特許第6941529号(P6941529)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6941529端末装置、出力制御方法および出力制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6941529
(24)【登録日】2021年9月8日
(45)【発行日】2021年9月29日
(54)【発明の名称】端末装置、出力制御方法および出力制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20210916BHJP
   H04M 1/73 20060101ALI20210916BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20210916BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20210916BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20210916BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20210916BHJP
【FI】
   H04M1/00 R
   H04M1/73
   H04M11/04
   G08B25/04 K
   G08B25/10 D
   G08B21/02
【請求項の数】10
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-192985(P2017-192985)
(22)【出願日】2017年10月2日
(65)【公開番号】特開2019-68305(P2019-68305A)
(43)【公開日】2019年4月25日
【審査請求日】2020年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】山中 祥太
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 照彦
【審査官】 石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−147579(JP,A)
【文献】 特開2006−153695(JP,A)
【文献】 特開2015−177264(JP,A)
【文献】 特開2017−091477(JP,A)
【文献】 特開2009−219147(JP,A)
【文献】 特開2016−115978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00
H04M 1/73
H04M 11/04
G08B 25/04
G08B 25/10
G08B 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置であって、
前記端末装置の状況が当該端末装置を所持するユーザによる当該端末装置への操作が不可であることを示す所定の状況である場合、当該端末装置の前記状況に関する状況情報を他のユーザによる操作が可能な状況である他の端末装置またはサーバ装置を含む外部装置への出力頻度を上げる制御を行う出力制御部と、
前記端末装置の状況が所定の状況である場合、前記端末装置の位置を示すGPS信号を受信する受信頻度を制御する受信部と、
前記外部装置が受信することで前記端末装置の位置が特定可能なビーコン信号を生成する信号生成部と、
を備え
前記出力制御部は、
前記端末装置の状況が前記所定の状況になった後、所定の切替期間が経過した場合、前記GPS信号による前記位置に代えて前記ビーコン信号を含む前記状況情報を前記外部装置へ出力すること
を特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記端末装置の状況が所定の状況である場合、前記端末装置の位置を示すGPS信号を受信する受信頻度を制御する受信部、を備え、
前記出力制御部は、
前記受信部が受信した前記GPS信号による前記位置を示す前記位置を含む前記状況情報を前記受信頻度に応じた前記出力頻度で前記外部装置へ出力すること
を特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記外部装置が受信することで前記端末装置の位置が特定可能なビーコン信号を生成する信号生成部、を備え、
前記出力制御部は、
前記信号生成部によって生成された前記ビーコン信号を含む前記状況情報を前記外部装置へ出力すること
を特徴とする請求項1または2に記載の端末装置。
【請求項4】
記出力制御部は、
前記端末装置の状況が所定の状況である場合、かつ、所定のビーコン条件を満たした場合、前記GPS信号による前記位置に代えて前記ビーコン信号を含む前記状況情報を出力すること
を特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項5】
前記端末装置が実行中のアプリケーションの消費電力を算出する算出部をさらに備え、
前記出力制御部は、
前記算出部によって算出された前記消費電力に基づいて前記状況情報に関連する関連アプリケーション以外の非関連アプリケーションの前記消費電力を低下させる制御を行うこと
を特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項6】
前記出力制御部は、
前記非関連アプリケーションを停止させる制御を行うこと
