(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記装置は、前記複数の治療用端子と前記把手上の前記ハンドグリップ部分との間に第2の最小隙間間隔を提供するようにサイズ設定および構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
前記装置が、前記先端部の全長、前記把手の全長、前記接続端子間の実際の物理的距離、または前記接続端子と前記把手の指止めとの間を増加させることなく、前記最小隙間間隔および/または前記第2の最小隙間間隔を提供するように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
前記最小隙間間隔または前記第2の最小隙間間隔が、2つの導電性部品間の最短距離であり、空気中で測定されるか、または絶縁材料表面経路に沿って測定され、アークを防止または最小化する、請求項1または4に記載の装置。
前記コンセントが、前記コネクタとコンセントが嵌合状態にある時に導電状態にするように構成された電気機械スイッチを更に含む、請求項15〜16のいずれか1項に記載の高電圧コネクタ。
前記最小隙間間隔が、2つの導電性部品間の最短距離であり、空気中で測定されるか、または絶縁材料表面経路に沿って測定され、アークを防止または最小化する、請求項15〜19のいずれか1項に記載の高電圧コネクタ。
前記絶縁性先端部ハウジングに恒久的にまたは取り外し可能に接続された把手を更に含み、前記把手が、前記少なくとも2つの高電圧接続端子を受け取るように構成された導電性コネクタを含む、請求項23〜24のいずれか1項に記載の装置。
前記絶縁性先端部ハウジングから突出するタブおよびラッチノッチを更に含み、前記ラッチノッチが、前記把手のラッチフックと弾性的に嵌合するように構成されている、請求項25に記載の装置。
前記一組の治療用端子が一組の治療用針状電極であり、前記絶縁性先端部ハウジング上の少なくとも1つの基準が、前記一組の治療用針状電極の中心点と半径方向に整列している、請求項23〜27のいずれか1項に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0037】
ナノ秒パルス電場(nsPEF)治療を用いて、がん性腫瘍細胞にアポトーシス(プログラム細胞死)を惹起させることができることが認められている。試験により、治療後に腫瘍が無くなるまで縮小し得ることが明らかにされている。薬剤は必要ない。また対象者の免疫系が刺激されて、nsPEFで治療される腫瘍の範囲内ではない腫瘍の細胞を含む、全ての類似腫瘍細胞が攻撃され得ることも認められている。
【0038】
「腫瘍」には、被験体の表面もしくは体内の、または当技術分野において別途知られる、あらゆる新生物もしくは異常で望ましくない組織の増殖が含まれる。腫瘍には、異常な増殖を示す1つまたは複数の細胞の一群が含まれ得る。腫瘍には多くの種類がある。悪性腫瘍はがん性であり、悪性になる前の腫瘍は前がん性であり、良性腫瘍は非がん性である。腫瘍の例には、良性前立腺肥大症(BPH)、子宮筋腫、膵臓癌、肝臓癌、腎臓癌、結腸癌、前基底細胞癌、およびバレット食道に関連する組織が挙げられる。
【0039】
「疾病」には、がん性、前がん性、および良性であるものを含む、異常で、制御されていない組織の増殖に伴う、被験体の内部または表面のあらゆる異常な状態、または当技術分野において周知の他の疾病が含まれる。
【0040】
腫瘍または細胞の「アポトーシス」には、系統的なプログラム細胞死、または当技術分野において別途知られる細胞死が含まれる。
【0041】
腫瘍または細胞の「免疫原性アポトーシス」には、免疫系応答が後に続く、または当技術分野において別途知られる、プログラム細胞死を含む。アポトーシス細胞がそれらの表面にカルレティキュリンまたは他の抗原を発現する際に、免疫系応答が関与すると考えられている。この免疫系応答は、樹状細胞を刺激して、標的細胞を飲み込ませ、摂取させ、または別の方法で標的細胞の貪食を行わせ、その結果、標的腫瘍または標的細胞に対する特異的T細胞応答の活性化をもたらす。
【0042】
nsPEFの10〜900ナノ秒のパルス長は、免疫応答を刺激するのに効果的であることが特に研究されている。約100ナノ秒のパルス長は、それらが、低いパルス数で効果的である程度に十分なエネルギーを伝達する長さであるが、要求される様式で効果的である程度には十分に長くないという点で特に興味深い。
【0043】
「約」を付したある数値のナノ秒という時間には、±1%、2%、3%、4%、5%、7.5%、10%、15%、20%、25%もしくは他の割合の許容誤差、または±0.1、±0.2、±0.3、±0.4、±0.5、±0.7、±1.0、±2.0、±3.0、±4.0、±5.0、±7.0、±10、±15、±20、±25、±30、±40、±50、±75nsなどの一定の許容誤差、またはその期間の有効性に準拠して当技術分野において許容できる他の許容誤差の範囲内の時間が含まれる。
【0044】
患者に免疫応答が誘発されたことを確認するために、免疫系バイオマーカを、nsPEF治療の前および/または後に測定することができる。さらに、nsPEF治療をCD47遮断抗体治療と組み合わせて、がんを攻撃するためにCD8+T細胞(すなわち細胞傷害性T細胞)をより適切に仕込むことができる。
【0045】
図1は、実施形態によるナノ秒パルス発生システムを示す。nsPEFシステム100は、電極102、足踏みスイッチ103、およびインタフェース104を含む。足踏みスイッチ103は、コネクタ106を介してハウジング105およびその中の電子部品に接続される。電極102は、高電圧コネクタ112を介してハウジング105およびその中の電子部品に接続される。nsPEFシステム100はまた、把手110および収納引き出し108を含む。
図1の細部Aの部分に示すように、nsPEFシステム100はまた、ホルスタ116を含み、このホルスタ116は、電極102をその把手部分114で保持するように構成される。
【0046】
ヒューマンオペレータは、例えば、インタフェース104の数字キーパッドまたはタッチスクリーンに、パルス数、振幅、パルス持続時間、および周波数の情報を入力する。いくつかの実施形態では、パルス幅を変えることができる。マイクロコントローラにより、nsPEFシステム100内のパルス制御素子に信号が送られる。いくつかの実施形態では、光ファイバケーブルが、nsPEF発生システム100、すなわち高電圧回路を備えている金属キャビネットの内容物を外部から電気的にも分離させながら、制御信号を与える。システムをさらに分離させるために、システム100は、壁コンセントからの代わりに、電池式にしてもよい。
【0047】
図2は、実施形態による電圧と電流の両方のパルスプロファイルを示す。nsPEFシステム100からの出力であり、第1および第2のパルスについて、電圧を図面の上部に配し、電流を下部に配する。第1のパルスは、約15kVの振幅、約50Aの電流、および約15nsの持続時間を有する。第2のパルスは、約15kVの振幅、約50Aの電流、および約30nsの持続時間を有する。例えば、電極間が4mmである吸引電極に15kVを印加し、その結果、腫瘍に47.5kV/cm、および12〜50Aの間の電流をもたらすことができる。電圧が与えられるとき、電流は電極の種類と組織の抵抗に大きく依存する。
【0048】
図2は特定の例を示すが、他のパルスプロファイルを発生させることもある。例えば、いくつかの実施形態では、パルスの立ち上がり時間および/または立ち下がり時間は、20ns未満、約20ns、約25ns、約30ns、約40ns、約50ns、約60ns、約75ns、または75ns超であり得る。いくつかの実施形態では、パルス電圧は、5kV未満、約5kV、約10kV、約15kV、約20kV、約25kV、約30kV、または30kV超であり得る。いくつかの実施形態では、電流は、10A未満、約10A、約25A、約40A、約50A、約60A、約75A、約100A、約125A、約150A、約175A、約200A、または200A超であり得る。いくつかの実施形態では、パルス持続時間は、10ns未満、約10ns、約15ns、約20ns、約25ns、約30ns、約40ns、約50ns、約60ns、約75ns、約100ns、約125ns、約150ns、約175ns、約200ns、約300ns、約400ns、約500ns、約750ns、約1μs、約2μs、約3μs、約4μs、約5μs、または約5μs超であり得る。
【0049】
図3は、実施形態による7本針吸引電極300の斜視図を示す。電極300では、シース301が、遠位端において幅広の開口部でもって7つの尖鋭な端子302を取り囲む。開口端を腫瘍に対して押し当てたときに、結果として生じるチャンバから吸引孔304を通して空気が排気されて、腫瘍全体またはその一部がチャンバ内に引き込まれる。腫瘍が引き込まれ、したがって端子302の1つまたは複数が好ましくは腫瘍を貫く。端子302の尖った先端部が、腫瘍を突き刺す構成となっている。中央端子302を一方の極性としてもよく、外側の6つの端子302をその正反対の極性としてもよい。その後、nsPEFシステム100を使用して、ナノパルス電場を腫瘍に正確に印加することができる(
図1参照)。
【0050】
端子302は、腫瘍の一方の側に各端子302の正負の対の一方を、腫瘍の反対側に対の他方の電極を並べて置くことができる。腫瘍の反対側には、例えば針端子302が腫瘍の一部を貫通している場合など、腫瘍の外側または内側の領域が含まれ得る。
【0051】
図4は、実施形態による2極吸引電極400を示す。電極装置400において、シース401は、チャンバの両側にある2つの幅広の端子402を取り囲む。空気が吸引孔404を通して排気され、腫瘍がチャンバ内に引き寄せられると、対向する端子402がnsPEFパルスを腫瘍に印加する。
【0052】
使用される電極の種類は、主に腫瘍の形状によって決まる。特定の電極種を選定する際に、その物理的大きさおよび剛性を考慮に入れることもできる。
【0053】
(Nuccitelli et al.に対する)米国特許第8,688,227 B2号は、治療的電気療法向けの他の吸引電極を基盤とした医療機器およびシステムを開示し、この特許は参照により本明細書の一部を構成するものとして援用される。
【0054】
対象者に複数の腫瘍がある場合、外科医は、腫瘍の電極との適合性に基づき、治療すべき1つの腫瘍を選定することができる。例えば、胃壁に隣接する腫瘍へは、脊椎または脳に隣接する腫瘍に比べて簡単にアクセスすることができる。nsPEFパルスは、影響を受ける非腫瘍細胞の量を最小限に抑えながら、電場が可能な限り多くの腫瘤を通過するように印加されることが好ましいため、腫瘍の2つの向かい合った「極」への電路に妨げがないことを選定条件とすることもできる。
【0055】
被験体の皮膚の上または皮膚の下の腫瘍については、針端子を経皮的に使用することができる。被験体内部のより深部では、引込み式端子を、胃内視鏡、気管支鏡、結腸鏡、または他の内視鏡もしくは腹腔鏡に収めることができる。例えば、結腸鏡内部の端子を使用して、患者の結腸内部の腫瘍にアクセスして治療することができる。
【0056】
患者の食道の内側を覆う組織の一部が損傷したバレット食道は、インフレータブルバルーン上に設置された電極を使用して治療することができる。
【0057】
ナノ秒パルスパワー発生器の実施形態は、1ナノ秒から1マイクロ秒の範囲の電気パルスを発生させるものである。パルスは、例えば、容量性または誘導性のエネルギー貯蔵器に貯蔵されたエネルギーを、エネルギー貯蔵器の充電時間よりも一般に遥かに短い期間で、負荷に急速に放出することによって生成される。
【0058】
従来の容量性式パルス発生器はパルス成形回路網を含み、このパルス成形回路網は、一定の固定パルス持続時間およびインピーダンスを提供する。負荷の抵抗に関する予備知識があるならば、負荷と整合するインピーダンスを持つパルス成形回路網を使用することができる。しかし、より広い用途のためには、特に負荷抵抗が未知の場合、インピーダンス整合およびパルス持続時間変化に柔軟性を持つパルス発生器を備えることが望ましい。このような柔軟性は、制御可能なスイッチでコンデンサを切り換えることによって実現され得る。この場合は、コンデンサを、「電圧源」と見なすことができ、様々な負荷抵抗に適合させることができる。その場合、切換え後のパルスの振幅は、コンデンサの電圧と同じ電圧を持ち得る。適宜に、パルス幅は、スイッチの「オン」時間によって決まる。
【0059】
ナノ秒パルス発生器のスイッチの選定は、必要とされる高電圧、大電流、および高速スイッチング時間のために限られている。
【0060】
パルスパワー技術に通常使用されるスパークギャップスイッチは、高電圧を切り換え、大電流を伝導することができる。しかし、それらはオンにすることしかできず、伝導の途中で電流フローを止めることは不可能である。スパークギャップの他に、磁気スイッチ、真空スイッチ(例えば、サイラトロン)、およびある種の高電圧半導体スイッチなど、他の種類の高電圧、高出力スイッチが利用可能である。
【0061】
磁気スイッチは、磁心の飽和に依存し、回路において高インピーダンスから低インピーダンスに変化する。これらはある特定の電流閾値を上回るとオンにすることができるが、全ての電流が負荷によって使い果たされるまでオフにならない。
【0062】
真空スイッチは、高電圧および高補充速度の動作に適した選択肢であるが、磁気スイッチと同様に、これらはまた、オンにすることのみができるが、所定の時間でオフにすることができない。
【0063】
同様に、高電圧半導体スイッチの一種を考慮に入れてもよい。いくつかの実施形態では、サイリスタおよび絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を使用してもよい。しかし、サイリスタおよびIGBTは、そのターンオン時間により、それらの有用性が制限される。
【0064】
金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)は、従来のパルス発生器設計で使用されて、本明細書で論じられる用途に必要な電圧および電流を生成するには、不十分な最大ドレインソース間定格電圧(例えば<1kV)および最大ドレインソース間定格電流(例えば<50A)を持つ。これらを使用する場合、高振幅出力電圧を生成するためには多数の段が必要となる。しかしながら、多数の段を備える従来のマルクス発生器設計では、マルクス発生器は臨界減衰モードでなく不足減衰モードの状態となり、オーバーシュートの損失を招く。結果として、全体の電圧効率が低下する。例えば、マルクス発生器の電圧効率は、5段で80%であり得るが、20段では50%に低下し得る。
【0065】
なお、段数が増加するにつれて、マルクス発生器のインピーダンスも増加する。これにより、負荷に供給可能な総エネルギーが低減する。このことは、低インピーダンス負荷および長パルスを駆動するには著しく不利である。
【0066】
さらに、充電用抵抗器での充電損失はまた、段数の増加に伴って増加する。結果として、このようなマルクス発生器は高繰返し数動作には不適当である。
【0067】
したがって、高電圧パルスを生成するために、単純に段数を増やすと、低効率、高インピーダンス等を含む一連の問題が引き起こされる。段数と実際の出力電圧との間にはトレードオフ関係があるので、従来のマルクス発生器を使用すると、本明細書で論じる用途に十分な高電圧パルスを生成することはできない。
【0068】
本開示のいくつかの実施形態は、調節可能な高電圧ナノ秒パルス発生器を含むものである。スイッチはパワーMOSFETであってもよく、例えばこれは、1kVの電圧および30Aまでの電流を定格とし得る。電圧は、マルクススイッチスタックハイブリッド回路によってスケールアップされる。各マルクス発生器段において、特別に構成されたMOSFETのスタックが使用される。結果として、各段の充電電圧は、単一スイッチの定格最大値よりも大きくなる。
【0069】
この構成の技術的利点は、全体の出力電圧をわずか数段(例えば≦5)で増加させることができる点にある。結果的に、上に述べた多数の段を備えるマルクス発生器についての問題は回避され、高効率、低インピーダンス、およびパルス持続時間の広範な変化性を達成することができる。
【0070】
このような設計はまた、各段に必要とされるトリガ回路が1つのみであってよいので、遥かに容易な制御を可能にするものである。もう1つの利点は、パルス発生器のインピーダンスが低いので、大電流および長期間にわたるパルス持続時間で様々な負荷を駆動できることである。電流のスケールアップは、複数のマルクススイッチスタック回路を並列に結合することによって実施される。パルス持続時間は、スイッチスタックのスイッチを閉じて開くことによって制御される。
【0071】
図5は、
図1のnsPEFシステム100の内部で使用され得るパルス発生回路500を示す。パルス発生回路500は、3つのスイッチスタックによって切り換えられるマルクス発生器を含むパネルを示す。nsPEFシステムは、単一のパルス発生回路パネルを持つことができる。いくつかの実施形態では、nsPEFシステムは複数のパネルを並列に搭載する。
【0072】
