(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接触圧力パラメータを調整することが、前記基板上の前記テクスチャの少なくとも1つの特性を調整し、前記少なくとも1つの特性が、前記テクスチャの高さ、前記テクスチャの深さ、前記テクスチャの形状、前記テクスチャのサイズ、前記テクスチャの分布、前記テクスチャの粗さ、または前記テクスチャの濃度、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
前記接触圧力パラメータを調整することが、25%未満の前記基板の前記幅にわたる接触圧力変動を有する前記所望の接触圧力分布を提供することを含む、請求項1に記載の方法。
前記作業ロールが、作業ロール直径を有し、前記中間ロールが、中間ロール直径を有し、前記接触圧力パラメータを調整することが、前記作業ロール直径および前記中間ロール直径のうちの少なくとも1つを調整することを含む、請求項5に記載の方法。
前記作業台が、前記上部中間ロールに沿った一組の上部ベアリングであって、前記上部中間ロールにより前記上部作業ロールが前記基板に前記第1の作業ロール圧力を加えるように、各上部ベアリングが、前記上部中間ロールにベアリング荷重を加える、一組の上部ベアリングをさらに備える、請求項5に記載の方法。
前記接触圧力パラメータを調整することが、隣接する上部ベアリング間の間隔を調整すること、前記一組の上部ベアリングのうちの少なくとも1つの上部ベアリングのベアリング寸法を調整すること、前記上部ベアリングのそれぞれのクラウン高さならびに面取り高さを低減させること、前記上部ベアリングの全てによって前記上部中間ロールに加えられる前記ベアリング荷重を増加させること、または前記上部ベアリングによって前記上部中間ロールに加えられる前記ベアリング荷重を調整して、前記ベアリング荷重の分布を調整すること、のうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。
前記上部ベアリングのそれぞれが、前記上部中間ロールに対して個別に調整可能であり、前記接触圧力パラメータを調整することが、前記上部ベアリングのうちの少なくとも1つによって前記上部中間ロールに加えられる前記ベアリング荷重を増加させることを含む、請求項7に記載の方法。
前記一組の上部ベアリングが、内側端部および外側端部を有する最外上部ベアリングを備え、前記接触圧力パラメータを調整することが、前記最外上部ベアリングを前記基板のエッジに対して調整することを含む、請求項7に記載の方法。
前記作業台が、第1の作業台であり、前記上部作業ロールが、第1の上部作業ロールであり、前記テクスチャが、第1のテクスチャであり、前記下部作業ロールが、第1の下部作業ロールであり、前記方法が、
コイルツーコイルプロセスの第2の作業台で基板に第2のテクスチャを与えることであって、前記第2の作業台が、第2の上部作業ロールと、前記第2の上部作業ロールと垂直方向に整列した第2の下部作業ロールと、を備え、前記第2の上部作業ロールと前記第2の下部作業ロールのうちの少なくとも1つが、前記第2のテクスチャを含み、前記第2のテクスチャを与えることが、
前記第2の上部作業ロールにより、前記基板の前記上面に第3の作業ロール圧力を加えることと、
前記第2の下部作業ロールにより、前記基板の下面に第4の作業ロール圧力を加えることと、を含み、
前記第2のテクスチャが与えられた後に前記基板の厚さが一定のままである、第2のテクスチャを与えること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記上部ベアリングのそれぞれが、前記上部中間ロールに対して個別に調整可能であり、前記接触圧力パラメータが、前記上部ベアリングのうちの少なくとも1つによって前記上部中間ロールに加えられる前記ベアリング荷重を含む、請求項15に記載のコイルツーコイルプロセスシステム。
前記一組の上部ベアリングが、内側端部および外側端部を有する最外上部ベアリングを備え、前記接触圧力パラメータが、前記基板のエッジに対する前記最外上部ベアリングの位置を含む、請求項15に記載のコイルツーコイルプロセスシステム。
前記上部作業ロールが、垂直方向に調整可能であり、前記下部作業ロールが前記上部作業ロールのみが作動可能であるように垂直方向に固定される、請求項14に記載のコイルツーコイルプロセスシステム。
前記基板の前記幅にわたる厚さの変動が、前記テクスチャが与えられた後、2%未満であり、前記第1の作業ロール圧力および前記第2の作業ロール圧力が、前記基板の降伏強度未満である、請求項14に記載のコイルツーコイルプロセスシステム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施例の主題は、法定要件を満たすために、具体的に本明細書に記載されるが、この説明は必ずしも特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。特許請求される主題は、他の方法で実施されてもよく、異なる要素またはステップを含んでいてもよく、他の既存または将来の技術と一緒に使用されてもよい。この説明は、個々のステップの順序または要素の配置が明示的に記載されている場合を除いて、様々なステップまたは要素の間に任意の特定の順序または配置を意味するものと解釈されるべきではない。
【0015】
本明細書で使用する場合、システムの構成要素の長さとは、一般に、
図2に示す方向201に延びるその構成要素の寸法を指す。システムの構成要素の幅とは、一般に、方向201を横断する方向203に延びる構成要素の寸法を指す。
【0016】
本開示の特定の態様および特徴は、基板上にテクスチャを与える方法に関する。いくつかの実施例では、基板は、金属基板(例えば、金属シートまたは金属許容シート)または非金属基板であってもよい。例えば、基板は、アルミニウム、アルミニウム合金、鋼、鋼ベースの材料、マグネシウム、マグネシウムベースの材料、銅、銅ベースの材料、複合材、複合材で使用されるシート、または任意の他の適切な金属、非金属、または材料の組み合わせを含んでよい。いくつかの態様では、基板は金属基板である。以下の説明は金属基板を参照して提供されるが、この説明は様々な他のタイプの金属または非金属基板に適用可能であることが理解されよう。
【0017】
本開示の特定の態様および特徴は、金属基板の表面全体にまたは幅にわたって所望の接触圧力分布を提供するために、1つ以上の圧力パラメータ(例えば、金属基板に対する作業ロールの作業ロール圧力に影響を及ぼすパラメータ)を制御するための制御システムおよび方法に関する。場合によっては、所望の接触圧力分布は、圧力変動を最小限に抑えるとともに、金属基板の厚さをコイルツーコイルプロセスによる冷間圧延中に実質的に一定に保つように加工からの金属基板のエッジ効果を低減する。接触圧力分布を制御することにより、テクスチャの均一性(例えば、テクスチャサイズ、深さ、高さ、形状、粗さ、分布、濃度などの一貫性)も制御/向上できる。様々な場合、制御システムを使用して圧力パラメータを調整するか適合させると、テクスチャの一貫性が向上した金属基板が生成される。
【0018】
コイルツーコイルプロセスは少なくとも1つの台を含み、いくつかの実施例では、コイルツーコイルプロセスは複数の台を含んでもよい。冷間圧延とは、たとえ基板が人間の感覚で熱く感じる場合でも、ひずみ硬化が起こるのに十分低い温度で金属を圧延することを指す。非限定的な一実施例として、場合によっては、コイルツーコイルプロセスにおける基板の開始温度は約50℃〜約100℃であり、コイルツーコイルプロセスを離れる基板の温度は約200℃まで可能である。ひずみ硬化が起こるのに十分に低い他の様々な温度を利用してもよい。
【0019】
各台は、一対の垂直方向に整列した作業ロールを含む。作業ロールは、中間ロールによって支持されており、ベアリングが、中間ロールにベアリング荷重を与えるために中間ロールに沿って設けられている。作業ロール間にロールギャップが画定され、加工中に金属基板がロールギャップを通過する。金属基板がロールギャップを通過すると、作業ロールは金属基板に作業ロール圧力を加える。いくつかの実施例では、作業ロールの少なくとも1つは、テクスチャを含み、そのテクスチャは、作業ロールが金属基板に作業ロール圧力を加えると、金属基板の表面に転写される。
【0020】
テクスチャリングプロセス中、金属基板の厚さが減少するのを防ぐために(例えば、金属基板の厚さが実質的に一定のままで、金属基板の厚さは実質的に減少しない)、ベアリングは、基板の降伏強度を下回る中間ロールにベアリング荷重を与えるように構成されている。中間ロールは、金属基板が作業ロール間を通過する際の金属基板の降伏強度付近を下回る作業ロール圧力を金属基板に与えるように、作業ロールに荷重を伝達する。作業ロールによって金属基板に加えられる作業ロール圧力は金属基板の降伏強度を下回るため、金属基板の厚さは、実質的に一定のままである(例えば、金属基板の厚さの実質的な減少はない)。
【0021】
