特許第6940596号(P6940596)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ピアッジオ・エ・チ・ソチエタ・ペル・アツィオーニの特許一覧

特許6940596原動機付き車両のステアリング群およびその原動機付き車両
<>
  • 特許6940596-原動機付き車両のステアリング群およびその原動機付き車両 図000004
  • 特許6940596-原動機付き車両のステアリング群およびその原動機付き車両 図000005
  • 特許6940596-原動機付き車両のステアリング群およびその原動機付き車両 図000006
  • 特許6940596-原動機付き車両のステアリング群およびその原動機付き車両 図000007
  • 特許6940596-原動機付き車両のステアリング群およびその原動機付き車両 図000008
  • 特許6940596-原動機付き車両のステアリング群およびその原動機付き車両 図000009
  • 特許6940596-原動機付き車両のステアリング群およびその原動機付き車両 図000010
  • 特許6940596-原動機付き車両のステアリング群およびその原動機付き車両 図000011
  • 特許6940596-原動機付き車両のステアリング群およびその原動機付き車両 図000012
  • 特許6940596-原動機付き車両のステアリング群およびその原動機付き車両 図000013
  • 特許6940596-原動機付き車両のステアリング群およびその原動機付き車両 図000014
  • 特許6940596-原動機付き車両のステアリング群およびその原動機付き車両 図000015
  • 特許6940596-原動機付き車両のステアリング群およびその原動機付き車両 図000016
  • 特許6940596-原動機付き車両のステアリング群およびその原動機付き車両 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6940596
(24)【登録日】2021年9月6日
(45)【発行日】2021年9月29日
(54)【発明の名称】原動機付き車両のステアリング群およびその原動機付き車両
(51)【国際特許分類】
   B62K 21/08 20060101AFI20210916BHJP
【FI】
   B62K21/08
【請求項の数】25
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-512805(P2019-512805)
(86)(22)【出願日】2017年9月5日
(65)【公表番号】特表2019-529212(P2019-529212A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(86)【国際出願番号】IB2017055318
(87)【国際公開番号】WO2018047055
(87)【国際公開日】20180315
【審査請求日】2020年5月11日
(31)【優先権主張番号】102016000090140
(32)【優先日】2016年9月6日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】512185877
【氏名又は名称】ピアッジオ・エ・チ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】PIAGGIO & C. S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】フランチェスコ・マルケッタ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ・バルドゥイーノ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエーレ・トッリアーニ
【審査官】 渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0236791(US,A1)
【文献】 仏国特許発明第779221(FR,A)
【文献】 特開2013−2599(JP,A)
【文献】 実公昭50−32900(JP,Y1)
【文献】 特公昭47−38946(JP,B1)
【文献】 特開2013−104438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 21/10
B62K 21/20
B62K 21/08
F16F 1/00− 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機付き車両(8)のステアリング群(4)であって、
ステアリング管(20)を取り付けられたフロントフレーム(16)であって、前記ステアリング管(20)はステアリングシャフトまたはピン(24)を回転自在に収容し、前記ステアリングシャフトまたはピン(24)は、ステアリング軸(X−X)の周りを回転する、フロントフレーム(16)と、
