【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の幾つかの実施形態は、アルツハイマー病及び/又は脳アミロイド血管障害(CAA)を治療するための技術を提供する。本発明の幾つかの用途では、脳実質に脳実質電極が埋め込まれ、脳脊髄液(CSF)電極が、例えば脳室系及びクモ膜下腔から選択された脳のCFS充填腔に埋め込まれる。制御回路が作動されて、脳実質電極及びCSF電極を駆動し、アミロイドβ及び/又はタウタンパク質などの物質を脳実質から脳のCFF充填腔内に排出する。
【0006】
幾つかの用途では、本発明の技術は、脳実質からの物質の排出に加えて、物質をCFS充填腔から脳の上矢状静洞に物質を排出する。
【0007】
したがって、本発明の発明的概念1に従い、
疾患の危険性があり、又は疾患に罹患していると認定された対象者の脳実質に埋め込まれるように構成された脳実質電極と、
脳室系とクモ膜下腔とからなる群から選択される前記対象者の脳のCSF充填腔に埋め込まれるように構成された脳脊髄液(CSF)電極と、
前記脳実質電極及び前記CSF電極を駆動して、前記脳実質から前記脳の前記CSF充填腔に物質を排出するように構成された制御回路と、を備える装置が提供される。
【0008】
更に、本発明の発明的概念2に従い、
疾患の危険性があり、又は疾患に罹患していると認定された対象者の脳実質と電気的に接触して埋め込まれるように構成された脳実質電極と、
脳室系とクモ膜下腔とからなる群から選択される前記対象者の脳のCSF充填腔に埋め込まれるように構成された脳脊髄液(CSF)電極と、
前記脳実質電極及び前記CSF電極を駆動して、前記脳実質から前記脳の前記CSF充填腔に物質を排出するように構成された制御回路と、を備える装置が提供される。
【0009】
<発明的概念3>
前記疾患がアルツハイマー病であり、前記脳実質電極が、アルツハイマー病の危険性があり、又はアルツハイマー病に罹患していると認定された前記対象者に埋め込まれるように構成される、発明的概念1又は2に記載の装置。
【0010】
<発明的概念4>
前記疾患が脳アミロイド血管障害(CAA)であり、前記脳実質電極が、CAAの危険性があり、又はCAAに罹患していると認定された前記対象者に埋め込まれるように構成される、発明的概念1又は2に記載の装置。
【0011】
<発明的概念5>
前記脳の前記CSF充填腔が脳室系であり、前記CSF電極が前記脳室系に埋め込まれるように構成された脳室電極である、発明的概念1又は2に記載の装置。
【0012】
<発明的概念6>
前記脳の前記CSF充填腔がクモ膜下腔であり、前記CSF電極が、前記クモ膜下腔内に埋め込まれるように構成されるクモ膜下電極である、発明的概念1又は2に記載の装置。
【0013】
<発明的概念7>
前記物質はアミロイドβを含み、前記制御回路は、前記脳実質電極及び前記CSF電極を駆動して、前記アミロイドβを前記脳実質から前記脳の前記CSF充填洞に排出するようにするように構成される、発明的概念1又は2に記載の装置。
【0014】
<発明的概念8>
前記物質は金属イオンを含み、前記制御回路は、前記脳実質電極及び前記CSF電極を駆動して、前記金属イオンを前記脳実質から前記脳の前記CSF充填洞に排出するように構成される、発明的概念1又は2に記載の装置。
【0015】
<発明的概念9>
前記物質がタウタンパク質を含み、前記制御回路は、前記脳実質電極及び前記CSF電極を駆動して、前記タウタンパク質を前記脳実質から前記脳の前記CSF充填に排出するように構成される、発明的概念1又は2に記載の装置。
【0016】
<発明的概念10>
前記脳実質電極が、前記脳の白質に埋め込まれるように構成される、発明的概念1又は2に記載の装置。
【0017】
<発明的概念11>
前記制御回路は、前記脳実質電極を陽極として構成し、前記CSF電極を陰極として構成するように構成される、発明的概念1又は2に記載の装置。
【0018】
<発明的概念12>
前記制御回路は、前記脳実質電極を陰極として構成し、前記CSF電極を陽極として構成するように構成される、発明的概念1又は2に記載の装置。
【0019】
<発明的概念13>
前記制御回路は、前記脳実質電極を用いて深部脳刺激を付加的に印加するように構成される、発明的概念1又は2に記載の装置。
