【実施例】
【0012】
図1は、本発明の一実施例に係る発生地点抽出装置100を含むシステム10の構成を示す説明図である。なお、発生地点抽出装置100には発生地点抽出プログラムが内蔵されており、発生地点抽出装置100を実施すると発生地点抽出方法が実施される。
【0013】
図1に示すように、発生地点抽出装置100を含むシステム10は、発生地点抽出装置100と、道路状態情報管理サーバ200と、走行情報管理サーバ300とを有し、それぞれネットワーク400aを介して通信可能に接続されている。
道路状態情報管理サーバ200は、普通車に分類されるパトロール車両500a、500bが走行し、パトロール車両500a、500bに搭載された携帯端末600a、600bが取得した時刻、位置、及び3軸の加速度の情報を含む道路状態情報を、ネットワーク400bを介して収集する。道路状態情報管理サーバ200は、3軸の加速度の情報のうち、主に上下方向の加速度の情報に基づき、位置の情報を対応付けた路面の平坦性情報を生成して、発生地点抽出装置100に送信する。路面の平坦性情報としては、路面の平坦性の指標となる値であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
なお、3軸の加速度の情報があれば、前後及び左右の加速度の測定値から速度変化やカーブによる上下方向の加速度の情報に対する変動分を求めることができる。そして、変動分を用いて補正した上下方向の加速度の情報は、路面の劣化に起因して生じる振動だけを捉えた上下方向の加速度の情報に近づけることができる。
走行情報管理サーバ300は、大型車に分類されるトラック等の車両700a、700b、700cに搭載されるデジタルタコグラフ等の走行情報取得端末800a、800b、800cから時刻、位置、速度、及び車両重量の情報を含む走行情報を、ネットワーク400cを介してそれぞれ収集し、発生地点抽出装置100に送信する。
【0014】
発生地点抽出装置100は、道路状態情報管理サーバ200で生成した路面の平坦性情報と、走行情報管理サーバ300から送信されたトラックなどの走行情報とに基づき、振動及び/又は騒音に関する値を時刻及び位置ごとに算出し、振動及び/又は騒音に関する値が所定の値以上の地点を抽出する。
振動及び/又は騒音に関する値とは、例えば、振動及び/又は騒音を発生させるエネルギーに関する値などであり、例えば、後述する振動レベル、騒音レベルなどが挙げられる。
地点とは、例えば、GPS(Global Positioning System)ユニットなどを用いて、緯度経度によりピンポイントで示すことができる場所である。
【0015】
このように、パトロール車両500が走行することにより得た路面の平坦性情報と、トラック等の車両の走行情報に含まれる速度及び車両重量の情報とに基づき、時刻及び位置ごとに算出した振動及び/又は騒音に関する値が所定の値以上である地点を、抽出することにより、振動及び/又は騒音を実測することなく、振動及び/又は騒音が発生しやすい地点に対して補修等ができるため、道路の近隣住民等から苦情が発生する前に対応することが可能となる。振動及び/又は騒音に関する苦情が発生した後であっても、振動及び/又は騒音が発生する地点を特定しやすくなる。
【0016】
道路状態情報管理サーバ200から送信された時刻、位置、及び3軸の加速度の情報を含む道路状態情報と、走行情報管理サーバ300から送信された時刻、位置、速度、及び車両重量の情報を含む走行情報とを対応付ける方法としては、例えば、道路状態情報と走行情報がそれぞれ含む位置の情報に基づき、50mや100mごとに区切られた道路の管理単位ごとに割振って対応付ける方法、道路状態情報と走行情報がそれぞれ含む位置の情報に基づき、最も近い位置の情報を有する道路状態情報と走行情報とを対応付ける方法などが挙げられる。これらの中でも、管理単位ごとに割り振って対応付ける方法が、管理単位を道路補修の発注単位とした場合、道路補修を迅速に発注できる点で好ましい。
【0017】
発生地点抽出装置100は、振動及び/又は騒音に関する値を算出する前に、ホイールベースが比較的短い第1の車両群により道路状態情報を取得し、道路状態情報における加速度の情報に基づき、路面の平坦性情報を算出し、算出した路面の平坦性情報が所定の値以上のエリアを抽出することが好ましい。これにより、振動及び/又は騒音に関する苦情が発生していない場合であっても、振動及び/又は騒音が発生しやすいエリアを精度良く抽出することにより、抽出したエリアを重点的に補修等できるため、苦情の発生を未然に防止することができる。
エリアとは、地点を含み、その地点の周辺を矩形状に囲んだ領域であり、例えば、
図2中のA及びBに示すような領域である。
また、
図2に示すように、算出した平坦性情報に基づき、路面の平坦性の悪化程度を段階的に濃淡で表すと、日本において市町村レベルで地域を分割した場合、路面の平坦性の悪化程度が特に悪いある市の全体を含むエリアAが抽出され、エリアAにおいて濃い箇所が集中しているエリアBについて重点的に補修等をする計画を立案することができる。なお、苦情が発生した場合であっても、苦情が発生したエリアを指定することにより、振動及び/又は騒音が発生する地点を特定しやすくすることができる。
【0018】
第1の車両群の車両は、第2の車両群の車両よりも加速度の情報を感度良く測定することができる車両であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ホイールベースが第2の車両群の車両のホイールベースがよりも短い車両が好ましい。第1の車両群の車両のホイールベースが第2の車両群の車両のホイールベースがよりも短ければ、ホイールベースが長い車両よりも加速度センサの反応が大きくなる場合がある点で有利である。
