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特許6941701自動運転制御方法、装置、車両、記憶媒体及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6941701
(24)【登録日】2021年9月8日
(45)【発行日】2021年9月29日
(54)【発明の名称】自動運転制御方法、装置、車両、記憶媒体及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/14 20060101AFI20210916BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20210916BHJP
【FI】
   B60W30/14
   G08G1/16 C
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-35770(P2020-35770)
(22)【出願日】2020年3月3日
(65)【公開番号】特開2021-8256(P2021-8256A)
(43)【公開日】2021年1月28日
【審査請求日】2020年3月3日
(31)【優先権主張番号】201910586826.3
(32)【優先日】2019年7月1日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513224353
【氏名又は名称】バイドゥ オンライン ネットワーク テクノロジー (ベイジン) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ワン チュンピン
(72)【発明者】
【氏名】リウ ペイ
【審査官】 竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−041527(JP,A)
【文献】 特表2007−523793(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/14
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1車体と第2車体とを備え、前記第1車体と前記第2車体の間が非剛性連結された車両に適用される自動運転制御方法であって、
前記第1車体の第1実際位置データを取得することと、
前記第2車体と前記第1車体との間の相対位置データを取得することと、
前記第1実際位置データ及び前記相対位置データに基づいて、前記第2車体の第2実際位置データを決定し、前記車両が前記第1実際位置データ及び第2実際位置データに基づいて自動運転制御を行うことと、を含み、
前記第2車体と前記第1車体との間の相対位置データを取得することは、
前記第1車体に対する前記第2車体の第1相対位置データを取得することと、
前記第2車体に対する前記第1車体の第2相対位置データを取得することと、
前記第1相対位置データと前記第2相対位置データが対応関係であるか否かを判断することと、
前記判断の結果がYESであれば、前記第1相対位置データを前記相対位置データとして決定することと、を含む、ことを特徴とする自動運転制御方法。
【請求項2】
前記第1相対位置データと前記第2相対位置データが対応関係でなければ、前記第1相対位置データおよび前記第2相対位置データを新たに取得することを特徴とする請求項に記載の自動運転制御方法。
【請求項3】
前記第1車体に対する前記第2車体の第1相対位置データを取得することは、
前記第1車体と前記第2車体との間に設けられた第1センサにより、前記第1車体に対する前記第2車体の第1相対位置サブデータを取得することと、
前記第1車体と前記第2車体との間に設けられた第2センサにより、前記第1車体に対する前記第2車体の第2相対位置サブデータを取得することと、
前記第1相対位置サブデータと前記第2相対位置サブデータが同じであるか否かを判断することと、
前記判断の結果がYESであれば、前記第1相対位置サブデータまたは前記第2相対位置サブデータを前記第1相対位置データとして決定することと、を含むことを特徴とする請求項に記載の自動運転制御方法。
【請求項4】
前記第2車体に対する前記第1車体の第2相対位置データを取得することは、
前記第1車体と前記第2車体との間に設けられた第3センサにより、前記第2車体に対する前記第1車体の第3相対位置サブデータを取得することと、
前記第1車体と前記第2車体との間に設けられた第4センサにより、前記第2車体に対する前記第1車体の第4相対位置サブデータを取得することと、
前記第3相対位置サブデータと前記第4相対位置サブデータが同じであるか否かを判断することと、
前記判断の結果がYESであれば、前記第3相対位置サブデータまたは前記第4相対位置サブデータを前記第2相対位置データとして決定することと、を含むことを特徴とする請求項に記載の自動運転制御方法。
【請求項5】
第1車体と第2車体とを備え、前記第1車体と前記第2車体の間が非剛性連結された車両に適用される自動運転制御装置であって、取得モジュールと処理モジュールとを備え、
