(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1の実施の形態
《構成》
本実施の形態で「一方側」とは
図1の上方側を意味し、「他方側」とは
図1の下方側を意味する。また、
図1の上下方向(他方から一方に向かう方向及び一方から他方に向かう方向)を「第一方向」とし、
図1の左右方向を「第二方向」とし、
図1の紙面表裏方向を「第三方向」とする。
【0013】
本実施の形態の電源装置は、例えば電動パワーステアリング装置(EPS)に利用されてもよい。電源装置は、モータ等の回転駆動部を駆動する駆動電流が通電されるパワー部と、モータ等の回転駆動部を制御する制御部とを有してもよい。パワー部は、後述する電流モジュール610とパワーモジュール530を有してもよい。また、制御部は、後述する制御基板630を有してもよい。
【0014】
本実施の形態の電源装置は、ヒートシンク510と、ヒートシンク510の一方側の面に配置され、複数の電子素子538を含むパワーモジュール530と、を有してもよい。ヒートシンク510は他方側に突出した突出部511を有し、突出部511の一方側の領域にパワーモジュール530の一部が配置されてもよい。突出部511に対応する一方側の領域(以下「高放熱領域」ともいう。)に位置づけられた電子素子538の総発熱量は、高放熱領域に位置づけられていない高放熱領域外の電子素子538の総発熱量よりも大きくなってもよい(
図2参照)。
【0015】
また、高放熱領域に配置されたスイッチング素子の数は、高放熱領域に配置されていないスイッチング素子の数よりも多くなってもよい。
【0016】
パワーモジュール530は、近位基板と、近位基板に設けられた近位電子素子と、近位電子素子よりもヒートシンク510と反対側に配置された遠位基板と、遠位基板に設けられた遠位電子素子と、を有してもよい(
図3参照)。近位電子素子による総発熱量は、遠位電子素子による総発熱量よりも大きくなってもよい。なお、本実施の形態では、近位基板をヒートシンク側基板532aと呼び、近位電子素子をヒートシンク側電子素子536と呼び、遠位基板を放熱部側基板532bと呼び、遠位電子素子を放熱部側電子素子537と呼ぶ。
【0017】
また、
図1に示すように、パワーモジュール530に電気的に接続された電流モジュール610が設けられてもよい。ヒートシンク510は突出部511に隣接した凹部516を有してもよい。凹部516内に電流モジュール610の少なくとも一部が設けられてもよい。
【0018】
パワーモジュール530の一方側に、パワーモジュール530と電気的に接続されるとともにパワーモジュール530を制御する制御基板630が配置されてもよい。
【0019】
パワーモジュール530と制御基板630との間に放熱部550が配置されてもよい。より具体的には、パワーモジュール530の一方側であって制御基板630の他方側に放熱部550が設けられてもよい。放熱部550は板形状からなってもよく、放熱部550が放熱板で構成されてもよい。
【0020】
パワーモジュール530は、制御基板630側及び電流モジュール610側に延び、制御基板630及び電流モジュール610と電気的に接続されたモジュール端子531を有してもよい。
【0021】
図5に示すように、電流モジュール610は、電流基板611と、電流基板611の一方側及び他方側に設けられた電流装置615とを有してもよい。
【0022】
図1に示すように、電流モジュール610は、爪部材のような電流モジュール固定部材619によって、制御基板630に対して固定されてもよい。
図1に示す態様において、紙面裏面側にもう一つの電流モジュール固定部材619が設けられてもよい(
図5参照)。この場合には、一対の電流モジュール固定部材619によって制御基板630が挟持されることで、電流モジュール固定部材619が制御基板630に対して固定されることになる。
【0023】
図4に示す電流基板611は低熱伝導性材料からなってもよい。低熱伝導性材料としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)、PA(ポリアミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等を用いることができる。
【0024】
側面(第三方向)において、ヒートシンク510は露出してもよい。より具体的には、ヒートシンク510の
図1の紙面のおもて面及び裏面側には制御基板が設けられていない態様を採用してもよい。
【0025】
図4に示すように、突出部511の他方側端部(例えば平坦面)は切欠き511aを有してもよい。この場合には、切欠き511a内に電流装置615が設けられてもよい。
図4に示す態様では、突出部511が切欠き511aを有し、この切欠き511a内にチョークコイルのような電流装置615が設けられている。
【0026】
電流装置615は、前述したチョークコイルの他に、コンデンサ、パワーコネクタ等を含んでもよい。コンデンサは例えば、第二方向に沿って延在するように配置されてもよい(
