特許第6941583号(P6941583)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6941583自動火災報知設備および自動火災報知設備の音響警報表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6941583
(24)【登録日】2021年9月8日
(45)【発行日】2021年9月29日
(54)【発明の名称】自動火災報知設備および自動火災報知設備の音響警報表示方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20210916BHJP
【FI】
   G08B17/00 L
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-69421(P2018-69421)
(22)【出願日】2018年3月30日
(65)【公開番号】特開2019-179473(P2019-179473A)
(43)【公開日】2019年10月17日
【審査請求日】2020年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000111074
【氏名又は名称】ニッタン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】村田 順一
【審査官】 白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−036683(JP,A)
【文献】 特開昭63−133294(JP,A)
【文献】 特開平04−299500(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3147225(JP,U)
【文献】 特開2001−034860(JP,A)
【文献】 特開2000−331260(JP,A)
【文献】 特開平10−188177(JP,A)
【文献】 特開2001−134869(JP,A)
【文献】 特開2012−022361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C2/00−99/00
G08B17/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災受信機と、該火災受信機が各種情報表示および/または音響警報出力した時に前記火災受信機から移信された警報情報信号を受信して、前記各種情報表示と同種の情報表示および/または前記音響警報と同種の音響警報出力を行う副受信機とを少なくとも備えた自動火災報知設備において、
前記火災受信機は、制御部と、操作部と、警報音響部と、各種情報表示画面および/または各種情報表示灯を有する表示部と、通信部とを備え、
前記副受信機は、制御部と、音響停止SWを有する操作部と、警報音響部と、各種情報表示画面および/または音響停止灯を有する表示部と、通信部とを備え、
前記副受信機の制御部は、
前記音響停止SWにおける所定時間以上継続したON操作入力により、前記副受信機警報音響部を音響警報出力停止制御するとともに前記副受信機の通信部を介して音響警報出力停止状態を示す副受信機音響停止信号を前記火災受信機に送信し、
前記火災受信機の制御部は、前記火災受信機の通信部を介して前記副受信機音響停止信号を受信すると、前記火災受信機表示部の各種情報表示画面および/または各種情報表示灯により前記副受信機が音響警報出力停止状態であることを示す表示出力制御することを特徴とする自動火災報知設備。
【請求項2】
火災受信機と、該火災受信機が各種情報表示および音響警報出力した時に前記火災受信機から移信された警報情報信号を受信して、前記各種情報表示と同種の情報表示および/または前記音響警報と同種の音響警報出力を行う副受信機とを備えた自動火災報知設備の音響警報表示方法において、
前記副受信機は、音響停止SWにおける通常のON操作と異なる所定操作入力がなされると、音響警報出力を行わない、または音響警報出力を停止するとともに音響警報出力停止状態を示す副受信機音響停止信号を前記火災受信機に送信し、
前記火災受信機は、前記副受信機音響停止信号を受信すると、表示部に前記副受信機が音響警報出力停止状態であることを表示することを特徴とする自動火災報知設備の音響警報表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、副受信機の音響警報停止機能に関するものである。
【背景技術】
【0002】