前記取得モジュールは、前記第1車体の第1実際位置データを取得することに用いられ、
前記取得モジュールは、更に前記第2車体と前記第1車体との間の相対位置データを取得することに用いられ、
前記処理モジュールは、前記第1実際位置データ及び前記相対位置データに基づいて、前記第2車体の第2実際位置データを決定し、前記車両が前記第1実際位置データ及び前記第2実際位置データに基づいて自動運転制御を行うことに用いられ
前記取得モジュールは、さらに、前記第1車体に対する前記第2車体の第1相対位置データを取得し、そして、前記第2車体に対する前記第1車体の第2相対位置データを取得することに用いられ、
前記処理モジュールは、さらに、前記第1相対位置データと前記第2相対位置データが対応関係であるか否かを判断し、そして、前記判断の結果がYESであれば、前記第1相対位置データを前記相対位置データとして決定することに用いられることを特徴とする自動運転制御装置。
【請求項6】
請求項に記載の自動運転制御装置を備えることを特徴とする車両。
【請求項7】
コンピュータプログラムが記憶され、当該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されるとき、請求項1〜のいずれか1項に記載の自動運転制御方法を実現することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項8】
プロセッサと、
前記プロセッサにより実行可能な命令を記憶するためのメモリと、を備え、
前記プロセッサは、前記実行可能な命令を実行することにより、請求項1〜のいずれか一項に記載の自動運転制御方法を実行するように構成されていることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動運転技術分野に関し、特に、自動運転制御方法、装置、車両、記憶媒体及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
無人運転車両、コンピュータ運転車両、又は車輪付き移動ロボットとも呼ばれる自動駆動車両は、コンピュータシステムによって無人駆動を実現するスマート車両である。自動運転車両の普及に伴い、自動運転車両はタクシーや公共交通手段として利用でき、乗客は自動運転車両の利用に際して目的地を入力する必要があり、自動運転車両は現在位置と目的地とに基づいて走行経路を生成し、生成した走行経路に従って走行する。
【0003】
非剛性連結を有する自動運転車両では、例えばトレーラーの前側と後側の車室間は一般的にヒンジで連結し、非剛性連結であり、また、大型車両は衝撃を吸収するため、車体の上半分と下半分との間に緩衝装置が設置され、それも非剛性連結である。
【0004】
このような非剛性連結を有する無人運転車両は、自動運転において、予め非剛性の連結部材の動的モデルを描画しておく必要があるが、このような描画は静的であり、車両走行中における非剛性連結された2つの剛体部分の動的特性は非常に不正確である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、非剛性連結された2つの車体の動的特性を正確に描画することにより自動運転制御を実現するように、自動運転制御方法、装置、車両、記憶媒体及び電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によると、本発明は、第1車体と第2車体とを備え、前記第1車体と前記第2車体の間が非剛性連結された車両に適用される自動運転制御方法を提供し、前記方法は、
前記第1車体の第1実際位置データを取得することと、
前記第2車体と前記第1車体との間の相対位置データを取得することと、
前記第1実際位置データ及び前記相対位置データに基づいて、前記第2車体の第2実際位置データを決定し、前記車両が前記第1実際位置データ及び第2実際位置データに基づいて自動運転制御を行うことと、を含む。
【0007】
1つの可能な設計では、前記第1車体に対する前記第2車体の相対位置データを取得することは、
前記第1車体に対する前記第2車体の第1相対位置データを取得することを含む。
【0008】
1つの可能な設計では、前記第1車体に対する前記第2車体の相対位置データを取得することは、
前記第2車体に対する前記第1車体の第2相対位置データを取得することと、
前記第1相対位置データと前記第2相対位置データが対応関係であるか否かを判断することと、
前記判断の結果がYESであれば、前記相対位置データは前記第1相対位置データであるとすることと、を含む。
【0009】
1つの可能な設計では、前記第1相対位置データと前記第2相対位置データが対応関係でなければ、前記第1相対位置データおよび前記第2相対位置データを新たに取得する。
【0010】
1つの可能な設計では、前記第1車体に対する前記第2車体の第1相対位置データを取得することは、
前記第1車体と前記第2車体との間に設けられた第1センサにより、前記第1車体に対する前記第2車体の第1相対位置サブデータを取得することと、
