特許第6941398号(P6941398)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6941398ナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6941398
(24)【登録日】2021年9月8日
(45)【発行日】2021年9月29日
(54)【発明の名称】ナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 41/113 20060101AFI20210916BHJP
   H01L 41/29 20130101ALI20210916BHJP
   H01L 41/314 20130101ALI20210916BHJP
   H01L 41/43 20130101ALI20210916BHJP
   H01L 41/187 20060101ALI20210916BHJP
   H01L 41/193 20060101ALI20210916BHJP
   H04R 17/00 20060101ALI20210916BHJP
   A61B 5/1172 20160101ALI20210916BHJP
【FI】
   H01L41/113
   H01L41/29
   H01L41/314
   H01L41/43
   H01L41/187
   H01L41/193
   H04R17/00 332B
   A61B5/1172
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-506190(P2020-506190)
(86)(22)【出願日】2018年8月6日
(65)【公表番号】特表2020-530940(P2020-530940A)
(43)【公表日】2020年10月29日
(86)【国際出願番号】KR2018008914
(87)【国際公開番号】WO2019027305
(87)【国際公開日】20190207
【審査請求日】2020年3月18日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0099202
(32)【優先日】2017年8月4日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0091377
(32)【優先日】2018年8月6日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518344346
【氏名又は名称】コリア ポリテクニック ユニバーシティ インダストリー アカデミック コーオペレイション ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】KOREA POLYTECHNIC UNIVERSITY INDUSTRY ACADEMIC COOPERATION FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,キョン コー
【審査官】 柴山 将隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−274592(JP,A)
【文献】 特表2012−521658(JP,A)
【文献】 特開2014−049718(JP,A)
【文献】 特開2009−100460(JP,A)
【文献】 特開2001−277523(JP,A)
【文献】 特開2000−028595(JP,A)
【文献】 特表2014−531696(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0049696(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0156249(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0115293(US,A1)
【文献】 特表2016−503967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 41/00−47
H04R 17/00
A61B 5/1172
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性基板を食刻して一定の間隔で離隔した複数のロッド生成ホールを生成する導電性モールド生成段階と、
前記複数のロッド生成ホールにナノ圧電物質を充填してナノロッドを生成するナノロッド生成段階と、
前記ロッド生成ホールの一側の前記導電性モールド縁部に側面電極生成部をマーキングする側面電極生成部表示段階と、
前記ナノロッドと前記マーキングされた側面電極生成部及びこれらを連結する導電性基板ベースを除き、残りの導電性モールドを1次食刻してナノロッドと側面電極を生成する導電性モールド食刻段階と、
前記導電性モールド食刻段階によって食刻された部分に絶縁材を充填する絶縁材充填段階と、
前記絶縁材の充填によって絶縁材で取り囲まれた前記ナノロッド及び側面電極の一端部が露出されるように2次食刻し、露出されたナノロッド及び側面電極の一端部に下部電極を形成する下部電極形成段階と、
前記下部電極が形成された表面にダミー基板(dummy substrate)を接着するダミー基板接着段階と、
前記ナノロッドと側面電極を連結する前記導電性基板ベースを除去することによって露出された前記ナノロッドと側面電極の他端部に上部電極を形成する上部電極形成段階と、
を含んでなる、ナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法。
