【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、特許請求の範囲の独立請求項の特徴を有する、組立体、温度依存性反応を遂行するための器具及び温度依存性反応を遂行するための方法、によって解決される。単独に実現することもできるし何れかの任意の組み合わせに実現することもできる実施形態ものは、特許請求の範囲の従属請求項に記載されている。
【0008】
下記での使用に際し、(原文「have」の対訳である)「有する」、(原文「comprise」の対訳である)「備える」若しくは(原文「include」の対訳である)「含む」という用語又はそれらの語の何れかの任意の文法的変化形は、非排他的に使用されている。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入されている特徴とは別に、更なる特徴がこの文脈で説明されている実在物に存在していないという状況を言い表すとともに、1つ又は複数の更なる特徴が存在しているという状況も言い表してよい。一例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」及び「AはBを含む」という表現は、AにはBとは別に他の要素が何も存在していないという状況(即ち、Aは唯一且つ排他的にBから成るという状況)及び実在物AにはBとは別に1つ又は複数の更なる要素、例えば、要素C、要素C及び要素D、又は更にそれ以上の要素、が存在しているという状況の双方を言い表してよい。
【0009】
また、「少なくとも1」、「1又はそれ以上」、又は、或る特徴又は要素が一回又はそれ以上存在し得ることを示唆する類似の表現は、典型的には、それぞれの特徴又は要素を紹介する際に一回に限って使用されるであろうことに留意されたい。下記では、それぞれの特徴又は要素に言及する際、殆どの場合に、それぞれの特徴又は要素が一回又はそれ以上存在し得るという事実にもかかわらず「少なくとも1」又は「1又はそれ以上」という表現を繰り返すことはしない。
【0010】
試料ブロックと、ヒートシンクと、少なくとも1つの電着型熱電要素と、を備えている組立体が開示されている。電着型熱電要素の製造技法は、単位面積当たりの印加可能なパワーの損失無しに、多く穿たれた又は凹みが設けられた熱電要素の様な任意のカスタマイズされた形状を可能にする。電着型熱電要素は、可撓性にすることもできる。それらは、円筒体又は円錐体の様な多くの形状に実現することができる。したがって、電着型熱電要素の製造技法は、殆ど何れの構想され得るオーダー、形状、配置、及びテルル化物結晶の様な粒子のサイズも許容し、よってエッジやコーナー付近での一定のパワー補償を提供することさえ可能にする。
【0011】
電着型熱電要素は試料ブロックとヒートシンクの間に配置させることができる。したがって、熱を試料ブロックから除去しヒートシンクへ移すことができる。
【0012】
電着型熱電要素は試料ブロック及び/又はヒートシンクに接触させることができる。したがって、電着型熱電要素から試料ブロック及び/又はヒートシンクへの及びその逆の直接の熱移動が提供される。
【0013】
試料ブロックは電着型熱電要素及びヒートシンクへ固定させることができる。したがって、試料ブロックの、電着型熱電要素及びヒートシンクに対するずれが防止される。それ故、これらの構造部材の配置向きは永久的に同じままとなるので、これらの構造部材間の熱流束を信頼性高く制御することができるようになる。
【0014】
例えば、試料ブロックは、ポジティブフィット接続及び/又は非ポジティブフィット接続及び/又は接着ボンド接続を用いて、電着型熱電要素及びヒートシンクへ固定させることができる。接着ボンド接続は、熱安定性熱伝導性グルーを使用することによって提供することができる。したがって、これらの構造部材は、個々の形状及び用途に依存して、個別に互いへ接続させることができる。
【0015】
特に、試料ブロックは、少なくとも1つの固定ボルトを備えていてもよい。電着型熱電要素は少なくとも1つの固定穴を備え、ヒートシンクは少なくとも1つの固定穴を備えていてもよい。少なくとも1つのねじの切られたボルトを熱電要素の固定穴及びヒートシンクの固定穴に係合させるようにしてもよい。こうして脱着式の固定が提供され、これらの構造部材の保守及び交換が可能になる。
【0016】
