(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記折りたたみ状態において配列方向の両外側に配された2個の脚部は、前記連結アーム部と交互に配されるスリットを有し、前記展開状態のとき、前記2個の脚部のうちの一方の脚部の前記スリットには、他方の脚部の前記連結アーム部が収納される請求項1に記載の作業用台座。
前記展開状態において各前記脚部の周方向に向く面と接触して前記脚部の周方向の移動を制限するストッパ部材をさらに備える請求項1または請求項2に記載の作業用台座。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、中心軸に沿う方向を「軸方向」、中心軸と直交する方向を「径方向」、中心軸を中心とする円の接線方向を「周方向」とする。また、
図2において軸方向上を「上方」とし、軸方向下を「下方」とする。
【0019】
<作業用台座A>
図1は、本発明にかかる作業用台座Aの折りたたみ状態St1の平面図である。
図2は、折りたたみ状態St1の作業用台座Aの側面図である。
図3は、展開状態St2の作業用台座Aの平面図である。なお、
図1および
図3では、滑り止め部115、125、135および145は図示を省略している。
【0020】
作業用台座Aは、例えば、高さがおよそ580mmであり、建築現場等において、加工処理を施すパネル状、長尺状等の物品を載置するための台座として用いられる。なお、これ以外にも、天板を載置してテーブルとして使用することも可能である。作業用台座Aの高さは、一例でありこの高さに限定されない。
【0021】
図1〜
図3に示すように、作業用台座Aは、第1脚部11と、第2脚部12と、第3脚部13と、第4脚部14と、シャフト2と、ストッパ部材4と、固定部材5と、を備える。また、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14は、それぞれ、3個の筒部材301〜312を有する。
【0022】
<シャフトおよび筒部材>
図2に示すように、シャフト2は、軸方向に沿って延びる円柱状である。シャフト2は、例えば、アルミニウム合金、ステンレス等の金属、セラミック、FRP等で形成されたものを挙げることができるが、これに限定されない。シャフト2は、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14を回転可能に支持できる強度を有する構成を広く採用できる。
【0023】
シャフト2の下端部には、雄ねじ(不図示)が形成されており、雄ねじにはナット21が螺合されている。そして、筒部材の下端部とナット21の上端と接触する弾性部材であるばね22が配されている。ばね22は、シャフト2を下方に付勢する付勢部材である(
図2参照)。
【0024】
筒部材301〜312は、シャフト2の外周部を囲んで配置される。筒部材301〜312は、シャフト2周りに回動可能に配置される。なお、以下の説明において、筒部材301〜312を、それぞれ、上から順に第1筒部材301、第2筒部材302、・・・、第12筒部材312とする。
【0025】
図2に示すように、第1筒部材301〜第12筒部材312は、軸方向に隣り合って上から順に配列される。なお、第1筒部材301〜第12筒部材312は、それぞれ、独立してシャフト2周りに回動可能である。
【0026】
<第1脚部11〜第4脚部14>
図1に示すように、第1脚部11はシャフト2の径方向に延びるように配置される。折りたたみ状態St1において、第2脚部12は、平面視で第1脚部11の反時計回り方向の隣に配置される。折りたたみ状態St1において、第3脚部13は、平面視で第2脚部12の反時計回り方向の隣に配置される。さらに、折りたたみ状態St1において、第4脚部14は、平面視で第1脚部11の時計回り方向の隣に配置される。
【0027】
すなわち、作業用台座Aは折りたたみ状態St1において、第2脚部12および第4脚部14が第1脚部11を周方向に挟んで配置される。そして、第3脚部13は、第2脚部12を挟んで第1脚部11と反対側に配置される。そして、作業用台座Aが折りたたみ状態St1のとき、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14はそれぞれ隙間を開けて平行または略平行になるように配置される。そして、折りたたみ状態St1にあるとき、周方向外側に配置される第3脚部13と第4脚部14とには、固定部材5が取り付けられる。
【0028】
固定部材5は、帯状の部材であり、一端が第3脚部13の第2脚部12と対向する面と反対側の面に固定される。そして、固定部材5は、折りたたみ状態St1の作業用台座Aの径方向外側に配置されて、第4脚部14の第1脚部11と対向する面と反対側の面に固定される。このように、固定部材5を第3脚部13および第4脚部14に固定することで、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14が周方向にばらけるのを抑制できる。すなわち、固定部材5を用いることで、作業用台座Aは折りたたみ状態St1を維持できる。
【0029】
なお、固定部材5と第3脚部13との固定、固定部材5と第4脚部14との固定の少なくとも一方は、磁石による固定であってもよい。また、第1脚部11と第2脚部12、第2脚部12と第3脚部13、第1脚部11と第4脚部14、それぞれを個別に磁石を用いて固定するような構成であってもよい。
【0030】
<第1脚部11>
図4は、第1脚部11の斜視図である。
図1〜
図4に示すように、第1脚部11は、本体部101を有する。本体部101は、周方向に見たとき、矩形状の板材である。なお、本体部101の周方向に見た形状は、長方形状であってもよいし、正方形状であってもよい。
【0031】
