(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6941706
(24)【登録日】2021年9月8日
(45)【発行日】2021年9月29日
(54)【発明の名称】スライドレールアセンブリ及びそのレールキット
(51)【国際特許分類】
A47B 88/49 20170101AFI20210916BHJP
H05K 7/18 20060101ALI20210916BHJP
【FI】
A47B88/49
H05K7/18 F
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-71428(P2020-71428)
(22)【出願日】2020年4月13日
(65)【公開番号】特開2021-65681(P2021-65681A)
(43)【公開日】2021年4月30日
【審査請求日】2020年4月13日
(31)【優先権主張番号】108137980
(32)【優先日】2019年10月18日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 建立
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【審査官】
津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3138146(JP,U)
【文献】
特開2018−015525(JP,A)
【文献】
特開2019−118788(JP,A)
【文献】
特開2018−057812(JP,A)
【文献】
特開2018−114264(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2017/0208942(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/49
H05K 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドレールアセンブリであって、
ブロック部を備える第1のレールと、
前記第1のレールに対して引っ込め位置から伸長位置に変位可能な第2のレールであって、該第2のレールは延在孔を有する、第2のレールと、
前記第2のレールに可動に配置されるブロック部材と、
操作部を有する操作部材であって、該操作部は、該操作部材を駆動して前記ブロック部材を第1の状態から第2の状態にするように操作されるように構成されている、操作部材と、
を含み、
前記延在孔は前記操作部の一部が露出される第1の部分と、オペレーターの指を挿入可能な第2の部分とを含み、前記操作部は前記延在孔を介して操作されるように構成され、
前記第2のレールが、前記第1のレールに対して変位された後で前記伸長位置に到達し、前記ブロック部材が前記第1の状態にある場合、前記ブロック部材は前記第1のレールのブロック部によってブロックされ、
前記第2のレールが、前記第1のレールに対して変位された後で前記伸長位置に到達し、前記ブロック部材が前記第2の状態にある場合、前記ブロック部材は前記第1のレールのブロック部によってブロックされない、スライドレールアセンブリ。
【請求項2】
前記ブロック部は、前記第1のレールの前端に隣接する、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項3】
前記ブロック部材は前記第2のレールに枢結されている、請求項2に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項4】
弾性部材をさらに含み、該弾性部材は、前記ブロック部材が該弾性部材の弾性力に対応して前記第1の状態で留まるように前記ブロック部材に弾性力を加える、請求項3に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項5】
前記操作部材は、前記ブロック部材に対応する作動部を有し、前記操作部材は前記第2のレールに配置され、操作された場合に直線的に変位するように構成されている、請求項4に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項6】
第3のレールをさらに含み、前記第1のレールは、前記第2のレールと前記第3のレールとの間に可動に取り付けられる、請求項5に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項7】
スライドレールアセンブリであって、
