特許第6940601号(P6940601)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6940601
(24)【登録日】2021年9月6日
(45)【発行日】2021年9月29日
(54)【発明の名称】エアバッグ
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/233 20060101AFI20210916BHJP
   B60R 21/206 20110101ALI20210916BHJP
   B60R 21/2338 20110101ALI20210916BHJP
【FI】
   B60R21/233
   B60R21/206
   B60R21/2338
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-518948(P2019-518948)
(86)(22)【出願日】2017年9月14日
(65)【公表番号】特表2019-531225(P2019-531225A)
(43)【公表日】2019年10月31日
(86)【国際出願番号】EP2017073121
(87)【国際公開番号】WO2018068981
(87)【国際公開日】20180419
【審査請求日】2019年4月15日
(31)【優先権主張番号】102016119613.4
(32)【優先日】2016年10月14日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】ワシレウスカ、マルゴザタ
(72)【発明者】
【氏名】マティンスキー、マシエ
(72)【発明者】
【氏名】ペテツカ、マグダレナ
(72)【発明者】
【氏名】シュミズロウ、シエクラ
【審査官】 神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−047744(JP,A)
【文献】 特表2013−510032(JP,A)
【文献】 特開2012−030716(JP,A)
【文献】 特開2009−292446(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0288758(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0059815(US,A1)
【文献】 特表2012−511456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/16 − 21/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体空間を囲む外皮を有するエアバッグであって、
前記外皮が、
− 第1の端部(71)及び第2の端部(72)を有する第1の側壁(11)と、
− 前記第1の端部(71)において前記第1の側壁(11)と連結され、第3の端部(73)まで延びる第2の側壁(12)と、
− 前記第2の端部(72)において前記第1の側壁(11)に連結され、第4の端部(74)まで延びる第3の側壁(23)と、
− 前記第4の端部(74)において前記第3の側壁(23)と連結され、前記第2の側壁(12)の前記第3の端部(73)に連結された第4の側壁(24)と、を備え、
前記第3の側壁(23)は前記第1の側壁(11)から分離しており、前記第3の側壁(23)は、前記第1の側壁(11)の前記第2の端部(72)の少なくとも一部分に、第1の縫い目(81)によって連結されている第5の端部(75)から延びており、かつ
前記第4の側壁(24)は、前記第2の側壁(12)から分離しており、前記第4の側壁(24)は、前記第2の側壁(12)の前記第3の端部(73)の少なくとも一部に、第2の縫い目(82)によって連結されている第6の端部(76)から延びており、
2つの第1の閉鎖縫い目が設けられており、前記第1の閉鎖縫い目の各々が、前記第3の側壁(23)と前記第4の側壁(24)とを連結している第1のセクション(91a、92a)、および前記第3の側壁(23)と前記第2の側壁12とを連結している第2のセクション(91b、92b)を備え、
前記第1の側壁(11)と前記第2の側壁(12)と前記第3の側壁(23)とで第1の室(C1)が形成され、前記第3の側壁(23)と前記第4の側壁(24)とで第2の室(C2)が形成され、前記第1の室(C1)は、前記第3の端部(73)の中間部分(73m)と前記第6の端部(76)との接合部、及び、前記第3の側壁(23)の第2セクション(23”)の間にできるスリットを通じて前記第2の室(C2)と連通している、ことを特徴とするエアバッグ。
