特許第6941503号(P6941503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6941503
(24)【登録日】2021年9月8日
(45)【発行日】2021年9月29日
(54)【発明の名称】車両用前照灯システム
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/64 20180101AFI20210916BHJP
   F21S 41/19 20180101ALI20210916BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20210916BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20210916BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20210916BHJP
【FI】
   F21S41/64
   F21S41/19
   G02F1/13 505
   F21W102:00
   F21Y115:10
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-161224(P2017-161224)
(22)【出願日】2017年8月24日
(65)【公開番号】特開2019-40727(P2019-40727A)
(43)【公開日】2019年3月14日
【審査請求日】2020年7月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】特許業務法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】都甲 康夫
(72)【発明者】
【氏名】真野 智秀
(72)【発明者】
【氏名】戸塚 浩
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−069458(JP,A)
【文献】 特開2016−057541(JP,A)
【文献】 特表2004−521384(JP,A)
【文献】 特開2017−111384(JP,A)
【文献】 特開2007−298976(JP,A)
【文献】 特表2014−515554(JP,A)
【文献】 特開2012−169189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/00
G02F 1/13
F21W 102/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周辺へ向けて選択的な光照射を行うための車両用灯具システムであって、
光源と、
前記光源からの光が入射する位置に配置される液晶素子と、
前記液晶素子から出射する光による像を前記自車両の周辺へ投影するレンズと、
を含み、
前記液晶素子は、
対向配置される第1基板及び第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板の間に配置される液晶層と、
前記第1基板に設けられる第1電極第1引き回し配線部及び第2引き回し配線部と、
前記第2基板に設けられて前記第1電極と対向配置される第2電極と、
を含み、
前記第1電極は、
平面視において第1方向に沿って配列された複数の第1個別電極部を有する第1電極パターン部と、
平面視において前記第1方向に沿って配列された複数の第2個別電極部を有し、前記第1方向と略直交する第2方向において前記第1電極パターン部と隣接して配置される第2電極パターン部と、
平面視において前記第1方向に沿って配列された複数の第3個別電極部を有し、前記第2方向において前記第2電極パターン部と隣接して配置される第3電極パターン部と、
を含み、
前記第1引き回し配線部は、
各々が前記複数の第1個別電極部の1つと接続される複数の第1個別引き回し配線と、
各々が前記複数の第2個別電極部の1つと接続されており、前記複数の第1個別電極部の各々の前記第1方向における相互間の隙間を通して配置される複数の第2個別引き回し配線と、
を含
前記第2引き回し配線部は、
各々が前記複数の第3個別電極部の1つと接続される複数の第3個別引き回し配線と、
各々が前記複数の第2個別電極部の1つと接続されており、前記複数の第3個別電極部の各々の前記第1方向における相互間の隙間を通して配置される複数の第4個別引き回し配線と、
を含み、
前記複数の第2個別電極部は、複数の菱形状及び/又は六角形状の個別電極部と、複数の三角形状の個別電極部及び/又は複数の逆三角形状の個別電極部を有しており、当該各個別電極部は、各々の有する辺の1つ以上が前記第1方向と交差するように配置されており、
前記第2電極パターン部における前記複数の第2個別電極部の相互間の隙間には前記第1引き回し配線部及び前記第2引き回し配線部の何れも配置されておらず、
前記複数の第3個別電極部の各々の前記第1方向における相互間の隙間の各々に配置される前記第4個別引き回し配線の数よりも、前記複数の第1個別電極部の各々の前記第1方向における相互間の隙間の各々に配置される前記第2個別引き回し配線の数のほうが多い、
車両用灯具システム。
【請求項2】
前記第2電極は、
平面視において前記第2方向に延びており、前記第1方向に沿って間欠的に配置される複数のスリット部と、
前記第1方向に沿って延在しており、前記複数のスリット部によって分離された電極部分同士を接続する渡り配線部と、
を有しており、