を特徴とする請求項に記載の端末装置。
【請求項7】
災害の発生を検出する検出部をさらに備え、
前記出力制御部は、
前記検出部によって前記災害の発生が検出された場合、前記端末装置の状況が前記所定の状況であるとすること
を特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項8】
前記検出部は、
前記災害に伴う前記端末装置のユーザの被災度合をさらに検出し、
前記出力制御部は、
前記検出部によって検出された前記被災度合が大きいほど、前記出力頻度を上げること
を特徴とする請求項に記載の端末装置。
【請求項9】
端末装置が実行する出力制御方法であって、
前記端末装置の状況が当該端末装置を所持するユーザによる当該端末装置への操作が不可であることを示す所定の状況である場合、当該端末装置の前記状況に関する状況情報を他のユーザによる操作が可能な状況である他の端末装置またはサーバ装置を含む外部装置への出力頻度を上げる制御を行う出力制御工程と、
前記端末装置の状況が所定の状況である場合、前記端末装置の位置を示すGPS信号を受信する受信頻度を制御する受信工程と、
前記外部装置が受信することで前記端末装置の位置が特定可能なビーコン信号を生成する信号生成工程と、
を含み、
前記出力制御工程は、
前記端末装置の状況が前記所定の状況になった後、所定の切替期間が経過した場合、前記GPS信号による前記位置に代えて前記ビーコン信号を含む前記状況情報を前記外部装置へ出力すること
を特徴とする出力制御方法。
【請求項10】
端末装置の状況が当該端末装置を所持するユーザによる当該端末装置への操作が不可であることを示す所定の状況である場合、当該端末装置の前記状況に関する状況情報を他のユーザによる操作が可能な状況である他の端末装置またはサーバ装置を含む外部装置への出力頻度を上げる制御を行う出力制御手順と、
前記端末装置の状況が所定の状況である場合、前記端末装置の位置を示すGPS信号を受信する受信頻度を制御する受信手順と、
前記外部装置が受信することで前記端末装置の位置が特定可能なビーコン信号を生成する信号生成手順と、
をコンピュータに実行させ
前記出力制御手順は、
前記端末装置の状況が前記所定の状況になった後、所定の切替期間が経過した場合、前記GPS信号による前記位置に代えて前記ビーコン信号を含む前記状況情報を前記外部装置へ出力すること
を特徴とする出力制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、出力制御方法および出力制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自然災害等の非常事態が発生した場合において、一刻も早い人命救助を可能とするための技術が提案されている。例えば、災害で被災したユーザが危険を感じた場合、他人にユーザの位置を特定させるために、ユーザ自身が端末装置を操作することにより位置情報の取得頻度を上げる端末装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−215813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来技術は、ユーザが実際に端末装置を操作する必要があるため、例えば、ユーザが瓦礫に埋もれた場合等、端末装置を操作できず、救助者によるユーザ位置の位置や怪我の状況等の特定が困難になるおそれがあった。なお、ユーザの状況の特定が困難になる場合は、災害時に限らず、様々な状況下で起こりうる。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、所定の状況下において、他人によるユーザ位置の特定を容易化させることができる端末装置、出力制御方法および出力制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る端末装置は、出力制御部を備える。前記出力制御部は、前記端末装置の状況が所定の状況である場合、当該端末装置の状況に関する状況情報の外部装置への出力頻度を制御する。
【0007】
実施形態の一態様によれば、所定の状況下において、他人によるユーザの状況を容易に特定させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る出力制御処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る出力制御システムの構成を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
図4図4は、モード情報を示す図である。
図5図5は、アプリ情報を示す図である。
図6図6は、出力制御部の処理内容を示す図である。
図7図7は、出力制御部の処理内容を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る端末装置が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る端末装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る端末装置、出力制御方法および出力制御プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る端末装置、出力制御方法および出力制御プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔出力制御方法〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る出力制御方法の一例について説明する。図1は、実施形態に係る出力制御方法の一例を示す図である。図1に示す例では、端末装置1によって出力制御処理が実行される。また、図1では、端末装置1の位置情報がサーバ装置10に出力され、他の端末装置100がサーバ装置10から端末装置1の位置情報を取得する場合について説明する。