前記ステアリング管(20)と一体にアップライト(32)を取り付けられた前記フロントフレーム(16)と、
前記ステアリングシャフト(24)と一体になって回転するステアリングブラケット(36)を備える前記フロントフレーム(16)と、を備える、
原動機付き車両(8)のステアリング群(4)は、
前記ステアリング群(4)が、前記ステアリングシャフト(24)自体を前記フロントフレーム(16)に対して、進行方向および高さ方向に垂直な左右方向に関して中央である中心対称位置に配置するように前記ステアリングシャフト(24)へ弾性的に影響を与える弾性復帰手段(44)を備え、前記弾性復帰手段(44)は、前記ステアリングシャフト(24)が前記中心対称位置に対して回転したときに弾性復帰作用を発揮するように、前記アップライト(32)と前記ステアリングブラケット(36)との間に配置され、機械的に連結され、
前記弾性復帰手段(44)は、逆進的傾向の弾性応答を有しており、前記中心対称位置からの前記ステアリングシャフト(24)の変位が増加するにつれて、前記弾性復帰手段(44)の剛性は減少し、
前記弾性復帰手段は、前記ステアリングブラケット(36)に前記弾性復帰手段(44)の第1の連結点(48)と、前記弾性復帰手段(44)の前記アップライト(32)に第2の連結点(52)とを備え、
前記弾性復帰手段(44)は、覆い(58)およびピストン(60)を備え、前記覆い(58)および前記ピストン(60)は、前記覆い(58)によって定められた台座(64)に対してスライドするステム(62)を設けられ、前記ピストン(60)および前記覆い(58)はそれぞれ、前記連結点(48)、前記連結点(52)の一つと一体であり、中心間距離(72)または前記連結点(48)と前記連結点(52)との間の距離がばね(68)の圧縮に応じて変化可能であるように、前記ステム(62)と前記台座(64)との間に少なくとも一つの前記ばね(68)は、介在され、
前記覆い(58)は、前記弾性復帰手段(44)を閉鎖し補強する外側ケーシングを形成する
原動機付き車両(8)のステアリング群(4)。
【請求項2】
前記覆い(58)は、前記弾性復帰手段(44)を閉鎖し補強する前記外側ケーシングを実現する第1のカップ形状部(65)および第2のカップ形状部(66)を備える、請求項1に記載のステアリング群(4)。
【請求項3】
前記第1のカップ形状部(65)および前記第2のカップ形状部(66)は、前記弾性復帰手段(44)の伸張の一般的な方向(L−L)に関して円形である、請求項1または請求項2に記載のステアリング群(4)。
【請求項4】
前記第1のカップ形状部(65)の第1の径(D1)は、前記第2のカップ形状部(66)の第2の径(D2)よりも小さく、前記第1の径(D1)は、前記ステム(62)の端部(67)を隙間を備えて収容できるような大きさにされる、請求項3に記載のステアリング群(4)。
【請求項5】
前記隙間は、前記ステム(62)の前記端部(67)と前記第1のカップ形状部(65)との間の相対的なスライドを容易にする、少なくとも一つのスライドブッシング(69)を収容する、請求項4に記載のステアリング群(4)。
【請求項6】
前記第1のカップ形状部(65)と前記第2のカップ形状部(66)との間の移行部には、前記ばね(68)のための第1の軸方向アバットメント(71)を形成する第1の肩(70)が設けられている、請求項2から請求項5のいずれか一項に記載のステアリング群(4)。
【請求項7】
前記ピストン(60)は、前記第1の肩(70)と軸方向に向かい合っている第2の肩(73)を備え、前記第1の肩(70)および前記第2の肩(73)はそれぞれ、前記弾性復帰手段(44)の伸張の一般的な方向(L−L)に沿って前記ばね(68)のストローク端を形成する、請求項6に記載のステアリング群(4)。
【請求項8】
前記第2のカップ形状部(66)は、前記ステム(62)と一体である前記第1の連結点(48)の側から、閉鎖キャップ(76)とかみ合うロック端(75)で終わる、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のステアリング群(4)。
【請求項9】
前記閉鎖キャップ(76)は、前記閉鎖キャップに対して前記ステム(62)のスライドを可能とするように隙間を備えて前記ステム(62)を収容できる、請求項8に記載のステアリング群(4)。
【請求項10】
前記閉鎖キャップ(76)は、前記覆い(58)の内側への粉塵または土砂の侵入を防ぐために前記ステム(62)でスライドする粉塵カバーまたはシール(77)を設けられる、請求項8または請求項9に記載のステアリング群(4)。
【請求項11】
前記弾性復帰手段(44)は、前記ステアリングシャフト(24)の前記中心対称位置の周りで何らかの弾性作用が働かないように、予め与えられた負荷を有さない、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のステアリング群(4)。
【請求項12】
前記弾性復帰手段(44)は、前記ステアリングシャフト(24)が前記中心対称位置に対して回転したときに引っ張られるように、前記アップライト(32)と前記ステアリングブラケット(36)との間に配置され、
