【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成31年4月3日に http://mp.gnss−dev.com/app/missionplan.apk に公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年6月20日に http://13.114.77.213/missionplanner/static/app/mp_high.apk に公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年6月26日に http://13.114.77.213/missionplanner/static/app/mp_lb.apk に公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年7月9日に http://13.114.77.213/missionplanner/static/app/mp2.apk に公開
【文献】
斎藤真幸,“5.誤差とPDOP”,エレクトロニクスライフ,日本放送出版協会,1990年09月01日,Number 697,Pages 155-159
【文献】
坂井丈泰,“1.2 GPS衛星”,GPSのための実用プログラミング,第1版,東京電機大学出版局,2007年01月30日,Pages 5-10
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像解析装置により実行される前記フィルタリング処理は少なくともエッジ処理であり、前記エッジ処理によって前記空の部分と遮蔽物との境界を検出し、前記空の部分を抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像解析システム。
前記画像解析装置は、前記フィルタリング処理を実行して、前記天空画像に含まれる遮蔽物の隙間を埋めた上で前記空の部分を抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像解析システム。
前記画像解析装置はさらに、前記天空画像に対する前記空の部分の割合が予め定められた第3の閾値以上であるか否かを判定し、判定結果に基づいて解析結果を生成することを特徴とする請求項2に記載の画像解析システム。
前記画像解析装置はさらに、前記PDOP値の割合が予め定められた第4の閾値以上であるか否かを判定し、判定結果に基づいて解析結果を生成することを特徴とする請求項4に記載の画像解析システム。
前記画像解析装置による、前記PDOP値の割合の算出は、前記天空画像から、前記第1の地点の緯度から決定される衛星軌道外領域を除外した上で実行されることを特徴とする請求項4に記載の画像解析システム。
前記画像解析装置による、前記PDOP値の割合の算出は、前記天空画像から、前記第1の地点に対する水平方向から所定角度の領域を除外した上で実行されることを特徴とする請求項4に記載の画像解析システム。
前記画像解析装置による、前記PDOP値の割合の算出は、複数の異なる前記フィルタリング処理をそれぞれに実行した複数の前記天空画像からユーザによって選択された1つの画像に対して実行されることを特徴とする請求項4に記載の画像解析システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る画像解析システム、画像解析方法、および画像解析プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る画像解析システム、画像解析方法、および画像解析プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
まず、本実施形態を説明する前に、本実施形態によって、より短時間で受信状況を評価することができるGNSSアンテナについて説明する。GNSSアンテナは、設置位置が予め把握された基準局に搭載され、例えば、自動車などの位置情報のリアルタイム補正を行うために用いられる。例えば、自動車に搭載したGNSS受信機による位置情報のみを利用した場合(単独測位方式;1つのGNSS受信機で同時に複数の測位衛星からのGNSS信号を受信し、各GNSS衛星からの距離を算出して測位する方式)、現状、位置情報に数メートル程度の誤差が生じることがある。そこでGNSSアンテナの搭載された基準局を用いて、このような位置情報の誤差をリアルタイム補正することが考えられている(このような方式は、Real Time Kinematic(RTK)測位方式と呼ばれる)。
【0011】
<<RTK測位方式について>>
図1は、RTK測位方式を行うための情報処理システム1の構成例を示す図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、自動車6に搭載された移動局5(図示せず)と、サーバ2と、基準局3と、GNSS測位衛星4とを含むことができる。
【0012】
RTK測位方式においては、位置を求めようとする自動車6(詳細には、移動局5)の近傍に位置する、設置位置が予め把握された複数の基準局3と、移動局5とで、GNSS測位衛星4からGNSS信号の受信を行う。次に、当該測位方式において、基準局3は、基準局3で取得した基準局3の位置情報をサーバ2または移動局5にリアルタイムで送信する。そして、サーバ2または移動局5は、基準局3の位置情報を利用して、移動局5で取得した暫定的な自動車6の位置情報に対してリアルタイムに補正を行う。RTK測位方式によれば、上述のような補正を行うことにより、GNSS信号で生じる電離層による外乱、マルチパス、時計ずれなどに起因する誤差をキャンセルすることが可能であることから、誤差を数センチメートル程度に抑えることができる。その結果、当該測位方式によれば、誤差の少ない、自動車6の位置情報を取得することが容易となる。