前記複数のスリット部の各々は、前記複数の第2個別引き回し配線及び前記複数の第4個別引き回し配線の何れか1つ以上と平面視において重なるように配置され、
前記渡り配線部は、前記複数の第2個別電極部と平面視において重なるように配置される、
請求項1に記載の車両用灯具システム。
【請求項3】
前記複数の三角形状の個別電極部の各々は、前記複数の逆三角形状の個別電極部の何れか1つと対をなして前記第2方向に隣接して配置されており、
前記複数の三角形状の個別電極部及び/又は前記複数の逆三角形状の個別電極部の各々と、前記複数の菱形状及び/又は六角形状の個別電極部の各々とが前記第1方向において交互に配置されている、
請求項1又は2に記載の車両用灯具システム。
【請求項4】
前記複数の菱形状及び/又は六角形状の個別電極部と前記複数の三角形状の個別電極部は、各々、前記複数の第2個別引き回し配線の1つと接続され、前記複数の逆三角形状の個別電極部は、各々、前記複数の第4個別引き回し配線の1つと接続されている、
請求項3に記載の車両用灯具システム。
【請求項5】
前記第1電極パターン部は、前記自車両前方の相対的に高い位置の第1配光パターンの形成に用いられ、前記第3電極パターン部は、前記自車両前方の相対的に低い位置の第3配光パターンの形成に用いられ、前記第2電極パターン部は、前記第1配光パターンと前記第3配光パターンの間の位置の第2配光パターンの形成に用いられる、
請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用灯具システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶素子を用いて車両周辺への選択的な光照射を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶素子を用いて配光制御を行う車両用灯具(ヘッドランプ)の従来例は、例えば特開2005−183327号公報(特許文献1)や特開2011−124110号公報(特許文献2)に開示されている。これらの従来例では、液晶素子を用いて光源からの光を選択的に透過させることによって所望の配光パターンを形成することができる。このような配光パターンは、例えば、自車両の周辺に存在する他車両(先行車両、対向車両等)や歩行者などの存在する領域にはハイビームを照射せずにそれ以外の領域にはハイビームを照射するといった配光制御に用いられる。
【0003】
ところで、上記のような選択的な光照射による配光パターンの形成を行う場合には、それぞれ個別に光の透過と非透過を制御できる光変調領域の数をより多くし、かつ高精細化することが望まれる。他方で、配光パターンの高品位化やパターン切り替えの高速化を実現するという観点では、例えば液晶素子をスタティック駆動するか、もしくは低デューティのマルチプレックス駆動することが好ましい。それにより、液晶素子の高速応答化および高コントラスト化を実現できるからである。
【0004】
しかし、液晶素子の光変調領域の数を増やすには、各々独立に電圧印加をすることができる個別電極の数を増やす必要があり、それに伴って各個別電極に電圧を供給するための引き回し配線も増加する。このため、各引き回し配線のレイアウト設計が難しくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−183327号公報
【特許文献2】特開2011−124110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明に係る具体的態様は、車両用灯具に用いる液晶素子の個別電極の数を増やしてもそれらに対応する引き回し配線のレイアウトを容易にする技術を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る一態様の車両用灯具システムは、自車両の周辺へ向けて選択的な光照射を行うための車両用灯具システムであって、(a1)光源と、(a2)前記光源からの光が入射する位置に配置される液晶素子と、(a3)前記液晶素子から出射する光による像を前記自車両の周辺へ投影するレンズと、を含み、(b)前記液晶素子は、(b1)対向配置される第1基板及び第2基板と、(b2)前記第1基板と前記第2基板の間に配置される液晶層と、(b3)前記第1基板に設けられる第1電極第1引き回し配線部及び第2引き回し配線部と、(b4)前記第2基板に設けられて前記第1電極と対向配置される第2電極と、を含み、(c)前記第1電極は、(c1)平面視において第1方向に沿って配列された複数の第1個別電極部を有する第1電極パターン部と、(c2)平面視において前記第1方向に沿って配列された複数の第2個別電極部を有し、前記第1方向と略直交する第2方向において前記第1電極パターン部と隣接して配置される第2電極パターン部と、(c3)平面視において前記第1方向に沿って配列された複数の第3個別電極部を有し、前記第2方向において前記第2電極パターン部と隣接して配置される第3電極パターン部と、を含み、(d)前記第1引き回し配線部は、(d1)各々が前記複数の第1個別電極部の1つと接続される複数の第1個別引き回し配線と、(d2)各々が前記複数の第2個別電極部の1つと接続されており、前記複数の第1個別電極部の各々の前記第1方向における相互間の隙間を通して配置される複数の第2個別引き回し配線と、を含み、(e)前記第2引き回し配線部は、(e1)各々が前記複数の第3個別電極部の1つと接続される複数の第3個別引き回し配線と、(e2)各々が前記複数の第2個別電極部の1つと接続されており、前記複数の第3個別電極部の各々の前記第1方向における相互間の隙間を通して配置される複数の第4個別引き回し配線と、を含み、(f)前記複数の第2個別電極部は、複数の菱形状及び/又は六角形状の個別電極部と、複数の三角形状の個別電極部及び/又は複数の逆三角形状の個別電極部を有しており、当該各個別電極部は、各々の有する辺の1つ以上が前記第1方向と交差するように配置されており、(g)前記第2電極パターン部における前記複数の第2個別電極部の相互間の隙間には前記第1引き回し配線部及び前記第2引き回し配線部の何れも配置されておらず、(h)前記複数の第3個別電極部の各々の前記第1方向における相互間の隙間の各々に配置される前記第4個別引き回し配線の数よりも、前記複数の第1個別電極部の各々の前記第1方向における相互間の隙間の各々に配置される前記第2個別引き回し配線の数のほうが多い、車両用灯具システムである。
