(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の目的、技術的解決手段および利点をより明確にするために、以下、本発明の実施例における図面と組み合わせて本発明の実施例における技術的解決手段について明確に、かつ完全に説明するが、当然のことながら、説明した実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が進歩性を伴う労働を必要とせずに得られた他の実施例は,いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0025】
以下、図面と実施例を組み合わせて本発明の具体的な実施形態についてさらに詳細に説明する。本明細書に記載された具体的な実施例は、単に本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するためのものではない。
【0026】
図2はインクジェットプリンター用チップの構造概略図であり、
図3は
図2に示すインクジェットプリンター用チップの背面図であり、
図4は
図2に示すインクジェットプリンター用チップの立体構造の概略図である。
図5は
図2に示すインクジェットプリンター用チップの装着プロセスの原理の概略図である。
図2〜5から分かるように、本発明は、少なくともくり抜き部133と、メモリ141と、2つの装着検出端子と、メモリ141に接続される電源端子116と、を備えるインクジェットプリンター用チップを提供し、装着検出端子には、プリンターの接触ピン32と電気的接触するための装着検出接触部が形成されており、電源端子116には、プリンターの接触ピン32と電気的接触するための電源接触部116cが形成されており、電源端子接触部116cは、くり抜き部133の端面に設けられ、そして、装着検出接触部は、くり抜き部133の両側に設けられ、チップ11がプリンターに装着される装着方向に沿って、装着検出接触部とチップ11の前端との距離は、電源接触部116cとチップ11の前端との距離より短い。ここで、本技術的解決手段で記載するチップ11の前端とは、チップ11を正しく装着するプロセスにおけるチップ11の装着方向の前端側である。
【0027】
まず、くり抜き部133は、少なくとも側端面133aと後端面133bとを備え、具体的に備えた端面構造は、くり抜き部133の形状構造に関連し、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができる。本実施例において、側端面133aと後端面133bは、くり抜き部133の端面と総称されている。電源接触部116cがくり抜き部133に設けられる端面は限定されず、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができる。たとえば、電源接触部116cは、くり抜き部133の側端面133aに設けられてもよく、または、電源接触部116cは、くり抜き部133の後端面133bに設けられてもよく、ここで、好ましくは、チップ11がプリンターに装着される装着方向に沿って、電源接触部116cは、くり抜き部133の後端面133bに設けられ、このように、電源接触部116cは、対応する接触ピンと確実に接触することを容易にし、さらにチップ11の作動の安定性および信頼性を保証することができる。
【0028】
次に、チップ11の具体的な形状および構造は限定されず、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができる。たとえば、チップ11は、矩形構造、面取り矩形構造、角丸矩形構造に設定されてもよい。また、メモリ141の設置位置は限定されず、たとえば、メモリ141は、チップ11の後端寄りの片側に設けられてもよく、または、メモリ141は、チップ11の側端寄りの片側に設けられてもよく、さらにメモリ141は、チップ11の中央部に設けられてもよい。当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができ、ここでは説明を省略する。また、少なくとも2行の接続端子における接続端子の数および行数は限定されず、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができる。たとえば、接続端子の数は、5つ、7つ、9つなどに設定されてもよく、接続端子の行数は、2行、3行、4行などに設定されてもよく接続端子の配列で所望の効果を達成すればよく、ここでは説明を省略する。
【0029】
さらに、装着検出端子および電源端子116の具体的な形状および構造は限定されず、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができる。たとえば、装着検出端子は、矩形、正方形または角丸矩形などに設定されてもよく、電源端子116は、矩形、正方形または角丸矩形構造などに設定されてもよく、電源接触部116cと2つの装着検出接触部を異なる行に位置させればよく、ここでは説明を省略する。
【0030】
なお、本技術的解決手段において、装着検出端子と電源端子116との間における相対位置には、少なくとも2種類のケースが存在することに留意すべきである。
【0031】
一つ目のケース:2つの装着検出端子の後端は、電源端子116の前端の下方に設けられ、かつ1行目L1に位置する装着検出接触部115c、119cとチップ11の前端との距離は、2行目L2に位置する電源接触部116cとチップ11の前端との距離より短く、具体的な構造は
図2に示す。
【0032】
