特許第6941254号(P6941254)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6941254
(24)【登録日】2021年9月7日
(45)【発行日】2021年9月29日
(54)【発明の名称】ライトデバイス及び照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/10 20200101AFI20210916BHJP
【FI】
   H05B47/10
【請求項の数】15
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2021-500719(P2021-500719)
(86)(22)【出願日】2019年7月1日
(65)【公表番号】特表2021-524656(P2021-524656A)
(43)【公表日】2021年9月13日
(86)【国際出願番号】EP2019067565
(87)【国際公開番号】WO2020011581
(87)【国際公開日】20200116
【審査請求日】2021年3月5日
(31)【優先権主張番号】18182743.7
(32)【優先日】2018年7月10日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ホルトマン コーエン ヨハンナ ギヨーム
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 特表2017−511966(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0237011(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源、コントローラ及び電力バスを含む照明デバイスであって、
前記電源は、前記電力バスに給電するように構成され、
前記電力バスは、複数の電力出力を含み、前記複数の電力出力のうちの少なくとも1つの電力出力は、それぞれ少なくとも1つの負荷に電気的に接続するように構成され、
前記コントローラは、
時間間隔を選択する、
前記時間間隔の開始前に前記少なくとも1つの負荷のうちの1つ以上のそれぞれの負荷に暗号メッセージを伝え、前記暗号メッセージは、前記少なくとも1つの負荷のうちの前記1つ以上のそれぞれの負荷が、前記選択された時間間隔の間に前記電力バスからある電力量を消費するための指示を示す、
前記選択された時間間隔の間に前記電力バスから消費された電力を決定する、
前記決定された電力バスから消費された電力が、前記少なくとも1つの負荷のうちの前記1つ以上のそれぞれの負荷に前記暗号メッセージを介して伝えられた各電力量の合計と異なる場合、認可されていない負荷が前記電力バスに接続されていることを示す状態を決定する、及び
前記状態を決定することに応答して、少なくとも1つのアクションを実行する、
ように構成される、照明デバイス。
【請求項2】
前記時間間隔の持続時間は、1秒以下であり、好ましくは、10ミリ秒以下である、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項3】
前記コントローラは、時間的にランダムに前記時間間隔を選択するように構成される、請求項1又は2に記載の照明デバイス。
【請求項4】
前記電力バスは、前記電源と前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷との間でデータを通信するように構成される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項5】
前記電源は、前記コントローラを含み、前記コントローラは、前記選択された時間間隔の間に前記電力バスから消費された電力を測定するように構成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの負荷は、センサを含む、又は、前記少なくとも1つの負荷は、光源を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つのアクションは、通知信号を送信することを含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つのアクションは、前記電源によって前記電力バスに供給される電力量を変えることを含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項9】
前記ある電力量は、0.01ワット以下である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明デバイスと、
少なくとも1つの負荷と、
を含む、照明システムであって、
前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷は、それぞれ前記複数の電力出力のうちの少なくとも1つの電力出力に電気的に接続される、照明システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの負荷は、光源及び/又はセンサを含む、請求項10に記載の照明システム。
【請求項12】
前記照明デバイスは、一次負荷に接続するように構成される一次電力出力を含み、前記電源は、前記一次電力出力に給電するように構成され、
当該照明システムは、前記一次負荷を含み、前記一次負荷は、光源である、請求項10に記載の照明システム。
【請求項13】
少なくとも1つのアクションを実行する方法であって、
当該方法は、照明デバイスに含まれるコントローラによって実行され、前記照明デバイスは、電源及び電力バスを含み、前記電源は、前記電力バスに給電するように構成され、前記電力バスは、複数の電力出力を含み、当該方法は、
時間間隔を選択することと、
前記時間間隔の開始前に、少なくとも1つの負荷のうちの1つ以上のそれぞれの負荷に暗号メッセージを伝えることであって、前記少なくとも1つの負荷は、それぞれ前記複数の電力出力のうちの少なくとも1つの電力出力に電気的に接続され、前記暗号メッセージは、前記少なくとも1つの負荷のうちの前記1つ以上のそれぞれの負荷が、前記選択された時間間隔の間に前記電力バスから所定の電力量を消費するための指示を示す、伝えることと、
前記選択された時間間隔の間に前記電力バスから消費された電力を決定することと、
前記決定された電力バスから消費された電力が、前記少なくとも1つの負荷のうちの前記1つ以上のそれぞれの負荷に前記暗号メッセージを介して伝えられた各電力量の合計と異なる場合、認可されていない負荷が前記電力バスに接続されていることを示す状態を決定することと、
前記状態を決定することに応答して、少なくとも1つのアクションを実行することと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのアクションは、通知信号を送信することを含む、及び/又は、前記電源によって前記電力バスに供給される電力を変えることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
コンピューティングデバイスのためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムが前記コンピューティングデバイスの処理ユニットで実行された場合、請求項13又は14に記載の方法を実行するためのコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源(power supply)、コントローラ、及び電力バス(power bus)を含む照明デバイスに関する。本発明はさらに、このような照明デバイス及び少なくとも1つの負荷を含む照明システムに関する。本発明はさらに、前記照明デバイス又は前記システムによる負荷に関する。本発明はさらに、少なくとも1つのアクションを実行する方法であって、このような照明デバイスのこのような電源に含まれるこのようなコントローラによって実行される、方法に関する。本発明はさらに、コンピュータプログラムプロダクトに関する。本発明はさらに、ある態様において、電源を含む照明デバイスに関し、部品のキット(kit of parts)に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、主電源を負荷に接続するドライバ等、電源を含む照明デバイスは、当技術分野でよく知られている。このような電源、例えば、ドライバは、負荷に供給される電力を調整する(regulate)、又は他の方法で制御することができる。電力線通信(Power Line Communication)もまた、そのような電源に関して適用されることが知られている。この種の電源は、とりわけ、照明でよく見られる。
【0003】
複数の負荷に電力を供給することが可能な電源(すなわちドライバ)は、照明分野においてますます普及してきている。これらの電源(すなわち、ドライバ)は、典型的には、一次負荷(例えば、光源)に電力を供給するように設計され、典型的には、さらに、1つ以上の補助負荷(例えば、プラガブルセンサ(pluggable sensor))に接続するように適合されている。接続される1つ以上の補助負荷もまた、電源から電力を引き出してもよい。少なくとも、複数の負荷に電力を供給することができる電源(すなわち、ドライバ)のこのますます普及している傾向に起因して、そのような電源(すなわち、ドライバ)の機能及び用途を改善するための照明市場における要望がある。