前記弾性復帰手段(44)は、逆進的傾向の弾性応答を有しており、前記弾性復帰手段(44)のけん引が増加するにつれて、前記弾性復帰手段(44)の前記剛性は、減少する、
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のステアリング群(4)。
【請求項13】
前記弾性復帰手段(44)は、前記ステアリングシャフト(24)が前記中心対称位置に対して回転したときに押し込まれるように、前記アップライト(32)と前記ステアリングブラケット(36)との間に配置され、
前記弾性復帰手段(44)は、逆進的傾向の弾性応答を有しており、前記復帰手段の圧縮が増加するにつれて、前記弾性復帰手段(44)の前記剛性は、減少する、
請求項10または請求項11に記載のステアリング群(4)。
【請求項14】
前記ステアリングブラケット(36)への前記弾性復帰手段(44)の第1の連結点(48)は、前記ステアリング軸(X−X)の前方に、前記ステアリング軸(X−X)に直交し且つ前記ステアリングブラケット(36)の下側面(50)に平行な平面に関して進行方向に、配置され、前記弾性復帰手段(44)の前記アップライト(32)への第2の連結点(52)は、前記平面(P)での前記進行方向に対して前記ステアリング軸(X−X)の後方に配置される、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のステアリング群(4)。
【請求項15】
前記連結点(48)、前記連結点(52)は、前記ステアリングシャフト(24)の前記中心対称位置に対して右および左への操舵にて前記弾性復帰手段(44)の対称的な挙動を有するように、直進方向(Y−Y)に平行に配置された、前記フロントフレーム(16)の中心線平面(M−M)上に整列される、請求項14に記載のステアリング群(4)。
【請求項16】
前記弾性復帰手段(44)の前記連結点(48)、前記連結点(52)は、前記ステアリング軸(X−X)に平行な回転軸(W’)の周り、回転軸(W”)の周りでの前記弾性復帰手段(44)の回転をそれぞれ可能とする円筒形の結合部(56)を備える、請求項14または請求項15に記載のステアリング群(4)。
【請求項17】
前記弾性復帰手段(44)は、少なくとも一つの逆進的傾向のばね(68)を備える、請求項1から請求項16のいずれか一項に記載のステアリング群(4)。
【請求項18】
前記少なくとも一つのばね(68)は、皿ばねである、請求項17に記載のステアリング群(4)。
【請求項19】
前記弾性復帰手段(44)は、直列に配置された、複数の逆進的傾向の皿ばね(68)を備える、請求項1から請求項18のいずれか一項に記載のステアリング群(4)。
【請求項20】
直列の前記皿ばね(68)は、互いに直接接触するように配置される、請求項19に記載のステアリング群(4)。
【請求項21】
前記皿ばね(68)は、互いに直列に、15個から30個の数を設けられる、請求項18から請求項20のいずれか一項に記載のステアリング群(4)。
【請求項22】
前記皿ばね(68)は、互いに同一である、請求項18から請求項21のいずれか一項に記載のステアリング群(4)。
【請求項23】
前記皿ばね(68)は、1.8<De/Di<2.4を有するような大きさにされ、Deは前記皿ばねの外径と等しく、Diは前記皿ばね(68)の内径と等しい、請求項18から請求項22のいずれか一項に記載のステアリング群(4)。
【請求項24】
前記皿ばね(68)は、18<De/t<28を有するような大きさにされ、Deは前記皿ばねの外径と等しく、tは前記皿ばね(68)の厚みと等しい、請求項18から請求項23のいずれか一項に記載のステアリング群(4)。
【請求項25】
請求項1から請求項24のいずれか一項に記載のステアリング群(4)を備える、原動機付き車両(8)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原動機付き車両のステアリング群、およびステアリング群を備える関連する原動機付き車両に関する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、原動機付き車両の前車軸は、原動機付き車両の前方操舵輪に連結されたステアリング群を有する。
【0003】
使用中、特に低速時に、原動機付き車両のステアリングは、ロック、すなわち、ハンドルバーを用いてユーザによって設定された角度よりステアリング角を大きくさせやすい。
【0004】
前車軸のこの動的な挙動の原因は本質的に、前輪が、地面との垂線に対する特定の傾斜角を有するステアリング軸中心に回転するという事実に関する。この傾斜角は、ステアリング軸が前輪のピンを通過していないが、通常はホイールピンに対して後方(進行方向とは反対の方向)に設定されているという事実と組み合わさって、前輪にいわゆる「トレール」を与える。「トレール」は、車輪の回転中心を通る垂線の地面への投影と、車輪のステアリング軸の地面への投影との距離を意味する。ステアリング軸は通常、車輪をまたいで配置されたフォークの回転軸であり、フォークは車輪を両側で支持する。明らかに、同様の検討が、車輪がシングルアームに対してカンチレバー(片持ち)に回転自在に支持された、シングル−アームのフォークの解決策に適用できる。