なお、本実施例では、道路状態情報における加速度の情報に基づき、路面の平坦性情報を算出するようにしたが、これに限ることなく、角速度の情報などに基づき、路面の平坦性情報を算出するようにしてもよい。
【0019】
第2の車両群の車両は、第1の車両群の車両よりも振動及び/又は騒音が発生しやすい車両であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第1の車両群の車両よりも車両重量が重い車両などが挙げられる。第2の車両群の車両は、積荷を積載できる場合、車両重量に積荷の重量が加わった車両であってもよい。重量が重い車両であると、振動及び/又は騒音が発生しやすいため、検証しやすい。
【0020】
次に、道路状態情報管理サーバ200にネットワーク400bを介して通信可能に接続されている携帯端末600a、600b、600c、及び各携帯端末を搭載するパトロール車両500a、500b、500cの詳細について説明する。
なお、パトロール車両500a、500b、500cは、機能構成及びハードウェア構成についてそれぞれ同様であることから、「パトロール車両500」と称してまとめて説明する。また、携帯端末600a、600b、600cは、機能構成及びハードウェア構成についてそれぞれ同様であることから、「携帯端末600」と称してまとめて説明する。更に、携帯端末600を搭載するパトロール車両500は多いほうが好ましく、道路状態情報管理サーバ200は複数であってもよい。
【0021】
パトロール車両500は、道路状態を巡視するための車両であり、巡視の対象となる道路も含めたあらゆる道路を日常的に走行する。パトロール車両500に搭載される携帯端末600は、道路の平坦性、段差、たわみなどの路面の劣化に起因して生じるパトロール車両500の振動を捉える目的で、3軸(上下、左右、前後)の加速度を測定する。
なお、道路のたわみとは、橋梁などで発生しやすく、橋梁などがたわんだ後にもとの形に戻る際に振動や騒音の原因となる。
携帯端末600は、加速度の情報の取得(加速度の測定)に同期させて緯度及び経度の位置の情報を取得し、同期させた時刻の情報、位置の情報、及び加速度の情報に、車両の情報を対応付けて発生地点抽出装置100に送信する。
車両の情報は、パトロール車両500の情報であり、車両重量、ホイールベースの情報を含む情報である。
携帯端末600としては、例えば、加速度センサユニット及びGPSユニットを有するスマートフォンやタブレット等のスマートデバイスなどが挙げられる。
なお、本実施例では、携帯端末600により加速度の情報及び緯度及び経度の位置の情報を取得するとしたが、これに限られることなく、道路を走行して加速度の情報及び緯度及び経度の位置の情報を取得可能な機器であればよい。
【0022】
図3は、携帯端末600の機能構成の一例を示す説明図である。
図3に示すように、携帯端末600は、制御手段610と、記憶手段620と、通信手段630と、を有する。
【0023】
制御手段610は、加速度取得部611と、位置情報取得部612と、記憶制御部613と、を有する。
【0024】
加速度取得部611及び位置情報取得部612は、所定の周期で同期しながら、3軸の加速度を測定し、緯度及び経度の位置の情報を取得する。
記憶制御部613は、3軸の加速度の情報と、加速度の情報の取得に同期させて取得した緯度及び経度の位置の情報と、取得した時刻とを対応付けた加速度の情報を記憶手段620の道路状態情報DB621に記憶させる。
【0025】
通信手段630は、制御手段610の指示に基づき、道路状態情報DB621に記憶された加速度の情報を発生地点抽出装置100に送信する。
【0026】
図4は、携帯端末600のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
図4に示すように、携帯端末600は、制御手段610と、記憶手段620と、通信手段630と、加速度センサユニット640と、GPSユニット650と、を有する。
【0027】
加速度センサユニット640は、加速度取得部611の指示に基づき、加速度の情報を取得する。
加速度センサユニット640としては、上下の加速度の情報を取得できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3軸の加速度の情報を取得できるものが好ましい。加速度センサユニット640が3軸の加速度の情報を取得できると、前後及び左右の加速度の情報から速度変化やカーブによる上下の加速度の情報に対する変動分を求めることができる。そして、変動分を用いて補正した上下の加速度の情報は、路面の劣化に起因して生じる振動だけを捉えた上下の加速度の情報に近づけることができる。
【0028】
GPSユニット650は、位置の情報取得部612の指示に基づき、携帯端末600の緯度及び経度の位置の情報を取得する。
【0029】
記憶手段620は、制御手段610の指示に基づき、加速度センサユニット640及びGPSユニット650により取得した加速度の情報及び位置の情報を対応付けて記憶する。
【0030】
通信手段630は、制御手段610の指示に基づき、記憶手段620に記憶された加速度の情報を発生地点抽出装置100に送信する。
【0031】
制御手段610は、記憶手段620に記憶された各種プログラムを実行し、携帯端末600全体を制御する。制御手段610としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)などが挙げられる。
【0032】
次に、道路状態情報管理サーバ200の詳細について説明する。
【0033】
図5は、道路状態情報管理サーバ200の機能構成の一例を示す説明図である。
図5に示すように、道路状態情報管理サーバ200は、通信手段210と、記憶手段220と、制御手段230と、入力手段240と、出力手段250と、を有する。