【0013】
なお、RTK測位方式は、サーバ2で補正を行うサーバRTK測位方式と、移動局5で補正を行うデバイスRTK測位方式との主に2つの方式に分けることができる。
【0014】
<デバイスRTK測位方式>
移動局5は、少なくとも3つまたは4つ以上のGNSS測位衛星4のそれぞれからGSNN信号を受信する。次に、移動局5は、各GNSS信号に含まれる情報(各GNSS測位衛星4の位置情報および時刻情報)に基づき、暫定的な自動車6の位置情報(詳細には、地上における移動局5の緯度経度情報)を取得する。さらに、移動局5は、取得した暫定的な自動車6の位置情報をサーバ2へ送信する。
【0015】
基準局3は、サーバ2からの配信要求に応じて、複数のGNSS測位衛星4のそれぞれからGSNN信号を受信する。次に、基準局3は、各GNSS信号に含まれる情報(各GNSS測位衛星4の位置情報および時刻情報)に基づき、基準局3の位置情報(詳細には、地上における基準局3の緯度経度情報)を取得する。さらに、基準局3は、取得した基準局3の位置情報をサーバ2へ送信する。
【0016】
サーバ2は、移動局5からの暫定的な自動車6の位置情報と、基準局3からの基準局3の位置情報とを取得する。次に、サーバ2は、記憶部260に予め格納された、各基準局3の設置位置の位置情報(詳細には、地上における基準局3の緯度経度情報)と、基準局3から受信した位置情報との差分に基づき、暫定的な自動車6の位置情報に対する補正のための補正情報を生成する。さらに、サーバ2は、生成した補正情報に基づき、暫定的な自動車6の位置情報を補正する。
【0017】
<サーバRTK測位方式>
移動局5は、少なくとも3つまたは4つ以上のGNSS測位衛星4のそれぞれからGSNN信号を受信する。次に、移動局5は、各GNSS信号に含まれる情報(各GNSS測位衛星4の位置情報および時刻情報)に基づき、暫定的な自動車6の位置情報(詳細には、地上における移動局5の緯度経度情報)を取得する。さらに、移動局5は、取得した暫定的な自動車6の位置情報をサーバ2へ送信する。
【0018】
基準局3は、サーバ2からの配信要求に応じて、複数のGNSS測位衛星4のそれぞれからGSNN信号を受信する。次に、基準局3は、各GNSS信号に含まれる情報(各GNSS測位衛星4の位置情報および時刻情報)に基づき、基準局3の位置情報(詳細には、地上における基準局3の緯度経度情報)を取得する。さらに、基準局3は、取得した基準局3の位置情報をサーバ2へ送信する。
【0019】
サーバ2は、移動局5からの暫定的な自動車6の位置情報と、基準局3からの基準局3の位置情報とを取得する。サーバ2は、各基準局3の設置位置の位置情報と、基準局3から受信した基準局3の位置情報との差分に基づき、暫定的な自動車6の位置情報に対する補正のための補正情報を生成する。さらに、サーバ2は、生成した補正情報を移動局5に送信する。
【0020】
移動局5は、サーバ2から補正情報を受信する。移動局5は、受信した補正情報に基づき、取得した暫定的な自動車6の位置情報を補正する。
【0021】
以上のようなRTK測位方式を行うための基準局3に搭載されるGNSSアンテナの設置位置を決定するため、GNSSアンテナの受信状況を評価する必要がある。以下に、GNSSアンテナの受信状況をより短時間で評価することができる本実施形態について説明する。
【0022】
〔1.画像解析システムの構成〕
図2を用いて画像解析システムの構成について説明する。
図2は、実施形態に係る画像解析システムの構成例を示す図である。
図2に示すように、画像解析システムは、撮影カメラ10、端末装置100、および画像解析装置200を含む。
図2に示すように、端末装置100と、画像解析装置200とがネットワークNを介して相互に通信可能に接続される。なお、ネットワークNは、有線、無線を問わず、インターネットなどの各種通信網を採用することができる。また、端末装置100は、撮影カメラ10と通信ケーブル50によって相互に通信可能に接続される。通信ケーブル50は、例えば、USBケーブルであるが、端末装置100と撮影カメラ10との通信も、有線、無線を問わない。または、撮影カメラ10は、端末装置100の外部接続端子に直接接続されるタイプのカメラであってもよい。この場合は、通信ケーブル50は不要である。なお、撮影カメラ10の撮影中は、撮影カメラ10は、端末装置100と接続されている必要はなく、撮影カメラ10によって撮影された天空動画を取得するために端末装置100と接続される。
【0023】
撮影カメラ10は、天空写真を撮影するための360度カメラである。撮影カメラ10は、例えば、180度分を撮影する片側のレンズが空を向くようにカメラ三脚に設置される。地面を向いたもう片側のレンズは何も映らないようにテープなどで隠される。これにより、撮影カメラ10から上空を撮影することができる。なお、カメラ三脚は必ずしも必要なく、GNSSアンテナの受信位置に撮影カメラ10が設置されればよい。撮影カメラ10は、上空を一定時間撮影し、天空動画を取得する。撮影の開始および終了は、例えば、ユーザが撮影カメラ10の撮影ボタンを押下することにより行われる。
【0024】