【0020】
<発明的概念14>
前記制御回路は、前記対象者の皮膚下に埋め込まれるように構成される、発明的概念1又は2に記載の装置。
【0021】
<発明的概念15>
前記制御回路は、前記脳実質性電極と前記CSF電極との間に非励起電流を印加することによって、前記脳実質性電極及び前記CSF電極を駆動して前記物質を排出するように構成される、発明的概念1又は2に記載の装置。
【0022】
<発明的概念16>
前記制御回路は、前記脳実質電極と前記CSF電極との間に直流を印加することによって、前記脳実質電極及び前記CSF電極を駆動して前記物質を排出するように構成される、発明的概念1又は2に記載の装置。
【0023】
<発明的概念17>
前記制御回路は、1〜5mAの平均振幅を有する直流を印加するように構成される、発明的概念16に記載の装置。
【0024】
<発明的概念18>
前記制御回路は、1.2V未満の平均振幅を有する直流を印加するように構成される、発明的概念16に記載の装置。
【0025】
<発明的概念19>
前記制御回路は、前記直流を一連のパルスとして印加するように構成される、発明的概念16に記載の装置。
【0026】
<発明的概念20>
前記制御回路は、100ミリ秒〜300秒の平均パルス持続時間を有する一連のパルスとして前記直流を印加するように構成される、発明的概念19に記載の装置。
【0027】
<発明的概念21>
前記制御回路は、1%〜50%のデューティサイクルを有する一連のパルスとして前記直流を印加するように構成される、発明的概念19に記載の装置。
【0028】
<発明的概念22>
前記制御ユニットは、前記各パルス中に前記脳実質電極と前記CSF電極との間に電圧を印加することによって、前記物質を排出するように前記脳実質電極及び前記CSF電極を駆動し、
前記電圧を印加しつつ、前記パルス中に前記電圧を印加することによって生じる電流を測定し、
前記測定された電流が閾値を下回ると前記パルスを終了させるように構成される、発明的概念19に記載の装置。
【0029】
<発明的概念23>
前記閾値は、前記パルスの開始時に測定される初期電流の大きさに基づく値である、発明的概念22に記載の装置。
【0030】
<発明的概念24>
上矢状洞内、又はその上方に配置されるように適合された中間面処置電極を更に備え、前記制御回路は、前記中間面処置電極と前記CSF電極との間に処置電流を印加することによって、前記物質を前記CSF充填腔から前記上矢状洞に排出するように構成される、発明的概念1又は2に記載の装置。
【0031】
<発明的概念25>
前記中間面処置電極は、前記上矢状洞の上方に配置されるように適合される、発明的概念24に記載の装置。
【0032】
<発明的概念26>
前記中間面処置電極は、前記対象者の頭の頭蓋骨の外側に、かつ前記頭蓋骨と電気的に接触して前記上矢状洞の上方に配置されることを特徴とする発明的概念25に記載の装置。
【0033】
<発明的概念27>
前記中間面処置電極は、前記対象者の頭の頭蓋骨の下で上矢状洞の上方に配置されるように適合される、発明的概念25に記載の装置。
【0034】
<発明的概念28>
前記中間面処置電極は、前記上矢状洞に埋め込まれるように構成される、発明的概念24に記載の装置。
【0035】
<発明的概念29>
前記CSF電極は、前記対象者の頭蓋骨の矢状面から1cm〜12cmの位置に配置されるように適合していることを特徴とする発明的概念24に記載の装置。
【0036】
<発明的概念30>
脳のCSF充填腔はクモ膜下腔であり、
前記CSF電極は、前記クモ膜下腔内に埋め込まれるように構成されたクモ膜下電極であり、
前記制御回路は、前記物質を前記クモ膜下腔から前記上矢状洞へと排出するように構成される、発明的概念24に記載の装置。
【0037】
<発明的概念31>
前記制御回路は、流体を前記脳の前記CSF充填腔から前記上矢状洞へと電気浸透的に駆動することによって前記物質を排出するように構成される、発明的概念24に記載の装置。
【0038】
<発明的概念32>
前記制御回路は、前記中間面処置電極を陰極として構成し、前記CSF電極を陽極として構成することによって、前記流体を前記脳の前記CSF充填腔から前記上矢状洞へと駆動するように構成される、発明的概念31に記載の装置。