【0011】
図1に示すように、端末装置1は、ユーザU1が利用する端末装置である。また、他の端末装置100は、他のユーザU10が利用する端末装置である。なお、図1に示す例では、他の端末装置100は1台であるが、これに限定されるものではなく、複数台であってもよい。
【0012】
また、図1に示す例では、ユーザU1が、例えば災害により被災して、端末装置1を操作できない状況下であるとする。なお、他のユーザU10は、被災していない、もしくは、被災しても他の端末装置100を操作できる状況であるとする。
【0013】
ここで、従来の端末装置が実行する出力制御方法について説明する。従来の端末装置は、ユーザが危険を感じて他のユーザにユーザ位置を知らせたい場合に、端末装置を操作することで、ユーザの位置情報をサーバ装置へ高頻度に出力していた。しかしながら、例えば、上記したような状況下では、ユーザが端末装置を操作できず、他のユーザによるユーザ位置や怪我の状況等の特定が困難になるおそれがあった。
【0014】
なお、ユーザの状況の特定は、被災時に限らず、ユーザU1が端末装置1を操作できない所定の状況下で起こりうる。例えば、所定の状況には、ユーザU1が意識を失った状況や、ユーザU1が手足を拘束されている状況等が含まれてもよい。また、所定の状況として、例えば子供のように、端末装置1を操作はできるものの、操作方法が分からない状況も含まれてよい。
【0015】
そこで、実施形態に係る出力制御方法では、端末装置1が所定の状況下になった場合に、自動で位置情報等を含む状況情報の出力頻度を制御することとした。
【0016】
具体的には、実施形態に係る端末装置1は、端末装置1の状況が所定の状況であることを検出する(ステップS1)。つづいて、実施形態に係る端末装置1は、端末装置1の状況が所定の状況である場合、端末装置1の状況に関する状況情報の外部装置(例えばサーバ装置10)への出力頻度を制御する(ステップS2)。例えば、端末装置1は、端末装置1の位置を示す位置情報を含む状況情報の出力頻度を上げる。つづいて、他の端末装置100は、サーバ装置10が取得した端末装置1の状況情報を取得する(ステップS3)。なお、端末装置1は、位置情報に限らず、例えば、ユーザU1が瓦礫に埋もれる等して危険な状況であることや、長時間同じ位置に滞留している状況を示す状況情報を出力することとしてもよい。また、端末装置1は、出力頻度を上げる場合に限らず、例えば、被災後に端末装置1が移動した場合等には、ユーザU1が危険な状況でないと推定し、出力頻度を下げてもよい。
【0017】
これにより、所定の状況下において、ユーザU1が端末装置1を操作することなく、自動で状況情報の出力頻度を上げたり下げたりできるため、他のユーザU10によるユーザ位置等の状況の特定を容易化させることができる。また、ユーザU1が危険な状況でない場合に、出力頻度を下げることでサーバ装置10の通信負荷を減らすことができる。
【0018】
さらに、実施形態に係る端末装置1は、まず、GPS(Global Positioning System)衛星を利用して位置情報を取得する方法を利用して端末装置1の大まかな位置を送信し、他の端末装置100のビーコン範囲に入ったと予測されるタイミングで、端末装置1自体が信号を発するビーコン(Beacon)として機能する方法へ切り替え可能に構成されるが、かかる点については後述する。
【0019】
また、実施形態に係る端末装置1は、位置情報に関連するアプリケーション以外のアプリケーションを制御することで、消費電力を下げる制御を行うが、かかる点についても後述する。
【0020】
〔出力制御システムS〕
次に、図2を用いて、上記の端末装置1を含む出力制御システムSについて説明する。図2は、実施形態に係る出力制御システムSの構成を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る出力制御システムSには、端末装置1と、サーバ装置10と、複数台の他の端末装置100a,100bとが含まれる。これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、複数台の他の端末装置100a,100bは、特に区別しない場合、他の端末装置100と記載する。
【0021】
端末装置1は、例えばユーザU1によって利用される端末装置である。端末装置1は、例えば、可搬性の端末装置であり、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。
【0022】
端末装置1は、上記した出力制御方法を実行するアプリケーション(出力制御プログラムの一例)がイントールされる。そして、端末装置1は、かかるアプリケーションの起動によって出力制御方法が実行される。
【0023】