試料ブロックは、それぞれが試料容器を受け入れるように構成されている1つ又は複数の凹部を備えていてもよい。前記少なくとも1つの電着型熱電要素の形状が前記1つ又は複数の凹部の形状に適合されていてもよい。そうすれば、基本的に、数個の試料容器架台を、対応する形状、複雑な凹部、穴、窪み、貫通孔、突出、など、を有するたった1つの電着型熱電要素を用いて加熱及び冷却することが可能となる。その様な形状の電着型熱電要素の使用は、直冷式の試料架台又はラック又はパックを製造することを容易にする。例えば、(単数又は複数の)電着型熱電要素を(単数又は複数の)架台のつば(collar:「襟」とも)の周りの湾曲した電着型熱電要素として提供することもできる。
【0017】
試料ブロックは、試料容器を受け入れるように構成されている少なくとも1つの凹部を備えていてもよい。凹部は、その底端に貫通孔を備えていてもよい。電着型熱電要素は、少なくとも1つの貫通孔を備えていてもよい。ヒートシンクは、少なくとも1つの貫通孔を備えていてもよい。凹部の貫通孔と電着型熱電冷却要素の貫通孔とヒートシンクの貫通孔を共通の軸上に整列させることができる。こうして、光を伝播させ検出できるようにする光学経路が提供される。
【0018】
凹部は、電着型熱電要素に向かって先細りになっていてもよい。したがって、軽減されたばね荷重及び軽減された公差仕様によって予荷重を実現し得るように、または、高さが重大な設計パラメータとなる半径方向の熱界面のために、熱界面を先細り形状に実現し得る。
【0019】
例えば、凹部は円錐形状をしていてもよい。したがって、軽減されたばね荷重及び軽減された公差仕様によって予荷重を実現し得るように、または、高さが重大な設計パラメータとなる半径方向の熱界面のために、熱界面を円錐形状に実現し得る。
【0020】
電着型熱電要素は複数の熱電ゾーンを備えるものとすることができる。当該ゾーンは個別に作動できる。したがってゾーンは互いに独立に作動できる。こうして個々のゾーンの間で異なる加熱及び/又は冷却性能が提供される。
【0021】
熱電ゾーンは、同一の又は異なる冷却パワー特性又は加熱パワー特性を備えていてもよい。具体的には、異なるゾーン同士を互いから絶縁して構築しておけば、それらを独立に差別的にパワー供給することができるようになる。そうすれば、熱均一性及び/又は様々な傾斜プロファイル又は循環プロファイルをたった1つのハードウェアセットアップで達成することができる。
【0022】
各熱電ゾーンは(複数の)サブ部分を備えていてもよい。サブ部分は同一の又は異なる冷却パワー特性又は加熱パワー特性を備えていてもよい。したがって、ゾーンは、それ自体を、個別熱移動のより小さい領域を可能にするサブ部分へ分割され得る。こうして1つのゾーン内に、エッジ効果又は設計が関係する非対称性を補償するため、異なるパワー特性を有する複数の領域又はサブ部分を実施することができる。
【0023】
電着型熱電要素は、基本的に、平面形、切石の形、円筒形、円錐形、多角形、丸みを帯びた辺を有する多角形の形状、多面体、丸みを帯びた辺を有する多面体、又は任意の三次元形状、を備えることができる。したがって、電着型熱電要素は、複数の潜在的に考えられ得る形状に設計することができる。その結果、電着によって作られる熱電要素をむしろ少ない労力で個別に形作ることができるようになる。
【0024】
以上に説明されている組立体と、少なくとも1つのラボラトリ装置と、を備える、温度依存性反応を遂行するための器具が開示されている。したがって、当該組立体は、異なる種類のラボラトリ器具へ十分に一体化させることができる。
【0025】
以上に説明されている組立体での又は以上に説明されている器具での温度依存性反応を遂行する方法が開示されている。方法は、電着型熱電要素を作動させることによって、試料ブロックの凹部に配置された試料容器内に備えられている試料を1つ又は複数の指定温度に曝す段階を備えている。こうして温度依存性反応を、改善され簡略化された方式で制御することができるようになる。
【0026】
電着型熱電要素は、試料容器内の試料を冷却及び/又は加熱するべく作動されるようになっていてもよい。したがって、試料容器内の温度は、熱を試料容器へ供給することによって又は熱を試料容器から除去することによって制御することができる。
【0027】
試料中の検体の存在又は不在を判定する方法であって、以上に説明されている方法を、前記検体に対して特異的である検出可能なマーカーの存在下に遂行する段階と、前記検体の存在又は不在を指し示す、前記検出可能なマーカーによって発せられる光を検出する段階と、を備えている方法、が開示されている。したがって、電着型熱電要素の個別設計は光学的検出手法内での適用を可能にする。
【0028】
マーカーは蛍光体又は電気化学発光化合物であってもよい。したがって、十分に確立されたマーカーを本方法と共に使用することもできる。