【0039】
<発明的概念33>
前記制御回路は、前記物質を前記脳の前記CSF充填腔から前記上矢状洞へと電気泳動的に駆動することによって排出するように構成される、発明的概念24に記載の装置。
【0040】
<発明的概念34>
前記制御回路は、前記処置電流を直流として印加するように構成される、発明的概念24に記載の装置。
【0041】
<発明的概念35>
前記制御回路は、同時に、
(a)前記脳実質電極及び前記CSF電極を駆動して、前記物質を前記脳実質から前記脳のCSF充填腔へと排出し、
(b)前記中間面処置電極と前記CSF電極との間に前記処置電流を印加して前記物質を前記CSF充填腔から前記上矢状洞へと排出する
ように構成される、発明的概念24に記載の装置。
【0042】
<発明的概念36>
前記制御回路は、前記脳実質電極、前記CSF電極、前記中間面処置電極にそれぞれ第1、第2、第3の電圧を印加するように構成され、前記第3の電圧は、前記第1の電圧よりも正である前記第2の電圧よりも正である、発明的概念35に記載の装置。
【0043】
<発明的概念37>
前記制御回路は、交互に、
(a)前記脳実質電極及び前記CSF電極を駆動して、前記脳実質から前記脳の前記CSF充填腔に前記物質を排出し、
(b)前記中間面処置電極と前記CSF電極との間に前記処置電流を印加して前記物質を前記CSF充填腔から上矢状洞へと排出する
ように構成される、発明的概念24に記載の装置。
【0044】
<発明的概念38>
前記脳脊髄液(CSF)電極が第1の脳脊髄液(CSF)電極であり、
前記装置は更に、
上矢状洞内又はその上方に配置されるように適合された中間面処置電極と、
脳室系及びクモ膜下腔からなる群から選択される前記対象者の脳のCSF充填腔に埋め込まれるように構成される第2の脳脊髄液(CSF)電極と、を備え、
前記制御回路は、(a)前記中間面処置電極と(b)前記第2のCSF電極との間に処置電流を印加することによって、前記物質を前記脳の前記CSF充填腔から前記上矢状洞へと排出するように構成される、発明的概念1又は2に記載の装置。
【0045】
<発明的概念39>
前記中間面処置電極は、前記上矢状洞の上方に配置されるように適合される、発明的概念38に記載の装置。
【0046】
<発明的概念40>
前記中間面処置電極は、前記対象者の頭の頭蓋骨の外側で前記頭蓋骨と電気的に接触して前記上矢状洞の上方に配置される発明的概念39に記載の装置。
【0047】
<発明的概念41>
前記中間面処置電極は、前記対象者の頭部の頭蓋骨の下で前記上矢状洞の上方に配置されるように適合される、発明的概念39に記載の装置。
【0048】
<発明的概念42>
前記中間面処置電極は、前記上矢状洞に埋め込まれるように構成される、発明的概念38に記載の装置。
【0049】
<発明的概念43>
上矢状洞の上方に配置されるように適合された中間面処置電極と、
前記対象者の頭部の頭蓋骨の矢状中間面から1cm〜12cmの位置に配置されるように適合された側方処置電極と、を備え、
前記制御回路は、(a)の1つ又は複数の前記中間面処置電極と(b)1つ又は複数の前記側方処置電極の間に1つ又は複数の処置電流を印加することによって、前記物質を前記クモ膜下腔から前記上矢状洞へと排出するように構成される、発明的概念1又は2に記載の装置。
【0050】
<発明的概念44>
前記中間面処置電極は、前記対象者の頭の頭蓋骨の外側で前記頭蓋骨と電気的に接触して前記上矢状洞の上方に配置されるように適合される発明的概念43に記載の装置。
【0051】
<発明的概念45>
前記中間面処置電極は、前記対象者の頭の頭蓋骨の下で前記上矢状洞の上方に配置されるように適合される、発明的概念43に記載の装置。
【0052】
<発明的概念46>
前記制御回路は、流体を前記クモ膜下腔から前記上矢状洞へと電気浸透的に駆動することによって前記物質を排出するように適合される、発明的概念43に記載の装置。
【0053】
<発明的概念47>
前記制御回路は、前記中間面処置電極を陰極として構成し、前記側方処置電極を陽極として構成するように構成される、発明的概念46に記載の装置。
【0054】
<発明的概念48>