前記第1車体と前記第2車体との間に設けられた第2センサにより、前記第1車体に対する前記第2車体の第2相対位置サブデータを取得することと、
前記第1相対位置サブデータと前記第2相対位置サブデータが同じであるか否かを判断することと、
前記判断の結果がYESであれば、前記第1相対位置データは、前記第1相対位置サブデータまたは前記第2相対位置サブデータであるとすることと、を含む。
【0011】
1つの可能な設計では、前記第2車体に対する前記第1車体の第2相対位置データを取得することは、
前記第1車体と前記第2車体との間に設けられた第3センサにより、前記第2車体に対する前記第1車体の第3相対位置サブデータを取得することと、
前記第1車体と前記第2車体との間に設けられた第4センサにより、前記第2車体に対する前記第1車体の第4相対位置サブデータを取得することと、
前記第3相対位置サブデータと前記第4相対位置サブデータが同じであるか否かを判断することと、
前記判断の結果がYESであれば、前記第2相対位置データは、前記第3相対位置サブデータまたは前記第4相対位置サブデータであるとすることと、を含む。
【0012】
本発明の第2の態様によると、本発明は、第1車体と第2車体とを備え、前記第1車体と前記第2車体の間が非剛性連結された車両に適用される自動運転制御装置を提供し、前記装置は取得モジュールと処理モジュールとを備え、
前記取得モジュールは、前記第1車体の第1実際位置データを取得することに用いられ、
前記取得モジュールは、更に前記第2車体と前記第1車体との間の相対位置データを取得することに用いられ、
前記処理モジュールは、前記第1実際位置データ及び前記相対位置データに基づいて、前記第2車体の第2実際位置データを決定し、前記車両が前記第1実際位置データ及び前記第2実際位置データに基づいて自動運転制御を行うことに用いられる。
【0013】
1つの可能な設計では、前記取得モジュールは、具体的に、
前記第1車体に対する前記第2車体の第1相対位置データを取得することに用いられる。
【0014】
1つの可能な設計では、前記取得モジュールは、具体的に、
前記第2車体に対する前記第1車体の第2相対位置データを取得することと、
前記第1相対位置データと前記第2相対位置データが対応関係であるか否かを判断することと、
前記判断の結果がYESであれば、前記相対位置データは前記第1相対位置データであるとすることに用いられる。
【0015】
1つの可能な設計では、前記取得モジュールは、さらに前記第1相対位置データと前記第2相対位置データが対応関係でない場合に、前記第1相対位置データと前記第2相対位置データを新たに取得することに用いられる。
【0016】
1つの可能な設計では、前記取得モジュールは、具体的に、
前記第1車体と前記第2車体との間に設けられた第1センサにより、前記第1車体に対する第2車体の第1相対位置サブデータを取得することと、
前記第1車体と前記第2車体との間に設けられた第2センサにより、前記第1車体に対する前記第2車体の第2相対位置サブデータを取得することと、
前記第1相対位置サブデータと前記第2相対位置サブデータが同じであるか否かを判断することと、
前記判断の結果がYESであれば、前記第1相対位置データは、前記第1相対位置サブデータまたは前記第2相対位置サブデータであるとすることと、に用いられる。
【0017】
1つの可能な設計では、前記取得モジュールは、具体的に、
前記第1車体と前記第2車体との間に設けられた第3センサにより、前記第2車体に対する前記第1車体の第3相対位置サブデータを取得することと、
前記第1車体と前記第2車体との間に設けられた第4センサにより、前記第2車体に対する前記第1車体の第4相対位置サブデータを取得することと、
前記第3相対位置サブデータと前記第4相対位置サブデータが同じであるか否かを判断することと、
前記判断の結果がYESであれば、前記第2相対位置データは、前記第3相対位置サブデータまたは前記第4相対位置サブデータであるとすることと、に用いられる。
【0018】
第3の態様によると、本発明は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、それにコンピュータプログラムが記憶され、当該プログラムがプロセッサにより実行されるとき、第1の態様のいずれかに記載の自動運転制御方法を実行する。
【0019】
第4の態様によると、本発明は、電子機器をさらに提供し、
プロセッサと、
前記プロセッサにより実行可能な命令を記憶するためのメモリを備え、
前記プロセッサは、前記実行可能な命令を実行することにより、第1の態様のいずれかに記載の自動運転制御方法を実行するように構成されている。
【0020】