図4及び
図5参照)。
【0027】
図1に示すように、制御基板630は他方側に一つ以上の制御素子635を有してもよい。そして、この制御素子635と放熱部550とが接触し、制御素子635からの発熱を放熱部550によって放熱させるようにしてもよい。制御基板630は一方側に複数の制御素子635を有してもよい。
【0028】
ヒートシンク510とパワーモジュール530が接触する態様には、放熱シート、放熱絶縁シート、放熱グリス、放熱絶縁グリス等の第三部材又は第三材料を介在させて接触する態様も含まれている。同様に、放熱部550とパワーモジュール530が接触する態様には、放熱シート、絶縁シート、放熱絶縁シート、放熱グリス、放熱絶縁グリス等の第三部材又は第三材料を介在させて接触する態様も含まれている。
【0029】
図1に示すように、電流モジュール610は、モジュール端子531を介してパワーモジュール530と電気的に接続され、電流端子616を介して制御基板630と電気的に接続されてもよい。
【0030】
図3に示すパワーモジュール530は、ヒートシンク側基板532aと、ヒートシンク側基板532aに設けられたヒートシンク側導体層533aと、放熱部側基板532bと、放熱部側基板532bに設けられた放熱部側導体層533bと、ヒートシンク側電子素子536と放熱部側電子素子537の間に設けられた接続体539とを有している。
図3に示すような態様に限られることはなく、例えば接続体539の
図3上側に放熱部側導体層533bが設けられ、放熱部側導体層533bの
図3上側に放熱部側電子素子537が設けられる態様を採用してもよい。
【0031】
図1に示すような態様はあくまでも一例であり、例えば
図6に示すように、電流モジュール610が設けられていなくてもよいし、放熱部550及び制御基板630が設けられなくてもよい。
【0032】
《作用・効果》
次に、上述した構成からなる本実施の形態による作用・効果の一例について説明する。なお、「作用・効果」で説明するあらゆる態様を、上記構成で採用することができる。
【0033】
本実施の形態において、パワーモジュール530が複数の電子素子538を有し、突出部511に対応する高放熱領域内に位置づけられた電子素子538の総発熱量が、高放熱領域外の電子素子538の総発熱量よりも大きくなる態様を採用した場合には、パワーモジュール530内において発熱の大きな場所における放熱効率を高めることができ、ひいては、バランスよく放熱できる点で有益である。
【0034】
一例として、スイッチング素子の発熱は大きいことから、突出部511に対応する高放熱領域内に位置づけられたスイッチング素子の数は、高放熱領域外のスイッチング素子の数よりも多くなってもよい。
【0035】
図1に示すように、ヒートシンク510と放熱部550の両方を用いてパワーモジュール530を冷却する態様を採用した場合には、パワーモジュール530に対して高い冷却効果を実現できる点で有益である。
【0036】
ヒートシンク510と放熱部550の両方を利用する態様によれば、ヒートシンク510による放熱の方が放熱部(特に放熱板)50による放熱よりも効果的に行われる。このため、パワーモジュール530が、
図3に示すようにヒートシンク側電子素子536を有する場合には、ヒートシンク側電子素子536による総発熱量が放熱部側電子素子537による総発熱量よりも大きくなる態様を採用することが考えられる。この場合には、パワーモジュール530で発生する熱を効率よく逃がすことができる点で有益である。
【0037】
図1に示すように、ヒートシンク510の凹部16内に電流モジュール610といった部材を配置する態様を採用した場合には、長手方向に直交する径方向(第一方向及び第三方向を含む面方向)大きさが大きくなることを防止することができる。
図1に示す態様では、凹部16内に電流モジュール610が配置される態様となっているが、これに限られることはなく、別の部材が凹部16内に配置されてもよい。
【0038】
電流基板611が低熱伝導性材料からなる態様を採用した場合には、電流基板611の他方側に設けられた電流装置615による発熱を電流基板11によって遮断できる点で有益である。
【0039】
特に、電流モジュール610の一部が凹部16内に設けられている場合に、電流基板611が低熱伝導性材料からなる態様を採用した場合には、電流基板611の他方側に設けられた電流装置615による発熱が、ヒートシンク510に伝わることを低減でき、ひいては、パワーモジュール530を効率よく冷却できる点で有益である。
【0040】
図4に示すように、突出部511が切欠き511aを有し、切欠き511a内に電流装置615が設けられる態様を採用した場合には、長手方向(第二方向)における大きさが大きくなるのを抑えつつ、電流装置615を配置することができる点で有益である。
【0041】