第1の上壁、第1の下壁及び該第1の上壁と該第1の下壁との間に接続される第1の側壁を有する第1のレールであって、該第1の上壁、該第1の下壁及び該第1の側壁は共に通路を定義し、該第1の側壁にブロック部が配置される、第1のレールと、
前記第1のレールの通路内に可動に取り付けられる第2のレールであって、該第2のレールは、第2の上壁、第2の下壁及び該第2の上壁と該第2の下壁との間に接続される第2の側壁を有し、該第2の側壁は第1の延在孔を有する、第2のレールと、
前記第2のレールの第2の側壁に可動に配置される第1のブロック部材であって、該第1のブロック部材は所定の条件下で前記第1のレールのブロック部にブロックされるように構成されている、第1のブロック部材と、
第1の操作部材であって、該第1の操作部材は、操作されることにより前記第1のブロック部材を駆動するように構成され、該第1の操作部材は前記第2のレールの第2の側壁に配置され、該第1の操作部材は第1の操作部を含む、第1の操作部材と、
を含み、
前記第1の延在孔は前記第1の操作部の一部が露出される第1の部分と、オペレーターの指を挿入可能な第2の部分とを含み、前記第1の操作部は前記第1の操作部材を変位させるために前記第1の延在孔を介して操作されるように構成されている、スライドレールアセンブリ。
【請求項8】
前記第1のブロック部材は、前記第2のレールの第2の側壁に枢結され、
前記スライドレールアセンブリは第1の弾性部材をさらに含み、該第1の弾性部材は、前記第1のブロック部材が該第1の弾性部材の弾性力に対応して第1の状態に留まるように前記第1のブロック部材に弾性力を加え、前記第1のブロック部材は前記第1の状態にある場合、前記第1のレールのブロック部に対応し、
前記第1の操作部材は前記第1のブロック部材に対応する第1の作動部を有し、
前記第1の操作部材は前記第2のレールに配置され、操作された場合に直線的に変位するように構成され、
前記第1の操作部材は延在体を有し、該延在体は、前記第2のレールの第2の上壁及び第2の下壁のうちの一方に隣接する、請求項7に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項9】
前記第2のレールの第2の側壁に可動に配置される第2のブロック部材と、該第2のブロック部材に弾性力を加えるための第2の弾性部材と、操作されて該第2のブロック部材を駆動するように構成された第2の操作部材とをさらに含み、
前記第2の操作部材は、前記第2のブロック部材に対応する第2の作動部を有し、前記第1のブロック部材及び前記第2のブロック部材は、前記第1のレールのブロック部を受容するための空間を前記第1のブロック部材及び前記第2のブロック部材の間に定義する、請求項7に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項10】
前記第2のレールの第2の側壁は第2の延在孔をさらに有し、前記第2の操作部材は第2の操作部を含み、該第2の操作部は、前記第2のレールの第2の延在孔の一部に対応する、請求項9に記載のスライドレールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドレール機構に関し、より具体的には、操作が容易な操作部材を備えるスライドレールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、
図5において、第1のレール、第2のレール及び第3のレールを含むスライドレールアセンブリが開示されている。第1のレールは、第2のレールと第3のレールとの間に可動に取り付けられ、第1のレールの前端に隣接するブロック部を備える。第2のレールは、第1の作用部材及び第2の作用部材だけでなく、第1の作用部材及び第2の作用部材をそれぞれ操作する第1の操作部材及び第2の操作部材も備える。
【0003】
特許文献1の
図12に示すように、第2のレールが第1のレールに対して伸長位置にある場合、第1の作用部材及び第2の作用部材は、第2のレールを伸長位置で維持するために第1のレールのブロック部の両側でそれぞれブロックされ、第2のレールを伸長位置から引っ込め方向に引っ込めたい場合には、第1の作用部材を駆動するために、第1の操作部材及び第2の操作部材のうちの一方の操作部(例えば、第1の操作部)に指で力を加えることにより、第1の作用部材が第1のレールのブロック部によってブロックされた状態から解除できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第10274009号明細書