道路状態情報管理サーバ200は、各パトロール車両500にそれぞれ搭載される携帯端末600から道路状態情報を日々収集する装置である。
制御手段230は、通信手段210により受信した各パトロール車両500の道路状態情報を、記憶手段220の道路状態情報DB221に記憶させる。
また、制御手段230は、発生地点抽出装置100の指示により、道路状態情報DB221に記憶させた道路状態情報を、通信手段210により発生地点抽出装置100に送信する。
【0034】
図6は、道路状態情報の一例を示す説明図である。
図6に示すように、本実施例では、道路状態情報として「携帯端末ID、時刻の情報、位置の情報、速度の情報、加速度の情報、車両の情報」の項目を対応付けて道路状態情報DB221に格納する。
【0035】
「携帯端末ID」は、携帯端末600を識別するために用いられる符号である。
「時刻の情報」は、加速度センサユニット640及びGPSユニット650を同期させて位置の情報及び加速度の情報を取得した時刻の情報である。
「位置の情報」は、GPSユニット650により測定された経度緯度の情報である。
「速度の情報」は、車軸に設置した速度センサにより測定された車両の速度の測定結果である。
「加速度の情報」は、加速度センサユニット640により測定された3軸の加速度の測定結果である。
「車両の情報」は、携帯端末600が搭載されているパトロール車両500の情報であり、車両重量、ホイールベースなどの情報を含む。なお、車両の情報としては、これに限定されることなく、車両の種類、区別、最大積載量、車両の全長、全幅、全高などの情報を含んでもよい。
なお、本実施例では、6種の道路状態情報、即ち、携帯端末ID、時刻の情報、位置の情報、速度の情報、加速度の情報、車両の情報を用いる例で説明したが、これに限定されるものではない。
【0036】
図7は、道路状態情報管理サーバ200のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
図7に示すように、道路状態情報管理サーバ200は、通信手段210と、制御手段220と、記憶手段230と、入力手段240と、出力手段250と、ROM(Read Only Memory)260と、RAM(Random Access Memory)270と、を有する。なお、道路状態情報管理サーバ200の各手段は、バス280を介してそれぞれ通信可能に接続されている。
【0037】
通信手段210は、制御手段220の指示に基づき、各パトロール車両500に搭載されている携帯端末600から無線などにより道路状態情報を受信する。また、通信手段210は、制御手段220の指示に基づき、ネットワーク400aを介して発生地点抽出装置100に道路状態情報を送信する。
【0038】
制御手段220は、記憶手段230に記憶された各種プログラムを実行し、道路状態情報管理サーバ200全体を制御する。
制御手段220としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)などが挙げられる。
【0039】
記憶手段230は、制御手段220の指示に基づき、道路状態情報管理サーバ200にインストールされた各種プログラムや、プログラムを実行することにより生成されるデータ等を記憶する。
記憶手段230は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブなどのほか、CD(Compact Disc)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)ドライブなどの可搬記憶装置を有してもよい。また、記憶手段230は、ネットワーク上のコンピュータ群であるクラウドの一部であってもよい。
【0040】
入力手段240は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどであり、制御手段220の指示に基づき、道路状態情報管理サーバ200に対する各種指示を受け付ける。
【0041】
出力手段250は、例えば、ディスプレイ、スピーカーなどであり、制御手段220の指示に基づき、道路状態情報管理サーバ200の内部状態の表示を行う。
【0042】
ROM260は、記憶手段230に記憶された各種プログラムを制御手段220が実行するために必要な各種プログラム、データ等を記憶する。具体的には、BIOS(Basic Input/Output System)やEFI(Extensible Firmware Interface)等のブートプログラムなどを記憶する。
【0043】
RAM270は、主記憶装置であり、記憶手段230に記憶された各種プログラムが制御手段220によって実行される際に展開される作業領域として機能する。RAM270としては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)などが挙げられる。
【0044】
次に、
図1に戻り、走行情報管理サーバ300にネットワーク400cを介して通信可能に接続されている走行情報取得端末800a、800b、800c、及び各走行情報取得端末を搭載する車両700a、700b、700cの詳細について説明する。
なお、車両700a、700b、700cは、機能構成及びハードウェア構成についてそれぞれ同様であることから、「車両700」と称してまとめて説明する。また、走行情報取得端末800a、800b、800cは、機能構成及びハードウェア構成についてそれぞれ同様であることから、「走行情報取得端末800」と称してまとめて説明する。更に、走行情報取得端末800を搭載する車両700は多いほうが好ましく、走行情報管理サーバ300は複数であってもよい。
【0045】