【0008】
上記構成によれば、液晶素子を用いて車両周辺への選択的な光照射を行う場合における液晶素子の個別電極の数を増やしてもそれらに対応する引き回し配線のレイアウトを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態の車両用灯具システムの構成を示す図である。
図2図2は、液晶素子の構成例を示す模式的な断面図である。
図3図3(A)は、配光パターンについて説明するための図である。図3(B)は、図3(A)に示す配光パターンの図中左側部分を拡大して示した図である。図3(C)は、図3(B)に示す配光パターンの一部分を更に拡大して示した図である。
図4図4(A)は、液晶素子の第1電極(セグメント電極)の構成を示す平面図である。図4(B)は、液晶素子の第2電極(コモン電極)の構成を示す平面図である。
図5図5は、セグメント電極パターン部の図4における符号aで示す範囲を拡大して示した平面図である。
図6図6は、コモン電極パターン部の図5における符号bで示す範囲を拡大して示した平面図である。
図7図7は、セグメント電極パターン部とコモン電極パターン部を重ねた状態をコモン電極パターン部の側から見た平面図である。
図8図8は、セグメント電極パターン部の図5における符号cで示す範囲を拡大して示した平面図である。
図9図9は、セグメント電極パターン部の図5における符号dで示す範囲を拡大して示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、一実施形態の車両用灯具システムの構成を示す図である。図示の車両用灯具システムは、自車両の前方へ選択的な光照射を行って所望の配光パターンを得るためのものであり、カメラ10、制御装置11、発光素子12、発光素子駆動装置13、セパレータ14、リフレクタ15、液晶素子16、一対の偏光板17a、17b、液晶駆動装置18およびレンズ19を含んで構成されている。この車両用灯具システムは、自車両の前方に存在する他車両(先行車両、対向車両)などの状況に応じた選択的な光照射を行うものである。
【0011】
カメラ10は、自車両の前方を撮影するためのものであり、自車両内の所定位置(例えばフロントガラス上部等)に設置されている。
【0012】
制御装置11は、車両用灯具システム全体の動作を制御するためのものであり、例えば、CPU、ROM、RAM等を含んだコンピュータシステムを用いて構成されている。この制御装置11は、カメラ10によって撮影された自車両の前方の画像に基づいて所定の画像処理を行うことによって他車両等の位置を検出し、ハイビーム領域のうち、他車両の存在する位置を含んだ所定範囲を非照射領域とし、それ以外の領域を光照射領域にして光照射が行われるように液晶駆動装置18を制御する。
【0013】
また、制御装置11は、自車両に備わったセンサ(図示略)から得られるハンドルの舵角を示す舵角情報に基づき、ハイビームのカットオフラインの位置をハンドルの舵角に応じて左右方向(水平方向)に沿って可変に設定して光照射が行われるように液晶駆動装置18を制御する。
【0014】
発光素子12は、例えばLEDなどの半導体発光素子であり、発光素子駆動装置13によって駆動されて発光する。この発光素子12としては、例えば白色光を発するLEDが用いられる。
【0015】
発光素子駆動装置13は、ライトスイッチ信号(H/L)がオンにされたことが制御装置11により検出され、制御装置11から点灯制御信号が与えられると、発光素子12へ駆動電力を供給する。
【0016】
セパレータ14及びリフレクタ15は、発光素子12から出射する光を液晶素子16の所定位置へ集光するための光学系を構成する。なお、セパレータ14は必須ではなく省略されてもよい。また、光学系としては、ここに例示するリフレクタ光学系以外の光学系(例えばレンズを用いるもの)であってもよい。
【0017】
なお、本実施形態では、発光素子12、発光素子駆動装置13、セパレータ14及びリフレクタ15を含んで「光源」が構成されている。
【0018】
液晶素子16は、一対の偏光板17a、17bに挟まれており、これら偏光板17a、17bとともに、入射する光の部分的に透光させ、あるいは遮光する。
【0019】
一対の偏光板17a、17bは、入射光の特定方向に偏光した成分を通過させるものである。本実施形態では、各偏光板17a、17bとして、例えばワイヤーグリッド偏光板を用いる。ここでいうワイヤーグリッド偏光板とは、ガラス、石英、サファイヤ等からなる無機透明基板にアルミニウム等からなる金属細線を設けて偏光機能を持たせたものをいう。
【0020】
なお、各偏光板17a、17bとして、入射光の全ての成分を特定方向の直線偏光に変換する偏光変換素子を用いてもよい。また、各偏光板17a、17bとして、反射偏光板を用いることによりリサイクル光学系を構成してもよい。これらによれば、光利用効率をより高めることができる。