端末装置100は、ユーザによって使用される端末である。なお、ユーザとは、例えば、天空写真を撮影し解析を行う通信事業者の作業者である。端末装置100は、スマートフォンやタブレットPCなどのモバイル端末であってもよいし、ユーザの会社などに設置される据え置き端末であってもよい。端末装置100には、天空写真(画像)を解析するための解析アプリがインストールされており、ユーザは当該解析アプリを操作して、天空画像に対する解析を進めることができる。天空画像に対する解析処理については後述する。
【0025】
画像解析装置200は、例えば、通信事業者によって管理されるサーバ装置である。画像解析装置200は、天空画像に対して画像処理することにより、空の割合(天空開口率)やPDOP(Positon Dilution Of Precision)値を算出して、解析結果を端末装置100に送信する。天空開口率は、天空画像における空の部分の割合を示す指標値である。遮蔽物が少なく空が十分に見渡せる場合、天空開口率が高くなり、測位精度が高くなる傾向にある。PDOP値は、測位衛星の配置状態を示す指標値である。測位衛星が空にまんべんなく均等に配置されている場合、PDOP値が低くなり、測位精度が高くなる傾向にある。なお、画像解析装置200は、クラウドサーバ装置であってもよいし、複数台のコンピュータで構成される分散型コンピューティングシステムであってもよい。
【0026】
〔2.端末装置100の構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る端末装置100の機能構成について説明する。
図3は、実施形態に係る端末装置100の機能構成例を示す図である。
図3に示すように、端末装置100は、通信部110、記憶部120、制御部130を備える。なお、端末装置100は、端末装置100を利用するユーザなどから各種操作を受け付ける入力装置(例えば、キーボードやマウス、タッチパネル)や、各種情報を表示するための出力装置(例えば、液晶ディスプレイやタッチパネル)を有してもよい。
【0027】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、画像解析装置200や撮影カメラ10との間で情報の送受信を行う。
【0028】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。
図3に示すように、記憶部120は、天空動画記憶部121、天空画像記憶部122、解析結果記憶部123を有する。以下、記憶部120に含まれる各記憶部について順に説明する。
【0029】
(天空動画記憶部121)
天空動画記憶部121は、撮影カメラ10によって撮影された天空動画を記憶する。天空動画は、ファイル名などによって撮影地点(緯度、経度)などを特定できるようしておくことができる。
【0030】
(天空画像記憶部122)
天空画像記憶部122は、天空動画から取得された天空画像を記憶する。天空画像も、ファイル名などによって撮影地点や、取得元の天空動画などを特定できるようにしておくことができる。
【0031】
(解析結果記憶部123)
解析結果記憶部123は、天空開口率およびPDOP値による、天空画像の解析結果に関する情報を記憶する。
図4は、解析結果記憶部に記憶される情報の例を示す図である。
図4に示す例では、解析結果記憶部123は、「天空画像ID、天空開口率、開口率結果、PDOP、PDOP結果、アンテナID」などを対応付けて記憶する。
【0032】
「天空画像ID」は、解析を行った天空画像を一意に示す識別子(例えば、ファイル名)である。「天空開口率」は、例えば、対象の天空画像に含まれる空の部分の割合(%)を示す指標値である。「開口率結果」は、天空開口率に対する判定結果である。例えば、「天空開口率」が所定の閾値以上の場合は、撮影地点から空を十分に見渡すことができ、GNSSアンテナの受信位置として適切である“OK”と判定することできる。
【0033】
ここで、PDOP値とは、測位衛星の配置状態を示す指標値であり、測位精度が高いほど小さい値を示す。例えば、測位衛星の数が多くても、ある方向のみに偏って配置されている場合、測位精度は低くなり、PDOP値は高い値を示す。逆に、測位衛星が空にまんべんなく均等に配置されていると測位精度が高くなり、PDOP値は低い値を示す。画像解析装置200は、各測位衛星の軌道データを有しており、空の部分を抽出した処理済み画像に対し軌道データを重ね合わせることにより、各測位衛星の配置状態を把握することができ、PDOP値を算出することができる。なお、PDOP値は、ある時間における測位衛星の配置状態を示す値であるため、例えば、30分や1時間単位で、24時間分を算出する。
【0034】
「PDOP」は、例えば、24時間分のPDOP値の内、高精度であることを示すPDOP値の割合(%)である。このように、PDOP値の割合を判定基準とするのは、例えば、PDOP値が、24時間の内、数時間程度、高精度であることを示し、それ以外の時間は測位精度が低い場合は、GNSSアンテナの受信位置として適切であるといえないためである。「PDOP結果」は、PDOPに対する判定結果である。例えば、「PDOP」が所定の閾値以上の場合は、GNSSアンテナは、高精度の測位を十分に維持することができ、受信位置として適切である“OK”と判定することできる。なお、
図4の例では、「開口率結果」および「PDOP結果」は、“OK”、“NG”の文字列で示されているが、それぞれを示す数値などであってもよい。
【0035】
「アンテナID」は、対象の天空画像を撮影した地点に設置予定のGNSSアンテナを一意に示す識別子である。1つのGNSSアンテナの設置位置を決定するために、複数の天空画像を解析した場合は、「天空画像ID」が異なり、「アンテナID」が同一のデータレコードが生成される。または、「アンテナID」に“12345-1”、“12345-2”、“12345-3”・・・などと通し番号を付与して管理することもできる。