【特許文献2】米国特許第6935710号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特定のユーザーニーズを満たすためにスライドレールアセンブリをより薄いものとする傾向を考えた場合、特許文献1に開示されたレール及びそれらの間の機能的部品(例えば、第1の操作部材又は第2の操作部材)の厚さを薄くする必要があり得るが、その場合には操作に困難が生じる。例えば、特許文献1の
図12から分かるように、第1の操作部材(又は第2の操作部材)が薄くなると、第1の操作部材(又は第2の操作部材)の第1の操作部(又は第2の操作部)に指で力を加えて操作部を引っ張り、第1の作用部材(又は第2の作用部材)を駆動させるのが困難になる。したがって、特許文献1に開示されたものとは異なるスライドレール製品を開発することが重要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、スライドレールの操作部材が操作し易いスライドレールアセンブリを提供する。
【0007】
本発明の一態様によれば、スライドレールアセンブリは、第1のレール、第2のレール、ブロック部材及び操作部材を含む。第1のレールはブロック部を備える。第2のレールは、第1のレールに対して引っ込め位置から伸長位置に変位できるとともに、延在孔を有する。ブロック部材は第2のレールに可動に配置される。操作部材は操作部を有し、該操作部は、該操作部材を駆動してブロック部材を第1の状態から第2の状態にするように操作されるように構成される。操作部は第2のレールの延在孔の一部に対応する。第2のレールが、第1のレールに対して変位された後で伸長位置に到達し、ブロック部材が第1の状態にある場合、ブロック部材と第1のレールのブロック部との間でブロック関係が確立される。第2のレールが、第1のレールに対して変位された後で伸長位置に到達し、ブロック部材が第2の状態にある場合、ブロック部材と第1のレールのブロック部との間でブロック関係は確立されない。
【0008】
ブロック部は、第1のレールの前端に隣接することが好ましい。
【0009】
ブロック部材は第2のレールに枢結されていることが好ましい。
【0010】
スライドレールアセンブリは弾性部材をさらに含むことが好ましく、該弾性部材は、ブロック部材が該弾性部材の弾性力に対応して第1の状態で留まるようにブロック部材に弾性力を加える。
【0011】
操作部材は、ブロック部材に対応する作動部を有し、操作部材は第2のレールに配置され、操作された場合に直線的に変位するように構成されていることが好ましい。
【0012】
スライドレールアセンブリは第3のレールをさらに含むことが好ましく、第1のレールは、第2のレールと第3のレールとの間に可動に取り付けられる。
【0013】
本発明の別の態様によれば、スライドレールアセンブリは第1のレール、第2のレール、第1のブロック部材及び第1の操作部材を含む。第1のレールは第1の上壁、第1の下壁及び該第1の上壁と該第1の下壁との間に接続される第1の側壁を有する。第1の上壁、第1の下壁及び第1の側壁は共に通路を定義し、第1の側壁にブロック部が配置される。第2のレールは第1のレールの通路内に可動に取り付けられ、第2の上壁、第2の下壁及び該第2の上壁と該第2の下壁との間に接続される第2の側壁を有する。第2の側壁は第1の延在孔を有する。第1のブロック部材は第2のレールの第2の側壁に可動に配置され、該第1のブロック部材は第1のレールのブロック部に対応する。第1の操作部材は、操作されることにより第1のブロック部材を駆動するように構成されている。第1の操作部材は第2のレールの第2の側壁に配置され、該第1の操作部材は第1の操作部を含み、該第1の操作部は第2のレールの第1の延在孔の一部に対応する。オペレーターは第2のレールの第1の延在孔に指を入れることにより第1の操作部を容易に操作して第1の操作部材を変位させることができる。
【0014】
