【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本第1発明は、容器の口部に取り付けられる中栓と、回転することにより中栓に着脱自在なねじ式の蓋とを有し、
中栓は周囲が破断可能な弱化部で囲まれた筒状の離脱部を有し、
弱化部が破断して離脱部が中栓から離脱することにより、中栓に注出口が形成されるキャップであって、
互いに螺合するねじが中栓と蓋とに形成され、
蓋は、内部に、内外二重に配設された筒状の内側および外側保持部を有し、
蓋が閉じた状態で、中栓の離脱部が蓋の内側保持部と外側保持部との間に保持され、
離脱部の外周に第1の外周側係合部が形成され、
離脱部の内周に第1の内周側係合部が形成され、
外側保持部の内周に第2の内周側係合部が形成され、
内側保持部の外周に第2の外周側係合部が形成され、
蓋が開方向へ回転した際、第2の内周側係合部が開方向において第1の外周側係合部に係合するとともに、第2の外周側係合部が開方向において第1の内周側係合部に係合
し、
蓋は打栓により中栓に装着されるものである。
【0010】
これによると、蓋を開方向へ回転した際、開方向において、第2の内周側係合部が第1の外周側係合部に係合するとともに、第2の外周側係合部が第1の内周側係合部に係合し、これにより、蓋を回転した際の回転トルクが第2の内周側係合部と第1の外周側係合部および第2の外周側係合部と第1の内周側係合部を介して離脱部に作用し、この回転トルクによって弱化部が破断する。
【0011】
この際、離脱部が蓋の内側保持部と外側保持部との間に保持されているため、大きな回転トルクが離脱部の第1の外周側および内周側係合部に作用しても、離脱部や第1の外周側係合部が径方向内側に撓んで逃げたり、或いは、離脱部や第1の内周側係合部が径方向外側に撓んで逃げたりするのを防止することができる。
【0012】
これにより、蓋を回転した際の回転トルクが十分に離脱部に伝えられて、弱化部が確実に破断され、離脱部が中栓から離脱し、中栓に注出口が形成される。
【0013】
本第2発明におけるキャップは、第1の外周側係合部と第1の内周側係合部と第2の内周側係合部と第2の外周側係合部とはそれぞれ周方向において複数形成されているものである。
【0014】
これによると、蓋を開方向へ回転した際、開方向において、複数の第2の内周側係合部が複数の第1の外周側係合部に係合するとともに、複数の第2の外周側係合部が複数の第1の内周側係合部に係合するため、開方向の力が、離脱部の外周側において複数の第1の外周側係合部に分散して作用するとともに、離脱部の内周側において複数の第1の内周側係合部に分散して作用する。このため、開方向の力がいずれかの第1の外周側係合部又は第1の内周側係合部に集中することはなく、第1の外周側係合部および第1の内周側係合部の損傷を防止することができる。
【0015】
本第3発明におけるキャップは、第1の外周側係合部は離脱部の外周面から径方向外側へ突出する突起であり、
第1の内周側係合部は離脱部の内周面から径方向内側へ突出する突起であり、
第2の内周側係合部は外側保持部の内周面から径方向内側へ突出する突起であり、
第2の外周側係合部は内側保持部の外周面から径方向外側へ突出する突起であり、
周方向において隣同士の第1の外周側係合部間に第2の内周側係合部が挿入され、
周方向において隣同士の第1の内周側係合部間に第2の外周側係合部が挿入されているものである。
【0016】
これによると、中栓に対して上方から蓋を打栓して、蓋を中栓に装着する際、蓋の第2の内周側係合部が上方から中栓の第1の外周側係合部間に挿入され、蓋の第2の外周側係合部が上方から中栓の第1の内周側係合部間に挿入されるため、蓋を無理せずにスムーズに中栓に打栓することができる。
【0017】
本第4発明におけるキャップは、第1の外周側係合部は外側保持部を離脱部の径方向外側へ案内する外側案内部を有し、
第1の内周側係合部は内側保持部を離脱部の径方向内側へ案内する内側案内部を有しているものである。
【0018】
これによると、中栓に対して上方から蓋を打栓して、蓋を中栓に装着する際、外側保持部が第1の外周側係合部の外側案内部によって離脱部の径方向外側へ案内され、内側保持部が第1の内周側係合部の内側案内部によって離脱部の径方向内側へ案内されるため、離脱部が確実に内側保持部と外側保持部との間に挿入される。
【0019】
本第5発明におけるキャップは、第1の外周側係合部と第1の内周側係合部とが周方向において交互に配置されているものである。
【0020】
これによると、蓋を開方向へ回転した際、開方向において、複数の第2の内周側係合部が複数の第1の外周側係合部に係合するとともに、複数の第2の外周側係合部が複数の第1の内周側係合部に係合する。この際、第1の外周側係合部と第1の内周側係合部とが周方向において交互に配置されているため、開方向の力が離脱部の周方向において均等に分散して作用する。これにより、開方向の力が離脱部の周方向における特定箇所に偏って集中することはなく、離脱部の変形を防止することができる。
【0021】
本第6発明におけるキャップは、離脱部は、円筒部と、円筒部の底部を閉鎖する閉鎖部とを有し、
第1の外周側係合部が円筒部の外周に形成され、
第1の内周側係合部が円筒部の内周に形成されているものである。
【0022】
これによると、未使用のキャップを容器の口部に取り付けた状態では、離脱部の円筒部の底部は閉鎖部で閉鎖されているため、容器内の液が離脱部の円筒部内に侵入するのを阻止することができる。これにより、容器内の液が離脱部の円筒部内に付着してそのまま残留するのを防止することができる。
【0023】
本第7発明におけるキャップは、閉鎖部の底面に、付着した液を集めて滴下させる勾配を設けたものである。
【0024】
これによると、未使用のキャップを容器の口部に取り付けた状態で、容器内の液が閉鎖部の底面に付着しても、付着した液は閉鎖部の底面の勾配によって集められて容器内に滴下する。これにより、閉鎖部の底面に付着する液の付着量が低減される。