作業ロールによって加えられる作業ロール圧力は金属基板の降伏強度を下回るが、作業ロールのテクスチャは、金属基板が作業ロール間を通過する際に、作業ロールによって加えられる局所圧力が金属基板の降伏強度を超える金属基板の表面に局所領域を作成するトポグラフィを有してもよい。換言すれば、金属基板の降伏強度より低い作業ロール圧力と組み合わせたテクスチャの表面プロファイルは、金属基板の表面にかかる圧力が金属基板の降伏強度よりも大きい領域を作成してもよい。これらの局所領域では、テクスチャによって生成される圧力が金属基板の降伏強度よりも大きいため、テクスチャは、基板の表面に部分的な塑性変形の局所領域を作成し、金属基板の残りの部分を変形させない(例えば、テクスチャは、金属基板の厚さが金属基板の残りの部分に沿って実質的に一定のままで金属基板の表面の特定の場所で塑性変形を引き起こす)。したがって、いくつかの実施例では、作業ロールを使用して、金属基板の表面の厚さを変えることなく、金属基板の表面に局所的な塑性変形を引き起こすことができる(すなわち、テクスチャを作業ロールから金属基板の表面に転写する)。
【0022】
図1〜3を参照すると、コイルツーコイルプロセス100は、少なくとも1つの台102を含む。台102は、上部作業ロール104Aと、上部作業ロール104Aと垂直方向に整列した下部作業ロール104Bと、を含む。以下に詳細に説明するように、金属基板108のテクスチャリング中に金属基板108を受け入れるように構成された上部作業ロール104Aと下部作業ロール104Bとの間にギャップ106が画定される。他の実施例では、基板は、様々な他の金属または非金属基板であってもよい。加工中、上部作業ロール104Aおよび下部作業ロール104Bは、金属基板108がギャップ106を通過する際に、金属基板108の上面110および下面112に接触して作業ロール圧力を加えるように構成されている。
【0023】
金属基板108の移動方向101を横断する金属基板108の幅にわたって、金属基板108は、概して、エッジ部分(すなわち、移動方向101に延在する金属基板108の最外エッジ近くの部分)、および非エッジ部分(すなわち、エッジ部分間の部分)を有する。いくつかの実施例では、エッジ部分の厚さプロファイルは、テクスチャリング前の金属基板108の加工により、非エッジ部分とは異なってもよい。一般に、金属基板108の幅にわたる作業ロール圧力の変動を最小化する接触圧力分布を提供することにより、非エッジ部分のテクスチャの均一性が向上する。ただし、エッジ部分と非エッジ部分の厚さプロファイルが潜在的に異なるため、エッジ部分で必要な作業ロール圧力は、非エッジ部分で必要な作業ロール圧力とは異なって、金属基板108の幅にわたって均一なテクスチャを提供してもよい。したがって、テクスチャの均一性を向上させる接触圧力分布は、金属基板108のエッジ部分と非エッジ部分の両方での作業ロール圧力のニーズを考慮に入れなければならない。
【0024】
作業ロール104A〜Bは、概して、特定の真円度または円筒度を有する円筒形であり、鋼、黄銅、および他の様々な適切な材料などの様々な材料から構成される。作業ロール104A〜Bのそれぞれの真円度または円筒度は、作業ロール104A〜Bの幅に沿った複数の点に配置された様々なダイヤルゲージおよび/または他のインジケータを使用して決定されてもよい。各作業ロール104A〜Bは、作業ロール直径を有する。作業ロール直径は、約20mm〜約200mmとすることができる。各作業ロール104A〜Bの第1の端部から第2の端部までの距離は、作業ロール幅と称し、概して、加工中の金属基板108の移動方向101を横断する方向である。作業ロール104A〜Bは、作業ロール104A〜Bを駆動して作業ロール104A〜Bを回転させるためのモータまたは他の適切な装置によって駆動することができる。作業ロール104A〜Bは、作業ロールの幅に沿って加工中に金属基板108に圧力を加える。作業ロールによって生成される全体的な圧力は、作業ロール圧力と称する。作業ロール104A〜Bによって加えられる作業ロール圧力は、上述のように金属基板108の降伏強度よりも低い。例えば、作業ロール圧力は、約1MPa〜金属基板108のほぼ降伏強度であってもよい。
【0025】
作業ロールに沿った局所領域は、局所圧力を生成し、これは、作業ロールに沿った他の局所領域と同じまたは異なってもよい。したがって、圧力は、作業ロール幅に沿って変動し得る。接触圧力分布とは、金属基板108が作業ロール104A〜B間を通過する際に、基板の表面全体にかつ作業ロール104A〜Bの幅に沿って各作業ロール104A〜Bによって加えられる圧力の分布を指す。各作業ロール104A〜Bの接触圧力分布は、作業台102のベアリング116A〜Bに加えられた荷重プロファイルの結果として、それぞれの作業ロール104A〜Bの幅に沿った局所曲げの分布に基づいて計算されてもよい。接触圧力分布の計算は、材料の剛性および基板108を形成する金属または材料をさらに考慮する。
【0026】
以下で詳細に説明するように、金属基板108の厚さが実質的に一定のままで、金属基板108の加工中に様々な圧力パラメータを制御して、金属基板108の幅(エッジ部分と非エッジ部分の両方を含む)にわたる所望の接触圧力分布を達成し得る。
【0027】
様々な実施例では、作業ロール104A〜Bの一方または両方は、ロールの外面に沿って1つ以上のテクスチャを含む。テクスチャリング中に、金属基板108がギャップ106を通過する際に、1つ以上のテクスチャが金属基板108の表面110および112の一方または両方に少なくとも部分的に転写される。様々な実施例では、作業ロール104Aは、放電テクスチャリング(EDT)、電着テクスチャリング、電気融合コーティング、電子ビームテクスチャリング(EBT)、レーザビームテクスチャリング、および他の様々な適切な手法を含むがこれらに限定されない様々なテクスチャリング技術によりテクスチャリングされてもよい。金属基板108上の1つ以上のテクスチャは、様々な特性を有してもよい。例えば、1つ以上のテクスチャは、サイズ、形状、深さ、高さ、粗さ、分布、および/または濃度を有することができる。テクスチャの均一性とは、金属基板の長さと幅の一貫性のために所定の許容範囲内にある作業ロール104A〜Bによって金属基板108に転写されたテクスチャの特性の少なくとも1つを指し、概して接触圧力分布と相関する。
【0028】
テクスチャリング中、金属基板108は、作業ロール104A〜Bが回転する際に、ギャップ106を通過する。作業ロール104A〜Bは、テクスチャが作業ロール104A〜Bの少なくとも一方から金属基板108の表面110および112の少なくとも一方に転写されるように、金属基板108に作業ロール圧力を加える。様々な実施例では、金属基板108の幅にわたって作業ロール104A〜Bによって加えられる作業ロール圧力の量は、以下で詳細に説明するように、様々な圧力パラメータを最適化することにより制御されて、所望の接触圧力分布を提供してもよい。接触圧力分布を制御することにより、金属基板108のテクスチャの均一性(例えば、サイズ、深さ、高さ、形状、粗さ、分布、濃度などの一貫性)も制御することができる。
【0029】
様々な実施例では、作業ロール104A〜Bによって金属基板108に加えられる作業ロール圧力により、金属基板108の厚さを実質的に一定に保つことができる(例えば、金属基板108の厚さ全体は実質的に減少しない)。一実施例として、作業ロール104A〜Bによって加えられる作業ロール圧力は、金属基板108の厚さを約0%〜約1%の間に減少させてもよい。例えば、金属基板108がギャップ106を通過する際に、金属基板108の厚さは約0.5%未満だけ減少してもよい。
【0030】
より具体的には、作業ロール104A〜Bは、金属基板108の降伏強度を下回る作業ロール圧力を加え、これにより、金属基板108がギャップ106を通過する際に、金属基板108の厚さが実質的に減少する(例えば、1%を超えて減少する)のを防ぐことができる。基板の降伏強度とは、基板108の実質的に全体の厚さまたはゲージにわたって塑性変形が生じる強度または圧力の量(例えば、基板108の実質的に全体の厚さまたはゲージに実質的に永久的な変化を引き起こすことができる強度または圧力の量)。テクスチャリング中、金属基板の厚さが減少するのを防ぐために、金属基板108がギャップ106を通過する際に作業ロール104A〜Bが、金属基板108の降伏強度を下回る、金属基板108に作業ロール圧力を与えるような荷重が、作業ロール104A〜Bに与えられる。作業ロール104A〜Bによって金属基板108に加えられる作業ロール圧力は、金属基板108の降伏強度を下回るため、金属基板108の厚さは、実質的に一定のままである(例えば、金属基板108の厚さは実質的に一定のままであり、金属基板108の厚さに実質的に減少はない)。
【0031】