本発明による自動運転制御方法、装置、車両、記憶媒体及び電子機器は、第1車体の第1実際位置データ、及び第2車体と第1車体との間の相対位置データを取得し、第1実際位置データと相対位置データとから第2車体の第2実際位置データを決定することにより、車両の走行中の異なる走行状態においての非剛性連結された2つの車体間の相対位置とリアルタイム位置とをリアルタイムで取得し、2つの車体の動的特性を正確に描画し、それにより車両が第1実際位置データと第2実際位置データに基づいて自動運転制御を行うようにすることを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の実施例をより明確に説明するために、以下、実施例の説明で用いられる図面について簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例であり、当業者であれば、創造的な労力を要せずに、これらの実施例から他の実施例を得ることができる。
図1】一例示的な実施例による自動運転制御方法の適用場面を概略的に示す図である。
図2】別の一例示的な実施例による自動運転制御方法の適用シーンを概略的に示す図である。
図3】一例示的な実施例による自動運転制御方法を示すフローチャートである。
図4図3に示される実施例のステップ102の1つの可能なフローチャートである。
図5図3に示した実施例のステップ102の別の1つの可能なフローチャートである。
図6】一例示的な実施例による自動運転制御装置を概略的に示す模式図である。
図7】一例示的な実施例による電子機器を概略的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本発明の実施例に係る図面を参照しながら、本発明の実施例の技術的解決手段について明確、且つ完全に説明し、当然のことながら、記載される実施例は本発明の実施例の一部にすぎず、そのすべての実施例ではない。当業者が、本発明における実施例に基づき創造的な労力を要することなく、取得されたその他のすべての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0023】
図1は、本発明の一実施例による自動運転制御方法の適用場面を示す図であり、図2は、本発明の別の1つの実施例による自動運転制御方法の適用場面を示す図である。図1図2に示すように、本実施例に係る自動運転制御方法は、第1車体1と第2車体2を備え、第1車体1と第2車体2とが非剛性連結された車両に適用される。図1に示すように、第1車体1と第2車体2とは、それぞれ車両の2節の車室であり、第1車体1と第2車体2間は非剛性連結であり、例えばヒンジを介して連結されている。また、図2に示すように、第1車体1と第2車体2とは、それぞれ車両の車体の上半分と下半分とであり、第1車体1と第2車体2間は、緩衝装置を介して連結される。
【0024】
第1車体1には、第1車体1に対する第2車体2の相対位置データを取得するための第1センサ11がさらに設けられている。なお、本実施例において、第1センサ11は、カメラ、レーダ及びレーザセンサ等であってもよいし、複数のセンサの組み合わせであってもよく、本実施例において、第1センサの具体的な態様は限定されず、第1センサが第1車体に対する第2車体の相対位置データを取得可能であればよい。
【0025】
また、1つの可能な設計では、冗長相互検出を実現するため、第2車体2に、第2車体2に対する第1車体1の相対位置データを取得する第2センサ21をさらに設けてもよい。なお、本実施例において、第2センサ21は、カメラ、レーダ及びレーザセンサ等であってもよいし、複数のセンサの組み合わせであってもよく、本実施例において第2センサの具体的な態様は限定されず、第2センサが第2車体に対する第1車体の相対位置データを取得可能であればよい。
【0026】
また、第1車体1には、自動運転制御モジュール12が設けられており、第1センサ11及び第2センサ21は、それぞれ自動運転制御モジュール12に接続されている。ここで、第1車体1の第1実際位置データの取得は、車両の自動運転を実現する技術における基礎能力であり、本実施例では特に説明しないが、乗用車の自動運転を実現する車体位置データの方法を参照でき、具体的には、自動運転する乗用車は、車両自体が1つの剛体のみを有するため、車両自体の姿勢位置データを取得すればよく、その後、該姿勢位置データを自動運転システムに入力し、車両の他の環境感知センサが取得した環境データを結合することによって自動運転制御を実現する。
【0027】
図3は、一例示的な実施例による自動運転制御方法を示すフローチャートである。図3に示すように、本実施例による自動運転制御方法は、ステップ101〜ステップ104を含み、 ステップ101では、第1車体の第1実際位置データを取得する。
【0028】
具体的には、1つの剛性車室の実際位置データの取得は、車両の自動運転を実現する技術において基礎能力であって、本実施例では詳細に述べないが、具体的には、乗用車が自動運転を実現する車体位置データの方法を参照できる。
【0029】
ステップ102では、第二車体と第一車体との間の相対位置データを取得する。
【0030】
具体的には、第1車体と第2車体との間に設置されたセンサにより、第2車体と第1車体との間の相対位置データを取得することができる。なお、第2車体と第1車体との間の相対位置データは、第1車体を基準として、第2車体の第1車体に対する間の相対位置データであるか、又は第2車体を基準として、第1車体の第2車体に対する間の相対位置データである。
【0031】