図1に示すように、パワーモジュール530の一方側に、パワーモジュール530と電気的に接続されるとともにパワーモジュール530を制御する制御基板630が設けられる態様を採用した場合には、パワーモジュール530に近接した位置に制御基板630を位置づけることができ、ノイズ等の影響を受け難くすることができる点で有益である。
【0042】
特に放熱部550として放熱板を採用した場合には、制御基板630をパワーモジュール530に対して比較的近い位置に位置づけることができるので、ノイズの発生をより抑制でき、さらには径方向の大きさを小さくすることもできる。
【0043】
なお、パワーモジュール530が制御基板630側に延びて制御基板630と接続されたモジュール端子531を有する態様を採用する場合には、モジュール端子531の第一方向での長さよりも放熱板の厚みが薄くなる。
【0044】
パワーモジュール530は
図3に示すようなスタック構造とならなくてもよい。他方、パワーモジュール530がスタック構造となる場合には、電子素子538の各々がヒートシンク側電子素子536又は放熱部側電子素子537となってもよい。
【0045】
図1に示すように、側面(第三方向)において、ヒートシンク510が露出している態様を採用した場合には、径方向の大きさ(とりわけ第三方向の大きさ)を小さくできる点で有益である。また、このように側面を露出させることで、ヒートシンク510及び放熱部550による放熱効率を高めることができる点でも有益である。
【0046】
第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0047】
第1の実施の形態では、一つのヒートシンク510が設けられた態様を用いて説明したが、これに限られることはない。第2の実施の形態では、二つのヒートシンク10,20が対向して設けられる態様を用いて説明する。
【0048】
本実施の形態の電源装置も、例えば電動パワーステアリング装置(EPS)に利用されてもよい。電源装置は、モータ等の回転駆動部400(
図8参照)を駆動する駆動電流が通電されるパワー部と、モータ等の回転駆動部400を制御する制御部とを有してもよい。パワー部は、後述する第一電流モジュール110及び第二電流モジュール120と、第一パワーモジュール30及び第二パワーモジュール40とを有してもよい。また、制御部は、後述する第一制御基板130及び第二制御基板140を有してもよい。
【0049】
図7に示すように、本実施の形態の電源装置は第一組立体と第二組立体とを有してもよい。第一組立体は、他方側に第一凹部16を有する第一ヒートシンク10と、第一ヒートシンク10の一方側に配置された第一パワーモジュール30と、第一パワーモジュール30の一方側に配置され、第一パワーモジュール30と電気的に接続されるとともに第一パワーモジュール30を制御する第一制御基板130と、を有してもよい。第二組立体は、一方側に第二凹部26を有する第二ヒートシンク20と、第二ヒートシンク20の他方側に配置された第二パワーモジュール40と、第二パワーモジュール40の他方側に配置され、第二パワーモジュール40と電気的に接続されるとともに第二パワーモジュール40を制御する第二制御基板140と、を有してもよい。
【0050】
第一組立体は、少なくとも一部が第一凹部16内に配置され、第一パワーモジュール30と電気的に接続された第一電流モジュール110を有してもよい。第二組立体は、少なくとも一部が第二凹部26内に配置され、第二パワーモジュール40と電気的に接続された第二電流モジュール120を有してもよい。
【0051】
第一パワーモジュール30と第一制御基板130との間に第一放熱部50が配置されてもよい。より具体的には、第一パワーモジュール30の一方側であって第一制御基板130の他方側に第一放熱部50が設けられてもよい。また、第二パワーモジュール40と第二制御基板140との間に第二放熱部60が配置されてもよい。より具体的には、第二パワーモジュール40の他方側であって第二制御基板140の一方側に第二放熱部60が設けられてもよい。第一放熱部50及び第二放熱部60は板形状からなってもよく、第一放熱部50が第一放熱板で構成され、第二放熱部60が第二放熱板で構成されてもよい。
【0052】
図7に示すように、第一ヒートシンク10の他方側と第二ヒートシンク20の一方側とは互いに対向して配置されてもよい。第一ヒートシンク10及び第二ヒートシンク20の
図7の右側には自動車、二輪等の乗り物で利用されるモータ等の回転駆動部400が配置されてもよい(
図8参照)。そして、第一ヒートシンク10及び第二ヒートシンク20の回転駆動部400側(
図7の右側)に、回転駆動部400の回転位置に関する情報を取得する位置検出基板150が設けられてもよい。
【0053】
第一ヒートシンク10は、他方側に突出した第一突出部11を有し、第二ヒートシンク20は、一方側に突出した第二突出部21を有してもよい。第一突出部11の他方側の面は平坦面となり、第二突出部21の一方側の面は平坦面となってもよい。第一突出部11の他方側の平坦面と第二突出部の一方側の平坦面が面で当接してもよい。