回路500は、3つの段510、520、および530を含む。いくつかの実施形態では、別の段数が使用される。例えば、いくつかの実施形態では、2、4、5、6、7、8、9、または10段が使用される。段510は、抵抗器512および514、コンデンサ515、ならびにスイッチスタック516を含む。同様に、段520は抵抗器522および524、コンデンサ525、およびスイッチスタック526を含み、段530は抵抗器532および534、コンデンサ535、およびスイッチスタック536を含む。これらの素子のそれぞれは、段510の対応する素子と同様の構造および機能を有する。
【0073】
段510は、第1および第2
の電圧入力端子511および513、ならびに第1および第2の電圧出力端子517および518を有する。段520は、第1および第2
の電圧入力端子521および523、ならびに第1および第2の電圧出力端子527および528を有する。段530は、第1および第2
の電圧入力端子531および533、ならびに第1および第2の電圧出力端子537および538を有する。
【0074】
段510の第1および第2の電圧入力端子511および513は、それぞれ第1および第2の電源入力端子V1およびV2に接続される。段510の第1および第2の電圧出力端子517および518は、それぞれ段520の第1および第2の電圧入力端子521および523に接続される。段520の第1および第2の電圧出力端子527および528は、それぞれ段530の第1および第2の電圧入力端子531および533に接続される。段530の第2の電圧出力端子538と段510の第2の電圧入力端子513とは、それぞれ第1および第2の電力出力端子VO1およびVO2に接続される。
【0075】
パルス発生回路500は、充電モードおよび放電モードで動作する。以下に
図6Aを参照してさらに詳細に説明されるように、充電モード中、コンデンサ515、525、および535は、第1および第2の電源入力端子V1およびV2から受け取られる電流によって充電される。以下に
図6Bを参照してさらに詳細に説明されるように、放電モード中、コンデンサ515、525、および535が放電して、第1および第2の電力出力端子VO1およびVO2間に接続される負荷(図示せず)に電流が供給される。
【0076】
図6Aは、充電モード中のパルス発生回路500を示す。第1および第2の入力電圧はそれぞれ第1および第2の電源入力端子V1およびV2に印加されるが、スイッチスタック516、526、および536のそれぞれは非導電性であるか、または開いており、第1および第2の電力出力端子は負荷(図示せず)から切断され得る。スイッチスタック516、526、および536の各々は開いているので、そこには電流がほぼ流れず、それらは
図6Aにおいて開回路として表される。充電モード中、コンデンサ515、525、および535のそれぞれは、抵抗器512、522、532、534、524、および514を通って流れる電流によって、第1の入力電圧と第2の入力電圧との間の差に等しい電圧に、またはその電圧を目指して、充電される。
【0077】
スイッチスタック516、526、および536のスイッチのそれぞれは、超えられるべきではない降伏電圧定格を持つ。しかしながら、スイッチが直列に接続されているので、コンデンサ515、525、および535は、個々のスイッチの降伏電圧に比べて著しく高い電圧に充電され得る。例えば、各スイッチスタックで5つ以上のスイッチが使用される場合、スイッチの降伏電圧は1kVであり得、コンデンサ515、525、および535は5kVの電圧に充電され得る。
【0078】
例えば、第1および第2の入力電圧はそれぞれ5kVおよび0Vであり得る。このような例では、コンデンサ515、525、および535のそれぞれは、5kVに等しい電圧に、またはその電圧を目指して、充電される。いくつかの実施形態では、第1の入力電圧と第2の入力電圧との間の差は、10kV未満に制限される。
【0079】
図6Bは、放電モード中のパルス発生回路500を示す。第1の電源入力端子V1は、第1の入力電圧から切り離されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の電源入力端子V1は、第1の入力電圧に接続されたままである。第2の電源入力端子V2は、第2の入力電圧に接続されたままである。さらに、スイッチスタック516、526、および536のそれぞれは、導電性であるか、または閉じている。スイッチスタック516、526、および536の各々は閉じているので、電流がそこを通って流れ、それらは
図6Bにおいて導線として表される。結果として、電源入力端子V2から電源出力端子VO1への低インピーダンス電気経路が、スイッチスタック516、コンデンサ515、スイッチスタック526、コンデンサ525、スイッチスタック536、およびコンデンサ535によって形成される。前述の理由により、電力出力端子VO1およびVO2間の電圧の差は、段数(この例では、3)に第1の入力電圧と第2の入力電圧との差を掛けたものに等しい。
【0080】
第1および第2の入力電圧がそれぞれ5kVおよび0Vである場合、15kVの電圧差が電力出力端子VO1およびVO2間に生じる。
【0081】
図7は、
図1のnsPEFシステム100の内部で使用され得る別のパルス発生回路700を示す。このパルス発生器はパネルを並列に搭載する。パネルの数は、システムが異なる量の電流および電力を発生できるように調節することができる。
【0082】
パルス発生回路700は、入力ポートVinの両端に入力パルスを受け取り、受け取った入力パルスに応答して出力ポートVoutの両端に出力パルスを発生させる。
【0083】
パルス発生回路700は、複数のパネルまたはパルス発生回路710、720、730、および740を含む。パルス発生回路700はまた、駆動回路750を含む。本実施形態では、4つのパルス発生回路が使用される。別の実施形態では、これよりも少ないか、またはこれよりも多いパルス発生回路が使用される。例えば、いくつかの実施形態では、2、3、5、6、7、8、9、10または別の数のパルス発生回路が使用される。
【0084】
パルス発生回路710、720、730、および740のそれぞれは、本明細書で論じられる他のパルス発生回路と同様の特性を有し得る。例えば、各パルス発生回路710、720、730、および740は、
図5、
図6A、および
図6Bを参照して上に述べたパルス発生回路500と同様の特性を有し得る。
【0085】
パルス発生回路710、720、730、および740のそれぞれは、正負のDC入力端子、正負の制御入力端子、および正負の出力端子を有し、正負の制御入力端子間に印加される駆動信号パルスに応答して、正負の出力端子間に出力電圧パルスを発生させるように構成される。出力電圧パルスはまた、正負のDC電源入力端子間に受け取られる電源電圧を基にする。
【0086】
駆動信号パルスは、増幅回路751、コンデンサ752、および変圧器753を含む駆動回路750によって、導線756および758間に生成される。いくつかの実施形態では、駆動回路750はまた、クランプ回路754を含む。
【0087】
駆動回路750は、入力ポートVinにおいて入力信号パルスを受け取り、この入力信号パルスに応答して導線756および758間に駆動信号パルスを発生させる。増幅回路751は、入力信号パルスを受け取り、コンデンサ752を介して変圧器753を駆動し、変圧器753は低周波信号およびDC信号を遮断する。増幅回路751によって駆動されることに応答して、変圧器753は、導線756および758間に出力電圧パルスを発生させるので、出力電圧パルスの持続時間は、入力ポートVinにおける入力信号パルスの持続時間に等しいか、または実質的に等しい(例えば、入力信号パルスの持続時間の10%または1%の範囲内で等しい)。
【0088】
いくつかの実施形態では、クランプ回路754を搭載して、普通なら共振によって引き起こされ得る電位信号を少なくとも減衰させる。クランプ回路754は並列ダイオードを含み、これは任意の電流反転のための短絡経路を提供し、またクランプ回路754に接続された構成要素にかかる最大電圧をクランプする。
【0089】
いくつかの実施形態では、変圧器753は1:1の巻数比を持つ。別の実施形態では、異なる巻数比が使用される。
【0090】
パルス発生回路710、720、730、および740のそれぞれは、駆動回路750から正負の制御入力端子間に電圧パルスを受け取り、駆動回路750から受け取った電圧パルスに応答して、正負の出力端子間に、対応する電圧パルスを発生させる。正負の出力端子間に発生した電圧パルスは、駆動回路750から受け取った電圧パルスの持続時間と等しいか、または実質的に等しい(例えば、その持続時間の10%または1%の範囲内で等しい)持続時間を持つ。
【0091】
本実施形態では、パルス発生回路710、720、730、および740の負出力端子は、パルス発生回路700の出力ポートVoutの負Vout端子に直接接続される。さらに、本実施形態では、パルス発生回路710、720、730、および740の正出力端子は、それぞれダイオード715、725、735、および745を介してパルス発生回路700の出力ポートVoutの正Vout端子に接続される。ダイオード715、725、735、および745は、パルス発生回路710、720、730、および740を互いに分離する。結果として、普通なら発生するはずの干渉および関連したパルス歪みは、かなり排除される。例えば、スイッチングが完全に同期していない場合に、ダイオード715、725、735、および745は、パルス発生回路710、720、730、および740のうちの1つからパルス発生回路710、720、730、および740のうちの別のものへの電流を防止する。ダイオード715、725、735、および745はまた、パルス発生回路710、720、730、および740が充電している間、それらから電流が流れるのを防止する。
【0092】
本実施形態では、ダイオード715、725、735、および745はそれぞれ、単一のダイオードを含む。別の実施形態では、ダイオード715、725、735、および745はそれぞれ、直列に接続されるダイオードの少なくとも定格電圧に基づいて直列に接続された複数のダイオードを含む。追加的にまたは代替的に、いくつかの実施形態では、ダイオード715、725、735、および745はそれぞれ、並列に接続されるダイオードの少なくとも定格電流に基づいて並列に接続された複数のダイオードを含む。
【0093】
本実施形態では、本実施形態におけるパルス発生回路710、720、730、および740が負のパルスを発生するように構成されるので、ダイオード715、725、735、および745は、出力ポートVoutの正端子からパルス発生回路710、720、730、および740に向かって電流が伝導するように接続される。パルス発生回路が正のパルスを発生するように構成される別の実施形態では、パルス発生回路から出力ポートの正端子に電流を伝導するように、ダイオードが同様に接続され得る。
【0094】
図8は、
図7のパルス発生回路
700のパルス発生回路710、720、730、および740に使用され得るパルス発生回路800を示す。
【0095】
パルス発生回路800は、入力ポートVinの両端に入力パルスを受け取り、受け取った入力パルスに応答して出力ポートVoutの両端に出力パルスを発生させる。
【0096】
パルス発生回路800は、複数のパルス発生器段810、820、および830を含む。本実施形態では、パルス発生回路
800はまた、駆動回路850と、オプションのコモンモードチョーク815、825、および835とを含む。
【0097】
パルス発生器段810、820、および830のそれぞれは、本明細書で論じられる他のパルス発生器段と同様の特性を有し得る。例えば、各パルス発生器段810、820、および830は、
図5、
図6A、および
図6Bを参照して上に述べたパルス発生回路500の段510、520、および530と同様の特性を有し得る。いくつかの実施形態において、これよりも少ないか、またはこれよりも多いパルス発生器段が使用されてもよい。
【0098】
パルス発生器段810、820、および830のそれぞれは、正負のトリガ入力端子、正負のDC電源入力端子、および正負のVo出力端子を有し、正負のトリガ入力端子間に印加される駆動信号パルスに応答して、正負のVo出力端子間に出力電圧パルスを発生させるように構成される。出力電圧パルスはまた、正負のDC電源入力端子でそれぞれ受け取られる電源電圧V1およびV2を基にする。
【0099】
本実施形態では、パルス発生器段830の負Vi入力端子は、パルス発生回路800の出力ポートVoutの負端子と接続される。さらに、本実施形態では、パルス発生器段810の負Vo出力端子は、パルス発生回路800の出力ポートVoutの正端子と接続される。
【0100】
さらに、図のように、パルス
発生器段830の正Vo出力端子はパルス
発生器段820の正Vi入力端子と接続され、パルス
発生器段830の負Vo出力端子は、パルス
発生器段820の負Vi入力端子と接続される。さらに、パルス
発生器段820の正Vo出力端子はパルス
発生器段810の正Vi入力端子と接続され、パルス
発生器段820の負Vo出力端子はパルス
発生器段810の負Vi入力端子と接続される。
【0101】
パルス発生器段810、820、および830に向けての駆動信号パルスは、増幅回路851、コンデンサ852、および変圧器853を含む駆動回路850によって、導線856および858間に生成される。いくつかの実施形態では、駆動回路850はまた、クランプ回路854を含む。
【0102】
駆動回路850は、上述の
図7に示すように、導線756および758に接続された入力ポートVinにおいて、入力信号パルスを受け取る。駆動回路850は、入力信号パルスに応答して、導線856および858間に駆動信号パルスを発生させる。増幅回路851は、入力信号パルスを受け取り、コンデンサ852を介して変圧器853を駆動し、変圧器853は低周波信号およびDC信号を低減または遮断する。増幅回路851によって駆動されることに応答して、変圧器853は、導線756および758間に出力電圧パルスを発生させるので、出力電圧パルスの持続時間は、入力ポートVinにおける入力信号パルスの持続時間に等しいか、または実質的に等しい(例えば、入力信号パルスの持続時間の10%または1%の範囲内で等しい)。
【0103】
いくつかの実施形態では、クランプ回路854を搭載して、普通なら共振によって引き起こされ得る電位信号を少なくとも減衰させる。クランプ回路854は並列ダイオードを含み、これは任意の電流反転のための短絡経路を提供し、またクランプ回路854に接続された構成要素にかかる最大電圧をクランプする。
【0104】
いくつかの実施形態では、変圧器853は1:1の巻数比を持つ。別の実施形態では、異なる巻数比が使用される。
【0105】
パルス発生器段810、820、および830のそれぞれは、対応するチョーク815、825、または835を介して駆動回路850から電圧パルスを受け取る。チョーク815、825、または835は、高周波信号の、例えば、高電圧パルス発生器段810、820、および830からの結合を阻止する。電圧パルスは正負のトリガ入力端子で受け取られ、パルス発生器段810、820、および830はそれぞれ、駆動回路850から受け取った電圧パルスに応答して、正負のVo出力端子間に、対応する電圧パルスを発生させる。正負のVo出力端子間に発生した電圧パルスは、駆動回路850から受け取った電圧パルスの持続時間と等しいか、または実質的に等しい(例えば、その持続時間の10%または1%の範囲内で等しい)持続時間を持つ。
【0106】
図9は、
図8に示されるパルス発生回路800のパルス発生器段810、820、および830のうちの1つとして使用され得るパルス発生器段900を示す。
【0107】
パルス発生器段900は、トリガ入力の入力ポートの両端にトリガパルス(すなわち、トリガ入力の+端子と−端子との間の電圧)を受け取り、受け取ったトリガパルスに応答して出力ポートVoutに出力電圧を発生させる。出力電圧はまた、電源入力端子V1およびV2で受け取られた電源電圧を基に生成される。パルス発生器段900は、複数のスイッチ駆動回路950を含む。パルス発生器段900はまた、スイッチスタック910、コンデンサ920、ならびに抵抗器930および940を含む。
【0108】
以下でさらに詳細に論じるように、スイッチ駆動回路950は、トリガパルスを受け取り、受け取ったトリガパルスに応答して、スイッチスタック910のスイッチ用の制御信号を生成するように構成される。制御信号のそれぞれは、駆動されているスイッチに特有の電圧を基準としている。したがって、第1のスイッチは第1の電圧と第2の電圧との間の制御信号パルスを受け取り、第2のスイッチは第3の電圧と第4の電圧との間の制御信号パルスを受け取り、第1、第2、第3、および第4の電圧のそれぞれが異なる。いくつかの実施形態では、第1の電圧と第2の電圧との間の差は、第3の電圧と第4の電圧との間の差とほぼ同じである。
【0109】
スイッチスタック910、コンデンサ920、ならびに抵抗器930および940は、
図8を参照して上に述べた、パルス発生回路800の他のパルス発生器段の対応する素子と共に協同的に機能して、パルス発生回路800の正負のVo出力端子間に電圧パルスを発生させる。これらの素子は、例えば、
図5、
図6A、および