第1脚部11の本体部101は軸方向の上下に互いに平行な辺を有し、上辺の径方向の中間部に、軸方向に凹んだ上部凹所111を備える。上部凹所111には、ループ状に形成された把持部112が備えられる。把持部112は、本体部101に固定されており、把持部112を掴んで持ち上げることで、移動させることができる。把持部112が上部凹所111の内部に収まることで、作業用台座Aの上部に物品を載置するとき、把持部112と部材との干渉が抑制される。すなわち、把持部112は、上部に物品を載置するときに邪魔になりにくい。
【0032】
第1脚部11は、本体部101の下辺の径方向の中央部に上方に凹む下部凹所113を備える。第1脚部11は、本体部101と、第1筒部材301、第5筒部材305および第9筒部材309とを連結する連結アーム部114を備える。連結アーム部114は本体部101の径方向内側に設けられる。連結アーム部114は、第1筒部材301、第5筒部材305および第9筒部材309の外周面と連結される。詳細は後述するが、作業用台座Aを、折りたたみ状態St1から展開状態St2に変形させるとき、各脚部は、第1脚部11を中心に、シャフト2周りに回転される。
【0033】
第1脚部11の上面には、滑り止め部115が設けられる。滑り止め部115は、複数の凹部を有する構成である。滑り止め部115は、上面にパネル状、長尺状の物品を載置したときに、物品のすべりを抑制する。なお、本実施形態では、滑り止め部115として上面に設けられた凹部について説明したが、同様に下面に設けられてもよい。また、第1脚部11では、上部凹所111を除く上面の前面に滑り止め部115を形成しているが、これに限定されず、一部に形成されるようにしてもよい。
【0034】
さらに、滑り止め部115のすべり止めの効果を有する形状として凹部を採用しているが、これに限定されず、ゴム等のすべり止めの効果を有する部材、凹溝等のすべり止めの効果を有する表面形状等、すべり止めの効果を有する構成を広く採用することができる。また、第1脚部11を構成する材料が、載置する物品のすべりを制限できる材料である場合、滑り止め部115を省略してもよい。
【0035】
<第2脚部12>
図5は、第2脚部12の斜視図である。なお、第2脚部12は、連結アーム部124の形状、連結アーム部124で連結される筒部材、および、把持部112を備えない点が、第1脚部11と異なる。そのため、第2脚部12において、第1脚部11と同じ部分については、第1脚部11の対応する部分との対比のみを示し、異なる部分のみ詳細に説明する。
【0036】
第2脚部12の本体部102は、第1脚部11の本体部101と対応する。第2脚部12の上部凹所121および下部凹所123は、第1脚部11の上部凹所111および下部凹所113と対応する。また、第2脚部12の滑り止め部125は、第1脚部11の滑り止め部115と対応する。
【0037】
第2脚部12は、本体部102と第2筒部材302、第6筒部材306および第10筒部材310とを連結する連結アーム部124を備える。連結アーム部124は本体部102の径方向内側に設けられる。連結アーム部124は、第2筒部材302、第6筒部材306および第10筒部材310の外周面と連結される。
【0038】
図1等に示すように、連結アーム部124は、平面視において湾曲している。連結アーム部124が湾曲することで、第2脚部12を中心軸Cx周りに回転させて、折りたたみ状態St1としたとき、第2脚部12を第1脚部11と略平行に配置可能である。
【0039】
つまり、連結アーム部124は、厚み方向の中心が中心軸Cxを含む面からずれた第2脚部12をシャフト2周りに回動させて、第1脚部11と略平行するために湾曲している。なお、本実施形態において、連結アーム部124は、平面視において周方向に湾曲しているがこれに限定されない。屈曲した形状であってもよいし、平板状であってもよい。折りたたみ状態St1において、第2脚部12の本体部102を第1脚部11の本体部101の周方向の隣で本体部101と平行または略平行となるように、本体部102を第2筒部材302、第6筒部材306および第10筒部材310に連結可能な形状を広く採用できる。
【0040】
<第3脚部13>
図6は、第3脚部13の斜視図である。なお、第3脚部13は、連結アーム部134の形状、連結アーム部134で連結される筒部材、把持部112を備えない点、および、スリット136を備える点が第1脚部11と異なる。そのため、第3脚部13において、第1脚部11と同じ部分については、第1脚部11の対応する部分との対比のみを示し、異なる部分のみ詳細に説明する。
【0041】
第3脚部13の本体部103は、第1脚部11の本体部101と対応する。第3脚部13の上部凹所131および下部凹所133は、第1脚部11の上部凹所111および下部凹所113と対応する。また、第3脚部13の滑り止め部135は、第1脚部11の滑り止め部115と対応する。
【0042】
第3脚部13は、本体部103と第3筒部材303、第7筒部材307および第11筒部材311とを連結する連結アーム部134を備える。連結アーム部134は本体部103の径方向内側に設けられる。連結アーム部134は、第3筒部材303、第7筒部材307および第11筒部材311の外周面と連結される。
【0043】
図1等に示すように、連結アーム部134は、平面視において周方向に湾曲している。平面視において連結アーム部134の湾曲は、第2脚部12の連結アーム部124の湾曲よりも大きい。
【0044】
このような、湾曲した連結アーム部134を備えることで、第3脚部13を中心軸Cx周りに回転させて、折りたたみ状態St1としたとき、第3脚部13の本体部103は、第2脚部12の本体部102と平行または略平行となる。このとき、第3脚部13の本体部103は、周方向において第2脚部12の本体部102を挟んで第1脚部11の本体部101と反対側に配される。
【0045】
本実施形態において、第3脚部13の連結アーム部134と第2脚部12の連結アーム部124とは、折りたたみ状態St1において、曲率中心が一致するように形成されている。このように形成することで、折りたたみ状態St1において、連結アーム部134と連結アーム部124とが干渉しにくい。なお、本実施形態において、連結アーム部134は、平面視において周方向に湾曲しているがこれに限定されない。屈曲した形状であってもよいし、平板状であってもよい。