【請求項2】
気体空間を囲む外皮を有するエアバッグであって、
前記外皮が、
− 第1の端部(71)及び第2の端部(72)を有する第1の側壁(11)と、
− 前記第1の端部(71)において前記第1の側壁(11)と連結され、第3の端部(73)まで延びる第2の側壁(12)と、
− 前記第2の端部(72)において前記第1の側壁(11)に連結され、第4の端部(74)まで延びる第3の側壁(23)と、
− 前記第4の端部(74)において前記第3の側壁(23)と連結され、前記第2の側壁(12)の前記第3の端部(73)に連結された第4の側壁(24)と、を備え、
前記第3の側壁(23)は前記第1の側壁(11)から分離しており、前記第3の側壁(23)は、前記第1の側壁(11)の前記第2の端部(72)の少なくとも一部分に、第1の縫い目(81)によって連結されている第5の端部(75)から延びており、かつ
前記第4の側壁(24)は、前記第2の側壁(12)から分離しており、前記第4の側壁(24)は、前記第2の側壁(12)の前記第3の端部(73)の少なくとも一部に、第2の縫い目(82)によって連結されている第6の端部(76)から延びており、
前記第1および第2の側壁の幅が前記第4の側壁の幅を超え、
前記第1の側壁(11)と前記第2の側壁(12)と前記第3の側壁(23)とで第1の室(C1)が形成され、前記第3の側壁(23)と前記第4の側壁(24)とで第2の室(C2)が形成され、前記第1の室(C1)は、前記第3の端部(73)の中間部分(73m)と前記第6の端部(76)との接合部、及び、前記第3の側壁(23)の第2セクション(23”)の間にできるスリットを通じて前記第2の室(C2)と連通している、ことを特徴とするエアバッグ。
【請求項3】
前記第1の室(C1)と前記第2の室(C2)との間には両室を仕切る第1のテザー(30)が設けられ、
前記第1のテザー(30)は、前記気体空間を通って延び、一端が前記第1の縫い目(81)によって前記第1の側壁(11)の前記第2の端部(72)と前記第3の側壁(23)の前記第5の端部(75)とに連結され、他端が前記第2の縫い目(82)によって前記第2の側壁(12)の前記第3の端部(73)と前記第4の側壁(24)の前記第6の端部(76)とに連結されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のエアバッグ。
【請求項4】
前記エアバッグがその展開していない状態のとき、前記第1の端部(71)が折り目を形成するように、前記第1の側壁(11)および前記第2の側壁(12)が第1の単一切断部(10)から製造されることを特徴とする、請求項1、2または3に記載のエアバッグ。
【請求項5】
前記エアバッグがその展開していない状態のとき、前記第4の端部(74)が折り目を形成するように、前記第3の側壁(23)および前記第4の側壁(24)が第2の単一切断部(20)から製造されることを特徴とする、請求項1〜4のうちの一項に記載のエアバッグ。
【請求項6】
前記エアバッグがその展開していない状態のとき、前記第3の側壁(23)が、前記第1の端部(71)方向を向くもう1つの折り目(77)を含むことを特徴とする、請求項1〜5のうちの一項に記載のエアバッグ。
【請求項7】
2つの第2の閉鎖縫い目が設けられており、前記縫い目の各々が、前記第3の側壁(23)と前記第1の側壁(11)とを連結している第1のセクション(93a、94a)、および前記第1の側壁(11)と前記第2の側壁(12)とを連結している第2のセクション(93b、94b)を備えることを特徴とする、請求項1〜6のうちの一項に記載のエアバッグ。
【請求項8】
前記第1の端部と前記第2の端部との間の距離が、前記第1の端部と前記第3の端部との間の距離を超えることを特徴とする、請求項1〜7のうちの一項に記載のエアバッグ。
【請求項9】
展開したエアバッグがL字形の断面を有することを特徴とする、請求項1〜8のうちの一項に記載のエアバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載のエアバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