走行情報取得端末800としては、本実施例では、トラックなどの大型車に搭載されるデジタルタコグラフとする。走行情報取得端末800は、GPSユニットと、車両の車軸に搭載された速度センサと、を有する。走行情報取得端末800は、GPSユニット及び速度センサを同期させて取得した位置の情報及び速度の情報を、同期させた時刻の情報と対応付けし、ネットワーク400cを介して走行情報管理サーバ300に送信する。
【0046】
走行情報管理サーバ300は、扱う情報が道路状態情報から走行情報に代わった以外は、道路状態情報管理サーバ200と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0047】
図8は、走行情報の一例を示す説明図である。
図8に示すように、本実施例では、走行情報として「走行情報取得端末ID、時刻の情報、位置の情報、速度の情報、車両の情報」の項目を対応付けて格納する。
【0048】
「走行情報取得端末ID」は、走行情報取得端末を識別するために用いられる符号である。
「時刻の情報」は、GPSユニット及び速度センサを同期させて位置の情報及び速度の情報を取得した時刻の情報である。
「位置の情報」は、GPSユニットにより測定された経度緯度の情報である。
「速度の情報」は、車軸に設置された速度センサにより測定された速度の測定結果である。
「車両の情報」は、走行情報取得端末800が搭載されている車両700の情報であり、車両重量、ホイールベースなどの情報を含む。なお、車両の情報としては、これに限定されることなく、車両の種類、区別、最大積載量、車両の全長、全幅、全高などの情報を含んでもよい。
【0049】
なお、本実施例では、5種の走行情報、即ち、走行情報取得端末ID、時刻の情報、位置の情報、速度の情報、車両の情報を用いる例で説明したが、これに限定されるものではない。
【0050】
また、本実施例では、走行情報取得端末800を、ホイールベースが比較的長いトラックに搭載されるデジタルタコグラフとしたが、これに限ることなく、ホイールベースが比較的短い車両のタクシーなどに搭載されるデジタルタコグラフ、同じくホイールベースが比較的短い乗用車に搭載される通信可能なカーナビゲーションシステムなどにし、加速度センサを内蔵するようにしてもよい。このようにすると、パトロール車両の携帯端末により取得する道路状態情報を要しない。
【0051】
(発生地点抽出装置)
<発生地点抽出装置の機能構成>
図9は、発生地点抽出装置100の機能構成の一例を示す説明図である。
図9に示すように、発生地点抽出装置100は、通信手段110と、記憶手段120と、制御手段130と、入力手段140と、出力手段150と、を有する。
【0052】
<<通信手段>>
通信手段110は、道路状態情報管理サーバ200から道路状態情報を受信し、走行情報管理サーバ300から走行情報を受信する。
道路状態情報又は走行情報を受信する際に、発生源を特定するため、受信する際に公知の電子署名技術等を用いて、正しい情報作成者であること、及び情報の改ざんが行われていないことの少なくともいずれかを確認することが好ましく、情報の授受期限についても管理し、所定の期限経過後の情報は受け付けないことが更に好ましい。
なお、通信手段110は、これらの情報を随時受信してもよく、道路管理者等が手動で道路状態情報管理サーバ200及び走行情報管理サーバ300から収集してもよい。
【0053】
<<記憶手段>>
記憶手段120は、通信手段110が受信した道路状態情報及び走行情報が格納される。
また、記憶手段120は、制御手段130の指示に基づき、発生地点抽出装置100にインストールされた各種プログラムや、プログラムを実行することにより生成されるデータ等を記憶する。
【0054】
<<制御手段>>
制御手段130は、取得部131と、割振り部132と、算出部133と、抽出部134と、表示制御部135と、比較部136と、報知部137と、を有する。
制御手段130は、記憶手段120に記憶させた道路状態情報及び走行情報のうち、指定された地域及び期間の道路状態情報及び走行情報を読み取ることができる。
【0055】
−取得部−
取得部131は、道路状態情報管理サーバ200の制御手段に指示を送信し、道路状態情報管理サーバ200から送信された道路状態情報を記憶手段120に格納する。また、取得部131は、走行情報管理サーバ300の制御手段に指示を送信し、走行情報管理サーバ300から送信された走行情報を記憶手段120に格納する。
なお、本実施例では、取得部131が各サーバの制御手段に指示を出力して、各サーバが情報を送信しているが、これに限定されることなく、取得部131が指示を出力しなくても各サーバが情報を送信するようにしてもよい。
【0056】
−割振り部−
割振り部132は、各車両により位置の情報が異なる道路状態情報及び走行情報を、例えば、所定の道路の緯度経度の範囲で定義された管理単位ごとに割り振る。本実施例では、道路を50mごとに区切った管理単位ごとに道路状態情報及び走行情報を割り振る。
なお、道路状態情報及び走行情報は、異なる単位で異なる時期等で異なる組織により取得され、異なるサーバなどに格納されているため、振動や騒音が発生しやすい地点を抽出するためには、発生地点抽出装置100における、管理単位ごとに割り振ることが必要となる。このような情報の割り振りを、割振り部132が行うことにより、各情報を管理単位ごとに管理することができる。
【0057】
ここで、管理単位とは、道路状態を管理する単位であって、
図10に示すように、道路地図の車線上に矩形に表現され、矩形における2点の対頂点(始点と終点)の緯度及び経度の位置の情報を設定することにより定義される。これにより、抽出した道路区間を管理単位ごとに道路地図における道路に対応して表示することができるようになり、一見しただけで把握することが可能となる。