サーバ装置10は、本願に係る外部装置に対応するサーバ装置であり、各種サービスを提供するサーバ装置である。サーバ装置10は、例えば、端末装置1や他の端末装置100に各種サービスを提供する。例えば、サーバ装置10は、天気予報に関するサービスや、地図情報に関するサービス等の位置情報を利用するサービスを提供する。サーバ装置10は、端末装置1や他の端末装置100の位置情報を取得して、かかる位置情報に基づくサービスを提供する。また、サーバ装置10は、例えば、端末装置1の位置情報等を含む状況情報を他の端末100へ出力したり、あるいは、他の端末装置100の状況情報を端末装置1へ出力したりする。
【0024】
他の端末装置100は、本願に係る外部装置に対応する装置であり、他のユーザU10によって利用される端末装置である。他の端末装置100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等により実現される。また、他のユーザU10は、個人ユーザに限らず、例えば、自衛隊や警察等といった機関であってもよい。
【0025】
〔端末装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る端末装置1の構成について説明する。図3は、実施形態に係る端末装置1の構成例を示す図である。図3に示すように、端末装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを有する。なお、端末装置1は、ユーザU1から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0026】
(通信部)
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部2は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば出力制御システムSに含まれる他の端末装置100等の間で情報の送受信を行う。
【0027】
(記憶部)
記憶部4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図3に示すように、実施形態に係る記憶部4は、モード情報41と、アプリ情報42とを記憶する。
【0028】
(モード情報)
モード情報41は、後述する出力制御部35における制御モードを示す情報である。図4は、モード情報41を示す図である。図4に示すように、モード情報41には、通常時モードst1および非常時モードst2の2つの制御モードが存在する。
【0029】
通常時モードst1は、端末装置1が所定の状況以外の通常の状況である場合に、状況情報を通常の出力頻度で出力する制御を行う制御モードである。非常時モードst2は、端末装置1が所定の状況である場合に、状況情報の出力頻度を制御する制御モードである。また、非常時モードst2には、GPSモードst2aと、ビーコンモードst2bとが含まれる。
【0030】
GPSモードst2aは、GPS衛星からGPS信号を受信することで端末装置1の位置情報を含む状況情報を取得する制御モードである。ビーコンモードst2bは、端末装置1自体がビーコン信号を発する制御モードである。つまり、ビーコンモードst2bは、端末装置1がビーコンとして機能し、他の端末装置100がビーコン信号を受信することで端末装置1の位置情報を含む状況情報が特定される。
【0031】
後述する出力制御部35は、通常時モードst1および非常時モードst2の制御モードのうち、通常の状況時は、通常時モードst1を読み出して出力制御方法を実行し、端末装置1が所定の状況になった場合に、通常時モードst1から非常時モードst2へ切り替える。
【0032】
また、出力制御部35は、非常時モードst2において、切り替わった直後は、GPSモードst2aで制御し、後述するビーコン条件を満たした場合に、GPSモードst2aからビーコンモードst2bへ切り替える。
【0033】
(アプリ情報42)
アプリ情報42は、端末装置1が有するアプリケーションに関する情報である。図5は、アプリ情報42を示す図である。図5に示すように、アプリ情報42は、「アプリID」、「種別」、「機能」、「現在消費電力」、「関連フラグ」といった項目を含む。
【0034】
「アプリID」は、各アプリケーションを識別するための識別情報である。「種別」は、アプリケーションの種別を示す情報である。「機能」は、アプリケーションの機能を示す情報である。「現在消費電力」は、アプリケーションの実行によって端末装置1で消費される電力量を示す情報であり、例えば、単位時間あたりの電力量で表される。「関連フラグ」は、関連アプリケーションであるか否かを示す情報である。関連アプリケーションとは、端末装置1の位置情報に関連するアプリケーションであり、例えば、「GPS」のように位置情報を取得するアプリケーションや、地図アプリケーションのように位置情報を利用して処理を行うアプリケーション等がある。なお、関連アプリケーションは、位置情報に関するアプリケーションに限らず、ユーザU1の状況情報に関するアプリケーションであってもよい。
【0035】
図5に示す例において、アプリ情報42のアプリID「1」は、種別が「GPS」であり、機能が「現在地取得」であり、現在「AA」の電力量を消費していることを示す。また、「GPS」は、関連フラグが「1」、すなわち、関連アプリケーションであることを示す。
【0036】
また、アプリID「2」は、種別が「バックライト」であり、機能が「バックライトの照度調整」であり、現在「BB」の電力量を消費していることを示す。また、「バックライト」は、関連フラグが「0」、すなわち、関連アプリケーションではない(以下、非関連アプリケーションと記載する)ことを示す。
【0037】