【0021】
液晶駆動装置18は、制御装置11により制御信号に基づいて液晶素子16を駆動することにより、液晶素子16に備わった複数の光変調領域の各々における光透過状態(透光/遮光)を個別に制御する
【0022】
レンズ19は、液晶素子16を透過した光によって形成される像を自車両の前方へ投影する。レンズ19としては、例えば特定距離に焦点をもつ反転投影型のプロジェクターレンズが用いられる。この場合、上記した液晶素子16はこのレンズ19の焦点付近に配置される。
【0023】
図2は、液晶素子の構成例を示す模式的な断面図である。図示の液晶素子16は、対向配置された第1基板21および第2基板22と、第1基板21に設けられた第1電極(セグメント電極)23と、第2基板22に設けられた第2電極(コモン電極)24と、第1基板21と第2基板22の間に配置された液晶層27を含んで構成されている。この液晶素子16を挟んで対向配置される一対の偏光板17a、17bは、例えば互いの吸収軸を略直交させて配置されている。本実施形態では、液晶素子16の液晶層27に電圧無印加としているときに光が遮光される(透過率が極めて低くなる)動作モードであるノーマリーブラックモードを想定する。
【0024】
第1基板21および第2基板22は、それぞれ、平面視において矩形状の基板であり、互いに対向して配置されている。各基板としては、例えばガラス基板、プラスチック基板等の透明基板を用いることができる。第1基板21と第2基板22の間には、例えば多数のスペーサーが均一に分散配置されており、それらスペーサーによって基板間隙が所望の大きさ(例えば数μm程度)に保たれている。
【0025】
第1電極23は、第1基板21の一面側に設けられている。第2電極24は、第2基板22の一面側に設けられている。各電極は、それぞれ例えばインジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電膜を適宜パターニングすることによって構成されている。なお、図示を省略しているが各電極の上面にさらに絶縁膜が設けられていてもよい。第1電極23と第2電極24とが重なる領域のそれぞれが光変調領域として機能する。
【0026】
第1配向膜25は、第1基板21の一面側に第1電極23を覆うようにして設けられている。第2配向膜26は、第2基板22の一面側に第2電極24を覆うようにして設けられている。各配向膜としては、液晶層27の配向状態を略垂直配向に規制する配向膜が用いられている。各配向膜にはラビング処理等の一軸配向処理が施されており、一方向への配向規制力を有している。各配向膜への配向処理の方向は、例えばアンチパラレル配向に設定される。
【0027】
液晶層27は、第1基板21と第2基板22の間に設けられている。本実施形態においては、誘電率異方性Δεが負であり流動性を有するネマティック液晶材料を用いて液晶層27が構成される。本実施形態の液晶層27は、第1配向膜25および第2配向膜26による配向規制力を受けて初期配向が定まる。また、液晶層27は、各基板面に対して、例えば89°程度のプレティルト角を有する。第1電極23と第2電極24の間に閾値以上の電圧を印加した際には、液晶層27の液晶分子は、基板法線方向と直交する方向へ倒れる。なお、ここでは動作モードとしてVA(垂直配向)モードを想定しているが、これに限定されず、例えばTN(捻れ配向)モードでもよい。
【0028】
図3(A)は、配光パターンについて説明するための図である。ここに示す配光パターン30は、車両用灯具システムによって自車両の前方の所定位置(例えば自車両の前方25mの位置)に想定される仮想スクリーン上に投影される配光パターンを示している。また、図3(B)は、図3(A)に示す配光パターンの図中左側部分を拡大して示した図である。図3(C)は、図3(B)に示す配光パターンの一部分を更に拡大して示した図である。各図において、矩形状、三角形状、菱形状に区分された各領域は、それぞれ個別に光の照射/非照射を制御し得る領域(以後、「配光領域」という。)である。なお、図中におけるy方向が車両の上下方向(鉛直方向)、x方向が車両の左右方向(水平方向)に対応する。
【0029】
配光パターン30は、図中y方向に沿って上側から順に、第1配光パターン31、第2配光パターン32、第3配光パターン33を含んでいる。第1配光パターン31、第2配光パターン32、第3配光パターン33は、それぞれ図中のx方向に相対的に長く延びた形状を有しており、図示の例ではいずれも同じ幅(x方向の長さ)を有しており、かつ各々異なる高さ(y方向の長さ)を有している。また、第1配光パターン31の下端と第2配光パターン32の上端、第2配光パターン32の下端と第3配光パターン33の上端はそれぞれ接している。
【0030】
第1配光パターン31は、x方向に沿って配列される各配光パターン34、35、36を含んで構成されている。配光パターン34は、x方向における略中央に配置されている。各配光パターン35は、配光パターン34のx方向における両側にそれぞれ配置されている。各配光パターン36は、各配光パターン35のx方向における両側にそれぞれ配置されている。図示の例における各配光パターン34、35、36は、いずれも高さ(y方向長さ)が等しい。
【0031】
配光パターン34は、各々の幅(x方向長さ)が相対的に小さい複数(図示の例では20個)の配光領域34aを有する。各配光領域34aは、互いに同じ幅、同じ高さであり、x方向に沿って互いに隙間なく配置されており、かつそれぞれy方向に長い矩形状に構成されている。この配光パターン34は、相対的に幅の小さい各配光領域34aにおいて光の照射/非照射を切り換えることで、自車両の前方の中央付近における配光制御を実現するものである。各配光領域34aの幅が相対的に小さいことから、より分解能の高い細やかな配光制御を実現できる。