図6Bに示すパルス発生回路500を参照して上に述べた、対応する素子として協同的に機能し得る。例えば、これらの素子は、電源入力端子V1およびV2に印加される電源電圧、ならびにスイッチスタック910のスイッチに印加される制御信号に応答して、パルス発生回路800の正負のVo出力端子間に電圧パルスを発生させるように協同し得る。
【0110】
制御信号は、
図7に示すパルス発生回路700の入力ポートVinの両端に受け取られる入力パルスに応答して、複数段の駆動を経て生成されるので、制御信号は、パルス発生回路700のスイッチスタックのスイッチの全てをほぼ同時にターンオンおよびターンオフさせる。例えば、パルス発生回路700の入力ポートVinで受け取られる、例えば100nsの持続時間を有する15Vの入力パルスは、パルス発生回路700に約100nsの持続時間を有する高電圧(例えば、約15kV)の出力パルスを発生させることができる。同様に、パルス発生回路700の入力ポートVinで受け取られる、例えば5μsの持続時間を有する15Vの入力パルスは、パルス発生回路700に約5μsの持続時間を有する高電圧(例えば、約15kV)の出力パルスを発生させることができる。よって、高電圧出力パルスの持続時間は、入力パルスの選択された持続時間とほぼ同じである。
【0111】
図10は、
図9に示すスイッチ駆動回路のうちの1つとして使用することができるスイッチ駆動回路1000を示す。
【0112】
スイッチ駆動回路1000は、入力ポートVinの両端にトリガパルスを受け取り、受け取ったトリガパルスに応答して出力ポートVoutに制御信号パルスを発生させる。スイッチ駆動回路1000は、増幅回路1010、コンデンサ1020、および変圧器1030を含む。いくつかの実施形態では、スイッチ駆動回路1000はまた、クランプ回路1070を含む。
【0113】
増幅回路1010は、トリガパルスを受け取り、コンデンサ1020を介して変圧器1030を駆動し、変圧器1030は低周波信号およびDC信号を低減または遮断する。増幅回路1010によって駆動されることに応答して、変圧器1030は、出力ポートVoutにおいて、抵抗
器の両端に制御信号パルスを発生させるので、制御信号パルスの持続時間は、入力ポートVinにおけるトリガパルスの持続時間に等しいか、または実質的に等しい(例えば、トリガパルスの持続時間の10%または1%の範囲内で等しい)。
【0114】
いくつかの実施形態では、増幅回路1010は複数の増幅器集積回路を含む。例えば、電流駆動能力を高めるために、複数の増幅器集積回路を並列に接続して、増幅回路1010を形成することができる。例えば、2、3、4、5、6、7、8または別の数の増幅器集積回路が使用され得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、クランプ回路1070を搭載して、普通なら共振によって引き起こされ得る電位信号を少なくとも減衰させる。クランプ回路1070は並列ダイオードを含み、これは任意の電流反転のための短絡経路を提供し、またクランプ回路1070に接続された構成要素にかかる最大電圧をクランプする。
【0116】
いくつかの実施形態では、駆動回路750、850、および1000は、マルクス発生器用の電源から絶縁されたDC−DC電源モジュールから電力を受け取る。これにより、グランド結合の遮断が保証される。
【0117】
いくつかの実施形態では、変圧器1030は1:1の巻数比を持つ。別の実施形態では、異なる巻数比が使用される。
【0118】
いくつかの実施形態では、非常に高速のスイッチングを獲得するために、変圧器1030は、1次巻線において5ターン未満、2次巻線において5ターン未満を有する。例えば、いくつかの実施形態では、変圧器1030は、1次巻線および2次巻線のそれぞれに1、2、3、または4ターンを有する。いくつかの実施形態において、変圧器1030は、1次巻線および2次巻線において、完全なターンよりも短いターン、例えば1/2ターンを有する。1次巻線および2次巻線のそれぞれの巻数が少ないため、小さなインダクタンスループが可能となり、MOSFETスイッチの入力容量を充電する2次巻線の電流の立ち上がり時間が長くなる。
【0119】
従来の用途でのトリガMOSFET用の変圧器は、電流転送効率を確保するために、高結合、高透磁率、および低損失のコアが必要とされる。変圧器が高周波で動作しているときの飽和を避けるために、パルスごとに、コア内の残留磁束を除去する必要がある。慣例的に、コアエネルギーを散逸させるためには、3次巻線を含むリセット回路が使用される。
【0120】
いくつかの実施形態では、高周波信号を閉じ込めてそのエネルギーを熱として散逸させるために、例えば一般に電磁干渉(EMI)チョークとして使用される、損失の大きい変圧器を使用して、スイッチを作動させる。例えば、変圧器の電圧時定数は100Vμs未満であってもよい。いくつかの実施形態では、変圧器は、50Vμs、30Vμs、20Vμs、10Vμs、または5Vμs未満の電圧時定数を有する。損失の大きい変圧器の使用は、パワーエレクトロニクスの一般的な方法に反している。
【0121】
高周波の磁束は、コアの損失(渦損失、ヒステリシス損失、および抵抗損失)に起因して減衰するが、損失の大きい変圧器は、依然として十分な磁束の閉じ込めが可能であり、十分な結合をもたらす。さらに、磁束の減少も十分に急速に行われる。磁束減衰過程は、通常、おおよそ数マイクロ秒かかる。
【0122】
このような変圧器を備えることは慣例的に不利であるように思われるが、ナノ秒を数マイクロ秒のパルスに結合するのに、このような変圧器が好ましくは使用される。その結果、以下の利点が得られる。すなわち、1)高電圧マルクス発生器から低電圧駆動回路への高電圧、高周波の過渡結合が抑制される。2)変圧器コアの損失のために、先行のパルスに由来する残留磁束は一般的な低損失変圧器コアよりも速く散逸し、したがってリセット用の巻線を不要なものとし、介在させない。
【0123】
スイッチ駆動回路1000の利点は、これが出力パルス持続時間を制限することにある。スイッチ制御信号は変圧器1030によって生成されるので、入力ポートVinに入力トリガ信号を生成する回路が不定長のパルスを生成しようとしても、変圧器が飽和し、制御信号がスイッチをオフにする。
【0124】
図11は、本明細書で論じられるスイッチスタックに使用し得る構成要素を含むスイッチ素子1100の一例を示す。スイッチ素子1100は、スイッチ1110を含み、入力ポートVinに印加される制御電圧に応答して、端子VAと端子VBとの間に導電性経路または低抵抗経路を選択的に形成する。
【0125】
いくつかの実施形態では、スイッチ1110は、MOSFETなどのトランジスタである。いくつかの実施形態では、スイッチ1110は別種のスイッチである。いくつかの実施形態では、スイッチ1110は、5ns未満、約5ns、約10ns、約25ns、約15ns、約75ns、約100ns、または100ns超のターンオン時間を有する。
【0126】
いくつかの実施形態では、スイッチ素子1100はまた、スナバ回路1120を含む。いくつかの実施形態では、スイッチスタックのスイッチのターンオン時間は同一ではない。スイッチ1110が許容できる電圧よりも高い電圧を防止するために、スナバ回路1120は、スイッチ1110をバイパスする電流シャント経路を提供する。ダイオード1122は低周波電流経路を提供し、コンデンサ1126と抵抗器1124の組合せは高周波電流経路を提供する。
【0127】
いくつかの実施形態において、スイッチ素子1100はまた、オプションの過電流保護回路1140を含む。過電流保護回路1140は、スイッチ1142およびセンス抵抗1144を含む。
【0128】
端子VAから端子VBへ流れる電流は、センス抵抗器1144を通って伝導する。ダイオード1132および1134はそれぞれ並列である。したがって、電流が端子VAから端子VBに流れるとき、センス抵抗1144の両端に電圧が発生する。この発生電圧は、スイッチ1142の導電状態を制御する。端子VAから端子VBへ流れる電流が閾値よりも大きい場合、発生電圧はスイッチ1142を導通させる。結果的に、スイッチ1142は、スイッチ1110の制御電圧を低減させる。低減した制御電圧に応答して、スイッチ1110は、導電性が低下するか、またはオフになる。その結果、端子VAから端子VBに伝導され得る電流は、過電流保護回路1140によって制限される。
【0129】
本明細書で論じられる実施形態では、MOSFETスイッチが使用される。別の実施形態では、他のスイッチが使用される。例えば、いくつかの実施形態では、サイリスタ、IGBTまたは他の半導体スイッチが使用される。
【0130】
変圧器の動作の一例を
図12に示す。入力1次インダクタの電圧はほぼ方形波であるが、MOSFETのゲートソース間電圧である2次インダクタの電圧は、電圧の大きさがゼロに向かって減少するとき、例えば数マイクロ秒以内で徐々に減少する。2次インダクタでの電圧の減少の後、電圧を受けるスイッチは、十分に高められたVgsよりも電圧が低くなるとき、飽和動作領域から線形動作領域に入る。結果として、スイッチの抵抗が増加し、負荷の両端の出力電圧は同様に漸減する変化を示す。2次インダクタでの電圧がMOSFETのターンオン閾値(Vth)よりも小さい値にまで低下すると、MOSFETは遮断される。MOSFETがオフになると、トリガ信号の持続時間が延長されたとしても、負荷の電圧はゼロになる。したがって、2次インダクタでの電圧の波形により、各パネルからの高電圧出力パルスの持続時間が、例えば数マイクロ秒以下に制限される。
【0131】
いくつかの実施形態では、トリガ信号の持続時間が十分に短く、2次インダクタにおける電圧の低下が、スイッチを線形領域動作に移行させるには不十分であるため、スイッチは飽和状態に留まる。そのような実施形態では、負荷電圧パルスは、
図12に示される漸減を示さない。例えば、そのような実施形態では、負荷電圧パルスはほぼ方形であり得る。
【0132】
いくつかの実施形態では、本明細書で論じられるスイッチスタックは、上に述べたように、スイッチおよび他の構成要素を含む。
【0133】
いくつかの実施形態では、閾値より短い持続時間のパルスを生成する際に、パルスの形状はほぼ方形である。いくつかの実施形態では、閾値よりも大きい持続時間のパルスを生成する際に、パルスの形状は、閾値とほぼ等しい持続時間(例えば、閾値の10%または1%の範囲内で等しい持続時間)のほぼ方形である。そのような長いパルスの電圧は、閾値後の時間中に、0Vに向かって降下する。いくつかの実施形態では、0Vに向かっての降下は、ほぼ直線的である。いくつかの実施形態では、0Vへの降下は、ほぼ指数関数的である。
【0134】
図13は、
図1のnsPEFシステム100の内部で使用され得る別のパルス発生回路1300を示す。
【0135】
パルス発生回路1300は、入力ポートVinの両端に入力パルスを受け取り、入力ポートVDC1およびVDC2においてDC電圧を受け取り、受け取った入力パルスおよびDC電圧に応答して出力ポートVoutの両端に出力パルスを発生させる。
【0136】
パルス発生回路1300は、複数のパルス発生回路1310および1320を含む。本実施形態では、2つのパルス発生回路が使用される。別の実施形態では、これよりも多いパルス発生回路が使用される。例えば、いくつかの実施形態では、パルス発生回路1300を参照して以下に論じるように、出力ポートが直列に接続された、3、4、5、10または別の数のパルス発生回路が使用される。
【0137】
パルス発生回路1310および1320のそれぞれは、本明細書で論じられる他のパルス発生回路と同様のものであってよい。例えば、パルス発生回路1310および1320は、
図7を参照して上に述べたパルス発生回路700と同様であり得るか、または実質的に同一であり得る。
【0138】
パルス発生回路1310および1320の各々は、これらのそれぞれの制御入力の入力ポート両端に、同じ入力パルス信号を受け取る。それに応じて、パルス発生回路1310および1320の各々は、これらのそれぞれのVout出力ポート両端に高電圧パルスを発生させる。パルス発生回路1310、1320のVout出力ポートは直列に接続されているので、パルス発生回路1300の出力ポートVout間のパルス発生回路1310および1320によって生成される電圧パルスは、パルス発生回路1310および1320によってそれぞれ生成されるパルスの電圧の合計に(例えば、10%または1%の範囲内で)ほぼ等しい。
【0139】
図14は、
図1のnsPEFシステム100内で使用することができ、
図13のパルス
発生回路1300と同様の特性を有した別のパルス発生回路1400を示す。パルス発生回路1400は、パルス発生器1410および1420、駆動回路1415および1425、および電源1412および1422を含む。
【0140】
パルス発生回路1400は、複数のパルス発生回路1410および1420を含む。本実施形態では、2つのパルス発生回路が使用される。別の実施形態では、これよりも多いパルス発生回路が使用される。パルス発生回路1410および1420のそれぞれは、本明細書で論じられる他のパルス発生回路と同様のものであってよい。
【0141】
パルス発生回路1400は、
図8を参照して上で述べた駆動回路850と同様のものであり得る駆動回路1415および1425のそれぞれにおいて入力パルスを受け取る。パルス発生回路1400は、受け取った入力パルスに応答して、出力ポートVoutの両端に出力パルスを発生させる。出力電圧パルスはまた、電源1412および1422から受け取られる電源電圧を基にする。
【0142】
駆動回路1415および1425のそれぞれは、入力パルス信号を受け取る。受け取った入力信号に応答して、駆動回路1415および1425は、それぞれパルス発生回路1410および1420用の駆動信号パルスを生成する。駆動信号パルスに応答して、パルス発生回路1410および1420の各々は、これらのそれぞれの出力ポートVo1およびVo2両端に高電圧パルスを発生させる。パルス発生回路1410および1420のVo1およびVo2出力ポートは直列に接続されているので、パルス発生回路1400の出力ポートVout間のパルス発生回路1410および1420によって生成される電圧パルスは、パルス発生回路1410および1420によってそれぞれ生成されるパルスの電圧の合計に(例えば、10%または1%の範囲内で)ほぼ等しい。
【0143】
本実施形態では、パルス発生回路1410は、その出力ポートVo1にわたって、電源1412の電圧の3倍(−3x[V1−V2])に(例えば、10%または1%の範囲内で)ほぼ等しい高電圧パルスを発生させる。さらに、パルス発生回路1420は、その出力ポートVo2にわたって、電源1414の電圧の3倍(3x[V’1−V’2])に(例えば、10%または1%の範囲内で)ほぼ等しい高電圧パルスを発生させる。結果的に、パルス発生回路1400は、その出力ポートVoutの両端に(3x[V’1−V’2])−(−3x[V1−V2])の電圧を発生させる。
【0144】
いくつかの実施形態では、パルス発生回路1410および1420の両方に接続される単一の駆動回路が、駆動回路1415および1425の代わりに使用される。そのような実施形態では、この単一駆動回路は、入力パルス信号に応答して、両方のパルス発生回路1410および1420用の駆動信号パルスを生成する。
【0145】
図15は、nsPEF治療システム1550のブロック図であり、これは、
図1に示されるnsPEFシステム100の特徴と類似または同一の特徴を有する。nsPEF治療システム1550は、パルス発生器1555、電源1560、電極1565、インタフェース1570、およびコントローラ1575を含む。
【0146】
パルス発生器1555は、本明細書で論じられるパルス発生回路のうちの任意のものと類似または同一であり得る。例えば、パルス発生器1555は、電源1560から受け取られる電源電圧に対応する電圧振幅を有し、コントローラ1575から受け取られる制御信号に対応するパルス幅および他の特性を有するパルスを発生するように構成され得る。別の実施形態では、他のパルス発生回路を使用してもよい。
【0147】
電極1565は、本明細書で論じられる電極の任意のものと類似または同一のものであり得る。例えば、電極1565は、
図3および
図4を参照して上に述べた電極300および400と同様または同一のものであってよい。電極1565は、パルス発生器1555によって生成されるnsPEFパルスを導線1556から受け取るように構成されるとともに、治療用nsPEF処置を受けている患者にnsPEFパルスを送り出すように構成される。別の実施形態では、他の治療用電極を使用してもよい。
【0148】
電源1560は、パルス発生器1555に電源電圧を供給するように構成される。例えば、パルス発生器1555が、
図7に示すパルス発生器回路700と同様のものである実施形態において、電源1560は、パルス発生回路700の電源電圧V1およびV2に対応する電源電圧を供給するように構成され得る。いくつかの実施形態において、電源1560は、コントローラ1575からの制御信号に対応する電圧レベルを有する電源電圧を生成して提供する。
【0149】