【0046】
折りたたみ状態St1において、第3脚部13の本体部103を第2脚部12の本体部102の周方向の隣で第2脚部12の本体部102と平行または略平行となるように、本体部103を第3筒部材303、第7筒部材307および第11筒部材311に連結可能な形状を広く採用できる。また、連結アーム部134は、折りたたみ状態St1において、連結アーム部124と干渉しない形状である。
【0047】
第3脚部13は、3個の連結アーム部134を備えている。そして、第3脚部13の連結アーム部134は中心軸Cxに沿って並んでおり、第3脚部13は、連結アーム部134と隣り合って配される、凹形状のスリット136を備える。スリット136は少なくとも展開状態St2のときに第4脚部14の後述する連結アーム部144が挿入される。すなわち、スリット136は、展開時に、第4脚部14の連結アーム部144との干渉を回避するための凹部である。
【0048】
<第4脚部14>
図7は、第4脚部14の斜視図である。なお、第4脚部14は、連結アーム部144の形状、連結アーム部144で連結される筒部材、把持部112を備えない点、および、スリット146を備える点が第1脚部11と異なる。そのため、第4脚部14において、第1脚部11と同じ部分については、第1脚部11の対応する部分との対比のみを示し、異なる部分のみ詳細に説明する。
【0049】
第4脚部14の本体部104は、第1脚部11の本体部101と対応する。第4脚部14の上部凹所141および下部凹所143は、第1脚部11の上部凹所111および下部凹所113と対応する。また、第4脚部14の滑り止め部145は、第1脚部11の滑り止め部115と対応する。
【0050】
第4脚部14は、本体部104と、第4筒部材304、第8筒部材308および第12筒部材312とを連結する連結アーム部144を備える。連結アーム部144は本体部104の径方向内側に設けられる。連結アーム部144は、第4筒部材304、第8筒部材308および第12筒部材312の外周面と連結される。
【0051】
図1等に示すように、連結アーム部144は、平面視において周方向に湾曲している。平面視において連結アーム部144の湾曲は、第2脚部12の連結アーム部124と反対向きである。
【0052】
このような、湾曲した連結アーム部144を備えることで、第4脚部14を中心軸Cx周りに回転させて、折りたたみ状態St1としたとき、本体部104は、第1脚部11の本体部101と平行または略平行になる。なお、第4脚部14の本体部104は、周方向において第1脚部11の本体部101を挟んで第2脚部12と反対側に配置される。
【0053】
つまり、連結アーム部144は、厚み方向の中心が中心軸Cxを含む面からずれた第4脚部14をシャフト2周りに回動させて、第1脚部11と平行するために湾曲していると言える。なお、本実施形態において、連結アーム部144は、平面視において周方向に湾曲しているがこれに限定されない。屈曲した形状であってもよいし、平板状であってもよい。折りたたみ状態St1において、第4脚部14の本体部104を第1脚部11の本体部101の周方向の隣で本体部101と平行または略平行となるように、本体部104を第4筒部材304、第8筒部材308および第12筒部材312に連結可能な形状を広く採用できる。
【0054】
第4脚部14は、4個の連結アーム部144を備えている。なお、4個の連結アーム部144のうち、中心軸Cx方向最上の連結アーム部144は、筒部材とは連結しないが、連結アーム部144と同じ形状であるとともに、第3脚部13のスリット136に挿入される形状であるため、ここでは、連結アーム部144の一つとして説明する。
【0055】
そして、第4脚部14の連結アーム部144は中心軸Cxに沿って並んでおり、第4脚部14は、連結アーム部144と隣り合って配される、凹形状のスリット146を備える。スリット146は少なくとも展開状態St2のときに第3脚部13の連結アーム部134が挿入される。すなわち、スリット146は、展開時に、第3脚部13の連結アーム部134との干渉を回避する凹部である。
【0056】
本実施形態の作業用台座Aでは、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14は、例えば、ポリプロピレンで形成されている。そのため、作業用台座Aは、軽量かつ高強度に形成される。なお、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14を構成する材料は、ポリプロピレンに限定されず、例えば、アルミニウム合金、繊維強化複合材料等、軽量かつ物品を載置するための十分な強度を有する材料を広く採用することが可能である。
【0057】
図8は、第2脚部12の中心軸Cxと直交する切断面を拡大した断面斜視図である。
図9は、第2脚部12のさらなる変形例の斜視図である。作業用台座Aでは、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14は、第2脚部12と同様の構成を有する。そのため、ここでは、各脚部を代表して第2脚部12を引用して説明するが、他の脚部も同様の構成を有する。
【0058】
図8に示すように、第2脚部12の本体部102の内部には、軸方向に延びる中空部126が複数個そなえられている。中空部126は、物品を載置したときに荷重がかかる方向である軸方向に延びる形状である。そのため、中空部126を設けられた第2脚部12の軽量化しつつ、一定以上の強度を維持することができる。
【0059】
また、
図9に示す第2脚部12の本体部102に厚み方向に貫通した孔127を形成してもよい。このような構成とすることで、脚部12の軽量化が可能である。なお、孔127は、第2脚部12が物品を確実かつ安全に支持できる強度を有するような大きさ、形状、位置に設けられる。
【0060】
なお、上述したとおり、第1脚部11、第3脚部13および第4脚部14にも、第2脚部12の中空部126および(または)孔127と同じ構成の中空部および(または)孔を備えてもよい。
