画像等を含む、広告枠に表示される任意のコンテンツの配信を要求するものであってもよい。
【0075】
なお、要求部141は、検知部142によってコンテンツ表示に関するリソースが検知された場合には、検知された情報とともに、コンテンツの配信要求を行ってもよい。例えば、後述する取得部143は、コンテンツの配信要求が送信された場合に、リソースの状況に応じて、コンテンツが含む各要素を全て取得するのではなく、コンテンツが含む各要素に関する情報を取得する場合がある。このため、要求部141は、最初の要求において、コンテンツに関する情報を取得することを要求してもよい。例えば、要求部141は、コンテンツがどのような要素を含むかといった情報や、各要素の容量(各要素のファイルのデータ量)や、各要素のコンテンツにおける設定情報といった情報を取得することを要求する。その後、要求部141は、検知部142によって検知されたリソースに関する情報とともに配信要求を送信することにより、例えば、リソースの状況に応じた要素のみを取得する旨等をコンテンツ配信サーバ30に要求することができる。具体的には、要求部141は、画像データや動画データを配信させず、テキストデータを優先的に配信するよう要求することができる。
【0076】
(検知部142について)
検知部142は、各種情報を検知する。例えば、検知部142は、コンテンツの表示に関するリソースの状況を検知する。
【0077】
具体的には、検知部142は、リソースの状況として、コンテンツを取得する際の通信状況を検知する。例えば、検知部142は、通信部110が行うネットワークNとの通信状況を検知する。具体的には、検知部142は、コンテンツ配信サーバ30や広告配信サーバ20との間の通信状況(送受信可能な情報量)を検知する。なお、検知部142は、通信状況として、情報量を検知するのみならず、通信回線が切り替わったこと等を検知してもよい。例えば、検知部142は、LTE回線が3G回線に切り替わったこと等を検知する。
【0078】
また、検知部142は、ユーザ端末100内部のハードウェアに関するリソースを検知してもよい。例えば、検知部142は、リソースの状況として、ユーザ端末100のバッテリー残量を検知する。また、検知部142は、コンテンツ表示に関する情報処理に要するバッテリー容量を検知してもよい。例えば、検知部142は、動画データの再生処理を行う場合に要するバッテリー容量や、コンテンツのレンダリングを行う際に要するバッテリー容量等を検知する。検知部142は、検知した情報を取得部143や表示制御部144等に送る。取得部143や表示制御部144は、検知部142によって検知されたバッテリー残量や、情報処理に要するバッテリー容量等に基づいて、各種の制御を行ってもよい。なお、バッテリー残量やバッテリー容量の検知は、OS(Operating System)により行われてもよい。また、バッテリー残量やバッテリー容量の検知に係る処理は、種々の既知の技術が利用されてもよい。
【0079】
なお、検知部142は、上記以外の情報を検知してもよい。例えば、検知部142は、ユーザによるユーザ端末100の利用状況を検知してもよい。例えば、検知部142は、ユーザ端末100に対する所定のユーザ操作を検知する。具体的には、実施形態に係る検知部142は、所定の操作の一例として、出力部130に表示されたコンテンツを移動させるスクロール操作を検知する。さらに、検知部142は、コンテンツのスクロール操作を検知する際には、ユーザによりスクロール操作が行われたコンテンツの移動速度や加速度を検知してもよい。
【0080】
また、検知部142は、ユーザ端末100の利用状況として、画面に表示された操作以外の利用状況を検知してもよい。例えば、検知部142は、ユーザ端末100が各種センサを有する場合には、センサで取得される種々の情報を利用状況(言い換えれば、ユーザやユーザ端末100のコンテキスト)として取得することができる。
【0081】
例えば、ユーザ端末100がユーザ端末100の物理的な状態を検知するセンサ(例えば、ユーザ端末100の3軸方向の傾きを測定するジャイロセンサ)を有する場合には、検知部142は、ユーザ端末100自体の動作に関する情報を取得する。具体的には、検知部142は、ユーザ端末100の移動方向、振動の状態、加速度等を検知する。また、検知部142は、ユーザ端末100の周囲の音を収集するマイクロフォンや、ユーザ端末100の周囲の照度を検知する照度センサや、ユーザ端末100の周囲の湿度を検知する湿度センサや、ユーザ端末100の所在位置における磁場を検知する地磁気センサ等を利用し、ユーザ端末100の利用状況を検知してもよい。
【0082】
(取得部143について)
取得部143は、各種情報を取得する。また、取得部143は、検知部142によって検知されたリソースの状況に基づいて、ユーザ端末100で表示するコンテンツの取得処理を制御する。
【0083】
例えば、取得部143は、検知部142によって検知されたリソースの状況に基づいて、コンテンツを構成する各要素を取得する順番を選択し、選択した順番で各要素を取得する。
【0084】