インタフェース1570は、患者に印加されるnsPEFパルスの様々なパラメータおよび特性を特定する入力をユーザから受け取るように構成される。例えば、インタフェース1570は、患者に印加される1つまたは複数のnsPEFパルスの1つまたは複数の特性に対する値を特定または指定する入力を受け取るように構成されてもよい。例えば、特性には、患者に印加される1つまたは複数のnsPEFパルスの振幅、極性、幅、立ち上がり時間、および立ち下がり時間のうちの1つまたは複数が含まれ得る。追加的にまたは代替的に、特性には、患者に印加される一連のnsPEFパルスの周波数およびパルス量のうちの1つまたは複数が含まれ得る。さらに、特性には、追加的にまたは代替的に、患者の治療組織の最高温度など、患者に印加されるnsPEFパルスの結果が含まれ得る。他の特性を、追加的にまたは代替的に、受け取られた入力によって特定または指定することができる。
【0150】
さらに、インタフェース1570は、受け取った入力によって特定または指定された特性をコントローラ1575に伝達するように構成される。
【0151】
コントローラ1575は、インタフェース1570から受け取った伝達された特性に少なくとも部分的に基づいて、パルス発生器1555および電源1560に1つまたは複数の制御信号を生成して提供するように構成される。さらに、パルス発生器1555、電源1560、および電極1565は、コントローラ1575からの制御信号に応答して、制御信号に対応する特性を有したnsPEFパルスを生成するように集合的に構成される。
【0152】
本実施形態では、パルス発生器1555および電極1565の一方または両方は、患者に印加されたnsPEFパルスの測定されたパラメトリック特性と対応するか、またはこれを表すフィードバック信号FB1およびFB2を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、フィードバック信号FB1およびFB2によって表されるnsPEFパルスのパラメトリック特性には、nsPEFパルスの振幅、極性、幅、立ち上がり時間、および立ち下がり時間のうちの1つまたは複数が含まれる。追加的にまたは代替的に、パラメトリック特性には、一連のnsPEFパルスの周波数が含まれ得る。さらに、パラメトリック特性には、追加的または代替的に、患者の治療された組織の温度が含まれ得る。フィードバック信号FB1およびFB2は、患者に印加された1つまたは複数のnsPEFパルスの他の測定されたパラメトリック特性、患者、環境、およびnsPEF治療システム1550に対応するかまたはこれらを表すことができる。
【0153】
いくつかの実施形態において、コントローラ1575、電源1560、パルス発生器1555、および電極1565は、集合的にフィードバックループを形成し、これにより、患者に印加されるnsPEFパルスの1つまたは複数のパラメトリック特性が、インタフェース1570によって受け取られた入力において特定される対応する特性の値と(例えば10%または1%の範囲内で)ほぼ等しい測定値を有するようになる。
【0154】
例えば、インタフェース1570は、患者に印加されるnsPEFパルスの振幅に対して15kVの値を指定する入力を受け取ることがある。さらに、コントローラ1575は、患者に印加されたnsPEFパルスの測定された振幅が15kV未満(または15kV超)であることを示す、電極1565からのフィードバック信号FB2またはパルス発生器1555からのフィードバック信号FB1に応答して、電源1560に与えられる制御信号を変更するように構成され得る。変更された制御信号に応答して、電源1560は、生成されて患者に印加されるnsPEFパルスの振幅が15kVになるように、または15kVに向かって増加(または減少)するように、パルス発生器1555に供給される電力信号の電圧を増加(または減少)させる構成とすることができる。
【0155】
同様に、インタフェース1570は、患者に印加されるnsPEFパルスのパルス幅に対して150nsの値を指定する入力を受け取ることがある。コントローラ1575は、患者に印加されたnsPEFパルスの測定されたパルス幅が150ns超(または150ns未満)であることを示す、電極1565からのフィードバック信号FB2またはパルス発生器1555からのフィードバック信号FB1に応答して、パルス発生器1555に与えられる制御信号を変更するように構成され得る。変更された制御信号に応答して、パルス発生器1555は、減少した(または増加した)パルス幅を有するnsPEFパルスを生成して患者に印加するように構成され得る。結果として、フィードバック信号FB1またはFB2は、パルス発生器1555に、150nsまで減少した(または増加した)、または150nsに向かって減少した(または増加した)パルス幅を伴うnsPEFパルスを発生させて印加させる制御信号をコントローラ1575に発生させる。
【0156】
いくつかの実施形態では、フィードバックループは比例積分微分(PID)法を使用して制御される。例えば、コントローラ1575は、インタフェース1570で感知される所望の値と、対応する測定されたパラメータとの間の差として、エラー値を連続的に、または実質的に連続的に計算するように構成されてもよい。さらに、コントローラ1575は、エラー信号の第1の定数倍、誤差信号の積分の第2の定数倍、および誤差信号の微分係数の第3の定数倍のうちの1つまたは複数の和として、制御信号を連続的にまたは実質的に連続的に計算するように構成され得る。
【0157】
いくつかの実施形態では、フィードバックループは、測定値に基づいて次の値を決定するためにルックアップテーブルを使用して制御される。いくつかの実施形態では、フィードバックループは、測定値が閾値より大きいか、それとも小さいかの判定に基づいて、値を一定量またはステップサイズで減少または増加させることによって制御される。
【0158】
図16は、
図15に示すnsPEF治療システム1550のパルス発生器1555として使用し得る別のパルス発生器1600を示す。パルス発生器1600は、本明細書で論じられる他のパルス発生回路と類似または同一の特徴を有し得る。例えば、パルス発生回路1600は、
図7のパルス発生回路700と類似または同一の特徴を有し得る。
【0159】
例えば、パルス発生器1600は、パルス発生回路700の駆動回路750と類似または同一であり得る駆動回路1650を含む。さらに、パルス発生器1600は、パルス発生回路1610、1620、1630、および1640を含み、これらはそれぞれパルス発生回路710、720、730、および740と類似または同一であり得る。
【0160】
パルス発生器1600はまた、アナログデジタル変換器1660を含むか、またはいくつかの実施形態では、アナログデジタル変換器1660に接続される。さらに、パルス発生器1600は、追加的にもしくは代替的に、電流モニタ1670および1680を含み、またはいくつかの実施形態では、電流モニタ1670および1680に接続される。
【0161】
本実施形態では、アナログデジタル(A/D)変換器1660は、それぞれパルス発生器1600の正(+)および負(−)の電圧出力端子に接続される入力を有した第1のチャネルを含む。いくつかの実施形態では、パルス発生器1600の正(+)および負(−)の電圧出力端子に第1の低入力インピーダンス差動バッファ(図示せず)が接続され、これはアナログデジタル変換器1660の入力を駆動する。いくつかの実施形態では、パルス発生器1600の正(+)および負(−)の電圧出力端子にTektronix P6015A高電圧受動プローブ(図示せず)などのプローブが接続され、これはアナログデジタル変換器1660の入力を駆動する。
【0162】
さらに、アナログデジタル変換器1660は、パルス発生器1600の正(+)および負(−)の電圧出力端子の間の電圧差を表す第1のデジタル出力を生成するように構成される。第1のデジタル出力は、
図15のnsPEF治療システム
1550において使用される場合、コントローラ1575に対するフィードバック信号として使用され得る。いくつかの実施形態では、アナログデジタル変換器1660は、正(+)および負(−)の電圧出力端子における電圧の両方ではなく、いずれか一方に基づいて、第1のデジタル出力を生成する。
【0163】
本実施形態では、アナログデジタル変換器1660はまた、それぞれ電流モニタ1670および1680に接続される入力を有した第2のチャネルを含み、電流モニタ1670および1680は、それぞれパルス発生器1600の正(+)および負(−)の電圧出力端子に接続される。いくつかの実施形態では、電流モニタ1670および1680に第2の低入力インピーダンス差動バッファ(図示せず)が接続され、これはアナログデジタル変換器1660の入力を駆動する。
【0164】
さらに、アナログデジタル変換器1660は、パルス発生器1600の正(+)および負(−)の電圧出力端子を通って流れる電流の間の電流差を表す第2のデジタル出力を生成するように構成される。第2のデジタル出力は、
図15のnsPEF治療システム1550において使用される場合、コントローラ1575に対するフィードバック信号として使用され得る。いくつかの実施形態では、アナログデジタル変換器1660は、電流モニタ1670および1680からの入力の両方ではなく、いずれか一方に基づいて、第2のデジタル出力を生成する。
【0165】
いくつかの実施形態において、電流モニタ1670および1680はそれぞれ、センス抵抗器および増幅器を含む。センス抵抗器は、これを流れる電流の電圧応答を生成するように構成され、増幅器は、センス抵抗器の両端の電圧に基づいて、アナログデジタル変換器用の入力を生成する。
【0166】
いくつかの実施形態では、電流モニタ1670および1680は、検知された電流に応答して電圧を生成するPearsonカレントモニタ2878などの電流モニタを含む。
【0167】
いくつかの実施形態において、パルス発生器1600は、第1および第2のデジタル出力のうちのいずれかを生成するが、両方は生成しない。いくつかの実施形態では、アナログデジタル変換器1660の代わりに、またはこれに加えて、1つまたは複数の単一チャネルアナログデジタル変換器が使用される。
【0168】
図17は、例えば、
図15のnsPEF治療システム1550で電極1565として使用され得る電極1700の概略説明図である。電極1700は、本明細書で論じられる電極の任意のものと類似または同一のものであり得る。例えば、電極1700は、
図3および
図4を参照して上に述べた電極300および400と同様または同一のものであってよい。
【0169】
電極1700は、入力端子1710および1720の両端にnsPEFパルスを受け取り、治療用nsPEF処置を受けている患者に、正(+)および負(−)の出力治療用電極端子1730および1740を介して、nsPEFパルスを送り出すように構成される。
【0170】
電極1700は、アナログデジタル変換器1750を含むか、またはいくつかの実施形態では、アナログデジタル変換器1750に接続される。さらに、電極1700は、追加的にもしくは代替的に、電流モニタ1760および1770を含み、またはいくつかの実施形態では、電流モニタ1760および1770に接続される。加えて、電極1700は、熱センサ1780および1790を含む。いくつかの実施形態において、電極1700は、熱センサ1780および1790の一方を含むが両方を含まない。
【0171】
本実施形態では、アナログデジタル変換器1750は、それぞれ正(+)および負(−)の電圧出力治療用電極端子1730および1740に接続される入力を有した第1のチャネルを含む。いくつかの実施形態では、正(+)および負(−)の電圧出力治療用電極端子1730および1740に第1の低入力インピーダンス差動バッファ(図示せず)が接続され、これはアナログデジタル変換器1750の第1のチャネルの入力を駆動する。いくつかの実施形態では、正(+)および負(−)の電圧出力治療用電極端子1730および1740にTektronix P6015A高電圧受動プローブ(図示せず)などのプローブが接続され、これはアナログデジタル変換器1750の入力を駆動する。
【0172】
さらに、アナログデジタル変換器1750は、正(+)および負(−)の電圧出力治療用電極端子1730および1740の間の電圧差を表す第1のデジタル出力を出力端子1735に生成するように構成される。第1のデジタル出力は、
図15のnsPEF治療システム
1550において使用される場合、コントローラ1575に対するフィードバック信号として使用され得る。いくつかの実施形態では、アナログデジタル変換器1750は、正(+)および負(−)の電圧出力治療用電極端子1730および1740における電圧の両方ではなく、いずれか一方に基づいて、第1のデジタル出力を生成する。
【0173】
本実施形態では、アナログデジタル変換器1750はまた、それぞれ電流モニタ1760および1770に接続される入力を有した第2のチャネルを含み、電流モニタ1760および1770は、それぞれ正(+)および負(−)の電圧出力治療用電極端子1730および1740に接続される。いくつかの実施形態では、電流モニタ1760および1770に第2の低入力インピーダンス差動バッファ(図示せず)が接続され、これはアナログデジタル変換器1750の第2のチャネルの入力を駆動する。
【0174】
さらに、アナログデジタル変換器1750は、正(+)および負(−)の電圧出力治療用電極端子1730および1740を通って流れる電流の間の電流差を表す第2のデジタル出力を出力端子1765に生成するように構成される。第2のデジタル出力は、
図15のnsPEF治療システム1550において使用される場合、コントローラ1575に対するフィードバック信号として使用され得る。いくつかの実施形態では、アナログデジタル変換器1750は、電流モニタ1760および1770からの入力の両方ではなく、いずれか一方に基づいて、第2のデジタル出力を生成する。
【0175】
本実施形態では、アナログデジタル変換器1750はまた、それぞれ熱センサ1780および1790に接続される入力を有した第3のチャネルを含み、熱センサ1780および1790は、それぞれ正(+)および負(−)の電圧出力治療用電極端子1730および1740に熱的に結合される。いくつかの実施形態では、熱センサ1780および1790に第3の低入力インピーダンス差動バッファ(図示せず)が接続され、これはアナログデジタル変換器1750の第3のチャネルの入力を駆動する。
【0176】
さらに、アナログデジタル変換器1750は、正(+)および負(−)の電圧出力治療用電極端子1730および1740のうちの少なくとも一方の温度を表す第3のデジタル出力を出力端子1785に生成するように構成される。第3のデジタル出力は、
図15のnsPEF治療システム1550において使用される場合、コントローラ1575に対するフィードバック信号として使用され得る。いくつかの実施形態では、アナログデジタル変換器1750は、熱センサ1780および1790からの入力の両方ではなく、いずれか一方に基づいて、第3のデジタル出力を生成する。
【0177】
様々な実施形態において、パルス発生
器は、第1、第2、および第3のデジタル出力のうちの任意の1つ、2つ、または全てを生成する。いくつかの実施形態では、アナログデジタル変換器1750の代わりに、またはこれに加えて、1つまたは複数の単一チャネルアナログデジタル変換器が使用される。
【0178】
図18は、
図15のnsPEF治療システム1550などのnsPEF治療システムを使用する方法1800のフローチャート図である。本方法において、nsPEF治療システムは、フィードバックループを実行して、治療のパラメータを制御する。製造変動、温度、およびシステム経過年数を含むがこれらに限定されない1つまたは複数の要因のために、治療中に現実化または測定されるパラメータは、システムがプログラムされるのに用いられた対応する値とは幾分異なる値を有する傾向がある。システムの精度を高めるために、フィードバックループは、測定されるパラメータが所望の値またはプログラムされた値に一層厳密に一致するように、現実化されたパラメータを能動的に測定して制御する。
【0179】
1810において、患者の、または患者に印加されるnsPEFパルスの、1つまたは複数の所望の特性を表す情報を、nsPEF治療システム1550のインタフェース1570などのインタフェースで受け取る。
【0180】
1820において、nsPEF治療システム1550のコントローラ1575などのコントローラが、インタフェースで受け取った所望の特性の値に対応する対照値を生成する。
【0181】
1830において、nsPEF治療システム1550の電源1560などの電源が、nsPEF治療システム1550のパルス発生器1555などのパルス発生器を充電する。電源は、コントローラから受け取った1つまたは複数の制御信号を基に決定した電圧値でパルス発生器を充電する。ここで、受け取った1つまたは複数の制御信号とは、1820において生成された1つまたは複数の対照値に対応する。
【0182】
1840において、少なくとも1つのnsPEFパルスを発生させる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの発生させたnsPEFパルスを患者に印加する。例えば、コントローラからの1つまたは複数の制御信号に応答して、パルス発生器がnsPEFパルスを発生させることができる。さらに、電極1565などの電極により、nsPEFパルスを患者に印加することができる。いくつかの実施形態では、nsPEFパルスを治療計画の一環として患者に印加する。いくつかの実施形態では、nsPEF治療システムの特性評価、設定、または較正の一環として、nsPEFパルスを患者に印加する。いくつかの実施形態では、nsPEFパルスを患者に印加しない。