【0004】
これにより、認可されていない負荷が問題となる場合があり、認可されていない負荷は望ましくない場合がある。例えば、照明デバイスの製造業者は、自身の負荷、及び/又は第三者のライセンスされた負荷が自身の照明デバイスに接続されることしか望まないかもしれない。なぜなら、認可された負荷は、認可されていない負荷とは逆に、照明デバイスとの互換性を保護し得る、動作の安全を確実にし得る、電力の望ましくないタッピング(tapping)を防止し得る、改ざん(tampering)の発生を防止し得る、及び/又は、規制を満たすことを確実にし得るからである。斯くして、認可されていない負荷は、望ましくなく、問題である。したがって、そのような電源(すなわち、ドライバ)への認可されていない負荷の接続を決定する、及び/又は、そのような認可されていない負荷がそのような電源(すなわち、ドライバ)から電力を引き出す(すなわち、利益を得る)ことを防止する明確な必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、少なくとも上記の課題を緩和する、改善された照明デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明は、電源、コントローラ及び電力バスを含む照明デバイスであって、電源は、電力バスに給電するように構成され、電力バスは、複数の電力出力(power output)を含み、前記複数の電力出力のうちの少なくとも1つの電力出力は、それぞれ少なくとも1つの負荷に電気的に接続するように構成され、コントローラは、時間間隔(time-interval)を選択する、前記時間間隔の開始前に前記少なくとも1つの負荷のうちの1つ以上のそれぞれの負荷(one or more respective load)に暗号メッセージを伝え、暗号メッセージは、前記少なくとも1つの負荷のうちの前記1つ以上のそれぞれの負荷が、前記選択された時間間隔の間に電力バスからある電力量を消費するための指示(instruction)を示す、前記選択された時間間隔の間に電力バスから消費された電力を決定する、前記決定された電力バスから消費された電力が、前記少なくとも1つの負荷のうちの前記1つ以上のそれぞれの負荷に暗号メッセージを介して伝えられた各電力量の合計と異なる場合、認可されていない負荷(unauthorized load)が前記電力バスに接続されていることを示す状態を決定する、及び、前記状態を決定することに応答して、少なくとも1つのアクション(action)を実行するように構成される、照明デバイスを提供する。
【0007】
前記照明デバイスは、電源、コントローラ及び電力バスを含む。照明デバイスは、例えば、照明器具であってもよい。例えば、照明器具は、追加機能のためのプラグインユニット/デバイスを電気的に接続するためのソケットを備えたアップグレード可能な照明器具であってもよい。電力バスは、いくつかの例では、電源及び/又はコントローラとは別個であってもよい。例えば、電源は、照明器具の一部であってもよく、電力バスは、前記照明器具から離れて位置する別個のエンティティであってもよく、電力線接続が、電力バスと電力バスが給電される電源との間に存在してもよい。コントローラは、いくつかの例では、電源及び/又は電力バスとは別個であってもよい。例えば、電源及び電力バスは、照明器具の一部であってもよく、コントローラは、前記照明器具から離れて位置する別個のエンティティであってもよい。コントローラは、例えば、ブリッジ、プラグインユニット、又は負荷等に位置してもよい。代替的に、いくつかの例では、前記照明デバイスは、アセンブリ時に照明アセンブリ及び/又は照明デバイスを形成する、電源、コントローラ、及び電力バスを含む部品のキットであってもよい。
【0008】
電源は、電力バスに(動作時に)給電するように構成され、電力バスは、複数の電力出力を含む。前記複数の電力出力の各電力出力は、それぞれの負荷(respective load)に電気的に接続するのに適している。例えば、前記電力出力は、それぞれの負荷が差し込まれ得るソケットであってもよい。斯くして、前記複数の電力出力の各電力出力は、フリー(任意のそれぞれの負荷に電気的に接続されていない)又は占有されている(それぞれの負荷に電気的に接続されている)のいずれかであってもよい。それゆえ、前述したように、前記複数の電力出力のうちの少なくとも1つの電力出力は、それぞれ少なくとも1つの負荷に電気的に接続するように構成される。
【0009】
しかしながら、前記少なくとも1つの負荷のうちのそれぞれの負荷は、例えば、認可された負荷(authorized loa)又は認可されていない負荷である可能性がある。例えば、1つ以上のそれぞれの負荷は、例えば、認可された負荷であるかもしれない。先述のように、認可された負荷は、照明デバイスの電力出力と電気的に接続することが許可されてもよく、一方、認可されていない負荷は、そうすることが許可されなくてもよい。本発明は、有利なことに、照明デバイスの電源が、少なくとも1つの認可されていない負荷が照明デバイスの電力バスに電気的に接続されている場合にそのような少なくとも1つの認可されていない負荷を決定することを可能にする。
【0010】
照明デバイスは、コントローラを含む。一実施形態では、電源は、例えば、コントローラを含んでいてもよい。このコントローラは、時間間隔を選択するように構成される。前記時間間隔は、例えば、未来の時点で開始するように設定される、未来の時間間隔であってもよい。その後、コントローラは、前記少なくとも1つの負荷のうちの1つ以上のそれぞれの負荷(すなわち、例えば、認可された負荷である前記1つ以上のそれぞれの負荷)に暗号メッセージを伝える(convey)ことができる。一実施形態では、コントローラは、代替的に、前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷に暗号メッセージを伝えることができてもよい。
【0011】
前記暗号メッセージは、暗号化技術によって保護されたメッセージであってもよい。前記伝えることは、代替的に、配信すること(distibuting)と見なされてもよい。一実施形態では、前記コントローラは、前記暗号メッセージを作成する、及び/又はそれに応じて1つ以上の(又は代替的に各)それぞれの負荷に前記暗号メッセージを送信してもよい。別の実施形態では、前記暗号メッセージは、コントローラによって受信又は取得され、さらに、それに応じて各それぞれの負荷に伝えられてもよい。したがって、前記暗号メッセージは、単一ホップ又は複数のホップを介して、中間デバイスを介さずに又は中間デバイスを用いて伝えられてもよい。さらに、一実施形態では、前記暗号メッセージは、例えば、WiFi、ZigBee、Bluetooth、RF、赤外線、VLC、又は超音波等の既知の無線通信プロトコルによって無線で伝達又は送信されてもよい。別の実施形態では、電力バスは、電源と前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷との間で(すなわち、電力バスを介して)データを通信するように構成される。したがって、コントローラは、電力バスを介して暗号メッセージを伝達又は送信することができる。照明デバイスの電力バスを介したそのようなデータ通信は、例えば、電力線通信(PLC)、DALI、例えばDMX又はRS−485ベースの通信のための、電力供給ワイヤとは別の余分なワイヤを含む電力バス等であってもよい。別の例として、電力バスは、負荷を電気的に接続する目的で必要に応じて(例えば、絶縁−変位コネクタを使用して)新しい分岐ケーブルが接続(splice)されることができる長いマルチストランドケーブルであってもよい。
【0012】
さらに、前記暗号メッセージは、前記時間間隔の開始前に送信される。この暗号メッセージは、前記少なくとも1つの負荷のうちの1つ以上のそれぞれの負荷が、前記選択された時間間隔の間に電力バスからある電力量を消費するための指示を示す。前記電力量は、予め決定される(predetermined)電力量であってもよく、又は、後決定される(post-determined)電力量であってもよい。前者では、消費されるべき前記電力量は、例えば、負荷の設置時にコントローラによって、又は時間を通して動的に予め決定されてもよい。後決定されるケースを参照する、後者では、消費されるべき前記電力量は、例えば、前記少なくとも1つの負荷のうちの1つ以上のそれぞれの負荷によって、(前記1つ以上のそれぞれの負荷による)暗号メッセージの受信後に決定され、消費電力量が何であったかをコントローラに知らせるようにコントローラに伝え戻されてもよい。さらなる実施形態では、暗号メッセージは、前記少なくとも1つの負荷のうちの1つ以上の(又は代替的に、各)それぞれの負荷が、解読された場合に、前記選択された時間間隔の間に電力バスから所定の電力量を消費するための暗号化された指示を含む。
【0013】