【0005】
トレールが大きくなればなるほど、現象はより顕著になる。
【0006】
さらに、同じステアリング形状で、リムの径、ひいては車輪の外径を大きくすることは、トレールを大きくする。
【0007】
加えて、例えばステアリング群に固定されてステアリング群とともに回転可能なフロントフェアリングおよびライトについての、前輪に加えられる任意の垂直荷重はさらに、ステアリングのロック効果を増加させる一因となる。
【発明の概要】
【0008】
記載された問題を解決するために、すなわち、ステアリングの当該ロック効果を打ち消すために、今まで従来技術で様々な解決策が採用されてきた。
【0009】
例えば、前輪にかかる垂直重量の効果については、フェアリングの重量をステアリング軸で正確に中心に置くことが知られている。しかしながら、この手法は、フェアリング自体および関連する前照灯の形状、種類および位置にかなりの美的な制約をもたらす。
【0010】
さらにまた、フォークとステアリング軸とのオフセットを増加させる適切なステアリングプレートを使用することが知られている。ステアリングプレートは特に、同一の入射角(キャスタ角)、すなわちステアリング軸の傾斜、でトレールを減少させるために、後方に設定される。しかしながら、この解決策であっても、車両の運動状態だけでなく、美観に関しても制約を与える。
【0011】
また、傾斜を減らすことで、または前輪の径を減らすことで、ステアリング軸の傾斜(入射)に影響を与えることが可能である。明らかに、両方の解決策は、車両の美観および運動状態の両方に新たな、ささいでない影響を与える。
【0012】
また、ステアリングの運動と対抗するレバー機構を使用する技術が知られている。当該機構は、操舵の間にばねに荷重を与えるように下側ステアリングプレートおよびフレームに取り付けられる。そのようなばねは、関連アームに起因して、操舵に対抗するモーメントを働かせる。このようにして、車両のダイナミクスおよび/または美観のパラメータを変えることなく、上記されたステアリングのロック効果を打ち消そうとしている。
【0013】
そのようなばね及びレバーシステムを提供する既知の解決策は、新たな欠点を示す。
【0014】
事実、ステアリングのロック効果を打ち消す作用が、効果的であり、かつユーザを不快にさせないように、ばねを調整することは容易ではない。
【0015】
事実、「やわらかい」ばねが使用された場合、システムは特に、ユーザにとって目立たない又は不快にさせない。しかし一方、ばねによって発揮される力、ひいてはステアリング軸のモーメントは、ばね自体の長いストロークに対してのみ十分であるため、相当なステアリング角に対してのみ有効である。事実、ステアリング角の増大は、より大きく変形するばねによって発揮される力を大きくするだけでなく、ステアリング軸の周りにばねによって発揮されるアーム、およびステアリング自体のロックを打ち消すモーメントも大きくする。したがって、一旦閾値を超えると、ばねの作用はステアリングのロックを打ち消すために効果的になり始めるが、一方、小さなステアリング角での機構の作用は実質的には目立たない。
【0016】
これと反対に、「硬い」ばねが使用された場合、システムは、小さなステアリング角で非常に効果的になる。しかし一方、大きなステアリング角に対して、システムは運転手にとって目立ちすぎ、限界では、ステアリングが過度にかたくなるため、不快にさせる。事実、明らかなように、ステアリング角の増大は、より大きく変形するばねによって発揮される力を大きくするだけでなく、ステアリング軸の周りにばねによって発揮されるアーム、およびステアリング自体のロックを打ち消すモーメントも大きくする。したがって、閾値を超えたとき、機構の作用は、ユーザによって望ましい操舵作用に過度に対抗するようになり、ユーザは、ステアリングが重く、扱いづらいと感じる。
【0017】
従来の技術の解決策では、ばねの剛性の選択は、ユーザの要求を完全に満たすことはできない妥協である。
【0018】
したがって、従来技術に関して言及された欠点および制限を解決することが必要である。
【0019】
当該必要性は、請求項1による原動機付き車両のステアリング群によって満たされる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明のさらなる特徴および利点は、実施形態の好ましいが非限定的な例の下記の記載からより理解可能となる。
【0021】
図1図1は、本発明の実施形態による原動機付き車両の前車軸の側面図である。
図2図2は、図1の原動機付き車両の前車軸の部分斜視図である。
図3図3は、図2の矢印III側からの、図2の前車軸の正面図である。
図4図4は、図3の矢印IV側からの、図2の前車軸の側面図である。
図5図5は、本発明の実施形態による、前車軸の弾性復帰手段の、個々の部品の、斜視図である。
図6図6は、組み付け構成での図5の弾性復帰手段の側面図である。