【0183】
1850において、例えば、nsPEFパルスを患者に印加しながら、nsPEFパルスのまたは患者の、1つまたは複数の電気的特性を測定または検知する。
【0184】
1860において、測定または検知した特性の値を、1810で受け取った情報によって表された、対応する所望の特性の値と比較する。
【0185】
1820に戻って、コントローラが、1860で実行した比較の結果に従って、インタフェースで受け取った所望の特性の値に対応する対照値を修正する。コントローラは、対照値に対する修正のために、次に測定または検知する特性の値が、以前に測定または検知した特性の値よりも、特性の所望の値に近くなることが期待されるように、対照値を修正する構成となっている。
【0186】
図19は、
図15のnsPEF治療システム1550などのnsPEF治療システムを使用する方法1900のフローチャート図である。
【0187】
1910において、患者に印加されるnsPEFパルスの電流振幅または電圧振幅を表す情報を、nsPEF治療システム1550のインタフェース1570などのインタフェースで受け取る。
【0188】
1920において、nsPEF治療システム1550のコントローラ1575などのコントローラが、所望の振幅に対応する対照値を生成する。
【0189】
1930において、nsPEF治療システム1550の電源1560などの電源が、nsPEF治療システム1550のパルス発生器1555などのパルス発生器を充電する。電源は、コントローラから受け取った1つまたは複数の制御信号を基に決定した電圧値でパルス発生器を充電する。ここで、受け取った1つまたは複数の制御信号とは、1920において生成された1つまたは複数の対照値に対応する。
【0190】
1940において、少なくとも1つのnsPEFパルスを発生させる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの発生させたnsPEFパルスを患者に印加する。例えば、コントローラからの1つまたは複数の制御信号に応答して、パルス発生器がnsPEFパルスを発生させることができる。さらに、電極1565などの電極により、nsPEFパルスを患者に印加することができる。いくつかの実施形態では、nsPEFパルスを治療計画の一環として患者に印加する。いくつかの実施形態では、nsPEF治療システムの特性評価、設定、または較正の一環として、nsPEFパルスを患者に印加する。いくつかの実施形態では、nsPEFパルスを患者に印加しない。
【0191】
1950において、例えば、nsPEFパルスを患者に印加しながら、nsPEFパルスの振幅を測定または検知する。
【0192】
1960において、測定または検知した振幅の値を、1910で受け取った情報によって表された振幅と比較する。
【0193】
1920に戻って、コントローラが、1960で実行した比較の結果に従って、インタフェースで受け取った所望の振幅の値に対応する対照値を修正する。コントローラは、振幅の測定値または検知値が所望の振幅よりも小さい場合、修正した対照値により、以前に使用した値よりも大きい値の電圧で電源がパルス発生器を充電するように、対照値を修正する構成となっている。同様に、コントローラは、振幅の測定値または検知値が所望の振幅よりも大きい場合、修正した対照値により、以前に使用した値よりも小さい値の電圧で電源がパルス発生器を充電するように、対照値を修正する更なる構成となっている。
【0194】
図20は、
図15のnsPEF治療システム1550などのnsPEF治療システムを使用する方法2000のフローチャート図である。
【0195】
2010において、患者に印加されるnsPEFパルスのパルス幅を表す情報を、nsPEF治療システム1550のインタフェース1570などのインタフェースで受け取る。
【0196】
2020において、nsPEF治療システム1550のコントローラ1575などのコントローラが、所望のパルス幅に対応する対照値を生成する。
【0197】
2030において、nsPEF治療システム1550の電源1560などの電源が、nsPEF治療システム1550のパルス発生器1555などのパルス発生器を充電する。電源は、コントローラから受け取った1つまたは複数の制御信号を基に決定した電圧値でパルス発生器を充電する。
【0198】
2040において、少なくとも1つのnsPEFパルスを発生させる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの発生させたnsPEFパルスを患者に印加する。例えば、コントローラからの1つまたは複数の制御信号に応答して、パルス発生器がnsPEFパルスを発生させることができる。さらに、電極1565などの電極により、nsPEFパルスを患者に印加することができる。いくつかの実施形態では、nsPEFパルスを治療計画の一環として患者に印加する。いくつかの実施形態では、nsPEF治療システムの特性評価、設定、または較正の一環として、nsPEFパルスを患者に印加する。いくつかの実施形態では、nsPEFパルスを患者に印加しない。
【0199】
2050において、例えば、nsPEFパルスを患者に印加しながら、nsPEFパルスのパルス幅を測定または検知する。
【0200】
2060において、測定または検知したパルス幅の値を、2010で受け取った情報によって表されたパルス幅と比較する。
【0201】
2020に戻って、コントローラが、2060で実行した比較の結果に従って、インタフェースで受け取った所望のパルス幅の値に対応する対照値を修正する。コントローラは、パルス幅の測定値または検知値が所望のパルス幅よりも小さい場合、修正した対照値により、以前に発生させた値よりも大きい値のパルス幅を持つ更なるnsPEFパルスをパルス発生器が発生させるように、対照値を修正する構成となっている。同様に、コントローラは、パルス幅の測定値または検知値が所望のパルス幅よりも大きい場合、修正した対照値により、以前に発生させた値よりも小さい値のパルス幅を持つ更なるnsPEFパルスをパルス発生器が発生させるように、対照値を修正する構成となっている。
【0202】
図21は、
図15のnsPEF治療システム1550などのnsPEF治療システムを使用する方法2100のフローチャート図である。
【0203】
2110において、nsPEFパルスで治療される患者の組織の最高温度を表す情報を、nsPEF治療システム1550のインタフェース1570などのインタフェースで受け取る。
【0204】
2120において、nsPEF治療システム1550のコントローラ1575などのコントローラが、所望の組織最高温度に対応する対照値を生成する。
【0205】
2130において、nsPEF治療システム1550の電源1560などの電源が、nsPEF治療システム1550のパルス発生器1555などのパルス発生器を充電する。電源は、コントローラから受け取った1つまたは複数の制御信号を基に決定した電圧値でパルス発生器を充電する。
【0206】
2140において、1つまたは複数のnsPEFパルスを発生させる。いくつかの実施形態では、発生させたnsPEFパルスを患者に印加する。例えば、コントローラからの1つまたは複数の制御信号に応答して、パルス発生器がnsPEFパルスを発生させることができる。さらに、電極1565などの電極により、nsPEFパルスを患者に印加することができる。いくつかの実施形態では、nsPEFパルスを治療計画の一環として患者に印加する。いくつかの実施形態では、nsPEF治療システムの特性評価、設定、または較正の一環として、nsPEFパルスを患者に印加する。いくつかの実施形態では、nsPEFパルスを患者に印加しない。
【0207】
2150において、例えば、nsPEFパルスを患者に印加しながら、患者の温度を温度センサで測定または検知する。
【0208】
2160において、測定または検知した温度の値を、2110で受け取った情報によって表された最高温度と比較する。
【0209】
2120に戻って、コントローラが、2160で実行した比較の結果に従って、インタフェースで受け取った所望の最高温度の値に対応する対照値を修正する。コントローラは、温度の測定値もしくは検知値が、最高温度よりも高いか、または最高温度に比べて低い閾値よりも高い場合、修正した対照値により、nsPEF治療システムが患者に与える電力が少なくなるように、対照値を修正する構成となっている。例えば、修正された対照値は、より小さいパルス幅を持つnsPEFパルスを発生させることができる。代替的にまたは追加的に、修正された対照値は、より低い周波数を持つnsPEFパルスを発生させることができる。
【0210】
図22は、本明細書で論じられるnsPEF治療システムで使用され得る電極2200の説明図である。例えば、電極2200は、nsPEFパルスで患者を治療するために使用され得る。電極2200は、先端部2216および把手2214を介してケーブル2230に電気的に接続される治療用電極端子2219を含む。
【0211】
電極2210は、把手2214および取り外し可能な、いくつかの実施形態においては使い捨ての先端部2216を含む。いくつかの先端部2216の実施形態を示す。他の実施形態も企図される。
【0212】
先端部2216は、例えば組織を突き刺すことによって患者に接触し、接触点でnsPEFパルスを患者に与えるように構成された電気的絶縁性部分2218および電気的導電性端子2219を含む。
【0213】
いくつかの実施形態では、絶縁性部分2218は延長部2218Aを含み、これらはそれぞれ電気的導電性端子2219のうちの1つの部分を取り囲む。いくつかの実施形態では、延長部2218Aの長さは、延長部2218Aがそこから延在する絶縁性部分2218の表面に対して調節可能であり、したがって電気的導電性端子2219の露出部分が調節可能である。いくつかの実施形態では、電気的導電性端子2219の長さは、表面に対して追加的にまたは代替的に調節可能である。
【0214】
図示するように、2214の把手は指止め2215を含み、この指止め2215は、ユーザの手を治療用端子2219から、より詳細に後述する一定の最小距離だけ離間させることによって、治療用端子2219とユーザの手との間の不注意な接触を防止するのに効果的であるように、高電圧治療用端子2219から離間させてある。いくつかの実施形態では、この距離は、例えばセンチメートルで、0.85、1.0、1.27、2.5、3.2、3.8、4.4、5.1、6.4、7.6、10.2、12.7、またはそれより大きい(すなわちインチで、0.33、0.39、0.5、1、1.25、1.5、1.75、2、2.5、3、4、5、またはそれより大きい)。
【0215】
いくつかの実施形態では、患者と接触する露出した電気的導電性端子2219を調節可能である。例えば、導電性端子2219が絶縁性部分2218から延在する距離を調節することができる。いくつかの実施形態では、導電性端子2219が絶縁性部分2218から延在する距離は、把手部分2214に対して固定されている絶縁性部分2218に対して導電性端子2219を移動させることによって制御される。いくつかの実施形態では、導電性端子2219が絶縁性部分2218から延在する距離は、把手部分2214に対して固定されている導電性端子2219に対して絶縁性部分2218を移動させることによって制御される。
【0216】
追加的にまたは代替的に、隣接する導電性端子2219間の距離を調節することができる。
【0217】
図示するように、コネクタ2220の把手部分には指止め2222が含まれ、この指止め2222は、導電性部分2224とユーザの手との不注意な接触を防止するのに効果的であるように、高電圧導電性部分2224から離間させてある。
【0218】
図23は、本明細書で論じられるnsPEF治療システムで使用され得る電極2300の説明図である。例えば、電極2300は、nsPEFパルスで患者を治療するために使用され得る。本実施形態では、電気的導電性端子2302は把手2304によって互いに離間され、把手2304は、離間した中立位置からずらされると、端子2302に復元力を加えるように構成される。例えば、把手2304は、端子2302が1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、7.5mm、1cm、1.5cm、2cm、2.5cm、3cm、または他の距離よりも大きいかまたは小さい距離だけ離間しているときに、復元力を端子2302に加えるように構成され得る。
【0219】
把手2304は、端子2302とユーザの手との間の不注意な接触を防ぐのに役立つ把手形体2306を含む。
【0220】
図24は、本明細書で論じられるnsPEF治療システムで使用され得る電極2400の説明図である。例えば、電極2400は、心房細動を患っている患者を治療するために使用され得る。本実施形態では、電気的導電性端子2410および2412は、親指用リング2420と摘み2430との間の相対距離に従って互いに調節可能に離間している。いくつかの実施形態では、摘み2430は、ユーザの指を受け入れるように構成されたリングを含む。親指リング2420は、ユーザの手のひらに係合する人間工学的平滑表面2425を含む。
【0221】
電極2400は、シャフト2460によって端子2410および2412に接続されるハウジング2450を含む。ハウジング2450は、端子2410および2412をケーブル2465と電気的に接続するための配線チャネルを含む。いくつかの実施形態では、ハウジング2450は、端子2410および2412間の最小距離を確保するように構成される内部止め具(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、ハウジング2450は、端子2410および2412を固定距離にロックするように構成されるバネ機構およびラチェット機構を含む。このような実施形態では、ハウジング2450はまた、端子2410および2412をロック位置から選択的に解放するように構成されるラチェット解放ボタン2455を含む。
【0222】
いくつかの実施形態では、端子2410がハウジング2450に対して移動するように構成される。いくつかの実施形態では、端子2412がハウジング2450に対して追加的にまたは代替的に移動するように構成される。
【0223】
いくつかの実施形態では、シャフト2460ならびに端子2410および2412はそれぞれ、端子2410および2412の遠位端に物体を案内するように構成される導管を含む。例えば、導管を通して端子2410および2412の末端から絶縁性ゲルを押し出すことができる。
【0224】
図25は、本明細書で論じられるnsPEF治療システムで使用され得る電極2500の説明図である。例えば、電極2500は、患者を治療するために腹腔鏡手術中に使用され得る。本実施形態では、電気的導電性端子2510および2512は、親指用リング2520と摘み2530との間の相対距離に従って互いに調節可能に離間している。
【0225】
電極2500は、シャフト2560によって端子2510および2512に接続されるハウジング2550を含む。ハウジング2550は、端子2510および2512をケーブル2565と電気的に接続するための配線チャネルを含む。いくつかの実施形態では、ハウジング2550は、端子2510および2512間の最小隙間間隔を確保するように構成される内部止め具(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、ハウジング2550は、端子2510および2512を固定距離にロックするように構成されるバネ機構およびラチェット機構を含む。このような実施形態では、ハウジング2550はまた、端子2510および2512をロック位置から選択的に解放するように構成されるラチェット解放ボタン2555を含む。
【0226】
いくつかの実施形態では、端子2510が、シャフト2560に対して移動または回転するように構成される。いくつかの実施形態では、端子2512が、シャフト2560に対して追加的にまたは代替的に移動または回転するように構成される。いくつかの実施形態では、端子2510および2512がほぼ平行に保たれるように、端子2510および2512は、シャフト2560に対して、かつ互いに対して移動するように構成される。
【0227】
図26は、本明細書で論じられるnsPEF治療システムで使用され得る器具2600の説明図である。例えば、器具2600は、例えば、治療中に経皮的にまたは管腔内的に端子を患者に接触させるためのカテーテルとして使用することができる。本実施形態では、電極2620が内視鏡2610に接続される。例えば、電極2620は、内視鏡2610内の管腔を通して送られ得る。
【0228】
電極2620は、絶縁性部分2626と、正および負の電気的導電性端子2622とを含む。いくつかの実施形態では、電極2620はまた、電極2620が組織を貫通するのを助長するための針2628を含む。
【0229】
図22〜
図26を参照して説明した電極のいずれも、その端子のいずれかに熱的に接続される熱電対を含むことができる。