特にいわゆるニーエアバッグの分野において、しかしサイドエアバッグのような他のタイプのエアバッグの分野においても、展開状態にあるときに基本的にL字形の断面を有するエアバッグが知られている。通常、L字の一方の脚は主室(乗員の身体部分を保護するために機能する)を画定し、その一方、L字の他方の脚は充填および/または支持室を画定する。
【0003】
一般的なエアバッグ(これはニーエアバッグである)はWO2014/16337 A1から知られている。このエアバッグの外皮は、基本的に主室を囲む第1の側壁および第2の側壁、ならびに基本的に充填および支持室を囲む第3の側壁および第4の側壁からなる。
【0004】
本出願において選択された定義内で、第1の側壁および第2の側壁は第1の端部で互いに連結され、第1の側壁は第1の端部から第2の端部へ延びており、第2の側壁は第1の端部から第3の端部へ延びている。第1の端部と第2の端部との間の距離は、第1の端部と第3の端部との間の距離を超える。第3の側壁は、第1の側壁の第2の端部から第4の端部まで延び、第4の側壁はこの第4の端部から第2の側壁の第3の端部まで延びている。このエアバッグの外皮は単一の切断部から製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2014/16337A1
【特許文献2】WO2016/16337A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、WO2016/16337A1のものと同様の構造を有するがより容易に製造することができるエアバッグを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1に記載の特徴を有するエアバッグによって解決される。
【0008】
本発明によれば、第3の側壁は第1の側壁から分離しており、第4の側壁は第2の側壁から分離している。第1の側壁および第2の側壁は単一の切断部から製造されること、さらに第3の側壁および第4の側壁も単一の切断部から製造される(しかし第1および第2の側壁の単一の切断部からは分離している)こと、が特に好ましい。第3の側壁は、第1の側壁の第2の端部に連結された第5の端部から延びており、第1の縫い目によってそれに連結されている。同様に、第4の側壁は、第2の縫い目によって第2の側壁の第3の端部に連結されている第6の端部から延びている。好ましい実施形態を参照して後で明らかになるように、このような構造の縫製工程は割に簡単である。
【0009】
テザーが第1の縫い目と第2の縫い目との間を、気体空間を通って延び、それを第1の室(通常は主室)と第2の室(通常は充填および支持室)とに分割することが特に好ましい。このようなテザーの存在は所望の構造を向上させる。さらに、このテザーをエアバッグの外皮に取り付けるために必要な縫製工程は簡単に実施が可能である。
【0010】
特に好ましい実施形態では、第3の側壁は一般的なエアバッグに類似したもう1つの折り目を含む。
【0011】
さらなる好ましい実施形態は、さらなる従属請求項で定義されている。
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】エアバッグの記載された実施形態のすべての切断部。
図2】最初の一連の縫製工程後の、図1に示されたアイテム。
図3】次の縫製工程後の、図2に示されたアイテム。
図4】完全に製造されたエアバッグ。
図5図4のA−A線に沿った断面図。
図6】エアバッグが展開状態時の、基本的に図5で示されたもの。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を、好ましい実施形態により説明する。以下の定義が適用される。
【0015】
説明した実施形態では、すべての縫い目はこの用語の自然な意味での縫い目(少なくとも1本の糸によって縫い付けられる縫い目を意味する)であるが、少なくとも幾つかの縫い目は、接着接合または溶接接合のような他の種類の連結により置き換えることが基本的に可能であることを言及する必要がある。しかし、言語的な単純さのために、用語「縫い目」が、この出願の中でもっぱら使用される。
【0016】
さらに、エアバッグが縫合されるすべての切断部は、通常、織られたプラスチック材料から製造されるが、少なくとも幾つかの切断部は別の平らな可撓性材料から製造されることも可能である。
【0017】
図1はエアバッグの全アイテムを示す。これらのアイテムは、第1の切断部10、第2の切断部20、テザー30、追加のテザー40、第1のデフレクタ要素51、第2のデフレクタ要素52、第1の強化層61、および第2の強化層62である。
