特許第6940733号(P6940733)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6940733
(24)【登録日】2021年9月7日
(45)【発行日】2021年9月29日
(54)【発明の名称】リモコンアダプター
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/00 20110101AFI20210916BHJP
   H04N 5/44 20110101ALI20210916BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20210916BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20210916BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20210916BHJP
   G08B 21/04 20060101ALI20210916BHJP
【FI】
   H04N5/00 B
   H04N5/44 003
   H04N7/18 D
   G08B25/04 K
   G08B25/10 A
   G08B21/04
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-12187(P2017-12187)
(22)【出願日】2017年1月26日
(65)【公開番号】特開2018-121242(P2018-121242A)
(43)【公開日】2018年8月2日
【審査請求日】2020年1月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】505440815
【氏名又は名称】株式会社 テレジャパン
(73)【特許権者】
【識別番号】520030822
【氏名又は名称】株式会社アイ・エム・ディ
(74)【代理人】
【識別番号】100127328
【弁理士】
【氏名又は名称】八木澤 史彦
(72)【発明者】
【氏名】宗像 忠夫
(72)【発明者】
【氏名】辺見 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 利一
【審査官】 益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−197264(JP,A)
【文献】 特開2004−274296(JP,A)
【文献】 特開2006−178574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/00
H04N 7/18
G08B 21/02
G08B 23/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
見守り対象がテレビ受像機による放送内容に応じて応答する操作をする前記テレビ受像機のリモコン装置からのリモコン信号を受信するリモコン信号受信手段と、
前記放送内容を送信する管理装置と時刻同期する時刻同期手段と、
前記リモコン信号と、前記リモコン信号を受信したときの時刻を示す時刻情報とを含む無線情報を生成する無線情報生成手段と、
前記無線情報を前記管理装置に無線送信する無線通信手段と、
前記管理装置から前記放送内容を示す放送データを受信し、前記テレビ受像機を制御するための制御信号を前記テレビ受像機に送信し、前記テレビ受像機に前記放送データを表示及び音声を発生させるテレビ受像機制御手段と、
外部のセンサーからのセンサー信号を受信するセンサー信号受信手段と、
前記管理装置から前記センサー信号に応じた前記放送データを受信する放送データ受信手段と、
を有するリモコンアダプター。
【請求項2】
前記無線情報を受信したことを示す確認情報を前記管理装置から受信すると、前記確認情報を受信したことを前記見守り対象に認識させる認識惹起手段を有する請求項1に記載のリモコンアダプター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモコンアダプターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを介して遠隔地から、対象となる人を見守るシステムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許5680127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、見守りの対象となる人が、インターネットへの接続手段を有していない場合がある。また、見守りの対象となる人が、複雑な電子機器の操作を実施できない場合や、不慣れな場合もある。
【0005】