前記側方処置電極は、(a)前記頭蓋骨の矢状中間面の左に配置されるように適合された左側方処置電極と、(b)前記頭蓋骨の矢状中間面の右に配置されるように適合された右側方処置電極と、を備え、
前記制御回路は、前記中間面処置電極を陰極として構成し、前記左側方処置電極及び前記右側方処置電極をそれぞれ左右の陽極として構成するように構成される発明的概念46に記載の装置。
【0055】
<発明的概念49>
前記制御回路は、前記物質を前記クモ膜下腔から前記上矢状洞へと電気泳動的に駆動することによって前記物質を排出するように構成される、発明的概念43に記載の装置。
【0056】
<発明的概念50>
前記側方処置電極は、(a)前記頭蓋骨の矢状中間面の左に配置されるように適合された左側方処置電極と、(b)前記頭蓋骨の矢状中間面の右に配置されるように適合される右側方処置電極と、を備え、
前記制御回路は、前記中間面処置電極を陽極として構成し、前記左側方処置電極及び前記右側方処置電極をそれぞれ左右の陰極として構成するように構成される、発明的概念49に記載の装置。
【0057】
<発明的概念51>
前記側方処置電極は、前記対象者のクモ膜の下に埋め込まれるように適合される、発明的概念43に記載の装置。
【0058】
<発明的概念52>
前記側方処置電極は、前記クモ膜下腔内に配置されるように適合される、発明的概念51に記載の装置。
【0059】
<発明的概念53>
前記側方処置電極は、前記対象者の脳の灰白質又は白質に配置されるように適合される、発明的概念51に記載の装置。
【0060】
<発明的概念54>
前記制御回路は、前記1つ又は複数の処置電流を直流として印加するように構成される、発明的概念43に記載の装置。
【0061】
更に、本発明の発明的概念55に従い、
疾患の危険性があり、又は疾患に罹患していると認定された対象者の脳実質に脳実質電極を埋め込むステップと、
脳室系とクモ膜下腔とからなる群から選択される前記対象者の脳のCSF充填腔に脳脊髄液(CSF)電極を埋め込むステップと、
前記脳実質電極及び前記CSF電極を駆動して、前記脳実質から前記脳の前記CSF充填腔に物質を排出するように制御回路を駆動するステップを有する方法が提供される。
【0062】
<発明的概念56>
前記疾患がアルツハイマー病であり、脳実質電極を埋め込むステップが、アルツハイマー病の危険性があり、又はアルツハイマー病に罹患していると認定された前記対象者に脳実質電極を埋め込むステップを有する、発明的概念55に記載の装置。
【0063】
<発明的概念57>
前記疾患が脳アミロイド血管障害(CAA)であり、脳実質電極を埋め込むステップが、CAAのリスクがあり、又はCAAに罹患していると認定された前記対象者に脳実質電極を埋め込むステップを有する、発明的概念55に記載の装置。
【0064】
<発明的概念58>
前記脳の前記CSF充填腔が脳室系であり、前記CSF電極が脳室電極であり、前記制御装置を駆動するステップが、前記脳実質電極及び前記脳室系電極を駆動して、前記脳実質から前記脳室系に物質を排出するするステップを有する、発明的概念55に記載の方法。
【0065】
<発明的概念59>
前記脳の前記CSF充填腔がクモ膜下腔であり、前記CSF電極がクモ膜下電極であり、前記制御装置を駆動するステップが、前記脳実質電極及び前記クモ膜下電極を駆動して、前記脳実質から前記クモ膜下腔に物質を排出するステップを有する、発明的概念55に記載の方法。
【0066】
<発明的概念60>
前記物質はアミロイドβを含み、前記制御装置を駆動するステップが、前記脳実質電極及び前記CSF電極を駆動して、前記アミロイドβを前記脳実質から前記脳の前記CSF充填洞に排出するように前記制御装置を駆動するステップを有する、発明的概念55に記載の方法。
【0067】
<発明的概念61>
前記物質は金属イオンを含み、前記制御装置を駆動するステップが、前記脳実質電極及び前記CSF電極を駆動して、前記金属イオンを前記脳実質から前記脳の前記CSF充填洞に排出するように前記制御装置を駆動するステップを有する、発明的概念55に記載の方法。
【0068】
<発明的概念62>
前記物質がタウタンパク質を含み、前記制御装置を駆動するステップが、前記脳実質電極及び前記CSF電極を駆動して、前記タウタンパク質を前記脳実質から前記脳の前記CSF充填に排出するように前記制御装置を駆動するステップを有する、発明的概念55に記載の方法。