【0054】
図7に示すように、第一突出部11の一方側には第一パワーモジュール30の一部が設けられ(
図9(a)参照)、第二突出部21の他方側には第二パワーモジュール40の一部が設けられてもよい(
図9(b)参照)。
【0055】
図7に示すように、第一パワーモジュール30は、第一制御基板130側及び第一電流モジュール110側に延び、第一制御基板130及び第一電流モジュール110と電気的に接続された第一モジュール端子31を有してもよい。第二パワーモジュール40は、第二制御基板140側及び第二電流モジュール120側に延び、第二制御基板140及び第二電流モジュール120と電気的接続された第二モジュール端子41を有してもよい。
【0056】
図7に示すように、第一制御基板130と位置検出基板150は第一制御基板130の回転駆動部400側の端部で互いに隣接して配置され、第二制御基板140と位置検出基板150は第二制御基板140の回転駆動部400側の端部で互いに隣接して配置されてもよい。ここで「隣接」とは、間隙なく配置される態様又は一定距離以下(例えば1cm以下又は数ミリ以下)の間隙をもって配置される態様を意味する。
図7に示す態様では、第一制御基板130及び第二制御基板140の回転駆動部400側の端部に隣接して、位置検出基板150の径方向における周縁部が位置する構成となっている。
【0057】
位置検出基板150は面方向(
図11の紙面方向)の中心位置に位置検出素子151を有してもよい。この位置検出素子151によって、モータ等の回転駆動部400の回転位置を検出することができる。
【0058】
第一制御基板130及び第二制御基板140は、回転駆動部400側の端部(
図7の右側端部)で位置検出基板150に対して固定されてもよい。より具体的には、第一制御基板130の第一制御固定部139が位置検出基板150に設けられた固定穴159(
図11参照)に挿入されることで第一制御基板130が位置検出基板150に対して固定され、第二制御基板140の第二制御固定部149が位置検出基板150に設けられた固定穴159(
図11参照)に挿入されることで第二制御基板140が位置検出基板150に対して固定されてもよい。また、位置検出本体板154にネジ等の締結部材を挿入するための締結穴153が設けられて、この締結穴153に締結部材が挿入されることで、位置検出本体板154がヒートシンク10,20に固定されてもよい。
【0059】
図7に示すように、第一電流モジュール110は、爪部材のような第一電流モジュール固定部材119によって、第一制御基板130に対して固定されてもよい。同様に、第二電流モジュール120は、爪部材のような第二電流モジュール固定部材129によって、第二制御基板140に対して固定されてもよい。
図7に示す態様において、紙面裏面側にもう一つの第一電流モジュール固定部材119が設けられてもよい。この場合には、一対の第一電流モジュール固定部材119によって第一制御基板130が挟持されることで、第一電流モジュール固定部材119が第一制御基板130に対して固定されることになる。同様に、
図7に示す態様において、紙面裏面側にもう一つの第二電流モジュール固定部材129が設けられてもよい。この場合には、一対の第二電流モジュール固定部材129によって第二制御基板140が挟持されることで、第二電流モジュール固定部材129が第二制御基板140に対して固定されることになる。
【0060】
第一ヒートシンク10は、第一突出部11の回転駆動部400側と反対側(
図7の左側)に第一延在部12を有し、第二ヒートシンク20は、第二突出部21の回転駆動部400側と反対側に第二延在部22を有してもよい。第一延在部12の他方側の面は平坦面となっており、第二延在部22の一方側の面は平坦面となっていてもよい。第一延在部12の他方側の平坦面と第二延在部22の一方側の平坦面とは当接してもよい。第一延在部12及び第二延在部22内にはネジ等の締結部材15を挿入するための締結孔が設けられてもよく、締結孔に締結部材15が挿入されることで、第一ヒートシンク10が第二ヒートシンク20に対して固定されてもよい。
図7では第一延在部12に挿入された締結部材15が示されているが、
図7の紙面裏側では、第二延在部22に締結部材が挿入されている。
【0061】
図7に示すように、第一制御基板130は他方側に一つ以上の第一制御素子135を有してもよい。そして、この第一制御素子135と第一放熱部50とが接触し、第一制御素子135からの発熱を第一放熱部50によって放熱させるようにしてもよい。第二制御基板140は一方側に一つ以上の第二制御素子145を有してもよい。この第二制御素子145と第二放熱部60とが接触し、第二制御素子145からの発熱を第二放熱部60によって放熱させるようにしてもよい。
【0062】