【0029】
マーカーは蛍光体であってよく、試料は前記温度依存性反応の最中及び/又は後に励起光に曝されてよく、発せられた光は検出器に検出されてよく、前記発せられた光が前記検体の存在を示している。こうして改善された温度依存性反応動態学を用いて検体を信頼性高く検出することができるようになる。
【0030】
励起光源は試料ブロックの上方に位置付けられてよく、検出器は以上に説明されている組立体のヒートシンクの下方に位置付けられてもよい。こうして、試料から発生する光を単純な方式で信頼性高く検出することができるようになる。
【0031】
「試料ブロック」という用語は、ここでの使用に際し、試料容器を収容するように構成されている室又は凹部を備えるブロックの形状をした構造部材を言う。試料容器はプラスチック容器であってもよい。特に、試料容器は、ブロックと容器内に備えられている液体試料との間での最適熱移送を許容するように構築し配列させることができる。これは、熱循環の最中又は後の最適条件を可能にし、核酸増幅の特異性及び効率を確約する。液体は、光ビーム照射によって検出することのできる反応物質を備えている。反応物質の例は、液体中の反応生成物の形成と相関のある蛍光標識である。反応の一例は、TMA、NASBA又はPCRの様な、増幅反応である。その様な増幅反応は当技術分野ではよく知られている。代替として、試料容器は、マルチウェルプレート、即ちマイクロタイタープレートに複数のウェルが配列されているもの、である。
【0032】
「ヒートシンク」という用語は、ここでの使用に際し、電子装置又は機械装置によって生成された熱を動いている冷却剤流体の中へ移す受動熱交換器を言う。移された熱は動いている流体と共に装置を去るので、その結果、装置温度を物理的に実行可能なレベルに調整することが可能となる。
【0033】
「電着型」という用語は、ここでの使用に際し、電着によって作られた構造物を言う。電着は、電着塗装、eコーティング、陰極電着、陽極電着、及び電気泳動被覆、又は電気泳動塗装、を含むプロセスである。このプロセスの特有の特徴は、液体媒質中に懸濁させたコロイド粒子を電場の影響下で移動(電気泳動)させ電極上に堆積させることである。電気泳動堆積では、安定した懸濁液を形成するのに使用することのできるあらゆるコロイド粒子及び電荷を運ぶことのできるあらゆるコロイド粒子を使用することができる。これは、ポリマー、顔料、染料、セラミック、及び金属、の様な材料を含む。当該プロセスは、材料を任意の電気伝導性の表面へ塗布するのに有用である。
【0034】
「ポジティブフィット接続」という用語は、ここでの使用に際し、接続されるべき少なくとも2つの要素又は構造部材の、これらの要素同士の係合又は噛合いによってもたらされる接続を言う。それにより、これらの要素は、力の伝達が無くても又は力の伝達の中断が無くても互いから離れることはないであろう。言い換えれば、ポジティブフィット接続の場合、一方の要素が他方の要素の障害となるか又は他方の要素の行く手に立ちふさがるわけである。ポジティブフィット接続は、更に、ポジティブロッキング接続としても知られている。
【0035】
「非ポジティブフィット接続」という用語は、ここでの使用に際し、接続されるべき少なくとも2つの要素又は構造部材の、それら要素の表面へ垂直に作用する押圧力によってもたらされる接続を言う。接着力によって生じる抗力が打ち負かされない限り、要素同士が互いに対してずれることはないであろう。非ポジティブフィット接続は、更に、非ポジティブロッキング接続としても知られている。
【0036】
「接着ボンド接続」という用語は、ここでの使用に際し、接続されるべき少なくとも2つの要素又は構造部材の、原子間力又は分子力によってもたらされる接続を言う。その様な接続は、接続されるべき要素又は構造部材上へ、それらを互いに接続する介在材料を塗布することによって提供することができる。こうして現出される接続は可溶性のこともあれば不溶性のこともある。介在材料は、接着剤又はグルー、特に熱安定性熱伝導性のグルーとすることができる。
【0037】
「ラボラトリ器具」という用語は、ここでの使用に際し、検出器を備える任意の器具であって、光を試料へ発するように構成されている光源と、試料から発せられる光を検出するように構成されている検出器と、を備える器具を言う。
【0038】
