(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るカテーテル組立体について好適な実施形態(第1及び第2実施形態)を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
本発明に係るカテーテル組立体は、患者に輸液や輸血等を行う際に、患者側に液体導入部を構築するために適用される。特に、本カテーテル組立体は、患者の静脈に穿刺及び留置される静脈用カテーテルの機能を有する。また、カテーテル組立体は、末梢静脈カテーテルよりも長さが長いカテーテル(例えば、中心静脈カテーテル、PICC、ミッドラインカテーテル等)として構成され得る。なお、カテーテル組立体は、末梢静脈カテーテルとして構成されてもよい。あるいは、カテーテル組立体は、静脈用カテーテルに限らず、末梢動脈カテーテル等の動脈用カテーテルとして構成されてもよい。
【0013】
〔第1実施形態〕
第1実施形態に係るカテーテル組立体10は、
図1及び
図2に示すように、カテーテル12、カテーテルハブ14、カテーテル操作部材16、内針18、ガイドワイヤ20、ガイドワイヤ操作部材22及びハウジング24を備える。カテーテル組立体10は、これらの部材が組み立てられて、液体導入部を構築可能な初期状態(製品提供状態)に構成される。
【0014】
カテーテル組立体10は、
図1に示すように初期状態において、カテーテル12、内針18及びガイドワイヤ20を外側から順に重ねることにより多重管構造(多重管部26)を形成している。そして、ハウジング24が、多重管部26の一部、カテーテルハブ14、カテーテル操作部材16及びガイドワイヤ操作部材22を適宜組み付けた状態で収容している。
【0015】
医師や看護師等のユーザは、カテーテル組立体10の使用時に、ハウジング24を把持し、多重管部26の先端を患者の血管内に穿刺する。この穿刺状態を維持したまま、ユーザは、ガイドワイヤ操作部材22を進出操作してガイドワイヤ20を内針18から露出する。さらに、ユーザは、カテーテル操作部材16をハウジング24に対し相対的に進出させることで、カテーテル12を内針18よりも先端側(血管の奥部)に進出させていく。
【0016】
そして、
図3に示すように、カテーテル12のハウジング24に対する相対的な進出又はカテーテル12に対するハウジング24の相対的な後退に伴い、ハウジング24は、上下に分離してカテーテルハブ14及びカテーテル操作部材16を取り出し可能とする。さらにカテーテル12の進出又はハウジング24の後退を続けると、
図4に示すように、カテーテル12、カテーテルハブ14及びカテーテル操作部材16が内針18から離脱する。離脱後、カテーテルハブ14からカテーテル操作部材16が取り外され、図示しない輸液チューブのコネクタがカテーテルハブ14に接続されることで液体導入部が構築される。以下、このカテーテル組立体10について、具体的に説明していく。
【0017】
図2に示すように、カテーテル組立体10のカテーテル12は、内腔12aを有する中空管に構成されている。内腔12aは、内針18を収容可能な内径に設定されている。カテーテル12の長さは、特に限定されず用途や諸条件等に応じて適宜設計可能であり、例えば、14〜500mm程度に設定され、あるいは30〜400mm程度に設定され、あるいは76〜200mm程度に設定される。
【0018】
カテーテル12は、血管内に円滑に挿入されるように、適度な可撓性及び剛性を有するように構成されるとよい。カテーテル12の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂又はこれらの混合物、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルナイロン樹脂、オレフィン系樹脂とエチレン・酢酸ビニル共重合体との混合物等があげられる。
【0019】
カテーテル12の基端部は、適宜の固着方法(かしめ、融着、接着等)によってカテーテルハブ14内の先端部に固着される。カテーテルハブ14は、カテーテル12が血管内に挿入された状態で患者の皮膚上に露出され、テープ等により貼り付けられてカテーテル12と共に留置される。