なお、アプリ情報42は、ユーザU1の操作によって登録されてもよく、端末装置1のアプリケーション全体を制御する制御装置(図示なし)から取得してもよい。あるいは、制御部3が実際の消費電力を検出することで取得してもよい。
【0038】
(制御部)
図3の説明に戻って、制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、端末装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(出力制御プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部3は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0039】
図3に示すように、制御部3は、受信部31と、信号生成部32と、算出部33と、検出部34と、出力制御部35とを有し、以下に説明する出力制御処理の機能や作用を実現または実行する。
【0040】
(受信部)
受信部31は、GPS衛星から端末装置1の位置を示すGPS信号を受信する。受信部31は、受信したGPS信号に基づいて端末装置1の位置を特定し、位置情報として出力制御部35へ出力する。なお、受信部31は、位置情報を特定せずに、GPS信号をそのまま出力制御部35へ出力してもよい。
【0041】
また、受信部31は、端末装置1の状況が所定の状況である場合、GPS信号を受信する受信頻度を制御する。具体的には、受信部31は、後述する出力制御部35によりモード情報41における非常時モードst2のGPSモードst2aが選択された場合、受信頻度を上げる。例えば、受信部31は、GPS信号を受信する時間間隔を通常時モードst1における時間間隔よりも短くする。
【0042】
(信号生成部)
信号生成部32は、ビーコン信号を生成する。ビーコン信号とは、他の端末装置100が受信することで端末装置1の位置が特定可能な信号である。具体的には、ビーコン信号に基づいて他の端末装置100と端末装置1との位置関係が特定可能となる。
【0043】
例えば、信号生成部32は、出力制御部35によりモード情報41における非常時モードst2のビーコンモードst2bへ切り替えられた場合、ビーコン信号を生成する。
【0044】
(算出部)
算出部33は、端末装置1が実行中のアプリケーションの消費電力を算出する。具体的には、算出部33は、アプリ情報42の「現在消費電力」の合計値を消費電力として算出する。
【0045】
(検出部)
検出部34は、端末装置1の状況を検出する。例えば、検出部34は、所定の状況として、災害の発生を検出する。かかる災害には、地震、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、津波、噴火等の災害を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
【0046】
例えば、検出部34は、気象庁等の機関が発する緊急信号(例えば、緊急地震速報を示す信号)を受信することで、災害の発生を検出する。また、検出部34は、例えば、ユーザU1が有する端末装置1に搭載されたジャイロセンサ等の値に基づいてユーザU1の周辺で発生する揺れ(地震や、噴火に伴う揺れ等)を検出する。また、検出部34は、ユーザU1の操作によって災害の発生を受け付けることで検出してもよい。
【0047】
また、検出部34は、例えば、台風の予測進路を示す情報と、ユーザU1の現在地を示す位置情報とに基づき、予測進路がユーザU1の現在地を通過する場合に、災害の発生を予測することで、検出してもよい。
【0048】
また、検出部34は、ユーザU1の周辺における災害の発生を検出するとともに、災害によるユーザU1の被災の有無を検出する。例えば、検出部34は、ユーザU1の操作により被災の有無を受け付けることで検出する。また、検出部34は、ユーザU1の現在地を示す位置情報と、災害による被災エリアを示す情報とに基づき、ユーザU1の現在地が被災エリアに位置する場合に、ユーザU1が被災したことを検出してもよい。
【0049】
また、検出部34は、災害に伴う端末装置1のユーザU1の被災度合を検出する。例えば、検出部34は、端末装置1の位置が倒壊した建物の近くであり、かつ、ユーザU1による操作が所定時間行われなかった場合、ユーザU1が倒壊した建物に埋もれて動けないことを検出し、被災度合が大きいことを検出する。つまり、被災度合とは、ユーザU1が危険な状態にあり、すぐに救助が必要であることを示す緊急性の高さに置き換えることもできる。
【0050】
(出力制御部35)
出力制御部35は、端末装置1の状況が所定の状況である場合、端末装置1の状況に関する状況情報の外部装置(例えば他の端末装置100)への出力頻度を上げる制御を行う。例えば、出力制御部35は、検出部34によって検出される状況が所定の状況である場合、出力頻度を上げる。具体的には、出力制御部35は、検出部34によって災害の発生が検出された場合、出力頻度を上げる。なお、出力制御部35は、出力頻度を上げる場合に限らず、出力頻度を下げてもよい。例えば、出力制御部35は、災害の発生後、端末装置1が移動する場合、ユーザU1が危険ではないと推定し、上げていた出力頻度を下げる制御を行う。つまり、出力制御部35は、出力頻度を制御する。
【0051】