本発明のさらに別の態様によれば、レールキットは、レール、第1のブロック部材、第2のブロック部材及び操作部材を含む。レールは上壁、下壁、上壁と下壁との間に接続される側壁とを含み、側壁は延在孔を有する。第1のブロック部材はレールの側壁に可動に配置され、第2のブロック部材も同様である。第1のブロック部材及び第2のブロック部材は、それらの間の空間を定義する。操作部材は、操作されることにより、第1のブロック部材及び第2のブロック部材のうちの一方を駆動するように構成されている。操作部材はレールの側壁に配置されるとともに、レールの延在孔の一部に対応する操作部を含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリの斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの分解斜視図であり、スライドレールアセンブリが第1のレール、第2のレール及び第3のレールを含むことを示す。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの概略図であり、スライドレールアセンブリが引っ込められた状態にあることを示す。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの概略図であり、第1のレールが第3のレールに対して開位置にあり、第2のレールが第1のレールに対して第1の方向に変位されていることを示す。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの概略図であり、第1のレールが第3のレールに対して開位置にあり、第2のレールが第1のレールに対して第1の方向にさらに変位されていることを示す。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの概略図であり、スライドレールアセンブリが伸長状態にあることを示す。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの概略図であり、第1のレールが第3のレールに対して開位置にあり、第2のレールが第1のレールに対して第1の方向にさらに変位されていることを示す。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの概略図であり、第1のレールが第3のレールに対して開位置にあり、第2のレールが第1のレールに対して第1の方向に変位されて取り外されていることを示す。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの斜視図であり、第2のレールが第1のレールに対して伸長位置にあることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1及び
図2に示すように、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリ20は第1のレール22及び第2のレール24を含み、第3のレール26も含むことが好ましい。第1のレール22は、第2のレール24と第3のレール26との間に可動に取り付けられて、第2のレール24を第3のレール26に対して変位可能な距離を延ばす。スライドレールアセンブリ20は第1のブロック部材28、第1の操作部材30、第2のブロック部材32及び第2の操作部材34をさらに含むことが好ましい。第2のレール24、第1のブロック部材28、第2のブロック部材32及び第1の操作部材30はレールキットを構成する。
【0017】
第3のレール26は、第1のレール22を受容するための通路を含む。
【0018】
第1のレール22は、第1の上壁36a、第1の下壁36b及び第1の上壁36aと第1の下壁36bとの間に接続される第1の側壁38を有する。第1の上壁36a、第1の下壁36b及び第1の側壁38は共に通路を定義する。ブロック部40は第1の側壁38に配置され、ブロック部40は、一例として、第1の側壁38に対して横方向に(又は横に)突出する。ブロック部40は、第1のレール22の第1の側壁38の前端fに隣接することが好ましく、前端fは第1のレール22の後端rから離れている。
【0019】
第2のレール24は、第1のレール22の通路内に可動に取り付けられる。第2のレール24は第2の上壁42a、第2の下壁42b及び第2の上壁42aと第2の下壁42bとの間に接続される第2の側壁44を有する。第2の側壁44は第1の延在孔H1を有し、第2の延在孔H2も有することが好ましい。
【0020】
第1のブロック部材28は、第2のレール24の第2の側壁44に可動に配置される。第1のブロック部材28は、第1のシャフト46により第2のレール24の第2の側壁44に枢結されることが好ましい。
【0021】