【0032】
各配光パターン35は、各々の幅(x方向長さ)が配光パターン34の各配光領域34aに比べて相対的に大きい複数(図示の例では3個ずつ)の配光領域35aを有する。図中左側の配光パターン35における各配光領域35aは、互いに同じ幅、同じ高さであり、x方向に沿って互いに隙間なく配置されており、かつそれぞれy方向に長い矩形状に構成されている。図中右側の配光パターン35における各配光領域35aも同様である。また、各配光パターン35は、それぞれ配光パターン34とx方向における端部同士が接するように隙間なく配置されている。これらの配光パターン35は、相対的に幅の大きい各配光領域35aにおいて光の照射/非照射を切り換えることで、自車両の前方の左右における配光制御を実現するものである。自車両の前方の左右における配光制御についてはそれほどの分解能が必要ないので、各配光領域35aの幅を相対的に大きくすることで、液晶素子駆動回路18の回路構成の簡素化、制御装置11における配光制御の処理負担の軽減を図ることができる。
【0033】
各配光パターン36は、各々の幅(x方向長さ)が配光パターン35の各配光領域35aに比べて相対的に大きい配光領域36aを有する。各配光領域36aは、互いに同じ幅、同じ高さであり、かつそれぞれ正方形に近い矩形状に構成されている。各配光パターン36は、それぞれ配光パターン35とx方向における端部同士が接するように隙間なく配置されている。本実施形態では、これらの配光パターン36は、通常いずれも光を照射しない状態とされるが、必要に応じて光を照射する状態にもすることができる。
【0034】
第2配光パターン32は、x方向に沿って配列される各配光パターン37、38を含んで構成されている。配光パターン37は、x方向における中央に配置されている。各配光パターン38は、配光パターン37のx方向における両側にそれぞれ配置されている。図示の例における各配光パターン37、38は、いずれも高さ(y方向長さ)が等しい。
【0035】
配光パターン37は、複数の配光領域37a、複数の配光領域37b、複数の配光領域37cを有する。各配光領域37aは、互いに同じ幅、同じ高さであり、x方向に沿って互いに隙間なく配置されており、かつそれぞれ菱形状に構成されている。各配光領域37bは、互いに同じ幅、同じ高さであり、x方向に沿って互いに隙間なく配置されており、かつそれぞれ1つの頂点(頂角)を上向きにした三角形状に構成されている。各配光領域37cは、互いに同じ幅、同じ高さであり、x方向に沿って互いに隙間なく配置されており、かつそれぞれ1つの頂点(頂角)を下向きにした逆三角形状に構成されている。また、各配光領域37b、37cは、第1配光パターン31の各配光領域34aと同じ幅に設定され、かつx方向に沿って同じ配列間隔で上下方向に揃うように配置されている。
【0036】
各配光領域37aは、隣り合う配光領域37a同士が1つの頂点を接するようにして配置されており、各々の四辺がいずれもx方向に対して斜交するように配置されている。また、各配光領域37b、各配光領域37cは、1つの配光領域37bと1つの配光領域37cが対をなして互いの1つの頂点を接するようにして上下に配置されている。また、各配光領域37bは、隣り合う配光領域37b同士が1つの頂点を接するようにして配置されており、各々の底辺をx方向と平行になるように配置されている。同様に、各配光領域37cは、隣り合う配光領域37c同士が1つの頂点を接するようにして配置されており、各々の底辺をx方向と平行になるように配置されている。そして、各配光領域37a、各配光領域37b、各配光領域37cは、上下に配置される一対の配光領域37b、37cとこれに隣り合う他の一対の配光領域37b、37cとの間に1つの配光領域37aが挟まれるようにして、x方向に沿って交互に配置されている。
【0037】
各配光パターン38は、複数の配光領域38a、複数の配光領域38b、複数の配光領域38cを有する。各配光領域38aは、互いに同じ幅、同じ高さであり、x方向に沿って互いの間に隙間を設けることなく配置されており、かつそれぞれ六角形状に構成されている。各配光領域38bは、互いに同じ幅、同じ高さであり、x方向に沿って互いに隙間なく配置されており、かつそれぞれ1つの頂点を上向きにした三角形状に構成されている。各配光領域38cは、互いに同じ幅、同じ高さであり、x方向に沿って互いに隙間なく配置されており、かつそれぞれ1つの頂点を下向きにした逆三角形状に構成されている。
【0038】
各配光領域38aは、隣り合う配光領域38a同士が1つの頂点を接するようにして配置されており、各々の上辺と下辺がx方向に対して平行となり、それ以外の四辺がいずれもx方向に対して斜交するように配置されている。また、各配光領域38b、各配光領域38cは、1つの配光領域38bと1つの配光領域38cが対をなして互いの1つの頂点を接するようにして上下に配置されている。また、各配光領域38bは、隣り合う配光領域38b同士が1つの頂点を接するようにして配置されており、各々の底辺をx方向と平行になるように配置されている。同様に、各配光領域38cは、隣り合う配光領域38c同士が1つの頂点を接するようにして配置されており、各々の底辺をx方向と平行になるように配置されている。そして、各配光領域38a、各配光領域38b、各配光領域38cは、上下に配置される一対の配光領域38b、38cとこれに隣り合う他の一対の配光領域38b、38cとの間に1つの配光領域38aが挟まれるようにして、x方向に沿って交互に配置されている。
