(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一側面に関わる実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更又は改良され得るととともに、本発明には、その等価物も含まれる。なお、同一符号は、同一の構成要素を示すものとし、重複する説明は省略する。
【0014】
[適用例]
まず、
図1を参照しながら、本発明の適用例について説明する。
図1は、本発明の実施形態に関わるロボット100の構成の一例を示す。ロボット100は、例えば、マニピュレータとして自律的に動作するロボット本体200と、ロボット本体200の動作を制御するロボット制御装置300とを備えてもよい。ロボット100の具体例として、垂直多関節ロボット、水平多関節ロボット、直交ロボット、又はパラレルリンクロボットなどを挙げることができる。ロボット100は、例えば、部品の組み立て、搬送、塗装、検査、研磨、又は洗浄などの何れかの用途に用いることができる。
【0015】
ロボット本体200は、例えば、マニピュレータとして動作するアーム203と、アーム203に動力を伝達する回転軸204を回転させるモータ201と、回転軸204の回転速度を減速してトルクを増大させ、増大されたトルクを有する動力を、出力軸205を通じてアーム203に伝達する減速機202とを備えてもよい。ここで、回転軸204は、例えば、モータ201の出力軸である。説明の便宜上、
図1では、ロボット本体200の軸数(関節数)が1である場合を例示しているが、軸数は2以上(例えば、4〜7軸)でもよい。
【0016】
ロボット制御装置300は、例えば、モータ201の動作指令を生成する動作指令部302と、動作指令部302からの動作指令に応答して、モータ201の駆動を制御する駆動制御部309と、ロボット本体200の動作に伴って経年的に劣化するロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量の解析に用いられる信号を検出する検出部310と、検出された信号に前処理を行う前処理部303と、前処理がなされた信号に基づいてロボット本体200の劣化の度合いを評価する評価部306とを備えてもよい。ロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量の解析に用いられる信号の例として、ロボット本体200の部品(例えば、減速機202)から発生する振動(例えば、振動成分の振幅及び周波数)或いは音(例えば、音の振幅及び周波数)、又はモータ201の電流指令値(例えば、電流指令値の振幅及び周波数)を挙げることができる。
【0017】
本明細書では、ロボット本体200が動作する過程において検出部310によって検出される信号のデータ区間のうち、ロボット本体200の等速動作(定速動作)により得られるデータ区間を「等速区間」と呼び、ロボット本体200の非等速動作(加速動作又は減速動作)により得られるデータ区間を「非等速区間」と呼ぶ。ロボット本体200の等速動作は、例えば、モータ201の回転速度が第1の閾値以上であり、且つ、モータ201の回転速度の時間変化の絶対値が第2の閾値未満であるときのアーム203の運動(実質的に等速度運動と見做し得る運動)であると考えてもよい。ロボット本体200の非等速動作は、例えば、モータ201の回転速度が第1の閾値以上であり、且つ、モータ201の回転速度の時間変化の絶対値が第2の閾値以上であるときのアーム203の運動(加速度運動又は減速度運動)であると考えてもよい。非等速区間は、ロボット本体200の加速動作により得られるデータ区間である「加速区間」と、ロボット本体200の減速動作により得られるデータ区間である「減速区間」とに分類することができる。なお、モータ201の回転速度が第1の閾値未満であるときに得られるデータ区間を「停止区間」と呼ぶ。
【0018】
前処理部303は、検出部310によって検出される信号のデータ区間が等速区間を一定区間以上含むか否かを判定する判定部304と、検出部310によって検出される信号のデータ区間が等速区間を一定区間以上含まないときに、検出部310によって検出される信号のデータ区間のうち非等速区間の信号を正規化する正規化部305とを備えてもよい。正規化部305は、ロボット本体200の動作速度(例えば、モータ201の回転速度)に応じたリサンプリング周波数で非等速区間の信号をリサンプリング(再標本化)してもよい。ここで、「一定区間」を、例えば、ロボット本体200の動作に連動する特徴量の周期的な変化を少なくとも1周期分検出するのに要するデータ区間としてもよい。これにより、劣化の度合いを評価する上で必要な特徴量の情報を不足なく得ることができる。
【0019】