図7図7は、組み付け構成での図5の弾性復帰手段の部分断面図である。
図8図8は、皿ばねの平面図である。
図9a図9aは、図8の切断線IX−IXに沿った図8の皿ばねの断面図である。
図9b図9bは、本発明による逆進的傾向の皿ばねの、縦座標が力、横座標が変位の、力/変位のグラフである。
図10図10は、本発明による弾性復帰手段を設けられた運動学的機構の概略図である。
図11図11は、本発明の実施形態による、弾性復帰手段によって発揮される、ステアリング角に応じた弾性復帰トルクの傾向を描写したグラフで構成される。
図12図12は、本発明の実施形態による、ステアリング角に応じた弾性復帰手段のストロークの傾向を描写したグラフで構成される。
図13図13は、本発明の実施形態による、ステアリング角に応じたステアリング軸に対して弾性復帰手段によって発揮される力のアームの傾向を描写したグラフで構成される。
【0022】
以下に記載された実施形態において共通の要素または要素の一部は、同一の符号で示されている。
【発明を実施するための形態】
【0023】
上述された図面を参照して、原動機付き車両8のステアリング群の全体の概略図は、全体的に4で示されている。
【0024】
本発明のために、用語「原動機付き車両(motor vehicle)」は、広い意味で考えられなければならないことが明確にされるべきであり、少なくとも二つの車輪(すなわち、前輪10および後輪)を有する任意の自動二輪車(モーターサイクル)を包含する。したがって、この定義はまた、三つの車輪を有するモーターサイクル(例えば、前車軸に単一の操舵輪と、後車軸に二つの駆動輪とを備える原動機付き車両、および好ましくは傾斜する二つの前方操舵輪と、一つの後方駆動輪とを有する原動機付き車両)を含む。また、この定義には、好ましくは傾斜する二つの前方操舵輪と、駆動輪であることを問わない二つの後方車輪と有する四輪自動車が含まれる。
【0025】
本発明は、原動機付き車両8の前車軸12に注目し、後車軸は記載または説明されていない。この発明のために、後車軸は、任意の類いのものであってもよい。概して、原動機付き車両のリアフォークおよびフレームは、任意の形状と大きさを有してもよく、ラティス(格子)タイプまたはボックス(箱)タイプのもの、ダイキャストなどであってもよい。
【0026】
特に、原動機付き車両のステアリング群4は、ステアリング管20を取り付けられたフロントフレーム16を備える。ステアリング管20は、ステアリングシャフトまたはピン24を回転自在に収容する。ステアリングシャフトまたはピン24は、ステアリング軸X−Xの周りを回転する。
【0027】
ステアリング管20は典型的には、円筒形状を有し、ステアリングシャフト24を回転自在に支持する。そして、ユーザにかじを取らせるためにハンドルバー28に連結される。
【0028】
既知の方法で、ステアリングシャフト24は、ハンドルバー28を介してユーザによって与えられたステアリングの運動を車輪または複数の前輪10に伝達するために、運動学的に前輪10または複数の前輪10に連結される。
【0029】
フロントフレーム16は、ステアリング管20と一体にアップライト32を取り付けられる。
【0030】
アップライト32は、ステアリング管20を含む、フレームの何らかの機械的構成部品であってもよい。
【0031】
ステアリング管20は、ステアリング軸X−Xの傾斜または入射角(すなわち、ステアリング軸が、地面と直角な垂直方向Z−Zと形成する角度)を、移動の長手方向Y−Yに沿った方向に向けられた、フロントフレーム16の中心線平面M−M上に定める。
【0032】
図1において、トレール34(すなわち、車輪の回転中心を通る垂線の地面への投影と、前輪10のステアリング軸X−Xの地面への投影との距離)を見ることがまた可能である。
【0033】
フロントフレーム16はまた、ステアリングシャフト24と一体になって回転するステアリングブラケット36を備える。「ステアリングブラケット」36は、ステアリングシャフト24と一体になって回転する何らかの機械的構成部品を意味する。ステアリングブラケット36は、任意の形状および大きさを有してもよく、任意の材料で構成されてもよい。
【0034】
例えば、ステアリングブラケット36は、ハンドルバー28と反対側の、ステアリング管20の下端42に関連付けられた下側ステアリングプレート40に配置されてもよい。
【0035】
好適には、ステアリング群4は、ステアリングシャフト24自体をフロントフレーム16に対して対称に中心位置に配置するようにステアリングシャフト24へ弾性的に影響を与える弾性復帰手段44を備える。
【0036】
弾性復帰手段44は、ステアリングシャフト24が前述の中心対称位置に関して回転したときに弾性復帰作用を発揮するように、アップライト32とステアリングブラケット36との間に配置され、機械的に連結される。
【0037】
つまり、弾性復帰手段44は、ステアリングシャフト24がハンドルバー28を用いてユーザによってこの中心対称位置に関して回転されたときはいつでも、中心対称位置に戻すようにステアリングシャフト24に弾性的に影響を与える。
【0038】