「光源」という用語は、ここでの使用に際し、分析されるべき試料中に生成されるルミネセンスの励起のために使用することのできる任意の種類の照明器とすることができる。本発明の光源は、一次光源又は二次光源であってもよく、一次光源は、電気エネルギー、電磁エネルギー、化学エネルギー、熱エネルギー、運動エネルギー、又は任意の他の形態のエネルギー、例えば蛍光体をベースとする発光ダイオードを含む、を、試料容器内のマーカー分子の励起に適した光へ変える。二次光源は、或る光ビームの形状、方向、及び均一性を、別の光ビームへ変換する光源である。それは、白色光源であってもよく、又はそれは、単一波長だけを含むものであってもよいし、複数波長を含むものであってもよいし、又は1つ又は複数の波長ゾーン、又はそれらの組合せを含むものであってもよい。典型的な光源は、白熱灯、ガス放電灯、又は有機LED(OLEDs)を含む発光ダイオード(LEDs)である。光源は、単一周波数を有する光又は複数の異なる周波数を有する光を発する発光体を含む。追加的に、光源は1つより多い前記発光体から成る配列であってもよい。
【0039】
「検出器」という用語は、ここでの使用に際し、視野平面の像の像平面内に位置する複数の個別検出サイトの特定の配列に関係する。各個別検出サイトは、光を捕捉することができ且つ光の強度を対応する電気信号へ変換することができる装置である。ウェル又はバイアル又は試料容器に入っている各試料から発生する蛍光の像は、少なくとも1つの検出サイトと一致している。例えば、検出器は、光ビームによって伝送される光信号を、ユーザーが彼又は彼女の測定の結果を認識できるようモニター上の図示された説明に変換するように適合されている電荷結合素子(CCD)チップ又はCMOSチップを備えていてもよい。
【0040】
「試料又はマーカーから発せられる光」という用語は、ここでの使用に際し、試料又はマーカーから発生する光ビームに関する。これらの光ビームは、ウェル又は試料容器内に備えられた試料中のマーカー分子の励起によって生成されるルミネセンス、即ち放射光のこともあるし、又は蛍光マーカーが使用されている場合にはレミッション光(remission light)のこともある。
【0041】
「試料」という用語は、ここでの使用に際し、関心対象の検体を含有していると想定される材料を言う。試料は、血液、唾液、眼球水晶体液、脳脊髄液、汗、尿、乳、腹水、粘液、滑液、腹膜液、羊水、組織、細胞、など、を含む生理学的流体の様な、任意の生物源由来のものとすることができる。検査試料は、使用に先立って前処理されていてもよく、例えば、血液から血漿を調製すること、粘性流体を希釈すること、溶解、など、が施されてもよく、処理の方法は、濾過、蒸溜、遠心分離、濃縮、干渉成分の不活性化、及び試薬の添加、を伴うこともある。試料は、源から得られたものがそのまま使用されてもよいし、又は試料の性質を変えるための前処理をしたうえで使用されてもよく、例えば別の溶液で希釈された後に使用されることもあるし、又は例えば1つ又は複数の診断的検定を実施することを目的に、一例として、臨床化学検定、免疫検定、凝固検定、核酸検査、など、の様な診断的検定を実施することを目的に、試薬と混合された後に使用されることもある。従って、「試料」という用語は、ここでの使用に際し、原試料に使用されるのみならず、前もって処理済みの(ピペット採取された、希釈された、試薬と混合された、濃縮された、純化処理済み、増幅処理済み、などの)試料にも関係する。ここでの使用に際し「検体」という用語は検出されるべき又は測定されるべき化合物又は組成物を言う。
【0042】
「試料容器」という用語は、ここでの使用に際し、試料を保存又は収容するように構成されている何れかの種類の入れ物を言う。したがって、試料容器は、筒形状の入れ物、ラック、パック、又はスライドであってもよい。
【0043】
本発明の知見を要約し、下記の特定の実施形態が開示されている。即ち、
【0044】
(実施形態1)
試料ブロックと、ヒートシンクと、少なくとも1つの電着型熱電要素と、を備えている組立体。
【0045】
(実施形態2)
実施形態1による組立体において、電着型熱電要素は試料ブロックとヒートシンクの間に配置されている、組立体。
【0046】
(実施形態3)
実施形態1又は実施形態2による組立体において、電着型熱電要素は試料ブロック及び/又はヒートシンクに接触している、組立体。
【0047】
(実施形態4)
実施形態1から実施形態3の何れか1つによる組立体において、試料ブロックは電着型熱電要素及びヒートシンクへ固定されている、組立体。
【0048】
(実施形態5)
実施形態1から実施形態4の何れか1つによる組立体において、試料ブロックは、ポジティブフィット接続及び/又は非ポジティブフィット接続及び/又は接着ボンド接続を用いて、電着型熱電要素及びヒートシンクへ固定されている、組立体。