【0069】
<発明的概念63>
脳実質に前記脳実質電極を埋め込むステップが、前記脳の白質に脳実質電極を埋め込むステップを有する、発明的概念55に記載の方法。
【0070】
<発明的概念64>
脳実質に前記脳実質電極を埋め込むステップが、前記脳の灰白質に脳実質電極を埋め込むステップを有する、発明的概念63に記載の方法。
【0071】
<発明的概念65>
脳実質に前記脳実質電極及び前記CSF電極を埋め込むステップが、前記物質の蓄積領域が前記脳実質電極及び前記CSF電極の間であるように前記脳実質電極及び前記CSF電極を埋め込むステップを有する、発明的概念63に記載の方法。
【0072】
<発明的概念66>
脳実質に前記脳実質電極及び前記CSF電極を埋め込むステップが、前記脳実質電極及び前記CSF電極を埋め込む前に、前記脳実質における前記物質の蓄積領域を特定するステップを有する、発明的概念65に記載の方法。
【0073】
<発明的概念67>
前記物質の蓄積領域を特定するステップが、前記脳の画像化を実行するステップを有する、発明的概念66に記載の方法。
【0074】
<発明的概念68>
前記脳の画像化を実行するステップが、機能的MRI(fMRI)を実行するステップを有する、発明的概念67に記載の方法。
【0075】
<発明的概念69>
前記脳実質電極を埋め込むステップが、前記物質の蓄積領域が、前記脳実質電極と前記蓄積領域に最も近い前記脳の前記CSF充填腔の間になるように前記脳実質電極を埋め込むステップを有する、発明的概念63に記載の方法。
【0076】
<発明的概念70>
前記脳実質電極を埋め込むステップが、前記脳実質電極を埋め込む前に、前記脳実質における前記物質の前記蓄積領域を特定するステップを有する、発明的概念69に記載の方法。
【0077】
<発明的概念71>
前記物質の前記蓄積領域を特定するステップが、前記脳の画像化を実行するステップを有する、発明的概念70に記載の方法。
【0078】
<発明的概念72>
前記脳の画像化を実行するステップが、機能的MRI(fMRI)を実行するステップを有する、発明的概念71に記載の方法。
【0079】
<発明的概念73>
制御回路を駆動するステップが、前記脳実質電極を陽極として構成し、前記CSF電極を陰極と構成するように制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念55に記載の方法。
【0080】
<発明的概念74>
制御回路を駆動するステップが、前記脳実質電極を陰極として構成し、前記CSF電極を陽極と構成するように制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念55に記載の方法。
【0081】
<発明的概念75>
前記脳実質電極を用いて深部脳刺激を付加的に印加するステップを更に有する、発明的概念55に記載の方法。
【0082】
<発明的概念76>
前記制御回路を前記対象者の皮膚下に埋め込むステップを更に有する、発明的概念55に記載の方法。
【0083】
<発明的概念77>
前記脳実質電極及び前記CSF電極を駆動するように前記制御回路を駆動するステップは、前記脳実質性電極と前記CSF電極との間に非励起電流を印加することによって、前記物質を排出するように前記脳実質性電極及び前記CSF電極を駆動するように前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念55に記載の方法。
【0084】
<発明的概念78>
前記脳実質電極及び前記CSF電極を駆動するように前記制御回路を駆動するステップは、前記脳実質電極と前記CSF電極との間に直流を印加することによって、前記物質を排出するように前記脳実質電極及び前記CSF電極を駆動するように前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念55に記載の方法。
【0085】
<発明的概念79>
直流電流を印加するように前記制御回路を駆動するステップは、1〜5mAの平均振幅を有する直流を印加するように前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念78に記載の方法。