矩形の範囲としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、工事発注単位が100mであれば、矩形の範囲の長辺の長さを100mに統一して設定してもよく、距離標(キロポスト)を基準に設定してもよい。管理単位は、道路の車線ごとに設定することが好ましい。
【0058】
図11は、管理単位情報の一例を示す説明図である。
図11に示すように、管理単位情報としては、「道路管理者識別ID、車線番号、2点の対頂点の緯度及び経度の位置の情報」を対応付けて記憶する。
【0059】
「道路管理者識別ID」は、道路管理者を特定する識別子である。道路管理者としては、例えば、国道事務所や県等の道路管理者などが挙げられる。なお、本実施例では、道路管理者としたが、これに限ることなく、道路管理者以外の者であってもよい。
「車線番号」は、車線を一意に特定する識別子である。
「2点の対頂点の緯度及び経度の位置の情報」は、「始点」及び「終点」を設定することにより、管理単位の範囲を定義するものである。2点の対頂点の緯度及び経度の位置の情報の設定として、「始点」は、管理単位の開始位置を示す位置の情報であり、緯度及び経度により特定する。「終点」は、管理単位の終了位置を示す位置の情報であり、緯度及び経度により特定する。
【0060】
割振り部132は、取得部131が取得した走行情報を管理単位ごとに割り振って記憶手段120に格納する。このため、各情報の取得の時間間隔が異なっていても、走行情報における緯度及び経度の位置の情報に基づき、管理単位の経度緯度の範囲に含まれる位置の情報を有する走行情報を対応づけて管理することにより、管理単位ごとに平均速度、標準偏差などを算出することができる。
【0061】
−算出部−
算出部133は、路面の平坦性情報、並びに、車両から取得した走行情報に含まれる時刻、位置、速度、及び車両重量の情報に基づき、振動及び/又は騒音に関する値を算出する。
振動及び/又は騒音に関する値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、振動レベル、騒音レベルが好ましい。
【0062】
振動レベルは、以下の式で算出することができる。振動レベルとは、振動の加速度レベルに振動感覚補正したもので、単位としてdB(デシベル)が用いられる。
【数1】
ここで、L
10*は基準点における振動レベル80%レンジの上端値の予測値(dB)、Q
*は500秒間の1車線当り等価交通量(台/500秒/車線)、Vは平均走行速度(km/時)、Mは上下車線合計の車線数、α
σは路面の平坦性等による補正値(dB)、α
fは地盤卓越振動数による補正値(dB)、α
Sは道路構造による補正値(dB)、α
flは距離減衰値(dB)であり、a、b、c、dは定数である。
【0063】
また、Q
*は、以下の式で算出することができる。
【数2】
ここで、Q
1は小型車時間交通量(台/時)、Q
2は大型車時間交通量(台/時)、Kは大型車の小型車への換算係数である。なお、Mは上記と同様である。
【0064】
騒音レベルは、以下の式で算出することができる。騒音レベルとは、騒音の加速度レベルに騒音感覚補正したもので、単位としてdB(デシベル)が用いられる。
【数3】
ここで、L
WAは自動車走行騒音のA特性音響パワーレベル、aは車種別に与えられる定数、bは速度依存性を表す係数、Cは各種要因による補正項である。なお、Vは上記と同様である。
【0065】
また、Cは、以下の式で算出することができる。
【数4】
ここで、ΔL
surfは排水性舗装等による騒音低減に関する補正量(dB)、ΔL
gradは道路の縦断勾配による走行騒音の変化に関する補正量(dB)、ΔL
dirは自動車走行騒音の指向性に関する補正量(dB)、ΔL
etcは路面の平坦性を含むその他の要因に関する補正量(dB)である。
【0066】
算出部133は、所定の時間帯における振動及び/又は騒音に関する値を算出することが好ましい。
所定の時間帯としては、道路の近隣住民の睡眠の妨げとなる、夜間又は朝方の時間帯が好ましい。
【0067】
−抽出部−
抽出部134は、振動及び/又は騒音に関する値が所定の値以上の地点を抽出する。抽出部134は、夜間又は朝方の時間帯における、振動及び/又は騒音に関する値が所定の値以上の地点を抽出することが好ましい。これにより、道路の近隣住民が振動や騒音を敏感に感じる時間帯やトラックの通行量が多い時間帯における、振動や騒音が発生しやすい地点を把握することができ、予め道路の補修等をすることができるため、苦情の発生を未然に防止することが可能となる。
所定の値は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、
図12又は
図13に示す表を参照し、人間への影響や地域の類型を考慮して決定してもよく、車両が通行する時間帯により変動させてもよい。
【0068】
抽出部134は、車両の通行量が所定の値以上の地点を更に抽出することが好ましい。この場合、算出部133が、走行情報に含まれる位置及び時刻の情報に基づき、車両の通行量を算出する。
【0069】
抽出部134は、道路の近傍の地域において静穏の保持を必要とする特定施設などがある場合、特定施設の位置の情報に基づき、特定施設から近隣における振動や騒音が発生しやすい地点を更に抽出することが好ましい。
特定施設とは、例えば、学校、病院、幼稚園、児童福祉法に基づく児童福祉施設等(保育所等)、老人ホーム、図書館などが挙げられる。
また、抽出部134は、静穏の保持を必要とする道路区間などがある場合、道路区間の位置の情報に基づき、道路区間の近隣における振動や騒音が発生しやすい地点を更に抽出することが好ましい。
【0070】