二つ目のケース:2つの装着検出端子の後端は、電源端子116の後端の上方に設けられ、かつ2つの装着検出端子の前端は、電源端子116の前端の下方に設けられ、1行目に位置する装着検出接触部とチップ11の前端との距離は、2行目に位置する電源接触部116cとチップ11の前端との距離より短く、すなわち2つの装着検出端子は、後ろ向き(装着方向P)に伸びる部分を有するようにし、それがチップ11の後端により近い位置まで伸びることができるが、その接触部の位置は変更しない。当然のことながら、チップ11の他の接続端子も同じ方向へ伸びることができ、チップ11の前端により近い位置まで伸びることできるが、その接触部の位置は変更しない。また、装着方向Pの前端側の1行目における接続端子の設計スペースを大きくすることもでき、かつ装着検出端子を他の端子より大きいように設計することができ、それによってプリンターにおける接触ピン32の位置がずれる場合でも、検出ミスが発生することはなく、装着が認識されない状況を効果的に回避し、具体的な構造は、
図13のインクジェットプリンター用チップの構造概略図に示す。ここで、好ましくは、電源端子116と装着検出端子および装着検出接触部との間の位置距離は、チップ11がプリンターに装着される装着方向に沿って、装着検出接触部とチップ11の前端との距離が電源端子116とチップ11の前端との距離より短く、かつチップ11がプリンターに装着される装着方向に沿って、装着検出端子とチップ11の前端との距離が前記電源端子11とチップの前端との距離より短く設定される。当然のことながら、当業者は、1行目L1における装着検出接触部とチップ11の前端との距離を、2行目L2における電源接触部116cとチップ11の前端との距離より短くすれば、さらに他の設置形態を採用することができ、ここでは説明を省略する。
【0033】
また、装着検出接触部および電源接触部116cの具体的な形状および構造は限定されず、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができる。たとえば、装着検出接触部は、矩形、正方形または円形構造に設定されてもよく、電源接触部116cは、矩形、正方形または円形構造などに設定されてもよく、装着検出接触部とチップ11の前端との距離を電源接触部116cとチップ11の前端との距離より短くすればよく、ここでは説明を省略する。
【0034】
また、本技術的解決手段において、くり抜き部133の具体的な形状および構造は限定されず、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができる。たとえば、くり抜き部133は、チップ11内部に形成される閉鎖構造に設けられてもよく、具体的な構造は、
図9のチップ11の構造概略図に示すが、くり抜き部133の全体を「口」字状の構造を呈し、それに対応し、くり抜き部133は、側端面133aと、後端面133bと、前端面133cとを備える。または、くり抜き部133は、チップ11の下端に形成される開口構造に設けられ、それに対応し、くり抜き部133は、側端面133aと、後端面133bとを備え、
図2のチップ11の構造概略図に示す。当然のことながら、当業者は、くり抜き部133を電源端子116の下方に設定し、かつ電源接触部116cをくり抜き部133の後端面133bに設定すれば、さらに他の構造のくり抜き部133を採用することができ、ここでは説明を省略する。
【0035】
チップ11をプリンターに装着する場合、プリンターの接触ピン32は、チップ11の接続端子と1対1に対応し、具体的には、第1の接触ピン32aは、第1の直列端子111に対応し、第2の接触ピン32b(図示せず)は、リセット端子112に対応し、第3の接触ピン32c(図示せず)は、クロック端子113に対応し、第4の接触ピン32d(図示せず)は、第2の直列端子114に対応し、第5の接触ピン32e(図示せず)は、第1の装着検出端子115に対応し、第6の接触ピン32fは、電源端子116に対応し、第7の接触ピン32g(図示せず)は、接地端子117に対応し、第8の接触ピン32h(図示せず)は、データ端子118に対応し、第9の接触ピン32i(図示せず)は、第2の装着接触端子119に対応し、当然のことながら、具体的な接触ピン32の番号および位置について、プリンターにおける接触ピン32およびチップ11における接続端子を1対1に対応させれば、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができる。
【0036】
また、チップ11における摩擦距離には、装着接触部と接触するための接触ピン32とチップ11との摩擦距離および電源端子116と接触するための接触ピン32とチップ11との摩擦距離が含まれており、ここで、くり抜き部133の設置により、電源端子116と接触する接触ピン32とチップ11との摩擦距離は、ほぼ0であるが、従来技術における電源端子260と回路基板200の前端との距離は、本技術的解決手段における摩擦距離よりはるかに長く、具体的には、従来技術における電源端子260は、回路基板200の1行目に設けられ、1行目と回路基板200の前端との距離はt1であり、したがって、電源端子260と回路基板200の前端との摩擦距離もt1であり、t1は、本技術的解決手段における電源端子116との摩擦距離0よりはるかに長い。したがって、くり抜き部133の設置により、電源端子116と接触するための接触ピン32とチップ11との接触ストロークを効果的に短縮させ、接触ピン32の摩耗を低減させ、接触ピン32の摩耗による接触不良がチップ11とプリンターとの電気的伝達に影響する問題を回避し、チップ11の使用の安定性および信頼性を高める。
【0037】
また、本実施例の提供するチップ11において、1行目における装着検出接触部とチップ11の前端との距離を、2行目に位置する電源接触部116cとチップ11の前端との距離より短縮させることにより、すなわち電源接触部116cを2つの装着検出接触部の上端に位置させることにより、従来技術におけるチップ11の電源端子116がプリンターの対応する接触ピン32に既に接続しているが、装着検出端子が正常な接続を確立できないせいで、プリンターがチップ11を認識できず、またはチップ11、プリンターが壊れてしまうことを効果的に回避し、チップ11の使用の安定性および信頼性を保証し、市場への普及および応用に寄与する。
【0038】
前記実施例に基づき、