本発明はかかる問題の解決を試みたものであり、インターネットへの接続手段を有していない場合であっても、簡易な操作によって、見守りの対象となる人が放送内容に応じて応答することで、情報を外部に伝達することができる手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の発明は、見守り対象がテレビ受像機による放送内容に応じて応答する操作をする前記テレビ受像機のリモコン装置からのリモコン信号を受信するリモコン信号受信手段と、 前記放送内容を送信する管理装置と時刻同期する時刻同期手段と、 前記リモコン信号と、前記リモコン信号を受信したときの時刻を示す時刻情報とを含む無線情報を生成する無線情報生成手段と、 前記無線情報を前記管理装置に無線送信する無線通信手段と、
を有するリモコンアダプターである。
【0007】
テレビ受像機のリモコンは、誰しもが日常的に使用する機器であるから、見守り対象にとって、その操作は容易であり、不慣れということもない。本発明のリモコンアダプターは、そのようなリモコンからのリモコン信号を受信して、管理装置に無線送信することができる。本発明における「リモコンアダプター」の意義は、テレビ受像機のリモコン装置からの信号を受信し、管理装置と信号やデータを送受信する装置である。リモコンアダプターは、管理装置と時刻同期しており、リモコン信号と時刻情報とを含む無線情報を管理装置に送信し、管理装置において、放送内容とリモコン信号との紐づけをすることを可能にするようになっている。そして、リモコンアダプターは、無線情報を管理装置に無線送信するから、見守り対象が有する機器がインターネットへ接続する必要はない。すなわち、本発明のリモコンアダプターによれば、インターネットへの接続手段を有していない場合であっても、簡易な操作によって、見守りの対象となる人が放送内容に応じた操作をすることで、情報を外部に伝達することができる。
【0008】
第二の発明は、第一の発明の構成において、前記無線情報を受信したことを示す確認情報を前記管理装置から受信すると、前記確認情報を受信したことを前記見守り対象に認識させる認識惹起手段を有するリモコンアダプターである。
【0009】
第二の発明の構成によれば、リモコンアダプターは、管理装置が無線情報を受信したことを知らせることができるから、見守り対象に、安心感を与えることができる。
【0010】
第三の発明は、第一の発明または第二の発明の構成において、前記管理装置から前記放送内容を示す放送データを受信し、前記テレビ受像機を制御するための制御信号を前記テレビ受像機に送信し、前記テレビ受像機に前記放送データを表示及び音声を発生させるテレビ受像機制御手段を有するリモコンアダプターである。
【0011】
第三の発明の構成によれば、リモコンアダプターは、管理装置から放送内容を受信し、テレビ受像機を起動し、画像を表示したり、音声を発生させることができるから、見守り対象に対して、能動的に情報の送信を促すことができる。
【0012】
第四の発明は、第三の発明の構成において、外部のセンサーからのセンサー信号を受信するセンサー信号受信手段と、前記管理装置から前記センサー信号に応じた前記放送データを受信する放送データ受信手段とを有するリモコンアダプターである。
【0013】
第四の発明の構成によれば、例えば、見守り対象の住居のトイレに配置した人感センサーから、所定時間、見守り対象がトイレ内に滞在している場合に、センサー信号を受信することができる。そして、そのセンサー信号に応じて、管理装置から放送データを受信し、テレビ受像機に画像表示や音声発生をさせることができる。もしも、見守り対象がトイレ内で身動きできなくなっているなど、見守り対象から、リモコン信号を受信しない場合には、リモコンアダプターは管理装置に対して、リモコン信号を受信しない旨の情報を送信する、あるいは、何らの情報も送信しない。これにより、管理装置に対して、見守り対象に変事が生じたことを認識させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、インターネットへの接続手段を有していない場合であっても、簡易な操作によって、見守りの対象となる人が放送内容に応答することで、情報を外部に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係るリモコンアダプター及び関連機器を示す概略図である。
図2】リモコンアダプターの機能ブロックを示す概略図である。
図3】時刻同期のアルゴリズムの一例を示す図である。
図4】リモコンアダプターの動作を示すフローチャートである。
図5】発明の実施形態に係るリモコンアダプター及び関連機器を示す概略図である。
図6】リモコンアダプターの機能ブロックを示す概略図である。
図7】リモコンアダプターの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以下の説明においては、同様の構成には同じ符号を付し、その説明を省略又は簡略する。なお、当業者が適宜実施できる構成については説明を省略し、本発明の基本的な構成についてのみ説明する。
【0017】