結果として、認可されているか否かにかかわらず、前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷は、前記暗号メッセージを受信し、観察することができる可能性がある。しかしながら、暗号メッセージに起因して、例えば、メッセージが暗号化によって保護されているため、又は暗号メッセージが暗号化された指示を含むため、(1つ以上の認可された負荷として分類されてもよい)前記少なくとも1つの負荷のうちの1つ以上のそれぞれの負荷のみが、前記選択された時間間隔の間に(例えば、所定の)電力量を消費するために暗号メッセージを読み取る及び/又は前記指示を解読することができ得る。すなわち、認可されていない負荷は、メッセージをオーバーヒア(overhear)することができるかもしれないが、当該負荷がメッセージを解読することを可能にするために必要な暗号秘密(cryptographic secret)を持たないであろう。認可された負荷のみが、必要な暗号秘密を備え得る。その結果、前記選択された時間間隔の間、いかなる認可されていない負荷も、前記時間間隔が生じていること、又は(例えば、所定の)電力量を消費するための指示に気づかないであろう。
【0014】
さらに、コントローラは、前記選択された時間間隔の間に電力バスから消費された電力を決定するように構成される。例えば、一実施形態では、電源がコントローラを含む場合、コントローラは、(それ自体で)前記選択された時間間隔の間に電力バスから消費された電力を測定するように構成されてもよい。代替的に、一実施形態では、コントローラは、消費された前記電力を決定するために前記選択された時間間隔の間に電力バスから消費された電力を受ける(receive)、又は取得する(obtain)、又は問い合わせる(query)ように構成されてもよい。例えば、電源(又は電源に含まれる電力計)は、前記選択された時間間隔の間に電力バスから消費された電力をコントローラに通信してもよい。
【0015】
さらに、この決定された(例えば、測定された)電力が、少なくとも1つの負荷のうちの前記1つ以上のそれぞれの(認可された)負荷に暗号メッセージを介して伝えられた(例えば、送信された)各(例えば、所定の)電力量の合計と異なる場合、コントローラは、電力バス上の電力消費が、認可された負荷と(予め)合意された電力消費量から逸脱していることを示す状態を決定してもよい。それゆえ、前記状態は、認可されていない負荷が、前記選択された時間間隔の間に電力バスから電力を引き出していることを示し得る。したがって、このような望ましくない状態に対処するために、前記状態の決定に応答して、コントローラは、少なくとも1つのアクションを実行するように構成されてもよい。このようなアクションは、例えば、是正アクション(corrective action)又は報告アクション(reporting action)であってもよい。
【0016】
したがって、全体として、選択された時間間隔の間に電力バス上である電力量を消費するために認可された負荷と暗号的に合意することにより、及び、電力バス上の実際の電力消費量が合意された電力消費量(電力量は、例えば、所定の電力量であってもよい)と異なるかどうかを決定(例えば、測定又は監視)することによって、認可されていない負荷が電力バスから電力を引き出していることを示す状態が決定されてもよい。本発明による照明デバイスは、認可されていない負荷が自身の電力バスに接続されていることを示す状態が存在するかどうかを自律的に判断し、それに基づいて行動することができるので、有利である。
【0017】
すなわち、一実施形態では、少なくとも1つのアクションは、通知信号を送信することを含んでもよい。このような通知信号は、有利には、例えば照明デバイスの所有者に状態を報告してもよい。このような通知信号は、例えば、トランシーバへの入力として機能してもよく、トランシーバは、対応する通知メッセージを、例えば、バックエンドサーバ、ブリッジ、又はモバイル通信デバイスに送信してもよい。前記送信することは、有線接続を介して行われてもよく、又は、RF、Bluetooth、ZigBee、若しくは可視光通信(VLC)等、無線で行われてもよい。したがって、通知信号及び/又は通知メッセージは、認可されていない負荷が電力バスに接続されていることを示してもよい。したがって、前記通知信号は、アラーム信号であってもよい。
【0018】
さらに、一実施形態では、少なくとも1つのアクションは、電源によって電力バスに供給される電力量を変えることを含んでもよい。このような変更は、より好ましくない電力レジームに変えることによって、認可されていない負荷が電力バスから電力を引き出すことから十分に利益を得ることを防止してもよい。さらに、一実施形態では、電源によって電力バスに供給される前記電力量は、ゼロであってもよい。認可されていない負荷は安全基準を守っていないかもしれないので、電力バスに供給される電力量がゼロであるこのような変更は、電力バスに供給される電力が遮断され得るので、有利であり得る。
【0019】
代替的な実施形態では、前記電源によって電力バスに供給される電力量を変えることは、揺動すること(oscillating)であってもよい。斯くして、揺動電力は、例えば、認可されていない負荷及び/又は認可されていない負荷が接続された電力バスの最適な動作を打ち消すために提供される。
【0020】
代替的な実施形態では、負荷が光源である場合、電力バスに供給される前記電力量は、前記光源によって可視光通信信号(Visible Light Communication signal)を放出させる電力レジームであってもよく、VLC信号は、状態を示すものであってもよく、例えば、信号は、認可されていない負荷が照明デバイス/電力バスに電気的に接続されていることを示すコード化光メッセージ(coded light message)であってもよい。
【0021】
代替的な実施形態では、コントローラによって実行される少なくとも1つのアクションは、少なくとも1つの負荷のうちのそれぞれの負荷に対して、コントローラに自身を識別するための要求を(例えば、トランシーバを介して)送信することを含んでもよい。斯くして、コントローラは、前記それぞれの負荷を識別するためのチェックを能動的に実行してもよい。このような要求を実行することは、照明デバイスのセキュリティをより一層高めることができる。
【0022】
ここで、前述したように、状態は、電力バスから消費された前記測定された電力が、前記少なくとも1つの負荷のうちの前記1つ以上のそれぞれの負荷に暗号メッセージを介して伝えられた(例えば、所定の)電力量の合計と異なる、又は本質的に若しくは実質的に異なると言い表される(phrase)場合に決定される。前記状態は、例えば、認可されていない状態と言い表されてもよい。
【0023】
前述したように、前記複数の電力出力のうちの少なくとも1つの電力出力は、それぞれ少なくとも1つの負荷に電気的に接続するように構成される。例えば、前記電力出力は、それぞれの負荷が差し込まれ得るソケットであってもよい。斯くして、前記複数の電力出力は、照明デバイスのためのセンシング、制御、通信又は監視機能を提供してもよい。したがって、一実施形態では、少なくとも1つの負荷は、センサを含んでもよい。センサは、センサユニットであってもよい。少なくとも1つの負荷は、例えば、プラグインユニットであってもよい。このようなセンサは、例えば、マイクロホン、カメラ、RFトランシーバ、Bluetoothトランシーバ、ZigBeeトランシーバ、PIRセンサ、IRセンサ、煙検知器、プッシュボタン、ユーザ入力デバイス、圧力センサ、若しくは湿度センサ、又は、これらのモダリティのうちのいくつかを組み合わせたデバイス等のいずれかであってもよい。さらに、一実施形態では、少なくとも1つの負荷は、アクチュエータを含んでもよい。例えば、さらなる実施形態では、少なくとも1つの負荷は、光源を含んでもよい。このようなアクチュエータは、例えば、スピーカ、RFビーコン、IRビーコン、VLCビーコン、ディスプレイデバイス、機械的アクチュエータ、RADAR、LIDAR、又はファン等のいずれかであってもよい。このような光源は、例えば、LED光源、OLED光源、半導体光源、T−LED、LEDモジュール、LEDストリップ、従来の光源、白熱灯、蛍光灯、レトロフィットランプ、スポットライト、ハロゲンスポット等であってもよい。
【0024】
さらに、前記電源は、照明ドライバであってもよい。前記電力バスは、例えば、DALIバス、DMXバス、又は電力とIC通信の複合バスであってもよい。いくつかの例では、電源(例えば、照明ドライバ)は、電力バス及びその複数の電力出力に走る一対のワイヤを含んでもよく、この一対のワイヤだけを介して電力供給及び双方向通信ファシリティを結合するDALIバスプロトコルを使用してもよい。別の例では、電力バス及びその複数の電力出力を通って走る4本のワイヤがあってもよく、2本のワイヤは電力及び接地ワイヤであり、他の2本のワイヤは、UART、USB、又はIC等の電気プロトコルを使用する、双方向通信に使用される。
【0025】
本発明による暗号メッセージは、電力バスを介して少なくとも1つの負荷にブロードキャストを介して、又は前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷に個別にユニキャストを介して送信されてもよい。