図2〜5から分かるように、メモリ141に接続される接地端子117とデータ端子118とをさらに備え、接地端子117には、プリンターの接触ピン32と電気的接触するための接地接触部117cが形成されており、データ端子118には、プリンターの接触ピン32と電気的接触するためのデータ接触部118cが形成されており、接地端子117およびデータ端子118の少なくとも1つの下方にくり抜き部133が形成され、かつこのくり抜き部133は、電源端子116の下方に位置するくり抜き部133と連通し、接地接触部117cおよびデータ接触部118cの少なくとも1つは、くり抜き部133の後端面133bに設けられる。
【0039】
ここで、接地端子117およびデータ端子118の具体的な形状および構造は限定されず、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができる。たとえば、接地端子117は、矩形、正方形、角丸矩形または他の形状および構造などに設定されてもよく、データ端子118は、矩形、正方形、角丸矩形または他の形状および構造などに設定されてもよい。接地端子117に位置する接地接触部117cおよびデータ端子118に位置するデータ接触部118cの具体的な形状および構造は限定されず、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができる。たとえば、接地接触部117cおよびデータ接触部118cの少なくとも1つをくり抜き部133の後端面133bに設置すれば、前記接触部は、矩形、円形、楕円形または他の形状に設定されてもよい。
【0040】
具体的には、前記技術的解決手段に説明した構造は、3種類のケースを含む。
【0041】
一つ目のケース:具体的な構造は、
図6のインクジェットプリンター用チップの構造概略図を参照し、接地端子117は、くり抜き部133の後端面133bに設けられるが、データ端子118は、くり抜き部133に接続されておらず、すなわち接地端子117および電源端子116は、くり抜き部133の後端面133bに並列に設けられ、かつ接地接触部117cおよび電源接触部116cは、いずれもくり抜き部133の後端面133bに設けられるが、データ端子118の具体的な位置は限定されず、データ端子118は、1行目L1における装着検出端子と平行になるように設けられてもよい。当然のことながら、他の位置に設けられてもよく、具体的な設置位置について、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができ、ここでは説明を省略する。
【0042】
二つ目のケース:データ端子118は、くり抜き部133の後端面133bに設けられ、すなわちデータ端子118および電源端子116は、くり抜き部133の後端面133bに並列に設けられ、かつデータ接触部118cおよび電源接触部116cは、いずれもくり抜き部133の後端面133bに設けられ、接地端子117の具体的な位置は限定されず、接地端子117は、1行目L1における装着検出端子と平行になるように設けられてもよい。当然のことながら、他の位置に設けられてもよく、具体的な設置位置について、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができ、ここでは説明を省略する。
【0043】
三つ目のケース:接地端子117およびデータ端子118は、くり抜き部133の後端面133bに設けられ、この場合、電源接触部116c、接地接触部117cおよびデータ接触部118cが位置する領域は、2つの装着検出接触部が位置する領域の後端に位置し、かつチップ11がプリンターに装着される装着方向に沿って、電源端子116、接地端子117およびデータ端子118が位置する領域は、前記2つの装着検出端子が位置する領域の後端に位置する。具体的な構造は、
図7〜8のインクジェットプリンター用チップの構造概略図に示す。すなわち電源端子116、接地端子117およびデータ端子118は、いずれもくり抜き部133の後端面133bに並列に設けられ、かつ電源端子116の後端に位置する他の接続端子が位置する領域と第1の領域Q1を構成することができ、2つの装着検出端子が位置する領域は、第2の領域Q2を構成し、第1の領域Q1と第2の領域Q2は交差せず、かつ電源接触部116c、接地接触部117cおよびデータ接触部118cは、いずれもくり抜き部133の後端面133bに設けられることにより、接触ピン32との接触を容易にすることができる。
【0044】
データ端子118および接地端子117の少なくとも1つがくり抜き部133の後端面133bに設けられることにより、くり抜き部133の面積を効果的に拡大させ、さらに接触ピン32とチップ11との接触ストロークを効果的に短縮させ、接触ピン32の摩耗を低減させ、接触ピン32の摩耗による接触不良がチップ11とプリンターとの電気的伝達に影響する問題を回避し、さらにチップ11の使用の安定性および信頼性を高め、かつ接触ピン32およびチップ11の耐用年数を延長させ、市場への普及および応用に寄与する。
【0045】
上記実施例に基づき、
図2〜5から分かるように、メモリ141に接続される少なくとも1つの制御端子をさらに備え、各制御検出端子には、いずれもプリンターの接触ピン32と電気的接触するための制御接触部が形成されており、各制御接触部とチップ11の前端との距離は、いずれも電源接触部116cとチップ11の前端との距離より長い。
【0046】
ここで、少なくとも1つの制御端子の具体的な数および含まれる具体的な端子は限定されず、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができる。たとえば、少なくとも1つの制御端子の数を1つにしてもよく、2つにしてもよいが、2つの制御端子は、具体的にリセット端子およびクロック端子であり、または少なくとも1つの制御端子の数を3つにして、3つの制御端子は、具体的にリセット端子、クロック端子および直列端子であり、または少なくとも1つの制御端子の数を4つにして、具体的な4つの制御端子は、リセット端子、クロック端子、第1の直列端子および第2の直列端子などを含むことができ、当然のことながら、当業者は、各制御接触部とチップ11の前端との距離を、電源接触部116cとチップ11の前端との距離より長くすることができれば、さらに他の設定形態を採用することができ、ここでは説明を省略する。