所定の基準を満たす建築物は、防火対象物として自動火災報知設備の設置が義務づけられている。火災受信機は監視対象となる建築物の防災センターや管理室に設置され、各所に設置された火災感知器の作動を集中監視し、作動時には火災受信機自身及び各所のベル等の音響装置を鳴動させて火災警報出力を行う。防災センターや管理室が複数箇所ある場合、あるいは管理人の休憩室が別の場所にある場合、このような火災受信機が設置された場所以外の場所においても火災監視状況を即座に確認できるように副受信機が設置されることがある。
副受信機は、火災受信機と同等の火災発生箇所を示す表示機能部及び火災警報音響出力部(警報音響部)を備えている。また、火災警報確認後に受信機の音響を停止する音響停止スイッチを備えており、さらには、音響停止スイッチをON操作(押動操作)した場合に副受信機の音響停止状態を表示するスイッチ注意灯あるいは音響停止灯を備えている。
【0003】
従来、副受信機の音響停止機能は、P型システム用副受信機(以下、P型副受信機)の場合、火災感知器から火災信号(短絡信号)の入力を受けた火災受信機が火災警報出力した時に、火災受信機から副受信機へ副受信機音響出力制御用の移信出力信号を送信する(印加電圧を出力する)。具体的には、図6に示されるようにP型副受信機90aは、移信出力信号を受信すると(印加電圧を受けると)ブザーBZが電圧印加されて音響警報出力を行う。副受信機90aの音響警報出力を停止させたい場合は、盤前面に設けられたロック式の音響停止スイッチ970をON操作すると、受信回路(図6(b))のS1が切り離されて音響警報出力が停止するとともにS1がスイッチ注意灯の回路部(LD1等)980側に接続されてスイッチ注意灯980が点灯する。音響停止状態を解除したい場合は、ロック式の音響停止SWをOFF操作して定位に戻す。
【0004】
従って、P型副受信機の音響停止SWをON操作すると、例えば、火災受信機が第2報を受信した場合や、火災受信機において火災受信機の音響停止SWを操作して所定時間経過後も火災検出状態である場合(いわゆる再鳴動方式の場合)、火災受信機が再度副受信機へ移信出力信号を送信したとしても(印加電圧を出力したとしても)、P型副受信機は、音響警報出力を行うことができなかった。
【0005】
一方、R型システムの場合(図7の自動火災報知設備110)、火災受信機(R型受信機)100とR型副受信機90bは、例えば、シールド付きツイストペアケーブルなどの通信線CLで接続されており、RS−485規格のシリアル通信で各種情報の双方向通信を行う。具体的には、火災受信機100は、中継器4などから警報情報信号を受信して、火災受信機100のLCD画面511や表示灯(512、513、514、515)で各種の警報情報を表示し、警報音響部611にて音響警報出力を行う。R型副受信機90bは、火災受信機100から同種の警報情報信号をシリアル通信で受信して、副受信機90bが備えるLCD画面や表示灯で同様の各種警報情報表示を行うとともに、警報音響部にて音響警報出力を行う(図3、99a参照)。
【0006】
副受信機90bにて、音響を停止したい場合には、副受信機盤面に設けられたソフトロック式の音響停止SWを押して、音響出力を停止する。このとき、音響停止SW近傍に設けられた音響停止灯が点灯する(図3、97b、98b参照)。
音響停止中に、火災受信機100から警報情報信号が入力されると、副受信機90bは、LCD画面に新しく入力された警報情報を表示し、音響停止状態を解除して再度音響出力するとともに、音響停止灯(98b)を点滅させる。この場合、副受信機90bは、音響停止状態でも、火災受信機100から新たな警報情報信号を受信する度に、停止状態が解除されるため、火災受信機100側において、副受信機90bに音響停止状態を把握する必要はないため、特にその機能が設けられていなかった。
【0007】
一方、R型火災受信機100のLCD画面511は、タッチパネル方式であり、各種操作が可能であり、画面上の設定操作入力により、遠隔で副受信機90bの音響警報出力を停止させることができる(警報停止機能)。従来、R型の火災受信機100で副受信機警報停止を設定して副受信機90bの音響停止を行った場合には、火災受信機100上において、LCD画面511上のメッセージ表示及びスイッチ注意灯(512の一つ)により、副受信機90bの警報停止設定中である旨を表示して、管理者等に注意喚起している(例えば特許文献1)。