【0020】
カテーテルハブ14は、カテーテル12よりも硬質で、先端方向に先細りの筒状に形成される。カテーテルハブ14の内部には、カテーテル12の内腔12aに連通して輸液や血液を流通可能な中空部14aが設けられている。この中空部14aには、多重管部26の穿刺時に血液の逆流を防ぐと共に、輸液チューブのコネクタの挿入に伴い送液を可能とする、図示しない止血弁やプラグ等が収容されてもよい。
【0021】
カテーテルハブ14の構成材料も、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリアリレート、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂を適用するとよい。カテーテルハブ14の基端側には、初期状態で、カテーテル操作部材16(カテーテル操作部)が接続される。
【0022】
カテーテル操作部材16は、カテーテルハブ14の基端部に着脱自在に装着される。カテーテル操作部材16は、リング状に形成された基部28と、この基部28から径方向外側に突出する一対の操作片30とを有する。
【0023】
基部28は、カテーテルハブ14の基端部に略一致する外径を有し、その先端面には図示しない接続手段が設けられている。接続手段は、特に限定されないが、例えば、中空部14aに挿入されてカテーテルハブ14の内面に嵌合される突部により構成され得る。
【0024】
また、一対の操作片30は、基部28の外周面上の180°離間した位置で互いに反対方向に突出している。各操作片30は、初期状態で、ハウジング24の側部を貫通して径方向外側に突き出ている。ユーザは、この操作片30を操作することで、カテーテル12及びカテーテルハブ14をハウジング24の軸方向に沿って進退させることができる。
【0025】
一方、カテーテル組立体10の内針18は、生体の皮膚を穿刺可能な剛性を有する中空管に構成され、初期状態で、カテーテル12の内腔12a及びカテーテルハブ14の中空部14aに貫通配置される。内針18は、適宜の固着方法(融着、接着、インサート成形等)により、ハウジング24に強固に固着される。内針18の先端には鋭利な針先19が設けられ、この針先19は、初期状態でカテーテル12から露出する。
【0026】
内針18の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム又はアルミニウム合金、チタン又はチタン合金のような金属材料、硬質樹脂、セラミックス等があげられる。内針18の内部には、ガイドワイヤ20を摺動自在に配置する貫通孔18aが設けられている。なお、内針18の外周面には、軸方向に沿って切り欠き溝(図示せず)が設けられてもよい。
【0027】
ガイドワイヤ20は、血管に対するカテーテル12の挿入を円滑化するために設けられる。ガイドワイヤ20は、適度な剛性及び可撓性を有するように構成され、その基端部がガイドワイヤ操作部材22に固着されている。ガイドワイヤ20は、固着部から直線状に延在して内針18の貫通孔18aの基端側から挿入され、初期状態で、その先端部が針先19の基端側に配置される。
【0028】
ガイドワイヤ操作部材22(ガイドワイヤ操作部)は、ユーザの操作下にガイドワイヤ20を進退させる。このガイドワイヤ操作部材22は、ハウジング24の内部においてガイドワイヤ20を保持する保持ブロック32と、保持ブロック32から先端方向に延びてハウジング24の外部に出る延在部34と、延在部34の先端に連結された操作板部36とを有する。
【0029】
保持ブロック32は、初期状態で、ハウジング24内の基端に接触又は近接する位置に配置される。延在部34は、保持ブロック32の上部から先端方向斜め上方に一旦延び、所定の高さ位置で折れ曲がって、ハウジング24の先端方向に直線状に延びている。これにより、ガイドワイヤ操作部材22が、カテーテルハブ14及び後述のストッパ部材60に接触することが回避される。
【0030】
操作板部36は、平板状に形成され、ハウジング24外部の先端側上部に露出される。操作板部36の幅方向両側の下部には、幅方向外側に突出する一対の側辺突部36aが設けられ、この側辺突部36aは、ハウジング24の内側に設けられた一対の案内突条部53a上に配置される(