【請求項2】
前記導電性基板及び側面電極は、Si、GaAs、InAs、GaN、InN、Ge、ZnO及びGaからなる群から選択される物質が含まれた導電性基板及び側面電極からなる、請求項1に記載のナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法。
【請求項3】
前記導電性基板及び側面電極は、面抵抗が100Ω/sq以下の素材からなる、請求項1に記載のナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法。
【請求項4】
前記導電性基板及び側面電極は、800〜1300℃の焼結温度での収縮率が3〜5%以下の素材からなる、請求項1に記載のナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法。
【請求項5】
前記ナノロッド生成段階は、
前記導電性モールドに粉末化したナノ圧電物質を噴射して前記ロッド生成ホールにナノ圧電物質を充填するナノ圧電物質充填段階と、
前記ナノ圧電物質が充填された導電性モールドに接着溶液を噴射する接着溶液噴射段階と、
前記接着溶液が噴射された導電性モールドのロッド生成ホール部分を押圧して、充填されたナノ圧電物質を密集させるナノ圧電物質押圧段階と、
前記ナノ圧電物質押圧段階を経た前記導電性モールドを焼結して前記ナノ圧電物質を焼結させるナノ圧電物質焼結段階と、
を含んでなる、請求項1に記載のナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法。
【請求項6】
前記ナノ圧電物質充填段階は、前記粉末化したナノ圧電物質に液状のナノ圧電物質及び気状のナノ圧電物質を一緒に混合して前記ロッド生成ホールに充填することからなる、請求項5に記載のナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法。
【請求項7】
前記ナノ圧電物質は、PZT(PbZrO)系化合物、PST(Pb(Sc、Ta)O)系化合物、石英、(Pb、Sm)TiO系化合物、PMN(Pb(MgNb)O−PT(PbTiO)系化合物、PVDF(Poly(vinylidene fluoride))系化合物及びPVDF−TrFe系化合物からなる群から選択される化合物である、請求項1に記載のナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナノロッド構造(nanorod structure)を用いた超音波指紋センサーの製造方法に関するもので、より詳しくはシリコンナノロッド構造と金属電極構造を一体型構造に製作し、圧電素材(piezoelectric material,PZT)を用いた超音波指紋センサーで測定される多様な電気的信号をワイヤなしにパッケージすることができるフリップチップ構造に製作されたナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
セキュリティ(保安)に対する重要性が強調されるにつれて多様な保安方法が提示されている。その中で、指紋認識方式は本人を確認することができる最も効果的な方法の一つであるから、多くの分野で採用されている。
【0003】
しかし、指紋を認識する方式はさまざまなものがある。現在まで携帯電話では静電方式が一番一般的に使われているが、このような方式は指紋をコピーして使えるという欠点を持っている。したがって、既存の指紋認識方式ではなくてコピーの不可能な新しい方法の指紋認識方式の必要性が高くなっており、これに応えて提示されている方式が超音波指紋認識方式である。
【0004】
超音波指紋認識をするためには、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT、lead zirconate titanate)という素材を使って構造を製作しなければならない。このような物質は俗に圧電素材と知られている物質であり、機械的な力を電気的な信号に変える役割をする特徴を持っている。したがって、ナノ級(nanoscale)で構成されたPZT構造に3次元的指紋形態の機械的な力が加わるならば、力を加える瞬間に指紋を認識することになる。このようなPZTを用いた超音波指紋センサーは3次元的に測定されるから、指紋複製ができない特徴を持っている。
【0005】
これに対し、現在の指紋認識方式は2次元的にパターン(柄)のみ読む方式であり、他人の指紋をテープなどを用いてコピーすることができるから、セキュリティに限界がある。
【0006】
現在、超音波指紋認識センサーのためには、MEMS工程を適用しなければならない。この場合、100μm以上の高低差が発生する工程を進めなければならない。この場合、一般の薄膜工程で100μm以上の段差を克服することができない欠点があるから、新しい構造の新工程が必要である。また、製作された超音波指紋センサーをPCBボードに装着する過程で素子とPCBボードを互いに電気的に連結しなければならない。そのための方式には、ワイヤボンディング方式とフリップチップボンディング方式がある。
【0007】
超音波指紋センサーの場合、使用環境を考慮すればフリップチップボンディング方式が最適であるが、素子の厚さのため、上部の電極を100μm以上の厚さを通過して下部に連結するのに困難を経験している。したがって、現在までフリップチップ構造を具現化するための多様な技術が提示されているが、いまだに安定的なフリップチップ構造方式で製作される超音波指紋センサー技術に対しては報告されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
開示の概要