【0026】
前述したように、暗号メッセージは、前記少なくとも1つの負荷のうちの1つ以上のそれぞれの負荷が、解読された場合に、前記選択された時間間隔の間に電力バスから所定の電力量を消費するための暗号化された指示を含んでもよい。前記暗号メッセージは、既知の暗号化技術を用いて前記指示を暗号化することによって確立されてもよい。例えば、暗号メッセージ又は暗号化された指示は秘密鍵で暗号化されてもよく、前記秘密鍵に関する知識をを持った上でのみ解読されてもよい。例えば、認可された負荷は、照明デバイスの同じ製造者によって、又は、例えば、自身のプロダクトに前記秘密鍵を設けることをライセンスされた第三者によって製造され得るので、前記秘密鍵は、認可された負荷に存在してもよい。
【0027】
前記(例えば、所定の)電力量は、前記少なくとも1つの負荷のうちの1つ以上のそれぞれの負荷が前記選択された時間間隔外に通常の動作で電力バスから引き込む電力量とは異なってもよい。したがって、電力バスから(例えば、所定の)電力量を消費するように前記少なくとも1つの負荷のうちの前記1つ以上のそれぞれの負荷に(直接的又は間接的に)指示することは、前記1つ以上のそれぞれの負荷に、最適ではない電力量を受け/引き込ませてもよい。したがって、前記時間間隔を短くすることが有利であり得る。したがって、一実施形態では、前記時間間隔の持続時間は、1秒以下であり、好ましくは、10ミリ秒以下であり、例えば、1ミリ秒である。前記時間間隔のこのような短い持続時間は、前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷の通常の動作が、(例えば、所定の)電力量を消費するための指示によって本質的に影響を受けないことを確実にする。このような短い持続時間は、通常の動作を確実にするために負荷の設計において有益に利用され得る。したがって、ある例では、前記時間間隔の持続時間は、電力出力によって提供される電力が切断される場合にそれぞれの負荷に電力を供給するためのそれぞれの負荷のエネルギ貯蔵手段の能力に比例してもよい。このようなエネルギ貯蔵手段は、コンデンサ又はバッテリであってもよい。
【0028】
ある態様では、例えば、前記時間間隔の前記持続時間は、前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷のコンデンサのサイズに比例してもよい。すなわち、例えば、各それぞれの負荷に、例えばゼロの所定の電力量を消費するように指示する場合、前記それぞれの負荷の斯かるコンデンサは、該それぞれの負荷に電力が供給されない時間を補償してもよい。したがって、前記持続時間は、前記時間間隔の前記選択を前記それぞれの負荷に存在するコンデンサにマッチさせるために、斯かるコンデンサの大きさに比例させてもよい。
【0029】
光源である負荷について、時間間隔が非常に小さい場合、負荷は、エネルギを節約するために通常よりも少ない光が時間間隔の間に放出されるが、光出力の一時的な低下が人間の目では観察できないほど短くて小さいように設計されることができる。
【0030】
一部の実施形態では、前記時間間隔は、設定された時間、例えば、毎将来の日の8時に選択されてもよい。したがって、一部の例では、前記時間間隔は、周期的に選択されてもよい。一実施形態では、コントローラは、時間的にランダムに前記時間間隔を選択するように構成される。前記時間間隔のこのようなランダムな選択は、コントローラが(前述した)前記状態をモニタする時点を(例えば、認可されていない負荷によって)予期することをより困難にし得る。斯くして、これにより、よりロバスト性が、前記状態の決定に導入され得る。
【0031】
本発明によれば、単純な例示的なケースでは、(例えば、所定の)電力量はゼロであってもよい。このような場合、前記選択された時間間隔の間に電力バスから消費された電力を測定することは、認可されていない負荷が存在し、電力バスから電力を引き込んでいるという前記状態を示すことができる。これは、前記状態を決定するためのストレートな方法である。したがって、一実施形態では、ある電力量は、0.01ワット以下である。前述したように、前記電力量は、所定の電力量であってもよい。
【0032】
一実施形態では、本発明による照明デバイスはさらに、一次負荷に接続するように構成される一次電力出力を含み、一次負荷は、光源(又は少なくとも1つの光源)であり、電源はさらに、一次電力出力に給電するように構成されてもよい。これにより、本発明による電力バスは、補助電力出力に、例えば、一次負荷、すなわち、光源の動作を促すセンサを接続する。そのさらなる実施形態では、一次電力出力に供給される最大電力は、電力バスに供給される最大電力よりも大きくてもよい。例えば、5倍又は10倍大きくてもよい。さらに、そのさらなる別の実施形態では、少なくとも1つのアクションは、一次負荷に関するアクションであってもよく、例えば、前記状態を決定することに応答して、前記一次負荷への電力を遮断するアクションであってもよい(なぜなら、例えば、前記一次負荷が、(望ましくない可能性がある)認可されていない負荷/デバイスを使用していることが識別され得るからである)。
【0033】
一例では、一次負荷が光源である場合、少なくとも1つの負荷はセンサであり、該センサは、光源の動作を促すためのセンサ測定値をレンダリングしてもよい。
【0034】
さらに、補助電力出力は、それぞれの補助負荷に電力を供給してもよい。このような補助負荷は、一次負荷に対するフィーチャ(feature)を提供してもよいが、一次負荷の機能には関連しないセンシング、制御、通信フィーチャを提供してもよい。特定の実施形態では、照明システムは、建物内の空気品質を監視する必要性等、ドライバの近傍の人又はデバイスの他のニーズを満たすセンサ及び通信デバイスのための便利なホスティングプラットフォームとしての役割を果たすことを想定している。
【0035】
本発明のさらなる目的は、少なくとも上記の課題及び不利な点を緩和する、改善された照明システムを提供することである。そのため、本発明はさらに、本発明による照明デバイスと、少なくとも1つの負荷とを含む、照明システムであって、少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷は、それぞれ前記複数の電力出力のうちの少なくとも1つの電力出力に電気的に接続される、照明システムを提供する。
【0036】
一実施形態では、少なくとも1つの負荷は、光源及び/又はセンサを含む。一実施形態では、照明デバイスはさらに、一次負荷に接続するように構成される一次電力出力を含み、電源はさらに、一次電力出力に給電するように構成され、照明システムはさらに、一次負荷を含み、一次負荷は、光源であってもよい。
【0037】
本発明による照明デバイスに当てはまる利点及び/又は実施形態は、本発明による目下の照明システムにも当てはまり得る。
【0038】
本発明のさらなる目的は、少なくとも上記の課題及び不利な点を緩和する、改善された負荷を提供することである。そのため、本発明はさらに、電力バスの電力出力に接続するための負荷であって、当該負荷は、該負荷が、選択された時間間隔の間に前記電力バスから所定の電力量を消費するための指示を示す暗号メッセージを受けるための負荷コントローラを含み、負荷コントローラは、前記暗号メッセージを解読するように構成される、負荷を提供する。一実施形態では、負荷コントローラは、前記暗号メッセージを解読するための秘密鍵を含む。一実施形態では、負荷は、センサ又はアクチュエータ、好ましくは、光源である。一実施形態では、負荷は、前記電力バスを介した電力線通信のために構成される。例えば、負荷コントローラは、照明デバイス又は照明システムのコントローラと、電力線通信、又は代替的に無線通信を実行するように互換性があってもよい。一部の例では、負荷は、ライセンスを保持するためのメモリを含んでもよい。斯くして、当該負荷は、前述の照明デバイス又は前述のシステムと互換性がある。一実施形態では、負荷は、該負荷が、解読された場合に、選択された時間間隔の間に前記電力バスから所定の電力量を消費するための暗号化された指示を含む暗号メッセージを受けるための負荷コントローラを含む。
【0039】
本発明のさらなる目的は、少なくとも上記の課題及び不利な点を緩和する、本発明の文脈の中で、少なくとも1つのアクションを実行する改善された方法を提供することである。そのため、本発明はさらに、少なくとも1つのアクションを実行する方法であって、当該方法は、照明デバイスのコントローラによって実行され、照明デバイスは、電源及び電力バスを含み、電源は、電力バスに給電するように構成され、電力バスは、複数の電力出力を含み、当該方法は、時間間隔を選択することと、前記時間間隔の開始前に、少なくとも1つの負荷のうちの1つ以上のそれぞれの負荷に暗号メッセージを伝えることであって、少なくとも1つの負荷は、それぞれ前記複数の電力出力のうちの少なくとも1つの電力出力に電気的に接続され、暗号メッセージは、前記少なくとも1つの負荷のうちの前記1つ以上のそれぞれの負荷が、前記選択された時間間隔の間に電力バスからある電力量を消費するための指示を示す、伝えることと、前記選択された時間間隔の間に電力バスから消費された電力を決定することと、前記決定された電力バスから消費された電力が、前記少なくとも1つの負荷のうちの前記1つ以上のそれぞれの負荷に暗号メッセージを介して伝えられた1つ以上の電力量の合計と異なる場合、認可されていない負荷が前記電力バスに接続されていることを示す状態を決定することと、前記状態を決定することに応答して、少なくとも1つのアクションを実行することとを含む、方法を提供する。