図1参照)。これにより操作板部36は、ハウジング24の軸方向に沿ってスライドが案内される。なお、カテーテル組立体10は、ガイドワイヤ20及びガイドワイヤ操作部材22を備えない構成としてもよい。この場合、内針18に中実針を適用してもよい。
【0031】
カテーテル組立体10のハウジング24は、全体的に細長い筒状に形成され、上述の部材の一部又は全部を収容する内部空間24aを有する。また、ハウジング24は、初期状態において一体的(未分離)に構成される一方で、カテーテル12の血管への挿入中に上下に分離して、カテーテルハブ14及びカテーテル操作部材16の抜けを許容する。このため
図2に示すように、ハウジング24は、下部ハウジング40(第1部)、上部ハウジング50(第2部)及びストッパ部材60(拘束部材)を組み付けて形成される。
【0032】
下部ハウジング40は、側面断面半円状で長手方向に長尺な舟形状を呈し、その内側部分が内部空間24aの下側略半分を形成している。具体的には、下部ハウジング40は、断面半円状で長手方向に延びる下壁41と、基端において内部空間24aを閉じる下側基端壁42とを有する。また、下部ハウジング40の先端側には、下壁41が先端方向に向かって斜め上方に傾斜すると共に両幅が徐々に内側に狭まる首部43と、首部43から先端方向に突出する頭部44とが設けられている。
【0033】
首部43の内部空間24aを構成する内面は、先端方向に向かって滑らかに先細りになるように形成されている。首部43の幅方向両側には、下壁41の外周面に滑らかに連なりつつ幅方向外側に所定の厚みで突出する側辺部43aが形成されている。この側辺部43aは、頭部44の第1突部46に連なっている。
【0034】
一方、頭部44は、上下方向に薄い角柱状に形成され、先端方向に所定長さ延びている。頭部44の上面には、カテーテル12の外径よりも若干大きな曲率半径を有する円弧状の下側凹溝45(第1凹溝:
図5B参照)が設けられている。下側凹溝45は、下壁41の内側が下部ハウジング40の先端側で充分に薄くなった位置から頭部44の最先端にわたって直線状に形成されている。
【0035】
頭部44の両側部には、規制機構部38(
図1参照)の一部である第1突部46、第1切り欠き部47、第2突部48、第2切り欠き部49が基端側から先端側に向かって順に設けられている。各部は、ハウジング24の軸心を挟んで互いに対称形状に形成されている。
【0036】
第1突部46は、頭部44の基端側で幅方向外側に若干突出すると共に、側辺部43aに連なっている。第2突部48は、幅方向内側に凹む第1及び第2切り欠き部47、49に挟まれることで独立的に突き出ている。第1突部46と第2突部48の突出量は同程度である。第1及び第2突部46、48は、後述するストッパ部材60の係合爪66が引っ掛かる部位を構成し、第1及び第2切り欠き部47、49は、係合爪66が引っ掛からない(抜ける)部位を構成している。
【0037】
また、下部ハウジング40は、軸方向中間部から先端側にわたって下壁41の幅方向両側の上部が、該下壁41の基端側の上部よりも低く形成されている。このため
図1に示す初期状態で、ハウジング24の側部には、カテーテル操作部材16の操作片30が貫通する一対のスリット24bが形成される。
【0038】
さらに、下壁41の軸方向中間部よりも多少基端寄りの位置には、
図2に示すように、ブロック状の針保持部41aが設けられている。針保持部41aは、下壁41の内面から上方に向かって突出し、その上側部分において内針18の基端部を固着保持している。針保持部41aの基端面には、内針18の貫通孔18aに連通可能な開口部(図示せず)が設けられている。
【0039】
上部ハウジング50は、下部ハウジング40の軸方向長さに一致するように形成され、初期状態で下部ハウジング40と共に円筒状の外観を構成する。この上部ハウジング50は、下部ハウジング40の首部43及び頭部44に対向する先端構造部51と、先端構造部51に連結し下部ハウジング40の首部43よりも基端側の部分に対向する収容部52とで構成されている。
【0040】