【0036】
また、解析結果記憶部123は、24時間分のPDOP値や、PDOPの最大値、最小値、平均値などの解析結果を記憶することもできる。また、記憶部は、解析アプリを記憶する。なお、天空動画記憶部121、天空画像記憶部122、解析結果記憶部123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0037】
(制御部130)
制御部130は、端末装置100全体を司る処理部であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)など(いわゆる、プロセッサ)である。制御部130は、記憶部120に記憶されている各種プログラム(例えば、本願に係る画像解析プログラム)を、作業領域となるRAMに展開して実行する。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。
【0038】
図3に示すように、制御部130は、取得部131、表示部132、入力部133を有し、以下に説明する画像解析の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する画像解析処理を実行する構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0039】
(取得部131)
取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、撮影カメラ10が撮影した天空動画を取得する。具体的には、取得部131は、解析アプリに対するユーザの操作に応答して、USBケーブルによって接続された撮影カメラ10から天空動画を取得する。また、取得部131は、取得した天空動画から天空画像を取得する。具体的には、例えば、天空動画の再生時間の中央のフレーム(動画の1コマ)を天空画像として取得する。これは、撮影した動画にユーザ自身やその影が映り込むことがあるため、例えば、数十秒間の動画を撮影し、ユーザが撮影カメラ10から離れている時間帯のフレームを天空画像として取得するためである。なお、例えば、解析アプリ上で天空動画を再生し、ユーザに任意のフレームを選択させることにより天空画像を取得することもできる。
【0040】
(表示部132)
表示部132は、各種情報を表示する。例えば、表示部132は、画像解析装置200によって空の部分が抽出された処理済み画像や、天空画像の解析結果を表示する。具体的には、表示部132は、画像解析装置200から通信部110によって受信された処理済み画像や解析結果を、出力装置に表示された解析アプリを介して表示する。
【0041】
(入力部133)
入力部133は、各種情報の入力を受け付ける。例えば、入力部133は、複数の処理済み画像に対するユーザの選択をユーザ入力として受け付ける。具体的には、入力部133は、解析アプリを介して表示された複数の処理済み画像から、入力装置によって選択された処理済み画像をユーザ入力として受け付ける。
【0042】
〔3.画像解析装置200の構成〕
次に、
図5を用いて、実施形態に係る画像解析装置200の機能構成について説明する。
図5は、実施形態に係る画像解析装置200の機能構成例を示す図である。
図5に示すように、画像解析装置200は、通信部210、記憶部220、制御部230を備える。
【0043】
(通信部210)
通信部210は、端末装置100の通信部110同様、ネットワークNを介して、画像解析装置200との間で情報の送受信を行う。
【0044】
(記憶部220)
記憶部220は、端末装置100の記憶部120同様、RAMなどによって実現される。
図5に示すように、記憶部220は、軌道データ記憶部221、天空画像記憶部222、解析結果記憶部223を有する。以下、記憶部220に含まれる各記憶部について順に説明する。
【0045】
(軌道データ記憶部221)
軌道データ記憶部221は、GNSSにおける各測位衛星の軌道に関する情報を記憶する。GNSSは、米国のGPS(Global Positioning System)、欧州連合(EU)のGalileo、ロシアのGLONASSなどの全世界衛星系のシステムと、日本のみちびきなどの地域衛星系のシステムとのすべての衛星測位システムを含む。そのため、軌道データ記憶部221は、各測位衛星の識別子と各々の軌道データとを対応付けて記憶する。なお、例えば、地域衛星系のシステムの測位衛星は、GNSSアンテナを設置する地域によっては、その地域の上空を移動することなく全く捕捉することができない。そのため、軌道データ記憶部221は、GNSSアンテナで捕捉する測位衛星のみのデータを記憶したり、有効フラグなどを設け、有効であることを示すデータのみを軌道データとして使用したりすることができる。
【0046】
(天空画像記憶部222)
天空画像記憶部222は、端末装置100から送信された天空画像を記憶する。当該天空画像は、端末装置100の天空画像記憶部122に記憶される天空画像と原則同じものである。
図6は、実施形態に係る天空画像の一例を示す図である。
図6に示すように、天空画像300は、360度カメラで撮影された天空写真のデジタルデータであり、円状の被写体部301、およびそれ以外の背景部302を含む。
図6の例では、被写体部301の右上の方に鉄塔が写っており、円周内縁付近には、周囲の建物や樹木、地面が写っているのがわかる。このような空以外の部分は、GNSS信号の観測および受信を妨げる遮蔽物となり、測位精度を劣化させる。