なお、この場合、火災受信機100が新たな警報情報信号を受信して、火災受信機100のLCD画面511で警報表示を行い、かつ警報音響部99で音響警報出力するとともに、副受信機90bへ警報情報信号を送信するが、副受信機90bでは、新たなイベントの警報表示を行うが、音響警報出力は行われない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平4−299500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、従来の副受信機を備えた自動火災報知設備においては、副受信機側で音響停止SWの操作により音響停止を行った場合に、火災受信機側で、副受信機が音響警報出力可能状態であるか音響停止状態であるかを把握することができなかった。
【0010】
したがって、本発明は、副受信機が設置された場所において、例えば、保守・点検作業や部分改修など一時的または優先的に副受信機の音響警報出力を停止させたい場合に、副受信機の音響を停止するとともに、火災受信機において副受信機が音響停止されていることが容易に把握できる自動火災報知設備およびその音響警報表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、火災受信機と、該火災受信機が各種情報表示および/または音響警報出力した時に前記火災受信機から移信された警報情報信号を受信して、前記各種情報表示と同種の情報表示および/または前記音響警報と同種の音響警報出力を行う副受信機とを少なくとも備えた自動火災報知設備において、前記火災受信機は、制御部と、操作部と、警報音響部と、各種情報表示画面および/または各種情報表示灯を有する表示部と、通信部とを備え、前記副受信機は、制御部と、音響停止SWを有する操作部と、警報音響部と、各種情報表示画面および/または音響停止灯を有する表示部と、通信部とを備え、前記副受信機の制御部は、前記音響停止SWにおける所定時間以上継続したON操作入力により、前記副受信機警報音響部を音響警報出力停止制御するとともに前記副受信機の通信部を介して音響警報出力停止状態を示す副受信機音響停止信号を前記火災受信機に送信し、前記火災受信機の制御部は、前記火災受信機の通信部を介して前記副受信機音響停止信号を受信すると、前記火災受信機表示部の各種情報表示画面および/または各種情報表示灯により前記副受信機が音響警報出力停止状態であることを示す表示出力制御することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の火災受信機及び副受信機を備えた自動火災報知設備の音響警報は、音響停止SWにおける通常のON操作と異なる所定操作入力がなされると、音響警報出力を行わない、または音響警報出力を停止するとともに音響警報出力停止状態を示す副受信機音響停止信号を前記火災受信機に送信し、前記火災受信機は、前記副受信機音響停止信号を受信すると、表示部に前記副受信機が音響警報出力停止状態であることを表示する方式となっている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の音響警報状態表示機能を備えることにより、副受信機が設置された場所の現場状況に応じて一時的かつ優先的(強制的)に副受信機の音響停止を行うことができるとともに、火災受信機において、副受信機の音響停止がなされていることを表示させることにより、その副受信機音響停止状態を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態における自動火災報知設備1を示す概略構成図である。
図2図1の火災受信機(R型受信機)10の盤面における操作部及び表示部の拡大図である。
図3】従来の副受信機90b及び図1の副受信機9の盤前面の外観を示す正面図である。
図4図1の災受信機10の各回路部を示す回路構成図である。
図5図1の副受信機9の各回路部を示す回路構成図である。
図6】従来の副受信機(P型システム)の正面図(a)及び要部回路図(b)である。
図7】従来の自動火災報知設備110を示す概略構成図である。
図8】(a)及び(b)は、図1の火災受信機10のLCDタッチパネル500に表示される表示灯画面の一例を示す図であり、(c)は、副受信機9の通信方式で使用される伝送フォーマットの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。図1は、本発明を適用した一例である自動火災報知設備1の概略構成を示している。図1によれば、自動火災報知設備1は、火災受信機10と、各種端末器3と、各種端末器3を接続した中継器4及び副受信機9等を備えたR型システムとして構成される。なお、R型システムでは、例えばアナログ感知器のように中継器を介さずに火災受信機と直接通信可能な端末器もある。また、感知器中継器、発信機中継器、防排煙端末中継器のように端末機器一つに対して一つの中継器が対応して接続されることも周知である。ただし、本実施形態では、説明を簡単にするため、火災受信機10は、端末器3から中継器4を介して送信される発報信号(警報情報信号)を受信し、端末器や発生区域のイベントに関する所定情報を把握できることとする。