【0086】
<発明的概念80>
直流電流を印加するように前記制御回路を駆動するステップは、1.2V未満の平均振幅を有する直流を印加するように前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念78に記載の方法。
【0087】
<発明的概念81>
直流電流を印加するように前記制御回路を駆動するステップは、直流を一連のパルスとして印加するように前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念78に記載の方法。
【0088】
<発明的概念82>
直流を一連のパルスとして印加するように前記制御回路を駆動するステップは、100ミリ秒〜300秒の平均パルス持続時間を有する一連のパルスとして直流を印加するよう前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念81に記載の方法。
【0089】
<発明的概念83>
直流を一連のパルスとして印加するように前記制御回路を駆動するステップは、1%〜50%のデューティサイクルを有する一連のパルスとして前記直流を印加するように前記制御回路を駆動するステップを有する発明的概念81に記載の方法。
【0090】
<発明的概念84>
前記脳実質電極及び前記CSF電極を駆動するように前記制御回路を駆動するステップは、
前記各パルス中に前記脳実質電極と前記CSF電極との間に電圧を印加することによって、前記物質を排出するように前記脳実質電極及び前記CSF電極を駆動し、
前記電圧を印加しつつ、前記パルス中に前記電圧を印加することによって生じる電流を測定し、
前記測定された電流が閾値を下回ると前記パルスを終了させる
ように前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念81に記載の方法。
【0091】
<発明的概念85>
前記閾値は、前記パルスの開始時に測定される初期電流の大きさに基づく値である、発明的概念84に記載の方法。
【0092】
<発明的概念86>
上矢状洞内、又はその上方に中間面処置電極を配置するステップを更に備え、
前記制御回路を駆動するステップは、前記中間面処置電極と前記CSF電極との間に処置電流を印加することによって、前記物質を前記CSF充填腔から前記上矢状洞に排出するように前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念55に記載の方法。
【0093】
<発明的概念87>
中間面処置電極を配置するステップは、前記上矢状洞の上方に中間面処置電極を配置するステップを含む、発明的概念86に記載の方法。
【0094】
<発明的概念88>
中間面処置電極を配置するステップは、前記対象者の頭の頭蓋骨の外側で前記頭蓋骨と電気的に接触して前記上矢状洞の上方に中間面処置電極を配置するステップを有することを特徴とする発明的概念87に記載の方法。
【0095】
<発明的概念89>
中間面処置電極を配置するステップは、前記対象者の頭の頭蓋骨の下で上矢状洞の上方に中間面処置電極を配置するステップを有する、発明的概念87に記載の方法。
【0096】
<発明的概念90>
中間面処置電極を配置するステップは、前記上矢状洞に前記中間面処置電極を埋め込むステップを有する、発明的概念86に記載の方法。
【0097】
<発明的概念91>
前記CSF電極を埋め込むステップは、前記対象者の頭蓋骨の矢状面から1cm〜12cmの位置に前記CSF電極を埋め込むステップを有することを特徴とする発明的概念86に記載の方法。
【0098】
<発明的概念92>
脳のCSF充填腔はクモ膜下腔であり、
前記CSF電極は、クモ膜下電極であり、
前記制御回路を駆動するステップは、前記物質を前記クモ膜下腔から前記上矢状洞へと排出するように前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念86に記載の方法。
【0099】
<発明的概念93>
前記制御回路を駆動するステップは、流体を前記脳の前記CSF充填腔から前記上矢状洞へと電気浸透的に駆動することによって前記物質を排出するように前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念86に記載の方法。