【0047】
(解析結果記憶部223)
解析結果記憶部223は、端末装置100の解析結果記憶部123同様、天空画像の解析結果に関する情報を記憶する。
【0048】
(制御部230)
制御部230は、端末装置100の制御部130同様、画像解析装置200全体を司る処理部である。
図5に示すように、制御部230は、取得部231、画像処理部232、判定部233を有する。なお、制御部230の内部構成も、
図5に示した構成や接続関係に限られない。
【0049】
(取得部231)
取得部231は、各種情報を取得する。例えば、取得部231は、端末装置100から天空画像を取得する。具体的には、取得部231は、端末装置100から通信部210によって受信された天空画像を取得する。
【0050】
(画像処理部232)
画像処理部232は、天空画像に対して画像処理する。例えば、画像処理部232は、端末装置100から取得した天空画像に対してエッジ処理などのフィルタリング処理をして、空の部分と、建物や樹木など、空以外の部分(遮蔽物)との境界を検出することにより、空の部分を抽出する。
図7は、実施形態に係る空の部分を抽出するための画像処理の一例を示す図である。
図7に示すように、天空画像300に対してフィルタリング処理をすることにより、被写体部301の空の部分311を抽出することができる。さらに、画像処理部232は、空以外の部分312をマスキング処理によりマスクし、処理済み画像310を生成する。マスクされた領域は、天空画像の解析対象から除外される。
【0051】
なお、
図7の例では、被写体部301の上方から右上に写っている鉄塔の隙間にも空の部分が存在する。しかしながら、常に移動している測位衛星をこの隙間から捕捉することは実質的に困難であるため、例えば、モルフォロジークロージング処理などのフィルタリング処理を実行して、このような部分も空以外の部分312とみなしてマスクしている。
【0052】
また、空の部分と、空以外の部分との境界検出の精度を高めるため、二値化処理などのフィルタリング処理を実行することができる。
図8は、実施形態に係る二値化処理のためのヒストグラムの一例を示す図である。例えば、天空画像をグレースケール変換し256階調で表現すると、空の部分は高い階調度を示す傾向にある。そのため、
図8に示すように、階調度に対して閾値(破線部分、例えば、階調度150)を設定し、閾値以上は空の部分、閾値未満を空以外の部分と決定することができる。なお、閾値は、任意の値を予め設定しておくこともできるし、天空画像に対し所定の関数を用いた画像処理を実行することによって自動的に決定されることもできる。
【0053】
また、天候や、遮蔽物の量や種類、撮影カメラ10の撮影パラメータ(例えば、露光やフォーカス)などによって、空の部分の抽出精度が変わってくる。そのため、画像処理部232は、天候などに基づいて、色調補正や、ガンマ補正、アンシャープマスキング処理などのフィルタリング処理を実行することもできる。さらに、画像処理部232は、天空画像の解析対象から除外する領域を決定することができる。
【0054】
図9は、実施形態に係る解析対象から除外する領域の一例を示す図である。
図9の例では、フィルタリング処理によって天空画像の解析対象から除外された空以外の部分312に加えて、衛星軌道外領域313、水平方向所定領域314をさらに解析対象から除外した処理済み画像320である。
【0055】
衛星軌道外領域313について、例えば、測位衛星は、北半球の場合は北側、南半球の場合は南側を通過しないため、撮影地点から北側や南側を示す所定領域を解析対象から除外することができる。具体的には、天空画像の所定領域を、衛星軌道外領域313と予め定めておき(画像の座標により定義可能)、その部分をマスキング処理によりマスクすることで、解析対象から除外することができる。これにより、より正確な解析を行うことができる。なお、緯度0度の赤道付近では、測位衛星は全エリアを通過する。衛星軌道外領域313を定めるか否か、定める場合はどの部分にどの範囲定めるかは、撮影地点の緯度から決定することができる。
【0056】
また、水平方向所定領域314について説明する。
図10は、実施形態に係る解析対象から除外する水平方向領域の一例を示す図である。
図10に示すように、撮影地点(撮影カメラ10)に対する水平方向から所定角度(例えば、5°)の領域は地面などが写りこみ、空はほぼ撮影できないため、当該領域を解析対象から除外することができる。これも、天空画像の所定領域を、水平方向所定領域314と予め定めておきマスクすることで、解析対象から除外することができる。これにより、より正確な解析を行うことができる。
【0057】
図11は、実施形態に係る原画像および各処理済み画像の一例を示す図である。画像処理部232は、抽出パターンの異なる複数の処理済み画像310、320、330を生成し、例えば、
図11に示すように、天空画像300(原画像)と比較できるような表示で、解析アプリを介してユーザに提示する。これにより、ユーザは、複数の処理済み画像から、解析を行う1つの処理済み画像を選択することができる。なお、
図11の例では、処理済み画像は3種類であるが、画像処理部232が生成しユーザに提示する処理済み画像はそれより多くても少なくてもよい。
【0058】
また、画像処理部232は、処理済み画像に対する、天空開口率およびPDOP値を算出する。天空開口率は、
図9を例に説明すると、処理済み画像320から背景部302を除いた画素の内、空の部分311の画素の割合である。
【0059】
また、PDOP値について説明する。