【0061】
<ストッパ部材4>
図1〜
図3等に示すように、ストッパ部材4は円板状の部材である。ストッパ部材4はシャフト2の上端に固定される。ストッパ部材4は、展開状態St2で、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14の周方向の移動を制限する、すなわち、固定する。
【0062】
ストッパ部材4は、第1凹部41と、第2凹部42と、第3凹部43と、操作稈44と、を有する。第1凹部41は、第1脚部11が嵌合可能な形状を有する。第2凹部42は、第2脚部12が嵌合可能な形状を有する。第3脚部13の連結アーム部134を第4脚部14のスリット146に嵌合させ、第4脚部14の連結アーム部144を第3脚部13のスリット136に嵌合させた状態の第3脚部13および第4脚部14が嵌合可能な形状を有する。
【0063】
そして、展開状態St2において、ストッパ部材4が第1凹部41に第1脚部11を収容可能な位置にあるときに、第2凹部42は第2脚部12を収容可能な位置に形成される。また、第3凹部43は、展開状態St2において、組み合わせた第3脚部13および第4脚部14を収容可能な位置に形成される。
【0064】
操作稈44は、ストッパ部材4の上面に配置される。操作稈44は、使用者が把持可能な取手である。使用者が操作稈44を把持して上方に持ち上げることで、ストッパ部材4およびシャフト2は、ばね22の弾性力に抗して上方に移動する。また、使用者が操作稈44から手を離すことで、ストッパ部材4は、ばね22の弾性力で下方に移動する。なお、ばね22を省略し、シャフト2およびストッパ部材4の自重によって下方に移動するようにしてもよい。
【0065】
ストッパ部材4は、展開状態St2のとき、第1凹部41が第1脚部11と軸方向に重なる。これと同時に、第2凹部42が第2脚部12と軸方向に重なり、第3凹部43が第3脚部13および第4脚部14と軸方向に重なる。これにより、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14の径方向内側の一部が、それぞれ、第1凹部41、第2凹部42および第3凹部43に収容されて固定される。
【0066】
第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14は、それぞれ、同数の筒部材と連結される。そして、第1筒部材301〜第12筒部材312を軸方向に配列し、内部にシャフト2を貫通させることで、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14は互いに連結される。すなわち、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14は、シャフト2および筒部材を介して、互いに連結される。
【0067】
展開状態St2において、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14のそれぞれには、各脚部を厚み方向に転倒させる力が作用する場合がある。脚部に作用する力は、筒部材およびシャフト2を介して、他の脚部に伝達される。
【0068】
例えば、第1脚部11を厚み方向に転倒させる力は、第1筒部材301、第4筒部材304および第9筒部材309を介してシャフト2に伝達される。
【0069】
平面視において、第2脚部12および第4脚部14が、第1脚部11が直交する方向に延びる。そのため、第1脚部11に作用する第1脚部11を厚み方向に転倒させる力は、シャフト2、第2筒部材302、第6筒部材306および第10筒部材310を介して第2脚部12に伝達され、第2脚部12が踏ん張ることで、支持される。同様に、第1脚部11に作用する第1脚部11を厚み方向に転倒させる力で反対向きの力は、シャフト2、第4筒部材304、第8筒部材308および第12筒部材312を介して第4脚部14に伝達され、第4脚部14が踏ん張ることで、支持される。
【0070】
各脚部に作用する脚部を厚み方向に転倒させる力は、同様にシャフト2および筒部材を介して他の脚部に伝達されて、他の脚部が踏ん張ることで支持される。
【0071】
作業用台座Aにおいて、第1筒部材301〜第12筒部材312の軸方向の長さが同じである。また、各脚部が連結される筒部材の個数が同じである。そのため、各脚部の筒部材のシャフト2と径方向に対向する部分の軸方向の長さが同じである。そのため、作用する力が、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14の一部に集中しにくい。これにより、作業用台座Aに力が作用しても、各脚部で分散して支持するため、変形、破損等を抑制することが可能である。
【0072】
なお、本実施形態では、第1脚部11の筒部材、第2脚部12の筒部材、第3脚部13の筒部材および第4脚部14の筒部材が、この順番で軸方向上方から順に繰り返す。しかしながら、これに限定されず、バラバラであってもよい。また、軸方向の上下にそれぞれ、同じ順番で並ぶように配置してもよい。
【0073】
また、本実施形態では、各脚部は、3個の筒部材を備えているが、3個に限定されない。軸方向に移動しないような配列であれば3個に限定されない。また、各脚部が備える筒部材の個数は、同数でなくてもよい。この場合も、各脚部が備える筒部材の中心軸Cx方向の長さの合計が、同じであることが好ましい。
【0074】
<展開/折りたたみ>
本発明にかかる作業用台座Aを折りたたみ状態St1と展開状態St2との間で状態変化させる手順について図面を参照して説明する。
図10は、折りたたみ状態St1の作業用台座Aの斜視図である。
図11は、第3脚部13および第4脚部14が第1脚部11を挟んで90°開いた状態の作業用台座Aの斜視図である。
図12は、第3脚部13が90°以上開いた状態の作業用台座Aの斜視図である。
図13は、展開状態St2の作業用台座Aの斜視図である。なお、
図10〜