抽出部134は、車線ごとに振動及び/又は騒音に関する値が所定の値以上の地点を抽出することが好ましい。これにより、振動及び/又は騒音が発生する車線を把握することができる。
この場合、第2の車両群により算出した振動及び/又は騒音に関する値が、第1の車両群により算出した振動及び/又は騒音に関する値より大きい車線を特定することが好ましい。これにより、振動及び/又は騒音が発生する車線をより確実に把握することができる。
また、抽出した前記地点のうち、第1の車両群から取得した加速度の情報と、第2の車両群から取得した加速度の情報との差が、設定値以上の前記地点を抽出することが好ましい。これにより、抽出した前記地点のうち、振動及び/又は騒音の要因が橋梁などのたわみであると推定できる地点を抽出することができる。これは、例えば、橋梁の上などの設定値以上の前記地点では、車両重量が比較的重い第2の車両群のほうが、車両重量が軽い第1の車両群よりもたわみやすいため、第2の車両群の加速度の情報のほうが、第1の車両群の加速度の情報よりも大きくなりやすいことから、振動及び/又は騒音の要因が橋梁などのたわみであると推定できる。
なお、設定値とは、道路のたわみであることを推定できる閾値である。
【0071】
−表示制御部−
表示制御部135は、振動及び/又は騒音に関する値に応じて、色彩、模様、図形、記号、及び文字の少なくともいずれかにより示した地点又は管理単位を含む道路地図を、画面上で表示させる制御を行う。
表示制御部135は、抽出した地点の近傍において、第2の車両群により振動及び/又は騒音に関する値を実測させる指示を表示するようにしてもよい。これにより、道路管理者等に対して第2の車両群により振動及び/又は騒音に関する値を実際に測定することを促し、実測した振動及び/又は騒音に関する値と、算出した振動及び/又は騒音に関する値とを比較することができる。
【0072】
−比較部−
比較部136は、第2の車両群により実測した振動及び/又は騒音に関する値と、算出した振動及び/又は騒音に関する値とを比較する。これにより、算出した振動及び/又は騒音に関する値の妥当性を確認することができる。
振動レベルは、JIS Z8735などに準拠して、市販の振動計により測定することができる。また、騒音レベルは、JIS Z8731などに準拠して、市販の騒音計により測定することができる。
【0073】
本実施例では、第1の車両群か第2の車両群かが分類される。例えば、第1の車両群及び第2の車両群の車種としては、例えば、いわゆる道路交通法や道路運送車両法に基づいて分類される区分、運転免許での区分などとしてもよい。道路交通法に基づいて分類される区分としては、
図14に示すように、大型自動車、中型自動車、普通自動車、大型特殊自動車、小型特殊自動車、大型自動二輪車、又は普通自動二輪車が挙げられる。道路運送車両法に基づいて分類される車種としては、普通自動車、小型自動車、軽自動車、大型特殊自動車、又は小型特殊自動車が挙げられる。また、運転免許での区分としては、
図15に示すように、大型自動車、中型自動車、又は普通自動車が挙げられる。
【0074】
第1の車両群と第2の車両群に分類する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、車両の情報を参照して分類する方法などが挙げられる。
【0075】
−報知部−
報知部137は、抽出した地点において、車両の速度、車両の重量、及び通行可能な時間帯の少なくともいずれか規制することを報知することが好ましい。
具体的には、報知部137は、規制すべき地点を含む所定の範囲内に、走行中の車両が入った際に、車両の速度及び車両の重量の少なくともいずれかにより、振動及び/又は騒音に関する値が所定の値を超えることが予測される場合、走行中の車両の速度を低下させるように報知することが好ましい。また、報知部137は、通行可能な時間帯が制限されている地点を含む所定の範囲内に、走行中の車両が入った際に、通行可能な時間帯が制限されている地点を通行しないように報知することが好ましい。
【0076】
入力手段140は、道路管理者等により、道路区間を抽出したい地域及び期間を指定する入力を受け付ける。本実施例では、
図2に示すように、画面上に表示された道路地図上において、道路区間を抽出したい地域を矩形で囲うことにより抽出したい地域を指定する。
また、入力手段140は、管理単位情報などが入力されるほか、その他の各種情報を入力することができる。
【0077】
出力手段150は、本実施例ではディスプレイなどであり、道路管理者等に対して、道路地図上に抽出した道路区間が表示されるほか、その他の各種情報を道路地図上に表示することができる。また、出力手段150は、発生地点抽出装置100の内部状態の表示を行う。
【0078】
<発生地点抽出装置のハードウェア構成>
図16は、発生地点抽出装置100のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
図16に示すように、発生地点抽出装置100は、通信手段110と、記憶手段120と、制御手段130と、入力手段140と、出力手段150と、ROM160と、RAM170と、を有する。なお、発生地点抽出装置100の各手段は、バス180を介してそれぞれ通信可能に接続されている。
【0079】
通信手段110は、制御手段130の指示に基づき、
図1に示した各サーバからそれぞれ情報を受信する。
なお、本実施例では、通信手段110は制御手段130の指示に基づき情報を受信するとしたが、ネットワークを介して各サーバから情報を送信する指示をそれぞれ出力してもよい。
【0080】
記憶手段120は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブなどのほか、CDドライブ、DVDドライブ、BDドライブなどの可搬記憶装置を含んでもよい。また、記憶手段120は、ネットワーク上のコンピュータ群であるクラウドの一部であってもよい。