本発明の目的は、従来の超音波指紋センサーの問題点を解決するために、フリップチップ構造の実現に困難を経験している上部電極の連結のために、シリコンナノロッドを金属電極と連結するフリップチップ構造によって具現化した半導体ナノロッド構造を融合したフリップチップ構造を有する超音波指紋センサーを提供することである。
【0009】
また、本発明は、上部電極を下部のPCBに連結するために上部の金属電極と連結することができる導電性シリコン(conductive silicon,伝導性ケイ素)又はセラミックナノロッドを一体型に製作してフリップチップ構造を具現化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するために、本発明によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法は、導電性基板(conductive substrate、伝導性基板)を食刻(etching、エッチング)して一定の間隔で離隔した複数のロッド生成ホールを生成する導電性モールド生成段階と、前記複数のロッド生成ホールにナノ圧電物質を充填してナノロッドを生成するナノロッド生成段階と、前記ロッド生成ホールの一側の前記導電性モールド縁部に側面電極生成部をマーキングする側面電極生成部表示段階と、前記ナノロッドと前記マーキングされた側面電極生成部及びこれらを連結する導電性基板ベース(conductive substrate base、伝導性基板ベース)を除き、残りの導電性モールドを1次食刻(primary etching)してナノロッドと側面電極を生成する導電性モールド食刻段階と、前記導電性モールド食刻段階によって食刻された部分に絶縁材を充填する絶縁材充填段階と、前記絶縁材の充填によって絶縁材で取り囲まれた前記ナノロッド及び側面電極の一端部が露出されるように2次食刻(secondary etching)し、露出されたナノロッド及び側面電極の一端部に下部電極を形成する下部電極形成段階と、前記下部電極が形成された表面にダミー基板(dummy substrate)を接着するダミー基板接着段階と、前記ナノロッドと側面電極を連結する前記導電性基板ベースを除去することによって露出された前記ナノロッドと側面電極の他端部に上部電極を形成する上部電極形成段階とを含んでなる。
【0011】
前記導電性基板及び側面電極は、Si、GaAs、InAs、GaN、InN、Ge、ZnO及びGaからなる群から選択される物質が含まれた導電性基板及び側面電極からなることができる。
【0012】
前記導電性基板及び側面電極は、面抵抗が100Ω/sq以下の素材からなることができる。
【0013】
前記導電性基板及び側面電極は、800〜1300℃の焼結温度(sintering temperature)での収縮率が3〜5%以下の素材からなることができる。
【0014】
前記ナノロッド生成段階は、前記導電性モールドに粉末化したナノ圧電物質を噴射して前記ロッド生成ホールにナノ圧電物質を充填するナノ圧電物質充填段階と、前記ナノ圧電物質が充填された導電性モールドに接着溶液を噴射する接着溶液噴射段階と、前記接着溶液が噴射された導電性モールドのロッド生成ホール部分を押圧して、充填されたナノ圧電物質を密集させるナノ圧電物質押圧段階と、前記ナノ圧電物質押圧段階を経た前記導電性モールドを焼結して前記ナノ圧電物質を焼結させるナノ圧電物質焼結段階とを含んでなることができる。
【0015】
前記ナノ圧電物質充填段階は、前記粉末化したナノ圧電物質に液状のナノ圧電物質及び気状のナノ圧電物質を一緒に混合して前記ロッド生成ホールに充填することからなることができる。
【0016】
前記ナノ圧電物質は、PZT(PbZrO)系化合物、PST(Pb(Sc、Ta)O)系化合物、石英、(Pb、Sm)TiO系化合物、PMN(Pb(MgNb)O−PT(PbTiO)系化合物、PVDF(Poly(vinylidene fluoride))系化合物及びPVDF−TrFe系化合物からなる群から選択される化合物であることができる。
【0017】
本発明は、前記目的を達成するために、前記ナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法によって製造され、センサーアレイの上部電極及び下部電極を連結する側面電極が導電性基板モールド電極からなるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーを提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法は、上部電極を下部のPCBに連結するために上部の金属電極と連結することができる導電性シリコン又はセラミックナノロッドを一体型に製作してフリップチップ構造を具現化することにより、安定的な素子駆動及び寿命延長の利点を有するので、超音波指紋センサーに最も適切に適用できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施例によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法によってセンサーパッケージを製造する過程を示したブロック図である。
図2A】本発明の一実施例によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法によって製造されたセンサーアレイの形態を示した模式図である。
図2B】本発明の一実施例によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法によって製造されたセンサーアレイの平面形態を示した模式図である。