図13では、滑り止め部115、125、135および145の図示を省略している。
【0075】
作業用台座Aは、折りたたみ状態St1においてストッパ部材4は、上方に移動した位置にある。このときストッパ部材4は、底面が第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14の上面と接触している。これにより、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14は、ストッパ部材4による制限を受けず、シャフト2周りに回動可能である。
【0076】
作業用台座Aが折りたたみ状態St1のとき、固定部材5が周方向両端の第3脚部13および第4脚部14に固定されて、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14の移動を制限する。これにより、作業用台座Aは、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14を折りたたみ状態St1に維持される。作業用台座Aは、この状態で把持部112を把持して運搬可能である。すなわち、作業用台座Aは、折りたたまれて小型化された折りたたみ状態St1で、運搬可能である。
【0077】
また、作業用台座Aは、倉庫等の収納場所に収納されるときも折りたたみ状態St1で収納される。作業用台座Aは、小型の折りたたみ状態St1で収納されるため、収納スペースを有効利用可能である。また、作業用車両等に乗せる場合にも、収納スペースが小さくて済むため、利便性が高い。
【0078】
作業用台座Aは、各脚部を周方向に開いた展開状態St2で使用される。次に、折りたたみ状態St1から展開状態St2への展開について説明する。まず、固定部材5を取り外し(
図10参照)、第4脚部14を周方向に第1脚部11から離れる方向に移動させる(
図11参照)。第4脚部14は第1脚部11に対して略90°開いた定位置まで移動される。第4脚部14を開くことで、第1脚部11の厚み方向に踏ん張ることができるため、展開動作中に作業用台座Aが倒れにくい。
【0079】
第4脚部14を移動させると同時に、周方向の外側に配置される第3脚部13を周方向に第2脚部12から離れる方向に移動させる。第3脚部13と第4脚部14は、それぞれ、周方向に反対方向に移動される。なお、第3脚部13と第4脚部14はどちらかを先に移動させてもよいし、全く同時に移動させてもよい。
【0080】
第3脚部13は、第1脚部11に対して略180°開いた位置が定位置である。そのため、第3脚部13は、
図11に示す状態から、周方向にさらに移動される。そして、第3脚部13は一定角度開いたとき、第3脚部13の連結アーム部134が第4脚部14のスリット146に挿入される。また、同時に第4脚部14の連結アーム部144が第3脚部13のスリット136に挿入される。そのため、第4脚部14に干渉されず、第3脚部13が回動することができる(
図12参照)。
【0081】
第3脚部13をさらに回動させることで、第3脚部13は、第1脚部11と略180°をなす定位置に到達する。このとき、第3脚部13と第4脚部14とは、略直角をなし、互いに接触する(
図13参照)。このとき、第3脚部13の連結アーム部134と第4脚部14の連結アーム部144が軸方向に接触した状態で固定されるため、第3脚部13と第4脚部14は強固に連結される。
【0082】
なお、上述の説明では、第3脚部13を、一旦、第2脚部12に対して90°開いた状態にし、その後、第3脚部13をさらに移動させているが、これに限定されない。第3脚部13は、折りたたみ状態St1の位置から定位置まで、途中で停止させることなく移動するようにしてもよい。また、連結アーム部134を第4脚部14のスリット146に挿入する直前で停止し、位置を確かめた後、開くようにしてもよい。この場合、第4脚部14が、定位置まで移動していると作業がやりやすく好ましい。
【0083】
そして、第3脚部13と第4脚部14とを組み合わせた状態で、第2脚部12を第1脚部11に対して周方向に略90°開いた定位置に移動させる。これにより、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14は、展開状態St2の配置となる。
【0084】
このとき、ストッパ部材4の第1凹部41が第1脚部11と軸方向に重なり、第1脚部11の径方向内側の一部を収容可能な状態になる。同時に、第2凹部42が第2脚部12と重なり、第2脚部12の径方向内側の一部を収容可能な状態になる。さらに同時に、第3凹部43が組み合わせられた第3脚部13および第4脚部14と重なり、第3脚部13および第4脚部14の径方向内側の一部を収容可能な状態になる。これにより、ストッパ部材4が軸方向下方に移動可能になり、ばね22の弾性力によりシャフト2ごとストッパ部材4が下方に移動する。
【0085】
これにより、ストッパ部材4の第1凹部41に第1脚部11が収容され、第2凹部42に第2脚部12が収容され、第3凹部43に組み合わせられた第3脚部13および第4脚部14が収容される。すなわち、ストッパ部材4は、周方向において、第1脚部11と第2脚部12の間、第2脚部12と第3脚部13の間、第3脚部13と第4脚部14の間および第4脚部14と第1脚部11の間に挿入される。
【0086】
第1脚部11、第2脚部12、第3脚部および第4脚部14の周方向の面の少なくとも一方は、ストッパ部材4の第1凹部41、第2凹部42および第3凹部43の内側面とそれぞれ接触する。これにより、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部および第4脚部14の周方向の移動が制限され、作業用台座Aは展開状態St2で維持される、あるいは、固定される。
【0087】