【0039】
図3(C)に示すように、各配光パターン37、38において、菱形状の各配光領域37aは、各々の四辺がx方向に対して斜交するように配置されており、それぞれの斜交角度が22.5°に設定されている。同様に、六角形状の各配光領域38aは、各々の上辺と下辺以外の四辺がx方向に対して斜交するように配置されており、それぞれの斜交角度が22.5°に設定されている。同様に、上下に配置される各配光領域37b、37cは、各々の底辺以外の二辺がx方向に対して斜交するように配置されており、それぞれの斜交角度が22.5°に設定されている。各配光領域38b、38cにおいても同様で、それぞれの斜交角度が22.5°に設定されている。また、各配光領域38aは、上記した菱形状の各配光領域37aよりも幅を大きく設定され、かつ同じ高さに設定されている。他方で、各配光領域38b、38cは、上記した各配光領域37b、37cと同じ幅、同じ高さに設定されている。
【0040】
このような各配光パターン37、38によれば、各配光領域への光照射/非照射を制御することで、カットオフラインの位置を水平方向において可変に設定することが可能であるとともに、カットオフラインの向き(右上がり/左上がり)を可変に設定することが可能となる。また、配光パターン37は、相対的に幅の小さい各配光領域37aを含んで構成されているので、自車両の前方の中央付近におけるカットオフラインの位置制御をより高い分解能で行うことができる。
【0041】
第3配光パターン33は、本例においてはx方向に延びる1つの配光領域からなる。この第3配光パターン33は、図示しないロービーム用ユニットによって形成されるロービーム配光パターン39の上端側と重なるように配置される。すなわち、第3配光パターン33は、ロービーム配光パターン39と配光パターン30とを隙間無く合成するためのマージン領域として用いられるものである。
【0042】
再び図3(B)を参照して、配光パターン30の上下方向および左右方向のピッチ角度について例示する。水平方向の基準位置を0°とすると、第1配光パターン31は、例えば基準位置の0°から上へ5.0°の範囲で形成される。また、第2配光パターン32は、例えば基準位置の0°から下へ0.57°の範囲で形成され、第3配光パターン33は、例えば0.57°から下へ2.0°の範囲で形成される。また、自車両の前方における鉛直方向の基準位置を0°とすると、第1配光パターン31の配光パターン34は、±10°の範囲内において配置され、かつこの配光パターン34の各配光領域34aは、1°のピッチ(分解能)で配列される。また、第1配光パターン31の左側の配光パターン35は、−10°〜−22.5°の範囲内において配置され、右側の配光パターン35は、+10°〜+22.5°の範囲内において配置され、各配光パターン35の各配光領域35aは、2.5°のピッチ(分解能)で配列される。
【0043】
次に、上記した配光パターンを実現するための液晶素子16の電極の構成について、図4図9を参照しながら詳細に説明する。図4図9の各図は、図2における第2基板22側から見た平面図を示している。
【0044】
図4(A)は、液晶素子の第1電極(セグメント電極)の構成を示す平面図である。図示の第1電極23は、配光パターンの各配光領域の形状に対応した電極形状を有するセグメント電極パターン部50と、このセグメント電極パターン部50と図中上側で接続された2つの引き回し配線部(第2引き回し配線部)51a、51bと、セグメント電極パターン部50と図中下側で接続された2つの引き回し配線部(第1引き回し配線部)52a、52bと、セグメント電極パターン部50の図中下側に配置されており各引き回し配線部51a、51b、52a、52bと接続される端子部53を含んで構成されている。本実施形態では、セグメント電極パターン部50に含まれる個別電極部は、それぞれ各引き回し配線部51a、51b、52a、52bに含まれる個々の引き回し配線の何れかを介して液晶駆動装置18と接続されており、スタティック駆動によって電圧を供給可能に構成されている。
【0045】
各引き回し配線部51a、51bは、左右対称に設けられている。引き回し配線部51aは、セグメント電極パターン部50の図中左上側の端部と接続され、このセグメント電極パターン部50の図中上側から図中左側に引き回され、さらに図中下側へ引き回されて端子部53へ至るように設けられている。同様に、引き回し配線部51bは、セグメント電極パターン部50の図中右上側の端部と接続され、このセグメント電極パターン部50の図中上側から図中右側に引き回され、さらに図中下側へ引き回されて端子部53へ至るように設けられている。
【0046】
各引き回し配線部52a、52bは、左右対称に設けられている。引き回し配線部52aは、セグメント電極パターン部50の図中左下側の端部と接続され、図中下側へ引き回されて端子部53へ至るように設けられている。引き回し配線部52bは、セグメント電極パターン部50の図中右下側の端部と接続され、図中下側へ引き回されて端子部53へ至るように設けられている。
【0047】