好適には、弾性復帰手段44は、逆進的傾向の弾性応答を有し、中心位置からのステアリングシャフト24の変位が増加するにつれて、弾性復帰手段44の剛性が減少する。
【0039】
好ましくは、弾性復帰手段44は、ステアリングシャフト24の中心対称位置の周りで何らかの弾性作用が働かないように予め与えられた負荷を有さない。
【0040】
想定される実施形態によると、弾性復帰手段44は、ステアリングシャフト24が中心対称位置に対して回転したときに引っ張られるように、アップライト32とステアリングブラケット36との間に配置される。そのような実施形態において、弾性復帰手段44は、逆進的傾向の弾性応答を有し、復帰手段44のけん引が増加するにつれて、弾性復帰手段44の剛性が減少する。
【0041】
さらなる実施形態によると、弾性復帰手段44は、ステアリングシャフト24が中心対称位置に対して回転したときに押し込まれるように、アップライト32とステアリングブラケット36との間に配置される。この実施形態において、弾性復帰手段44は、逆進的傾向の弾性応答を有し、復帰手段44の圧縮が増加するにつれて、弾性復帰手段44の剛性が減少する。
【0042】
本発明に起因して、ステアリング角が大きくなるにつれて、ステアリングシャフト24は、次第に変化量が減少しながら増加する(すなわち、逆進的なように)弾性反力を得る。弾性反力は、ステアリング自体に反対に作用する、ステアリングシャフト24の反作用トルクへと変わる。つまり、弾性復帰手段44の剛性、ひいてはステアリングシャフト24の反作用トルクの増加は、ステアリング角の増加とともに小さくなる。
【0043】
このようにして、弾性復帰手段44の逆進性は、ロックするようなステアリングの動きに弾性復帰手段を対抗させ、走行運動状態および車両の安定性の感覚を改善する。さらに、弾性復帰手段44のそのような逆進性は、例えば直立状態または低速での操作などの、ステアリング角が大きい場合にステアリングが硬くなりすぎないことを意味する。
【0044】
好ましくは、ステアリングブラケット36への弾性復帰手段44の第1の連結点48は、ステアリング軸X−Xの前方に、ステアリング軸X−Xに直交しステアリングブラケット36の下側面に平行な平面Pに関して移動の前進方向に、配置される。アップライト32への弾性復帰手段44の第2の連結点52は、平面P上で移動の前進方向に対してステアリング軸X−Xの後方に配置される。
【0045】
このようにして、弾性復帰手段44は、ステアリングシャフト24が中心対称位置に対して回転されたとき、圧縮作用を受ける。
【0046】
連結点48、連結点52は、必須ではないが好ましくは、対称的な中心ステアリング位置に対して右および左への操舵にて弾性復帰手段44の対称的な挙動を有するように、移動の直進方向に平行に配置された、フロントフレーム16の中心線平面M−Mに関して整列される。
【0047】
一実施形態によると、弾性復帰手段44の連結点48、連結点52は、円筒形の結合部56を備える。円筒形の結合部56は、ステアリング軸X−Xに平行な回転軸W’の周り、および回転軸W”の周りでの弾性復帰手段44のそれぞれの回転を可能とする。
【0048】
一実施形態によると、弾性復帰手段44は、覆い58およびピストン60を備える。ピストン60は、覆い58によって定められた台座64に関してスライドするステム62を設けられている。ピストン60および覆い58は、連結点48、連結点52の一つとそれぞれ一体である。中心間距離72、または連結点48と連結点52との間の距離が、ばね68の圧縮に応じて変化可能であるように、少なくとも一つのばね68が、ステム62と台座64との間に介在される。
【0049】
覆い58は、閉鎖物の外側ケーシング、および弾性復帰手段44のための剛性を作る。
【0050】
特に、覆い58は、第1のカップ形状部65および第2のカップ形状部66を備える。これらが、閉鎖物の外側ケーシング、および弾性復帰手段44のための剛性を実現する。
【0051】
カップ形状部は、弾性復帰手段44の伸張の一般的な方向L−Lに関して、軸方向に対称であり、特に円筒形である。
【0052】
当該伸張の一般的な方向L−Lは、弾性復帰手段44の連結点48と連結点52を結ぶことによって定められる方向である。
【0053】
特に、第1のカップ形状部65の径D1は、第2のカップ形状部66の径D2より小さい。径D1は、ステム62の端部67を隙間を備えて収容するような大きさにされる。例えば、当該隙間は、ステム62の端部67と第1のカップ形状部65との間の関連するスライドを容易にする少なくとも一つのスライドブッシング69を収容する。
【0054】
第1のカップ形状部65と第2のカップ形状部66の間の移行部には、ばね68のための第1の軸方向アバットメント(当接部)71を形成する第1の肩70がある。第1の軸方向当接部71はまた、第1の肩70から切り離されている特別なワッシャで構成され、第1の肩70に対して隣接してもよい。
【0055】
ピストン60は、第2の肩73を備え、第1の肩70と軸方向に向かい合っている。
【0056】