作業ロール104A〜Bによって加えられる作業ロール圧力は金属基板の降伏強度を下回るが、作業ロール104A〜Bのテクスチャは、金属基板が作業ロール104A〜B間を通過する際に、作業ロール104A〜Bによって加えられる圧力が金属基板108の降伏強度を超える金属基板108の表面に局所領域を作成するトポグラフィを有してもよい。換言すれば、作業ロールは、これらの局所領域での金属基板108の降伏強度を克服するのに十分高い凹凸接触で局所圧力を生成することができる。これらの局所領域では、テクスチャによって生成される圧力が金属基板の降伏強度よりも大きいため、テクスチャは、金属基板108の表面に部分的な塑性変形の局所領域を作成し、金属基板108の残りの部分を変形させない(例えば、テクスチャは、金属基板108の厚さが金属基板108の残りの部分に沿って実質的に一定のままで金属基板108の表面110および/または112の特定の場所で塑性変形を引き起こす)。したがって、いくつかの実施例では、作業ロール104A〜Bを使用して、金属基板108の厚さを変えることなく(例えば、金属基板108全体の厚さを減らすことなく)、金属基板108の表面110および/または112に塑性変形の局所領域を生じさせることができる。様々な実施例では、テクスチャリングプロセスの結果としての金属基板の幅にわたる厚さの変動は、テクスチャが与えられた後、約1%未満である。様々な実施例では、テクスチャリングプロセスとコイルツーコイルプロセス中の圧延との両方の結果としての金属基板の幅にわたる厚さの変動は、約2%未満である。
【0032】
いくつかの実施例では、作業ロール104A〜Bによって加えられる作業ロール圧力は、金属基板108がギャップ106を通過する際に金属基板の長さが実質的に一定のままであるようなものである(例えば、金属基板108の長さの伸びまたは増加が実質的にない)。一実施例として、作業ロール104A〜Bによって加えられる作業ロール圧力は、金属基板108の長さを約0%〜約1%の間で増加させてもよい。例えば、金属基板108がギャップ106を通過する際に、金属基板108の長さは約0.5%未満だけ増加してもよい。
【0033】
図1〜3に示すように、上部作業ロール104Aは、上部中間ロール114Aによって支持され、下部作業ロール104Bは、下部中間ロール114Bによって支持される。2つの上部中間ロール114Aおよび2つの下部中間ロール114Bが図示されているが、各作業ロール104A〜Bを支持する上部中間ロール114Aおよび下部中間ロール114Bの数は変えてもよい。様々な実施例では、中間ロール114A〜Bは、金属基板108がギャップ106を通過する際に作業ロール104A〜Bが分離するのを防ぐのに役立つように提供される。中間ロール114A〜Bはさらに、作業ロール104A〜Bが金属基板108に作業ロール圧力を加えるように、ベアリング116A〜Bから作業ロール104A〜Bにそれぞれベアリング荷重を伝達するために設けられる。
【0034】
作業ロール104と同様に、中間ロール114A〜Bは、一般に、特定の真円度または円筒度を有する円筒形である。中間ロール114A〜Bのそれぞれの真円度または円筒度は、中間ロール114A〜Bの幅に沿った複数の点に配置された様々なダイヤルゲージおよび/または他のインジケータを使用して決定されてもよい。中間ロール114A〜Bは、鋼、黄銅、および様々な他の適切な材料などの様々な材料から構成されてもよい。各中間ロール114A〜Bは、中間ロール直径を画定する。中間ロール直径は、約20mm〜約300mmとすることができる。いくつかの実施例では、中間ロール直径は、作業ロール直径よりも大きいが、そうである必要はない。
【0035】
図1〜3に示すように、台102は、複数のベアリング116A〜Bも含む。上部ベアリング116Aは、上部中間ロール114Aに沿って設けられ、上部中間ロール114Aにベアリング荷重を加え、これにより、上部作業ロール104Aが金属基板108の表面110に作業ロール圧力を加えるように荷重を上部作業ロール104Aに伝達するように構成されている。同様に、下部ベアリング116Bは、下部中間ロール114Bに沿って設けられ、下部中間ロール114Bにベアリング荷重を加え、これにより、下部作業ロール104Bが金属基板108の表面112に作業ロール圧力を加えるように荷重を下部作業ロール104Bに伝達するように構成されている。例えば、様々な場合において、金属基板108が移動方向101に水平方向に移動するとき、ベアリング116A〜Bは垂直ベアリング荷重を加える。いくつかの実施例では、ベアリング荷重は、約2kgf〜約20,000kgfである。いくつかの実施例では、ベアリング116A〜Bのうちの少なくともいくつかは、作業ロール104A〜Bの幅に沿った離散位置での局所圧力を独立して制御できるように、それぞれの作業ロール104A〜Bに対して独立して調整可能である。他の実施例では、2つ以上のベアリング116A〜Bを一緒に調整してもよい。
【0036】
場合によっては、テクスチャリング中に、上部作業ロール104Aは、矢印103で概して示される方向に作動し、下部作業ロール104Bは、矢印105で概して示される方向に作動してもよい。そのような実施例では、作業ロールは、金属基板108の上面110と下面112の両方に対して作動する。しかしながら、他の実施例では、台102の片側のみ/作業ロール104A〜Bの一方のみが作動されてもよく、矢印103によって示される作動または矢印105によって示される作動は省略されてもよい。そのような実施例では、テクスチャリング中、作業ロール104A〜Bの一方が作動しないように、片側のベアリングを凍結および/または完全に省略してもよい(すなわち、金属基板上の作動は、金属基板の片側からのみである)。例えば、場合によっては、下部ベアリング116Bは、下部作業ロール104Bが凍結されるように(および矢印105によって示される方向に作動されないように)凍結されてもよい。他の実施例では、下部作業ロール104Bが凍結されるように、下部ベアリング116Bを省略してもよい。
【0037】
各ベアリング116A〜Bは、ほぼ円筒形であり、工具鋼および/または他の様々な適切な材料から構成されてもよい。各ベアリング116A〜Bもベアリング直径を有する。いくつかの実施例では、ベアリング直径は、作業ロール直径よりも大きいが、そうである必要はない。
図3を参照すると、各ベアリング116A〜Bは、第1のエッジ118と、第1のエッジ118に対向する第2のエッジ120と、を含む。第1のエッジ118から第2のエッジ120までの距離は、ベアリング幅119と称する。いくつかの実施例では、ベアリング幅119は、約55mm〜約110mmである。非限定的な一実施例では、ベアリング幅119は、約100mmである。いくつかの実施例では、各ベアリング116A〜Bは、ベアリング幅119にわたってクラウン(crown)または面取り(chamfer)を伴うプロファイルを有し、クラウンは、一般に、中心線とベアリングのエッジ118、120との間の直径の差を指す(例えば、ベアリングは、バレル形状である)。クラウンまたは面取りは、高さが約0μm〜約50μmであってもよい。非限定的な一実施例では、クラウンは約30μmである。別の非限定的な実施例では、クラウンは約20μmである。
【0038】
複数のベアリング116A〜Bが提供されるいくつかの実施例では、ベアリング116A〜Bは、1つ以上の列に配置されてもよい。しかしながら、ベアリング116A〜Bの数または構成は、本開示を限定するものと見なされるべきではない。
図2および3を参照すると、ベアリング116A〜Bの各列内で、隣接するベアリング116A〜Bは、隣接するベアリング116A〜Bの隣接する端部間の距離であるベアリング間隔121だけ離間している。様々な実施例では、ベアリング間隔121は、約1mm〜各ベアリングのほぼ幅である。特定の態様では、ベアリング116A〜Bの密度、または作業ロール104A〜Bの特定の部分に作用するいくつかのベアリングは、作業ロール104A〜Bに沿って変化してもよい。例えば、場合によっては、作業ロール104A〜Bのエッジ領域のベアリング116A〜Bの数は、作業ロール104A〜Bの中央領域のベアリング116A〜Bの数と異なってもよい。
【0039】
様々な実施例では、ベアリング荷重を制御するために垂直方向に調整可能であることに加えて、ベアリング116A〜Bは、それぞれの作業ロール104A〜Bに対して横方向に調整可能であってもよい。つまり、それぞれの作業ロール104A〜Bの幅に沿ってベアリング116A〜Bの位置を調整してもよい。例えば、ベアリング116A〜Bが少なくとも1つの列に配置される実施例では、その列は、ベアリング116A〜Bの列の最外ベアリング116A〜Bである2つのエッジベアリング117を含む。いくつかの実施例では、少なくともエッジベアリング117は、横方向に調整可能である。
【0040】
いくつかの実施例では、ベアリング116A〜Bの特性は、作業ロールの幅に沿った特定のベアリング116A〜Bの所望の位置に応じて調整または制御されてもよい。1つの非限定的な実施例として、作業ロールのエッジに近接するベアリング116A〜Bのクラウンまたは面取りは、作業ロールの中心に向かうベアリング116A〜Bのクラウンまたは面取りとは異なってもよい。他の態様では、直径、幅、間隔などを制御または調整して、ベアリング116A〜Bの特定の特性が場所に応じて同じまたは異なるようにしてもよい。いくつかの態様では、作業ロールの中央領域のベアリングと比較して作業ロールのエッジ領域で異なる特性を有するベアリングは、テクスチャリング中に均一な圧力または他の所望の圧力プロファイルをさらに可能にし得る。例えば、場合によっては、ベアリングを制御して、金属基板108の平坦性および/またはテクスチャを意図的に変更してもよい。いくつかの実施例として、ベアリング116A〜Bを制御して、意図的にエッジ波を作成し、より薄いエッジを作成するなどしてもよい。他の様々なプロファイルを作成してもよい。