【0047】
上記実施例について、本技術的解決手段をより明確に理解するために、具体的な設計例を挙げて説明する。
【0048】
設計例1:
図6から分かるように、本技術的解決手段の少なくとも1つの制御端子は、リセット端子112とクロック端子113とを備えるように設けられ、リセット端子112およびクロック端子113には、プリンターの接触ピン32と接触するためのリセット接触部112cおよびクロック接触部113cがそれぞれ設けられおり、リセット接触部112cおよびクロック接触部113cとチップ11の前端との距離は、電源接触部116cとチップ11の前端との距離より長い。
【0049】
ここで、リセット端子112およびクロック端子113の具体的な形状および構造は限定されず、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができる。たとえば、リセット端子112は、矩形、正方形、角丸矩形または面取り矩形などに設定されてもよく、クロック端子113は、矩形、正方形、角丸矩形または面取り矩形などに設定されてもよい。かつリセット接触部112cおよびクロック接触部113cの具体的な形状および構造は限定されず、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができる。たとえば、リセット接触部112cは、矩形、正方形、円形または楕円形などに設定されてもよく、クロック接触部113cも、矩形、正方形、円形または楕円形などに設定されてもよい。リセット接触部112cおよびクロック接触部113cとチップ11の前端との距離を、電源接触部116cとチップ11の前端との距離より長くすることができれば、具体的な形状および構造にいついて、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができ、ここでは説明を省略する。
【0050】
クロック端子113およびリセット端子112の設置により、チップ11の作動状態を効果的に制御して調整することができ、かつリセット接触部112cおよびクロック接触部113cとチップ11の前端との距離を、電源接触部116cとチップ11の前端との距離より長くさせ、チップ11に設けられる接続端子を均等に分布させ、接触ピン32とチップ11における各接続端子との接触の安定性および信頼性に寄与し、さらにチップ11の実用性を保証する。
【0051】
設計例2:
図7は、インクジェットプリンター用チップの構造概略
図1であり、
図8は、インクジェットプリンター用チップの構造概略
図2である。上記実施例に基づき、
図7〜8から分かるように、本技術的解決手段の少なくとも1つの制御端子は、リセット端子112と、クロック端子113と、リセット端子112およびクロック端子113と並列に設けられる第1の直列端子111および第2の直列端子114と、を備えるように設けられ、第1の直列端子111および第2の直列端子114には、プリンターの接触ピン32と接触するための第1の直列接触部111cおよび第2の直列接触部114cがそれぞれ設けられており、第1の直列接触部111c、第2の直列接触部114c、リセット接触部112cおよびクロック接触部113cからチップ11の前端までの距離は同じである。
【0052】
具体的に装着する場合、装着方向Pにおける電源端子116、接地端子117およびデータ端子118は、くり抜き部133の後端面に位置し、それによって装着方向Pにおいて、リセット端子112、クロック端子113、第1の直列端子111および第2の直列端子114(またはリセット接触部112c、クロック接触部113c、第1の直列接触部111cおよび第2の直列接触部114c)は、いずれも電源端子116、接地端子117およびデータ端子118(または電源接触部116c、接地接触部117cおよびデータ接触部118c)の後端側に位置し、それによって装着方向Pにおいて、リセット端子112、クロック端子113、第1の直列端子111、第2の直列端子114、電源端子116、接地端子117およびデータ端子118は、第1の端子と呼ばれ、第1の装着検出端子115および第2の装着検出端子119は、第2の端子と呼ばれる。具体的に作動する場合、第1の端子の作動電圧が低圧であり、第2の端子の作動電圧が高圧であるため、第1の端子と第2の端子との間に短絡が発生することがあり、短絡の発生を回避するために、第1の端子の接触部領域Q1と第2の端子接触部領域Q2との間に重なる領域がないように設置され、さらに第1の端子と第2の端子との間に短絡が発生することを回避でき、かつ第2の端子による検出が完了した後、第1の端子が接触ピン32と接触するように保証することができる。また、くり抜き部133の設置により、電源端子116と接触するための接触ピン32とチップ11との接触ストロークを短縮させ、接触ピン32の摩耗を低減させ、接触ピン32の摩耗による接触不良がチップ11とプリンターとの電気的伝達に影響する問題を回避し、チップ11の使用の安定性および信頼性を高める。
【0053】