【0040】
一実施形態では、前記伝えることは、送信すること、例えば、負荷が、解読された場合に、選択された時間間隔の間に前記電力バスから所定の電力量を消費するための暗号化された指示を含む暗号メッセージを送信することであってもよい。一実施形態では、少なくとも1つのアクションは、通知信号を送信することを含む、及び/又は、電源によって電力バスに供給される電力を変えることを含む。一実施形態では、前記時間間隔の持続時間は、1秒以下であり、好ましくは、10ミリ秒以下である。一実施形態では、前記コントローラは、電源に含まれ、前記選択された時間間隔の間に電力バスから消費された電力を決定することは、前記選択された時間間隔の間に電力バスから消費された電力を測定することである。代替的な実施形態では、前記コントローラは、別個のエンティティであり、照明デバイスは、照明アセンブリ又は照明システムの部品のキットと表現(phrase)されてもよい。
【0041】
本発明による照明デバイス及び/又は照明システムに当てはまる利点及び/又は実施形態は、本発明による目下の方法にも当てはまり得る。
【0042】
本発明はさらに、コンピュータプログラムプロダクトに関する。したがって、本発明は、コンピューティングデバイスのためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムがコンピューティングデバイスの処理ユニットで実行された場合、本発明による方法を実行するためのコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラムを提供する。例えば、前記コンピューティングデバイスは、照明デバイス内に含まれる本発明によるコントローラであってもよい。
【0043】
斯くして、本発明の態様は、コンピュータにより実行され得るコンピュータ可読記憶デバイスに記憶されたコンピュータプログラム命令の集合体であってもよいコンピュータプログラムプロダクトにおいて、実施されてもよい。本発明の命令は、スクリプト、解釈可能プログラム、ダイナミックリンクライブラリ(DLL)又はJavaクラスを含むが、これらに限定されない任意の解釈可能又は実行可能コードメカニズムであってもよい。命令は、完全な実行可能プログラム、部分実行可能プログラム、既存のプログラムに対する修正(例えば更新)、又は既存のプログラムに対する拡張(例えば、プラグイン)として提供され得る。さらに、本発明の処理の一部は、複数のコンピュータ又はプロセッサにわたって分散されてもよい。
【0044】
上記を考慮すると、一実施形態では、電源及び電力バスを含む照明デバイスであって、電源は、電力バスに給電するように構成され、コントローラを含み、電力バスは、複数の電力出力を含み、前記複数の電力出力のうちの少なくとも1つの電力出力は、それぞれ少なくとも1つの負荷に電気的に接続するように構成され、電力バスは、電源と前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷との間でデータを通信するように構成され、コントローラは、時間間隔を選択する、前記時間間隔の開始前に前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷に暗号メッセージを送信し、暗号メッセージは、前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷が、解読された場合に、前記選択された時間間隔の間に電力バスから所定の電力量を消費するための暗号化された指示を含む、前記選択された時間間隔の間に電力バスから消費された電力を測定する、前記測定された電力バスから消費された電力が、前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷に暗号メッセージを介して送られた各所定の電力量の合計と異なる状態を決定する、及び、前記状態を決定することに応答して、少なくとも1つのアクションを実行するように構成される、照明デバイスが提供される。本発明による照明デバイス及び/又は照明システムに当てはまる利点及び/又は実施形態は、本発明による目下の照明デバイスにも当てはまり得る。同様に、この実施形態に対応する少なくとも1つのアクションを実行する方法が提供されてもよい。したがって、一実施形態では、少なくとも1つのアクションを実行する方法であって、当該方法は、照明デバイスの電源に含まれるコントローラによって実行され、照明デバイスは、電源及び電力バスを含み、電源は、電力バスに給電するように構成され、電力バスは、複数の電力出力を含み、当該方法は、時間間隔を選択することと、前記時間間隔の開始前に少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷に暗号メッセージを送信することであって、少なくとも1つの負荷は、それぞれ前記複数の電力出力のうちの少なくとも1つの電力出力に電気的に接続され、暗号メッセージは、前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷が、解読された場合に、前記選択された時間間隔の間に電力バスから所定の電力量を消費するための暗号化された指示を含む、送信することと、前記選択された時間間隔の間に電力バスから消費された電力を測定することと、前記測定された電力バスから消費された電力が、前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷に暗号メッセージを介して送られた各所定の電力量の合計と異なる状態を決定することと、前記状態を決定することに応答して、少なくとも1つのアクションを実行することとを含む、方法が提供される。
【0045】
さらに、本発明の一態様では、一節において、(上記の実施形態及び例では照明デバイスに含まれると述べられている)本発明による電源と、(上記の実施形態及び例では照明デバイスに含まれると述べられている)本発明による電力バスとを含む、部品のキット(kit of parts)であって、当該部品のキットは、アセンブリ時に(in assembly)、照明アセンブリ及び/又は照明デバイスを形成する、部品のキットが提供される。
【0046】
本発明の一態様では、一節において、電源及びコントローラを含む照明デバイスであって、電源は、電力バスに給電するように構成され、電力バスは、複数の電力出力を含み、前記複数の電力出力のうちの少なくとも1つの電力出力は、それぞれ少なくとも1つの負荷に電気的に接続するように構成され、コントローラは、時間間隔を選択する、前記時間間隔の開始前に前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷に暗号メッセージを送信し、前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷が、解読された場合に、前記選択された時間間隔の間に電力バスから所定の電力量を消費するための暗号化された指示を含む、前記選択された時間間隔の間に電力バスから消費された電力を決定する、前記決定された電力バスから消費された電力が、前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷に暗号メッセージを介して送られた各所定の電力量の合計と異なる状態を決定する、及び、前記状態を決定することに応答して、少なくとも1つのアクションを実行するように構成される、照明デバイスが提供される。本発明による照明デバイス及び/又は照明システムに当てはまる利点及び/又は実施形態は、本発明による目下の照明デバイスにも当てはまり得る。
【図面の簡単な説明】
【0047】
ここで、本発明が、概略的で非限定的な図によってさらに述べられる。
図1図1は、照明デバイス及び少なくとも1つの負荷を含む照明システムの一実施形態を概略的に示す。
図2図2は、照明デバイスの一実施形態を概略的に示す。
図3図3は、少なくとも1つのアクションを実行する方法の一実施形態をフローチャートで概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
前述したように、照明デバイスの電力出力に電気的に接続されている、認可されていない負荷は、望ましくなく、問題がある可能性がある。本発明は、照明デバイスが、少なくとも1つの認可されていない負荷が照明デバイスの(又は照明デバイスと関連付けられる)電力バスに電気的に接続されている場合にそのような少なくとも1つの認可されていない負荷を決定することを可能にする。ここで、この決定は、選択された時間間隔の間にある電力量(例えば、所定の電力量)を消費することを認可された負荷と暗号的に合意すること、及び、その後実際の電力消費量を(例えば、測定/監視することにより)決定することによって実行される。前記実際の電力消費量が合意された電力消費量と異なる場合、認可されていない負荷が電力を引き出していることを示す状態が決定されてもよい。このような決定された状態に応答して、少なくとも1つのアクションが、照明デバイスによって取られてもよい。