【0041】
ミル100は、金属基板108上の作業ロール104A〜Bの接触圧力分布に影響を及ぼす様々な圧力パラメータを含む。これらの圧力パラメータは、これらに限定されないが、作業ロール104A〜Bおよび/または中間ロール114A〜Bの円筒度、作業ロール直径、中間ロール直径、ベアリング直径、ベアリング幅119、ベアリングクラウン、ベアリング間隔121、ベアリング荷重、ベアリング荷重分布(すなわち、適用荷重プロファイルまたはロール幅に沿ったベアリング荷重の分布)、および金属基板108のエッジに対するエッジベアリング117の位置、を含む。これらの圧力パラメータのいくつかは、制御システム122のコントローラを介して調整および制御されてもよく、および/またはミル100のオペレータまたはユーザによって調整および制御されてもよい。様々な実施例では、圧力パラメータは、新たなミル100での設置のために選択および事前決定されてもよい。他の実施例では、圧力パラメータは、既存のミル100を改造するために調整および制御されてもよい。
【0042】
様々な実施例では、作業ロール104A〜Bおよび/または中間ロール114A〜Bの真円度または円筒度は、所定の真円度または円筒度の作業ロール104A〜Bおよび/または中間ロール114A〜Bを選択することにより、またはミル100に既に設置されている作業ロール104A〜Bおよび/または中間ロール114A〜Bを取り外してそれらを異なる所定の真円度または円筒度を有する交換作業ロール104A〜Bおよび/または交換中間ロール114A〜Bと交換することにより、調整されてもよい。交換ロールは、システムのニーズに応じて、より丸まってよくまたはより丸まっていなくて、所望の接触圧力分布を提供してもよい。上述のように、各ロールの真円度または円筒度は、それぞれのロールの幅に沿った複数の点に配置された様々なダイヤルゲージおよび/または他のインジケータを使用して決定されてもよい。様々な実施例では、ロールの真円度または円筒度は、円筒度の変動がロールの幅に沿って約10μm未満になるように調整される(すなわち、ロールの幅に沿った約0μm〜約10μmの変動)。
【0043】
いくつかの実施例では、作業ロール直径、中間ロール直径、および/またはベアリング直径は、所定の直径の作業ロール104A〜B、中間ロール114A〜B、および/またはベアリング116A〜Bを選択するか、または作業ロール104A〜B、中間ロール114A〜B、および/またはミル100にすでに設置されているベアリング116A〜Bを取り外して交換作業ロール104A〜B、交換中間ロール114A〜B、および/または異なる所定の直径を有する交換ベアリング116A〜Bと交換することにより、調整されてもよい。交換作業ロール104A〜B、交換中間ロール114A〜B、および/または交換ベアリング116A〜Bは、システムのニーズに応じて、直径を増減させて所望の接触圧力分布を提供してもよい。例えば、場合によっては、作業ロール直径、中間ロール直径、および/またはベアリング直径を1.5分の1だけ減少させて、接触圧力分布の変動を減少させてもよい。他の実施例では、作業ロール直径、中間ロール直径、および/またはベアリング直径を2倍だけ増加させて、接触圧力分布の変動を減少させる。様々な実施例では、直径が増加するにつれて、接触圧力分布の圧力変動は減少するが、金属基板108上の離散位置(すなわち、異なる局所圧力)での作業ロール圧力を制御する能力も低下し、したがってエッジ効果が増大する。
【0044】
様々な場合において、ベアリング幅119およびベアリング間隔121は、所定のベアリング幅119のベアリング116A〜Bを選択してそれらを所定のベアリング間隔で配置することにより、および/またはミル100に既に設置されたベアリング116A〜Bを取り外してそれらを異なる所定のベアリング幅119および/または異なる所定のベアリング間隔121を有する交換ベアリング116A〜Bと交換することにより調整されてもよい。場合によっては、交換ベアリング116A〜Bの幅を増加または減少させてもよい。いくつかの実施例では、所定のベアリング幅119は、約20mm〜約400mmである。例えば、場合によっては、ベアリング幅119は、約55mm〜約110mmである。様々な実施例では、所定のベアリング幅119は、約100mmである。ベアリング幅119は、システムのニーズに応じて増減させて所望の接触圧力分布を提供してもよい。例えば、場合によっては、金属基板108の幅にわたるおよびエッジでのテクスチャの均一性を低下させるのを助けるために、ベアリング幅119を増加させてもよい。他の実施例では、金属基板108の幅にわたるおよびエッジでのテクスチャの均一性を高めるのを助けるために、ベアリング幅119を減少させてもよい。
【0045】
様々な実施例では、交換ベアリング116A〜Bは、中間ロール114A〜Bに対するベアリング116A〜Bの横方向位置が維持されるように設置される。交換ベアリング116A〜Bが増加したベアリング幅119を有する場合、隣接するベアリング116A〜B間のベアリング間隔121を減少させてもよい。いくつかの実施例では、所定のベアリング間隔121は、約34mmの最小ベアリング間隔121である。逆に、交換ベアリング116A〜Bが減少したベアリング幅119を有する場合、隣接するベアリング116A〜B間のベアリング間隔121を増加させてもよい。他の実施例では、交換ベアリング116A〜Bは、中間ロール114A〜Bに対するベアリング116A〜Bの位置が横方向に調整されるように設置される。例えば、交換ベアリング116A〜Bは、ベアリング間隔121を増加または減少させるように配置してもよい。いくつかの実施例では、所定のベアリング間隔121は、約34mmの最小ベアリング間隔121である。他の実施例では、ベアリング間隔121は、約1mm〜ベアリングのほぼ幅である。様々な場合において、ベアリング間隔121を調整することは、中間ロール114A〜Bに沿ったそれぞれ同じ数の一列のベアリング116A〜Bを維持することを含む。いくつかのさらなる実施例では、ベアリング間隔121を増加させることは、中間ロール114A〜Bに沿ったそれぞれ一列のベアリング116A〜Bの数を減少させることをさらに含んでもよい。逆に、他の任意選択的な実施例では、ベアリング間隔121を減少させることは、中間ロール114A〜Bに沿ったそれぞれ一列のベアリング116A〜Bの数を増加させることをさらに含んでもよい。様々な実施例では、より小さい幅119および/または減少したベアリング間隔121を有するベアリングは、接触圧力分布の圧力変動を減少させ、基板エッジでの作業ロール圧力およびテクスチャの均一性を向上させるのに役立ち得る。
【0046】
ベアリング116A〜Bのクラウンは、所定のクラウンを有するベアリング116A〜Bを選択するか、またはミル100にすでに取り付けられているベアリング116A〜Bを取り外して異なる所定のクラウンを有する交換ベアリング116A〜Bと交換することにより調整されてもよい。例えば、接触圧力分布の圧力変動を増加させるために、増加したクラウンを有するベアリング116A〜Bが提供されてもよい。接触圧力分布の圧力変動を減少させるために、減少したクラウンを有するベアリング116A〜Bが提供されてもよい。様々な実施例では、所定のベアリングクラウンは、約0μm〜約50μmである。
【0047】
ベアリング荷重は、ベアリング荷重プロファイル(すなわち、作業ロール104A〜Bの幅に沿ったベアリング荷重の分布)、つまり作業ロール圧力が局所領域で調整されるように(すなわち、特定の領域での局所圧力が調整されるように)、それぞれの作業ロール104A〜Bに対して1つ以上のベアリング116A〜Bを垂直方向に調整することにより調整されてもよい。いくつかの実施例では、作業ロール104A〜Bに対するベアリング116A〜Bの垂直位置は、それぞれコントローラを介して制御されてもよい。他の実施例では、オペレータが、ベアリング116A〜Bの垂直位置を制御してもよい。いくつかの実施例では、ベアリング116A〜Bまたはベアリング116A〜Bのサブセットが、それぞれの作業ロール104A〜Bから離れるように垂直方向に調整されて、ベアリング荷重を減少させ、したがって局所領域での金属基板108への作業ロール圧力を減少させる(すなわち、特定の領域での局所圧力が低下する)。他の実施例では、ベアリング116A〜Bまたはベアリング116A〜Bのサブセットが、それぞれの作業ロール104A〜Bに向かって垂直方向に調整されて、ベアリング荷重を増加させ、したがって局所領域での金属基板108への作業ロール圧力を増加させる(すなわち、特定の領域での局所圧力が増加する)。ベアリング116A〜Bまたはベアリング116A〜Bのサブセットは、各ベアリング116A〜Bの荷重が約2kgf〜約20,000kgfになるように調整されてもよい。非限定的な一実施例として、各ベアリング116A〜Bの荷重は、約300kgf〜約660kgfであってもよい。いくつかの実施例では、ベアリング116A〜Bまたはベアリング116A〜Bのサブセットは、1つ以上の局所領域での作業ロール圧力が約610kgfになるように調整される。様々な実施例では、各ベアリング116A〜Bの荷重は、ベアリングの寸法、基板108の硬度、および/または所望のテクスチャに依存してもよい。