ここで、第1の直列端子111および第2の直列端子114の具体的な形状および構造は限定されず、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができる。たとえば、矩形、正方形、面取り矩形または角丸矩形などの構造に設定されてもよい。第1の直列接触部111cおよび第2の直列接触部114cの具体的な形状および構造は限定されず、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができる。たとえば、第1の直列接触部111cおよび第2の直列接触部114cは、矩形、正方形、円形または楕円形などに設定されてもよく、第1の直列接触部111c、第2の直列接触部114c、リセット接触部112cおよびクロック接触部113cからチップ11の前端までの距離を同じようにすればよく、ここでは説明を省略する。また、チップ11に設けられる少なくとも1つの制御端子および他の端子の具体的な位置は限定されず、ここで、接触ピン32と接触する接続端子が唯一であり、かつ各接触ピン32が相互に影響されないように保証するために、好ましくは、チップ11における各端子は、チップ11の前端から後端へ少なくとも3行の接続端子が配列され、少なくとも3行の接続端子における各端子は、チップ11がプリンターに装着される装着方向と直交する方向に沿って、千鳥配列される。かつ少なくとも3行において、チップ11がプリンターに装着される装着方向に沿って、前端側から後端側への前の2行は、順次1行目、2行目であり、そのうち装着検出接触部が1行目に位置し、電源接触部116cが2行目に位置することにより、接続端子にそれぞれ接続される接触ピン32の間にも千鳥配列される構造になり、接触ピン32と接続端子との間の接触の安定性および信頼性を効果的に保証し、かつ各接触ピン32の間に存在する相互干渉の問題を回避する。
【0054】
上記実施例に基づき、
図2〜8から分かるように、チップ11における各接続端子の接続の安定性および信頼性を確認するために、チップ11には、2つの装着検出端子の間に位置する第1の短絡検出端子121および第2の短絡検出端子122がさらに設けられており、電源端子116および少なくとも1つの前記制御端子は、いずれも第1の短絡検出端子121と第2の短絡検出端子122との間に設けられる。
【0055】
ここで、第1の短絡検出端子121および第2の短絡検出端子122は、チップ11における各接続端子の間に短絡が発生したか否かを検出するための検出端子であり、第1の短絡検出端子121および第2の短絡検出端子122の具体的な形状および構造は限定されず、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができ、たとえば、第1の短絡検出端子121および第2の短絡検出端子122は、矩形、帯状、円柱形、角丸矩形または他の構造などに設定されてもよい。また、第1の短絡検出端子121および第2の短絡検出端子122の具体的な設置位置は限定されず、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができ、第1の短絡検出端子121および第2の短絡検出端子122は、チップ11の左右両側に対称的に設けられ、上記の機能を実現できるものであれば、チップ11の後端または前端に設けられてもよく、ここでは説明を省略する。
【0056】
第1の短絡検出端子121および第2の短絡検出端子122の設置により、チップ11における各接続端子の間の接続状態をリアルタイムで効果的に監視することができ、かつ接続端子の間に短絡が発生する場合、タイムリーで効果的に警報することができ、さらにチップ11またはプリンターへの多大な損傷を回避し、チップ11の使用の安全性および信頼性を高める。
【0057】
上記実施例に基づき、引き続き、
図1〜9から分かるように、チップ11をインクカートリッジに固定するために、チップ11には、チップ11の内部に向かって凹み込む第1の位置決め部131および第2の位置決め部132が設けられており、かつ第1の位置決め部131および第2の位置決め部132は、リセット接触部112cおよびクロック接触部113cの上方に位置し、第1の位置決め部131および第2の位置決め部132は、位置決め部と呼ばれる。
【0058】
ここで、位置決め部の形状は限定されず、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができ、チップ11の固定および装着を容易にすればよく、たとえば、位置決め部は、半円形、三角形または矩形などの形状および構造に設定されてもよい。位置決め部の具体的な設置位置は限定されず、位置決め部をリセット接触部112cおよびクロック接触部113cの上方に設置させればよく、ここでは説明を省略する。位置決め部の設置により、チップ11の装着効率を効果的に高め、チップ11の使用の利便性および信頼性を高める。
【0059】
また、本技術的解決手段において、チップ11の具体的な形状および構造は限定されず、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができ、たとえば、
図2に示す矩形構造のチップ11のように設定することができ、当然のことながら、さらにチップ11は面取り矩形構造のような他の形状および構造に設定されてもよく、ここで、面取り矩形構造には、複数の使用ケースが含まれ、それは以下を含む。
【0060】
1つの面取り角を備えるチップ11構造であって、その具体的な構造は、
図10のインクジェットプリンター用チップの構造概略図に示すが、
図10から分かるように、該図面のチップ11構造が備える第2の面取り角135は、チップ11の上端における右側の端角部に設けられ、当然のことながら、当業者は、さらに第2の面取り角135をチップ11の上端における左側の端角部、下端における左側の端角部または下端における右側の端角部などに設定することができ、具体的な設置位置について、チップ11に1つの面取り角があれば、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができ、ここでは説明を省略する。
【0061】
2つの面取り角を備えるチップ11の構造であって、その具体的な構造は、
図11のインクジェットプリンター用チップの構造概略図に示すが、
図12は、
図11のインクジェットプリンター用チップの背面図であり、