図12は、実施形態に係る天空画像と衛星軌道との合成画像の一例を示す図である。
図12の左側は、軌道データに基づいて、天空画像に対し、各測位衛星の軌道を合成した合成画像340である。また、
図12の右側は、空以外の部分312に重なる衛星は捕捉できないため、その部分の衛星軌道を除外した合成画像350である。このような合成画像350に基づいて、画像処理部232は、空の部分における各測位衛星の配置状態を指標化し、PDOP値を算出することができる。
【0060】
(判定部233)
判定部233は、算出した天空開口率およびPDOP値を、それぞれの閾値に基づいて判定する。また、判定部233は、天空開口率およびPDOP値の判定結果に基づいて、
図4に示すような解析結果を生成する。例えば、判定部233は、天空開口率が所定の閾値以上あった場合、天空開口率の結果を“OK”と判定し、
図4に示す「開口率結果」に“OK”を設定する。また、判定部233は、例えば、所定の閾値以下のPDOP値が24時間分の内に所定の割合以上あった場合、PDOPの結果を“OK”と判定し、
図4に示す「PDOP結果」に“OK”を設定する。
【0061】
図13は、実施形態に係る解析アプリの解析結果画面の一例を示す図である。判定部233によって生成された解析結果は、
図13に示すように、解析アプリ400を介して表示させることができる。なお、
図13における解析アプリ400の表示内容は一例であり、これに限定されない。天空画像の原画像や処理済み画像、解析結果の表示を増減させたり、それらの表示の大きさや配置を変更させたりすることができる。また、表示領域の形状や大きさ、フォントの色、大きさ、透過率なども一例である。
【0062】
〔4.処理手順〕
次に、
図14を用いて、実施形態に係る天空画像に対する画像解析処理の手順について説明する。
図14は、実施形態に係る天空画像に対する画像解析処理の流れを示すフローチャートである。
図14に示す画像解析処理は、ユーザが、端末装置100と撮影カメラ10とを接続し、端末装置100にインストールされた解析アプリを起動したところから開始する。
【0063】
図14に示すように、端末装置100の取得部131は、例えば、解析アプリを介したユーザ操作に応答して、撮影カメラ10によって撮影された天空動画を、撮影カメラ10から取得し、天空動画記憶部121に記憶する(ステップS101)。ここでいうユーザ操作とは、例えば、解析アプリ上の天空動画取得ボタンの押下である。または、端末装置100に撮影カメラ10が接続されたことに応答して、天空動画を取得してもよい。なお、天空動画の取得は、撮影カメラ10による撮影直後に実行される必要はなく、撮影地点とは別の場所(例えば、ユーザの会社)で実行されてもよい。
【0064】
次に、取得部131は、例えば、解析アプリを介したユーザ操作に応答して、取得した天空動画から天空画像を取得し、天空画像記憶部122に記憶する(ステップS102)ここでいうユーザ操作とは、例えば、解析アプリ上の天空画像取得ボタンの押下である。または、天空動画の取得が完了したことに応答して、天空画像を取得してもよい。取得する天空画像は、例えば、天空動画の再生時間の中央のフレームであるが、それ以外のフレームであってもよいし、表示部132を介して天空動画を表示し、任意のフレームをユーザに入力部133を介して選択させてもよい。
【0065】
次に、取得部131は、例えば、解析アプリを介したユーザ操作に応答して、取得した天空画像を画像解析装置200に通信部110を介して送信する(ステップS103)。ここでいうユーザ操作とは、例えば、解析アプリ上の送信ボタンの押下である。
【0066】
次に、画像解析装置200の取得部231は、端末装置100から天空画像を受信したか否かを判定する(ステップS104)。天空画像を受信していないと判定した場合(ステップS104:No)、取得部231は、天空画像の受信を待つ。天空画像を受信したと判定した場合(ステップS104:Yes)、取得部231は、通信部210を介して天空画像を受信し、天空画像記憶部222に記憶する。
【0067】
次に、画像処理部232は、空の部分を抽出するため、受信した天空画像に対してフィルタリング処理を実行する(ステップS105)。続いて、画像処理部232は、抽出した空以外の部分をマスクするため、空以外の部分に対してマスキング処理を実行する(ステップS106)。これにより、処理済み画像が生成される。また、画像処理部232は、フィルタやフィルタパラメータを変えてフィルタリング処理(ステップS105)およびマスキング処理(ステップS106)を実行し、複数の処理済み画像を生成することもできる。これにより、ユーザに、空の部分が最も正しく抽出できている処理済み画像を選択させることができる。なお、各処理済み画像も天空画像記憶部122に記憶される。
【0068】
次に、画像処理部232は、生成した1つまたは複数の処理済み画像を端末装置100に通信部210を介して送信する(ステップS107)。
【0069】
次に、端末装置100の取得部131は、画像解析装置200から処理済み画像を受信したか否かを判定する(ステップS108)。処理済み画像を受信していないと判定した場合(ステップS108:No)、取得部131は、処理済み画像の受信を待つ。処理済み画像を受信したと判定した場合(ステップS108:Yes)、取得部131は、通信部110を介して処理済み画像を受信する。
【0070】