作業用台座Aが展開状態St2のとき、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部および第4脚部14の上面が、略面一になる。作業用台座Aに加工対象のパネル状、長尺状等の物品を安定して載置可能である。このとき、ストッパ部材4の上面は、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部および第4脚部14の上面と略面一か、これらよりも低くなる。これにより物品を安定して載置できる。
【0088】
また、径方向に一定の長さを有する脚部が、周方向に間隔をあけて配置される。そのため、作業用台座Aに中心軸Cxと直交する方向の成分を有する力が作用しても、作業用台座Aが転倒しにくい。これにより、作業用台座Aに載置された物品に加工を施すときに、作業用台座Aに中心軸Cxと直交する方向の力が作用しても、作業用台座Aは転倒しにくい。このため、作業用台座Aを使用して、安全に作業が可能である。
【0089】
次に展開状態St2の作業用台座Aを折りたたみ状態St1に変形させる手順について説明する。上述のとおり、作業用台座Aでは、展開状態St2のとき、周方向に隣り合う脚部同士の間に、ストッパ部材4が嵌っている。そのため、作業用台座Aを展開状態St2から折りたたみ状態St1に変形するとき、まず、使用者はストッパ部材4の操作稈44を掴んで持ち上げ、ストッパ部材4を上方に移動させる。これにより、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14の周方向の移動制限が解除される。
【0090】
そして、第2脚部12を周方向に第1脚部11に近接するとともに第1脚部11と略平行な位置まで移動させる。なお、ストッパ部材4は、第2脚部12が第2凹部42と軸方向に重なる位置から移動した後、作業用台座Aを展開状態St2に固定する位置に移動できなくなる。そのため、使用者は、少なくとも1つの脚部が移動開始した後、操作稈44の引き上げ動作を終了可能である。
【0091】
その後、第3脚部13を周方向において、第2脚部12と同じ方向に第2脚部12と近接するとともに略平行な位置まで移動させる。また、第4脚部14を周方向において、第2脚部12と反対方向に第1脚部11と近接するとともに略平行な位置まで移動させる。なお、第3脚部13および第4脚部14の移動は、どちらが先でもよいし、同時でもよい。また、脚部の移動順は、一例であり、これに限定されない。
【0092】
第3脚部13は、第1脚部11と略180°開いた位置にあり、第3脚部13を折りたたみ状態St1の位置に移動させてしまうと、第1脚部11の厚み方向に倒れやすくなる懸念がある。そのため、第4脚部14を先に移動させることが好ましい。この時、第3脚部13が一定の位置、例えば、第3脚部13を第1脚部11を挟んで、第4脚部14と略対称となる位置まで移動させた後、第3脚部13と第4脚部14とを同時に移動させてもよい。
【0093】
本発明にかかる作業用台座Aでは、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14をシャフト2周りに回動させて展開状態St2にする構成である。つまり、作業用台座Aはひとまとまりの構成であるため、2以上の部材に分割する作業用台座に比べて、収納、運搬が容易である。
【0094】
また、作業用台座Aは、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14をポリプロピレンで形成することで、軽量かつ高強度とできる。そのため、運搬が容易であるとともに、重量物である物品を載置することも可能であり、これらの点からも、本発明にかかる作業用台座Aは、利便性が高い。
【0095】
なお、ストッパ部材4の下面に、折りたたみ状態St1において、第3脚部13および第4脚部14の周方向の外側と接触する部材を設けてもよい。この部材は、ストッパ部材4を持ち上げたときに、下端部が第1脚部11、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14の上面よりも上方に位置するように形成されるとよい。このように形成することでストッパ部材4を持ち上げたとき、第2脚部12、第3脚部13および第4脚部14が、周方向に移動可能である。
【0096】
また、折りたたみ状態St1において、第3脚部13および第4脚部14の周方向の外側の面と接触するため、第3脚部13および第4脚部14の移動を制限することが可能である。これにより、作業用台座Aは、折りたたみ状態St1で維持される。なお、固定部材5を併用することで、作業用台座Aは、より強固に折りたたみ状態St1に維持される。
【0097】
作業用台座Aにおいて、筒部材301〜312の外径を大きくすることで、第3脚部13と第4脚部14の干渉をなくすことが可能である。この場合、第3脚部13のスリット136および第4脚部14のスリット146が省略可能である。なお、スリットをなくすことができる筒部材301〜312の外径は、脚部の厚みによって決まる。
【0098】
<第1変形例>
本発明にかかる作業用台座の変形例について図面を参照して説明する。
図14は、変形例の作業用台座A1の折りたたみ状態の平面図である。
図15は、
図14に示す作業用台座A1の展開状態の平面図である。
【0099】
作業用台座A1は、第1脚部61、第2脚部62、第3脚部63および第4脚部64が、それぞれ、第1脚部11、第2脚部12、第3脚部63および第4脚部14と異なる形状を有する。これ以外の点について、変形例の作業用台座A1は、
図1等に示す作業用台座Aと同じ構成を有する。そのため、作業用台座A1において、作業用台座Aと実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに同じ部分の詳細な説明は省略する。また、各脚部において、同様の構成を有する部分は、対応する構成を示し、詳細な説明は省略する。
【0100】
図14、
図15に示すように、作業用台座A1は、第1脚部61、第2脚部62、第3脚部63および第4脚部64を有する。
【0101】