先端構造部51は、初期状態で、ストッパ部材60により下部ハウジング40と閉状態を形成し、頭部44との間で多重管部26を挟み込む機能を有している。この先端構造部51は、ガイドワイヤ操作部材22をスライド自在に載置する一対のアーム部53と、一対のアーム部53の内側を軸方向に沿って延びる案内部54とを備えている。
【0041】
一対のアーム部53は、基端側の収容部52の両側部に連結して、互いに同じ幅を維持して先端方向に延びている。一対のアーム部53の内側には、ガイドワイヤ操作部材22の操作板部36を支持する案内突条部53aが突出形成されている。この案内突条部53aは、案内部54よりも上方の位置で、アーム部53の軸方向に沿って直線状に延びている。
【0042】
案内部54は、上部ハウジング50においてストッパ部材60をスライド可能に支持する部分であり、規制機構部38の一部を構成する。この案内部54は、収容部52の先端壁52a及び一対のアーム部53の基端部の内面から斜め内側に向かう一対の湾曲支持部55と、一対の湾曲支持部55が合流した部分から先端方向に延びる直線支持部56とを含む。
【0043】
一対の湾曲支持部55と収容部52の先端壁52aの内側には、平面視で3角形状を呈し軸方向に長い空洞が形成され、この空洞には、ストッパ部材60の押出用突起64(
図5A参照)が挿入される。一方、直線支持部56は、幅方向に広く上下方向に薄いブロック状に形成され、下部ハウジング40の頭部44に対向する。直線支持部56の下面には、カテーテル12の外径よりも若干大きな曲率半径を有する円弧状の上側凹溝57(第1凹溝)が設けられている。上側凹溝57は、直線支持部56の下面全長を軸方向に沿って直線状に形成されている。また、直線支持部56の先端部には、案内部54からのストッパ部材60の抜けを規制する離脱防止突起56a(離脱防止部)が形成されている。
【0044】
収容部52は、下部ハウジング40の下壁41と同様に、断面半円状を呈して軸方向に延びる上壁58と、基端側で内部空間24aを閉じる上側基端壁59とを有する。また、収容部52の先端側は、内部空間24aを部分的に閉じる先端壁52aを有しており、この先端壁52aには、ガイドワイヤ操作部材22の延在部34を通す挿通孔52bが設けられている。
【0045】
下部ハウジング40と上部ハウジング50は、それぞれの基端壁(下側基端壁42、上側基端壁59)がヒンジ手段39により連結されることで、ヒンジ手段39を基点にハウジング24を上下に分離自在としている。ヒンジ手段39は、特に限定されるものではなく、例えば蝶番構造により下部ハウジング40と上部ハウジング50を連結してもよく、下側基端壁42の上端と上側基端壁59の下端を連ねるように下部ハウジング40と上部ハウジング50を一体成形してもよい。
【0046】
ストッパ部材60は、初期状態で、上部ハウジング50の案内部54の初期位置(基端位置)に配置されることで、下部ハウジング40の頭部44と上部ハウジング50の直線支持部56とを閉じて、ハウジング24の分離を規制する規制機構部38の一部を構成する。このストッパ部材60は、カテーテルハブ14の進出に伴い先端方向に押し出されて解除位置(先端位置)に移動することで、頭部44と直線支持部56の分離を許容する。そのため、ストッパ部材60は、
図5Aに示すように、装着状態で案内部54に置かれる上板61と、上板61から下方向に突出して案内部54と共に頭部44を抱えるホールド部62とを有する。すなわち、ストッパ部材60は、正面視(
図5Bも参照)で、凹状に形成され、その内側には、下側の隙間63aに連通するホールド空間63が設けられている。
【0047】
上板61は、直線支持部56の軸方向に長尺且つ幅方向に短尺な長方形状に形成されている。上板61の下面は、平滑に形成されており、案内部54の上面に載置される。上板61の基端部には、押出用突起64が下方に向かって突出形成されている。押出用突起64は、カテーテルハブ14の先端部に対向配置されることで、カテーテル12の進出に伴いカテーテルハブ14の先端部が接触して押し出される。また、押出用突起64の下端には、初期状態でカテーテル12が挿通され、下方に開口する挿通凹部64aが設けられている。