【0016】
中継器4に接続される各種端末器3としては、火災感知器3a、ガス漏れ検知器3b、防火戸や防火シャッタ等の防排煙設備機器3c(防排煙端末器)、地区ベル3d等が挙げられる。なお、図1には中継器4を2つのみ図示しているが、3つ以上の中継器4が接続される構成としてもよい。
また、副受信機9は、火災受信機10と離れた場所に設置され、火災発生などの異常発生時に所定の各種警報情報を表示するとともに音響警報を行う(図3)。なお、副受信機9の盤前面の外観は、従来の副受信機90aと同じである。
【0017】
火災受信機10は、自動火災報知設備1を統括的に制御する役割を果たす。具体的には、各種端末器3からの報知に伴い中継器4から送信されてくる発報信号(警報情報信号)を受信することにより、火災やガス漏れ等のイベントの発生を検知して、この発生しているイベントの内容を示す各種警報データ等を表示する。また、自動火災報知設備1の管理作業者による指示操作等の操作入力を受けて防排煙設備機器3cや地区ベル3d等を駆動制御する。以下に、火災受信機10の構成について図4を参照しながら説明する。
【0018】
図4は、火災受信機10の構成を示している。図4によれば、火災受信機10は、CPU21、ROM22、RAM23、EEPROM24、操作部27、表示部28、警報音響部29を備えて構成されている。また、操作部27、表示部28、及び警報音響部29は、インタフェース(I/F)を介してCPU21に接続される(図示省略)。なお、火災受信機10は、インタフェース(I/F部)31a、31bを介して中継器4及び副受信機9と接続しており、RS−485規格のシリアル通信により火災やガス漏れ等のイベント発生時に中継器4から送信されてくる発報信号(警報情報信号)の受信や受信入力に伴い副受信機9への警報データ(警報情報信号)の送信等を行っている。なお、火災受信機10から副受信機9に電源供給線が接続されているが、本実施例では、便宜的に通信線CLで包括的に接続状態を表すこととする。
【0019】
表示部28は、タッチパネル式の液晶ディスプレイ(LCDタッチパネル)500及びLED表示灯(50(50a)、51、52、53、54、55)等から構成され、各種機能及び警報データを表示するとともに、所定機能の表示をタッチ操作することによって、その機能が選択されて、この機能に対応する操作画面を表示させることができる。具体的には、火災代表灯50a、交流電源灯51、発信機灯52、スイッチ注意灯53、保守灯54、副受信機音響停止灯55である。なお、これら表示灯群に現れる他の非常放送中灯、システム変更灯、故障灯、電池異常灯、電話灯は、便宜的に図示を省略している。
【0020】
操作部27は、連動停止や火災復旧等の各種指示操作を行うためのスイッチやボタンからなる。
警報音響部29は、火災受信機10に内蔵されたスピーカにより警報音または警報用音声などを音響出力して放音孔29aから音響警報を行うものである。
【0021】
CPU21は、バスで接続された各部を統括的に制御するとともに、LCD画面500に表示される図示しない警報画面及び警報ウィンドウの表示制御処理を行う(図8参照)。
なお、LCDタッチパネル500は、所定時間イベント入力や操作入力がない場合に、CPU21により消灯制御される(後述のLCD画面98aも同様である)。
【0022】
ROM22は、読み取り専用の記憶媒体であり、電源のオンとオフに関りなく既に書込まれたデータを半永久的に記憶する。ROM22には、表示位置データが記憶されている。表示位置データは、表示画面に重ねて表示される警報ウィンドウの位置のデータである(図示せず)。
RAM23は、読み書き両用の記憶媒体であり、電源がオンになっている間だけ書込まれたデータを保持する。RAM23には、蓄積警報データが格納されている。蓄積警報データは、火災やガス漏れ等のイベントの発生時における各種端末器3からの報知にともなって中継器4から送信されてきた発報信号(警報情報信号)を受信して、この受信した発報信号(警報情報信号)に含まれるイベントの内容を示す警報データを逐次的に蓄積したものである。
【0023】
次に、副受信機9の構成について図5を参照しながら説明する。図5によれば、副受信機9は、CPU91、ROM92、RAM93、EEPROM94、操作部97、表示部98、警報音響部99を備え、更には図示しない電話ジャック部、電源部を備えて構成されている。