図3】従来の超音波指紋センサーの製造方法においてモールド基板間に形成された圧電ロッドの形態を示した走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)イメージである。
図4】従来の超音波指紋センサーの製造方法においてモールド基板間に形成された圧電ロッドの形態を示した走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)イメージである。
図5】本発明の一実施例によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法において導電性基板間に形成されたナノロッドの形態を示した走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)イメージである。
図6】本発明の一実施例によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法において導電性基板間に形成されたナノロッドの形態と従来の超音波指紋センサーの製造方法においてモールド基板間に形成された圧電ロッドの形態を比較して示した走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)イメージである。
図7】従来の超音波指紋センサーの製造方法においてモールド基板間に形成された圧電ロッドの形態を示した走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)イメージである。
図8】本発明の一実施例によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法において導電性基板のロッド生成ホールにナノ圧電物質を充填してナノロッドを生成する形態を示した模式図である。
図9】従来の超音波指紋センサーの製造方法においてモールド基板のロッド生成ホールに圧電物質を充填してナノロッドを生成する形態を示した模式図である。
図10】従来の超音波指紋センサーの製造方法においてモールド基板間に形成された圧電ロッドの形態を示した走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)イメージである。
図11】本発明の一実施例によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法において導電性基板間に形成されたナノロッドの形態を示した走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)イメージである。
図12】従来の超音波指紋センサーの製造方法においてモールド基板のロッド生成ホールに圧電物質を充填してナノロッドを生成する形態とモールド基板間に形成された圧電ロッドの形態を示した走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)イメージである。
図13】本発明の一実施例によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法において導電性基板のロッド生成ホールにナノ圧電物質を充填してナノロッドを生成する過程を示した模式図である。
図14】本発明の一実施例によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法において導電性基板間に形成されたナノロッドの形態を示した走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)イメージである。
図15】本発明の一実施例によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法において導電性基板間に形成されたナノロッドの形態を示した走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)イメージである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
このような目的を達成するために、本発明によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法は、導電性基板を食刻して一定の間隔で離隔した複数のロッド生成ホールを生成する導電性モールド生成段階と、前記複数のロッド生成ホールにナノ圧電物質を充填してナノロッドを生成するナノロッド生成段階と、前記ロッド生成ホールの一側の前記導電性モールド縁部に側面電極生成部をマーキングする側面電極生成部表示段階と、前記ナノロッドと前記マーキングされた側面電極生成部及びこれらを連結する導電性基板ベースを除き、残りの導電性モールドを1次食刻してナノロッドと側面電極を生成する導電性モールド食刻段階と、前記導電性モールド食刻段階によって食刻された部分に絶縁材を充填する絶縁材充填段階と、前記絶縁材の充填によって絶縁材で取り囲まれた前記ナノロッド及び側面電極の一端部が露出されるように2次食刻し、露出されたナノロッド及び側面電極の一端部に下部電極を形成する下部電極形成段階と、前記下部電極が形成された表面にダミー基板(dummy substrate)を接着するダミー基板接着段階と、前記ナノロッドと側面電極を連結する前記導電性基板ベースを除去することによって露出された前記ナノロッドと側面電極の他端部に上部電極を形成する上部電極形成段階とを含んでなる。
【0021】
前記導電性基板及び側面電極は、Si、GaAs、InAs、GaN、InN、Ge、ZnO及びGaからなる群から選択される物質が含まれた導電性基板及び側面電極からなることができる。
【0022】