第1の操作部材30は、操作されて第1のブロック部材28を駆動するように構成されている。第1の操作部材30は、第2のレール24の第2の側壁44に配置される。第1の操作部材30は第1の操作部30aを含み、第1の操作部30aは、第2のレール24の第1の延在孔H1の一部に対応する。第1の操作部材30は第1の作動部30b及び第1の延在体30cをさらに含み、第1の作動部30bは第1のブロック部材28に対応し、第1の延在体30cは第1の作動部30bと第1の操作部30aとの間に接続されることが好ましい。第1の操作部材30の第1の延在体30cは、第2のレール24の第2の上壁42a及び第2の下壁42bのうちの一方に隣接する。ここでは、第1の操作部材30の第1の延在体30cは、一例として第2のレール24の第2の下壁42bに隣接する。
【0022】
第2のブロック部材32は、第2のレール24の第2の側壁44に可動に配置される。第2のブロック部材32は、第2のシャフト48により第2のレール24の第2の側壁44に枢結されることが好ましい。
【0023】
第2の操作部材34は、操作されることにより第2のブロック部材32を駆動するように構成されている。第2の操作部材34は、第2のレール24の第2の側壁44に配置される。第2の操作部材34は第2の操作部34aを含み、第2の操作部34aは第2のレール24の第2の延在孔H2の第1の部分に対応する。第2の操作部材34は第2の作動部34b及び第2の延在体34cをさらに含み、第2の作動部34bは第2のブロック部材32に対応し、第2の延在体34cは第2の作動部34bと第2の操作部34aとの間に接続されることが好ましい。第2の操作部材34の第2の延在体34cは、第2のレール24の第2の上壁42a及び第2の下壁42bのうちの他方に隣接する。ここでは、第2の操作部材34の第2の延在体34cは、一例として第2のレール24の第2の上壁42aに隣接する。
【0024】
スライドレールアセンブリ20は第1のブロック部材28に弾性力を加えるための第1の弾性部材52aと、第2のブロック部材32に弾性力を加えるための第2の弾性部材52bとをさらに含むことが好ましい。ここでは、第1の弾性部材52a及び第2の弾性部材52bはベース50に配置され、ベース50は、一例として第2のレール24の第2の側壁44に接続される。
【0025】
第1のブロック部材28及び第2のブロック部材32は、第1のレール22のブロック部40を受容するための空間Xをそれらの間で定義することが好ましい。
【0026】
スライドレールアセンブリ20の各2つの隣接するレールの間に摺動促進機構が配置されることが好ましい。例えば、摺動促進装置52が第1のレール22と第2のレール24とが互いに対して滑らかに変位するのを助けるために、第1のレール22と第2のレール24との間に配置される。摺動促進装置52は、本体54、複数の摺動促進部材56(例えば、回転ボール又は回転ホイール)及び締結部材58を含む。摺動促進部材56は本体54に配置され、第1のレール22と第2のレール24との間で支持される。締結部材58は、本体54に可動に取り付けられる(例えば、枢結される)。締結部材58は、弾性部60の弾性力によって所定の状態(例えば、ロック状態)で維持できることが好ましい。第1のレール22は、締結部材58と協働するように構成された係合部61をさらに含む。係合部61は、第1のレール22の第1の側壁38に対して横方向に(又は横に)突出する。
【0027】
図3は、引っ込められた状態にあるスライドレールアセンブリ20を示す。スライドレールアセンブリ20が引っ込められた状態にある場合、第1のレール22が第3のレール26に対して引っ込められ、第2のレール24が第1のレール22に対して引っ込め位置P1にある。第1の操作部材30の第1の操作部30aは第2のレール24の第1の延在孔H1に対応し、第2の操作部材34の第2の操作部34aは第2のレール24の第2の延在孔H2に対応する。第1の操作部材30(より具体的には、その第1の操作部30a)と第1の延在孔H1との構造構成及び作動原理は、第2の操作部材34(より具体的には、その第2の操作部34a)と第2の延在孔H2との構造構成及び作動原理と同じであるため、以下では、簡略化のために、第1の操作部材30及び第1の延在孔H1の関係を主に説明する。
【0028】
引き続き
図3を参照して、第1の操作部材30の第1の操作部30aは、例えば、第2のレール24の第1の延在孔H1の第1の部分K
h11に対応し、オペレータは、第1の延在孔H1の第2の部分K