また、出力制御部35は、端末装置1の状況が所定の状況である場合、受信部31が受信したGPS信号による位置を示す位置情報を含む状況情報を受信頻度に応じた出力頻度で他の端末装置100へ出力する。具体的には、出力制御部35は、端末装置1の状況が所定の状況である場合、記憶部4に記憶されたモード情報41の制御モードを通常時モードst1から非常時モードst2へ切り替えるとともに、非常時モードst2におけるGPSモードst2aを設定する。そして、出力制御部35は、受信部31の受信頻度に合わせた出力頻度で位置情報を出力する。つまり、出力制御部35は、受信頻度と出力頻度とを揃える。
【0052】
また、出力制御部35は、端末装置1の状況が所定の状況である場合、かつ、所定のビーコン条件を満たした場合、GPS信号による位置情報に代えてビーコン信号を含む状況情報を出力する。例えば、出力制御部35は、所定の状況になった後、所定の切替期間が経過した場合、ビーコン条件を満たしたと判定する。ここで、図6を用いて、切替期間前後における出力制御部35の処理について説明する。
【0053】
図6は、出力制御部35の処理内容を示す図である。図6では、切替期間前後の出力制御部35の処理内容を示している。図6では、外部装置であるサーバ装置10または他の端末装置100へ位置情報を出力する場合を示している。また、図6では、他の端末装置100におけるビーコン信号の探索範囲Rを示している。探索範囲Rとは、ビーコン信号を受信可能な範囲、つまり、端末装置1の位置を特定可能な範囲を指す。
【0054】
出力制御部35は、受信部31が受信したGPS信号による位置を示す位置情報および信号生成部32によって生成されたビーコン信号のうち、少なくとも一方を外部装置(サーバ装置10または他の端末装置100)へ出力する。
【0055】
具体的には、図6の上図に示すように、端末装置1が所定の状況になってから所定の切替期間が経過する前においては、出力制御部35は、受信部31が受信したGPS信号に基づく位置情報を含む状況情報をサーバ装置10へ出力する。そして、他の端末装置100は、サーバ装置10から端末装置1の状況情報を取得する。
【0056】
これは、災害発生当初は、他のユーザU10がユーザU1から比較的遠い位置にいる場合が多く、端末装置1が探索範囲Rの範囲内に位置していない可能性が高いためである。このため、GPS信号に基づく位置情報をネットワークNを介してサーバ装置10へ送信することで、ユーザU1の大まかな位置を他のユーザU10に高頻度で知らせることができる。
【0057】
なお、かかる場合、信号生成部32は、ビーコン信号の生成を停止させておく。これにより、不要な電力消費を抑えることができる。
【0058】
そして、図6に示すように、所定の切替期間が経過した後においては、出力制御部35は、信号生成部32が生成したビーコン信号を含む状況情報を他の端末装置100へ出力する。具体的には、出力制御部35は、受信部31によるGPS信号の受信を停止させるとともに、位置情報をサーバ装置10へ出力することを停止させ、信号生成部32にビーコン信号の生成を指示する。
【0059】
つまり、出力制御部35は、他のユーザU10がGPS信号に基づく位置情報を利用してユーザU1が探索範囲Rの範囲内まで近づいた場合に、ビーコン信号を出力する。これにより、他のユーザU10がビーコン信号に基づいてユーザU1の正確な位置を特定できる。なお、切替期間は、例えば、過去の災害発生時における救助状況や、災害統計等に基づいて設定可能である。
【0060】
また、端末装置1の消費電力の観点から、GPS信号の受信は、ビーコン信号の出力に比べて、消費電力が大きい。すなわち、出力制御部35は、GPS信号の受信を停止させて、ビーコン信号の出力に切り替えることで、端末装置1の電池をより長持ちさせることができる。
【0061】
なお、出力制御部35は、切替期間をビーコン条件としたが、これに限定されない。例えば、出力制御部35は、端末装置1が他の端末装置100の位置を取得し、他の端末装置100の位置に基づく探索範囲Rの範囲内に端末装置1の位置がある場合に、ビーコン条件を満たすとしてもよい。
【0062】
他には、端末装置1のセンサの検出結果をビーコン条件としてもよい。例えば、出力制御部35は、端末装置1のセンサによって、周囲から足音や話し声が検出されたり、瓦礫を撤去する音や振動が検出されたり、「GPSからビーコンに切り替えます」といった特定のキーワードが検出されたりした場合、ビーコン条件を満たすとし、切り替えてもよい。
【0063】
図3に戻って、出力制御部35は、端末装置1の状況が所定の状況である場合、算出部33によって算出された消費電力に基づいて状況情報に関連する関連アプリケーション以外の非関連アプリケーションの消費電力を低下させる制御を行う。かかる点について、図7を用いて説明する。
【0064】
図7は、出力制御部35の処理内容を示す図である。図7では、端末装置1がアプリケーションである「GPS」、「バックライト」、「ミュージック」、「その他」を実行中であり、各アプリケーションにおける消費電力の絶対値を棒グラフで示している。つまり、棒グラフが長いほど消費電力が大きいことを示す。また、図7に示す例では、「GPS」が関連アプリケーションであり、「バックライド」および「ミュージック」が非関連アプリケーションであることとする。また、「その他」は、複数のアプリケーションが含まれるとともに、関連アプリケーションと非関連アプリケーションとが混在していることとする。
【0065】
図7に示すように、出力制御部35は、端末装置1の状況が所定の状況となった場合、非関連アプリケーションである「バックライト」の消費電力を低下させる。例えば、出力制御部35は、バックライトの照度を最低値に設定することで、消費電力を下げる。