前記導電性基板及び側面電極は、面抵抗が100Ω/sq以下の素材からなることができる。
【0023】
前記導電性基板及び側面電極は、800〜1300℃の焼結温度での収縮率が3〜5%以下の素材からなることができる。
【0024】
前記ナノロッド生成段階は、前記導電性モールドに粉末化したナノ圧電物質を噴射して前記ロッド生成ホールにナノ圧電物質を充填するナノ圧電物質充填段階と、前記ナノ圧電物質が充填された導電性モールドに接着溶液を噴射する接着溶液噴射段階と、前記接着溶液が噴射された導電性モールドのロッド生成ホール部分を押圧して、充填されたナノ圧電物質を密集させるナノ圧電物質押圧段階と、前記ナノ圧電物質押圧段階を経た前記導電性モールドを焼結して前記ナノ圧電物質を焼結させるナノ圧電物質焼結段階とを含んでなることができる。
【0025】
前記ナノ圧電物質充填段階は、前記粉末化したナノ圧電物質に液状のナノ圧電物質及び気状のナノ圧電物質を一緒に混合して前記ロッド生成ホールに充填することからなることができる。
【0026】
前記ナノ圧電物質は、PZT(PbZrO)系化合物、PST(Pb(Sc、Ta)O)系化合物、石英、(Pb、Sm)TiO系化合物、PMN(Pb(MgNb)O−PT(PbTiO)系化合物、PVDF(Poly(vinylidene fluoride))系化合物及びPVDF−TrFe系化合物からなる群から選択される化合物であることができる。
【0027】
本発明は、前記目的を達成するために、前記ナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法によって製造され、センサーアレイの上部電極及び下部電極を連結する側面電極が導電性基板モールド電極からなるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーを提供する。
【0028】
発明の詳細な説明
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。本発明の説明において、関連の公知の構成又は機能についての具体的な説明が本発明の要旨をあいまいにする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。また、本発明の実施例の説明において、具体的な数値は実施例に過ぎない。
【0029】
図1は本発明の一実施例によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法によってセンサーパッケージを製造する過程を示したブロック図、図2aは本発明の一実施例によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法によって製造されたセンサーアレイの形態を示した模式図、図2bは本発明の一実施例によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法によって製造されたセンサーアレイの平面形態を示した模式図である。
【0030】
図3は、従来の超音波指紋センサーの製造方法においてモールド基板間に形成された圧電ロッドの形態を示した走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)イメージを示し、図4は、従来の超音波指紋センサーの製造方法においてモールド基板間に形成された圧電ロッドの形態を示した走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)イメージを示し、図5は本発明の一実施例によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法において導電性基板間に形成されたナノロッドの形態を示した走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)イメージを示す。
【0031】
図6は、本発明の一実施例によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法において導電性基板間に形成されたナノロッドの形態と従来の超音波指紋センサーの製造方法においてモールド基板間に形成された圧電ロッドの形態を比較して示した走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)イメージを示し、図7は従来の超音波指紋センサーの製造方法においてモールド基板間に形成された圧電ロッドの形態を示した走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)イメージを示し、図8は本発明の一実施例によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法において導電性基板のロッド生成ホールにナノ圧電物質を充填してナノロッドを生成する形態を示した模式図である。
【0032】
図9は従来の超音波指紋センサーの製造方法においてモールド基板のロッド生成ホールに圧電物質を充填してナノロッドを生成する形態を示した模式図であり、図10は従来の超音波指紋センサーの製造方法においてモールド基板間に形成された圧電ロッドの形態を示した走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)イメージを示し、図11は本発明の一実施例によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法において導電性基板間に形成されたナノロッドの形態を示した走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)イメージを示す。
【0033】