評価部306は、検出部310によって検出された信号に基づいて、ロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量を解析する解析部307と、解析部307によって解析された特徴量に基づいてロボット本体200の余寿命を推定する推定部308とを備えてもよい。検出部310によって検出された信号のデータ区間が等速区間を一定区間以上含むときには、解析部307は、等速区間の信号に基づいてロボット本体201の劣化の度合いを定量的に示す特徴量を解析する。等速区間の信号には、ロボット本体200の非等速動作に起因する見かけ上の変化が生じないため、特徴量を正確に解析することができる。特に、一定区間以上の等速区間は、ロボット本体200の動作に連動する特徴量の周期的な変化を少なくとも1周期分検出するのに十分な特徴量のデータを含むため、劣化の度合いを精度よく評価することができる。検出部310によって検出された信号のデータ区間が等速区間を一定区間以上含まないときには、解析部307は、正規化された非等速区間の信号に基づいてロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量を解析する。正規化された非等速区間の信号は、ロボット本体200の非等速動作に起因する見かけ上の変化が補正されているため、特徴量を正確に解析することができる。また、等速区間が一定区間に満たないときに、非等速区間の信号を正規化することにより、正規化するデータ区間を必要な範囲に止めることができる。
【0020】
例えば、解析部307は、検出部310によって検出された振動成分の信号を周波数解析し、特定周波数の振動成分の振幅が他の周波数の振動成分の振幅よりも閾値を超えて有意に大きい場合には、特定周波数の振動成分の振幅を示す情報を、ロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量と見做してもよい。例えば、解析部307は、検出部310によって検出された音の信号を周波数解析し、特定周波数の音の振幅が他の周波数の音の振幅よりも閾値を超えて有意に大きい場合には、特定周波数の音の振幅を示す情報を、ロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量と見做してもよい。例えば、解析部307は、検出部310によって検出された電流指令値の信号を周波数解析し、特定周波数の電流指令値の振幅が他の周波数の電流指令値の振幅よりも閾値を超えて有意に大きい場合には、特定周波数の電流指令値の振幅を示す情報を、ロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量と見做してもよい。周波数解析として、例えば、高速フーリエ変換を用いてもよい。
【0021】
なお、ロボット制御装置300は、例えば、マイクロコンピュータを有する制御部301を備えてもよく、動作指令部302、前処理部303及び評価部306の機能は、制御部301のマイクロコンピュータによる情報処理機能によって実現されてもよい。
【0022】
ロボット制御装置300は、ロボット本体200の余寿命を示す情報を出力する出力装置311を更に備えてもよい。出力装置311は、文字又は記号などの視覚的に認識可能な情報を通じて余寿命を伝える表示装置(例えば、液晶ディスプレイなどの平板ディスプレイ)でもよく、音響信号などの聴覚的に認識可能な情報を通じて余寿命を伝える音響装置(例えば、スピーカ装置)でもよい。出力装置311は、ロボット本体200の余寿命を示す情報を有線回線経由又は無線回線経由で送信する通信装置でもよい。余寿命を示す情報の送信先は、例えば、ユーザの通信端末(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、或いはタブレット端末と呼ばれる移動通信端末、又は通信機能を有するパーソナルコンピュータ)でもよく、又は通信機能を有する外部機器でもよい。
【0023】
[ハードウェア構成]
次に、
図2を中心に
図1を適宜参照しながら、ロボット100のハードウェア構成の一例について説明する。
ロボット本体200は、モータ201の一例として、回転軸204の角度位置を検出するエンコーダ付きのサーボモータ206を備えている。
ロボット制御装置300は、制御部301の一例として、コントローラ312を備えている。
【0024】
コントローラ312は、ハードウェア資源として、例えば、プロセッサ313と、記憶装置314と、入出力インタフェース315とを備えるマイクロコンピュータでもよい。記憶装置314は、本発明の実施形態に関わる保守管理方法を実行するための保守管理プログラム316を格納してもよく、保守管理プログラム316は、そのメインプログラムの中で呼び出されて実行される複数のソフトウェアモジュール(例えば、動作指令モジュール317、前処理モジュール318、及び評価モジュール319)を備えてもよい。記憶装置314は、例えば、半導体メモリ又はディスク媒体などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0025】