h12に指を入れることができる。加えて、第1のブロック部材28は第1のレール22のブロック部40に対応する。第1の弾性部材52aは、第1のブロック部材28に弾性力を加え、第1のブロック部材28は、第1の弾性部材52aの弾性力に対応して第1の状態S1で留まることが好ましい。第1の状態S1にある第1のブロック部材28は、第1のレール22のブロック部40と位置が対応する。同様に、第2の弾性部材52bは、第2のブロック部材32が第2の弾性部材52bの弾性力に対応して第1の状態S1で留まるように、第2のブロック部材32に弾性力を加える。第1の状態S1にある第2のブロック部材32も、第1のレール22のブロック部40と位置が対応する。摺動促進装置52の締結部材58と第1のレール22の係合部61とは、所定の長手距離互いに離間している。
【0029】
図4において、第1のレール22は第3のレール26に対して開位置Mにあるため、第3のレール26に対して任意に変位させることができない(当業者であれば、その根底にある原理を理解可能できるため、ここでは説明を省略する)。第2のレール24が第1のレール22に対して第1の方向D1(例えば、開方向)に変位されて、所定の位置に到達すると、第1の状態S1にある第2のブロック部材32は、第1のレール22のブロック部40の第1のブロック区画40aと接触させられる。このプロセスの間、摺動促進装置52も、第2のレール24と共に第1の方向D1に変位される。なお、前述した第2のレール24の変位の後、摺動促進装置52の締結部材58はベース50によって抑え付けられ、もはや前記の所定の状態になく、例えば、締結部材58はロック解除状態になる。
【0030】
図5を参照して、第2のレール24が第1のレール22に対して第1の方向D1にさらに変位されると、第2のブロック部材32と第1のレール22のブロック部40との間の接触により、第2のブロック部材32を所定の角度枢動させる力が生じるため、第2のブロック部材32が第2の状態S2になる。第2のレール24の変位が続くと、第2の状態S2にある第2のブロック部材32は、第1のレール22のブロック部40の第1のブロック区画40aを通過し、第2の弾性部材52bは弾性力を蓄積する。このプロセスの間、摺動促進装置52は第2のレール24と共に第1の方向D1にさらに変位される。
【0031】
図6は、伸長状態(例えば、完全伸長状態)にあるスライドレールアセンブリ20を示す。より具体的には、第2のレール24が第1のレール22に対して第1の方向D1に変位された後で伸長位置P2に到達すると、第2のブロック部材32は、第1のレール22のブロック部40の第2のブロック区画40bに到達し(第2のブロック区画40b及び第1のブロック区画40aは、それぞれブロック部40の両側の位置にそれぞれあるが、実際には必ずしもそのような構成に限定されない)、蓄積した弾性力を第2の弾性部材52bが放つことを受けて、第1の状態S1に戻る。そのため、第2のブロック部材32は、第2のレール24が第1のレール22に対して伸長位置P2から第1の方向D1の反対方向である第2の方向D2に(例えば引っ込め方向)に変位するのを防止するために、ブロック部40の第2のブロック区画40bによってブロックされる(すなわち、第2のブロック部材32は第2のブロック区画40bとブロック関係を確立する。)他方、第1のブロック部材28は、第2のレール24が第1のレール22に対して伸長位置P2から第1の方向D1に変位するのを防止するために、第1の状態S1で留まってブロック部40の第1のブロック区画40aによりブロックされる(すなわち、第1のブロック部材28は、第1のブロック区画40aとブロック関係を確立する)。この状態にあるブロック部40は、第1のブロック部材28と第2のブロック部材32との間の空間X(
図2参照)内で係合する。
【0032】
図6及び
図7を参照して、第2のレール24を第1のレール22に対して伸長位置P2から変位させたい場合、ユーザーは、第1の操作部材30及び第2の操作部材34のうちの一方(第2のレール24の延在孔の一部に対応する第1の操作部材30及び第2の操作部材34のうちの一方の操作部)だけを操作すればよく、第2のレール24は、第1のレール22に対して伸長位置P2から第1の方向D1又は第2の方向D2のいずれにも変位させることができる。この実施形態では、第1の操作部材30の第1の操作部30aは、第2のレール24の第1の延在孔H1の第1の部分K
h11に対応し、第1の延在孔H1の第2の部分K
h12にはオペレーターの指を入れることができ、第1の操作部30aを容易に操作して第1の操作部材30を変位させることができる。より具体的には、第1の延在孔H1の第2の部分K
h12に指を挿入することにより、ユーザーは力Jを容易に加えて第1の操作部30aを操作して第1の操作部材30を直線的に(又は長手方向に)変位させることができる。この目的は、第1の操作部材30の第1の作動部30bが第1のブロック部材28を駆動することで、第1のブロック部材28を第1の状態S1から(