【0081】
制御手段130は、記憶手段120に記憶された各種プログラムを実行し、発生地点抽出装置100全体を制御する。
制御手段130としては、例えば、CPUなどのプロセッサが挙げられ、発生地点抽出装置100全体の処理を実行する。ソフトウェアを実行するプロセッサはハードウェアである。
【0082】
入力手段140は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。
【0083】
出力手段150は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスプレイ、スピーカーなどが挙げられる。
【0084】
ROM160は、記憶手段120に記憶された各種プログラムを制御手段130が実行するために必要な各種プログラム、データ等を記憶する。
【0085】
RAM170は、主記憶装置であり、記憶手段120に記憶された各種プログラムが制御手段130によって実行される際に展開される作業領域として機能する。RAM170としては、例えば、DRAM、SRAMなどが挙げられる。
【0086】
図17は、発生地点抽出装置100が振動や騒音が発生しやすい地点を抽出する流れの一例を示すフローチャートであり、更に抽出した地点の振動や騒音を実測させて比較検証する選択肢を設けているものである。発生地点抽出装置100が振動や騒音が発生しやすい地点を抽出する制御を、
図17に示すフローチャートにしたがって説明する。
【0087】
ステップS101では、道路状態情報管理サーバ200は、各パトロール車両500に搭載された携帯端末600により道路状態情報を取得すると処理をS102に移行させる。
【0088】
ステップS102では、発生地点抽出装置100の取得部131は、通信手段110により道路状態情報を道路状態情報管理サーバ200から受信させると処理をS103に移行させる。
【0089】
ステップS103では、算出部133は、道路状態情報に基づき、平坦性情報を算出すると処理をS104に移行させる。
【0090】
ステップS104では、取得部131は、第2の車両群に属するトラックの走行情報を、通信手段110により走行情報管理サーバ300から受信させると処理をS105に移行させる。
【0091】
ステップS105では、算出部133は、平坦性情報及び走行情報に基づき、振動及び/又は騒音に関する値を算出すると処理をS106に移行させる。
【0092】
ステップS106では、抽出部134は、振動及び/又は騒音に関する値が所定の値以上の地点を抽出すると処理をS107に移行させる。
【0093】
ステップS107では、表示制御部135は、抽出部134が抽出した振動及び/又は騒音に関する値が所定の値以上の地点を、出力手段150により道路地図上に表示させると処理をS108に移行させる。
【0094】
ステップS108では、制御手段130は、抽出部134が抽出した地点における振動及び/又は騒音に関する値を実測して検証するか否か、道路管理者等に対して確認する。制御手段130は、道路管理者等が入力手段140を介し、実測して検証するという応答があったと判定すると処理をS109に移行させる。実測して検証しないという応答があったと判定すると本処理を終了させる。
【0095】
ステップS109では、表示制御部135は、振動及び/又は騒音に関する値を実測させる指示を、出力手段150の画面に表示させると処理をS110に移行させる。
【0096】
ステップS110では、比較部136は、振動及び/又は騒音に関する値の実測値と算出値を比較する。表示制御部135は、比較した結果を、出力手段150の画面に表示させると本処理を終了させる。
【0097】
このように、振動及び/又は騒音に関する値が所定の値以上の地点を抽出し、更に実測値と比較して検証することにより、振動や騒音が発生しやすい地点をより確実に抽出できる。
【0098】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
路面の平坦性情報、並びに、車両から取得した走行情報に含まれる速度及び車両重量の情報に基づき、振動及び/又は騒音に関する値を、時刻及び位置ごとに算出し、
前記振動及び/又は騒音に関する値が所定の値以上の地点を抽出する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記2)
前記振動及び/又は騒音に関する値が、振動及び/又は騒音を発生させるエネルギーに関する値である付記1に記載の振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記3)
前記路面の平坦性情報が、前記路面の平坦性、段差、及びたわみの少なくともいずれかを含む付記1から2のいずれかに記載の振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記4)
前記路面の平坦性情報に対応付けられた位置の情報、及び、前記走行情報に含まれる位置の情報に基づき、前記路面の平坦性情報及び前記走行情報を、道路の管理単位ごとに割振り、
前記管理単位ごとに算出した前記振動及び/又は騒音に関する値が所定の値以上の前記管理単位を抽出する付記1から3のいずれかに記載の振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記5)
前記振動及び/又は騒音に関する値を算出する前に、
車両群から時刻、位置、及び加速度の情報を含む道路状態情報を取得し、
前記道路状態情報における前記加速度の情報に基づき、前記路面の平坦性情報を算出し、