図4(B)は、液晶素子の第2電極(コモン電極)の構成を示す平面図である。図示の第2電極24は、上記したセグメント電極パターン部50に対応する平面視形状を有しており、このセグメント電極パターン部50と重なるように配置される部分であるコモン電極パターン部60と、このコモン電極パターン部60の図中上側から図中左右に亘って配置されたダミー電極パターン部61と、コモン電極パターン部60の図中左側の端部と接続され、図中下側へ引き回されるように設けられた引き回し配線部62aと、コモン電極パターン部60の図中右側の端部と接続され、図中下側へ引き回されるように設けられた引き回し配線部62bを含んで構成されている。各引き回し配線部62a、62bは、それぞれの下端側の所定位置において導電材を介して第1電極23の端子部53と接続されている。このようにコモン電極パターン部60の左右にそれぞれ各引き回し配線部62a、62bを設けることで、コモン電極パターン部60の左右方向における電圧ムラ(電位勾配)を低減することができる。
【0048】
また、第2電極24は、図中においてコモン電極パターン部60の左上側から左側を通り下側へわたって設けられる開口部63aと、図中においてコモン電極パターン部60の右上側から右側を通り下側へわたって設けられる開口部63bと、図中においてコモン電極パターン部60の下側に設けられる開口部64を有する。開口部63aは、セグメント電極23の引き回し配線部51aと重なるように配置される。開口部63bは、セグメント電極23の引き回し配線部51bと重なるように配置される。開口部64は、セグメント電極23の引き回し配線部52a、52bと重なるように配置される。すなわち、これらの開口部63a、63b、64を有することにより、第2電極24は、第1電極23の各引き回し配線部とは重ならずにセグメント電極パターン部50と重なるように配置することができる。
【0049】
図5は、セグメント電極パターン部の図4(A)における符号aで示す範囲を拡大して示した平面図である。図6は、コモン電極パターン部の図4(B)における符号bで示す範囲を拡大して示した平面図である。図7は、セグメント電極パターン部とコモン電極パターン部を重ねた状態を第2基板22側から見た平面図である。
【0050】
図5に示すように、セグメント電極パターン部50は、図中下側から順に、第1電極パターン部131、第2電極パターン部132、第3電極パターン部133を有している。第1電極パターン部131は、上記した第1配光パターン31に対応するものであり、図中のx方向に沿って配列される矩形状の複数の個別電極部を有する。同様に、第2電極パターン部132は、上記した第2配光パターン32に対応するものであり、図中のx方向に沿って配列される六角形状、菱形状、三角形状、逆三角形状の複数の個別電極部を有する。同様に、第3電極パターン部133は、上記した第3配光パターン33に対応するものであり、図中のx方向に沿って配列される矩形状の複数の個別電極部を有する。第1電極パターン部131、第2電極パターン部132、第3電極パターン部133の各個別電極部は、引き回し配線部51aまたは引き回し配線部52aとそれぞれ接続されている。なお、上記のようにセグメント電極パターン部50は左右対称に構成されており、図5に示した左側部分と同様の構造を右側部分にも備えている(図4(A)参照)。
【0051】
図6に示すように、コモン電極パターン部60は、図中下側から順に、第1電極パターン部141、第2電極パターン部142、第3電極パターン部143を有している。第1電極パターン部141は、セグメント電極パターン部50の第1電極パターン部131と平面視において重なるように配置される部分である。第2電極パターン部142は、セグメント電極パターン部50の第2電極パターン部132と平面視において重なるように配置される部分である。第3電極パターン部143は、セグメント電極パターン部50の第3電極パターン部133と平面視において重なるように配置される部分である。なお、上記のようにコモン電極パターン部60は左右対称に構成されており、図6に示した左側部分と同様の構造を右側部分にも備えている(図4(B)参照)。
【0052】
図6および図7に示すように、第1電極パターン部141は、図中x方向に沿って間欠的に配置された複数のスリット部151を有している。これらのスリット部151は、セグメント電極パターン部50の個別電極の間に配置される個別引き回し配線の配置領域と重なるように配置され、各引き回し配線によって液晶層27に電圧が印加されることを防ぐためのものである。同様に、第3電極パターン部143は、図中x方向に沿って間欠的に配置された複数のスリット部153を有している。これらのスリット部153は、セグメント電極パターン部50の個別電極の間に配置される個別引き回し配線の配置領域と重なるように配置され、各引き回し配線によって液晶層27に電圧が印加されることを防ぐためのものである。他方で、第2電極パターン部142は、スリット部を有することなく図中のx方向に延在するように設けられている。この第2電極パターン部142は、コモン電極パターン部60の各スリット部151、153によって分断された電極部分同士を相互に電気的に接続するための渡り配線部としての機能を有している。
【0053】
図8は、セグメント電極パターン部の図5における符号cで示す範囲を拡大して示した平面図である。図示のように、セグメント電極パターン部50の第2電極パターン部132には、六角形状の個別電極部(第2個別電極部)132a、三角形状の個別電極部(第2個別電極部)132b、逆三角形状の個別電極部(第2個別電極部)132cおよび菱形状の個別電極132d(第2個別電極部)が含まれる。個別電極部132aの形状は、上記した第2配光パターン32の配光領域38aの形状と相似している。同様に、個別電極部132bの形状は、上記した第2配光パターン32の配光領域37c、38cの形状と相似しており、個別電極部132cの形状は、配光領域37b、38bの形状と相似している。個別電極部132dの形状は、上記した第2配光パターン32の配光領域37aの形状と相似している。