具体的には、取得部143は、コンテンツを構成する各要素のうち、画像データもしくは動画データに比べてテキストデータを優先的に選択し、選択した順番で各要素を取得する。また、取得部143は、コンテンツを構成する各要素の設定情報に基づいて、各要素を取得する順番を選択してもよい。例えば、取得部143は、コンテンツを構成する各要素のうち、タイトルや本文など、コンテンツの内容をユーザが把握するために有用と想定される要素を優先的に取得する。また、取得部143は、例えば設定情報として「要約」のような内容が付与されている要素がある場合には、当該要素を優先的に取得してもよい。
【0085】
また、取得部143は、コンテンツを構成する各要素のうち、所定量の情報のみを優先的に取得するようにしてもよい。具体的には、取得部143は、ユーザ端末100が出力部130(画面)に一度に表示可能な情報量だけの要素を優先的に取得してもよい。この場合、取得部143は、ユーザが画面をスクロールし、コンテンツのさらに先の内容を閲覧するための操作を検知した場合に、次の画面に表示するだけの情報量の要素をさらに取得するようにしてもよい。
【0086】
また、取得部143は、コンテンツや広告以外の各種情報を取得してもよい。例えば、取得部143は、ユーザ端末100を利用するユーザの属性情報を取得する。具体的には、取得部143は、ユーザの性別や年齢、居住地等の属性情報を取得する。
【0087】
また、取得部143は、ユーザの特性情報を取得してもよい。具体的には、取得部143は、ユーザ端末100を利用するユーザが所定のコンテンツを閲覧する際の行動特性を取得する。より具体的には、取得部143は、任意のコンテンツにおけるユーザの滞在時間や、各コンテンツのPV(Page View)や、所定期間におけるコンテンツの閲覧数等を取得する。また、取得部143は、ユーザがテキストの表示速度等を指定する場合には、指定した情報(
図6に示した「表示指定情報」に対応する)を取得してもよい。
【0088】
取得部143は、取得した情報を記憶部150に記憶する。例えば、取得部143は、取得したコンテンツに関する情報を取得情報記憶部151内に記憶する。また、取得部143は、取得したユーザに関する情報をユーザ情報記憶部152内に記憶する。また、取得部143は、記憶部150内から、適宜、処理に用いる情報を取得してもよい。
【0089】
(表示制御部144について)
表示制御部144は、取得部143によって取得されたコンテンツに関する情報に基づいて、当該コンテンツの表示を制御する。
【0090】
コンテンツに関する情報とは、例えば、取得部143によって取得された、コンテンツを構成する各要素の情報量や、データ種別や、設定情報等である。例えば、表示制御部144は、取得部143によって取得されたコンテンツを構成する各要素のデータ種別に応じて、コンテンツの表示を制御する。具体的には、表示制御部144は、コンテンツのうち、画像データや動画データよりも、優先的にテキストデータを表示させるよう制御する。
【0091】
なお、表示制御部144は、コンテンツのカテゴリ等に応じて、表示するデータ種別の優先度を変更してもよい。例えば、表示制御部144は、ニュースアプリ等のコンテンツに関してはテキストデータを優先し、画像共有アプリ等のコンテンツに関しては、画像データを優先するようにしてもよい。また、表示制御部144は、画像データや動画データを表示する場合には、リソースの状況に合わせて、解像度を低くしたり情報量を減らしたりして表示するよう制御してもよい。
【0092】
また、表示制御部144は、コンテンツに関する情報として、取得部143によって所定時間内に取得される当該コンテンツの情報量に応じて、当該コンテンツの表示を制御する。例えば、表示制御部144は、取得部143によって、ユーザ端末100の一画面分の情報量を含むコンテンツが取得される場合には、当該一画面分のコンテンツを表示するよう制御する。この場合、取得部143は、ユーザが画面をスクロールし、コンテンツのさらに先の内容を閲覧するための操作を検知した場合に、次の画面に表示するだけの情報量の要素をさらに取得するようにしてもよい。
【0093】
また、表示制御部144は、取得部143によって取得されるコンテンツを構成する要素にテキストデータが含まれる場合、ユーザ端末100の画面において一度に表示されるテキストの量を制御する。例えば、表示制御部144は、
図2に示したように、所定時間で表示する文字数を制御することにより、種々の状況にあわせたテキストの表示を行うことができる。
【0094】
なお、表示制御部144は、取得部143によって取得されたユーザの属性情報に応じて、コンテンツの表示を制御してもよい。具体的には、表示制御部144は、ユーザの年齢に応じて、ユーザ端末100の画面において一度に表示されるテキストの量を制御してもよい。例えば、表示制御部144は、所定の年齢を超えるユーザがコンテンツを閲覧する場合には、ユーザ端末100の画面において一度に表示されるテキストの量を所定の文字数以下に制限するなどの制御を行ってもよい。かかる制御は、例えば、コンテンツを閲覧する任意のユーザからフィードバック(例えば、画面に「今の文字の表示は読みやすいですか」といった質問を表示させ、ユーザに応答させる)に基づいて行われてもよいし、コンテンツを閲覧する他のユーザが指定する情報(例えば、最も多くのユーザが設定している文字数等)に基づいて行われてもよい。また、表示制御部144は、特定の年齢層が文章を認識する平均速度の情報等を取得し、取得した情報に基づいて表示制御を行ってもよい。
【0095】