図12は従来の超音波指紋センサーの製造方法においてモールド基板のロッド生成ホールに圧電物質を充填してナノロッドを生成する形態とモールド基板間に形成された圧電ロッドの形態を示した走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)イメージを示し、図13は本発明の一実施例によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法において導電性基板のロッド生成ホールにナノ圧電物質を充填してナノロッドを生成する過程を示した模式図であり、図14は本発明の一実施例によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法において導電性基板間に形成されたナノロッドの形態を示した走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)イメージを示す。
【0034】
図15は本発明の一実施例によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法において導電性基板間に形成されたナノロッドの形態を示した走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)イメージを示す。
【0035】
これらの図面を参照すると、本発明によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法は、導電性基板を食刻して一定の間隔で離隔した複数のロッド生成ホールを生成する導電性モールド生成段階と、前記複数のロッド生成ホールにナノ圧電物質を充填してナノロッドを生成するナノロッド生成段階と、前記ロッド生成ホールの一側の前記導電性モールド縁部に側面電極生成部をマーキングする側面電極生成部表示段階と、前記ナノロッドと前記マーキングされた側面電極生成部及びこれらを連結する導電性基板ベースを除き、残りの導電性モールドを1次食刻してナノロッドと側面電極を生成する導電性モールド食刻段階と、前記導電性モールド食刻段階によって食刻された部分に絶縁材を充填する絶縁材充填段階と、前記絶縁材の充填によって絶縁材で取り囲まれた前記ナノロッド及び側面電極の一端部が露出されるように2次食刻し、露出されたナノロッド及び側面電極の一端部に下部電極を形成する下部電極形成段階と、前記下部電極が形成された表面にダミー基板(dummy substrate)を接着するダミー基板接着段階と、前記ナノロッドと側面電極を連結する前記導電性基板ベースを除去することによって露出された前記ナノロッドと側面電極の他端部に上部電極を形成する上部電極形成段階とを含んでなることができる。
【0036】
すなわち、本発明によるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法は、指紋センサーのセンサーアレイにおいて上部電極を下部電極又は下部のPCBに連結するための側面電極を形成する。ここで、センサーアレイのナノロッド(圧電ロッド、piezoelectric rods)を生成するために使われるモールド基板を導電性モールド基板で構成し、導電性モールド基板の一部が側面電極となるように構成することにより、センサーアレイの製作過程で側面電極を形成するために行われるモールド基板に対する別途のビアホール食刻過程及びビアホールに対する導電性フィラー(conductive filler、伝導性充填剤)の充填過程などの工程を省略することができるので、フリップチップ構造の指紋センサーの製作工程を短縮させ、生産性を向上させ、収率を改善することができる利点がある。
【0037】
また、このように製造された超音波指紋センサーは、安定的なフリップチップ構造のセンサーアレイによって製造されるので、安定的な素子駆動を担保することができ、素子の寿命を伸ばすことができる利点がある。
【0038】
前記導電性基板を食刻してロッド生成ホールを含む導電性モールドを形成する段階は、例えばフォトリソグラフィー(Photolithography)方法で基板を食刻してモールドを形成することができる。フォトリソグラフィーは、所望の回路設計をガラス板上に金属パターンで形成されたマスク(mask)という原板に光を照射して生ずる影を基板上に転写させてコピーする方法であり、設計された所定形態のパターンを基板上に形成する方法の一つである。
【0039】
一方、前記1次食刻及び2次食刻などの食刻過程は一般的な湿式食刻法と乾式食刻法などによって遂行できる。
【0040】
一般に、湿式食刻法(wet etching)は、化学溶液を用いて前記基板上のフォトレジストの除去された部分の表面と化学反応を引き起こすことにより、基板上に溝を形成することができる。このような湿式食刻法は一般的に等方性食刻(Isotropic etching)であるから、アンダーカットが発生し、正確なパターンの形成が難しい。また、工程制御が難しく、食刻可能な線幅が制限的であり、付加的に生成される食刻溶液の処理が難しいという欠点がある。
【0041】
一方、湿式食刻法の欠点を補うために使われる乾式食刻法(dry etching)は、反応ガスを真空チャンバーに注入した後、電力を印加してプラズマを形成させることができる。これにより、基板の表面と化学的又は物理的に反応させて基板上のフォトレジストの除去された部分を食刻することができる。前記乾式食刻法は、異方性食刻(Antisotropic etching)が可能であり、工程制御が容易であり、正確なパターンを形成することができるという利点があるから、本発明では乾式食刻法によって食刻工程を遂行することができる。
【0042】