【0100】
<発明的概念94>
前記制御回路を駆動するステップは、前記中間面処置電極を陰極として構成し、前記CSF電極を陽極として構成することによって、前記流体を前記脳の前記CSF充填腔から前記上矢状洞へと駆動するように前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念93に記載の方法。
【0101】
<発明的概念95>
前記制御回路を駆動するステップは、前記物質を前記脳の前記CSF充填腔から前記上矢状洞へと電気泳動的に駆動することによって排出するように前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念86に記載の方法。
【0102】
<発明的概念96>
前記制御回路を駆動するステップは、前記処置電流を直流として印加するように前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念86に記載の方法。
【0103】
<発明的概念97>
前記制御回路を駆動するステップは、同時に、(a)前記脳実質電極及び前記CSF電極を駆動して、前記物質を前記脳実質から前記脳のCSF充填腔へと排出し、(b)前記中間面処置電極と前記CSF電極との間に前記処置電流を印加して前記物質を前記CSF充填腔から前記上矢状洞へと排出するように前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念86に記載の方法。
【0104】
<発明的概念98>
前記制御回路を駆動するステップは、前記脳実質電極、前記CSF電極、前記中間面処置電極にそれぞれ第1、第2、第3の電圧を印加するように前記制御回路を駆動するステップを有し、前記第3の電圧は、前記第1の電圧よりも正である前記第2の電圧よりも正である、発明的概念97に記載の方法。
【0105】
<発明的概念99>
前記制御回路を駆動するステップは、交互に、(a)前記脳実質電極及び前記CSF電極を駆動して、前記脳実質から前記脳の前記CSF充填腔に前記物質を排出し、(b)前記中間面処置電極と前記CSF電極との間に前記処置電流を印加して前記物質を前記CSF充填腔から上矢状洞へと排出するように前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念86に記載の方法。
【0106】
<発明的概念100>
前記脳脊髄液(CSF)電極が第1の脳脊髄液(CSF)電極であり、
前記方法は更に、
上矢状洞内又はその上方に中間面処置電極を配置するステップと、
脳室系及びクモ膜下腔からなる群から選択される前記対象者の脳のCSF充填腔に第2の脳脊髄液(CSF)電極を埋め込むステップとを備え、
前記制御回路を駆動するステップは、(a)前記中間面処置電極と(b)前記第2のCSF電極との間に処置電流を印加することによって、前記物質を前記脳の前記CSF充填腔から前記上矢状洞へと排出するように前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念55に記載の方法。
【0107】
<発明的概念101>
前記中間面処置電極を配置するステップは、前記上矢状洞の上方に前記中間面処置電極を配置するステップを有する、発明的概念100に記載の方法。
【0108】
<発明的概念102>
前記中間面処置電極を配置するステップは、前記対象者の頭の頭蓋骨の外側で前記頭蓋骨と電気的に接触して前記上矢状洞の上方に前記中間面処置電極を配置するステップを有する、発明的概念101に記載の方法。
【0109】
<発明的概念103>
前記中間面処置電極を配置するステップは、前記対象者の頭部の頭蓋骨の下で前記上矢状洞の上方に前記中間面処置電極を配置するステップを有する、発明的概念101に記載の方法。
【0110】
<発明的概念104>
前記中間面処置電極を配置するステップは、前記上矢状洞に前記中間面処置電極を埋め込むステップを有する、発明的概念100に記載の方法。
【0111】
<発明的概念105>
上矢状洞の上方に前記中間面処置電極を配置するステップと、