なお、第1脚部61の本体部601は、第1脚部11の本体部101と対応する。第1脚部61の上部凹所611は、第1脚部11の上部凹所111と対応する。第1脚部61の把持部612は、第1脚部11の把持部112と対応する。第1脚部61の下部凹所613は、第1脚部11の下部凹所113と対応する。第1脚部61の連結アーム部614は、第1脚部11の連結アーム部114と対応する。
【0102】
第1脚部61は、平面視において径方向の外縁部に、軸方向に延びる脚筒部610を有する。脚筒部610は、軸方向に延びる筒体である。脚筒部610を備えることで、径方向の断面係数、断面二次モーメントを大きくすることができる。そのため、脚筒部610を備える第1脚部61は備えない構成に対して、径方向の剛性を高めることが可能である。なお、脚筒部610は、径方向外側の端部に配置されているが、これに限定されない。例えば、径方向外縁よりも径方向内側に配置されてもよい。また、複数個の脚筒部610を備えてもよい。径方向の断面係数、断面二次モーメントを大きくするため、脚筒部610は、径方向外縁の近傍に設けられることが好ましい。
【0103】
本変形例では、脚筒部610は中空の筒としているが、これに限定されない。内部に補強用の芯部材を配置してさらに剛性を上げるようにしてもよい。このような構成とすることで、第1脚部61は、第1脚部11よりも高剛性とすることができる。換言すると、剛性が同じ場合、第1脚部61の構成にすることで、薄く形成できる、すなわち、軽量に構成することが可能である。また、芯部材は着脱可能としてもよい。これにより、上部に載置される物品によって芯部材の要否を選択できるため、作業用台座A1を軽量で使用することも可能になり、利便性が高くなる。
【0104】
また、第2脚部62の本体部602は、第2脚部12の本体部102と対応する。第2脚部62の上部凹所621は、第2脚部12の上部凹所121と対応する。第2脚部62の下部凹所623は、第2脚部12の下部凹所113と対応する。第2脚部62の連結アーム部624は、第2脚部12の連結アーム部124と対応する。
【0105】
さらに、第3脚部63の本体部603は、第3脚部13の本体部103と対応する。第3脚部63の上部凹所631は、第3脚部13の上部凹所131と対応する。第3脚部63の下部凹所633は、第2脚部12の下部凹所133と対応する。第3脚部63の連結アーム部634は、第3脚部13の連結アーム部134と対応する。
【0106】
そして、第4脚部64の本体部604は、第4脚部14の本体部104と対応する。第4脚部64の上部凹所641は、第4脚部14の上部凹所141と対応する。第4脚部64の下部凹所643は、第4脚部14の下部凹所143と対応する。第4脚部64の連結アーム部644は、第4脚部14の連結アーム部144と対応する。
【0107】
また、第2脚部62は脚筒部620を備える。第3脚部63は脚筒部630を備える。第4脚部64は脚筒部640を備える。脚筒部620、脚筒部630および脚筒部640は、脚筒部610と同様の構成を有する。これにより、第2脚部62、第3脚部63および第4脚部64の剛性を高める、または、剛性を落とすことなく軽量化が可能である。
【0108】
また、
図14に示すように、第1脚部61、第2脚部62、第3脚部63および第4脚部64では、脚筒部610、620、630、640の外径が他の部分の厚みよりも大きい。そのため、作業用台座A1では、折りたたみ状態St1において、脚筒部610、620、630、640がずれるように、第1脚部61、第2脚部62、第3脚部63および第4脚部64の長さを調整している。
【0109】
具体的には、折りたたみ状態St1において、第1脚部61の脚筒部610がシャフトから最も遠い。脚筒部620、640が第1脚部61に沿って脚筒部610よりもシャフト2に近接した位置に配置されるように、第2脚部62および第4脚部64の径方向の長さが決定される。そして、脚筒部630が第2脚部62に沿って脚筒部620よりもシャフト2に近接した位置に配置されるように、第3脚部63の径方向長さが決定される。このように形成することで、折りたたみ状態St1において、脚筒部610、620、630、640が互いに当たることで、作業用台座A1が周方向に拡がることを抑制できる。
【0110】
以上示した、本実施形態の作業用台座A、A1では、第1脚部11、61の位置を決めた状態で、第2脚部12、62、第3脚部13、63および第4脚部14、64を移動させて、折りたたみ状態St1と展開状態St2とに変形させている。しかしながら、これに限定されず、第1脚部以外の脚部の位置を決めて、残りの脚部を移動するようにしてもよい。また、すべての脚部をそれぞれ移動させるようにしてもよい。
【0111】
また、本実施形態の作業用台座A、A1では、4個の脚部を備える構成を例に説明しているが、これに限定されない。例えば、3個の脚部を有してもよいし、4個以上の脚部を備えていてもよい。作業用台座A、A1が自立可能であるとともに、上部に載置した物品に対して加工を行うときに作用する力によって転倒しにくいように、脚部は、3個以上備える構成であることが好ましい。
【0112】
さらに、12個の筒部材301〜312を備える構成としているが、これに限定されない。また、筒部材301〜312の軸方向の長さもすべて同じでなくてもよい。複数の脚部に備えられる筒部材の軸方向の長さの合計が脚部ごとに同じであれば、軸方向の長さおよび連結される筒部材の個数が異なっていてもよい。
【0113】
例えば、長さが異なる長筒部材、中筒部材、短筒部材を有し、長筒部材が短筒部材の3倍、中筒部材が短筒部材の2倍の長さとする。第1脚部11が6個の短筒部材と連結し、第2脚部12が3個の中筒部材と連結し、第3脚部13および第4脚部14がそれぞれ2個の長筒部材と連結するような構成であってもよい。
【0114】
<第2変形例>
本発明にかかる作業用台座のさらなる変形例について図面を参照して説明する。
図16は、変形例の作業用台座Bの折りたたみ状態の平面図である。
図17は、
図16に示す作業用台座Bの側面図である。
図18は、展開状態の作業用台座Bの斜視図である。以下、作業用台座Bの作業用台座A1と異なる部分について説明を行い、同様の構成を有する部分は、対応する構成を示し、詳細な説明は省略する。