図11〜12から分かるように、チップ11には2つの面取り角が設けられており、2つの面取り角は、それぞれチップ11の上端における左側の端角部および上端における右側の端角部に設けられており、すなわち第1の面取り角134および第2の面取り角135であり、当然のことながら、当業者は、2つの面取り角をさらに他の位置に設置することができ、たとえば、そのうちの1つの面取り角は、上端における左側の端角部または上端における右側の端角部に設けられ、もう1つの面取り角は下端における左側の端角部または下端における右側の端角部などに設けられ、具体的には、チップ11は、2つの面取り角が設けられる構造になるようにすれば、当業者は、具体的な設計需要に応じて任意に設定することができ、ここでは説明を省略する。
【0062】
3つの面取り角を備えるチップ11の構造であって、すなわちチップ11には、第1の面取り角134、第2の面取り角135および第3の面取り角136が設けられており、第1の面取り角134、第2の面取り角135および第3の面取り角136の具体的な設置位置は限定されず、たとえば、チップ11の4つの端角部のいずれか1つの端角部には、面取り角が設けられず、他の3つの端角部には、面取り角が設けられており、チップ11には、3つの面取り角があれば、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができ、ここでは説明を省略する。
【0063】
4つの面取り角を備えるチップ11の構造は、具体的に
図14のインクジェットプリンター用チップの構造概略図に示す。
図14から分かるように、チップ11の4つの端角部には、いずれも面取り角が設けられ、すなわちそれぞれ第1の面取り角134、第2の面取り角135、第3の面取り角136および第4の面取り角137である。
【0064】
面取り角の設置により、チップ11の体積を減らし、インクカートリッジ20およびチップ11を迅速かつ効果的に装着することができ、インクカートリッジ20およびチップ11の装着効率を高め、同時に装着プロセスにおいてチップ11とインクカートリッジ装着部30との摩擦を回避する。当然のことながら、チップ11の面取り角を丸角に設定するなど、チップ11の体積を減らし、かつ装着しやすいようにすれば、当業者は、さらに他の形状および構造のチップ11構造を設定することができ、ここでは説明を省略する。
【0065】
本発明の他の方面は、上記インクジェットプリンター用チップを備えるインクジェットプリンターをさらに提供する。
【0066】
本発明の提供するインクジェットプリンターにおいて、インクジェットプリンター用チップの構造に対応する接触ピン32が設けられることにより、従来技術において、チップ11の電源端子116は、プリンターの対応する接触ピン32に既に接続しているが、装着検出端子が正常な接続を確立できないせいで、プリンターがチップ11を認識できず、またはチップ11、プリンターが壊れてしまうことを回避し、プリンターの使用の安定性および信頼性を保証し、また、くり抜き部133の設置により、接触ピンとチップ11との接触ストロークを効果的に短縮させ、接触ピン32の摩耗を低減させ、接触ピン32の摩耗による接触不良がチップ11とプリンターとの電気的伝達に影響する問題を回避し、さらにチップ11の使用の安定性および信頼性を高め、市場への普及および応用に寄与する。
【0067】
具体的に装着する場合、まずチップ11をインクカートリッジ20に装着し、インクカートリッジ20の具体的な構造は、
図17のインクカートリッジ20の立体構造の概略図に示す。
図17から分かるように、具体的には、インクカートリッジ20は、ハウジング22を備え、ハウジング22の四周には、第1の面20a、第2の面20b、第3の面20cおよび第4の面20dが設けられており、ハウジング22には、インク吐出口21が設けられており、そのインク吐出口21は、ハウジング22の第3の面20cに設けられ、チップ11は、チップホルダ24によってインクカートリッジ20に装着される。
【0068】
当然のことながら、インクカートリッジ20の具体的な構造は、上記構造に限定されるものではなく、チップ11をインクカートリッジ20に装着できれば、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができ、ここでは説明を省略する。
【0069】
次に、チップ11が装着されたインクカートリッジ20をインクジェットプリンターに装着し、具体的には、インクカートリッジ20には、チップ11を装着するためのチップホルダ24が設けられており、チップホルダ24によってチップ11をインクカートリッジ20に装着することができる。その後、チップ11が装着されたインクカートリッジ20をインクジェットプリンターに装着し、インクカートリッジ20がインクジェットプリンターへ装着する利便性および信頼性を高めるために、ハンドル23には、第1の係止位置231が設けられ、インクカートリッジ20の第4の面20dには、インクジェットプリンターと係止するための第2の係止位置25が設けられており、かつインクカートリッジ20には、インクカートリッジ20を取り外しやすいハンドル23がさらに独立して設けられており、第1の係止位置231は、ハンドル23の下端に設けられており、したがって、第1の係止位置231および第2の係止位置25によってチップ11を有するインクカートリッジ20をインクジェットプリンターに効果的に装着することができ、さらにインクカートリッジ20がインクジェットプリンターへ装着する信頼性を効果的に保証する。
【0070】
当然のことながら、
図15のインクカートリッジ20の構造概略
図1に示すように、本技術的解決手段におけるチップを、さらに様々な構造のインクカートリッジ20に装着することができる。
図16は、インクカートリッジ20の構造概略
図2であり、
図18は、インクカートリッジ装着部30の構造概略図である。
図15〜16、