<第一の実施形態>
図1に示すように、本実施形態のリモコンアダプター1(以下、「アダプター1」という。)は、家屋100の内部に配置される。家屋100の内部には、アダプター1のほかに、テレビ受像機110、テレビ受像機110を制御するためのリモコン120が配置されている。見守り対象は、例えば、高齢の人である。見守り対象は、リモコン120を操作して、テレビ受像機110を制御し、所望の番組を視聴することができる。また、見守り対象は、テレビ受像機110に表示される放送内容に応じて、質問や問いかけに応答するために、リモコン120を操作し、リモコン信号をアダプター1に送信することができる。テレビ受像機110は放送データを、放送局200から直接、あるいは、管理装置300を介して、受信するようになっている。管理装置300は、放送局200から受信した放送データを格納する放送データベース302と、アダプター1から受信したデータを格納するリモコンデータベース304を有する。管理装置300がアダプター1から受信したデータは、見守り対象が応答することによって、アダプター1に送信したデータである。管理装置300は放送局200と時刻同期しており、また、アダプター1と管理装置300も時刻同期している。時刻同期のアルゴリズムについては後述する。
【0018】
アダプター1は、リモコン受光部12を有し、リモコン120からの赤外線信号を受信することができる。また、アダプター1は、LED発光部14を有し、管理装置300から後述の確認信号を受信した場合に、LED発光部14を発光させ、見守り対象に対して、確認信号の受信を知らせることができる。
【0019】
図2は、アダプター1の機能構成を示す図である。アダプター1は、CPU(Central Processing Unit)50、記憶部52、リモコン信号受信部54、同期用クロック部56、無線通信部58、及び、電源部70を有する。
【0020】
アダプター1は、リモコン信号受信部54によって、リモコン120からのリモコン信号を受信することができる。リモコン信号受信部54は、リモコン信号受信手段の一例である。
【0021】
アダプター1は、同期用クロック部56によって、リモコン120からリモコン信号を受信した時刻を記録することができる。
【0022】
アダプター1は、無線通信部58によって、管理装置300と無線通信することができる。無線通信部58は、無線通信手段の一例である。
【0023】
電源部70は、アダプター1の各部に電力を供給するようになっている。
【0024】
記憶部52には、アダプター1の固有の識別コードやアダプター1の各部の動作を制御するための一般的なプログラムやデータが格納されているほか、以下のプログラムが格納されている。記憶部52には、時刻同期プログラム、無線情報生成プログラム、認識惹起プログラムが格納されている。CPU50と時刻同期プログラムは時刻同期手段の一例である。CPU50と無線情報生成プログラムは無線情報生成手段の一例である。CPU50と認識惹起プログラムは認識惹起手段の一例である。
【0025】
アダプター1は、時刻同期プログラムによって、所定の時間間隔で、同期用クロック部56の時刻と管理装置300のクロックの時刻を同期させている。図3に、時刻同期のアルゴリズムの一例を示す。管理装置300のクロックによる時刻を管理装置時刻st、アダプター1の同期用クロック部56による時刻をアダプター時刻atとする。例えば、アダプター1から管理装置300に対して、時刻at0に送信した情報を管理装置300が時刻st1に受信し、管理装置300からアダプター1に対して、時刻st2に送信した情報をアダプター1が時刻at3に受信したとする。式1によって、往復時間RTTを算出することができる。RTT=(st1−at0)+(at3−at2)である。なお、アダプター1と管理装置300のクロックの間に誤差がある場合には、式1の計算において、相殺される。式2の計算によって、管理装置300とアダプター1との間の時刻差dtを算出することができる。dt=RTT/2である。そして、式3によって、アダプター時刻atの補正値ratを算出することができる。rat=st+dtである。アダプター1は、例えば、at0及びat3はアダプター1自体の記録を使用し、時刻st1及びst2は、管理装置300から受信して、上記計算を実施する。放送局200と管理装置300の間の時刻同期、放送データベース302とリモコンデータベース304の間の時刻同期も同様に行う。なお、このような時刻同期において、インターネットを使用して情報を送受信する場合には、インターネットの通信速度が変動することによって、時刻同期の信頼性が低下するが、本実施形態においては、時刻同期のための情報の送受信にインターネットを経由しないので、時刻同期の信頼性が高い。
【0026】
アダプター1は、無線情報生成プログラムによって、リモコン120から受信したリモコン情報と、そのリモコン情報を受信したときの時刻を示す時刻情報(タイムスタンプ)及びアダプター1の識別コードとを含む無線情報を生成する。