また、表示制御部144は、取得部143によって取得されたユーザの行動特性に応じて、コンテンツの表示を制御してもよい。例えば、表示制御部144は、他のユーザと比較して、コンテンツやコンテンツで表示される記事を、短時間で多くザッピングを繰り返すユーザに対しては、詳細な情報よりも端的に情報を表示するよう制御する。具体的には、表示制御部144は、表示する内容がニュース等であれば、画像データや動画データよりもタイトルや本文のテキストを優先的に表示するよう制御する。
【0096】
また、表示制御部144は、検知部142によって検知されたリソースの状況に応じて、コンテンツの表示を制御してもよい。例えば、表示制御部144は、バッテリー残量が所定値よりも低下している場合、コンテンツのタイトルや所定量の情報のみを表示し、表示処理に係るバッテリーの消費を抑えるような制御を行ってもよい。
【0097】
〔4.コンテンツ配信サーバの構成〕
次に、
図7を用いて、実施形態に係るコンテンツ配信サーバ30の構成について説明する。
図7は、実施形態に係るコンテンツ配信サーバ30の構成例を示す図である。
図7に示すように、コンテンツ配信サーバ30は、通信部31と、コンテンツ記憶部32と、制御部33とを有する。
【0098】
通信部31は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部31は、ネットワークNと有線または無線で接続され、ユーザ端末100や広告配信サーバ20との間で情報の送受信を行う。
【0099】
コンテンツ記憶部32は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0100】
コンテンツ記憶部32は、ユーザ端末100に配信するコンテンツを記憶する。ここで、
図8に、実施形態に係るコンテンツ記憶部32の一例を示す。
図8は、実施形態に係るコンテンツ記憶部32の一例を示す図である。
図8に示すように、コンテンツ記憶部32は、「コンテンツID」、「要素ID」、「設定情報」、「データ種別」、「容量」といった項目を有する。
【0101】
「コンテンツID」、「要素ID」、「設定情報」及び「データ種別」は、
図5に示した同一の項目に対応する。「容量」は、各要素のデータファイルとしての情報量を示す。なお、
図8では、容量の項目に記憶される情報を「F11」のように概念で示しているが、実際には、容量の項目には、具体的な情報量の数値が記憶される。
【0102】
すなわち、
図8では、コンテンツ記憶部32に記憶される情報の一例として、コンテンツID「C11」で識別されるコンテンツC11は、要素ID「E11」等で識別される要素E11等から構成されていることを示している。また、
図8では、例えば要素E11は、コンテンツC11における設定情報が「タイトル」であり、要素E12は、コンテンツC11における設定情報が「トップ画像」であることを示している。また、
図8では、例えば要素E11は、容量が「F11」であることを示している。なお、コンテンツ記憶部32に記憶されるコンテンツには、コンテンツ上に表示させる広告を取得するための広告配信命令が含まれてもよい。
【0103】
制御部33は、例えば、コントローラであり、CPUやMPU等によって、コンテンツ配信サーバ30内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部33は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0104】
図7に示すように、制御部33は、受付部34と、配信部35とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部33の内部構成は、
図7に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部33が有する各処理部の接続関係は、
図7に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0105】
受付部34は、ユーザ端末100からコンテンツの取得要求を受け付ける。なお、受付部34は、ユーザ端末100のリソースに関する情報を含んだ、コンテンツの取得要求を受け付けてもよい。
【0106】
配信部35は、受付部34によってコンテンツの取得要求が受け付けられた場合に、コンテンツをユーザ端末100に配信する。具体的には、配信部35は、コンテンツ記憶部32から取得要求対象のコンテンツを取得し、取得したコンテンツをユーザ端末100に配信する。この場合、配信部35は、取得要求に含まれるリソースに関する情報を参照し、例えば、コンテンツに含まれる要素であって、ユーザ端末100が要求する要素のみをユーザ端末100に配信するようにしてもよい。
【0107】
〔5.広告配信サーバの構成〕
次に、
図9を用いて、実施形態に係る広告配信サーバ20の構成について説明する。
図9は、実施形態に係る広告配信サーバ20の構成例を示す図である。
図9に示すように、広告配信サーバ20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを有する。
【0108】
通信部21は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部21は、ネットワークNと有線または無線で接続され、ユーザ端末100やコンテンツ配信サーバ30との間で情報の送受信を行う。