【0048】
上述のように、ベアリング116A〜Bのそれぞれは個別に調整されてもよく、ベアリング116A〜Bの組は一緒に調整されてもよい。例えば、場合によっては、ベアリング116A〜Bを垂直方向に調整することは、ベアリング116A〜Bの全てを垂直方向に調整することを含む。他の実施例では、各ベアリング116A〜Bは個別に調整される。例えば、場合によっては、エッジベアリング117は、金属基板108のエッジに対して垂直に調整されて、金属基板108のエッジ部分での局所圧力を調整する。エッジベアリング117の垂直調整は、金属基板108の非エッジ部分に間接的に荷重を加える他のベアリング116A〜Bの垂直調整とは異なってもよい。エッジベアリング117を垂直に調整することは、エッジベアリング117を作業ロール104A〜Bに向かって垂直方向に移動させて、金属基板108のエッジ部分での局所圧力を増加させることを含んでもよい。エッジベアリング117を垂直に調整することは、エッジベアリング117を作業ロール104A〜Bから離れて垂直方向に移動させて、金属基板108のエッジ部分での局所圧力を減少させることも含んでもよい。
【0049】
金属基板108のエッジに対するエッジベアリング117の横方向位置も、コントローラまたはオペレータを介して調整してもよい。驚くべきことに、エッジベアリング117の第1のエッジ118および第2のエッジ120に対する金属基板108のエッジ部分の位置を制御することにより、エッジ効果を制御できることがわかった。いくつかの実施例では、エッジベアリング117は、金属基板108のエッジが第1のエッジ118と、第1のエッジ118と第2のエッジ120との間の中間位置と、の間にあるように横方向に調整される。他の実施例では、エッジベアリング117は、金属基板108のエッジが第2のエッジ120と、第1のエッジ118と第2のエッジ120との間の中間位置と、の間にあるように横方向に調整される。様々な実施例では、エッジベアリング117は、金属基板108のエッジが第2のエッジ120から横方向外側にあるように横方向に調整される(すなわち、金属基板108の少なくとも一部がエッジベアリング117を越えて延在する)。
【0050】
ミル100の上記の圧力パラメータの1つ以上を調整することにより、金属基板108上の作業ロール104A〜Bの所望の接触圧力分布を提供して、向上しテクスチャ一貫性を有する金属基板108、または金属基板108の表面全体および幅にわたる均一なテクスチャをもたらすことができる。いくつかの実施例では、圧力パラメータは、金属基板108の厚さが実質的に一定のままであるように調整および制御される。様々な実施例では、1つ以上の圧力パラメータは、圧力変動を最小化しかつテクスチャリング中に生じる金属基板108のエッジ効果を低減させる所望の接触圧力分布を提供するように制御される。
【0051】
いくつかの実施例では、制御システム122は、任意の適切な処理デバイスであり得るコントローラ(図示せず)、および1つ以上のセンサ124を含む。
図1に示すセンサ124の数および位置は、例示のみを目的としており、必要に応じて変更することができる。センサ124は、圧延ミル100および/または台加工条件を監視するように構成されている。例えば、場合によっては、センサ124は、金属基板108上の作業ロール104A〜Bの接触圧力分布を監視する。検出された接触圧力分布に応じて、1つ以上の圧力パラメータが調整されて(コントローラおよび/またはミルオペレータなどを介して)、所望の接触圧力分布を提供する。いくつかの実施例では、1つ以上の圧力パラメータは、金属基板108の厚さを変えることなく圧力変動およびエッジ効果が最小化されるように調整される。いくつかの実施例では、1つ以上の圧力パラメータは、金属基板108のより均一なテクスチャが達成されるように調整される。
【0052】
様々な実施例では、金属基板108にテクスチャを与える方法は、金属基板108をギャップ106に通過させることを含む。金属基板108がギャップ106を通過するとき、作業ロール104A〜Bは、金属基板の厚さを実質的に一定のままにしつつ、1つ以上の作業ロール104A〜Bのテクスチャが金属基板108に転写されるように、金属基板108の幅にわたって金属基板108の上面110および下面112に作業ロール圧力を加える。いくつかの実施例では、この方法は、少なくとも1つのセンサ124で金属基板108の幅にわたる接触圧力分布を測定することと、制御システム122の処理デバイスでセンサからデータを受信することと、を含む。様々な実施例では、この方法は、金属基板108の幅にわたって作業ロール104A〜Bによって加えられる作業ロール圧力が金属基板108の幅にわたって所望の接触圧力分布を提供して、金属基板108の厚さが実質的に一定のままであるように、ミル100の少なくとも1つの圧力パラメータを維持または調整することを含む。
【0053】
いくつかの実施例では、圧力パラメータのうちの少なくとも1つが調整されて、金属基板108の表面全体および幅にわたる接触圧力分布の圧力変動が特定のパーセンテージ未満になるように調整される。例えば、場合によっては、圧力パラメータの少なくとも1つが、金属基板108の幅にわたる接触圧力分布の圧力変動が約25%未満になるように調整される。他の場合、圧力パラメータのうちの少なくとも1つが、金属基板108の幅にわたる接触圧力分布の圧力変動が約13%未満になるように調整される。さらなる実施例では、圧力パラメータのうちの少なくとも1つが、金属基板108の幅にわたる接触圧力分布の圧力変動が約8%未満になるように調整される。金属基板108の幅にわたる接触圧力分布の変動を低減することにより、金属基板108に転写されるテクスチャは、より大きな変動を有する接触圧力分布の下で与えられるテクスチャと比較して、少なくとも1つのテクスチャ特性に関してより均一である。
【0054】
上述の1つ以上の圧力パラメータを調整して、金属基板108の厚さを実質的に一定のままにしつつ、圧力変動を最小限に抑えかつ加工からの金属基板108のエッジ効果を低減する所望の接触圧力分布を提供して、金属基板108に沿ってより均一なテクスチャを提供してもよい。非限定的な一実施例として、所望の接触圧力分布を提供するために、この方法は、作業ロール直径および/または中間ロール直径を増加させることと、ベアリング間隔121を最小ベアリング間隔121に減少させることと、金属基板108のエッジがエッジベアリング117の第2のエッジ120を超えて延在するようにエッジベアリング117を配置することと、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。別の非限定的な実施例として、所望の接触圧力分布を提供するために、適用される荷重プロファイル(すなわち、ロール構成の幅に沿ったベアリング全体の荷重の分布)が調整されて、基板108の幅にわたる所望の作業ロール圧力およびテクスチャを得る。
【0055】
図4〜6は、接触圧力分布に対する2つの例示的な圧力パラメータ(金属基板108のエッジに対するエッジベアリング117のロール直径および位置)を調整する効果の実施例を示す。
図4〜6のそれぞれにおいて、線402は、金属基板108のエッジが第1のエッジ118と、第1のエッジ118と第2のエッジ120との間の中間位置と、の間にある金属基板の圧力分布を表す。
図4〜6のそれぞれにおける線404は、金属基板108のエッジが第2のエッジ120と、第1のエッジ118と第2のエッジ120との間の中間位置と、の間にある金属基板の圧力分布を表す。
図4〜6のそれぞれにおける線404は、金属基板108のエッジが第2のエッジ120から外側に延在する金属基板の圧力分布を表す。
【0056】
図4〜6の全てにおける線402について、8つのベアリングが示されている。ベアリング1〜6について、各ベアリングによって加えられる局所圧力は、610kgfであった。ベアリング7について、加えられる局所圧力は、610/4kgfであった。ベアリング8は、y方向に固定されており、これは、局所圧力が加えられていないことを意味する。
【0057】
図4〜6の全てにおける線404について、8つのベアリングが示されている。ベアリング1〜6について、各ベアリングによって加えられる局所圧力は、610kgfであった。ベアリング7について、加えられる局所圧力は、610/2kgfであった。ベアリング8は、y方向に固定されており、これは、局所圧力が加えられていないことを意味する。
【0058】
図4〜6の全てにおける線406について、8つのベアリングが示されている。ベアリング1〜7について、各ベアリングによって加えられる局所圧力は、610kgfであった。ベアリング8は、y方向に固定されており、これは、局所圧力が加えられていないことを意味する。
【0059】
図4では、各金属基板に作業ロール圧力を加える作業ロール直径は同じである。
図5では、作業ロール直径は、
図4の作業ロール直径に対して1.5倍に増加している。
図6では、作業ロール直径は、
図4の作業ロール直径に対して2倍に増加している。
【0060】
一般に、線402、404、または406のいずれかについて、