【0048】
ホールド部62は、上板61の幅方向両側部から下方に突出する一対の側板65と、一対の側板65の下端から幅方向内側に突出する一対の係合爪66とを有し、上板61と共にホールド空間63を囲っている。
図5Bに示すように、一対の側板65は、互いに直線支持部56の幅に一致する幅で離間し、直線支持部56及び頭部44の厚みに一致する長さで突出している。
【0049】
図5Aに示すように、一対の係合爪66は、側板65の基端側に設けられた第1凸部67と、側板65の先端部に設けられた第2凸部68とで構成され、隙間63aを挟んで互いに対称に形成されている。第1凸部67は、下部ハウジング40の第1切り欠き部47を抜けることが可能な形状となっており、第2凸部68は、第2切り欠き部49を抜けることが可能な形状となっている。また、第1凸部67と第2凸部68の間に存在する凹部69は、下部ハウジング40の第2突部48が抜ける形状となっている。
【0050】
以上のように、カテーテル組立体10の規制機構部38は、下部ハウジング40の頭部44(首部43の先端寄りを含む)、上部ハウジング50の案内部54及びストッパ部材60により構成される。この規制機構部38を組み立てる場合は、まずストッパ部材60を上部ハウジング50の案内部54に先に装着する。この装着時には、ストッパ部材60のホールド空間63に余裕があるので、案内部54の離脱防止突起56aやストッパ部材60の押出用突起64等の干渉が抑制されて容易に装着することができる。そして、押出用突起64を案内部54の空洞部に配置して、案内部54に支持されたストッパ部材60を、解除位置に位置させて、下側の隙間63aを通して、下部ハウジング40の頭部44をホールド空間63に入れて上部ハウジング50の案内部54に重ね合わせる。
【0051】
さらに、ストッパ部材60を後退して初期位置に配置することで、
図5B及び
図6に示すように、ホールド空間63において下部ハウジング40の頭部44(又は首部43)と上部ハウジング50の案内部54が互いに未分離となる閉状態が形成される。この閉状態では、第1凸部67が下部ハウジング40の第1突部46(又は側辺部43aを含む)を引っ掛けると共に、第2凸部68が第2突部48を引っ掛けることで、上部ハウジング50に対する下部ハウジング40の分離を規制する。そして、ハウジング24の先端部は、閉状態で、下側凹溝45と上側凹溝57により多重管部26(カテーテル12)を摺動自在に挟む孔を形成する。これにより、ハウジング24の先端側は、軸方向の所定範囲にわたって多重管部26を押さえることが可能となる。
【0052】
本実施形態に係るカテーテル組立体10は、基本的には以上のように構成され、以下その作用効果について説明する。
【0053】
カテーテル組立体10の使用において、ユーザは、ハウジング24を把持操作して多重管部26を患者に穿刺する。カテーテル組立体10は、
図6に示す初期状態で、初期位置に配置されたストッパ部材60が下部ハウジング40(頭部44)と上部ハウジング50(案内部54)を閉状態としてホールドしている。
【0054】
このため、下部ハウジング40及び上部ハウジング50は、多重管部26を適度にくわえた状態とし、多重管部26が穿刺に伴う反力を受けてもハウジング24内での撓みを防止する。つまり多重管部26は、ハウジング24の先端からの延出状態が良好に維持され、ユーザは、多重管部26を患者に違和感なく穿刺することができる。またこのような構成により、カテーテル組立体10は、内針18の強度を弱めて一層細く形成することも可能となり、患者の負担を軽減することができる。
【0055】
多重管部26の穿刺状態において、ユーザは、ガイドワイヤ操作部材22の操作板部36を進出操作し、ガイドワイヤ20を内針18の針先19から送出して血管内に進出させる。ガイドワイヤ操作部材22は、延在部34がカテーテルハブ14等に非接触となっていることから、ユーザの操作力をガイドワイヤ20に容易に伝達して、ガイドワイヤ20をスムーズに進出させることができる。
【0056】