また、操作部97、表示部98、及び警報音響部99は、インタフェース(I/F部)を介してCPU91に接続される(図示省略)。なお、副受信機9は、インタフェース(I/F部)81及び通信線CLを介して火災受信機10と接続されており、火災やガス漏れ等のイベント発生時に、火災受信機10から送信されてくる発報信号(警報情報信号)を受信する(例えば、RS−485規格によるシリアル通信)。
【0024】
表示部98は、液晶ディスプレイ(LCD画面)98a及びLED表示灯(98b、98c、98d)から構成され、火災受信機10のLCDタッチパネル画面500に表示される各種機能及び警報データと同様の各種機能及び警報データ全てまたは所定内容の情報に限定して表示する。なお、火災受信機10のLCDタッチパネル画面500と同様に、液晶ディスプレイ(LCD画面)98aを所定機能の表示をタッチ操作することによって、その機能が選択されて、この機能に対応する操作画面を表示可能なタッチパネル方式の液晶ディスプレイ(LCD画面)としても良い。
【0025】
操作部97は、副受信機9の音響出力警報音を停止するための音響停止SW97bと液晶ディスプレイ(LCD画面)98aに表示される内容が画面に収まりきらない場合に画面を下にスクロールさせる画面送りSW97dがから構成される。
警報音響部99は、副受信機9に内蔵されたブザーまたはスピーカ99a(および放音孔)により警報音または警報用音声などを音響出力して音響警報を行うものである。
【0026】
CPU91は、バスで接続された各部を統括的に制御するとともに、LCD画面98aに、火災受信機10のLCDタッチパネル画面500に表示される各種機能及び警報データと同様の各種機能及び警報データ全てまたは必要に応じて所定内容の警報情報を示すように、警報画面及び警報ウィンドウの表示制御処理を行う(図8)。
【0027】
ROM92は、読み取り専用の記憶媒体であり、電源のオンとオフに関りなく既に書込まれたデータを半永久的に記憶する。ROM92には、副受信機9のプログラムが記憶されている。当該プログラムは、副受信機9の基本的機能及び動作に関するプログラムである(図示せず)。
RAM93は、読み書き両用の記憶媒体であり、電源がオンになっている間だけ書込まれたデータを保持する。RAM93には、火災受信機10から送られてくる警報データが順次格納されている。火災受信機10から送られてくる警報情報信号に含まれるイベントの内容を示す警報データを逐次的に蓄積したものである。
【0028】
(音響警報制御及び音響警報停止状態表示制御)
次に、本発明の副受信機音響停止状態を表示出力する制御及び音響停止状態表示方法について説明する。
火災受信機10のCPU21は、各種端末器3からの報知に伴い中継器4から送信されてくる警報情報信号を伝送制御線TL及びI/F部31aを介して受信すると、火災やガス漏れ等のイベントの発生を検知して、発生しているイベントの内容を示す各種警報情報データ等を各記憶部(ROM22、RAM23、EEPROM24)の制御処理プログラムに従って表示部28のLCDタッチパネル画面500に図8のような警報画面及び警報ウィンドウの表示制御処理を行う(図示せず)。また、CPU21は、火災発生時には火災代表を示すLED表示灯50aを点灯制御する(図2)。
さらに、CPU21は、警報音響部29を音響警報出力制御して、スピーカ29a(及び放音孔)から警報音を出力させる。
【0029】
また、火災受信機10のCPU21は、インタフェース(I/F)31b及びシリアル通信線CL(包括的に電源線を含む)を介して副受信機9へ火災やガス漏れ等のイベントに対応した警報情報信号を送信する通信制御を行う(RS−485規格のシリアル通信制御)。
【0030】
次に、副受信機9のCPU91は、火災受信機10から送信された火災やガス漏れ等のイベントに対応した警報情報信号(図8(c))を、シリアル通信線CL(包括的に電源線を含む)及びインタフェース(I/F)81を介して受信する(RS−485規格のシリアル通信制御)。
そして、受信した警報情報信号の警報情報データをRAM93に取込むとともに、ROM92及びEEPROM94により、制御処理プログラムに従って表示部98のLCD画面98aに図8のような警報画面及び警報ウィンドウと同様の警報画面及び警報ウィンドウの表示制御処理を行う(図8(a))。LCD画面98aに表示される警報情報は、図8(c)の伝送フォーマットのコマンド77によって制御処理内容が決定されており、テキストデータをコード変換された後に文字情報として表示される。なお、CPU91は、表示部98の電源灯98cを常時点灯制御している。
また、CPU91は、警報音響部99を音響警報出力制御して、スピーカ99a(及び放音孔)から警報音を出力させる。
【0031】