【0109】
記憶部22は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部22は、広告主から入稿された広告に関する各種情報が格納されたデータベースである広告データベース24を記憶する。
【0110】
制御部23は、例えば、コントローラであり、CPUやMPU等によって、広告配信サーバ20内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部23は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0111】
図9に示すように、制御部23は、入稿受付部25と、要求受付部26と、広告選択部27と、配信部28とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部23の内部構成は、
図9に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部23が有する各処理部の接続関係は、
図9に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0112】
入稿受付部25は、広告主から広告の入稿を受け付ける。また、実施形態に係る入稿受付部25は、広告の入稿を受け付けるとともに、広告のコンテンツデータや、広告に設定されるターゲティング情報や、広告に指定するインプレッション保証数等の指定を受け付けてもよい。また、入稿受付部25は、広告の入稿の際、広告に対して設定される各ランディングページ等の所在を示すURLを広告主から受信してもよい。そして、入稿受付部25は、受信したランディングページ等の所在を示すURLを、広告とともに広告データベース24に登録する。
【0113】
要求受付部26は、ユーザ端末100から広告の配信要求を受け付ける。例えば、要求受付部26は、広告の配信要求として、HTTPリクエスト等を受け付ける。また、要求受付部26は、ユーザ端末100のリソースに関する情報を含む広告の配信要求を受け付けてもよい。
【0114】
広告選択部27は、要求受付部26によって広告の配信要求が受け付けられた場合に、配信候補の広告を広告データベース24から選択する。例えば、広告選択部27は、ユーザ端末100が表示しているコンテンツの内容や、ユーザ端末100のユーザの属性等に基づいて、広告データベース24に登録されている広告から配信対象となる広告のマッチングを行う。かかるマッチングにおいては、広告に対する入札価格や、CTRが高い広告や、入札価格およびCTRの双方が高い広告が優先的に選択されてもよい。なお、このような広告の配信のマッチングは、既知の種々の手法が応用されてもよい。そして、広告選択部27は、配信対象として選択された広告を配信部28に出力する。
【0115】
配信部28は、広告選択部27が選択した広告を配信する。なお、配信部28は、例えば、ユーザ端末100のリソースに関する情報によっては、ユーザ端末100に広告を配信しなかったり、広告に代替する情報(例えば、事故や災害時に配信される特定のコンテンツ)を配信したりしてもよい。
【0116】
〔6.処理フロー〕
次に、
図10を用いて、実施形態に係る表示制御システム1による配信処理の手順について説明する。
図10は、実施形態に係る表示制御システム1による配信処理手順を示すシーケンス図である。
【0117】
図10に示すように、ユーザ端末100は、ユーザからコンテンツ取得に関する操作を受け付ける(ステップS101)。このとき、ユーザ端末100は、コンテンツ表示に関するリソースの状況を検知する(ステップS102)。
【0118】
そして、ユーザ端末100は、コンテンツの取得要求をコンテンツ配信サーバ30に送信する(ステップS104)。かかる要求を受けて、コンテンツ配信サーバ30は、コンテンツに関する情報をユーザ端末100に配信する(ステップS104)。なお、ステップS104においては、コンテンツ配信サーバ30は、コンテンツ自体を配信するのではなく、ユーザ端末100が取得しようとしているコンテンツの情報量や、各要素の情報などを配信するものとする。
【0119】
ユーザ端末100は、リソースの状況に基づいて、例えば、取得する要素を選択した取得要求をコンテンツ配信サーバ30に送信する(ステップS105)。具体的には、ユーザ端末100は、コンテンツが含む要素のうち、画像データよりもテキストデータを取得することを優先すること等を選択した取得要求をコンテンツ配信サーバ30に送信する。コンテンツ配信サーバ30は、コンテンツの取得要求に応じて、コンテンツを構成する要素を選択的に配信する(ステップS106)。
【0120】
また、ユーザ端末100は、取得したコンテンツに広告配信命令が含まれる場合、リソースの状況に応じた広告の取得要求を広告配信サーバ20に送信する(ステップS107)。広告配信サーバ20は、要求に応じて広告を選択し、選択された広告を配信するか、あるいは、リソースの状況(もしくはユーザ端末100から広告配信を拒否する旨の明示的な要求)によっては、広告を配信しない旨の情報をユーザ端末100に配信する(ステップS108)。
【0121】