【0066】
また、図7に示すように、出力制御部35は、非関連アプリケーションである「ミュージック」を停止させる。すなわち、「ミュージック」による消費電力をゼロにする。また、図7に示すように、関連アプリケーションである「GPS」については、通常の状況と同様のまま維持する。これにより、端末装置1の位置情報を取得しつつ、不要な消費電力を抑えることができるため、端末装置1の電池をより長持ちさせることができる。なお、出力制御部35は、「GPS」については、位置情報の出力頻度の上昇に伴って消費電力を上昇させてもよい。
【0067】
図3に戻って、出力制御部35は、検出部34によって検出されたユーザU1の被災度合に基づいて出力頻度を決定する。例えば、出力制御部35は、被災度合が大きいほど、出力頻度を上げる。つまり、ユーザU1が瓦礫に埋もれる等の緊急に救助が必要な場合に、被災度合を大きくし、出力頻度を上げる。これにより、救助者によるユーザU1の救助を容易化させることができる。
【0068】
また、出力制御部35は、所定の状況が解消した場合、モード情報41の非常時モードst2から通常時モードst1へ切り替える。つまり、出力制御部35は、所定の状況が解消した場合、上昇させていた出力頻度を元に戻す。
【0069】
なお、所定の状況が解消したか否かは、例えば、救助されたユーザU1による入力操作によって判定可能である。あるいは、端末装置1の位置情報が病院等の施設に移動した場合に、所定の状況が解消したと判定してもよい。
【0070】
なお、出力制御部35は、GPS信号に基づく位置情報を高頻度で出力する他のユーザU10を制限してもよい。具体的には、出力制御部35は、例えば、ユーザU1によって、予め端末装置1に登録された他のユーザU10のみ位置情報を高頻度に取得できるようにすることとしてもよい。これにより、消費電力を抑えることができる。
【0071】
また、出力制御部35は、状況情報として、位置情報に限らず、端末装置1の状況に関する情報であれば様々な情報を出力してよい。例えば、出力制御部35は、位置情報に加えて「ユーザ危険」、「長時間滞留注意」等といったラベルやメタ情報を付加して状況情報として出力してもよい。
【0072】
また、上述した実施形態では、端末装置1が受信部31および信号生成部32の双方を備える構成を示したが、これに限らず、受信部31および信号生成部32のうち、少なくとも一方を備える構成であってもよい。
【0073】
〔処理手順〕
次に、図8を用いて、実施形態に係る端末装置1が実行する処理の手順について説明する。図8は、実施形態に係る端末装置1が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【0074】
図8に示すように、まず、端末装置1の検出部34は、検出した端末装置1の状況が所定の状況であるか否かを判定する(ステップS101)。
【0075】
つづいて、受信部31は、端末装置1の状況が所定の状況であった場合(ステップS101,Yes)、出力制御部35の指示に基づいてGPS信号の受信頻度を上げる(ステップS102)。
【0076】
つづいて、出力制御部35は、受信部31が受信したGPS信号による位置情報を含む状況情報のサーバ装置10へ出力する出力頻度を上げる制御を行う(ステップS103)。つづいて、出力制御部35は、端末装置1の状況が所定の状況になった後、所定の切替期間が経過したか否かを判定する(ステップS104)。
【0077】
出力制御部35は、所定の切替期間が経過した場合(ステップS104,Yes)、信号生成部32がビーコン信号を生成し、生成されたビーコン信号を含む位置情報を外部装置である他の端末装置100へ送信し(ステップS105)、処理を終了する。
【0078】
一方、ステップS101において、出力制御部35は、検出部34によって検出された状況が所定の状況ではない場合(ステップS101,No)、モード情報41における制御モードを通常時モードst1のまま維持し(ステップS106)、処理を終了する。
【0079】
また、ステップS104において、出力制御部35は、所定の切替期間が経過していない場合(ステップS104,No)、ステップS102の処理へ移行する。なお、図8では、出力頻度を上げる場合について示したが、出力頻度を下げることとしてもよい。
【0080】
〔効果〕
上述してきたように、実施形態に係る端末装置1は、出力制御部35を備える。出力制御部35は、端末装置1の状況が所定の状況である場合、端末装置1の状況に関する状況情報の外部装置(他の端末装置100)への出力頻度を制御する。
【0081】
これにより、所定の状況下において、ユーザU1が端末装置1を操作することなく、自動で位置情報の出力頻度を上げたり下げたりできるため、他のユーザU10によるユーザU1の位置や状況の特定を容易化させることができる。
【0082】
また、実施形態に係る端末装置1は、受信部31と、信号生成部32とをさらに備える。受信部31は、端末装置1の状況が所定の状況である場合、端末装置1の位置を示すGPS信号を受信する受信頻度を制御する。信号生成部32は、外部装置が受信することで端末装置1の位置が特定可能なビーコン信号を生成する。出力制御部35は、受信部31が受信したGPS信号による位置を示す位置情報および信号生成部32によって生成されたビーコン信号のうち、少なくとも一方を外部装置へ出力する。
【0083】