算出した前記路面の平坦性情報が所定の値以上のエリアを抽出する付記1から4のいずれかに記載の振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記6)
前記道路状態情報を取得した前記車両群を第1の車両群とすると、
抽出した前記地点の近傍において、第2の車両群により前記振動及び/又は騒音に関する値を実測させる指示を表示し、
前記第2の車両群により実測した前記振動及び/又は騒音に関する値と、算出した前記振動及び/又は騒音に関する値とを比較する付記5に記載の振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記7)
車線ごとに前記振動及び/又は騒音に関する値が所定の値以上の地点を抽出する付記6に記載の振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記8)
前記第2の車両群により算出した前記振動及び/又は騒音に関する値が、前記第1の車両群により算出した前記振動及び/又は騒音に関する値より大きい車線を特定する付記7に記載の振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記9)
抽出した前記地点のうち、前記第1の車両群から取得した前記加速度の情報と、前記第2の車両群から取得した前記加速度の情報との差が、設定値以上の前記地点を抽出する付記6に記載の振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記10)
前記第2の車両群の車両が、前記第1の車両群の車両よりも振動及び/又は騒音が発生しやすい付記6から9のいずれかに記載の振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記11)
前記第2の車両群の車両が、前記第1の車両群の車両よりも車両重量がある車両である付記6から10のいずれかに記載の振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記12)
前記第1の車両群の車両のホイールベースが、前記第2の車両群の車両のホイールベースがよりも短い付記6から11のいずれかに記載の振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記13)
前記第1の車両群の車両が、前記第2の車両群の車両よりも前記加速度の情報を感度良く測定することができる付記6から12のいずれかに記載の振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記14)
前記走行情報に含まれる位置及び時刻の情報に基づき、前記車両の通行量を算出し、
前記車両の通行量が所定の値以上の前記地点を更に抽出する付記1から13のいずれかに記載の振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記15)
所定の時間帯における前記振動及び/又は騒音に関する値を算出し、
前記振動及び/又は騒音に関する値が所定の値以上の前記地点を抽出する付記1から14のいずれかに記載の振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記16)
静穏の保持を必要とする特定施設の位置の情報に基づき、前記特定施設から近隣の前記地点を更に抽出する付記1から15のいずれかに記載の振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記17)
前記特定施設が、学校、病院、幼稚園、児童福祉施設、老人ホーム、又は図書館である付記16に記載の振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記18)
静穏の保持を必要とする道路区間の位置の情報に基づき、前記道路区間を更に抽出する付記1から17のいずれかに記載の振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記19)
算出した前記振動及び/又は騒音に関する値に応じて、色彩、模様、図形、記号、及び文字の少なくともいずれかにより示した前記地点を含む道路地図を、画面上で表示させる制御を行う付記1から18のいずれかに記載の振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記20)
抽出した前記地点において、前記車両の速度、前記車両の重量、及び通行可能な時間帯の少なくともいずれか規制することを報知する付記1から19のいずれかに記載の振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記21)前記規制が、抽出した前記地点を含む所定の範囲内に、走行中の車両が入ったとき、前記車両の速度の情報及び前記車両の重量の情報の少なくともいずれかにより、抽出した前記地点において前記振動及び/又は騒音に関する値が所定の値以上である場合、前記走行中の車両に対して速度を低下させるように報知する付記20に記載の振動及び/又は騒音の発生地点抽出プログラム。
(付記22)
路面の平坦性情報、並びに、車両から取得した走行情報に含まれる速度及び車両重量の情報に基づき、振動及び/又は騒音に関する値を、時刻及び位置ごとに算出する算出部と、
前記振動及び/又は騒音に関する値が所定の値以上の地点を抽出する抽出部と、
を有することを特徴とする振動及び/又は騒音の発生地点抽出装置。
(付記23)
路面の平坦性情報、並びに、車両から取得した走行情報に含まれる速度及び車両重量の情報に基づき、振動及び/又は騒音に関する値を、時刻及び位置ごとに算出する算出工程と、
前記振動及び/又は騒音に関する値が所定の値以上の地点を抽出する抽出工程と、
を含むことを特徴とする振動及び/又は騒音の発生地点抽出方法。