第2車体と第1車体との間の相対位置データが、第1車体を基準とした第2車体の第1車体に対する相対位置データである場合には、第1車体に設けられたセンサによって取得できる。1つの可能な設計では、第1車体に設けられたセンサはカメラであってもよく、カメラをデュアルカメラの形態に構成してもよい。デュアルカメラは距離を測定するために使用され得るので、カメラによって取得された第2車体の画像により、カメラに対する第2車体の各特徴点の位置を取得でき、それにより、第2車体と第1車体との間の相対位置データを取得することができる。1つの可能な設計では、第1車体に設けられたセンサは、少なくとも3つのレーザ測距センサから成るモジュールであってもよく、少なくとも3つのレーザ測距センサは1つの直線上に位置づけられておらず、その後、複数のレーザ測距センサによって第1車体との間の相対位置データを測定する。なお、本実施例において、上記実現可能な方式は、本実施例の原理をより良く説明するために例示するものであり、本実施例において、センサの具体的な形態は限定されず、センサが第1車体に対する第2車体の相対位置データを取得可能であればよい。
【0032】
自動運転車両の安全性に対する要求が非常に高いため、第2車体と第1車体との間の相対位置データの正確さをさらに高め、何らかのセンサ自体の性能の変化によって、取得された相対位置データに偏差が発生することを避けるため、2種のセンサにより得られたデータを比較し、両者が同じ場合または両者の誤差が予め設定された範囲内である場合に、取得されたデータを信頼できるものとすることができる。図4は、図3に示される実施例のステップ102の1つの可能なフローチャートである。図4に示すように、本実施例において、ステップ102は、ステップ10211〜ステップ10214を含み、
ステップ10211では、第1車体に対する第2車体の第1相対位置サブデータを取得する。
【0033】
具体的には、第1車体と第2車体との間に設けられた第1センサにより取得された第1車体に対する第2車体の第1相対位置サブデータを取得する。
【0034】
ステップ10212では、第1車体に対する第2車体の第2相対位置サブデータを取得する。
【0035】
具体的には、第1車体に対する第2車体の第2相対位置データを取得し、ただし、第1車体と第2車体との間に設けられた第2センサにより第2相対位置サブデータを取得する。
【0036】
ステップ10213では、第1相対位置サブデータと第2相対位置サブデータが同じであるか否かを判断する。判断結果がYESであれば、ステップ10214を実行し、判断結果がNOであれば、ステップ10211を実行する。
【0037】
ステップ10214では、第1相対位置サブデータまたは第2相対位置サブデータを第1相対位置データとして決定する。
【0038】
また、第1車体に対する第2車体間の相対位置データが、第2車体を基準とした、第1車体の第2車体に対する相対位置データである場合には、第2車体に設けられたセンサによって取得できる。1つの可能な設計では、第2車体に設けられたセンサはカメラであってもよく、カメラをデュアルカメラの形態に構成してもよい。デュアルカメラは距離を測定するために使用され得るので、カメラによって取得された第1車体の画像により、カメラに対する第1車体の各特徴点の位置を取得でき、それにより、第1車体と第2車体との間の相対位置データを取得することができる。1つの可能な設計では、第2車体に設けられたセンサは、少なくとも3つのレーザ測距センサから成るモジュールであってもよく、少なくとも3つのレーザ測距センサは1つの直線上に位置づけられておらず、その後、複数のレーザ測距センサによって第2車体との間の相対位置データを測定する。なお、本実施例において、上記実現可能な方式は、本実施例の原理をより良く説明するために例示するものであり、本実施例において、センサの具体的な形式は限定されず、センサが第2車体に対する第1車体の相対位置データを取得可能であればよい。
【0039】
自動運転車両の安全性に対する要求が非常に高いため、第2車体と第1車体との間の相対位置データの正確さをさらに高め、何らかのセンサ自体の性能の変化によって、取得された相対位置データに偏差が発生することを避けるため、2種のセンサにより得られたデータを比較し、両者が同じ場合または両者の誤差が予め設定された範囲内である場合に、取得されたデータを信頼できるものとすることができる。図5は、図3に示される実施例のステップ102の別の可能なフローチャートである。図5に示すように、本実施例において、ステップ102は、ステップ10221〜ステップ10224を含み、
ステップ10221では、第2車体に対する第1車体の第3相対位置サブデータを取得する。
【0040】
具体的には、第1車体と第2車体との間に設けられた第3センサによって取得された、第2車体に対する第1車体の第3相対位置サブデータを取得する。
【0041】
ステップ10222では、第2車体に対する第1車体の第4相対位置サブデータを取得する。
【0042】
具体的には、第1車体と第2車体との間に設けられた第4センサにより取得された、第2車体に対する第1車体の第4相対位置サブデータを取得する。
【0043】