図4は、接触圧力分布の増加した変動ならびに増大したエッジ効果(例えば、ベアリング7から始まる圧力変動によって表される)を示す。線402、404、または406のいずれについても、
図6は圧力変動の最良の制御を示している(すなわち、接触圧力分布の変動が最小化されている)が、エッジ効果は増大している。
図4〜6のうち、線402、404、または406のいずれについても、
図5は、接触圧力分布におけるエッジ効果を低減しつつ、最小化された圧力変動の最良の組み合わせを示す。
【0061】
したがって、開示されたシステムを使用して、エッジ効果を低減しつつ圧力変動を最小化する接触圧力分布を生成するために1つ以上の圧力パラメータを調整することにより、金属基板上のより均一なテクスチャを達成することができる。圧力パラメータを最適化して所望の接触圧力分布を生成することにより、向上したテクスチャ均一性を有する金属基板を生成してもよい。
【0062】
いくつかの例では、作業台の片側のみが作動するように(すなわち、台が方向103のみ、または方向105のみで作動するように)作業台の片側を凍結してもよい。そのような例では、下部作業ロール104Bの垂直位置は一定であり、固定されており、および/または金属基板に対して垂直方向に移動しない。
【0063】
台の上側と下側の両方にベアリングが含まれるいくつかの態様では、それらが作動しないように一組のベアリングを制御することにより、作業台の片側を凍結してもよい。例えば、場合によっては、下部作業ロール104Bが方向105に作動しないように、下部ベアリング116Bを凍結してもよい。他の実施例では、下部作業ロール104Bが凍結されるように、下部ベアリング116Bを省略してもよい。他の実施例では、台の片側が凍結されるように、様々な他の機構を利用してもよい。例えば、
図7および8は、片側が凍結されている作業台の追加の実施例を示し、
図9および10は、片側が凍結されている作業台のさらなる実施例を示す。作業台の片側を凍結しつつ、作業台の凍結した側に必要な支持を提供するための様々な他の適切な機構および/またはロール構成を利用してもよい。
【0064】
図7および8は、作業台702の別の実施例を示す。作業台702は、作業台702が下部ベアリング116Bの代わりに固定バックアップロール725を含むことを除いて、作業台102と実質的に同様である。この実施例では、固定バックアップロール725は、垂直方向に作動せず、したがって、作業台702は、方向103にのみ作動する。任意選択で、バックアップロール725は、所望に応じて台723または他の適切な支持体で支持される。任意選択で、台723は、バックアップロール725に沿った1つ以上の位置で各バックアップロール725を支持する。
図7および8の実施例では、3つのバックアップロール725が設けられている。しかしながら、他の例では、任意の所望の数のバックアップロール725を設けてもよい。これらの実施例では、バックアップロール725が垂直方向に固定されているため、下部作業ロール104Bは凍結され、これは、下部作業ロール104bは一定であり、固定されており、および/または金属基板に対して垂直に移動しないことを意味する。そのような実施例では、テクスチャリング中の台702の作動は、台702の片側からのみである(すなわち、作動は、上部作業ロール104Aを備えた台の上側からのみである)。
【0065】
図9および10は、作業台902の別の実施例を示す。作業台902は、中間ロールおよびアクチュエータが省略され、下部作業ロール104Bの直径が上部作業ロール104Aの直径よりも大きいことを除いて、作業台102と実質的に同様である。この実施例では、作業台1202は、方向103にのみ作動する。いくつかの態様では、直径がより大きな下部作業ロール104Bは、テクスチャリング中に金属基板108の所望のプロファイルが作成されるように、作動に対して必要な支持を提供する。他の実施例では、中間ロールおよび/または様々な他の支持ロールに下部作業ロール104Bを設けてもよいことが理解されよう。さらなる実施例では、下部作業ロール104Bは、上部作業ロール104Aと同様の直径を有してもよく、作業台は、任意の所望の数の中間ロールおよび/または支持ロールをさらに含んで、片側が凍結されたときに下部作業ロール104Bに必要な支持を提供する。
【0066】
「EC」(実施例の組み合わせ)として少なくともいくつかの明示的に列挙されたものを含む例示的な実施形態の集合は、本明細書に記載の概念に従った様々な実施形態のタイプに関する追加の説明を提供する。これらの実施例は、相互に排他的、包括的、または限定的であることを意味しておらず、本発明は、これらの例示的な実施形態に限定されず、むしろ、発行された特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内の全ての可能な修正および変形を包含する。
【0067】
EC1.基板にテクスチャを与える方法であって、コイルツーコイルプロセスの作業台で基板にテクスチャを与えることであって、作業台が、上部作業ロールと、上部作業ロールと垂直方向に整列した下部作業ロールと、を備え、上部作業ロールと下部作業ロールのうちの少なくとも1つが、テクスチャを含み、テクスチャを与えることが、上部作業ロールによって基板の上面に第1の作業ロール圧力を加えることと、下部作業ロールによって基板の下面に第2の作業ロール圧力を加えることと、を含む、テクスチャを与えることと、センサを用いて、基板の幅にわたる第1の作業ロール圧力と第2の作業ロール圧力のうちの少なくとも1つの接触圧力分布を測定することと、センサから処理デバイスでデータを受信することと、作業台が基板の幅にわたる所望の接触圧力分布を提供し、テクスチャが与えられた後に基板の厚さが実質的に一定のままであるように、作業台の接触圧力パラメータを調整することと、を含む方法。
【0068】
EC2.接触圧力パラメータを調整することが、基板上のテクスチャの少なくとも1つの特性を調整する、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0069】
EC3.少なくとも1つの特性が、テクスチャの高さ、テクスチャの深さ、テクスチャの形状、テクスチャのサイズ、テクスチャの分布、テクスチャの粗さ、またはテクスチャの濃度を含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0070】
EC4.接触圧力パラメータを調整することが、25%未満の基板の幅にわたる接触圧力変動を有する所望の接触圧力分布を提供することを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0071】
EC5.基板の幅にわたる接触圧力変動が13%未満である、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0072】
EC6.基板の幅にわたる接触圧力変動が8%未満である、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0073】
EC7.接触圧力パラメータを調整することが、円筒度の変動が10μm未満になるように作業ロールの円筒度を調整することを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0074】
EC8.作業台が、上部作業ロールを支持する上部中間ロールと、下部作業ロールを支持する下部中間ロールと、をさらに備える、先行の後続の実施例のいずれかの方法。
【0075】
EC9.接触圧力パラメータを調整することが、円筒度の変動が10μm未満になるように中間ロールの円筒度を調整することを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0076】
EC10.作業ロールが、作業ロール直径を有し、中間ロールが、中間ロール直径を有し、接触圧力パラメータを調整することが、作業ロール直径および中間ロール直径のうちの少なくとも1つを調整することを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0077】
EC11.作業ロール直径が、約20mm〜約200mmであり、中間ロール直径が、約20mm〜約300mmである、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0078】
EC12.接触圧力パラメータを調整することが、作業ロール直径および中間ロール直径のうちの少なくとも1つを1.5倍増加させることを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0079】
EC13.接触圧力パラメータを調整することが、作業ロール直径および中間ロール直径のうちの少なくとも1つを2倍増加させることを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0080】
EC14.上部中間ロールが、第1の上部中間ロールであり、下部中間ロールが、第1の下部中間ロールであり、作業台が、上部作業ロールを支持する第2の上部中間ロールと、下部作業ロールを支持する第2の下部中間ロールと、をさらに備える、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0081】