【0018】
すべての切断部(テザー、デフレクタ要素、および強化層を含む)は、第1の方向X(長手方向)および第2の方向Y(横方向)に延びる。組立工程が終了した後、第1の切断部10は第1の側壁11および第2の側壁12を形成し、第2の切断部20は第3の側壁23および第4の側壁24を形成する。理解を容易にするために、これらの側壁の位置および折り目の位置(図1の状態にはまだ存在していないが)を図1に示す。
【0019】
後で分かるように、第1の側壁11および第2の側壁20は、折り目71の形態である第1の端部から延びている。同様に、第3の側壁23および第4の側壁24は、やはり折り目74の形態である第4の端部から延びている。「第1の端部」という用語は上述の折り目に使用され、第4の端部も上述の折り目に使用されるので、以下の定義が選択される。第1の切断部10は、第2の端部72から第3の端部73へ第1(X)の方向へ延び、第2の切断部20は第5の端部75から第6端部76へ延びている。
【0020】
第1の切断部10は基本的に長方形であるが、第3の端部73は2つの側面部分73a、73bと、これらの側面部分73aおよび73bからX方向に延びる中間部分73mとを含む。
【0021】
第2の切断部は、ヘッド21とフット22からなる基本的にきのこ形のような不均一な幅(Y方向)を有する。第5の端部75はヘッド21の一部であり、折り畳まれてエアバッグが組み立てられた状態では、もう1つの折り目77がヘッド21を通ってY方向に延び、第3の側壁23を、第5の端部75から延びる第1のセクション23’と、この第1のセクション23’と第4の側壁24との間に延びる第2のセクション23”に分割する。第2のセクション23’はヘッド部とフット部を有する。
【0022】
第2の切断部20、第1のデフレクタ要素51、第2のデフレクタ要素52、第1の強化層61、および第2の強化層62はすべて、小さな穴を有する。最終的に組み立てられた状態で、これらすべての小さな穴は互いに位置合わせされる。完全なエアバッグユニット(ガス発生器または他の種類のインフレータを含む)では、インフレータスタッドがこれらの小さな孔を通って延びる。さらに、第2の切断部20、第2のデフレクタ要素52、第1の強化層61、および第2の強化層62は、より大きい孔を含む。最終的に組み立てられた状態で、これらのより大きな孔もまた互いに位置合わせされ、上述のインフレータを挿入するように機能する。テザー30および追加のテザー40は、膨張ガスが流れることができる孔を含む。
【0023】
図2は、最初の一連の縫製工程後の図1のアイテムを示す。テザー30の片端は、テザー30のこの端部が第2の端部73と平行になるように、第1のテザーの縫い目31により、第1の切断部10の第2の端部72に縫合されている。同様に、テザー30の他端は、第2のテザーの縫い目32によって第1の切断部10の第3の端部73の中央部分73mに縫合されている。追加のテザー40は、第1の追加テザーの縫い目41および第2の追加テザーの縫い目42によって第1の切断部10に縫合されている。
【0024】
第1の強化層61、第2の強化層62、第1のデフレクタ要素51、および第2のデフレクタ要素52は、第2の切断部20に縫合されている。
【0025】
図3は、次の製造工程後の状態を示している。ここで、第1の切断部10の第2の端部72は、第1の縫い目81によって第2の切断部20の第5の端部75に縫合されている。テザー30は、第1の切断部10と第2の切断部20との間に配置され、第1の切断部の第2の端部72と第2の切断部20の第5の端部75は反平行の向きになっている。これは、図5からも分かるように、第1の切断部10の第2の端部72の縁部と、第2の切断部20の第5の端部75の縁部とが反対方向を向くことを意味する。
【0026】
次のステップにおいて、第1の切断部10および第2の切断部20は、第2の切断部の第6の端部76が、第2の切断部の第3の端部73の中間部分73m上に置かれるように、第3の端部73に取り付けられているテザー30の端部とともに、第3の端部73の中間部分と第6の端部76との間に配置されて第2のテザーの縫い目32により折り畳まれる。第3の端部73の中間部分73m、テザー30の端部および第6の端部76は平行に配置されており、それらの縁部はすべて同じ方向を向いている。この段階で、第2の縫い目82が適用される。この縫合の前の折り畳み工程によって、3つの折り目、すなわち第1の端部71を形成する折り目、第4の端部74を形成する折り目、およびもう1つの折り目77が確立される。第1の端部71の折り目は、第1の切断部10を通ってY方向に延び、第1の側壁11を第2の側壁12から分離している。第4の端部74の折り目は、第2の切断部20を通ってY方向に延び、第3の側壁23を第4の側壁24から分離している。もう1つの折り目77は、第4の端部74の折り目と平行に延び、第3の側壁23を通って延びる。このもう1つの折り目77はエアバッグの第1の端部71方向を向いている。