そして、ユーザ端末100は、取得したコンテンツを表示する(ステップS109)。ステップS109において、ユーザ端末100は、例えば取得したコンテンツの要素の種別や情報量、ユーザの属性情報や行動特性等に応じて、種々の表示制御処理を行ってもよい。
【0122】
〔7.変形例〕
上述した実施形態に係る処理は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。以下では、表示制御システム1の他の実施形態について説明する。
【0123】
〔7−1.サーバによる処理〕
上記実施形態では、リソースの状況を検知したユーザ端末100が、取得するコンテンツの要素の種別等を選択する例を示した。ここで、このような選択処理に関しては、ユーザ端末100側ではなく、コンテンツの配信装置(実施形態ではコンテンツ配信サーバ30)側によって実行されてもよい。
【0124】
この点について、
図11を用いて説明する。
図11は、変形例に係るコンテンツ配信サーバ301の構成例を示す図である。
図11に示すように、変形例に係るコンテンツ配信サーバ301は、
図7で示した例に加えて、選択部36をさらに有する。
【0125】
変形例に係るコンテンツ配信サーバ301において、受付部34は、ユーザ端末100から、ユーザ端末100によって表示されるコンテンツの取得要求と、ユーザ端末100におけるコンテンツの表示に関するリソースの状況とを受け付ける。また、選択部36は、受付部34によって受付られたリソースの状況に基づいて、コンテンツを構成する要素のうち、優先的に配信を行う要素を選択する。配信部35は、受付部34によって受け付けられた取得要求に応じて、コンテンツが含む要素のうち、選択部36によって選択された要素から優先的にユーザ端末100へ配信する。
【0126】
すなわち、実施形態において説明したユーザ端末100に係る取得部143が実行する処理に対応する処理は、コンテンツを配信するサーバ側であるコンテンツ配信サーバ301によって実行されてもよい。例えば、コンテンツ配信サーバ301は、ユーザ端末100から送信されたリソースの状況に基づいて、配信しようとするコンテンツが含む要素のうち、特定のデータ種別や、情報量の少ない要素を選択的に配信するようにしてもよい。
【0127】
また、コンテンツ配信サーバ301は、ユーザ端末100からリソースの状況を受け付けるのみならず、自装置で、ユーザ端末100との通信状況等を検知し、検知した状況に合わせた配信処理を行ってもよい。
【0128】
このように、コンテンツ配信サーバ301がリソースの状況に応じた配信処理を実行することにより、ユーザ端末100は、取得する情報量や表示する情報量を制限し、通信状況が悪化した場合であっても素早くコンテンツを表示することができるので、ユーザの体感的な利便性を向上させることができる。
【0129】
また、実施形態に係る表示制御処理は、コンテンツ配信サーバ301とユーザ端末100とを含む表示制御システム1によって実行されてもよい。すなわち、実施形態で説明したユーザ端末100が有する各処理部が実行する処理や、変形例として説明したコンテンツ配信サーバ301が有する各処理部が実行する処理は、処理の主体は限定されず、表示制御システム1が含むいずれかの装置によって実行されてもよい。また、この場合、実施形態に係る表示制御プログラムは、表示制御システム1が含む複数の装置のいずれかに対して処理を実行させるものであってもよい。
【0130】
実施形態に係る表示制御処理が表示制御システム1によって実行される一例としては、ユーザ端末100が自装置のリソースの状況を検知し、検知した情報をコンテンツ配信サーバ301に送信することにより実現される。すなわち、ユーザ端末100に係る検知部142は、ユーザ端末100におけるコンテンツの表示に関するリソースの状況を検知する。また、ユーザ端末100に係る取得部143は、検知部142によって検知されたリソースの状況とともに、ユーザ端末100で表示するコンテンツの取得要求をコンテンツ配信サーバ301に送信する。そして、コンテンツ配信サーバ301に係る受付部34は、取得部143からから送信されたリソースの状況とコンテンツの取得要求とを受け付ける。また、コンテンツ配信サーバ301に係る選択部36は、受付部34によって受け付けられたリソースの状況に基づいて、コンテンツを構成する要素のうち、優先的に配信を行う要素を選択する。また、コンテンツ配信サーバ301に係る配信部35は、受付部34によって受け付けられた取得要求に応じて、コンテンツが含む要素のうち、選択部36によって選択された要素から優先的にユーザ端末100へ配信する。
【0131】
このように、実施形態に係る表示制御処理は、各々の処理を実行する主体は限定されず、様々な態様によって柔軟に実現されてもよい。
【0132】
〔7−2.検知処理〕
上記実施形態では、ユーザ端末100が、ユーザによるコンテンツの取得に関する操作が行われた場合に、コンテンツ表示に関するリソースを検知する処理を実行する例を説明した。しかし、ユーザ端末100は、異なるタイミングでリソースを検知する処理を行ってもよい。
【0133】
例えば、ユーザ端末100は、コンテンツの取得中や、コンテンツの表示中に、リソースの状況を検知してもよい。また、ユーザ端末100は、リソースの状況が変化したこと(例えば、LTE回線が3G回線に切り替わったこと等)を契機として、実施形態に係る取得処理や表示処理の制御を開始するようにしてもよい。
【0134】