第1の肩70および第2の肩73はそれぞれ、弾性復帰手段44の伸張の一般的な方向L−Lに沿ってばね68のためのストローク端を形成する。
【0057】
つまり、弾性復帰手段44の伸張の一般的な方向L−Lに沿った第1の肩70と第2の肩73の距離は、常にばね68の軸方向長を定める。
【0058】
第2のカップ形状部66は、ステム62と一体である第1の連結点48の側で閉鎖キャップ76が挿入されるロック端75で終わる。
【0059】
第2のカップ形状部66は、第1の肩70、第2の肩73およびばね68を隙間を備えて収容するが、閉鎖キャップ76を固定する。
【0060】
閉鎖キャップ76は、当該閉鎖キャップに対してステム62のスライドが可能なように隙間を備えてステム62を収容する。
【0061】
閉鎖キャップ76は、覆い58の内側への粉塵および土砂の侵入を防ぐためにステム62でスライドする粉塵カバーまたはシール77を設けられる。
【0062】
このように、第1の連結点48と第2の連結点52の間の接近する運動および遠ざかる運動は、動的に、端部67と台座64の間の隙間を備えた連結によって内側から、及びかたくすることで弾性復帰手段44の移動構造を包含する第2のカップ形状部66によって外部からの両方によって導かれる。
【0063】
内部および外部の、二つの案内部の存在が、弾性復帰手段44を硬くし、負荷の下で、台座64に対するステム62の何らかの固着を防ぐ。
【0064】
さらに、明らかなように、第1のカップ形状部65および第2のカップ形状部66は、粉塵、石および土砂がばね68および一般的な稼働部品の中に入り込むこと、ばね68等の動作に支障をきたすこと、ばね68等のスライド能力を制限することの少なくともいずれか一つが生じるのを防ぐ、弾性復帰手段の閉鎖物のケーシングを構成する。
【0065】
例えば、ばね68は、ピストン60のステム62に同軸上に配置される。
【0066】
好ましくは、弾性復帰手段44は、少なくとも一つの圧縮に応じて逆進的なばね68を備える。
【0067】
一実施形態によると、少なくとも一つのばね68は、皿ばねである。
【0068】
好ましくは、弾性復帰手段44は、直列に配置された、複数の逆進的傾向の皿ばね68を備える。
【0069】
好ましくは、直列の皿ばね68は、互いに直接接触するように配置される。
【0070】
例えば、皿ばね68は、互いに直列に、10個から40個の数が想定される。好ましくは、皿ばね68は、互いに直列に、15個から30個の数が想定される。
【0071】
好ましくは、皿ばね68は、互いに同等である。
【0072】
直列な皿ばねの配置に関しては、一連のばねによって提供される弾性力を定める法則を得られるように、一連のばねに必要とされる等価剛性Keqおよびストロークxを計算する必要がある。直列に皿ばねを配置することで、下記が得られる。
【0073】
【数1】
【0074】
特に直列にN個の同等の皿ばねを配置することで、下記が得られる。
【0075】
【数2】
【0076】
単一の皿ばねは、逆進的な挙動を有し、単一のばねのストロークが大きくなるにつれて、剛性が小さくなる。したがって同様に、直列なばねのシステムの総ストロークの増大に伴って、等価剛性は減少する。特に、総ストロークは、以下の式で計算される。
X=初期軸間間隔−(軸間間隔)α
ここでαは、i番目のステアリング角である(図10のダイアグラム参照)。
【0077】
初期軸間間隔はしたがって、ステアリングシャフト24が中心対称位置にあるときの弾性復帰手段44の連結点48と連結点52の間の初期の距離を意味する。つまり、初期軸間間隔は、弾性復帰手段の静止時の長さと実質的に同じである。一方、ステアリングシャフト24が一般的な位置αに回転されたとき、(軸間間隔)αが、軸間間隔(すなわち、弾性復帰手段44の連結点48と連結点52の間の距離)である。
【0078】
一実施形態によると、皿ばね(68)は、1.8<D/D<2.4を有するような大きさにされる。ここで、Dは、皿ばね68の外径と等しく、Dは、皿ばね68の内径と等しい。
【0079】
一実施形態によると、皿ばね68は、18<D/t<28を有するような大きさにされる。ここで、Dは、皿ばね68の外径と等しく、tは、皿ばね68の厚みと等しい。
【0080】
一実施形態によると、皿ばね68は、0.4<;h/t<;0.75を有するような大きさにされる。ここで、hは、皿ばね68の静止高さと等しく、tは、皿ばね68の厚みと等しい。
【0081】
本発明による自動二輪車用のステアリング群の動作が記載されている。
【0082】
明らかなように、本発明のステアリング群の基本特性が、逆進的な挙動を備えるばねの存在によって与えられている。
【0083】
特に、ステアリングシャフトに伝達される弾性作用は、ステアリングトルクであり、当該ステアリングトルクは、連結点48と連結点52との間のストロークの関数でばねによって伝達される力だけでなく、ステアリング軸X−Xに関するそのような力のアーム78によっても決まる。
【0084】
図12は、ユーザによって与えられたステアリング角(横座標)に応じた、連結点48と連結点52の間のストロークの傾向(縦座標)を示す。
【0085】