図18から分かるように、そのインクカートリッジ20の全体は略矩形の構造であり、インクカートリッジ20は、ハウジング22を備え、ハウジング22の底端には、インク吐出口21が設けられており、かつハウジング22の片側端には、チップ11が装着されており、インクカートリッジ20は、インクカートリッジ装着部30によってプリンターに装着されており、具体的には、インクカートリッジ20は、インクカートリッジ装着部30によってインクジェットプリンターに装着され、インクカートリッジ装着部30については、インクカートリッジ装着部30には、インク供給針31、接触ピン32およびプリントヘッド33が設けられており、インクカートリッジ20をインクカートリッジ装着部30に装着する時、インク供給針31が針状を呈するため、インク供給針31は、インク吐出口21を突き刺してハウジング22の内部に位置するインクに連通することができ、ここで、方向Pは、インクカートリッジ20が装着部に装着される方向を示し、さらにプリンターにインクを提供する機能が実現され、接触ピン32は、チップ11における接続端子と接触し、インクカートリッジ20の装着検出機能およびプリンターとインクカートリッジ20との間のデータ伝送機能が実現され、一般的には、チップ11には、メーカーの情報、インク量の情報、インクカートリッジ20の種別およびインク色などの情報が記憶されている。
【0071】
ここで、上記装着プロセスにおける接触ピン32の具体的な形状および構造は限定されず、当業者は、具体的な設計需要に応じて設定することができる。接触ピン32の数および相対位置は、チップ11における接続端子と1対1に接触するように、チップ11における接続端子の数および相対位置に対応することが理解できる。ここで、好ましくは、
図19の第1の接触ピン32aの構造概略図のようなものである。
図20は、インクジェットプリンター用チップと接触ピン32の分割接続構造の概略図であり、
図21は、チップ11と接触ピン32の接続構造の概略図である。
図19〜21から分かるように、チップ11における接続端子に接続される他の接触ピン32b〜32iの構造は、接触ピン32の構造と同一であり、具体的には、接触ピン32は、第1の接触ヘッド321と第2の接触ヘッド322とを備え、第1の接触ヘッド321は、接続部323によって第2の接触ヘッド322に接続され、第1の接触ヘッド321および第2の接触ヘッド322は、いずれも三角突起構造であり、三角突起構造は、リッジ状の先端部321bと、先端部321bと接続部323との間に設けられている傾斜部321aとを備える。
【0072】
接触ピン32がチップ11における接続端子と接触する場合、接触ピン32の先端部321bは、くり抜き部133の上端に位置する接続端子以外の他の接続端子に接触する。接触ピン32の傾斜部321aは、くり抜き部133を貫通してくり抜き部133の上端の接続端子に接触する。くり抜き部133の上端に電源端子116のみがある場合、接触ピン32の傾斜部321aは、くり抜き部133を貫通して電源端子116の接触部に接触し、具体的な接続構造は、
図21に示す。したがって、チップ11の装着プロセスにおいて、接触ピン32のリッジ状の先端部321bがチップ11と摩擦することはなく、プリンターがしばらく使用された後、接触ピン32(電源接触ピン32)の先端部321bが摩耗する状況は発生せず、単に傾斜部321aが摩耗し、傾斜部321aは、傾斜面であって先端部ではないため、先端部321bとチップ11とが摩擦する状況に比べて、傾斜部321aの摩耗はわずかであり、同時にくり抜き部133の設置により、接触ピン32とチップ11との接触ストロークを短縮させ、接触ピン32の摩耗を低減させ、接触ピン32の摩耗による接触不良がチップ11とプリンターとの電気的伝達に影響する問題を回避する。さらにチップ11の全体とプリンターとの装着プロセスが完了し、印刷を希望する場合、プリンターをいつでも起動して印刷することができる。
【0073】
具体的に応用される場合、
図2〜5から分かるように、チップ11にくり抜き部133が設けられているため、チップ11の全体の形状および構造が「n」字状に近似するようになる。チップ11は、9つの接続端子、第1の短絡検出端子121、第2の短絡検出端子122、第1の位置決め部131、第2の位置決め部132、くり抜き部133、メモリ141、他の電気機能を実現するための電気部品142、第1の表面および第2の表面を含み、そのうち、方向Pは、チップ11がインクカートリッジ20と共に装着部に装着される方向を表す。チップ11は、プリンターにおける接触ピン32と接触し、当業者が理解されるように、接触ピン32は、それぞれ9つの接続端子に電気的接続されて相互に独立した9つの接触ピン32a〜32iを備え、9つの接続端子が接触ピン32と接触する接触位置は、接続端子の接触部である。ここで、9つの接続端子は、第1の直列端子111、第2の直列端子114、リセット端子112、クロック端子113、第1の装着検出端子115、第2の装着検出端子119、電源端子116、接地端子117およびデータ端子118を備え、そして、このチップ11には、第1の短絡検出端子121および第2の短絡検出端子122がさらに設けられている。各端子の役割について、第1の装着検出端子115および第2の装着検出端子119は、インクカートリッジ20が正しく装着されているか否かを検出するために用いられる。リセット端子112、クロック端子113、電源端子116、接地端子117およびデータ端子118は、メモリ141に接続され、それと通信することができる。従来技術において、プリンターによって第1の装着検出端子115および第2の装着検出端子119に供給される電圧は、一般的に42Vであり、メモリ141およびその電源端子116、データ端子118の作動電圧は、3.3Vであり、このように端子間に短絡が発生する可能性があり、短絡が発生するとチップ11またはプリンターを損傷し、したがって、本実施例において端子間の短絡を検出できる第1の短絡検出端子121および第2の短絡検出端子122が設けられている。電源端子116は、プリンターから電力を受けてチップ11のメモリ141に供給するために用いられ、それによってチップ11とプリンターとの間のデータ伝送に電力を供給することができ、両者の間のデータ伝送を保証する。電源端子116は、最も重要なものであり、接触の安定性を得るために、電源端子116は、インク吐出口21に近い位置に配置される必要がある。しかしながら、電源端子116と第1の装着検出端子115および第2の装着検出端子119との間に短絡が発生すると、メモリ141に供給される電源の電圧が高すぎるようになり、メモリ141を損傷してしまい、したがって、電源端子116(電源接触部116c)は、できるかぎり第1の装着検出端子115および第2の装着検出端子119(第1の装着検出接触部115cおよび第2の装着検出接触部119c)から離れるようにする。