図7に示す)第2の状態S2にすることである。第2の状態S2にある場合、第1のブロック部材28は、ブロック部40の第1のブロック区画40aによりもはやブロックされておらず(すなわち、第1のブロック区画40aと前述のブロック関係を有していないため)、第2のレール24を第1のレール22に対して伸長位置P2から第1の方向D1に変位させることができる。摺動促進装置52の締結部材58は係合部61に隣接する。
【0033】
図8において、第2のレール24は、第1のレール22に対して伸長位置P2から第1の方向D1に変位されて取り外されているため、摺動促進装置52の締結部材58はベース50によってもはや抑え付けられておらず、蓄積した弾性力を弾性部60が放つことに対応して所定の状態(例えば前述のロック状態)に戻っており、摺動促進装置52を理想の位置で維持するために係合部61に締結されている。なお、第2のレール24を第1のレール22に対して第2の方向D2に動かして第1のレール22の通路内に再度取り付けることによって、第2のレール24の一部(例えば後端)が締結部材58を駆動して係合部61との係合を解除する。
【0034】
図9を参照して、第2のレール24は第1の側L1と、第1の側L1と反対の第2の側L2とを有する。第1の操作部30aは第2のレール24の第1の延在孔H1の第1の部分K
h11(
図6参照)に対応し、第2の操作部34aは、第2のレール24の第2の延在孔H2の第1の部分K
h21(
図6参照)に対応する。
【0035】
ユーザーは、第2のレール24の第1の側L1から第2のレール24の第2の側L2へと第1の延在孔H1の第2の部分K
h12に指を通して第1の操作部30aに力Jを容易に加えて、第1の操作部30aを操作することで第1の操作部材30を変位させることができる。第1の操作部材30は第1のブロック部材28を駆動して第1の状態S1から第2の状態S2にさせる。その結果、第1のブロック部材28はブロック部40の第1のブロック区画40aによるブロックから(第1のブロック区画40aとのブロック関係から)解放されて、第2のレール24を第1のレール22に対して伸長位置P2から第1の方向D1に変位させて取り外すことができる。
【0036】
あるいは、ユーザーは、第2のレール24の第1の側L1から第2のレール24の第2の側L2へと第2の延在孔H2の第2の部分K
h22に指を通して第2の操作部34aに別の力を容易に加えて第2の操作部34aを操作することで、第2の操作部材34を変位させることができる。第2の操作部材34は第2のブロック部材32を駆動して第1の状態S1から第2の状態S2にさせる。その結果、第2のブロック部材32はブロック部40の第2のブロック区画40bによるブロックから(第2のブロック区画40bとのブロック関係から)解放されて、第2のレール24を第1のレール22に対して伸長位置P2から第2の方向D2に変位させて引っ込めることができる。
【0037】
本実施形態に係るスライドレールアセンブリ20は、従来技術のものとは異なり、第2のレール24の両側が延在孔(すなわち、第1の延在孔H1及び第2の延在孔H2)を介して互いに連通するように設計されているため、ユーザーは、第2のレール24の第1の側L1又は第2の側L2からいずれかの延在孔に指を通して、対応する操作部材の操作部(例えば、第1の操作部30a又は第2の操作部34a)に力を加えて、対応する操作部材(例えば、第1の操作部材30又は第2の操作部材34)を変位させることができる。変位された操作部材は、対応するブロック部材(例えば、第1のブロック部材28又は第2のブロック部材32)を駆動して、第2のレール24を第1のレール22に対して伸長位置P2から第1の方向D1に変位させて取り外すこと又は第2のレール24を第1のレール22に対して伸長位置P2から第2の方向D2に変位させて引っ込めることを可能にする。
【0038】
全体として、スライドレールアセンブリ20の第2のレール24の延在孔は、従来のスライドレールの大幅に薄くなった操作部材に力を加えることがより困難であるという問題を解決する。この特徴により、スライドレールアセンブリ20の厚さが低減されても、スライドレールアセンブリ20を容易に且つ確実に操作することができる。
【0039】
前述の好ましい実施形態を通じて本発明を開示してきたが、本実施形態は本発明の範囲を制限することを意図したものではない。出願人が求める特許保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。