なお、上記実施形態に係る検知処理は、必ずしもユーザ端末100自体によって行われなくてもよい。例えば、ユーザ端末100とコンテンツ配信サーバ30との通信状況は、コンテンツ配信サーバ30によって検知されてもよい。そして、ユーザ端末100は、コンテンツ配信サーバ30が検知した情報を、コンテンツ配信サーバ30から検知(取得)することにより、リソースの状況を取得してもよい。あるいは、ユーザ端末100は、外部装置を利用してバッテリーの状況を検知してもよい。例えば、ユーザ端末100は、所定のインターフェイスを介して接続されたバッテリー検出装置等によってバッテリーの状況を検出させ、検出した情報を検知(取得)することにより、リソースの状況を取得してもよい。すなわち、リソースの状況を検知する検知処理は、検知の主体がユーザ端末100に限られず、例えば、コンテンツ配信サーバ30等の外部サーバや、外部装置が有する機能を利用して実現されてもよい。言い換えれば、ユーザ端末100に係る検知部142が実行する処理は、自装置の機能を利用してリソースの状況を検知することのみならず、自装置以外の装置や通信を利用してリソースの状況を取得することを含む。
【0135】
〔7−3.異常発生時の処理〕
上記実施形態では、検知したリソースの状況に応じて、ユーザ端末100は、コンテンツを構成する各要素を取得する順番を決定し、決定した順番で各要素を取得する例を示した。しかし、ユーザ端末100は、事故や災害の発生時においては、異なる取得処理を実行してもよい。
【0136】
例えば、ユーザ端末100は、事故や災害の発生時においては、取得しようとしているコンテンツの取得処理を継続するのではなく、例えば、事故や災害等の異常時に有用と設定されているカテゴリのコンテンツ(例えば、特定のニュースサイトの記事等)を取得するように制御してもよい。
【0137】
〔7−4.リソース〕
上記実施形態では、ユーザ端末100が、リソースの状況として、通信状況やバッテリー残量等を検知する例を示した。しかし、ユーザ端末100は、リソースとして、上記の例に限られず、種々の情報を検知してもよい。例えば、ユーザ端末100は、自装置のCPUやメモリに関する情報を取得してもよい。そして、ユーザ端末100は、自装置のCPUやメモリに適合するように、コンテンツの取得処理を制御してもよい。例えば、ユーザ端末100は、自装置のCPUやメモリのスペックがコンテンツの取得処理や表示処理に不十分な場合には、取得する情報量を制限したり、表示する画像の解像度を下げたりする制御を行ってもよい。
【0138】
〔7−5.ユーザの特性〕
ユーザ端末100は、例えば、ユーザの特性情報の一例として、操作するユーザがコンテンツを閲覧してから離脱するまでの時間に合わせた表示を行ってもよい。例えば、ユーザがコンテンツから閲覧するまでの離脱時間が平均で3秒である場合、ユーザ端末100は、3秒以内に、何らかのコンテンツの内容を表示するよう制御する。例えば、通常ではコンテンツ全体の要素が取得された場合にユーザ端末100に表示が開始されるコンテンツであっても、ユーザ端末100は、当該ユーザに対しては例えばタイトルだけが取得されたタイミングで表示処理を行う。これにより、ユーザ端末100は、ユーザがコンテンツから離脱すると想定される時間までに、何らかの情報をユーザに与えることができるので、ユーザのコンテンツからの離脱を防止することができる。
【0139】
また、ユーザ端末100は、ユーザの行動特性をリアルタイムに取得し、処理に反映させてもよい。例えば、コンテンツのザッピングを頻繁に繰り返すユーザであっても、特定のコンテンツ(例えば、関心を抱いたコンテンツ)については、比較的長い滞在時間が観測される場合がある。この場合、ユーザ端末100は、直前まで、当該ユーザに対しては画像データや動画データの表示をスキップしていたとしても、当該コンテンツに関しては、次のデータの読み込み時においては画像データや動画データも表示させるようにしてもよい。このように、ユーザ端末100は、ユーザの行動特性をリアルタイムに取得し、ユーザの行動に沿った表示を行うことにより、柔軟性に優れた表示制御処理を行うことができる。
【0140】
〔7−6.コンテンツ〕
上記実施形態では、コンテンツとして、アプリ内で表示されるコンテンツやウェブページ等を例に挙げた。しかし、コンテンツの例はこれに限られず、ユーザ端末100が取得可能であり、表示可能であれば、コンテンツはどのようなものであってもよい。
【0141】
〔7−7.広告〕
上記実施形態で示した広告とは、営利若しくは非営利の広告だけではなく、ボランティアの募集、公共広告、公共に対する通知、その他任意のコンテンツであってもよい。例えば、広告は、企業等の宣伝のための広告クリエイティブのみならず、ユーザに興味を抱かせ、広告に含まれる情報、または、広告と関連するコンテンツ(例えば、広告をクリックしたことで表示されるランディングページ等)に含まれる情報を広く報知するものであれば、画像、動画像、文字、図形、記号、ハイパーリンク、その他任意のコンテンツを適用可能である。
【0142】
〔7−8.制御情報〕
上記実施形態では、ユーザ端末100が、実施形態に係る表示制御プログラムが記載された制御情報に従って表示制御処理を実行する例を示した。ここで、制御情報は、ユーザ端末100が実行するアプリに含まれてもよいし、ウェブブラウザソフトウェアの一機能として含まれていてもよいし、ユーザ端末100で表示しようとするコンテンツに含まれていてもよい。すなわち、制御情報の取得元や配信元は、ユーザ端末100の行う表示制御処理の結果には影響しない。