図7に示すように、第一電流モジュール110は、第一モジュール端子31を介して第一パワーモジュール30と電気的に接続され、第一電流端子116を介して第一制御基板130と電気的に接続されてもよい。第二電流モジュール120は、第二モジュール端子41を介して第二パワーモジュール40と電気的に接続され、第二電流端子126を介して第二制御基板140と電気的に接続されてもよい。
【0063】
図10(a)に示すように、第一パワーモジュール30は、積層した半導体素子等からなる電子素子を有するスタック構造となってもよい。つまり、第一パワーモジュール30は、第一ヒートシンク側電子素子36と、第一ヒートシンク側電子素子36の一方側に配置された第一放熱部側電子素子37と、を有してもよい。
図10(b)に示すように、第二パワーモジュール40も、積層した半導体素子等からなる電子素子を有するスタック構造となってもよい。つまり、第二パワーモジュール40は、第二ヒートシンク側電子素子46と、第二ヒートシンク側電子素子46の他方側に配置された第二放熱部側電子素子47と、を有してもよい。このような態様を採用する場合には、第一ヒートシンク側電子素子36による総発熱量が第一放熱部側電子素子37による総発熱量よりも大きくなってもよい。また、第二ヒートシンク側電子素子46による総発熱量が第二放熱部側電子素子47による総発熱量よりも大きくなってもよい。
【0064】
図10(a)に示す第一パワーモジュール30は、第一ヒートシンク側基板32aと、第一ヒートシンク側基板32aに設けられた第一ヒートシンク側導体層33aと、第一放熱部側基板32bと、第一放熱部側基板32bに設けられた第一放熱部側導体層33bと、第一ヒートシンク側電子素子36と第一放熱部側電子素子37の間に設けられた第一接続体39とを有している。
図10(a)に示すような態様に限られることはなく、例えば第一接続体39の
図10(a)上側に第一放熱部側導体層33bが設けられ、第一放熱部側導体層33bの
図10(a)上側に第一放熱部側電子素子37が設けられる態様を採用してもよい。
図10(b)に示す第二パワーモジュール40は、第二ヒートシンク側基板42aと、第二ヒートシンク側基板42aに設けられた第二ヒートシンク側導体層43aと、第二放熱部側基板42bと、第二放熱部側基板42bに設けられた第二放熱部側導体層43bと、第二ヒートシンク側電子素子46と第二放熱部側電子素子47の間に設けられた第二接続体49とを有している。
図10(b)に示すような態様に限られることはなく、例えば第二接続体49の
図10(b)下側に第二放熱部側導体層43bが設けられ、第二放熱部側導体層43bの
図10(b)下側に第二放熱部側電子素子47が設けられる態様を採用してもよい。
【0065】
第一パワーモジュール30が複数の第一電子素子38を有し、第一突出部11に対応する高放熱領域内に位置づけられた第一電子素子38の総発熱量が、高放熱領域外の第一電子素子38の総発熱量よりも大きくなる態様を採用した場合には、第一パワーモジュール30内において発熱の大きな場所における放熱効率を高めることができ、ひいては、バランスよく放熱できる点で有益である。同様に、第二パワーモジュール40が複数の第二電子素子48を有し、第二突出部21に対応する高放熱領域内に位置づけられた第二電子素子48の総発熱量が、高放熱領域外の第二電子素子48の総発熱量よりも大きくなる態様を採用した場合には、第二パワーモジュール40内において発熱の大きな場所における放熱効率を高めることができ、ひいては、バランスよく放熱できる点で有益である。
【0066】
図7に示すように、ヒートシンク10,20と放熱部50,60の両方を利用する態様によれば、ヒートシンク10,20による放熱の方が放熱部(特に放熱板)50,60による放熱よりも効果的に行われる。このため、第一パワーモジュール30が、
図9(a)に示すように第一ヒートシンク側電子素子36及び第一放熱部側電子素子37を有する場合には、第一ヒートシンク側電子素子36による総発熱量が第一放熱部側電子素子37による総発熱量よりも大きくなる態様を採用することが考えられる。この場合には、第一パワーモジュール30で発生する熱を効率よく逃がすことができる点で有益である。同様に、第二パワーモジュール40が、
図9(b)に示すように第二ヒートシンク側電子素子46及び第二放熱部側電子素子47を有する場合には、第二ヒートシンク側電子素子46による総発熱量が第二放熱部側電子素子47による総発熱量よりも大きくなる態様を採用することが考えられる。この場合には、第二パワーモジュール40で発生する熱を効率よく逃がすことができる点で有益である。
【0067】
上述した各実施の形態の記載及び図面の開示は、請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載又は図面の開示によって請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。また、出願当初の請求項の記載はあくまでも一例であり、明細書、図面等の記載に基づき、請求項の記載を適宜変更することもできる。