前記指紋センサー内に含まれる前記ナノロッドは圧電物質を含むことにより、電圧が印加されれば超音波を発生及び受信することができる。
【0043】
具体的に、前記圧電物質が振動することができる超音波帯域の共振周波数を有する交流電圧が前記圧電センサー内の圧電ロッドに印加されれば、圧電ロッドが上下左右に振動することができ、このように前記圧電ロッドが上下左右に振動すれば、所定の周波数を有する超音波信号を生成することができる。
【0044】
前記導電性基板及び側面電極は、Si、GaAs、InAs、GaN、InN、Ge、ZnO及びGaからなる群から選択される物質が含まれた導電性基板及び側面電極からなることができる。すなわち、前記指紋センサーの側面電極として残る導電性基板の素材はSi基板などの半導体基板からなることができ、基板の導電性を向上させるように、SiドープされたN型Siウエハー、P型Siウエハーなどから構成されることができ、ウエハーの全体的に均一にドープされたSiウエハーから構成されることができる。
【0045】
また、前記導電性基板及び側面電極は、面抵抗が100Ω/sq以下の素材からなることができる。ここで、前記導電性基板及び側面電極の素材は、前記元素以外に、炭素系、すなわち黒鉛(graphite)からなることができ、Al、Mg、Ti、Niなどからなる金属から構成されることもできる。
【0046】
また、前記導電性基板及び側面電極は、前記半導体素材と面抵抗100Ω/sq以下の素材などから選択されるか、これらの元素又は化合物を組み合わせて構成されることができる。この際、好ましくは800〜1300℃の焼結温度で収縮率3〜5%以下の素材からなることができる。よって、前記ナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法によって製造された超音波指紋センサーの場合、導電性フィラー電極、金属又はシルバーエポキシ電極などの従来の電極に比べ、熱処理時に発生する収縮を最小化して収縮率5%〜3%以下の電極を実現する利点がある。
【0047】
一方、前記ナノロッド生成段階は、前記導電性モールドに粉末化したナノ圧電物質を噴射して前記ロッド生成ホールにナノ圧電物質を充填するナノ圧電物質充填段階と、前記ナノ圧電物質が充填された導電性モールドに接着溶液を噴射する接着溶液噴射段階と、前記接着溶液が噴射された導電性モールドのロッド生成ホール部分を押圧して、充填されたナノ圧電物質を密集させるナノ圧電物質押圧段階と、前記ナノ圧電物質押圧段階を経た前記導電性モールドを焼結して前記ナノ圧電物質を焼結させるナノ圧電物質焼結段階とを含んでなることができる。
【0048】
すなわち、前記ナノロッド生成段階は、前記ロッド生成ホールにナノ圧電物質を充填する過程で粉末化したナノ圧電物質を噴射して充填することにより、従来のセンサーアレイ製造過程でバルク(bulk)状態の圧電物質をモールドに単純に押圧して充填する方法に比べ、モールドに対する圧電物質の充填均一度を向上させることにより、焼結及び食刻過程などを介して生成されるセンサーアレイのナノロッドの性能及び外形を著しく改善することができる。
【0049】
ここで、前記ナノ圧電物質充填段階は、前記粉末化したナノ圧電物質に液状のナノ圧電物質及び気状のナノ圧電物質を一緒に混合して前記ロッド生成ホールに充填することにより、モールドに対する圧電物質の充填均一度を一層極大化することができる。
【0050】
一方、前記ナノ圧電物質は、PZT(PbZrO)系化合物、PST(Pb(Sc、Ta)O)系化合物、石英、(Pb、Sm)TiO系化合物、PMN(Pb(MgNb)O−PT(PbTiO)系化合物、PVDF(Poly(vinylidene fluoride))系化合物及びPVDF−TrFe系化合物からなる群から選択される少なくとも1種以上を使うことができる。
【0051】
また、本発明は、前記ナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法によって製造され、センサーアレイの上部電極及び下部電極を連結する側面電極が導電性基板モールド電極からなるナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーを提供する。
【0052】
すなわち、前記ナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーは、センサーアレイにおいて上部電極を下部電極又は下部のPCBに連結するための側面電極を形成するにあたり、このような側面電極をセンサーアレイのナノロッド(圧電ロッド)を生成するために使われるモールド基板を導電性モールド基板で構成して導電性モールド基板の一部が側面電極となるように構成することにより、センサーアレイの製作過程で側面電極を形成するために行われるモールド基板に対する別途のビアホール食刻過程及びビアホールに対する導電性フィラーの充填過程などの工程を省略することができるので、フリップチップ構造の指紋センサー製作工程を短縮させ、生産性を向上させ、収率を改善することができる利点がある。また、安定的なフリップチップ構造のセンサーアレイを用いて製造されるので、安定的な素子駆動を担保することができ、素子寿命を伸ばすことができる利点がある。
【0053】
前記ナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーは、センサーアレイの構造において上部電極及び側面電極とともに、前記側面電極と圧電物質からなるナノロッドを連結して上部電極と連結する追加金属電極をさらに含むことができる。このような追加電極は、前記ナノロッドから発生する信号が上部電極を通して側面電極にもっと円滑に流れるように促進する作用をする。ここで、前記追加金属電極は第1追加金属電極と第2追加金属電極から構成されて、前記ナノロッドに対する信号の発信者(emitter)電極と受信者(receiver)電極にそれぞれ具現化することもできる。