動作指令モジュール317がプロセッサ313によって解釈及び実行され、コントローラ312のハードウェア資源と動作指令モジュール317とが協働することにより、動作指令部302としての機能が実現される。前処理モジュール318がプロセッサ313によって解釈及び実行され、コントローラ312のハードウェア資源と前処理モジュール318とが協働することにより、前処理部303としての機能が実現される。前処理モジュール318は、判定部304としての機能を実現するためのサブモジュールと、正規化部305としての機能を実現するためのサブモジュールとを備えてもよい。評価モジュール319がプロセッサ313によって解釈及び実行され、コントローラ312のハードウェア資源と評価モジュール319とが協働することにより、評価部306としての機能が実現される。評価モジュール319は、解析部307としての機能を実現するためのサブモジュールと、推定部308としての機能を実現するためのサブモジュールとを備えてもよい。このように、動作指令部302、前処理部303、及び評価部306の機能は、コントローラ312のハードウェア資源と保守管理プログラム316との協働により実現されてもよく、或いは、専用のハードウェア資源(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など)やファームウェアを用いて実現されてもよい。
【0026】
ロボット制御装置300は、駆動制御部305の一例として、サーボドライバ320を備えている。
ロボット制御装置300は、検出部310の一例として、ロボット本体200の部品(例えば、減速機202)から発生する振動成分を検出する振動センサ321を備えている。
【0027】
なお、減速機202は、例えば、回転軸204の回転に連動して回転するベアリング機構又は歯車機構を備えてもよく、ベアリング機構又は歯車機構の経年劣化に起因して振動が発生してもよい。振動の発生原因は、減速機202の経年劣化に限られるものではなく、例えば、回転軸204の回転に連動する部品の経年劣化に起因するものでもよい。減速機202として、例えば、ハーモニックドライブ(登録商標)と呼ばれる波動歯車装置を用いてもよい。
【0028】
[保守管理方法]
次に、
図3を参照しながら、本発明の実施形態に関わる保守管理方法の一例について説明する。
【0029】
ステップ401において、サーボドライバ320は、動作指令モジュール317からの動作指令に応答して、サーボモータ206の駆動を制御することにより、ロボット本体200の駆動を制御する。
【0030】
ステップ402において、振動センサ321は、ロボット本体200の動作に伴って経年的に劣化するロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量の解析に用いられる振動成分の信号(例えば、振動成分の振幅及び周波数など)を検出する。
【0031】
ステップ403において、前処理モジュール318は、ステップ402で検出された信号のデータ区間が等速区間を一定区間以上含むか否かを判定する。信号のデータ区間が等速区間を一定区間以上含むか否かは、サーボモータ206のエンコーダから出力される回転軸204の角度位置の単位時間あたりの変化から判定することができる。ここで、一定区間とは、例えば、ロボット本体200の動作に連動する特徴量の周期的な変化を少なくとも1周期分検出するのに要するデータ区間である。
【0032】
ステップ404において、前処理モジュール318は、ステップ402で検出された信号のデータ区間のうち非等速区間の特徴量を正規化する。正規化処理の詳細については後述する。
【0033】
ステップ405において、評価モジュール319は、ステップ402で検出された信号に基づいて、ロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量を解析する。ステップ402で検出された信号のデータ区間が、等速区間を一定区間以上含む場合には、評価モジュール319は、等速区間の信号に基づいて、ロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量を解析する。ステップ402で検出された信号のデータ区間が等速区間を一定区間以上含まないときには、評価モジュール319は、ステップ404で正規化された非等速区間の信号に基づいて、ロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量を解析する。
【0034】
ステップ406において、評価モジュール319は、ステップ405で解析された特徴量に基づいて、ロボット本体200の余寿命を推定する。本明細書では、ロボット本体200の正常な動作に著しい支障を来している状態を「故障」と呼び、故障が生じる時期を「故障時期」と呼ぶ。また、ロボット本体200の正常な動作に著しい支障が生じ始める頃の特徴量の大きさと同じ値に設定された閾値を「故障閾値」と呼ぶ。例えば、評価モジュール319は、特徴量の時間経過に伴う変化の傾向から、特徴量が故障閾値を超えることが見込まれる故障時期を推定してもよい。評価モジュール319は、現時点から故障時期までの期間を余寿命として見積ってもよい。
【0035】
ステップ407において、出力装置311は、ステップ406で推定された余寿命を示す情報を出力する。