【0027】
次に2つの第1の閉鎖縫い目91および92が適用される。両方の第1の閉鎖縫い目91、92は、2つのセクション、すなわち第1のセクション91a、92aと第2のセクション91b、92bとから構成されていると見ることができる。次に、第1の閉鎖縫い目91を参照して説明されるように、これらの2つのセクションは、エアバッグの外皮の異なる部分を連結する(他方の第1の閉鎖縫い目92はこれと対称である)。第1の閉鎖縫い目の第1のセクション91aは、第4の側壁24の横側面を、第3の側壁23の第2のセクション23”のフット部に連結する。第1の閉鎖縫い目の第2のセクション91bは、第3の側壁23の第2のセクション23”のヘッド部の横側面を第2の側壁の第3の端部の側面部分73aに連結する。第1のセクション91aと第2のセクション91bとの間の移行点において、第2の側壁32、第4の側壁24および第3の側壁23は、この第1の閉鎖縫い目によって互いに連結されている。
【0028】
最後に、第2の閉鎖縫い目93および94が適用される。これらもまた対称であるので、これらの第2の閉鎖縫い目のうちの1つ、すなわち第2の閉鎖縫い目93のみが参照されている。この第2の閉鎖縫い目93も、第1のセクション93aと第2のセクション93bとから構成されていると見なすことができる。第1のセクション93aは、第3の側壁23の第1のセクション23’の横側面を第1の側壁21のセクションの横側面に連結し、第2の閉鎖縫い目93の第2のセクション93bは、第1の側壁11と第2の側壁12の残ったセクションを横側面で連結する。第2の閉鎖縫い目92の移行点において、第1、第2および第3の壁は互いに連結されている。
【0029】
図4および図5は展開していない平らな状態の完全に組み立てられたエアバッグを示すが、図5図4のA−A平面に沿った断面図である)が構造をより明確に示すための概略図であることを述べておく必要がある。このため、折り目71、74、および77は、かなり大きい直径で示されているが、実際には、それらはエアバッグが折り畳まれている限り鋭角の折り目である。
【0030】
図6は、完全に展開した状態の図5のエアバッグを(同じく概略図で)示しているが、強化要素およびデフレクタ要素は示されていない。エアバッグは、第1の(主)室C1を囲む第1および第2の側壁31、32と、第2の(充填および支持)室C2を囲む第3および第4の側壁23、24とからなる基本的にL字形の断面を有することが分かる。2つの室はテザー30によって分割されている。
【0031】
記載されているエアバッグは、ニーエアバッグである。これは本発明の非常に重要な用途であるが、本発明の概念は他の種類のエアバッグ、特にサイドエアバッグにも適用できることを言及する必要がある。
【0032】
参照番号のリスト
10 第1の切断部(第1および第2の側壁用切断部)
11 第1の側壁
12 第2の側壁
20 第2の切断部(第3および第4の側壁用切断部)
21 ヘッド
22 フット
23 第3の側壁
23’ 第1のセクション
23” 第2のセクション
24 第4の側壁
30 テザー
31 第1のテザーの縫い目
32 第2のテザーの縫い目
40 追加のテザー
51 第1のデフレクタ要素
52 第2のデフレクタ要素
61 第1の強化層
62 第2の強化層
71 第1の端部(折り目)
72 第2の端部
73 第3の端部
73a、b 側面部
73m 中間部分
74 第4の端部(折り目)
75 第5の端部
76 第6の端部
77 もう1つの折り目
81 第1の縫い目
82 第2の縫い目
91a、92a 第1の閉鎖縫い目の第1のセクション
91b、92b 第1の閉鎖縫い目の第2のセクション
93a、94a 第2の閉鎖縫い目の第1のセクション
93b、94b 第2の閉鎖縫い目の第2のセクション
X 第1の方向
Y 第2の方向(横方向)
C1 第1の室
C2 第2の室
図1
図2
図3
図4
図5
図6