ステップ10223では、第3相対位置サブデータと第4相対位置サブデータが同じであるか否かを判断する。判断結果がYESであれば、ステップ10224を実行し、判断結果がNOであれば、ステップ10221を実行する。
【0044】
ステップ10224では、第3相対位置サブデータまたは第4相対位置サブデータを第2相対位置データとして決定である。
【0045】
また、第2車体と第1車体との間の相対位置データの正確さをさらに向上させ、センサ自体の性能の変化によって相対位置データに偏差が発生することを避けるため、第1車体を基準とした第1車体に対する第2車体の相対位置データと、第2車体を基準とした第2車体に対する第1車体の相対位置データである2つのセットのデータを同時に取得して比較し、両者が同じ又は両者の誤差が予め設定された範囲内である場合に、取得したデータが信頼性のあるデータであるとしてもよい。
【0046】
具体的には、まず第1車体に対する第2車体の第1相対位置データを取得し、第2車体に対する第1車体の第2相対位置データを取得し、その後、第1相対位置データと第2相対位置データが対応関係であるか否かを判断し、判断結果がYESであれば、第1相対位置データを相対位置データとして決定し、第1相対位置データと第2相対位置データが対応関係でなければ、両者が一致するまで第1相対位置データおよび第2相対位置データを取得し、あるいは、不一致と連続して判断された回数が所定の閾値を超えた後に、危険の発生を回避するために、自動運転モードを終了し、人の運転介入を促すようにしてもよい。
【0047】
ステップ103では、第1実際位置データおよび相対位置データに基づいて第2車体の第2実際位置データを決定する。
【0048】
具体的には、第1車体の第1実際位置データと、第2車体と第1車体との間の相対位置データとを取得した後、第1実際位置データと相対位置データに基づいて第2車体の第2実際位置データを決定する。
【0049】
1つの可能な設計では、センサがカメラである場合、第1車体の第1実際位置データと、第1車体でのカメラの予め設定された位置に基づいて、カメラの現在の位置を決定することができ、次いで、カメラの位置を原点として座標系を確立し、カメラに対する第2車体上の各特徴点の位置に基づいて、当該座標系における第2車体上の各特徴点の位置を決定し、更に、第2車体の第2実際位置データを決定することができる。
【0050】
ステップ104では、車両は、第1実際位置データおよび第2実際位置データに基づいて自動運転制御を行う。
【0051】
第1実際位置データ及び第2実際位置データが決定された後、第1実際位置データ及び第2実際位置データを第1車体に位置する自動運転制御モジュールに入力して、自動運転制御モジュールが第1実際位置データ及び第2実際位置データに基づいて運転ストラテジー判断を行うようにする。なお、車両姿勢位置データ及び他の環境データに基づいて自動運転を行うアルゴリズムは従来技術であり、本実施例ではこれに対して特別に説明しない。
【0052】
本実施例では、第1車体の第1実際位置データと、第2車体と第1車体との間の相対位置データとを取得し、第1実際位置データと相対位置データに基づいて第2車体の第2実際位置データを決定し、車両の走行中における異なる走行状態での非剛性連結された2つの車体間の相対位置とリアルタイム位置とをリアルタイムに取得することで、2つの車体の動的特性を正確に描画し、それにより車両が第1実際位置データと第2実際位置データとに基づいて自動運転制御を行う。
【0053】
図6は、本発明の一例示的な実施例による自動運転制御装置を概略的に示す模式図である。図6に示すように、本実施例による自動運転制御装置は、第1車体と第2車体を備える車両に適用され、前記第1車体と前記第2車体との間は非剛性連結され、前記装置は、取得モジュール201と処理モジュール202とを備え、
取得モジュール201は、前記第1車体の第1実際位置データを取得することに用いられ、
前記取得モジュール201は、更に前記第二車体と前記第一車体との間の相対位置データを取得することに用いられ、
処理モジュール202は、前記車両が前記第1実際位置データおよび第2実際位置データに基づいて自動運転制御を行うように、第1実際位置データおよび前記相対な位置データに基づいて前記第2車体の第2実際位置データを決定することに用いられる。
【0054】
1つの可能な設計では、前記取得モジュール201は、具体的には、
前記第1車体に対する前記第2車体の第1相対位置データを取得することに用いられる。
【0055】
1つの可能な設計では、前記取得モジュール201は、具体的には、
前記第2車体に対する前記第1車体の第2相対位置データを取得することと、
前記第1相対位置データと前記第2相対位置データが対応関係であるか否かを判断することと、
判断結果がYESであれば、前記相対位置データは前記第1相対位置データであるとすることと、に用いられる。
【0056】
1つの可能な設計では、前記取得モジュール201は、更に前記第1相対位置データと前記第2相対位置データが対応関係でない場合に、前記第1相対位置データおよび前記第2相対位置データを新たに取得することに用いられる。