EC15.作業台が、上部中間ロールに沿った一組の上部ベアリングであって、上部中間ロールにより上部作業ロールが基板に第1の作業ロール圧力を加えるように、各上部ベアリングが、上部中間ロールにベアリング荷重を加える、一組の上部ベアリングと、下部中間ロールに沿った一組の下部ベアリングであって、下部中間ロールにより下部作業ロールが基板に第2の作業ロール圧力を加えるように、各下部ベアリングが、下部中間ロールにベアリング荷重を加える、一組の下部ベアリングと、をさらに備える、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0082】
EC16.一組の上部ベアリングが、少なくとも2列の上部ベアリングを備え、一組の下部ベアリングが、少なくとも2列の下部ベアリングを備える、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0083】
EC17.接触圧力パラメータを調整することが、隣接する上部ベアリング間の間隔を調整することを含む、先行のするまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0084】
EC18.間隔を調整することが、隣接する上部ベアリングに対する上部ベアリングのうちの少なくとも1つの横方向位置を変えることにより、隣接する上部ベアリング間の間隔を減少させることを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0085】
EC19.間隔を減少させることが、間隔を約1mmの最小間隔まで減少させることを含む、先行のするまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0086】
EC20.間隔を減少させることが、上部中間ロールに沿って上部ベアリングの数を増加させることを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0087】
EC21.接触圧力パラメータを調整することが、一組の上部ベアリングのうちの少なくとも1つの上部ベアリングのベアリング寸法を調整することを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0088】
EC22.ベアリング寸法を調整することが、ベアリング幅またはベアリング直径のうちの少なくとも1つを変更することを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0089】
EC23.ベアリング幅が、約20mm〜約400mmであり、ベアリング直径が、約20mm〜約400mmである、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0090】
EC24.ベアリング幅が、約100mmである、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0091】
EC25.ベアリング寸法を調整することが、上部ベアリングの横方向位置を維持しながらベアリング幅を増加させることを含み、ベアリング幅を増加させることが、隣接する上部ベアリング間の間隔を減少させる、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0092】
EC26.ベアリング幅を増加させることが、上部中間ロールに沿って上部ベアリングの数を減少させることを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0093】
EC27.接触圧力パラメータを調整することが、上部ベアリングまたは下部ベアリングのそれぞれのクラウン高さまたは面取り高さを約50μm未満に低減させることを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0094】
EC28.接触圧力パラメータを調整することが、上部ベアリングまたは下部ベアリングのそれぞれのクラウン高さまたは面取り高さを約20μmに減少させることを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0095】
EC29.上部ベアリングのそれぞれが、上部中間ロールに対して個別に調整可能であり、接触圧力パラメータを調整することが、上部ベアリングのうちの少なくとも1つによって上部中間ロールに加えられるベアリング荷重を増加させることを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0096】
EC30.接触圧力パラメータを調整することが、上部ベアリングの全てによって上部中間ロールに加えられるベアリング荷重を増加させることを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0097】
EC31.一組の上部ベアリングが、内側端部および外側端部を有する最外上部ベアリングを備え、接触圧力パラメータを調整することが、最外上部ベアリングを基板のエッジに対して調整することを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0098】
EC32.最外上部ベアリングを調整することが、基板のエッジが最外上部ベアリングの内側端部と中間位置との間にあるように最外上部ベアリングを移動させることであって、中間位置が外側端部と内側端部の間にある、移動させること、を含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0099】
EC33.最外上部ベアリングを調整することが、基板のエッジが最外上部ベアリングの外側端部と中間位置との間にあるように最外上部ベアリングを移動させることであって、中間位置が外側端部と内側端部の間にある、移動させること、を含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0100】
EC34.最外上部ベアリングを調整することが、基板のエッジが最外上部ベアリングの外側端部から軸方向外側に延在するように最外上部ベアリングを移動させることを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0101】
EC35.最外上部ベアリングを調整することが、最外上部ベアリングによって上部中間ロールに加えられるベアリング荷重を増加させて、上部作業ロールに基板のエッジにて作業ロール圧力を増加させることを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0102】
EC36.第1の作業ロール圧力および第2の作業ロール圧力が、約1MPa〜基板のほぼ降伏強度である、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0103】
EC37.基板の幅にわたる厚さの変動が、テクスチャが与えられた後、2%未満である、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0104】
EC38.作業台が、第1の作業台であり、上部作業ロールが、第1の上部作業ロールであり、テクスチャが、第1のテクスチャであり、下部作業ロールが、第1の下部作業ロールであり、方法が、コイルツーコイルプロセスの第2の作業台で基板に第2のテクスチャを与えることであって、第2の作業台が、第2の上部作業ロールと、第2の上部作業ロールと垂直方向に整列した第2の下部作業ロールと、を備え、第2の上部作業ロールと第2の下部作業ロールのうちの少なくとも1つが、第2のテクスチャを含み、第2のテクスチャを与えることが、第2の上部作業ロールにより、基板の上面に第3の作業ロール圧力を加えることと、第2の下部作業ロールにより、基板の下面に第4の作業ロール圧力を加えることと、を含み、第2のテクスチャが与えられた後に基板の厚さが実質的に一定のままである、第2のテクスチャを与えることをさらに含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0105】
EC39.第1の作業ロール圧力および第2の作業ロール圧力が、基板の降伏強度未満である、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0106】
EC40.先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法で形成された基板。
【0107】
EC41.基板の厚さが、テクスチャが与えられた後に、1%以下だけ減少する、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0108】
EC42.基板の厚さが、テクスチャが与えられた後に、0.5%以下だけ減少する、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0109】