音響警報出力中に、操作部97の音響停止SW97bが1秒以内でON操作されてCPU91に音響停止信号が入力されると、CPU91は音響警報出力制御を停止する(通常音響停止モード)。また、(音響警報出力中か停止中かに係わらず)音響停止SWが例えば2秒間長押しされると、CPU91に音響停止信号が入力され、CPU91は、音響停止信号の入力時間2秒をタイマーにより計時して、音響警報出力制御を停止するとともに、副受信機強制音響停止状態とする(副受信機強制音響停止モード)。そして、CPU91は、副受信機音響停止信号を図8(c)の伝送フォーマットと同様の返送フォーマットにて火災受信機10へ通信制御する。
【0032】
一方、火災受信機10は、副受信機9からの副受信機音響停止信号を受信すると、表示部28の副受信機音響停止灯55を点灯制御する。なお、自動火災報知設備10の初期設定時に、火災受信機10が副受信機9から副受信機音響停止信号を受信した場合に、CPU21が、LCDタッチパネル500の消灯制御から図8(a)の警報画面に遷移させ、予め設定・記憶された副受信機音響停止表示部505の表示エリアを表示出力制御させるとともに、ROM22に記憶させた「副受信機音響停止中!」のテキストデータを読み出して表示出力制御するようにしても良い。
【0033】
副受信機音響停止灯55の点灯制御、またはLCDタッチパネル500の警報画面(図8(a))副受信機音響停止表示部505の表示制御(「副受信機音響停止中!」の表示灯)を終了させるには、副受信機9において、音響停止SW97bが1秒以内でON操作入があるとCPU91が副受信機音響停止信号の送出を停止する(副受信機強制音響停止モード終了)。
【0034】
以上、本発明の火災受信機が副受信機音響停止状態を表示させる一例を説明したが、これに限定されない。
例えば、副受信機9において音響停止SW97bからのON操作入力がなく、かつ、火災受信機10から副受信機9のシリアル通信線CL及びインターフェース(I/F部)81を介して副受信機9が警報情報信号を受信し、かつ副受信機9自身の警報音響部99にて音響警報出力を行っているときに、さらに音響停止SW97bが長押しされた場合は、副受信機9は、火災受信機10へ副受信機音響停止信号を送信し、火災受信機10では、LCDタッチパネル500および/または副受信機音響停止灯55が表示されるので、火災受信機10が設置されている場所にいる者は、火災が発生して火災警報中に、副受信機9が設置された場所で建物利用者が副受信機9による警報を確認して、音響警報を停止していることが容易に把握できる。
【0035】
なお、火災受信機10は、保守時あるいは部分改修時などの状況に応じて、LCDタッチパネル500での設定操作により、副受信機9への警報表示出力および音響警報出力について個別に各出力設定または各出力停止設定可能である。
また、副受信機9は、火災受信機10から警報情報信号(警報出力制御指令)を受信した場合でも、音響停止SW97bの操作により、個別に音響警報出力設定可能および音響停止設定可能である。
【0036】
また、副受信機9は、火災受信機10から副受信機9へ移信される警報情報信号を受信して、音響警報出力を行うとしたが、警報情報信号に副受信機9への音響警報出力制御指示の情報が含まれていても良いし、警報情報信号に副受信機9において音響警報出力制御指示の情報が含まれておらず、表示に関する表示制御指令情報のみが含まれていても良い。 すなわち、警報情報信号に音響警報出力制御指示の情報が含まれておらず表示に関する表示制御指令情報のみが含まれている場合、副受信機9は、図6のP型副受信機のような簡単かつ完全に火災受信機からの音響警報出力制御指令信号を遮断するロック式の音響停止SW及び音響出力回路を備え、副受信機9の制御部が、警報情報信号の表示制御指令情報の入力をもって、副受信機9内の警報音響部の音響出力回路を作動させ、音響停止SW(97b)をON操作しない限り音響停止できない構成(OFF操作したら音響停止状態が解除され、音響警報出力が再開される構成)としても実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、防犯設備などの中央監視盤が設置されるとともに遠隔地に副受信機(副表示装置)がされる設備にも適用できる。
【符号の説明】
【0038】
1,110 自動火災報知設備
3 各種感知器
4 中継器
9,90a,90b 副受信機
10,100 火災受信機
21、91 CPU
22,92 ROM
23,93 RAM
27,97 操作部
28,98 表示部
29,99 警報音響部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8