【0027】
アダプター1が管理装置300に無線情報を送信すると、管理装置300からアダプター1に対して、無線情報を受信したことを示す確認情報が送信される。アダプター1は、認識惹起プログラムによって、確認情報を受信した旨の表示を行う。具体的には、アダプター1は、LED発光装置14を発光させる。上述のように、アダプター1と管理装置300の送受信は無線で行われるから、地震などの災害時等において、インターネット網が破壊された場合であっても、見守り対象からの情報を外部に送信することができ、災害時等の非常事態おいても有効である。
【0028】
以下、アダプター1の動作を、図4のフローチャートを参照して説明する。見守り対象がテレビ受像機110に映し出される放送内容に応じてリモコン120を操作すると、アダプター1は、リモコン120からリモコン信号を受信し(ステップST1)、リモコン信号とタイムスタンプ及び識別コードを含む無線情報を管理装置300へ無線送信する(ステップST2)。アダプター1は、無線情報を受信した管理装置300から確認情報を受信すると(ステップST3)、確認信号を受信したことを示す点灯を実施する(ステップST4)。
【0029】
<第二の実施形態>
次に、第二の実施形態について説明する。第一の実施形態と共通する事項は説明を省略する。
【0030】
第二の実施形態においては、家屋100内部のトイレ室130に、人感センサー132が配置されている。人感センサー132は、人がトイレ室130内への人の出入りを検知する。また、人感センサー132は、人がトイレ室130内に入り、所定時間である例えば、10分間以上、トイレ室130から出ないという条件を満たす場合に、緊急事態を示すセンサー信号を発信するようになっている。
【0031】
アダプター1は、人感センサー132からセンサー信号を受信すると、そのセンサー信号と識別コードを管理装置300へ無線送信し、管理装置300から、センサー信号の内容に応じた放送データを受信する。そして、アダプター1は、テレビ受像機110に制御信号及び放送データを送信し、管理装置300から受信した放送データを表示し、音声を発生させる。音声は、例えば、「体調は大丈夫ですか?大丈夫ならリモコンボタン「1」を押してください」とか「お元気ですか?お元気ならリモコンボタン「1」を押してください」という内容である。その後、アダプター1は、所定時間である、例えば、3分間、リモコン120からリモコン信号を受信しない場合には、管理装置300に対して、リモコン120から信号を受信しないことを示す緊急情報と識別コードを無線送信する。緊急情報を受信した管理装置300は、例えば、見守り対象の関係者に緊急事態を示す通知を送信するなどの対応をする。
【0032】
図6に示すように、第二の実施形態のアダプター1は、センサー信号受信部60と、リモコン信号送信部62を有する。センサー信号受信部60はセンサー信号受信装置の一例である。アダプター1は、センサー信号受信部60によって、人感センサー132からのセンサー信号を受信する。リモコン信号送信部62は、リモコン120と同様のテレビ受像機110の制御信号と、テレビ受像機110が表示する放送データを送信する。
【0033】
記憶部52には、放送データ要求プログラム、テレビ受像機制御プログラムが格納されている。CPU50と放送データ要求プログラムは、放送データ要求手段の一例である。CPU50とテレビ受像機制御プログラムは、テレビ受像機制御手段の一例である。
【0034】
アダプター1は、人感センサー132からセンサー信号を受信すると、放送データ要求プログラムによって、そのセンサー信号を管理装置300へ送信することによって、放送データを要求する。
【0035】
アダプター1は、テレビ受像機制御手段によって、リモコン信号送信部62からテレビ受像機110に対して、制御信号及び放送データを送信し、管理装置300から受信した放送データをテレビ受像機110に表示させ、また、音声を発生させる。
【0036】
以下、アダプター1の動作を、図7のフローチャートを参照して説明する。アダプター1は、人感センサー132からセンサー信号を受信すると(ステップST101)、そのセンサー信号とアダプター1の識別コードを管理装置300へ無線送信する(ステップST102)。アダプター1は、管理装置300から安否確認用の放送データを受信すると(ステップST103)、テレビ受像機110を制御し、放送データを表示、音声を発生させる(ステップST104)。
【0037】
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0038】
1 リモコンアダプター
110 テレビ受像機
120 リモコン
132 人感センサー
200 放送局
300 管理装置
302 放送データベース
304 リモコンデータベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7