【0057】
1つの可能な設計では、前記取得モジュール201は、具体的には、
前記第1車体と第2車体との間に設けられた第1センサにより、前記第1車体に対する前記第2車体の第1相対位置サブデータを取得することと、
前記第1車体と前記第2車体との間に設けられた第2センサにより、前記第1車体に対する前記第2車体の第2相対位置サブデータを取得することと、
前記第1相対位置サブデータと前記第2相対位置サブデータが同じであるか否かを判断することと、
判断結果がYESであれば、前記第1相対位置データは、前記第1相対位置サブデータまたは前記第2相対位置サブデータであるとすることと、に用いられる。
【0058】
1つの可能な設計では、前記取得モジュール201は、具体的には、
前記第1車体と前記第2車体との間に設けられた第3センサにより、前記第2車体に対する前記第1車体の第3相対位置サブデータを取得することと、
前記第1車体と前記第2車体との間に設けられた第4センサにより、前記第2車体に対する前記第1車体の第4相対位置サブデータを取得することと、
前記第3相対位置サブデータと前記第4相対位置サブデータが同じであるか否かを判断することと、
判断結果がYESであれば、前記第2相対位置データは、前記第3相対位置サブデータまたは前記第4相対位置サブデータであるとすることと、に用いられる。
【0059】
上記処理モジュール202は、上記方法を実施するための1つ以上の集積回路、例えば、1つ以上の特定の集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASICと略称)、または1つ以上のマイクロプロセッサ(digital signal processor、DSPと略称)、または1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGAと略称)などに構成されてもよい。また、上記あるモジュールが、プロセッサエレメントによってプログラムコードをスケジューリングする形態で実現される場合、当該プロセッサエレメントは、例えば、中央処理装置(Central Processing Unit、CPUと略称)またはプログラムコードをスケジューリングすることができる他のプロセッサなどの汎用プロセッサであり得る。また、これらのモジュールは、一体化されてシステムオンチップ(system−on−a−chip、SOC略称)の形態で実現されてもよい。
【0060】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理ユニットに集積されてもよいし、各ユニットが別個に物理的に存在してもよいし、2つ以上のユニットが1つのユニットに集積されてもよい。上記の集積されたユニットは、ハードウェアの形態で実現されてもよいし、ハードウェア及びソフトウェア機能ユニットの形態で実現されてもよい。
【0061】
なお、図6に示す実施例の自動運転制御装置は、上述した図3図5に示す実施例の方法を実行するために使用されることができ、具体的な実現方法及び技術的効果は同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0062】
他方では、本発明は、図6に記載の自動運転制御装置を備える車両を提供する。
【0063】
本発明は、コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、当該プログラムがプロセッサによって実行される時、上記ある1つの方法実施例の技術的解決手段を実現し、その実現原理と技術的効果が同様であり、ここではその説明を省略する。
【0064】
図7は、本発明の一例示的な実施例による電子機器を概略的に示す図である。図7に示すように、本実施例による電子機器30は、
プロセッサ301と、
前記プロセッサのコンピュータプログラムを記憶するためのメモリ302と、を備え、
ただし、前記プロセッサ301は、前記コンピュータプログラムを実行することにより、前述の方法の実施例のいずれかによって提供される自動運転制御方法を実行するように構成される。
【0065】
ただし、前記プロセッサ301は、前記実行可能な命令を実行することにより、前記方法実施例のいずれかに記載の技術的解決手段を実行するように構成され、その原理及び技術的効果が同様であり、ここではその説明を省略する。
【0066】
最後に説明すべきものとして、以上の各実施例は、本発明の技術的解決手段を説明するためのものであって、これを制限するものではなく、前述の各実施例を参照しながら本発明を詳細に説明するが、当業者であれば、依然として前述の各実施例に記載の技術的解決手段を修正するか、又はそのうちの一部又はすべての技術的特徴に対して同等置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本発明の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱しないと理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7