【0230】
図27Aおよび
図27Bは、ハウジング切欠き部2750と嵌合するように構成されたコネクタ2700の説明図である。コネクタ2700は、例えば、電極102をハウジング105に接続するためにnsPEFシステム100において使用され得る。嵌合したときに、コネクタ2700は、電極102をnsPEFパルス発生器などのハウジング105の内部の電子部品と電気的に接続する。
図27Aは、非嵌合状態にあるコネクタ2700および切欠き部2750を示す。
図27Bは、嵌合状態にあるコネクタ2700および切欠き部2750を示す。
【0231】
コネクタ2700は、電極と電気的に接触するケーブルを受け入れるように構成された穴2702を含む。コネクタ2700はまた、端子2704をケーブルと電気的に接続する内部導線を含む把手2706を含む。把手2706は、隔離スカート2708などの絶縁体安全構造を含むこともでき、隔離スカート2708は、コネクタ2700の全長、または端子2704と、ユーザが自分の手もしくは指を置くことができるコネクタの把手上の位置との間の実際の物理的距離を増やすことなく、把手2706によって(例えば、把手の握り部分によって)コネクタ2700を保持するユーザの手と端子2704との間に、コネクタ2700の表面に沿って少なくとも最小隙間間隔d
min_userを提供するように構成される。
【0232】
本開示で使用される「ユーザの手からの最小隙間間隔」(d
min_user)は、空気中の、またはユーザの手の握り部分までの絶縁性材料表面経路に沿っての両方でアークを回避する最短距離を含む。つまり、d
min_userには、次の2つの距離のうち、大きい方の距離が含まれる。1)絶縁体物質の任意の表面または表面の組合せに沿って測定した2つの導電性部品間のアークを防止する最短距離または最短経路、および2)アークを防止する2つの導電性部品間の空気中の最短経路である。スカート2708のような隔離スカートの追加はまた、所望のd
min_userを提供しながらコネクタの全長を短縮することを可能にする。
【0233】
いくつかの実施形態では、最小隙間間隔は、センチメートルで、0.85、1.0、1.27、2.5、3.2、3.8、4.4、5.1、6.4、7.6、10.2、12.7、もしくはそれより大(すなわちインチで、0.33、0.39、0.5、1、1.25、1.5、1.75、2、2.5、3、4、5、またはそれより大)に等しいか、またはこれらよりも大きい。
【0234】
図示のように、端子2704は、スペーサ2710によって把手2706から、例えば1インチよりも大きい距離だけ離間する。
【0235】
図示のように、ハウジング切欠き部2750は端子受け口孔2752を含み、端子受け口孔2752は、コネクタ2700がハウジング切欠き部2750と嵌合する際に、コネクタ2700の端子2704を受け入れるように構成される。本実施形態では、ハウジング切欠き部2750はまた、1つまたは複数のスカート受け口孔2754を含み、スカート受け口孔2754は、コネクタ2700がハウジング切欠き部2750と嵌合する際に、コネクタ2700の隔離スカート2708を受け入れるように構成される。
【0236】
電気的導電性端子2704とユーザの手との間のコネクタ2700の表面に沿って最短の経路の距離を長くするために、本実施形態では、隔離スカート2708は、2つの同心円状のリング部分を含む。同心リング部分は、両方のスペーサ2710を取り囲み、2つのスペーサ2710の間を中心に位置決めされ得る。合わせて、ハウジング切欠き部2750は、2つのスカート受け口孔2754を含む。別の実施形態において、コネクタは、ただ1つのまたは2つより多い同心リング部分を有し、対応するハウジング切欠き部は、ただ1つのまたは2つより多いスカート受け口孔を有する。
【0237】
図28A、
図28B、
図28C、および
図28Dは、コネクタ2700およびハウジング切欠き部2750の断面図の説明図である。断面図の平面は、
図27Aに示される端子受け口孔2752の軸によって画定される。
図28Aは、非嵌合状態にあるコネクタ2700および切欠き部2750を示す。
図28Bおよび
図28Cは、嵌合状態にあるコネクタ2700および切欠き部2750を示し、
図28Cは、コネクタ2700および切欠き部2750の一部の拡大
図Fを詳細に示す。
【0238】
図28Aに示すように、コネクタ2700は、ケーブルを端子2704と電気的に接続する配線(図示せず)を含めるように構成されたキャビティ2720を含む。キャビティ2720は、電極の端子の1つまたは複数に接続される1つまたは複数の熱電対に接続するための配線を含むこともできる。
【0239】
ハウジング切欠き部2750は、コネクタ2700とハウジング切欠き部2750とが嵌合状態にあるときに、雄型端子2704を受け入れるように構成された雌型端子2760(
図28A)を含む。後退距離2761は、ハウジング2750の正面から端子2760までである。
【0240】
切欠き部2750はまた、端子2760をハウジング内部の電子部品と電気的に接続する配線(図示せず)を含めるように構成されたキャビティ2770を含む。結果として、嵌合状態にあるとき、ハウジング内部の電子部品は、端子2760、端子2704、端子2704とケーブルとの間の配線、および治療用電極に電気的に接続されたケーブルを介して治療用電極と電気的に接続される。
【0241】
ハウジング切欠き部2750にはまた、電気機械スイッチ2780が図で示される。コネクタ2700とハウジング切欠き部2750とが嵌合状態にあることを受けて、電気機械スイッチ2780は、コネクタ2700とハウジング切欠き部2750とが嵌合していることを示す導電状態を取る。また、コネクタ2700とハウジング切欠き部2750とが非嵌合状態にあることを受けて、電気機械スイッチ2780は、コネクタ2700とハウジング切欠き部2750とが嵌合していないことを示す導電状態を取る。電気機械スイッチ2780は、コネクタ2700とハウジング切欠き部2750との嵌合が外されたことを受けて、ハウジング内部の電子部品が端子2760に電気信号を印加するのを防止し、またはコネクタ2700とハウジング切欠き部分2750とが嵌合されたことを受けて、ハウジング内部の電子部品が端子2760に電気信号を印加することを可能にするように構成され得るコントローラ(図示せず)に接続されてもよい。
【0242】
いくつかの実施形態において、電気機械スイッチ2780は、コントローラとインタフェースをとるように構成された回路を含む。例えば、コントローラが識別情報を回路から受け取ったことを受けて、コントローラは、コネクタ2700、またはコネクタ2700に接続された電極を識別することができる。いくつかの実施形態では、この回路は、コネクタ2700を介して送り出されるnsPEFパルスの数を計数して記憶するように構成されてもよい。
【0243】
図28Dは、最小隙間間隔の例を示す。雌型端子2760は雄型プラグ端子2704に電力を供給する。端子2760は、ユーザの手もしくは指によってアクセスされ得るハウジングの外側部分から、遮蔽されるか、または最小隙間間隔d
min_user2898を隔てて配置される。最小隙間間隔は、端子2760から最小隙間間隔を置いた場合に、電圧が、ユーザの手または指に衝撃を引き起こすのに不十分であることを保証するために、端子2760に印加される予想電圧に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。
【0244】
ユーザとの最小隙間間隔2898は、図示のように、ハウジングの切欠き部2750と嵌合させる際に、ユーザの手がコネクタ2700間の目立つ継ぎ目に隣接して置かれることがあるので、受け口の孔から、二重スカート2708の周り、およびユーザへの表面をたどることによって測定される。いくつかの実施形態では、最小隙間間隔は少なくとも、センチメートルで、0.85、1.0、1.27、2.5、3.2、3.8、4.4、5.1、6.4、7.6、10.2、12.7、またはそれより大きい(すなわちインチで、0.33、0.39、0.5、1、1.25、1.5、1.75、2、2.5、3、4、5、またはそれより大きい)。
【0245】
図28Dはまた、端子間の最小隙間間隔(d
min_terminals)を表す別の最小隙間間隔2899の例を示す。この距離d
min_terminalsは、
図29を参照してより詳細に説明する。
【0246】
いずれの最小隙間間隔も、センチメートルで、0.85、1.0、1.27、2.5、3.2、3.8、4.4、5.1、6.4、7.6、10.2、12.7、もしくはそれより大(すなわちインチで、0.33、0.39、0.5、1、1.25、1.5、1.75、2、2.5、3、4、5、またはそれより大)に等しいか、またはこれらよりも大きくすることができる。
【0247】
図29は、ハウジング切欠き部2950と嵌合するように構成されたコネクタ2900の説明図である。コネクタ2900は、例えば、電極102をハウジング105に接続するためにnsPEFシステム100において使用され得る。嵌合したときに、コネクタ2900は、電極102をnsPEFパルス発生器などのハウジング105の内部の電子部品と電気的に接続する。
図29は、非嵌合状態にあるコネクタ2900および切欠き部2950を示す。
【0248】
例示的な実施形態の比較として、
図27は、ユーザの指および/または手と導電性端子との間に最小隙間間隔を提供するように構成された、スカート2708などの、本開示の特徴および絶縁性構造を示す。
図29は、
図28Dに示す最小隙間間隔d
min_terminalsなど、導電性端子同士の間に最小隙間間隔2899を設けるように構成された更なる新規な特徴を示す。最小隙間間隔d
min_terminalsは、導電性端子間のアークに対する保護を提供し、例えば患者を保護する。
【0249】
本開示で使用される「端子間の最小隙間間隔」(d
min_terminals)は、空気中の、または絶縁体物質表面経路に沿っての両方でアークを回避する最短距離を含む。つまり、d
min_terminalsは、次の2つの距離のうち、大きい方の距離を含むことができる。1)絶縁体物質の任意の表面または表面の組合せに沿って測定した2つの導電性部品間のアークを防止する最短距離または最短経路、および2)アークを防止する2つの導電性部品間の空気中の最短経路である。
【0250】
「沿面距離」は、International Electrotechnical Commission(IEC)によって定義されるように、または当技術分野において別途知られるように、2つの導電性部品間の絶縁体物質の表面に沿ったアークを防ぐ最短距離を含む。沿面距離は、ある導電性部品から別の導電性部品までの表面距離、またはユーザによって接触可能な領域を含むことができる。
【0251】
「空間距離」は、IECによって定義されるように、または当技術分野において別途知られるように、2つの導電性部品間の空気中のアークを防止する最短経路を含む。空間距離は、ある導電性部品から別の導電性部品までの、空気または自由空間を通る連続した距離、またはユーザによって接触可能な領域を含むことができる。
【0253】
コネクタ2900は、コネクタ2700の隔離スカート2708と同様の隔離スカート2908を含む。加えて、コネクタ2900は、更なる隔離スカート2909を含む。図示のように、隔離スカート2909はそれぞれ、1つのスペーサ2910の一部分を取り囲む。隔離スカート2909は、端子2904間の所望の間隔を保つ。
【0254】
ハウジング切欠き部2950は、
図27A、27B、28A、28B、28C、および28Dに示すハウジング切欠き部2750と同様または同一の特徴を含むことができる。
【0255】
本実施形態では、端子受け口孔2952およびスカート受け口孔2954に加えて、ハウジング切欠き部2950はまた、スカート受け口孔2956を含み、スカート受け口孔2956は、コネクタ2900がハウジング切欠き部2950と嵌合する際に、コネクタ2900のスカート2909を受け入れるように構成される。
【0256】
図30Aおよび
図30Bは、コネクタ2900およびハウジング切欠き部2950の断面図の説明図である。
図30Aおよび
図30Bは、嵌合状態にあるコネクタ2900および切欠き部2950を示し、
図30Bは、コネクタ2900および切欠き部2950の一部の拡大
図Hを詳細に示す。
【0257】
いくつかの実施形態では、nsPEFパルス発生器を治療用電極にケーブルで接続することができ、この治療用電極は、コネクタ2700およびハウジング切欠き部2750ならびにコネクタ2900およびハウジング切欠き部2950のうちの1つまたは複数に類似のまたは同一の特性を備えたコネクタ/受け口の嵌合によって、ケーブルに電気的に接続される端子を持つ。
【0258】
例えば、
図31Aおよび
図31Bは、電極把手(または把手)3110および電極先端部(または先端部)3120を貫通する導線を介してケーブル3150に接続された治療用端子3140を有する電極3100を示す。電極3100は、本明細書で論じられるnsPEF治療システムにおいて使用することができる。例えば、ケーブル3150を、本明細書の他の箇所で論じられるコネクタの特徴と類似または同一の特徴を有するコネクタ(図示せず)によって、nsPEFパルス発生器に接続することができる。
【0259】
図示のように、先端部3120は把手3110に対し、取り外しの効くように接続できる。先端部3120を把手3110に接続するには、接続端子3160をスカート3130に挿入する。いくつかの実施形態では、先端部3120は使い捨てであり、または1回の使用の後に廃棄もしくは処分することができる。
【0260】
図32A、32B、および32Cは、把手基部3210とそのハウジング3212および把手キャップ3240を含む把手3110を示す。
図32Bに示すように、ケーブル3150は把手基部3210の中へ延在する。第1および第2のワイヤ3260はケーブル3150から分裂し、それぞれ第1および第2のワイヤボス3215の範囲内で把手基部3210を通って延在する(
図32A参照)。第1および第2のワイヤ3260の各々は、例えばはんだ接続を使用して、第1および第2のワイヤボス3215から延在する第1および第2のコネクタ3250のうちの1つと接続される。
【0261】
第1および第2のコネクタ3250は、先端部3120から接続端子3160を受け入れるように構成される。先端部3120が把手3110と接続するとき、接続端子3160が第1および第2のコネクタ3250の中に延在し、接続端子3160とケーブル3150との間に機械的および電気的接続が行われるようにする。
【0262】
コネクタ3250間の電圧は非常に大きくなり得るので、コネクタ3250間の表面上の経路または接続された表面の組合せ上の経路に沿って、コネクタ3250間で漏れが発生し、アークを引き起こす可能性がある。いくつかの実施形態では、第1および第2のワイヤ3260は絶縁材によって取り囲まれる。
【0263】
いくつかの実施形態では、電極は手持ち式(例えば、これには把手3110のハンドグリップ部分が含まれ得る)であってもよく、あるいは別の方法で電極を、ユーザの手もしくは指によって握るか、または接触することができる。把手3110は、隔離スカート、スカート孔、凹部、またはボスなどの絶縁体安全構造を含むこともできる。安全構造は、電気コネクタ3250から、互いに接着剤でつけられてもつけられなくてもよい内部合せ面を経て、ユーザの手があり得る外面までに、少なくとも最小隙間間隔d
min_userを提供するように構成することができる。これらの安全構造は、把手3110の全長、またはコネクタ3250と、ユーザが彼または彼女の手または指を置くことができる把手上の位置との間の実際の物理的距離を増加させる必要性を排除し得る。
【0264】
把手3110は、d
min_terminalsを提供するための絶縁体安全構造を含むこともできる。これは、スカート、スカート孔、ノッチ、コネクタもしくはワイヤチャネル、ボス、または他の特徴の形を取り得る。例えば、コネクタチャネル3245は、そのようなチャネルがない場合と違った、追加の隙間間隔をコネクタ3250間にもたらす。
【0265】
いくつかの実施形態では、最小隙間間隔d
min_terminalsは、センチメートルで、0.85、1.0、1.27、2.5、3.2、3.8、4.4、5.1、6.4、7.6、10.2、12.7、もしくはそれより大(すなわちインチで、0.33、0.39、0.5、1、1.25、1.5、1.75、2、2.5、3、4、5、またはそれより大)に等しいか、またはこれらよりも大きい。
【0266】
いくつかの実施形態では、第1および第2のワイヤ3260の一方が絶縁材で覆われ、第1および第2のワイヤ3260の他方は絶縁材で覆われない。そのような実施形態では、漏洩を防止または少なくとも最小限に抑えるために、任意の表面上または任意の表面の組合せ上の任意の経路に沿って、絶縁材で囲まれたワイヤのコネクタ3250と絶縁材なしのワイヤの最も近い部分との間の距離は、最小隙間間隔に等しいか、または最小隙間間隔よりも大きい。いくつかの実施形態では、最小隙間間隔は、センチメートルで、0.85、1.0、1.27、2.5、3.2、3.8、4.4、5.1、6.4、7.6、10.2、12.7、もしくはそれより大(すなわちインチで、0.33、0.39、0.5、1、1.25、1.5、1.75、2、2.5、3、4、5、またはそれより大)に等しいか、またはこれらよりも大きい。