【0115】
作業用台座Bは、第1脚部71、第2脚部72および第3脚部73を有する。作業用台座Bの第1脚部71、第2脚部72および第3脚部73は、それぞれ、作業用台座A1の第1脚部61、第2脚部62および第4脚部64と類似した構成である。
【0116】
第1脚部71の本体部701は、第1脚部61の本体部601と対応する。第1脚部71の上部凹所711は、第1脚部61の上部凹所611と対応する。第1脚部71の把持部712は、第1脚部61の把持部612と対応する。第1脚部71の下部凹所713は、第1脚部61の下部凹所613と対応する。第1脚部71の脚筒部710は、第1脚部61の脚筒部610と対応する。
【0117】
第1脚部71の連結アーム部714は、第1脚部61の連結アーム部614と対応する。連結アーム部714は、第1筒部材301、第4筒部材304、第7筒部材307および第10筒部材310の外周面と連結される。
【0118】
また、第1脚部71の脚筒部710は、第1脚部61の脚筒部610と対応する。脚筒部710の内部には、芯部材716が挿入されている。これにより、第1脚部71の剛性を高めることが可能である。また、第1脚部71の脚筒部710の径方向内側にマグネット715が配置されている。芯部材716は、磁性材料で形成されており、マグネット715に近接して配置される。このため、芯部材716は、マグネット715によって磁化される。
【0119】
第2脚部72の本体部702は、第2脚部62の本体部602と対応する。第2脚部72の上部凹所721は、第2脚部62の上部凹所621と対応する。第2脚部72の下部凹所723は、第2脚部62の下部凹所623と対応する。第2脚部72の脚筒部720は、第2脚部62の脚筒部620と対応する。
【0120】
第2脚部72の連結アーム部724は、第2脚部62の連結アーム部624と対応する。連結アーム部724は、第2筒部材302、第5筒部材305、第8筒部材308および第11筒部材311の外周面と連結される。
【0121】
また、第2脚部72の脚筒部720は、第2脚部62の脚筒部620と対応する。脚筒部720の内部には、芯部材726が挿入されている。これにより、第2脚部72の剛性を高めることが可能である。芯部材726は、磁性材料で形成されている。折りたたみ状態において、芯部材726は、マグネット715に近接して配置される。折りたたみ状態において、芯部材726が磁力によってマグネット715および芯部材716に引っ張られる。これにより、折りたたみ状態において、第2脚部72は第1脚部71と近接した状態に維持される。
【0122】
第3脚部73の本体部703は、第3脚部63の本体部603と対応する。第3脚部73の上部凹所731は、第3脚部63の上部凹所631と対応する。第3脚部73の下部凹所733は、第3脚部63の下部凹所633と対応する。第3脚部73の脚筒部730は、第3脚部63の脚筒部630と対応する。
【0123】
第3脚部73の連結アーム部734は、第3脚部63の連結アーム部634と対応する。連結アーム部734は、第3筒部材303、第6筒部材306、第9筒部材309および第12筒部材312の外周面と連結される。
【0124】
また、第3脚部73の脚筒部730は、第3脚部63の脚筒部630と対応する。脚筒部730の内部には、芯部材736が挿入されている。これにより、第3脚部73の剛性を高めることが可能である。芯部材736は、磁性材料で形成されている。折りたたみ状態St1において、芯部材736は、マグネット715に近接して配置される。折りたたみ状態St1において、芯部材736が磁力によってマグネット715および芯部材716に引っ張られる。これにより、折りたたみ状態St1において、第3脚部73は第1脚部71と近接した状態に維持される。すなわち、芯部材716、726、736およびマグネット715が固定部材の役割を果たす。なお、本実施形態では、第1脚部71の本体部701にマグネット715を取り付けた構成としているが、これに限定されない。芯部材716、726、736を互いに引き合うことが可能なように配置されたマグネットとしてもよい。
【0125】
また、作業用台座Bのストッパ部材4bは、第1凹部46と、第2凹部47と、第3凹部48と、操作稈44と、を有する。第1凹部46は、ストッパ部材4の第1凹部41と同様の形状である。第2凹部47は、ストッパ部材4の第2凹部42と同様の形状であり、第1凹部46に対する周方向の角度が第1凹部41に対する第2凹部42の周方向の角度と異なる。すなわち、第2凹部47は第2脚部72が第1脚部71に対して約120°開いた位置で第2脚部72が嵌合される。
【0126】
第3凹部48は、第3脚部73が展開状態St2の位置にあるときに、第3脚部73が嵌合可能形状を有する。なお、第3凹部48は、第2凹部47と第1凹部46を挟んで対称となる位置に形成される。また、第2凹部47と第3凹部48は、第1凹部46の中心線を構成し、ストッパ部材4bの径方向に延びる線を挟んで線対称となる。
【0127】
作業用台座Bは、展開状態St2において、第1脚部71と第2脚部72、第2脚部72と第3脚部73、第3脚部73と第1脚部71それぞれの中心軸Cxを中心とする中心角は、約120°である。すなわち、第1脚部71、第2脚部72および第3脚部73は、周方向に略等間隔となるように配置される。これにより、作業用台座Bは安定して自立することが可能である。
【0128】
なお、本実施形において、作業用台座A、A1は、4脚、作業用台座Bは3脚であるが、これに限定されない。脚部の数は特に限定しないが、安定して自立可能とするために、少なくとも3脚であることが好ましい。また、5脚以上としてもよいが、折りたたみ状態の大きさが大きくなり、さらに、連結アーム部の形状が複雑になってしまうため、3脚、4脚程度が好ましい。
【0129】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。また、上記実施形態とその変形例は適宜任意に組み合わせることができる。