【0049】
図1は、非限定的な例として、照明デバイス100及び少なくとも1つの負荷11を含む照明システム1000の一実施形態を概略的に示す。照明デバイス100は、電源10を有する照明器具であり、電源10は照明ドライバである。照明デバイス100は、街路照明等の屋外照明又はオフィス照明等の屋内照明の一部であってもよい。
【0050】
電源10は、電力バス20に給電する。電力バスは、例えば、DALIバスであってもよい。代替的に、電力バスは、DMXワイヤ上のDMXシグナリングと電力デリバリワイヤ(例えば、VDD及びGNDワイヤ)を組み合わせたバスであってもよく、又は、ICワイヤ上のICシグナリングと電力デリバリワイヤを組み合わせたバスであってもよい。さらに、代替例では、電力バスは、電源から分離されてもよく、すなわち、別個のエンクロージャ内にあってもよい。例えば、電源は、照明器具内に存在し、電源が配線を介して接続される電力バスは、照明器具から離れた天井要素等、別個のエンクロージャ内に存在してもよい。
【0051】
代替的な例では、電力バスは、負荷を電気的に接続する目的で必要に応じて(例えば、絶縁−変位コネクタを使用して)新しい分岐ケーブルが接続されることができる長いマルチストランドケーブルであってもよい。複数の負荷が電力バスに接続される場合、これらは、典型的には、並列回路を形成するように接続される。これは、バス及び負荷の設計を大幅に容易にする。しかしながら、本発明はまた、2つの負荷が、電源によって供給される電圧を消費するために直列に接続されてもよい、とりわけ、認可されていない負荷が、認可された負荷に直列にバスに接続されてもよいというオプションも考慮し得る。このような直列の集合体を実現するために、認可されていない負荷を配置する攻撃者(attacker)は、(存在する場合)バスのエンクロージャを物理的に開けて、エンクロージャ内のバスワイヤにアクセスしなければならないかもしれない。
【0052】
ここで、電源10はまた、一次電力出力40に給電する。一次電力出力40は、一次負荷400に接続するように構成される。一次負荷400は、照明システム1000の一部であり、TLEDランプ400である。代替的に、一次負荷は、他の任意の従来の光源、白熱光源、LED光源、ハロゲン光源等であってもよい。代替的に、一次負荷、すなわち、TLEDランプは、複数のランプであってもよい。
【0053】
電力バス20は、電源10の補助電力出力として働く。したがって、一次電力出力40に供給される最大電力は、電力バス20に供給される最大電力の少なくとも5倍である。したがって、電源10、すなわち、照明ドライバは、一次電力出力と補助電力出力とを含む。代替的に、一次電力出力が補助電力出力よりも大きな最大電力を有する限り、一次電力出力と補助電力出力との間の他のシェアが想定されてもよい。ここで、電力バス20の機能は、TLEDランプ400の動作を促すこと、及び、TLEDランプ400に存在検出機能を付加するセンサに(補助)電力を供給することである。存在検出機能に代替的に又は追加的に、照明デバイスのためのセンシング、制御、通信又は監視能力等、他の機能が想定されてもよい。代替的又は追加的に、センサは、アクチュエータ及び/又はトランシーバであってもよい。斯くして、代替的な実施形態では、機能性に応じて、このようなセンサは、例えば、マイクロホン、カメラ、RFトランシーバ、Bluetoothトランシーバ、ZigBeeトランシーバ、PIRセンサ、IRセンサ、煙検知器、プッシュボタン、ユーザ入力デバイス、圧力センサ、湿度センサ、若しくはそれらの組み合わせ、又は複数のセンサ及び/若しくはアクチュエータを組み合わせたデバイス等のうちの一つであってもよい。さらに代替的に、前記補助出力はまた、アクチュエータ、例えば、トランシーバ、(例えばシグナル(signaling)用の)光源又はサウンドスピーカを電気的に接続するように働いてもよい。
【0054】
図1を参照すると、電力バス20は、複数の電力出力21を含む。複数の電力出力21の各電力出力211、212、213、214は、それぞれの負荷111、112、113に電気的に接続するのに適している。複数の電力出力21は、センサ、又はプラグインユニット/モジュールをプラグインさせるためのソケットである。代替的に、前記ソケットは、負荷を電気的に接続するための他の手段であってもよい。ここでは、4つの電力出力211、212、213、214が描かれている。複数の電力出力211、212、213、214のうちの第1の電力出力211は、前記少なくとも1つの負荷11の第1のそれぞれの負荷111に電気的に接続されている。第1のそれぞれの負荷111は、存在を検出するためのマイクロホンである。複数の電力出力211、212、213、214のうちの第2の電力出力212は、前記少なくとも1つの負荷11の第2のそれぞれの負荷112に電気的に接続されている。第2のそれぞれの負荷は、存在を検出するためのPIRセンサである。複数の電力出力211、212、213、214のうちの第3の電力出力213は、前記少なくとも1つの負荷11の第3のそれぞれの負荷113に電気的に接続されている。第3のそれぞれの負荷は、存在を検出するためのマイクロ波センサである。複数の電力出力211、212、213、214の第4の電力出力214は、空いたままであり、いかなる負荷にも電気的に接続されていないが、それにもかかわらず、例えばカメラに接続するのに適している。それゆえ、前述したように、複数の電力出力21のうちの少なくとも1つの電力出力211、212、213は、それぞれ少なくとも1つの負荷111、112、113に電気的に接続するように構成される。代替的に、前述したように、前記少なくとも1つの負荷は、本発明の文脈の範囲内で、又は例えば一次負荷の機能性の範囲内で、他の任意の適切なセンサであってもよい。
【0055】
ここで、この例示的なケースでは、部屋の中の存在を正確に検出するために、照明器具は、マイクロホン、PIRセンサ及びマイクロ波センサが、互いに互換性があり、それゆえ、(例えば、火事等の非常時の場合に関連する)存在検出の品質を守るために認可されていることを必要とする。図1を参照すると、マイクロホン111及びPIRセンサ112は共に、例えば、照明器具の製造業者によって又は標準化団体によって認可された、(照明器具とのインタラクションに関して)認可されたデバイスである。しかしながら、マイクロ波センサ113は認可されておらず(したがって、図1においてテクスチャで描かれている)、誤った及び/又は不正確な読取りを起こしやすい。照明器具の製造業者は、例えば、照明デバイス100の電源10が、認可されていないマイクロ波センサ113に電力を供給することを望まない。したがって、そのような認可されていないデバイス又は負荷を決定することが一つの目的である。
【0056】
依然として図1を参照すると、本発明は、有利なことに、照明デバイス100の電源10が、少なくとも1つの認可されていない負荷(すなわち、マイクロ波センサ113)が照明デバイス100の電力バス20に電気的に接続されている場合にそのような少なくとも1つの認可されていない負荷(すなわち、マイクロ波センサ113)を決定することを可能にする。
【0057】
電力バス20は、電源10と、前記少なくとも1つの負荷11の各それぞれの負荷111、112、113との間でデータを通信するように構成される。このデータ通信は、例えば双方向通信を含む、バス上の電力線通信(Power Line Communication)の既知の手段及びプロトコルによるものである。代替的に、電力線又は電力バス内のデータ線を介した他の通信手段も想定され得る。さらに代替的に、一部の例では(図示せず)、無線通信が、電源コントローラ(及び関連するトランシーバ)及びそれぞれの負荷から直接確立されてもよい。したがって、負荷は、トランシーバを含んでもよい。
【0058】
照明デバイス100の電源10はさらに、コントローラ30を含む。代替的に、コントローラは、照明デバイスに含まれてもよく若しくは別個のエンティティであってもよく、又は、分散インテリジェンスを有してもよい。このコントローラ30は、未来の時点で開始するように設定される、時間間隔を選択する。ここでは、前記時間間隔は、毎朝8時に周期的に開始する。代替的に、前記時間間隔は、時間的にランダムに選択されてもよく、例えば、一日の間のランダムな時間に選択されてもよい。前記時間間隔の持続時間は、0.5秒である。代替的に、前記持続時間は、比較的短い、例えば10ミリ秒以下、例えば1ミリ秒以下である。さらに代替的に、前記時間間隔の前記持続時間は、前記少なくとも1つの負荷の検出されたそれぞれの負荷に関連するコンデンサに関する情報を記憶しているメモリ内で見つけられてもよい及び/又はコントローラによって検出されてもよい、前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷の既知のコンデンササイズに比例してもよい。