【0267】
図32Bに示すように、把手キャップ3240はスカート3243を含むことができ、スカート3243にはコネクタチャネル3245がある。さらに、把手キャップ3240は、端子チャネル3135を含むスカート3130を含み得る。
【0268】
把手3110が組み立てられたとき、
図32Cに示すように、第1および第2のワイヤボス3215の内側の第1および第2のワイヤ3260ならびに第1および第2のコネクタ3250は、把手キャップ3240のコネクタチャネル3245(
図32B参照)を通って延在する。また、
図32Cに示すように、把手3110が組み立てられたとき、コネクタ3250は端子チャネル3135を通して露出されるので、把手3110が先端部3120と接続される際に、先端部3120の3160の接続端子が機械的および電気的にコネクタ3250に接続される。
【0269】
本実施形態では、雌型コネクタ3250が雄型接続端子3160を受け入れる。別の実施形態では、雌型接続端子3160が雄型コネクタ3250を受け入れる。
【0270】
図33Aおよび
図33Bは、把手キャップ3240を示す。把手キャップ3240は、露出部分3330および挿入部分3340を含む。図示のように、把手キャップ3240はラッチフック3370を含む。ラッチフック3370は、先端部3120を把手3110に固定するために使用される。先端部3120と把手3110との接続を、以下で更に詳細に説明する。
【0271】
図34Aおよび
図34Bは、把手基部3210を示す。図示するように、把手基部3210はワイヤボス3215を含む。ワイヤボス3215は、チューブの内側部分がそれぞれワイヤチャネル3410を形成して、概して管状である。把手基部3210から延在するワイヤチャネル3410は、その端部に開口部3415を有し、ワイヤチャネル3410はまた、ワイヤボス3215の中央部分または側面に沿って延在するスロットにおいて開口している。ワイヤチャネル3410は、把手3110の組立て中に特に役立つ。
【0272】
例えば、組立て中に、ケーブル3150を穴3420に通して把手基部3210に挿入することができる。
図32Bおよび
図34Bを参照のこと。ケーブル3150は、ワイヤボス3215を越えて延在するように送り込んでもよい。ワイヤ3260を露出させるように、絶縁材をケーブル3150から剥がすことができる。コネクタ3250は、例えば、はんだ付けによってワイヤ3260に接続することができる。コネクタ3250がワイヤボス3215の開口部3415に挿入され得るように、ケーブル3150を把手基部3210から後退させることができる。また、ワイヤ3260を、ワイヤボス3215のワイヤチャネル3410に通すことができる。いくつかの実施形態では、ケーブル3150、ワイヤ3260、およびコネクタ3250のうちの1つまたは複数は、例えばエポキシで適所に接着されてもよい。いくつかの実施形態では、把手3110の組立て工程の一部として、把手基部3210は、例えばエポキシで把手キャップ3240に接着される。
【0273】
図35Aおよび
図35Bは先端部3120を示す。図示のように、先端部3120は、先端部基部3510および先端部キャップ3520を含む。図示のように、先端部基部3510および先端部キャップ3520は、接続端子3160を治療用端子3140と電気的に接続するワイヤ3590を収容する。組み立てられたとき、接続端子3160は穴3580を通って先端部基部3510から突出し、ワイヤ3590は先端部基部配線チャネル3570および先端部キャップ配線チャネル3525を通って延在し、治療用端子3140は先端部キャップ孔
(治療用端子孔)3560を通って延在する。いくつかの実施形態では、接続端子3160、ワイヤ3590、および治療用端子3140のうちの1つまたは複数を、例えばエポキシで適所に接着することができる。いくつかの実施形態では、先端部3120の組立工程の一部として、先端部基部3510を、例えばエポキシで先端部キャップ3520に接着する。
【0274】
図35Bに示すように、先端部基部3510はスカート孔3515を含み、スカート孔3515は、先端部基部3510が先端部キャップ3520と接続される際に、先端部キャップ3520のスカート3517を受け入れるように構成される。別の実施形態では、先端部キャップ3520は、先端部基部3510のスカートを受け入れるように構成されたスカート孔を有する。いくつかの実施形態では、先端部キャップ3520および先端部基部3510のそれぞれは、1つのスカートおよび1つのスカート孔を有し、一方のスカート孔が、先端部キャップ3520および先端部基部3510の他方のスカートを受け入れるように構成される。いくつかの実施形態では、先端部キャップ3520および先端部基部3510のいずれかにある単一のスカート孔が、先端部キャップ3520および先端部基部3510の他方の両方のスカートを受け入れるように構成される。
【0275】
治療用端子3140間の電圧は非常に大きい可能性があるので、場合によっては、適切な絶縁材がなく、治療用端子が組織に挿入される前に、治療用端子3140間の内面上の経路または接続された内面の組合せ上の経路に沿って、治療用端子3140間に漏れが生じ得る。漏れを防止するかまたは少なくとも最小限にするために、スカートやスカート孔などの絶縁性構造を設計に組み入れてもよい。そのような構造は、任意の表面または表面の組合せ上の任意の内部経路に沿って治療用端子3140間に最小隙間間隔d
min_terminalsをもたらすか、または引き起こすように構成される。そのようなd
min_terminalsは、センチメートルで、0.85、1.0、1.27、2.5、3.2、3.8、4.4、5.1、6.4、7.6、10.2、12.7、もしくはそれより大(すなわちインチで、0.33、0.39、0.5、1、1.25、1.5、1.75、2、2.5、3、4、5、またはそれより大)に等しいか、またはこれらよりも大きくすることができる。
【0276】
図35Aおよび
図35Bに示すように、先端部基部3510は保護装置3512を含む。保護装置3512は、少なくともユーザの手が治療用端子3140から最小隙間間隔だけ離れていることを保証するのを助長するのに役立つ。いくつかの実施形態では、保護装置3512は、例えばセンチメートルで、0.85、1.0、1.27、2.5、3.2、3.8、4.4、5.1、6.4、7.6、10.2、12.7だけ、またはそれより大きく(すなわちインチで、0.33、0.39、0.5、1、1.25、1.5、1.75、2、2.5、3、4、5だけ、またはそれより大きく)、治療用端子3140から離れていてもよい。
【0277】
図35Aおよび
図35Bに示すように、先端部基部3510はスカート孔3530を含み、スカート孔3530は、先端部3120が把手3110と接続される際に、把手3110のスカート3130を受け入れるように構成される。別の実施形態では、把手3110は、先端部
基部3510のスカートを受け入れるように構成されたスカート孔を有する。いくつかの実施形態では、把手3110および先端部
基部3510のそれぞれは、1つのスカートおよび1つのスカート孔を有し、一方のスカート孔が、把手3110および先端部
基部3510の他方のスカートを受け入れるように構成される。いくつかの実施形態では、把手3110および先端部
基部3510のいずれかにある単一のスカート孔が、把手3110および先端部
基部3510の他方の両方のスカートを受け入れるように構成される。
【0278】
先端部3120は、隔離スカート、凹部、またはボスなどの絶縁体安全構造を含むこともできる。安全構造は、端子3160から、互いに接着剤でつけられてもつけられなくてもよい内部合せ面を経て、ユーザの手があり得る外面までに、少なくとも最小隙間間隔d
min_userを提供するように構成することができる。これらの安全構造は、先端部3120の全長、または端子3160と、ユーザが彼または彼女の手または指を置くことができる先端部上の位置との間の実際の物理的距離を増加させる必要性を排除し得る。
【0279】
先端部3120は、dmin_terminalsを提供するための絶縁体安全構造を含むこともできる。これは、スカート、ノッチ、コネクタもしくはワイヤチャネル、ボス、または他の特徴の形を取り得る。例えば、配線チャネル3525は、そのようなチャネルがない場合と違った、追加の隙間間隔を
端子3160間にもたらす。
【0280】
接続端子3160間の電圧は非常に大きくなり得るので、接続端子3160間の空気中の経路、または表面上の経路、または接続された表面の組合せ上の経路に沿って、接続端子3160間で漏れが発生し、アークを引き起こす可能性がある。そのような潜在的なアークを防ぐために、あるいは少なくとも最小限に抑えるために、スカート、スカート孔、ボス、およびノッチなどの絶縁性構造は、任意の表面上または表面の組合せ上の任意の経路に沿って、接続端子3160間の最小隙間間隔d
min_terminalsを長くする。いくつかの実施形態では、最小隙間間隔は、センチメートルで、0.85、1.0、1.27、2.5、3.2、3.8、4.4、5.1、6.4、7.6、10.2、12.7、もしくはそれより大(すなわちインチで、0.33、0.39、0.5、1、1.25、1.5、1.75、2、2.5、3、4、5、またはそれより大)に等しいか、またはこれらよりも大きい。
【0281】
図35Aおよび
図35Bに示すように、先端部キャップ3520は基準3550を含む。基準3550は、中心点と半径方向に整列し、例えば治療用端子3140の幾何学的中心が、電極3100の治療上の使用の間中に特に有用であることを示し得る。例えば、使用前に所望の治療位置を決定し、この治療位置に、所望の治療の中心点で交差し、電極3100が治療のために位置決めされるときに、電極基準3550を越えて延在するのに十分な長さの垂直線で印を付ける。所望の位置に使用するために電極3100を適切に配置するには、電極3100の使用者は、電極3100の基準3550を超えて延在する垂直線の部分と基準3550が整列するように、電極3100を配置する。
【0282】
図36は先端部基部3510を示す。図示するように、先端部基部3510は、ラッチノッチ3690が備わっているタブ3695を含む。タブ3695およびラッチノッチ3690は、先端部3120と把手3110との接続の固定および解放のために使用される。先端部3120と把手3110との接続を、以下で更に詳細に説明する。通し孔3580は、コネクタが挿入される場所に示される。
【0283】
図37は先端部キャップ3520を示す。図示のように、先端部キャップ3520は穴3710を含み、この穴3710は、先端部キャップ配線チャネル3525へのスカート3517内の開口部である(
図35B参照)。さらに、先端部キャップ3520は、治療用端子孔3560を含み、先端部3120が組み立てられる際に、そこを通って治療用端子3140が延在する。本実施形態では、先端部キャップ配線チャネル3525は、治療用端子3140の配列に対応する断面形状を有する。結果として、組み立て中に、治療用端子3140が先端部キャップ3520を通して繰り出されると、治療用端子アレイの幾何学的形状および先端部キャップ配線チャネル3525の幾何学的形状のために、治療用端子3140は先端部キャップ3520の治療用端子孔3560と整列する。さらに、本実施形態では、治療用端子孔3560は、治療用端子3140の対応する実施形態に対応する幾何学的特徴を集合的に有する。
【0284】
図38〜
図41は、先端部キャップ3520の様々な実施形態を示す。図示のように、これらの実施形態の先端部キャップ3520は穴3710を含み、この穴3710は、先端部キャップ配線チャネル3525への開口部である(
図35B参照)。さらに、これらの実施形態の先端部キャップ3520は、治療用端子孔3560を含み、先端部3120が組み立てられる際に、そこを通って治療用端子3140が延在する。これらの実施形態では、先端部キャップ配線チャネル3525は、治療用端子3140の配列に対応する断面形状を有する。結果として、組み立て中に、治療用端子3140が先端部キャップ3520を通して繰り出されると、治療用端子アレイの幾何学的形状および先端部キャップ配線チャネル3525の幾何学的形状のために、治療用端子3140は先端部キャップ3520の治療用端子孔3560と整列する。さらに、これらの実施形態では、治療用端子孔3560は、治療用端子3140の対応する実施形態に対応する幾何学的特徴を集合的に有する。
【0285】
いくつかの実施形態では、治療用端子孔3560は、集合的に、約10mm×10mmの長方形を画定する幾何学的特徴を有する。あるいは、治療用端子孔3560は、集合的に、約10mm×5mm、約7.5mm×5mm、約2.5mm×5mm、約7.5mm×7.5mm、約5mm×10mm、約5mm×5mm、および約2.5mm×2.5mmのうちの1つである長方形を画定する幾何学的特徴を有してもよい。他の幾何学的配置を代わりに使用してもよい。
【0286】
図42A、
図42B、および
図42Cは、先端部3120が把手3110と接続されて組み立てられた状態の電極3100を示す。図示するように、先端部基部3510および先端部キャップ3520を含む先端部3120は、把手基部3210および把手キャップ3240を含む把手3110と接続されている。先端部3120は、把手キャップ3240のラッチフック3370と、先端部基部3510のタブ3695内のラッチノッチ3690とを有するラッチによって把手3110に固定される。細部Bに示すように、ラッチフック3370はラッチノッチ3690内に挿入され、先端部3120が把手3110から外れるのを防止する。
【0287】
把手3110から先端部3120を解放するには、タブ3695に力をかけて、例えばタブ3695を撓ませることによって、ラッチノッチ3690をラッチフック3370から離すように移動させる。ラッチフック3370がラッチノッチ3690内にもはや存在しないようにラッチノッチ3690を十分に動かすと、先端部3120に及ぼされる力により、先端部3122を把手3110から分離させることができる。
【0288】
先端部3120を把手3110に接続するには、先端部3120を把手3110に押し付ける。押圧動作により、例えばタブ3695が撓むことによって、ラッチフック3372がラッチノッチ3690に係合される。
【0289】
図42Bに示すように、把手3110が先端部3120と接続すると、接続端子3160はコネクタ3250と機械的かつ電気的に接続する。
【0290】
図42Cは、先端部3120が電極3100の把手3110と接触する場合に提供され得るいくつかの最小隙間間隔を図示する。雌型コネクタ3250はプラグ接続端子3160に電力を供給する。
【0291】
例えば、ユーザまでの最小隙間間隔4291は、図示のように(ユーザの手が把手3110と先端部3120との間の目視可能な継ぎ目の隣に置かれ得るので)合せ面間の接続端子3160からユーザまでの表面および/または空隙をたどることによって測定される。別の最小隙間間隔は、コネクタ内の細部Jにおける空隙の右上から左下への斜めの経路を取り、実際のところ、現在示されている経路4291を近道する。
【0292】
別の例では、端子間の最小隙間間隔4292は、図示のように、接続端子3160から他の接続端子3160までの合せ面および/または空隙をたどることによって測定される。
【0293】
いずれの最小隙間間隔も、センチメートルで、0.85、1.0、1.27、2.5、3.2、3.8、4.4、5.1、6.4、7.6、10.2、12.7、もしくはそれより大(すなわちインチで、0.33、0.39、0.5、1、1.25、1.5、1.75、2、2.5、3、4、5、またはそれより大)に等しいか、またはこれらよりも大きくすることができる。
【0294】
図43Aおよび
図43Bは、先端部3120が把手3110から切り離されて組み立てられた状態の電極3100を示す。図示するように、把手3110は、把手基部3210および把手キャップ3240を含み、先端部3120が把手3110と接続されたときにコネクタ3250が把手キャップ3240を介して接続端子3160にアクセス可能であるように、コネクタ3250、ワイヤ3260、およびケーブル3150の一部を収容する。また図示のように、先端部3120は、先端部基部3510および先端部キャップ3520を含み、先端部3120が把手3110と接続されたときに接続端子3160がコネクタ3250と接続するように、治療用端子3140、ワイヤ3590、および接続端子3160を収容する。
【0295】