【0143】
〔7−9.装置構成〕
また、上記実施形態では、表示制御システム1に、ユーザ端末100と、広告配信サーバ20と、コンテンツ配信サーバ30とが含まれる例を示したが、表示制御システム1の構成はこの例に限られない。例えば、コンテンツ配信サーバ30と広告配信サーバ20とは1個の装置として形成されてもよい。この場合、
図7に示したコンテンツ配信サーバ30は、例えば、コンテンツ記憶部32とは別に、広告を記憶する記憶部を有する。そして、コンテンツ配信サーバ30は、ユーザ端末100からコンテンツの取得要求を受け付けた場合に、記憶部に保持された広告とともに、広告配信命令を含まないコンテンツをユーザ端末100に配信する。
【0144】
また、上記実施形態では、広告配信サーバ20からユーザ端末100に広告が配信される例を示したが、コンテンツ配信サーバ30が、広告配信サーバ20から広告を取得してもよい。この場合、広告配信サーバ20は、コンテンツ配信サーバ30から広告の取得要求を受け付ける。また、広告配信サーバ20は、コンテンツ配信サーバ30に広告を配信する。また、コンテンツ配信サーバ30の配信部35は、広告配信サーバ20から取得した広告とともに、広告配信命令を含まないコンテンツをユーザ端末100に配信する。
【0145】
〔7−10.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0146】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、
図4に示した要求部141及び取得部143は統合されてもよい。
【0147】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0148】
〔8.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係るユーザ端末100、広告配信サーバ20、コンテンツ配信サーバ30は、例えば
図12に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、ユーザ端末100を例に挙げて説明する。
図12は、ユーザ端末100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0149】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラム(例えば、実施形態に係る表示制御プログラム)に基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0150】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(
図3に示したネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0151】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0152】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0153】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係るユーザ端末100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部140の機能を実現する。また、HDD1400には、ユーザ端末100が備える記憶部150内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0154】
〔9.効果〕
上述したように、実施形態に係る表示制御プログラムは、表示制御装置(実施形態ではユーザ端末100)に、検知手順と、取得手順と、表示制御手順とを実行させる。検知手順は、表示制御装置におけるコンテンツの表示に関するリソースの状況を検知する。取得手順は、検知手順によって検知されたリソースの状況に基づいて、表示制御装置で表示するコンテンツの取得処理を制御する。表示制御手順は、取得手順によって取得されたコンテンツに関する情報に基づいて、当該コンテンツの表示を制御する。
【0155】
このように、実施形態に係る表示制御プログラムは、コンテンツ表示に係るリソースを検知し、検知したリソースに応じて、コンテンツの取得処理を制御したり、コンテンツの表示を制御したりする。すなわち、表示制御プログラムは、リソースが不足した状況など、通常時のような処理を行うことができない場合であっても、リソースの状況に応じた取得処理や表示制御処理を行うことで、コンテンツの表示の遅延等を防止したり、体感的な遅延を感じさせないようにしたりすることができる。結果として、表示制御プログラムは、ユーザの体感的な利便性を向上させることができる。
【0156】
また、検知手順は、リソースの状況として、コンテンツを取得する際の通信状況を検知する。
【0157】
このように、実施形態に係る表示制御プログラムは、例えば事故や災害の発生によって通信状況が悪化した場合等であっても、状況に合わせた取得処理や表示制御処理を行うことで、ユーザの快適性を損なわせないようにすることができる。