【0054】
各個別電極132aには、それぞれ個別引き回し配線232aが接続されている。各引き回し配線232aは、各個別電極132aの1つの頂点(頂角)において接続されており、図中下側へ延びている。また、各個別引き回し配線232aは、それぞれ、各個別電極131a、131bのうちの隣り合う2つの間を通して配置されている。同様に、各個別電極132bには、それぞれ個別引き回し配線232bが接続されている。各個別引き回し配線232bは、各個別電極132bの1つの頂点(頂角)において接続されており、図中下側へ延びている。また、各個別引き回し配線232bは、それぞれ、各個別電極131a、131bのうちの隣り合う2つの間を通して配置されている。同様に、各個別電極132dには、それぞれ個別引き回し配線232dが接続されている。各個別引き回し配線232dは、各個別電極132dの1つの頂点(頂角)において接続されており、図中下側へ延びている。本実施形態では、各個別電極(第1個別電極部)131a、131bのうちの隣り合う2つの間に、個別引き回し配線232aと個別引き回し配線232bの2つ、もしくは個別引き回し配線232bと個別引き回し配線232dの2つが配置されている。他方で、各個別電極132cには、それぞれ個別引き回し配線232cが接続されている。各個別引き回し配線232cは、各個別電極132cの1つの頂点(頂角)において接続されており、図中上側へ延びている。また、各個別引き回し配線232cは、それぞれ、各個別電極133a、133bのうちの隣り合う2つの間を通して配置されている。
【0055】
図9は、セグメント電極パターン部の図5における符号dで示す範囲を拡大して示した平面図である。上記のように、各個別電極131a、131bのうちの隣り合う2つの間に、引き回し配線232aと引き回し配線232bの2つ、もしくは引き回し配線232bと引き回し配線232dの2つが配置されており、これら引き回し配線232a、232bはさらに図中下側へ延びている。また、各個別電極131a、131bには、それぞれ引き回し配線231a、231bが接続されている。引き回し配線231aは、各引き回し配線232a、232bとともに図中下側へ延びている。同様に、引き回し配線231bは、各引き回し配線232a、232bとともに図中下側へ延びている。さらに本実施形態では、これら引き回し配線231a等の間にダミー電極が設けられている。
【0056】
上記のように引き回し配線を配置することで、第2電極パターン部142の各個別電極132a、132b、132c、132dについて図中の上下方向の何れかに引き回し配線が延びるようになり、各個別電極132a、132b、132c、132dの相互間には引き回し配線を配置せずに済む。それにより、各個別電極132a、132b、132c、132dの相互間の隙間をより狭くすることができるので(例えば5〜20μm)、隙間によって生じる暗線による輝度ムラを低減することができる。他方で、第1電極パターン部141や第3電極パターン部133の各個別電極の間には引き回し配線が配置されることで比較的広い隙間(例えば25〜100μm)を生じることになるが、この隙間により生じ得る暗線は上下方向(縦方向)の線であるので、例えばイメージシフタ等の光学部品を用いることで暗線を目立たなくさせることが容易である。
【0057】
以上のような実施形態によれば、液晶素子を用いて車両周辺への選択的な光照射を行う場合における液晶素子の個別電極の数を増やしてもそれらに対応する引き回し配線のレイアウトを容易にすることができる。
【0058】
なお、本発明は上記した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上記した実施形態では各配光パターンにおける配光領域については基本的に光を照射するか非照射とするかの二択で説明していたが、液晶層への印加電圧を増減することによって光照射時の明るさを可変に設定することもできる。例えば、カーブ路の走行時などにカットオフラインの位置を移動させる際に、配光領域の明るさを可変に設定することで、より滑らかな配光変化を実現し、運転者等に与え得る違和感を軽減することができる。
【0059】
また、上記した実施形態では液晶素子の一例として垂直配向型の液晶素子を挙げていたが、液晶素子の動作モードはこれに限定されない。また、上記した実施形態における各配光パターンに含まれる複数の配光領域の数をより多くして配光制御の分解能を上げてもよい。液晶素子を用いているので、このように配光領域の数をより多くしてもほとんどコストアップすることがないという利点がある。
【0060】
また、上記した実施形態では第2配光パターンとして、カットオフラインを水平方向に可変に設定するための配光領域を想定していたが、第2配光パターンを第1配光パターンと同様の矩形状の各配光領域を含むものとし、それに対応して各個別電極の平面視形状を設定してもよい。この場合には、第1配光パターンと第2配光パターンを組み合わせて、より精細な配光制御を実現できる。第3配光パターンについても同様である。
【符号の説明】
【0061】
10:カメラ
11:制御装置
12:発光素子
13:発光素子駆動装置
14:セパレータ
15:リフレクタ
16:液晶素子
17a、17b:偏光板
18:レンズ
23:第1電極(セグメント電極)
24:第2電極(コモン電極)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9