図43Aおよび他の図に示すように、各構成要素(例えば、先端部基部3510、先端部キャップ3520、把手基部3210、および把手キャップ3240)は、絶縁されていない電気端子およびコネクタが、隣接する構成要素のスカート孔の中に延在する1つの構成要素のスカートなどの構造内に収容されるように、1つまたは複数の隣接する構成要素に嵌合する。結果的に、スカートおよびスカート孔は、任意の表面または表面の組合せ上の任意の経路に沿った非絶縁電気端子および/またはコネクタの間の距離を、最小隙間間隔に等しくするか、または最小隙間間隔よりも大きくするので、絶縁されていない電気端子および/またはコネクタの間の電流漏れが最小限に抑えられるか、または防止されるか、または実質的に防止される。いくつかの実施形態では、最小隙間間隔は、センチメートルで、0.85、1.0、1.27、2.5、3.2、3.8、4.4、5.1、6.4、7.6、10.2、12.7、もしくはそれより大(すなわちインチで、0.33、0.39、0.5、1、1.25、1.5、1.75、2、2.5、3、4、5、またはそれより大)に等しいか、またはこれらよりも大きい。
【0296】
図43Bは、把手
3110内および先端部3120内の最小隙間間隔の例を示す。
【0297】
例えば、ユーザまでの最小隙間間隔4395は、コネクタ3250から、ワイヤ3260に沿って、ユーザ(図示するように、ユーザの手は、把手基部3210と同軸ケーブル
3150部分との間の目視可能な継ぎ目の隣に置かれ得る)までの配線チャネル表面をたどることによって測定される。別の最小距離は、コネクタ内の空隙内の対角線、例えば、断面G−Gの左下から右上の4394付近への対角線、または断面H−Hの空隙を通る左上から右下への対角線などに従う。
【0298】
ユーザまでの別の最小隙間間隔4394は、合せ面および/または空隙の間のコネクタ3250から、ユーザ(図示するように、ユーザの手は、把手基部3210と把手キャップ3240との間の目視可能な継ぎ目の隣に置かれ得る)までの面をたどることによって測定される。
【0299】
把手基部3210内のコネクタ(導電性端子)間の最小隙間間隔4393は、図示のように、コネクタ3250から他のコネクタ3250までの合せ面および/または空隙をたどることによって測定される。
【0300】
把手キャップ3240の周りのコネクタ間のさらに別の最小隙間間隔4392は、図示のように、コネクタ3250から、一方の凹状コネクタ孔の中から外へ、他方の凹状コネクタ孔へ、コネクタ3250までの表面をたどることによって測定される。別の最小隙間間隔は、(先端部3120が把手3110に取り付けられていないとき)凹部への入り口にあるユーザの手または指からコネクタ3250までの空間距離である。
【0301】
電極3100の先端部3120内にも最小隙間間隔を設けることができる。例えば、先端部3120内のユーザまでの最小隙間間隔4397は、ワイヤ3590からユーザ(図示するように、ユーザの手は、先端部基部3510と先端部キャップ3520との間の目視可能な継ぎ目の隣に置かれ得る)への合せ面及び/または先端部基部3510と先端部キャップ3520との間の空隙から測定することができる。
【0302】
図示のように、先端部3120内のワイヤ3590間の最小隙間間隔4396は、先端部基部3510間および先端部キャップ3520内のワイヤ3590から別のワイヤ3590までの合せ面および/または空隙をたどることによって測定される。
【0303】
特定の電極または関連する手順/処置に応じて、これらの最小隙間間隔のいずれも、例えばセンチメートルで、0.85、1.0、1.27、2.5、3.2、3.8、4.4、5.1、6.4、7.6、10.2、12.7、もしくはそれより大(すなわちインチで、0.33、0.39、0.5、1、1.25、1.5、1.75、2、2.5、3、4、5、またはそれより大)に等しいか、またはこれらよりも大きくすることができる。
【0304】
図44Aおよび
図44Bは、代替の把手3110Aの実施形態を示す。いくつかの実施形態では、代替把手3110Aは、把手3110の特徴と類似または同一の特徴を有し、上に述べたように、把手3110の代わりに電極3100に使用されてもよい。代替把手3110Aは、代替把手基部3210Aと代替把手キャップ3240Aとを含む。代替把手基部3210Aは、把手基部3210の特徴と類似または同一の特徴を有する。代替把手キャップ3240Aは、把手キャップ3240の特徴と類似または同一の特徴を有する。
【0305】
いくつかの実施形態では、ケーブル3150は、絶縁体によって囲まれた中心ワイヤと絶縁体を取り囲んでいるシールド導線とを有する同軸ケーブルである。外側の絶縁シースはまた、シールド導線を取り囲む。そのような実施形態では、同軸ケーブル3150からワイヤ3260を分裂させることは、同軸ケーブル3150の端部から外側絶縁シースを除去し、それによって端部に沿ってシールド導線を露出させることを含み得る。加えて、シールド導線の短い部分が露出したままであり、中心ワイヤを取り囲む絶縁体が端部の残りに沿って露出するように、シールド導線の一部もまた除去される。結果として、修正された端部は、露出されたシールド導線の短い部分から延在する比較的長い部分の絶縁された中心ワイヤを含む。したがって、絶縁された中心ワイヤのコネクタ3250と露出シールド導線との間の隔離表面経路が、絶縁された中心ワイヤの絶縁材に沿って設けられる。したがって、絶縁された中心ワイヤの比較的長い部分は、少なくとも最小隙間間隔を提供するようにサイズ設定および構成されている。いくつかの実施形態では、最小隙間間隔は、センチメートルで、0.85、1.0、1.27、2.5、3.2、3.8、4.4、5.1、6.4、7.6、10.2、12.7、もしくはそれより大(すなわちインチで、0.33、0.39、0.5、1、1.25、1.5、1.75、2、2.5、3、4、5、またはそれより大)に等しいか、またはこれらよりも大きい。
【0306】
図示の実施形態では、絶縁された中心ワイヤ3260Aは、露出されたシールド導線3260Bから絶縁された中心ワイヤのコネクタ3250まで回路的に配線されている。本特徴は、代替の把手基部3210Aを所望の最小表面漏洩経路の長さよりも短くした状態で、コネクタ3250間の表面漏洩経路に沿った所望の最小隙間間隔が達成されることを可能にする。
【0307】
いくつかの実施形態では、シールド導線3260Bと、それによってケーブル3150が把手3110Aに入る把手3110Aの穴との間の距離は、最小隙間間隔よりも大きい。いくつかの実施形態では、最小隙間間隔は、センチメートルで、0.85、1.0、1.27、2.5、3.2、3.8、4.4、5.1、6.4、7.6、10.2、12.7、もしくはそれより大(すなわちインチで、0.33、0.39、0.5、1、1.25、1.5、1.75、2、2.5、3、4、5、またはそれより大)に等しいか、またはこれらよりも大きい。いくつかの実施形態では、把手は、最小隙間間隔より短くてもよく、これは、例えば、
図44Aに示す絶縁中心ワイヤ3260Aのルーティングと同様に、穴とシールド導線3260Bとの間のケーブルの遠回りルーティングによって達成される。
【0308】
図45は、代替の把手3110Bの実施形態を示す。いくつかの実施形態では、代替把手3110Bは、把手3110の特徴と類似または同一の特徴を有し、上に述べたように、把手3110の代わりに電極3100に使用されてもよい。代替把手3110Bは、代替把手基部3210Bと代替把手キャップ3240Bとを含む。代替把手基部3210Bは、把手基部3210の特徴と類似または同一の特徴を有する。代替把手キャップ3240Bは、把手キャップ3240の特徴と類似または同一の特徴を有する。
【0309】
図示するように、代替把手基部3210Bおよび代替把手キャップ3240Bは、先端部3120が代替把手3110Bと接続されるときにコネクタ3250が代替把手キャップ3240Bを介して接続端子3160にアクセス可能であるように、コネクタ3250、ワイヤ3260、およびケーブル3150の一部を収容する。
【0310】
代替の把手基部3210Bはまた、抵抗器4510を含み、これは導線4520によってコネクタ3250と接続され、したがって電極が取り付けられる負荷と電気的に並列である。抵抗器4510は、有利なことには、代替把手3110Bと共に使用されるパルス発生器が受ける抵抗負荷が所定の最大値よりも小さいことを保証する。例えば、所望の最大抵抗が200オームである場合、抵抗器4510は200オームであり得る。別の実施形態では、抵抗器4510は、50オーム、75オーム、100オーム、500オーム、1000オーム、または他の値であり得る。
【0311】
いくつかの実施形態において、抵抗器の値は、電極の種類または属性に対応させることができる。例えば、いくつかのシステムの実施形態において、100オームから1000オームの間の値を有する抵抗器が電気的に適切であり得る。そのようなシステムでは、約100オームの値を有する抵抗器は第1の種類の電極を示すことができ、約200オームの値を有する抵抗器は第2の種類の電極を示すことができる。いくつかの実施形態では、抵抗器の値はコントローラによって検知されてもよく、電極を使用して与えられるnsPEFパルスパラメータは、検知された抵抗値に従って決定されてもよい。いくつかの実施形態では、種類または属性は、治療用端子間の距離、治療用端子の数、治療用端子の種類、または他の特性に関連し得る。
【0312】
いくつかの実施形態では、負荷と電気的に直列になるように直列抵抗器(図示せず)を配置することができる。抵抗器は、例えば、ワイヤとコネクタとの間に配置されてもよく、または電極が抵抗器を介して負荷に、もしくは負荷から電流を伝導するように構成されるようにワイヤに接合されてもよい。いくつかの実施形態では、抵抗器は他の所に配置される。
【0313】
直列抵抗は最小インピーダンスを保証し、例えば、電極によって与えられるnsPEFパルスの形状を改善するのに有益であり得る。いくつかの実施形態では、直列抵抗は、約50オーム、約75オーム、約100オーム、約200オーム、約500オーム、約1000オーム、または他の値であり得る。
【0314】
図46は、コネクタ4600の図である。コネクタ4600は、例えば、電極102をハウジング105に接続するためにnsPEFシステム100において使用され得る。嵌合したときに、コネクタ4600は、電極102をnsPEFパルス発生器などのハウジング105の内部の電子部品と電気的に接続する。コネクタ4600は、上述のコネクタ2700やコネクタ2900などの、本明細書で説明した他のコネクタの特徴と類似または同一の特徴を含む。
【0315】
図示するように、コネクタ4600は、ワイヤ4620を介してケーブル4630を接続端子4610に電気的に接続する。コネクタ4600はまた、導線4640によって接続端子4610と接続されている抵抗器4650を含む。抵抗器4650は、接続されたnsPEFパルス発生器の受ける抵抗負荷が所定の最大値よりも小さいことを有利に保証する。例えば、所望の最大抵抗が200オームである場合、抵抗器4650は200オームであり得る。別の実施形態では、抵抗器4650は、50オーム、75オーム、100オーム、500オーム、1000オーム、または他の値であり得る。
【0316】
いくつかの実施形態において、抵抗器4650は、コントローラとインタフェースをとるように構成された回路を含む。例えば、コントローラが識別情報を回路から受け取ったことを受けて、コントローラは、コネクタ4600、またはコネクタ4600に接続された電極を識別することができる。いくつかの実施形態では、この回路は、コネクタ4600を介して送り出されるnsPEFパルスの数を計数して記憶するように構成されてもよい。
【0317】
アポトーシスを刺激するのに十分な腫瘍にnsPEFを適用することは、少なくとも実験的に見出される電気的特徴を含み得る。例えば、500〜2000パルスの間に1〜7パルス/秒(pps)で30kV/cm(キロボルト/センチメートル)までの20nsの上昇時間を伴う100nsの長さのパルスは、腫瘍の種類に応じて、アポトーシスを刺激するのに十分であることがわかった。少なくとも20kV/cmのパルス電場が有効であることが示されている。50パルスを超える数のパルスも有効であることが示されている。電極の種類および皮膚抵抗に応じて、12A〜60Aの電流値が得られた。
【0318】
本明細書に記載のパルス発生器の実施形態は多くの用途を有する。例えば、被験者の血流を通して転移した癌は、nsPEFの免疫刺激特性を用いて治療することができる。処置のために、循環腫瘍細胞(CTC)を血流から単離し、バイアル、試験管、または他の適切なインビトロ環境中に集める。ある場合には、収集され、蓄積された腫瘍細胞がわずか(例えば、5、10)しかない場合がある。この腫瘤を通して、細胞を処理するためにnsPEF電場が印加される。これは、カルレティキュリンまたは1つもしくは複数の他の損傷関連分子パターン(DAMP)を腫瘍細胞の表面膜上に発現させ得る。腫瘍細胞は、注射、注入、またはその他の方法で対象の血流に戻されることがある。
【0319】
別の実施形態では、単一のCTCを血流から単離し、各腫瘍細胞を個別に治療することもできる。ビオチン類似体を担持するポリマー層でコーティングされ、CTCを捕捉するための抗体とコンジュゲートされた鉄ナノ粒子を使用して全血中のCTCを捕捉する自動システムは、腫瘍細胞を自動的に捕捉し得、磁石および/または遠心分離機がそれらを分離し得る。抗体から分離した後、CTCは小さな毛細管を通してnsPEFで治療し、その後患者の血流に再導入することができる。
【0320】
本出願における例は、ヒトおよびマウスの被験体を論じているが、他の動物の治療も考えられる。ウマやウシなどの農業用動物、またはウマなどのレース用動物を治療することができる。猫や犬などのコンパニオンアニマルは、本明細書に記載の治療と共に特別な用途を見出すことができる。獣医師が小さな動物から多くの腫瘍を除去するのは難しい場合があり、動物は自身の進行する痛みを伝えることができないので、がんは比較的遅く捕らえられる可能性がある。さらに、治療済みの腫瘍細胞ではあるが、腫瘍細胞の再注入に内在するリスクは、大切なペットの転移がんを潜在的に停止させる潜在的な利点に値し得る。
【0321】
本開示の装置および方法は、悪性、良性、軟部組織、または固形として特徴付けられるかにかかわらず、あらゆるタイプのがん、ならびに前転移がんおよび後転移がんを含む全ての段階およびグレードのがんの治療に使用することができる。異なる種類のがんの例としては、胃癌(gastric cancer)(例えば胃癌(stomach cancer))、大腸癌、消化管間質腫瘍、消化管カルチノイド腫瘍、結腸癌、直腸癌、肛門癌、胆管癌、小腸癌、および食道癌などの消化器癌および胃腸癌;乳癌;肺癌;胆嚢癌;肝臓癌;膵癌;虫垂癌;前立腺癌;卵巣癌;腎臓癌(例えば、腎細胞癌);中枢神経系の癌;皮膚癌(例えば黒色腫);リンパ腫;神経膠腫;絨毛癌;頭頸部癌;骨原性肉腫;および血液癌が挙げられるが、これらに限定されない。本開示の装置および方法は、ほんの数例を挙げると、心疾患、皮膚状態を含むがこれらに限定されない様々な疾患および異常の治療にも使用することができる。
【0322】
nsPEF治療の電気的特性は、腫瘍のサイズおよび/または種類に基づいて調節することができる。腫瘍の種類は、上記のがん性腫瘍などの、身体の異なる領域の腫瘍を含み得る。
【0323】
本明細書に記載されている様々な実施形態は例示にすぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。例えば、本明細書に記載された材料および構造の多くは、本発明の趣旨から逸脱することなく他の材料および構造と置き換えられてもよい。また、特定の実施形態を参照して説明した様々な特徴を他の実施形態に組み込んで使用することができる。したがって、特許請求の範囲に記載の本発明は、当業者には明らかなように、本明細書に記載の特定の例および好ましい実施形態からの変形を含むことができる。どのような理由で本発明が機能するかについての様々な理論は限定的であることを意図していないことが理解される。
【0324】
上記の説明は例示的なものであり、限定的なものではない。本開示を検討すれば、当業者には本発明の多くの変形が明らかとなるであろう。したがって、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、その代わりに、その全範囲または均等物と共に、特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
【0325】
前述のように、本明細書内または図面内で本明細書に提供されているすべての測定値、寸法、および材料は例示にすぎない。
【0326】
「a」、「an」、または「the」の記述は、そうではないと具体的に示されない限り、「1つまたは複数」を意味することを意図している。「第1の」構成要素への言及は、必ずしも第2の構成要素が提供されることを必要としない。さらに、「第1の」または「第2の」構成要素への言及は、明示的に述べられていない限り、言及された構成要素を特定の場所に限定しない。
【0327】
本明細書で言及された全ての刊行物は、それらの刊行物が引用されることに関連して方法および/または材料を開示および説明するために参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で論じられている刊行物は、本出願の出願日より前のそれらの開示のためだけに提供されている。本明細書中のいかなるものも、本発明が先行発明のためにそのような刊行物に先行する権利がないことの承認として解釈されるべきではない。さらに、提供されている出版日は実際の出版日とは異なる可能性があり、それは独立して確認する必要がある場合がある。