【0158】
また、検知手順は、リソースの状況として、表示制御装置のバッテリー残量を検知する。
【0159】
このように、実施形態に係る表示制御プログラムは、ハードウェアに関するリソースに応じた取得処理や表示制御処理を行うことで、例えば、バッテリーの持続時間を長く維持しつつ、ユーザが閲覧するコンテンツが伝達する内容については失わないようにするような最適化処理を行うことができる。
【0160】
また、取得手順は、検知手順によって検知されたリソースの状況に基づいて、コンテンツを構成する各要素を取得する順番を選択し、選択した順番で各要素を取得する。
【0161】
このように、実施形態に係る表示制御プログラムは、リソースが不足した場合等には、通常時のようにコンテンツの全てを取得するのではなく、コンテンツを構成する要素を選択的に取得するようにしてもよい。これにより、表示制御プログラムは、取得する情報量を制限することにより、コンテンツの取得や、表示の遅延を防止することができる。
【0162】
また、取得手順は、コンテンツを構成する各要素のうち、画像データもしくは動画データに比べてテキストデータを優先的に選択し、選択した順番で各要素を取得する。
【0163】
このように、実施形態に係る表示制御プログラムは、一般に情報量の多い画像データや動画データよりもテキストデータを優先することで、ユーザに伝達する内容については極力失わせず、かつ、コンテンツの表示の遅延等を防止することができる。
【0164】
また、表示制御手順は、コンテンツに関する情報として、取得手順によって取得された当該コンテンツを構成する各要素のデータ種別に応じて、当該コンテンツの表示を制御する。
【0165】
このように、実施形態に係る表示制御プログラムは、データ種別に基づいて表示順を変えたり、データの種別によっては表示をスキップしたりすること等により、リソースに負担をかけず、適切なコンテンツの表示を行うことができる。
【0166】
また、表示制御手順は、コンテンツに関する情報として、取得手順によって所定時間内に取得される当該コンテンツの情報量に応じて、当該コンテンツの表示を制御する。
【0167】
このように、実施形態に係る表示制御プログラムは、情報量に応じてコンテンツの表示を制御することで、例えば、コンテンツ全体を取得してから表示を行うのではなく、取得された1ページ分の表示を優先して行うなど、ユーザ端末100が置かれた状況に合わせて、柔軟な表示を実現することができる。
【0168】
また、表示制御手順は、取得手順によって取得されるコンテンツを構成する要素にテキストデータが含まれる場合、表示制御装置に一度に表示されるテキストの量を制御する。
【0169】
このように、実施形態に係る表示制御プログラムは、表示するテキストの量を制御することで、体感的に表示の遅れやストレスをユーザに感じさせないような表示処理を行うことができる。
【0170】
また、取得手順は、表示制御装置を利用するユーザの属性情報を取得する。表示制御手順は、取得手順によって取得されたユーザの属性情報に応じて、コンテンツの表示を制御する。
【0171】
このように、実施形態に係る表示制御プログラムは、ユーザに合わせた表示制御を行ってもよい。これにより、表示制御プログラムは、例えば年配のユーザに合わせた文字数の表示等を行うことができるので、コンテンツの表示を適切にパーソナライズすることができる。
【0172】
また、取得手順は、表示制御装置を利用するユーザが所定のコンテンツを閲覧する際の行動特性を取得する。表示制御手順は、取得手順によって取得されたユーザの行動特性に応じて、コンテンツの表示を制御する。
【0173】
このように、実施形態に係る表示制御プログラムは、ユーザの行動特性に合わせた表示制御を行ってもよい。これにより、表示制御プログラムは、例えばコンテンツを閲覧する速度が速いユーザには情報量を多めに表示したり、あるいは、コンテンツを頻繁にザッピングするユーザに対しては一部の要素の表示をスキップしたりするなど、コンテンツの表示を適切にパーソナライズすることができる。
【0174】
また、コンテンツ配信サーバ301(本願に係る配信装置に対応する)は、受付部34と、選択部36と、配信部35とを有する。受付部34は、表示制御装置から、当該表示制御装置によって表示されるコンテンツの取得要求と、当該表示制御装置における当該コンテンツの表示に関するリソースの状況とを受け付ける。選択部36は、受付部34によって受け付けられたリソースの状況に基づいて、コンテンツを構成する要素のうち、優先的に配信を行う要素を選択する。配信部35は、受付部34によって受け付けられた取得要求に応じて、コンテンツが含む要素のうち、選択部36によって選択された要素から優先的に表示制御装置へ配信する。
【0175】
このように、コンテンツ配信サーバ301は、リソースの状況に応じた配信処理を実行することにより、ユーザ端末100が取得する情報量や表示する情報量を制限し、通信状況が悪化した場合であっても素早くコンテンツを表示させることができるので、ユーザの体感的な利便性を向上させることができる。
【0176】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0177】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。