実質的に連結点48と連結点52の間のストロークは、中心対称位置に対するステアリング角αの結果としての、(初期、すなわちステアリングシャフト24の中心対称位置での)軸間間隔72と最終軸間間隔80との差と等しい。
【0086】
図13は、ユーザによって与えられたステアリング角(横座標)に応じた、ステアリング軸X−Xに関してばねによって表される力のアームの傾向(縦座標)を示す。当該アームの構成は、図10で明確に説明されている。図10では、ステアリング軸X−Xに直交する平面P上での、幾何学的な説明が示されており、連結点48、連結点52、ステアリング軸X−X、ステアリング角α、アーム78、並びに初期軸間間隔72(すなわちcでのステアリング)および最終軸間間隔80を有している。最終軸間間隔80は、すなわち、ステアリング角αと等しいステアリング軸X−Xの回転後の連結点48と連結点52の軸間間隔または距離である。
【0087】
皿ばねの圧縮に応じて、皿ばねによって表される力の傾向は、図9bで示されるように表される。記載された傾向の構成から、弾性復帰手段44によってステアリングシャフト24に提供される弾性復帰トルクに関する図11のグラフが得られる。
【0088】
分かるように、図11は、異なるステアリング角(横座標)に応じた、異なる復帰ばねで得ることができる、ステアリングシャフトへの弾性復帰トルクの違う傾向に関する三つの異なる曲線A、B、Cを示す。
【0089】
特に、曲線Aは、第1の剛性K1を有する第1の線形ばねを使用して得ることができる弾性復帰トルクを表す。そして曲線Cは、K1>K2である第2の剛性K2を有する第2の線形ばねを使用して得ることができる弾性復帰トルクを表す。
【0090】
したがって、曲線Bは、本発明による弾性復帰トルクの例を表す。当該トルクの例は、閾値角度αより小さな区間では、K1より大きな剛性の線形ばねの使用によって、閾値角度αを超えた後は、K2より小さな剛性の線形ばねを使用して、得ることができる挙動を介在することができる。
【0091】
グラフBから、ステアリング角に応じたトルクの傾向は、当初は累進的であることが分かる。つまり、ステアリング角の増加に伴って、トルク/ステアリング角曲線の傾きが増加する。そして、閾値αに至った後、トルク/ステアリング角曲線の傾きは、小さい側のステアリング角に対して増加が少ない。したがって、「より小さく」累進的になる。
【0092】
記載から分かるように、本発明によるステアリング群は、従来技術に示されていた欠点を克服することを可能とする。
【0093】
特に、一つ以上の逆進的なばねの使用は、より大きなステアリング角であってもステアリングを過度にかたくすることなく、最低ステアリング角から効率的な機構を有することを可能とする。
【0094】
つまり、機構は常に、効率的であり、かつ決して侵略的でなく、またはユーザによってそのように認識される。
【0095】
さらに、機構は、例えば大きな径の車輪(例えば21インチ)および40度より大きなキャスタ角に起因した、高いトレールを備える前車軸を採用することによってまた、ステアリングのロックの現象を抑えることを可能とする
【0096】
さらに、本発明は、トレールを小さくするため、またはステアリング軸上でフェアリングの重量を中心に置くためのステアリングプレートの使用を必要としない。このように、設計者は、「重要な」トレール値であっても、原動機付き車両の製造のための特定の美的または設計上の制約に直面しない。
【0097】
本発明に起因して、特定の製造上の制約がないフェアリングの大きさ及び重量に同じことが適用できる。このようにして、弾性手段の適切な較正が生じ得るステアリングのロック効果を相殺することを可能とするため、大きな寸法および重量の前照灯を支持するフェアリングを製造することがまた可能である。
【0098】
したがって、本発明に起因して、既知の解決策の原動機付き車両の前車軸によって現在示されていた寸法的、美的および構造的な制約は、克服されている。そのため、設計者は、ステアリング管のキャスタ角、重量、大きさおよびフェアリングの締結などの、前車軸のパラメータ、並びに前照灯、ステアリングプレート、車輪の径、フロントサスペンションの調整、フロントハンドルバーの開口および類似するものなどの構成部品の広範囲な調整を自由にすることができる。
【0099】
皿ばねの使用は、小さな圧縮ストロ−クであっても高い弾性復帰力の展開を可能とする。
【0100】
加えて、機構は、原動機付き車両の前車軸の美観に影響を与えないように、あまり大きくなく、かつ外側からあまり見ることができない。
【0101】
最後に、システムは、軽量であり、製造および組み立てが安価である。
【0102】
当業者は、条件付きかつ特定の要求を満たすために、上記されたステアリング群に多くの修正および変更をすることができる。しかしその全ては、以下の特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲内に包含される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10
図11
図12
図13