図2〜5に示すように、装着方向Pから見れば、第1の装着検出接触部115cおよび第2の装着検出接触部119cは、電源端子116および電源接触部116cの前端側に設けられており、かつ電源端子116は、くり抜き部133の上方の後端面に設けられ、第1の装着検出接触部115cおよび第2の装着検出接触部119cは、くり抜き部133の装着方向Pと直交する方向の左右両側に位置する。
図2に示すように、各端子の接触部は、装着方向Pにおいて複数行に配列され、本実施例におけるチップは、3行に配列される接続端子を備え、装着方向Pの前端側から順次L1、L2、L3であり、L1行の接続端子は、第1の装着検出端子115、接地端子117、データ端子118および第2の装着検出端子119を含み、L2行の接続端子は、電源端子116を含み、L3行の接続端子は、第1の直列端子111、リセット端子112、クロック端子113および第2の直列端子114を含む。さらに接続端子を
図11のような配列形態に設置してもよく、具体的には、L1行の接続端子は、第1の装着検出端子115および第2の装着検出端子119を含み、L2行の接続端子は、電源端子116、接地端子117およびデータ端子118を含み、L3行の接続端子は、第1の直列端子111、リセット端子112、クロック端子113および第2の直列端子114を含む。当然のことながら、当業者は、他の配列形態を採用してもよく、電源端子116の接触部をL2行に位置させ、かつ3行の接触部は、装着方向Pと直交する方向において重なる部分がなく、すなわち3行に位置する各接続端子の間は、千鳥配列の構造であればよい。
【0074】
上記の使用構造の設計により、電源端子116(電源接触部116c)は、第1の装着検出端子115および第2の装着検出端子119(第1の装着検出接触部115cおよび第2の装着検出接触部119c)から離れるようにし、その短絡が発生する可能性を効果的に削減する。同時に、このようにしてプリンターの長期使用後に、接触ピン32の位置がずれても、プリンターの接触ピン32は、第1の装着検出端子115および第2の装着端子119と接触しない場合に電源端子116と接触することはなく、それにより、装着検出が完了する前に電源端子116と接触ピン32が連通し、チップ11を認識できないまたはチップ11を損傷してしまう状況を回避する。
【0075】
使用されたチップ11に具体的な構造が
図6に示すような3行の接続端子が設けられる場合、3行の接続端子と接触する接触ピン32がチップ11に摩擦する距離は、それぞれs1、s2およびs3であり、ここで、s1は、1行目の接続端子に対応する接触ピン32とチップ11との摩擦距離を表し、s2は、クロック端子113に対応する接触ピン32とチップ11との摩擦距離を表し、s3は、リセット端子112に対応する接触ピン32とチップ11との摩擦距離を表す。くり抜き部133の設置により、電源端子116、リセット端子112および接地端子117に対応する接触ピン32とチップ11との接触ストロークを効果的に短縮させ、接触ピン32の摩耗を低減させ、接触ピン32の摩耗による接触不良がチップ11とプリンターとの電気的伝達に影響する問題を回避し、チップ11の使用の安全性と信頼性を高める。
【0076】
本技術的解決手段の提供するインクジェットプリンター用チップは、従来技術におけるプリンター用チップ11と比べて、その利点は以下のとおりである。
【0077】
まず、チップ11に設けられる電源端子116は、プリンターから電力を受けてチップ11のメモリ141に供給するために用いられる。装着検出に用いられる第1の装着検出接触部115cおよび第2の装着検出接触部119cは、電源端子116の前端側(チップ11の装着方向Pに沿い)に設けられると、接触ピン32の位置がずれても、プリンターの接触ピン32は、第1の装着検出端子115および第2の装着端子119と接触しない場合に、電源端子116と接触することはなく、これにより、装着検出が完了する前に電源端子116と接触ピン32が連通し、チップ11を認識できないまたはチップ11を損傷してしまう状況を回避する。
【0078】
次に、くり抜き部133の設置により、接触ピン32とチップ11との接触ストロークを効果的に短縮させ、接触ピン32の摩耗を低減させ、接触ピン32の摩耗による接触不良がチップ11とプリンターとの電気的伝達に影響する問題を回避する。
【0079】
最後に、少なくとも1つの装着検出接触部は、クロック端子113、リセット端子112、第1の直列端子111および第2の直列端子114の前端側(チップ11の装着方向pに沿い)に位置し、かつ装着検出端子および上記接続端子は、相互に離れており、装着検出端子と上記接続端子との間に短絡が発生することを回避でき、かつクロック端子113、リセット端子112、第1の直列端子111および第2の直列端子114の検出完了を確保した後、装着検出端子が接触ピン32と接触し、チップ11の使用の安定性および信頼性を効果的に保証する。
【0080】
最後に説明するべきであることは、以上の各実施例は、本発明の技術的解決手段を説明するためのものにすぎず、それを限定するものではない。前述した各実施例を参照しながら本発明について詳細に説明したが、当業者は、依然として前述した各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、またはその一部またはすべての技術的特徴に対して同等の置換えを行うことができ、これらの修正または置換えは対応する技術的解決手段を本発明の各実施例における技術的解決手段の範囲から逸脱させないことを理解すべきである。