【0036】
なお、ステップ405,406は、ロボット本体200の劣化の度合いを評価する処理に相当し、ステップ403,404は、劣化の度合いの評価に先立って行われる前処理に相当する。ステップ401〜407は、ロボット本体200が動作しているときに定期的に繰り返し実行してもよい。ステップ405の実行頻度とステップ406の実行頻度とは同じでもよく、異なっていてもよい。例えば、ステップ405の実行頻度は、例えば、10分に1回でもよく、ステップ406の実行頻度は、例えば、1日に1回でもよい。
【0037】
図4は、ロボット本体200を動作させるときのサーボモータ206の回転速度プロファイル500の一例を示す説明図である。
図4の横軸は時間を示し、縦軸は回転速度を示している。本明細書において、回転速度プロファイルとは、回転速度の時間変化の特性を意味する。時刻t0からt1までの区間は、停止区間である。時刻t1からt2までの区間は、非等速区間(加速区間)である。時刻t2からt3までの区間は、等速区間である。時刻t3からt4までの区間は、非等速区間(減速区間)である。時刻t4からt5までの区間は、停止区間である。
【0038】
図5は、ロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量の解析に用いられる信号(例えば、ロボット本体200から発生する振動成分)の時間変化を示すグラフ600の一例である。
図5の横軸は時間を示し、縦軸は信号の大きさ(例えば、ロボット本体200から発生する振動成分の振幅)を示している。
図5のt0〜t5は、それぞれ、
図4のt0〜t5に対応している。サーボモータ206の回転速度が速い程、信号が時間軸方向に圧縮されたようになるため、信号に生じる見かけ上の変化は大きくなる。
【0039】
次に、
図6乃至
図8を参照しながら、ステップ404の正規化処理について説明を加える。
図6乃至
図8の横軸は時間を示し、縦軸は信号の大きさ(例えば、ロボット本体200から発生する振動成分の振幅)を示している。符号601は、
図5に示すグラフ600の非等速区間の一部(例えば、時刻t1からt2までの非等速区間の一部)においてサンプリングされた信号値(例えば、ロボット本体200から発生する振動成分の振幅値)を示している。前処理モジュール318は、ロボット本体200の動作速度(例えば、サーボモータ306の回転速度)が速い程、信号値601を時間軸方向に引き延ばすように、ロボット本体200の動作速度に応じたリサンプリング周波数で信号値601をリサンプリングする。このようなリンサンプリングにより、
図7に示すように、ロボット本体200の動作速度が速い程、隣接する信号値601の時間間隔は長くなる。
図8に示すように、前処理モジュール318は、補完処理を行い、隣接する信号値601の間を補完する補完データ602を生成する。
【0040】
なお、
図9は、ステップ404の正規化処理前における特徴量の周波数スペクトル701を示し、
図10は、ステップ404の正規化処理後における特徴量の周波数スペクトル702を示している。正規化処理を行うことにより、特定の周波数(例えば、振動周波数)にピークが鋭く現れるようになるため、特徴量に基づいてロボット本体の劣化の度合いを精度よく評価することができる。
【0041】
なお、
図5に示す時刻t2からt3までの等速区間の時間長は、ロボット本体200の動作に連動する特徴量の周期的な変化を少なくとも1周期分検出するのに十分な時間(例えば、振動周期以上の時間)を有することが望ましい。
【0042】
上述の説明では、ロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量の例として、ロボット本体200の部品(例えば、減速機202)から発生する振動(例えば、振動成分の振幅及び周波数)を例示したが、特徴量として音(例えば、音の振幅及び周波数)を用いる場合には、ロボット本体200からの音を収集する集音装置を検出部310として用いればよい。また、特徴量として、モータ201の電流指令値(例えば、電流指令値の振幅及び周波数)を用いる場合には、モータ201の電流指令を取得するデバイスを検出部310として用いればよい。なお、振動、音、及び電流指令値のうち何れか二つ以上の組み合わせを用いて、ロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量を解析してもよい。
【0043】
本実施形態によれば、ロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量の解析に用いられる信号のデータ区間に含まれる等速区間が一定区間以上であるか否かを判定し、等速区間が一定区間に満たないときには、非等速区間の信号を正規化することにより、正規化するデータ区間を必要な範囲に止めることができる。また、信号のデータ区間に含まれる等速区間が一定区間以上であるときには、ロボット本体200の非等速動作に起因する見かけ上の変化が生じない等速区間の信号に基づいて特徴量を正確に解析することができる。
【0044】