【0059】
その後、電力バス20は、ここでは、電源10と前記少なくとも1つの負荷11の1つ以上のそれぞれの負荷111、112との間でデータを通信するように構成されるので、コントローラ30は、前記少なくとも1つの負荷11の前記1つ以上のそれぞれの認可された負荷111、112に、電力バス20を介して、暗号メッセージを送信することができる。代替的に、前記電力バスは、前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷に(すなわち、例えば、ここに描かれている3つのセンサすべてに)データを通信する、又は前記暗号メッセージを送信するように構成されてもよい(認可されていないセンサにも送られるが、該認可されていないセンサは、前記メッセージによって提供される命令を解読することはできない)。これにより、本発明による暗号メッセージは、電力バスを介して少なくとも1つの負荷にブロードキャストを介して、又は代替的に、前記少なくとも1つの負荷のうちの1つ以上のそれぞれの負荷に別個にユニキャストを介して送信されてもよい。さらに代替的に、前記コントローラは、暗号メッセージを伝える(convey)。前記暗号メッセージは、代替的に、シングルホップ又は複数のホップを介して伝達(convey)又は送信(send)されてもよい。例えば、負荷は、前記暗号メッセージを別の負荷に転送(forward)してもよい。したがって、コントローラ30は、メッセージ/データを暗号化するための手段又はインテリジェンスを含んでもよい。例えば、暗号化された指示は秘密鍵で暗号化されてもよく、前記秘密鍵に関する知識をを持った上でのみ解読されてもよい。例えば、認可された負荷は、照明デバイスの同じ製造者によって、又は、例えば、自身のプロダクトに前記秘密鍵を設けることをライセンスされた第三者によって製造され得るので、前記秘密鍵は、認可された負荷に存在してもよい。代替的に、コントローラは、少なくとも1つの負荷のライセンスを評価するように構成されるライセンスチェッカを備えてもよい。
【0060】
依然として図1を参照すると、前記暗号メッセージは、前記時間間隔の開始前に送信される。暗号メッセージは、前記少なくとも1つの負荷11のうちの1つ以上のそれぞれの認可された負荷111、112が、解読された場合に、前記選択された時間間隔の間に電力バス20から所定の電力量を消費するための暗号化された指示を含む。したがって、前記少なくとも1つの負荷111の前記1つ以上のそれぞれの許可された負荷111、112は、暗号メッセージを読み取り、前記選択された時間間隔の間に所定の電力量を消費するように前記指示を解読することができる。これは、第1のそれぞれの負荷111、マイクロホン111及び第2のそれぞれの負荷112、PIRセンサ112が、指示を解読することができ、前記選択された時間間隔の間に指示された所定の電力量を消費し、一方、第3のそれぞれの負荷113、認可されていないマイクロ波センサ113は、前記選択された時間間隔の間に指示された所定の電力量を消費しないことを意味する。
【0061】
前述したように、代替的に、前記暗号メッセージは、前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷に送信されてもよい。その結果、そのような代替例では、許可されているか否かに関係なく、前記少なくとも1つの負荷11の各負荷111、112、113は、前記暗号メッセージを受信し、観察する。しかしながら、暗号メッセージは、暗号化された指示を含む。したがって、前記少なくとも1つの負荷111の認可されたそれぞれの負荷111、112のみが、暗号メッセージを読み取り、前記選択された時間間隔の間に所定の電力量を消費するように前記指示を解読することができる。認可されていない負荷113は、暗号メッセージ中の前記暗号化された指示を解読することができず、したがって、前記時間間隔中に前記所定の電力量を消費することができない。
【0062】
代替例では、前記コントローラは、前記電力量を消費するための明示的に符号化された指示を伴わずに、前記暗号メッセージを作成する、及び/又はそれに応じて1つ以上の(又は代替的に各)それぞれの負荷に前記暗号メッセージを送信してもよい。すなわち、消費されるべき前記電力量は、例えば、前記少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷自身によって、(前記各それぞれの負荷による)暗号メッセージの受信後に決定されてもよい(暗号メッセージは、前記少なくとも1つの負荷の前記1つ以上の(又は代替的に、各)それぞれの負荷が、前記選択された時間間隔の間に電力バスからある電力量を消費するための指示を示しているに過ぎない)。斯くして、前記暗号メッセージは、それぞれの負荷のインテリジェンスが読み取り、ある電力量を消費するために使用する、トリガ信号であってもよい(該電力量は、(前記各それぞれの負荷によって)自己決定され、消費された電力量が何であったかをコントローラに通知するようにコントローラに伝え戻される)。このようにして、コントローラは、消費された当該電力を決定する。
【0063】
さらに、コントローラ30は、前記選択された時間間隔の間に電力バス20から消費された電力を決定するように構成される。決定された電力が、暗号メッセージを介して前記少なくとも1つの負荷111の前記1つ以上のそれぞれの負荷111、112に送信された各所定の電力量の合計と異なる場合、コントローラ30は、状態を決定する。前記決定は、測定によって行われる。したがって、コントローラは、前記時間間隔の間に電力バスから消費された電力を測定する。これにより、状態は、電力バス上の電力消費が、認可された負荷に指示された又は認可された負荷と(事前に)合意された電力消費から逸脱していることを示す。それゆえ、前記状態は、認可されていない負荷(すなわち、マイクロ波センサ113))が、前記選択された時間間隔の間に電力バス20から電力を引き出していることを示し得る。
【0064】
再び代替的に、暗号メッセージが少なくとも1つの負荷の各負荷に伝えられる例を参照する。決定された電力が、暗号メッセージを介して少なくとも1つの負荷の各それぞれの負荷に送信された各所定の電力量の合計と異なる場合、コントローラは、状態を決定する。
【0065】
依然として図1を参照する。例えば、マイクロホン111、PIRセンサ112、マイクロ波センサ113は、通常の動作で各2ワットを消費する。コントローラ30によって送信される暗号メッセージの暗号化された指示は、前記指示を解読することができる負荷に、前記選択された時間間隔の間に0.01ワットの所定量を消費するように指示する。マイクロホン111及びPIRセンサ112は認可されているので、マイクロホン111及びPIRセンサのみが、暗号メッセージでコントローラ30によって送信された暗号化された指示をフォローアップする。したがって、マイクロホン111及びPIRセンサ112のみが、前記選択された時間間隔の間に0.01ワットの所定の電力量を消費することになる。マイクロ波センサ113は、前記メッセージでアドレスされないが、電力バス20を介して送信されたメッセージを観察するかもしれない(又はオーバーヒアするかもしれない)。しかしながら、マイクロ波センサ113は、認可されておらず、したがって、前記暗号化された指示を解読する手段を備えていない。マイクロ波センサ113は、時間間隔の正確な開始点及び終了点を認識せず、また、時間間隔の間に適用される指示の正確な性質(nature)を認識せず、したがって、前記選択された時間間隔の間に2ワットの電力を消費し続ける。その結果、前記選択された時間間隔の間に、コントローラ30は、電力バス上で2.02ワットの消費電力を測定する。しかしながら、暗号メッセージを介して少なくとも1つの負荷11の前記1つ以上のそれぞれの負荷111、112に、すなわち、認可されたセンサの各センサに送信された各所定の電力量の総和は、0.02ワットである。ここで、測定された2.02ワットの電力は、前記選択された時間間隔の間の0.03ワットと異なる。したがって、コントローラ30は、状態を決定し、該状態は、認可されていない負荷(すなわち、マイクロ波センサ113))が存在し、前記選択された時間間隔の間に電力バス20から電力を引き出していることを示す。
【0066】
ゆえに、このような望ましくない状態に対処するために、前記状態の決定に応答して、コントローラ30は、少なくとも1つのアクションを実行するように構成されてもよい。このようなアクションは、例えば、是正アクション又は報告アクションであってもよい。
【0067】
ここで、コントローラ30によって実行される少なくとも1つのアクションは、第1に、トランシーバ(図示せず)に通知信号を送信することであり、トランシーバは、通知メッセージの形態で無線通信を介して前記通知信号を転送する。前記通知メッセージは、例えば、照明デバイスの所有者のモバイルデバイスで受信される。したがって、照明デバイスの所有者は、認可されていないデバイスが照明デバイスの電力出力と電気的に接続されている可能性があることを警告される。
【0068】