次に、表示部132は、受信した1つまたは複数の処理済み画像を、解析アプリを介して表示する(ステップS109)。続いて、入力部133は、ユーザ入力を受け付けて、画像解析装置200に通信部110を介して送信する(ステップS110)。ここでいうユーザ入力は、例えば、画像解析処理を実行する処理済み画像の識別子である。複数の処理済み画像がある場合、ユーザは1つの処理済み画像を選択する。
【0071】
次に、画像解析装置200の取得部231は、端末装置100からユーザ入力を受信したか否かを判定する(ステップS111)。ユーザ入力を受信していないと判定した場合(ステップS111:No)、取得部231は、ユーザ入力の受信を待つ。天空画像を受信したと判定した場合(ステップS111:Yes)、取得部231は、通信部210を介してユーザ入力を受信する。
【0072】
次に、画像処理部232は、処理済み画像に対する天空開口率を算出する(ステップS112)。また、画像処理部232は、処理済み画像に対するPDOP値を算出する(ステップS113)。なお、ステップS112およびステップS113の実行順序は逆であってもよいし、並列処理されてもよい。
【0073】
次に、判定部233は、算出した天空開口率およびPDOP値を、それぞれの閾値に基づいて判定する(ステップS114)。続いて、判定部233は、天空開口率およびPDOP値の判定結果に基づいて、解析結果を生成し、解析結果記憶部223に記憶する(ステップS115)。さらに、判定部233は、生成した解析結果を端末装置100に通信部210を介して送信する(ステップS116)。
【0074】
次に、端末装置100の取得部131は、画像解析装置200から解析結果を受信したか否かを判定する(ステップS117)。解析結果を受信していないと判定した場合(ステップS117:No)、取得部131は、解析結果の受信を待つ。解析結果を受信したと判定した場合(ステップS117:Yes)、取得部131は、通信部110を介して解析結果を受信し、解析結果記憶部123に記憶する。
【0075】
次に、表示部132は、受信した解析結果を、解析アプリを介して表示する(ステップS118)。ステップS118の後、
図14に示す画像解析処理は終了する。
【0076】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る画像解析システムは、撮影カメラ10と、端末装置100と、画像解析装置200とを有する。撮影カメラ10は、第1の地点において天空動画を取得する。端末装置100は、撮影カメラ10から天空動画を取得し、天空動画の開始から所定時間経過後のフレームを天空画像として取得する。画像解析装置200は、端末装置100から天空画像を取得し、天空画像に対してフィルタリング処理を実行することで天空画像に含まれる空の部分を抽出し、GNSSから信号を受信するGNSSアンテナの受信状況を評価する指標値を算出する。
【0077】
このように、実施形態に係る画像解析システムは、フィルタリング処理を実行して天空画像に含まれる空の部分を抽出し、空の部分に対して、GNSSアンテナの受信状況を評価するための指標値を算出することにより、GNSSアンテナの受信状況をより短時間で評価することができる。
【0078】
また、実施形態に係る画像解析装置200はさらに、天空画像に対する空の部分の割合を算出する。
【0079】
このように、実施形態に係る画像解析装置200は、天空画像に対する空の部分の割合(天空開口率)を算出することにより、GNSSアンテナの受信状況をより短時間で評価することができる。
【0080】
また、実施形態に係る画像解析装置200により実行されるフィルタリング処理は少なくともエッジ処理であり、エッジ処理によって空の部分と遮蔽物との境界を検出し、空の部分を抽出する。
【0081】
このように、実施形態に係る画像解析装置200は、天空画像に対しエッジ処理を実行することにより、天空画像から空の部分を適切に抽出することができる。
【0082】
また、実施形態に係る画像解析装置200において、GNSS信号を受信するGNSSアンテナの受信状況を評価するための指標値は、PDOP値である。
【0083】
このように、実施形態に係る画像解析装置200は、PDOP値を算出することにより、GNSSアンテナの受信状況をより短時間で評価することができる。
【0084】
また、実施形態に係る画像解析装置200による前記PDOP値の算出は、第1の地点の上空を通過するGNSSの一定時間における軌道データと、天空画像とに基づいて、所定時間ごとの複数のPDOP値を算出し、複数のPDOP値の各々が予め定められた第2の閾値未満であるPDOP値の割合を算出することを含む。
【0085】
このように、実施形態に係る画像解析装置200は、軌道データと、天空画像とに基づいて、所定時間ごとの複数のPDOP値を算出し、複数のPDOP値の各々が予め定められた第2の閾値未満であるPDOP値の割合を算出することにより、GNSSアンテナの受信状況をより短時間で評価することができる。
【0086】
また、実施形態に係る画像解析装置200は、フィルタリング処理を実行して、天空画像に含まれる遮蔽物の隙間を埋めた上で空の部分を抽出する。
【0087】
このように、実施形態に係る画像解析装置200は、常に移動している測位衛星を捕捉することが実質的に困難である遮蔽物の隙間を埋めた上で空の部分を抽出することができる。
【0088】
また、実施形態に係る画像解析装置200はさらに、天空画像に対する空の部分の割合が予め定められた第3の閾値以上であるか否かを判定し、判定結果に基づいて解析結果を生成する。
【0089】
このように、実施形態に係る画像解析装置200は、天空画像に対する空の部分の割合が予め定められた第3の閾値以上であるか否かを判定し、判定結果に基づいて解析結果を生成することにより、空の割合(天空開口率)に対する解析結果をユーザに表示することができる。