なお、本発明の実施形態に関わるロボット100は、ファクトリーオートメーションに用いられる産業ロボットに限定されるものではなく、例えば、サービス業に用いられるロボット(例えば、オペレーティングロボット、医療用ロボット、掃除ロボット、レスキューロボット、セキュリティロボットなど)でもよい。
【0045】
[付記]
本発明の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限定されない。
(付記1)
ロボット本体200の動作を制御する駆動制御部309と、
ロボット本体200の動作に伴って経年的に劣化するロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量の解析に用いられる信号を検出する検出部310と、
検出された信号のデータ区間が、ロボット本体200の等速動作により得られたデータ区間である等速区間を一定区間以上含むか否かを判定する判定部304と、
検出された信号のデータ区間が等速区間を一定区間以上含まないときには、検出された信号のデータ区間のうち、ロボット本体200の非等速動作により得られたデータ区間である非等速区間の信号を正規化する正規化部305と、
検出された信号のデータ区間が等速区間を一定区間以上含むときには、等速区間の信号に基づいてロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量を解析し、検出された信号のデータ区間が等速区間を一定区間以上含まないときには、正規化された非等速区間の信号に基づいてロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量を解析する解析部307と、
解析された特徴量に基づいてロボット本体200の余寿命を推定する推定部308と、
を備えるロボット制御装置300。
(付記2)
付記1に記載のロボット制御装置300であって、
一定区間は、ロボット本体200の動作に連動する特徴量の周期的な変化を1周期分検出するのに要するデータ区間である、ロボット制御装置300。
(付記3)
付記1又は2に記載のロボット制御装置300であって、
正規化部305は、ロボット本体200の動作速度に応じたリサンプリング周波数で非等速区間の信号をリサンプリングする、ロボット制御装置300。
(付記4)
ロボット制御装置が、
ロボット本体200の動作を制御するステップ401と、
ロボット本体200の動作に伴って経年的に劣化するロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量の解析に用いられる信号を検出するステップ402と、
検出された信号のデータ区間が、ロボット本体200の等速動作により得られたデータ区間である等速区間を一定区間以上含むか否かを判定するステップ403と、
検出された信号のデータ区間が等速区間を一定区間以上含まないときには、検出された信号のデータ区間のうち、ロボット本体200の非等速動作により得られたデータ区間である非等速区間の信号を正規化するステップ404と、
検出された信号のデータ区間が等速区間を一定区間以上含むときには、等速区間の信号に基づいてロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量を解析し、検出された信号のデータ区間が等速区間を一定区間以上含まないときには、正規化された非等速区間の信号に基づいてロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量を解析するステップ405と、
解析された特徴量に基づいてロボット本体200の余寿命を推定するステップ406と、
を実行する保守管理方法。
(付記5)
ロボット制御装置300に、
ロボット本体200の動作を制御するステップ401と、
ロボット本体200の動作に伴って経年的に劣化するロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量の解析に用いられる信号を検出するステップ402と、
検出された信号のデータ区間が、ロボット本体200の等速動作により得られたデータ区間である等速区間を一定区間以上含むか否かを判定するステップ403と、
検出された信号のデータ区間が等速区間を一定区間以上含まないときには、検出された信号のデータ区間のうち、ロボット本体200の非等速動作により得られたデータ区間である非等速区間の信号を正規化するステップ404と、
検出された信号のデータ区間が等速区間を一定区間以上含むときには、等速区間の信号に基づいてロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量を解析し、検出された信号のデータ区間が等速区間を一定区間以上含まないときには、正規化された非等速区間の信号に基づいてロボット本体200の劣化の度合いを定量的に示す特徴量を解析するステップ405と、
解析された特徴量に基づいてロボット本体200の余寿命を推定するステップ406と、
を実行させる保守管理プログラム316。