これにより、GPS信号に基づく位置情報をネットワークNを介して送信することで、ユーザU1の大まかな位置を他のユーザU10に高頻度で知らせることができるとともに、端末装置1の比較的近くにいる他のユーザU10に対して正確な位置を知らせることができる。
【0084】
また、実施形態に係る端末装置1において、出力制御部35は、端末装置1の状況が所定の状況である場合、かつ、所定のビーコン条件を満たした場合、GPS信号による位置情報に代えてビーコン信号を含む状況情報を出力する。
【0085】
これにより、他のユーザU10がビーコン信号に基づいてユーザU1の正確な位置を特定できる。さらに、GPS信号の受信を停止させて、ビーコン信号の出力に切り替えることで、端末装置1の電池をより長持ちさせることができる。
【0086】
また、実施形態に係る端末装置1において、出力制御部35は、端末装置1の状況が所定の状況になった後、所定の切替期間が経過した場合、GPS信号による位置情報に代えてビーコン信号を含む状況情報を外部装置へ出力する。
【0087】
これにより、救助者の救助活動に合わせて適切な方法で状況情報を出力することができる。
【0088】
また、実施形態に係る端末装置1は、算出部33をさらに備える。算出部33は、端末装置1が実行中のアプリケーションの消費電力を算出する。出力制御部35は、算出部33によって算出された消費電力に基づいて状況情報に関連する関連アプリケーション以外の非関連アプリケーションの消費電力を低下させる制御を行う。
【0089】
これにより、端末装置1の状況情報を取得しつつ、不要な消費電力を抑えることができるため、端末装置1の電池をより長持ちさせることができる。
【0090】
また、実施形態に係る端末装置1において、出力制御部35は、非関連アプリケーションを停止させる制御を行う。
【0091】
これにより、例えば被災時には実行する必要のない非関連アプリケーションを停止させることができるため、端末装置1の電池をより長持ちさせることができる。
【0092】
また、実施形態に係る端末装置1は、検出部34をさらに備える。検出部34は、災害の発生を検出する。出力制御部35は、検出部34によって災害の発生が検出された場合、端末装置1の状況が所定の状況であるとする。
【0093】
これにより、ユーザU1が災害で被災した場合に、他のユーザU10による救助を早期に行わせることができる。
【0094】
また、実施形態に係る端末装置1において、検出部34は、災害に伴う端末装置1のユーザの被災度合をさらに検出する。出力制御部35は、検出部34によって検出された被災度合が大きいほど、出力頻度を上げる。
【0095】
これにより、被災度合が大きいユーザU1の位置情報を高頻度で出力できるため、ユーザU1をより早く救助することができる。
【0096】
〔プログラム〕
また、上述してきた実施形態に係る端末装置1は、例えば図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図9は、実施形態に係る端末装置1の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0097】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0098】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0099】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0100】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0101】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る端末装置1として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部3の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部4内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、ネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0102】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0103】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0104】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0105】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0106】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受信部31は、受信手段や受信回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0107】
1 端末装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
31 受信部
32 信号生成部
33 算出部
34 検出部
35 出力制御部
41 モード情報
42 アプリ情報
100 他の端末装置
U1 ユーザ
U10 他のユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9