第2に、コントローラ30は、前記電力を半分にカットすることにより電力バスに供給される電力量を変更する。これにより、負荷111、112、113のいずれも、その通常の動作に従って動作することができないことが保証され、これは、認可されていない負荷113について、その危険な影響が制御される又は「減少」され得ることを意味する。代替的に、前記少なくとも1つのアクションは、電源によって電力バスに供給される電力量を変更することを含んでもよく、電源によって電力バスに供給される前記電力量は、ゼロであってもよい。認可されていない負荷は安全基準を守っていないかもしれないので、電力バスに供給される電力量がゼロであるこのような変更は、電力バスに供給される電力が遮断され得るので、有利であり得る。
【0069】
第3に、ここでは、少なくとも1つのアクションは、一次負荷に関する。すなわち、コントローラ30は、TLEDに、その光出力の光強度を揺動するように、したがって、点滅する光出力を提供するように指示する。このような点滅する光出力は、前記TLEDを観察している者に対して、照明デバイスが、電気的に接続されている認可されていない負荷を含んでいることを示すものであってもよい。
【0070】
図2は、非限定的な例として、図1に示される実施形態と部分的に類似する、本発明による照明デバイス500の一実施形態を概略的に示す。ここでも、照明デバイス500は、電源50、コントローラ70及び電力バス60を含む。電源50は、電力バス60に供給するように構成され、コントローラ70を含む。電力バス60は、LEDモジュールを取り付けるためのソケットである、複数の電力出力61を含み、前記複数の電力出力61のうちの少なくとも1つの電力出力611、612、613は、それぞれ少なくとも1つの負荷51に電気的に接続するように構成され、少なくとも1つの負荷51は、少なくとも1つのLEDモジュール511、512、513である。すなわち、第1のLEDモジュール511は認可されていて、第2のLEDモジュール512は認可されていなく、第3のLEDモジュール513は認可されていなく、非認可(non-authorization)は、斯かるLEDモジュールが競合他社のものであるためであり得る。例えば、競合他社は、危険な状況から保護するために重要であると考えられる安全対策をLEDモジュールの設計に組み込み損なっている。代替的に、前記LEDモジュールは、他の任意の光源、アクチュエータ、又はセンサであってもよい。このようなアクチュエータは、例えば、スピーカ、RFビーコン、IRビーコン、VLCビーコン、ディスプレイデバイス、機械的アクチュエータ、RADAR、LIDAR、又はファン等のいずれかであってもよい。このような光源は、例えば、LED光源、OLED光源、半導体光源、T−LED、LEDモジュール、LEDストリップ、従来の光源、白熱灯、蛍光灯、レトロフィットランプ、スポットライト、ハロゲンスポット等であってもよい。
【0071】
同様に、上記で見られるように、電力バス60は、電源50と、前記少なくとも1つの負荷51の各それぞれの負荷511、512、513との間でPLCを介してデータを通信するように構成される。ここでも、そのような認可されていないデバイス又は負荷を決定し、それに応じてアクションを取ることが一つの目的である。斯くして、コントローラ70は、将来の時間間隔を選択する。この時間間隔は、時間的にランダムに選択される。前記時間間隔の持続時間は、5ミリ秒である。コントローラ70は、前記時間間隔の開始前に、各LEDモジュール511、512、513に暗号メッセージを送信する。暗号メッセージは、各それぞれのLEDモジュール511、512、513が、前記選択された時間間隔の間に電力バス60から所定の電力量を消費するための暗号化された指示を含む。認可された第1のLEDモジュール511のみが認可されていて、前記指示を解読するための手段(例えば、秘密鍵)を含む。認可されていないLEDモジュール512、513は、前記指示を解読することができない。
【0072】
所定の電力量はゼロである。したがって、バス60に電気的に接続されたすべてのLEDモジュールが認可されている場合、前記選択された時間間隔の間に電力バス6上で電力が消費されることはない。コントローラ70は、前記選択された時間間隔の間に電力バス60から消費された電力を測定する。この場合、第1のLEDモジュール511はゼロの電力を消費し、第2のLEDモジュール512及び第3のLEDモジュール513はゼロより大きい電力を消費する。したがって、コントローラ70は、前記測定された電力バス60から消費された電力(電力は前記時間間隔の間にゼロではない)が、暗号メッセージを介して各それぞれのLEDモジュール511、512、513に送信された各所定の電力量(電力は前記時間間隔の間にゼロでなければならない)の合計と異なるため、状態を決定する。この状態は、認可されていない負荷が電力バス60に電気的に接続されていることを示す。前記状態の決定に応答して、コントローラ70は、少なくとも1つのアクションを実行する。ここでは、少なくとも1つのアクションは、電力バス60への電力を完全に遮断することである。これにより、安全性を確保することができる。代替的に、前に述べたように、通知又は電力バスを介して異なる電力量を提供する等の他のアクションが想定されてもよく、例えば、LEDモジュールに点滅する光を発光させるように電力バスを介して揺動電力を提供してもよく、又は、認可されていない状態が決定されたことを示すコードをVLCを介して送信してもよい。
【0073】
一節において、所定の電力量がゼロである上記の例は、認可された負荷とバスに並列に接続されている認可されていない負荷を検出するために有効であることに留意されたい。認可されていない負荷が、認可された負荷と直列に接続される場合(このタイプの攻撃が、システム設計を考慮して物理的に可能である場合)、所定の電力量がゼロである例示の検出方法は、直列に接続されていることにより、認可されていない負荷も時間間隔の間にゼロの電力量を検出することになり、電力測定に不可視(invisible)になるので、利かないであろう。直列に接続された認可されていない負荷を検出するために(そのような検出が懸念される場合)、コントローラは、バスから消費される電力の総量に対する直列に接続された認可されていない負荷の効果が隠されずに観察されることができるように、非ゼロの電力量が、認可された負荷によって(又は異なる時間間隔の間に異なる認可された負荷によって)用いられるべきであることを指定することができる。このような非ゼロ量は、ミリワット又はミリアンペアの数として指定されてもよいが、電力バスに接続するその電力入力端子間の特定の指定されたオーミック抵抗を作成するための負荷への指示として指定されてもよい。
【0074】
高度な認可されていない負荷は、バス供給電圧の過渡変化を探すことによって時間間隔の開始を検出しようと試み、そのような過渡現象を検出すると、最大時間間隔の時間よりも長い時間量の間、バスから消費する電力をゼロに減少させる措置を取るかもしれない。このような高度な負荷に対するいくつかの対策は、第1に、電源による過渡現象のランダムな注入であり、第2に、時間間隔の間に変化する電力レベルを消費させ、複雑な電力消費シグネチャを作成するような、時間間隔の間の挙動(behavior)に関する認可された負荷へのより複雑な指示である。
【0075】
図3は、少なくとも1つのアクションを実行する方法800の一実施形態をフローチャートで概略的に示す。方法800は、図1及び図2に示される実施形態等の照明デバイスの電源に含まれるコントローラによって実行される。照明デバイスは、電源及び電力バスを含み、電源は、電力バスに給電するように構成され、電力バスは、複数の電力出力を含む。
【0076】
方法800は、時間間隔を選択するステップ801を含む。斯かる時間間隔は、一部の例では、時間的にランダムに選択されるが、代替的には、時間的に周期的に選択される、将来の時間間隔であってもよい。方法はさらに、前記時間間隔の開始前に、少なくとも1つの負荷のうちの1つ以上のそれぞれの負荷に暗号メッセージを伝えるステップ802を含み、少なくとも1つの負荷は、それぞれ前記複数の電力出力のうちの少なくとも1つの電力出力に電気的に接続され、暗号メッセージは、前記少なくとも1つの負荷のうちの1つ以上のそれぞれの負荷が、解読された場合に、前記選択された時間間隔の間に電力バスから所定の電力量を消費するための暗号化された指示を示す。代替的に、暗号メッセージは、前記1つ以上のそれぞれの負荷(又は各それぞれの負荷)に送られてもよく、前記指示を含んでもよい。斯かる負荷は、例えば、センサ、光源、又は他のアクチュエータであってもよい。方法はさらに、前記選択された時間間隔の間に電力バスから消費された電力を測定するステップ803と、前記測定された電力バスから消費された電力が、前記少なくとも1つの負荷のうちの前記1つ以上のそれぞれの負荷に暗号メッセージを介して伝えられた(又は代替的には送られた)各所定の電力量の合計と異なる状態を決定するステップ804とを含む。最後に、方法は、前記状態を決定することに応答して、少なくとも1つのアクションを実行するステップ805を含む。少なくとも1つのアクションは、本実施形態では、通知信号を送信することを含む、及び/又は、電源によって電力バスに供給される電力を変えることを含む。
図1
図2
図3