【0054】
また、前記ナノロッドはフリップチップ構造においてダミー基板又はPCB基板と直接的に連結されず、側面電極などの別途の電極によって信号を伝導するように構成される。
【0055】
また、前記ナノロッドは前記側面電極と幅及び高さが同一であるかそれよい小さいものから構成されることにより、上部電極と下部電極などを含むセンサーアレイをより安定的に具現化することができる。
【0056】
本発明による半導体ナノロッド構造を融合したフリップチップ構造の超音波指紋センサーは、センサー素子の信号が流れる素子内の回路で信号が半導体素材電極と金属電極を順次流れる構造を有するものから構成されることができる。
【0057】
前記半導体素材は、Si、Ge、GaAs、InP、InAs、GaN、InGaN、AlGaN、ZnO、ITO、SnO、In及びGaからなる群から選択される半導体特性を有する素材を使うことができる。
【0058】
前記半導体素材は、Ti、Au、Ag、Pt、Al、In、Sn、Zn、Cu及びMgからなる群から選択される金属の中で1種又は2種以上の金属の混合物からなる素材を使うことができる。
【0059】
前記半導体素材電極構造は直線型構造を有することができる。
【0060】
PZTを用いた指紋センサーを製作するとき、Siウエハーのような半導体基板をモールドとして使い、このようなモールド方式でPZT基盤の指紋センサーを製作する場合、半導体ウエハーを食刻する過程があり、このような過程で上部電極と連結された部分を除いて食刻する選択的食刻によって、金属電極部分と連結された半導体ウエハーをナノロッド形態に製作するように食刻する。
【0061】
この場合、100μm以上の厚さを有するPZT基盤の指紋センサーの電極と半導体基板を使ったナノロッドの高さをほぼ同一に製作することができ、上部金属電極をPCBまで連結することができるので、フリップチップ構造にセンサーを製作することが可能である。
【0062】
したがって、半導体ウエハーを用いてPZTセンサーを製作する過程で、センサーの厚さの分だけ半導体ウエハーを選択的に食刻して上部電極と一体型になるように製作する。この場合に使用可能なウエハーは導電性を有することを特徴とするSi、GaAs、InAs、GaN、InN、Ge、ZnO、Gaなどの導電性を有するセラミック系半導体型ウエハー又は導電性に優れた金属ウエハーも使用可能である。面抵抗100Ω/sq以下の素材をモールドとして使用する場合にも可能である。
【0063】
前記半導体特性を有するウエハーを用いてモールドを製作し、そのモールド形態にPZTを装入して成形と焼結を進めた後、PZTの上部の電極を下部のPCBに連結するための電極構造をモールドの製作に使用されたPZT電極を蒸着して形成し、その電極と連結された半導体ウエハーナノロッドを製作して下部のPCB電極に連結する。
【0064】
この場合、上部PZT電極で発生した信号は半導体ナノロッドを介して下部PCBに伝達されることができ、このように製作されたセンサー素子は、フリップチップ構造のセンサーを製造する過程で電極と連結されたワイヤがないからワイヤオープン又はワイヤ同士連結される現象がないので、作動環境に最適化した構造である。したがって、安定的な素子駆動と寿命延長の利点を持っているので、超音波指紋センサーに最も適したセンサー構造に具現化することができる。
【0065】
以上のように、本発明では具体的な構成要素などの特定の事項と限定された実施例及び図面に基づいて説明したが、これは本発明のより全般的な理解を助けるために提供したものであるだけ、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明が属する分野で通常の知識を有する者であればこのような記載から多様な修正及び変形が可能である。
【0066】
したがって、本発明の思想は前述した実施例に限って決定されてはいけなく、後述する特許請求範囲だけではなく、この特許請求範囲と均等又は等価の変形がある全てのものは本発明の思想の範疇に属すると言える。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、導電性基板を食刻して一定の間隔で離隔した複数のロッド生成ホールを生成する導電性モールド生成段階と、前記複数のロッド生成ホールにナノ圧電物質を充填してナノロッドを生成するナノロッド生成段階と、前記ロッド生成ホールの一側の前記導電性モールド縁部に側面電極生成部をマーキングする側面電極生成部表示段階と、前記ナノロッドと前記マーキングされた側面電極生成部及びこれらを連結する導電性基板ベースを除き、残りの導電性モールドを1次食刻してナノロッドと側面電極を生成する導電性モールド食刻段階と、前記導電性モールド食刻段階によって食刻された部分に絶縁材を充填する絶縁材充填段階と、前記絶縁材の充填によって絶縁材で取り囲まれた前記ナノロッド及び側面電極の一端部が露出されるように2次食刻し、露出されたナノロッド及び側面電極の一端部に下部電極を形成する下部電極形成段階と、前記下部電極が形成された表面にダミー基板(dummy substrate)を接着するダミー基板接着段階と、前記ナノロッドと側面電極を連結する前記導電性基板ベースを除去することによって露出された前記ナノロッドと側面電極の他端部に上部電極を形成する上部電極形成段階とを含むナノロッド構造を用いた超音波指紋センサーの製造方法に関するものである。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15