その後、ユーザは、カテーテル12を内針18と相対的に進出させ、該カテーテル12を血管内に挿入する操作を行う。この際、ユーザは、カテーテル操作部材16の一対の操作片30に指を当てて、ハウジング24と相対的に操作片30を先端方向にスライドさせる。これにより、カテーテル12及びカテーテルハブ14も一体的に進出し、カテーテル12は先行するガイドワイヤ20に沿って血管内に良好に案内される。
【0057】
ハウジング24の規制機構部38は、このカテーテル12の進出中においても、下部ハウジング40と上部ハウジング50の分離を一定期間規制する。このため、カテーテル12は、進出に伴い患者の皮膚等から反力を受けても、その周囲を支える下部ハウジング40と上部ハウジング50により撓みが抑えられる。従って例えば、内針18の針先19が撓みにより後退して皮膚から抜けることがなくなり、内針18を皮膚に再び穿刺する等の不都合が回避される。
【0058】
そして、カテーテル操作部材16の進出操作時に、カテーテルハブ14の先端がストッパ部材60の押出用突起64に接触することで、ストッパ部材60を先端方向に押し出す。ストッパ部材60は、下部ハウジング40の頭部44と上部ハウジング50の案内部54に沿って先端方向に移動する。その後、解除位置に配置されると、
図7に示すように、ストッパ部材60の係合爪66(第1及び第2凸部67、68)と、下部ハウジング40の第1及び第2切り欠き部47、49が重なり、下部ハウジング40がストッパ部材60の隙間63aから抜け出ることが可能となる。つまり、分離の規制が解除され、上部ハウジング50を下部ハウジング40から離間するように操作することで、ハウジング24が先端から分離する。
【0059】
この際、カテーテル12、カテーテルハブ14及びカテーテル操作部材16も、ストッパ部材60の隙間63aを介して、上部ハウジング50及びストッパ部材60から下部ハウジング40側に寄る。特に、カテーテル12は、押出用突起64の挿通凹部64aに非保持で配置されているため、下部ハウジング40側にスムーズに追従する。このため、カテーテル12、カテーテルハブ14及びカテーテル操作部材16は、分離した下部ハウジング40と上部ハウジング50の間から先端方向に向かって取り出し可能となる。一方、ストッパ部材60は、案内部54の離脱防止突起56aに先端面が接触する(又は押出用突起64が直線支持部56の基端部に接触する)ことで、ハウジング24からの抜けが防止される。
【0060】
ハウジング24からカテーテル操作部材16が抜け出た後は、カテーテル操作部材16から内針18を引き抜くことで、内針18及びハウジング24と、カテーテル12及びカテーテルハブ14とを分離させる。その後、ユーザは、カテーテル操作部材16をカテーテルハブ14から離脱する。これによりカテーテル12及びカテーテルハブ14が患者に良好に留置される。一方、内針18及びハウジング24は使用後に廃棄される。なお、使用後の内針18の誤刺を防止するため、カテーテル組立体10は、カテーテル12及びカテーテルハブ14の離脱後に、内針18の針先19を覆うプロテクタを有することが好ましい。例えば、カテーテル操作部材16がプロテクタを担ってもよい。
【0061】
以上のように、第1実施形態に係るカテーテル組立体10は、規制機構部38を有することで、カテーテル12の進出時に、カテーテルハブ14がハウジング24に対して所定距離進出するまでの間、下部ハウジング40と上部ハウジング50の分離を規制する。このため、閉状態の下部ハウジング40と上部ハウジング50によってカテーテル12を良好に保持することができる。従って、ユーザは、カテーテル12の進出操作において、カテーテル12及び内針18の撓みを可及的に抑制して、カテーテル12を血管に良好に進入させることができる。
【0062】
この場合、規制機構部38は、ホールド部62を有するストッパ部材60により閉状態を一層確実に維持することができる。また、カテーテルハブ14がストッパ部材60を押し出すことにより、下部ハウジング40と上部ハウジング50が簡単に分離可能となり、カテーテル12及びカテーテルハブ14をハウジング24から容易に取り出すことができる。また、カテーテル組立体10は、離脱防止突起56aによりストッパ部材60の離脱を防止することで、ストッパ部材60を不用意に落とすことがなくなるので、取扱が容易になる。さらに、ストッパ部材60とガイドワイヤ操作部材22が互いに非接触に設けられることで、ユーザは、ガイドワイヤ操作部材22によるガイドワイヤ20の進退操作時に、ストッパ部材60を動かすことがなくなり、ハウジング24の分離を防止することができる。