EC43.第1の作業ロール圧力および第2の作業ロール圧力が、実質的に同じである、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0110】
EC44.コイルツーコイルプロセスシステムであって、基板の上面に第1の作業ロール圧力を加えるように構成された上部作業ロールと、上部作業ロールと垂直方向に整列しかつ基板の下面に第2の作業ロール圧力を加えるように構成された下部作業ロールと、を備える作業台であって、上部作業ロールと下部作業ロールのうちの少なくとも1つがテクスチャを含んで、上部作業ロールと下部作業ロールのうちの少なくとも1つが第1の作業ロール圧力を加えることにより、または第2の作業ロール圧力を加えることにより、基板にテクスチャを与えるように構成されている、作業台と、基板の幅にわたる第1の作業ロール圧力および第2の作業ロール圧力のうちの少なくとも1つの接触圧力分布を測定するように構成されたセンサと、センサからデータを受信するように構成された処理デバイスと、測定された接触圧力分布に基づいて、基板の幅にわたる所望の接触圧力分布を達成するように調整可能である接触圧力パラメータであって、テクスチャが与えられた後に基板の厚さが実質的に一定のままである、接触圧力パラメータと、を備えるコイルツーコイルプロセスシステム。
【0111】
EC45.接触圧力パラメータが、作業ロールの円筒度を含み、作業ロールが、作業ロールの幅に沿った約10μm未満の円筒度の変動を有する、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0112】
EC46.作業台が、上部作業ロールを支持する上部中間ロールと、下部作業ロールを支持する下部中間ロールと、をさらに備える、先行の後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0113】
EC47.接触圧力パラメータが、中間ロールの円筒度を含み、中間ロールが、中間ロールの幅に沿った約10μm未満の円筒度の変動を有する、先行または後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0114】
EC48.作業ロールが、作業ロール直径を有し、中間ロールが、中間ロール直径を有し、接触圧力パラメータが、作業ロール直径および中間ロール直径のうちの少なくとも1つを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0115】
EC49.作業ロール直径が、約20mm〜約200mmであり、中間ロール直径が、約20mm〜約300mmである、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0116】
EC50.上部中間ロールが、第1の上部中間ロールであり、下部中間ロールが、第1の下部中間ロールであり、作業台が、上部作業ロールを支持する第2の上部中間ロールと、下部作業ロールを支持する第2の下部中間ロールと、をさらに備える、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0117】
EC51.作業台が、上部中間ロールに沿った一組の上部ベアリングであって、上部中間ロールにより上部作業ロールが基板に第1の作業ロール圧力を加えるように、各上部ベアリングが、上部中間ロールにベアリング荷重を加えるように構成された、一組の上部ベアリングと、下部中間ロールに沿った一組の下部ベアリングであって、下部中間ロールにより下部作業ロールが基板に第2の作業ロール圧力を加えるように、各下部ベアリングが、下部中間ロールにベアリング荷重を加えるように構成された、一組の下部ベアリングと、をさらに備える、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0118】
EC52.一組の上部ベアリングが、少なくとも2列の上部ベアリングを備え、一組の下部ベアリングが、少なくとも2列の下部ベアリングを備える、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0119】
EC53.接触圧力パラメータが、隣接する上部ベアリング間の間隔を含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0120】
EC54.間隔が、約34mmである、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0121】
EC55.接触圧力パラメータが、一組の上部ベアリングのうちの少なくとも1つの上部ベアリングのベアリング寸法を含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0122】
EC56.ベアリング寸法が、ベアリング直径およびベアリング幅を含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0123】
EC57.ベアリング直径が、約20mm〜約400mmであり、ベアリング幅が、約20mm〜約400mmである、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0124】
EC58.ベアリング幅が、約100mmである、請求項56に記載のコイルツーコイルプロセスシステム。
【0125】
EC59.接触圧力パラメータが、上部ベアリングまたは下部ベアリングのそれぞれの、約50μm未満に低減されるクラウン高さまたは面取り高さを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0126】
EC60.上部ベアリングまたは下部ベアリングのそれぞれのクラウンが約20μmである、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0127】
EC61.上部ベアリングのそれぞれが、上部中間ロールに対して個別に調整可能であり、接触圧力パラメータが、上部ベアリングのうちの少なくとも1つによって上部中間ロールに加えられるベアリング荷重を含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0128】
EC62.接触圧力パラメータが、上部ベアリングの全てによって上部中間ロールに加えられるベアリング荷重を含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0129】
EC63.一組の上部ベアリングが、内側端部および外側端部を有する最外上部ベアリングを備え、接触圧力パラメータが、基板のエッジに対する最外上部ベアリングの位置を含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0130】
EC64.最外上部ベアリングが、基板のエッジが最外上部ベアリングの内側端部と中間位置との間にあるように配置され、中間位置が外側端部と内側端部の間にある、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0131】
EC65.最外上部ベアリングが、基板のエッジが最外上部ベアリングの外側端部と中間位置との間にあるように配置され、中間位置が外側端部と内側端部の間にある、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0132】
EC66.最外上部ベアリングが、基板のエッジが最外上部ベアリングの外側端部から軸方向外側に延在するように配置されることを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0133】
EC67.基板の幅にわたる厚さの変動が、テクスチャが与えられた後、2%未満である、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0134】
EC68.第1の作業ロール圧力および第2の作業ロール圧力が、基板の降伏強度未満である、先行のまたは後続の実施例のいずれかのコイルツーコイルプロセスシステム。
【0135】
EC69.接触圧力パラメータを調整することが、上部ベアリングによって上部中間ロールに加えられるベアリング荷重を調整して、ベアリング荷重の分布を調整することを含む、先行のまたは後続の実施例のいずれかの方法。
【0136】
EC70.上部作業ロールが、垂直方向に調整可能であり、下部作業ロールが上部作業ロールのみが作動可能であるように垂直方向に固定される、先行のまたは後続の実施例の組み合わせのいずれかのシステムまたは方法。
【0137】
上記の態様は、単に本開示の原理の明確な理解のために記載された、実装態様の単に可能な実施例である。本開示の趣旨および原理から実質的に逸脱することなく、上記の実施例(複数可)に多くの変形および修正をなすことができる。係る修正および変形の全てが、本明細書において、本開示の範囲内に含まれ、個々の態様または要素もしくはステップの組み合わせに対する全ての可能性のある請求項が、本開示によって支持されることが意図される。さらに、特定の用語は、本明細書ならびに以下の特許請求の範囲で使用されるが、それらは、包括的および説明的な意味でのみ使用され、記載された発明または以下の特許請求の範囲を限定することを目的としていない。