前記対象者の頭部の頭蓋骨の矢状中間面から1cm〜12cmの位置に側方処置電極を配置するステップを備え、
前記制御回路を駆動するステップは、(a)の1つ又は複数の前記中間面処置電極と(b)1つ又は複数の前記側方処置電極の間に1つ又は複数の処置電流を印加することによって、前記物質を前記クモ膜下腔から前記上矢状洞へと排出するように前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念55に記載の方法。
【0112】
<発明的概念106>
前記中間面処置電極を配置するステップは、前記対象者の頭の頭蓋骨の外側で前記頭蓋骨と電気的に接触して前記上矢状洞の上方に前記中間面処置電極を配置するステップを有する、発明的概念105に記載の方法。
【0113】
<発明的概念107>
前記中間面処置電極を配置するステップは、前記対象者の頭の頭蓋骨の下で前記上矢状洞の上方に前記中間面処置電極を配置するステップを有する、発明的概念105に記載の方法。
【0114】
<発明的概念108>
前記制御回路を駆動するステップは、流体を前記クモ膜下腔から前記上矢状洞へと電気浸透的に駆動することによって前記物質を排出するように前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念105に記載の方法。
【0115】
<発明的概念109>
前記制御回路を駆動するステップは、前記中間面処置電極を陰極として構成し、前記側方処置電極を陽極として構成するように前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念108に記載の方法。
【0116】
<発明的概念110>
前記側方処置電極は、左側方処置電極及び右側方処置電極を有し、
前記側方処置電極を配置するステップは、前記左側方処置電極を前記頭蓋骨の矢状中間面の左に配置するステップと、前記右側方処置電極を前記頭蓋骨の矢状中間面の右に配置するステップを有し、
前記制御回路を駆動するステップは、前記中間面処置電極を陰極として構成し、前記左側方処置電極及び前記右側方処置電極をそれぞれ左右の陽極として構成するよう前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念108に記載の方法。
【0117】
<発明的概念111>
前記制御回路を駆動するステップは、前記物質を前記クモ膜下腔から前記上矢状洞へと電気泳動的に駆動することによって前記物質を排出するよう前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念105に記載の方法。
【0118】
<発明的概念112>
前記側方処置電極は、左側方処置電極及び右側方処置電極を有し、
前記側方処置電極を配置するステップは、前記左側方処置電極を前記頭蓋骨の矢状中間面の左に配置するステップと、前記右側方処置電極を前記頭蓋骨の矢状中間面の右に配置するステップを有し、
前記制御回路を駆動するステップは、前記中間面処置電極を陽極として構成し、前記左側方処置電極及び前記右側方処置電極をそれぞれ左右の陰極として構成するよう前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念1111に記載の方法。
【0119】
<発明的概念113>
前記側方処置電極を配置するステップは、前記対象者のクモ膜の下に埋め込むステップを有する、発明的概念105に記載の方法。
【0120】
<発明的概念114>
前記側方処置電極を配置するステップは、前記クモ膜下腔内に前記側方処置電極を配置するステップを有する、発明的概念113に記載の方法。
【0121】
<発明的概念115>
前記側方処置電極を配置するステップは、前記対象者の脳の灰白質又は白質に前記側方処置電極を配置するステップを有する、発明的概念113に記載の方法。
【0122】
<発明的概念116>
前記制御回路を駆動するステップは、前記1つ又は複数の処置電流を直流として印加するように前記制御回路を駆動するステップを有する、発明的概念105に記載の方法。
【0123】
本発明は、図面とともに、以下に述べるその実施形態の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。