【0063】
なお、本発明に係るカテーテル組立体10は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形例をとり得る。例えば、ストッパ部材60は、上部ハウジング50に設けられるだけでなく、下部ハウジング40に案内部54を形成してこの案内部54にストッパ部材60を装着し、上部ハウジング50をホールドする構成でもよい。また、ストッパ部材60の係合爪66(ホールド部62)及び下部ハウジング40の頭部44の形状は、特に限定されるものではなく、相互の係合及び係合解除を切り換え得る種々の形状を採用することができる。さらに、ハウジング24(下部ハウジング40と上部ハウジング50)は、カテーテル12やカテーテルハブ14を完全に覆わずに、一部を露出させていてもよい。またさらに、ハウジング24は、上下半々に分離するだけでなく、ハウジング24の一部分(第1部)が他の部分(第2部)から分離する様々な構造をとり得る。
【0064】
〔第2実施形態〕
次に第2実施形態に係るカテーテル組立体10Aについて、
図8〜
図10を参照して説明する。なお、以降の説明において、第1実施形態に係るカテーテル組立体10と同一の構成又は同様の機能を有する構成には、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。第2実施形態に係るカテーテル組立体10Aは、ストッパ部材60を備えず、初期状態でカテーテル操作部材70(拘束部材)により、ハウジング24Aの下部ハウジング80と上部ハウジング90の分離を規制している点で、カテーテル組立体10と異なる。
【0065】
具体的に、
図9A及び
図9Bに示すように、下部ハウジング80は、下壁81の幅方向両側の上部に一対の下側レール部82(第1レール部)を有する。一対の下側レール部82は、幅方向内側に短く突出して、下部ハウジング80の軸方向中間部から首部83の手前まで延びている。また、下部ハウジング80の頭部84は、第1実施形態のように第1及び第2突部46、48、第1及び第2切り欠き部47、49を備えず、その両側面が平行に延びている。頭部84の上面の幅方向両側には、上方向に突出して軸方向に延びる一対の係合凸部86が設けられている。
【0066】
一方、上部ハウジング90は、上壁91の幅方向両側の下部に一対の上側レール部92(第2レール部)を有する。一対の上側レール部92は、下側レール部82と同じく幅方向内側に短く突出して、上部ハウジング90の軸方向中間部から先端構造部93の手前まで延びている。また、先端構造部93は、一対のアーム部94と、一対のアーム部94の内側面から内側に突出しガイドワイヤ操作部材22を案内するリブ95と、リブ95に連なると共に一対のアーム部94同士を連結する連結板部96とを備えている。連結板部96の下面には、下部ハウジング80の一対の係合凸部86を挿入可能な一対の係合凹部97が設けられている。
【0067】
上記の下部ハウジング80及び上部ハウジング90は、初期状態(閉状態)で、下側レール部82と上側レール部92の間にスリット24bを形成する。このスリット24bには、カテーテル操作部材70の操作片72が通される。また閉状態では、下部ハウジング80の頭部84と上部ハウジング90の連結板部96とが互いに密着し合って、下側凹溝45と上側凹溝57とで形成される孔にカテーテル12(多重管部26)が収容される。
【0068】
一方、カテーテル操作部材70は、基部71と一対の操作片72が連結する部分に、下側レール部82及び上側レール部92を摺動自在に引っ掛ける一対の係合部73を備えている。一対の係合部73は、基部71の外周面上で互いに反対方向に膨出形成される。係合部73は、膨出端部の下側から突出する下フック74(第1フック部)と、膨出端部の上側から突出する上フック75(第2フック部)とを有し、上下方向中間部に棒状の操作片72を備える。