【0090】
また、実施形態に係る画像解析装置200はさらに、PDOP値の割合が予め定められた第4の閾値以上であるか否かを判定し、判定結果に基づいて解析結果を生成する。
【0091】
このように、実施形態に係る画像解析装置200は、PDOP値の割合が予め定められた第4の閾値以上であるか否かを判定し、判定結果に基づいて解析結果を生成することにより、PDOP値に対する解析結果をユーザに表示することができる。
【0092】
また、実施形態に係る画像解析装置200による、PDOP値の割合の算出は、天空画像から、第1の地点の緯度から決定される衛星軌道外領域を除外した上で実行される。
【0093】
このように、実施形態に係る画像解析装置200は、天空画像から、衛星軌道外領域を除外した上でPDOP値の割合の算出を実行することにより、より正確な解析を行うことができる。
【0094】
また、実施形態に係る画像解析装置200による、PDOP値の割合の算出は、天空画像から、第1の地点に対する水平方向から所定角度の領域を除外した上で実行される。
【0095】
このように、実施形態に係る画像解析装置200は、天空画像から、第1の地点に対する水平方向から所定角度の領域を除外した上でPDOP値の割合の算出を実行することにより、より正確な解析を行うことができる。
【0096】
また、実施形態に係る画像解析装置200による、PDOP値の割合の算出は、複数の異なるフィルタリング処理をそれぞれに実行した複数の天空画像からユーザによって選択された1つの画像に対して実行される。
【0097】
このように、実施形態に係る画像解析装置200は、複数の異なるフィルタリング処理をそれぞれに実行した複数の天空画像からユーザによって選択された1つの画像に対してPDOP値の割合の算出を実行することにより、より正確な解析を行うことができる。
【0098】
また、実施形態に係る画像解析装置200はさらに、天空動画が撮影された時の天候に基づいて、天空画像に対し実行するフィルタリング処理を決定し、画像解析装置200による、空の部分の抽出は、決定したフィルタリング処理を実行することにより行われる。
【0099】
このように、実施形態に係る画像解析装置200は、天空動画が撮影された時の天候に基づいて、天空画像に対し実行するフィルタリング処理を決定し、決定したフィルタリング処理を実行して空の部分の抽出を行うことにより、GNSSアンテナの受信状況をより短時間で評価することができる。
【0100】
〔6.ハードウェア構成〕
上述してきた端末装置100および画像解析装置200は、例えば、
図15に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図15は、各装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、およびメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0101】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラムなどを格納する。
【0102】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、プログラムによって使用されるデータなどを格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が収集したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0103】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタなどの出力装置、および、キーボードやマウスなどの入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、収集したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0104】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、プログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto−Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどである。
【0105】
例えば、コンピュータ1000が端末装置100や画像解析装置200として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130や230の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0106】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0107】
〔7.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0108】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0109】
また、上述してきた実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0110】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。