【0049】
(実施形態6)
実施形態1から実施形態5の何れか1つによる組立体において、試料ブロックは少なくとも1つの固定穴を備え、電着型熱電要素は少なくとも1つの固定穴を備え、ヒートシンクは少なくとも1つの固定穴を備え、少なくとも1つのボルト、好適にはねじの切られたボルトが、試料ブロックの固定穴と熱電要素の固定穴とヒートシンクの固定穴を係合している、組立体。
【0050】
(実施形態7)
実施形態1から実施形態6の何れか1つによる組立体において、試料ブロックは、それぞれが試料容器を受け入れるように構成されている1つ又は複数の凹部を備えており、前記少なくとも1つの電着型熱電要素の形状は前記1つ又は複数の凹部の形状に適合されている、組立体。
【0051】
(実施形態8)
実施形態1から実施形態7の何れか1つによる組立体において、試料ブロックは試料容器を受け入れるように構成されている少なくとも1つの凹部を備え、前記凹部はその底端に貫通孔を備え、電着型熱電要素は少なくとも1つの貫通孔を備え、ヒートシンクは少なくとも1つの貫通孔を備えており、凹部の貫通孔と電着型熱電冷却要素の貫通孔とヒートシンクの貫通孔は共通の軸上に整列している、組立体。
【0052】
(実施形態9)
実施形態7又は実施形態8による組立体において、凹部は電着型熱電要素に向かって先細りになっている、組立体。
【0053】
(実施形態10)
実施形態7から実施形態9の何れか1つによる組立体において、凹部は円錐形状をしている、組立体。
【0054】
(実施形態11)
実施形態1から実施形態10の何れか1つによる組立体において、電着型熱電要素は熱電ゾーンを備え、当該ゾーンは個別に作動できる、組立体。
【0055】
(実施形態12)
実施形態11による組立体において、前記熱電ゾーンは同一の又は異なる冷却パワー又は加熱パワー特性を備えている、組立体。
【0056】
(実施形態13)
実施形態11又は実施形態12による組立体において、各熱電ゾーンはサブ部分を備え、当該サブ部分は同一の又は異なる冷却パワー又は加熱パワー特性を備えている、組立体。
【0057】
(実施形態14)
実施形態1から実施形態13の何れか1つによる組立体において、電着型熱電冷却要素は、平面形、切石の形、円筒形、円錐形、多角形、丸みを帯びた辺を有する多角形の形状、多面体、丸みを帯びた辺を有する多面体、又は任意の三次元の形、を備えている、組立体。
【0058】
(実施形態15)
実施形態1から実施形態14の何れか1つによる組立体と、少なくとも1つのラボラトリ装置と、を備えている、温度依存性反応を遂行するための器具。
【0059】
(実施形態16)
実施形態1から実施形態14の何れか1つによる組立体での又は実施形態15による器具での温度依存性反応を遂行する方法であって、電着型熱電要素を作動させることによって、試料ブロックの凹部に配置されている試料容器内に備えられている試料を1つ又は複数の指定温度に曝す段階、を備えている方法。
【0060】
(実施形態17)
実施形態16による方法において、電着型熱電要素は試料容器内の試料を冷却及び/又は加熱するように作動される、方法。
【0061】
(実施形態18)
試料中の検体の存在又は不在を判定する方法であって、実施形態16の方法を前記検体に対して特異的である検出可能なマーカーの存在下に遂行する段階と、前記検体の存在又は不在を指し示す、前記検出可能なマーカーによって発せられる光を検出する段階と、を備えている方法。
【0062】
(実施形態19)
実施形態18の方法において、前記マーカーは蛍光体又は電気化学発光化合物である、方法。
【0063】
(実施形態20)
実施形態19の方法において、前記マーカーは蛍光体であり、前記試料は前記温度依存性反応中に励起光に曝され、発せられた光が検出器によって検出され、前記発せられた光を前記検体の存在についての指標とする、方法。
【0064】
(実施形態21)
実施形態19の方法において、試料ブロックの上方に励起光源が位置付けられ、実施形態8又はそれに従属する何れかの実施形態による組立体のヒートシンクの下方に検出器が位置付けられている、方法。
【0065】
本発明の更なる詳細事項は、下記の特定の実施形態の開示から導き出すことができる。実施形態の特徴は単独的に実現されてもよいし又は何れかの組合せに実現されてもよい。本発明はそれら実施形態に限定されない。実施形態は図に概略的に描かれている。図中の同一の参照番号は、同一の要素又は機能的に同一の要素又は機能に関して互いに対応している要素を指す。