【0069】
下フック74と上フック75は幅方向外側に同程度突出し、且つ操作片72から同間隔離れている。下フック74は、操作片72と協働して下側レール部82を挟み込むことで、下側レール部82に対し摺動自在に引っ掛かる。上フック75は、操作片72と協働して上側レール部92を挟み込むことで、上側レール部92に対し摺動自在に引っ掛かる。
【0070】
すなわち、カテーテル操作部材70の係合部73は、下側レール部82及び上側レール部92の形成範囲において、下部ハウジング80と上部ハウジング90を閉状態とし、互いの分離を規制する。そして、カテーテル操作部材70が進出して、下フック74が下側レール部82から外れ、上フック75が上側レール部92から外れることで、下部ハウジング80と上部ハウジング90の分離の規制を解除する。
【0071】
なお、カテーテル組立体10Aは、下フック74と上フック75が同時に外れる構成、つまり下フック74と上フック75が軸方向上の同位置に設けられると共に、下側レール部82と上側レール部92の軸方向先端が同一であることが好ましい。これにより、カテーテル操作部材70の進出時には、下部ハウジング80と上部ハウジング90の分離が同時に行われる。よって分離後に、カテーテル12やカテーテルハブ14、カテーテル操作部材70が下部ハウジング80又は上部ハウジング90に一方的に寄ることが抑えられ、ハウジング24Aからカテーテル12やカテーテルハブ14を良好に離脱させることができる。
【0072】
第2実施形態に係るカテーテル組立体10Aは、基本的には以上のように構成される。このカテーテル組立体10Aは、初期状態で、規制機構部38A(係合部73、下側レール部82、上側レール部92)により、下部ハウジング80と上部ハウジング90の分離を規制した閉状態を構成している。すなわち、頭部84と上部ハウジング90の連結板部96によりカテーテル12を挟み込むことで、穿刺時におけるカテーテル12の撓みを抑制することができる。
【0073】
また、カテーテル12の進出操作時には、カテーテル操作部材70の係合部73(下フック74と上フック75)が下側及び上側レール部82、92に沿って摺動し、この摺動時も下部ハウジング80と上部ハウジング90の分離を規制する。これにより、カテーテル12が血管に充分に挿入されるまでの間、カテーテル12の撓みを抑制することができ、ユーザの操作を簡単化することができる。
【0074】
図10に示すように、カテーテル操作部材70が進出して、係合部73が下側及び上側レール部82、92から外れると、下部ハウジング80と上部ハウジング90の分離の規制が解除されてハウジング24Aが先端側から分離可能となる。これによりユーザは、カテーテル12、カテーテルハブ14及びカテーテル操作部材70を、分離した下部ハウジング80と上部ハウジング90の間から容易に取り出すことができる。
【0075】
以上のように、第2実施形態に係るカテーテル組立体10Aでも、カテーテル組立体10と同様の効果を得ることができる。また、カテーテル組立体10Aは、カテーテル操作部材70の係合部73が下部ハウジング80と上部ハウジング90をまとめて係合することにより、部材を増やすことなく、ハウジング24Aの閉状態及び閉状態の解除を簡単に切り換えることができる。さらに、係合部73が下フック74、上フック75を有し、ハウジング24Aが下側レール部82及び上側レール部92を有することにより、下部ハウジング80と上部ハウジング90の分離を確実に規制することができる。そして、カテーテル12の挿入時には、係合部73を下側及び上側レール部82、92に沿って円滑に移動させることができる。
【0076】
なお、第2実施形態に係るカテーテル組立体10Aも、上記の構成に限定されず、種々の変形例及び応用例をとり得る。例えば、係合部73は、カテーテル操作部材70に設けられるだけでなく、カテーテルハブ14に設けられていてもよい。この場合、係合部73は、カテーテルハブ14の留置時に、該カテーテルハブ14から離脱されてもよく、一緒に留置されてもよい。
【0077】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。